(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明による番組出力装置等の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
なお、実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。また、本実施の形態において、説明する各種の情報の形式、内容などは、あくまで例示であり、形式、内容は問わない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における番組出力装置1Aのブロック図である。
【0028】
番組出力装置1Aは、テレビジョン放送やIP放送などによって放送される番組を受信してディスプレイとスピーカーに出力する。番組出力装置1Aには、例えば、デジタルテレビ受信機や、パソコンや、ハードディスクレコーダーや、プルーレイディスク・レコーダーなどが含まれる。
【0029】
番組出力装置1Aは、番組受信部101、補助情報受信部102、パラメータ取得部103、パラメータ変更部104および出力部105を備える。また、出力部105は、番組出力手段1051と補助情報出力手段1052を備える。
【0030】
番組受信部101は、番組を受信する。番組は、通常、映像と音声を含む。補助情報受信部102は、放送局から送信される補助情報を受信する。補助情報は、番組に対する補足的な情報である。補助情報は、番組受信部101が受信する番組の視聴を補助する機能を有する。補助情報には、例えば、字幕、手話映像、絵文字、補助音声などが含まれる。
【0031】
字幕は、番組の映像に合わせて表示させる会話、解説、擬音語などを文字や記号で表記したものである。字幕は、通常、無地の背景に文字や記号を表記した静止画で構成され、通常、番組の映像の当該字幕が対応付けられたシーンに同期して出力される。
【0032】
手話映像は、会話、解説、擬音語などを手話で表現している映像(動画)である。手話映像は、例えば、CG(Computer Graphics)の映像であってもよく、手話通訳者が行う手話通訳の動作を撮影した映像でもよい。また、手話映像は、番組の映像に対応付けられたテキスト情報を用いて自動的に生成した手話映像であってもよい。番組の映像に対応付けられたテキスト情報は、例えば、番組の映像に対応付けられた字幕や、番組の映像に対応付けられた音声を音声認識によって取得したテキスト情報などである。
【0033】
絵文字は、会話や解説の内容を絵柄や記号によって象徴的に表現したものである。絵文字には、例えば、人間の喜怒哀楽の感情を表現した泣き顔や笑い顔などの絵柄や災害発生時の災害の種類と規模(若しくは緊急度)を表現した図柄などが含まれる。絵文字のデータ構造は、問わない。絵文字は、例えば、ビットマップデータ形式の画像データでもよく、ベクターデータ形式の画像データでもよく、外字データ形式の画像データでもよい。
【0034】
補助音声は、番組の映像に表示若しくは付加される解説などを音声で解説した情報である。補助音声は、例えば、人が解説文を読み上げた音声であってもよく、解説文を音声合成により変換した合成音や音声合成される文字列などであってもよい。
【0035】
補助情報には、番組内の出力箇所を示す箇所情報を有する場合がある。番組内の出力箇所とは、番組の出力時間における補助情報の時間的な出力位置(番組内の相対的な出力時刻)である。番組内の補助情報の時間的な出力位置は、例えば、番組開始時から経過時間によって表される。
【0036】
番組受信部101は、通常、番組出力装置1Aの電源がONになっている間、図示省略のチャネル番号格納部に格納されているチャネル番号で放送されている番組を受信する。また、補助情報受信部102は、同チャネル番号で送信される補助情報を受信する。
【0037】
番組受信部101と補助情報受信部102は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送受信手段で実現してもよい。番組受信部101と補助情報受信部102は、同一媒体から無線または有線の通信手段で番組と補助情報をそれぞれ受信してもよいし、異なる媒体から無線で番組と補助情報とをそれぞれ受信してもよい。
【0038】
パラメータ取得部103は、番組受信部101が受信した番組の出力に関するパラメータである1以上の番組パラメータと補助情報受信部102が受信した補助情報の出力に関するパラメータである1以上の補助情報パラメータのいずれか一方若しくは両方を取得する。パラメータ取得部103は、番組パラメータを取得する番組パラメータ取得手段1031と、補助情報パラメータを取得する補助情報パラメータ取得手段1032とを備える。
【0039】
番組パラメータと補助情報パラメータには、映像の出力に関する映像パラメータと音声の出力に関する音声パラメータのうち、1以上のパラメータが含まれる。
【0040】
映像パラメータには、番組出力装置1Aのディスプレイの表示画面における映像の表示位置、表示サイズ、アスペクト比などのパラメータ(以下、「ウィンドウパラメータ」という。)と、映像の明るさや色合いなどのパラメータ(以下、「コンテンツパラメータ」という。)と、が含まれる。
【0041】
音声パラメータには、番組出力装置1Aのスピーカーから出力する音声の音量、音色などの音質に関するパラメータと、モノラル/ステレオの出力形式、出力用スピーカーの選択、言語の選択などの音声の出力形式に関するパラメータと、が含まれる。
【0042】
番組パラメータ取得手段1031は、番組の映像に対して、主としてコンテンツパラメータを取得する。番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組の映像から、例えば、明度、彩度、色相などの1以上のコンテンツパラメータを取得する。
【0043】
なお、番組受信部101が受信した番組に含まれる番組関連情報にモノクロ/カラーなどの番組映像の色に関するパラメータが含まれる場合、番組パラメータ取得手段1031は、番組受信部101が受信した番組関連情報から番組映像の色に関するパラメータをコンテンツパラメータとして取得するようにしてもよい。
【0044】
また、番組関連情報に報道番組、スポーツ番組、映画などの番組のジャンルが含まれている場合、そのジャンルの情報を番組パラメータとして取得するようにしてもよい。これは、例えば、番組映像と手話映像を同時に出力する場合、番組のジャンルによって手話映像の適切な表示位置や表示サイズが異なるので、番組のジャンルを用いて手話映像の出力に関するパラメータを変更する場合があるからである。
【0045】
また、番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組の音声から音量、音色などの1以上の音質に関するパラメータとモノラル/ステレオの出力形式、出力用スピーカーの選択などの1以上の出力形式に関するパラメータを取得する。なお、番組パラメータ取得手段1031は、番組受信部101が受信した番組関連情報にモノラル/ステレオ、マルチ言語放送などの情報が含まれている場合、当該番組関連情報からこれらの情報を番組の出力形式に関するパラメータとして取得するようにしてもよい。
【0046】
補助情報パラメータには、字幕の画像、絵文字の画像、手話映像などの出力に関する映像パラメータと補助音声の出力に関する音声パラメータのうち、1以上のパラメータが含まれる。補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報出力手段1052が出力する補助情報の映像(字幕の画像、絵文字の画像、手話映像などの映像)から1以上の補助情報のコンテンツパラメータと、補助音声の音声パラメータを取得する。
【0047】
パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した1以上の番組パラメータを用いた1以上の補助情報パラメータの変更と補助情報パラメータ取得手段1032が取得した1以上の補助情報パラメータを用いた1以上の番組パラメータの変更のいずれか一方若しくは両方を行う。例えば、パラメータ変更部104は、番組の映像の明るさのパラメータを用いて、例えば、字幕の色や明るさのパラメータを変更する。
【0048】
また、パラメータ変更部104は、例えば、番組音声の音量のパラメータを用いて、補助音声の音量のパラメータを変更する。また、パラメータ変更部104は、例えば、補助音声の音量のパラメータを用いて、番組音声の音量のパラメータを変更する。
【0049】
パラメータ取得部103およびパラメータ変更部104は、通常、MPUやメモリ等で実現され得る。パラメータ取得部103およびパラメータ変更部104の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、パラメータ取得部103およびパラメータ変更部104をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0050】
出力部105は、番組受信部101が受信した番組と補助情報受信部102が受信した補助情報を出力する。出力部105は、番組の映像と音声を出力する番組出力手段1051と、補助情報の映像と音声を出力する補助情報出力手段1052とを備える。
【0051】
番組出力手段1051は、番組受信部101が受信した番組の1以上の番組パラメータ(主にコンテンツパラメータと音声パラメータ)がパラメータ変更部104によって変更された場合、変更後の1以上の番組パラメータを用いて、番組受信部101が受信した番組を出力する。補助情報出力手段1052は、補助情報受信部102が受信した補助情報の1以上の補助情報パラメータ(主にコンテンツパラメータと音声パラメータ)がパラメータ変更部104によって変更された場合、変更後の1以上の補助情報パラメータを用いて、補助情報受信部102が受信した補助情報を出力する。
【0052】
補助情報出力手段1052は、通常、補助情報受信部102が受信した補助情報を番組出力装置1Aの出力デバイス(通常、ディスプレイとスピーカーのうち、1以上の出力デバイス)で出力する。補助情報出力手段1052は、例えば、字幕や絵文字を番組の映像に重畳して番組出力装置1Aのディスプレイに出力する。字幕や絵文字を番組の映像に重畳する技術としては、例えば、スーパーインポーズなど周知の技術を用いることができる。また、補助情報出力手段1052は、例えば、番組の映像が出力されている番組出力装置1Aのディスプレイの画面の一部を分割し、その分割領域に手話映像を出力する。
【0053】
補助情報出力手段1052は、補助情報受信部102が受信した補助情報を番組出力装置1Aとは異なる装置の出力デバイスで出力してもよい。番組出力装置1Aとは異なる装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどの携帯端末である。
【0054】
なお、番組と補助情報の出力処理は、ディスプレイとスピーカーへの出力(画像表示と音声出力)だけでなく、例えば、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、他の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどの処理であってもよい。他の処理装置としては、例えば、携帯電話、スマートフォンなどのように、画像を出力することができる装置が含まれる。なお、送信、蓄積、処理結果の引渡しの処理については、出力対象が最終的に視聴者に提示されるものとする。
【0055】
出力部105は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えてもよく、含まないと考えてもよい。出力部105は、出力デバイスのドライバーソフト、または、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0056】
次に、番組出力装置1Aの番組と補助情報の出力動作について、
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0057】
(ステップS201)番組受信部101は、電源がONになったか否かを判断する。電源がONになると(S201:Y)、ステップS202に進み、電源がOFF状態であれば(S201:N)、判断を継続する。
【0058】
(ステップS202)番組受信部101は、チャネル番号格納部に格納されているチャネル番号で放送される番組を受信する。また、補助情報受信部102は、同チャネル番号で補助情報が送信されている場合、その補助情報を受信する。
【0059】
(ステップS203)番組パラメータ取得手段1031は、番組受信部101が受信した番組の番組パラメータを取得する。番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組の映像データや番組受信部101が受信した番組の番組関連情報を用いて、主として番組映像のコンテンツパラメータ(例えば、映像の明るさ、色合い、モノクロ/カラーなどのパラメータ)を取得する。
【0060】
また、番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組の音声データを用いて、例えば、音量、音色、モノラル/ステレオなどの番組の音声パラメータを取得する。
【0061】
(ステップS204)補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報受信部102が補助情報を受信しているか否かを判断する。補助情報受信部102が補助情報を受信していれば(S204:Y)、ステップS205に進み、補助情報受信部102が補助情報を受信していなければ(S204:N)、ステップS206に進む。
【0062】
(ステップS205)補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報受信部102が受信した補助情報の補助情報パラメータを取得する。補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報出力手段1052が出力する補助情報の映像データを用いて、例えば、字幕や手話映像の明るさや色合いなどの映像パラメータを取得し、同補助情報の音声データを用いて、例えば、音量、音色、モノラル/ステレオなどの音声パラメータを取得する。
【0063】
(ステップS206)パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組の番組パラメータを用いた補助情報パラメータの変更と補助情報パラメータ取得手段1032が取得した補助情報パラメータを用いた番組パラメータの変更のいずれか一方若しくは両方を行う。パラメータ変更部104は、補助情報受信部102が字幕の補助情報を受信している場合、例えば、番組の当該字幕が出力される部分の映像パラメータ(コンテンツパラメータ)を用いて、字幕の明るさや色合いなどのパラメータを変更する。
【0064】
また、パラメータ変更部104は、補助情報受信部102が補助音声の補助情報を受信している場合、例えば、補助音声の音量、音色、モノラル/ステレオなどのパラメータを用いて、番組音声の音量、音色、モノラル/ステレオなどのパラメータを変更する。
【0065】
(ステップS207)出力部105の番組出力手段1051は、パラメータ変更部104が変更した番組パラメータを用いて、番組受信部101が受信した番組を出力する。例えば、パラメータ変更部104が番組の映像の明るさを変更した場合、番組出力手段1051は、変更された明るさで番組の映像を出力する。また、パラメータ変更部104が、例えば、番組の音声をモノラル出力に変更した場合、番組出力手段1051は、番組の音声を一対のスピーカーの一方からモノラル出力する。
【0066】
(ステップS208)出力部105は、補助情報受信部102によって補助情報が受信されているか否かを判断する。補助情報が受信されていれば(S208:Y)、ステップS209に進み、補助情報が受信されていなければ(S208:N)、ステップS210に進む。
【0067】
(ステップS209)出力部105の補助情報出力手段1052は、パラメータ変更部104が変更した補助情報パラメータを用いて、補助情報を出力する。例えば、パラメータ変更部104が字幕のコンテンツパラメータを変更した場合、補助情報出力手段1052は、変更された字幕のコンテンツパラメータを用いて、字幕を出力する。例えば、字幕の表示色のパラメータの標準値が黒地に白色の文字で描くように設定されている場合にパラメータ変更部104が、例えば、標準値を灰色地に黄色の文字で描くように変更した場合、補助情報出力手段1052は、変更後の表示態様で字幕の画像を作成し、その字幕の画像を番組の映像に重畳してディスプレイに出力する。
【0068】
また、例えば、パラメータ変更部104が補助音声の音量を標準値よりも小さくするように変更した場合、補助情報出力手段1052は、スピーカーから標準値よりも小さい音量で補助音声を出力する。
【0069】
(ステップS210)番組受信部101と補助情報受信部102は、電源がOFFになったか否かを判断する。電源がOFFになっていないときは(S210:N)、ステップS202に戻り、電源がOFFになったときは(S210:Y)、番組と補助情報の出力処理を終了する。
【0070】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における番組出力装置1Bとサーバ2を具備する番組システムのブロック図である。
【0071】
実施の形態2は、番組識別情報に対応付けられた1以上の補助情報が格納された補助情報格納部201を備えたサーバ2に番組出力装置1Bを通信可能に接続し、当該サーバ2から番組出力装置1Bの要求に応じて補助情報を番組出力装置1Bに提供する構成である。番組出力装置1Bとサーバ2は、例えば、インターネット回線網3に接続され、相互に通信可能になっている。
【0072】
図3に示す番組出力装置1Bは、
図1に示す番組出力装置1Aにおいて、番組受信部101を番組受信部101Aに変更するとともに、補助情報受信部102を補助情報受信部102Aに変更し、補助情報送信指示送信部106を追加した構成である。
【0073】
番組受信部101は、放送局から送信される番組を受信する構成だったが、番組受信部101Aは、放送局から送信される番組と当該番組の番組識別情報を受信する点が番組受信部101と異なる。また、補助情報受信部102は、放送局から送信される補助情報を受信する構成だったが、補助情報受信部102Aは、番組出力装置1Aの要求に応じてサーバ2から送信される補助情報を受信する点が補助情報受信部102と異なる。
【0074】
番組出力装置1B内のパラメータ取得部103、パラメータ変更部104および出力部105は、実施の形態1で説明したパラメータ取得部103、パラメータ変更部104および出力部105と基本的に同一の動作をするので、以下では、重複する構成の説明は省略し、異なる構成について説明する。
【0075】
番組受信部101Aは、放送局から放送される番組と当該番組の番組識別情報とを受信する。番組識別情報は、通常、番組毎に付与される番組識別子(番組ID)であるが、番組を識別できるものであれば、他の識別情報であってもよい。例えば、番組名や、Gコードなどの番組に設定されたコード番号を番組識別情報に利用してもよい。
【0076】
番組受信部101Aは、番組配信サーバから有線や無線の通信手段で番組と番組識別情報を受信してもよいし、地上波放送局から無線で番組と番組識別情報を受信してもよい。番組受信部101Aが受信した番組識別情報は図示省略の番組情報格納部に一時的に記憶される。
【0077】
番組がデジタル放送される場合、番組識別情報は、デジタル化される映像または音声に埋め込まれていてもよいし、デジタル化された映像および音声に多重化されるデータに含まれていてもよい。例えば、データに含まれる番組関連情報に番組識別情報を含めてもよい。なお、番組識別情報が番組の映像、音声またはデータに埋め込まれている場合は、番組受信部101Aは、放送波を受信することによって番組と番組識別情報とを受信する。
【0078】
番組識別情報は、番組の伝送信号にリンク付けされていてもよい。要するに、番組受信部101Aが放送波を受信し、その放送波を復調することによって番組の映像、音声およびデータと、当該番組の番組識別情報とが得られる構造であれば、番組の放送波における番組と番組識別情報のデータ構造は問わない。
【0079】
番組受信部101Aは、通常、番組出力装置1Aの電源がONになっている間、図示省略のチャネル番号格納部に格納されているチャネル番号で放送されている番組を受信する。
【0080】
補助情報送信指示送信部106は、番組受信部101Aが受信した番組識別情報を有する補助情報送信指示をサーバ2に送信する。補助情報送信指示は、サーバ2に対して番組識別情報に対応付けられた1または2以上の補助情報を番組出力装置1Bに送信することの指示である。
【0081】
番組識別情報に対応付けられた補助情報が2以上ある場合、補助情報送信指示には、サーバ2から2以上の補助情報を一括して送信させる補助情報送信指示と、サーバ2から2以上の補助情報情報を順番に送信させる補助情報送信指示とが含まれる。サーバ2から2以上の補助情報を順番に送信させる場合、補助情報送信指示送信部106は、番組識別情報と補助情報の順番を示す情報とを指定した補助情報送信指示をサーバ2に逐次送信してもよく、番組識別情報だけを指定した補助情報送信指示をサーバ2に送信してもよい。
【0082】
補助情報には、後述するように、補助情報を識別するための補助情報識別子が付与されている。また、補助情報には、番組内の出力箇所を示す箇所情報を有する場合がある。番組内の出力箇所とは、番組の出力時間における補助情報の時間的な出力位置である。補助情報の順番を示す情報として、上記の補助情報識別子または番組内の出力箇所を用いることができる。
【0083】
補助情報送信指示送信部106は、サーバ2から2以上の補助情報を順番に送信させる場合、番組識別情報と補助情報識別子とを指定した補助情報送信指示若しくは番組識別情報と箇所情報とを指定した補助情報送信指示をサーバ2に送信する。
【0084】
補助情報送信指示送信部106は、サーバ2に2以上の補助情報の順次送信を指示する場合、最初の補助情報送信指示では、補助情報の補助情報識別子や番組内の出力箇所が分からないので、番組識別情報だけを有する補助情報送信指示をサーバ2に送信する。補助情報送信指示送信部106は、2回目以降の補助情報送信指示では、番組受信部101Aが受信した番組識別情報と、取得した最新の補助情報に含まれる補助情報識別子若しくは箇所情報とを有する補助情報送信指示をサーバ2に送信する。
【0085】
補助情報受信部102Aは、補助情報送信指示送信部106による補助情報送信指示の送信に応じて、当該補助情報送信指示に対応する補助情報をサーバ2から受信する。
【0086】
なお、補助情報送信指示送信部106が番組識別情報だけを有する補助情報送信指示を送信した場合、サーバ2は当該番組識別情報に対応付けられている1以上の補助情報を番組出力装置1Bに送信する。また、補助情報送信指示送信部106が番組識別情報と補助情報識別子とを有する補助情報送信指示を送信した場合、サーバ2は、当該番組識別情報と当該補助情報識別子の次の補助情報識別子とに対応付けられた補助情報を番組出力装置1Bに送信する。また、補助情報送信指示送信部106が番組識別情報と箇所情報とを有する補助情報送信指示を送信した場合、サーバ2は、当該番組識別情報と当該箇所情報に含まれる番組内の出力箇所の次の出力箇所とに対応付けられた補助情報を番組出力装置1Bに送信する。
【0087】
補助情報送信指示送信部106は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送送信手段で実現してもよい。また、補助情報受信部102Aは、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送受信手段で実現してもよい。
【0088】
サーバ2は、補助情報格納部201、補助情報送信指示受信部202、補助情報取得部203および補助情報送信部204を備える。
【0089】
補助情報格納部201は、1または2以上の補助情報を番組識別情報に対応付けて格納している。補助情報格納部201は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でもよい。補助情報格納部201に補助情報が格納される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して補助情報が補助情報格納部201に格納されてもよい。また、通信回線等を介して送信された補助情報が補助情報格納部201に格納されてもよい。あるいは、入力デバイスを介して入力された補助情報が補助情報格納部201に格納されてもよい。
【0090】
次に、番組出力装置1Bの番組と補助情報の出力動作について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
(ステップS401)番組受信部101Aは、電源がONになったか否かを判断する。電源がONになると(S401:Y)、ステップS402に進み、電源がOFF状態であれば(S401:N)、判断を継続する。
【0092】
(ステップS402)番組受信部101Aは、チャネル番号格納部に格納されているチャネル番号で放送される番組を受信する。
【0093】
(ステップS403)番組受信部101Aは、受信した番組に含まれる番組識別情報を復調し、番組識別情報格納部に格納する。
【0094】
(ステップS404)番組パラメータ取得手段1031は、番組受信部101Aが受信した番組の番組パラメータを取得する。番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組の映像データや番組受信部101Aが受信した番組の番組関連情報を用いて、主として番組映像のコンテンツパラメータ(例えば、映像の明るさ、色合い、モノクロ/カラーなどのパラメータ)を取得する。また、番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組の音声データを用いて、例えば、音量、音色、モノラル/ステレオなどの番組の音声パラメータを取得する。
【0095】
(ステップS405)補助情報送信指示送信部106は、番組受信部101Aが受信した番組識別情報を含む補助情報送信指示をサーバ2に送信する。具体的には、補助情報送信指示送信部106は、番組識別情報格納部から番組識別情報を読み出し、補助情報送信指示のコマンドとともにサーバ2に送信する。
【0096】
(ステップS406)補助情報受信部102Aは、補助情報送信指示送信部106による補助情報送信指示に応じてサーバ2から補助情報が送信されると、その補助情報を受信し、バッファメモリに保存する。
【0097】
(ステップS407)補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報受信部102Aが受信した補助情報の補助情報パラメータを取得する。補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報出力手段1052が出力する補助情報の映像データを用いて、例えば、字幕や手話映像の明るさや色合いなどの映像パラメータを取得し、同補助情報の音声データを用いて、例えば、音量、音色、モノラル/ステレオなどの音声パラメータを取得する。
【0098】
(ステップS408)パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組の番組パラメータを用いた補助情報パラメータの変更と補助情報パラメータ取得手段1032が取得した補助情報パラメータを用いた番組パラメータの変更のいずれか一方若しくは両方を行う。パラメータ変更部104は、例えば、補助情報受信部102Aがサーバ2から字幕の補助情報を受信した場合、例えば、番組の当該字幕が重畳される部分の映像パラメータ(コンテンツパラメータ)を用いて、字幕の明るさや色合いなどのパラメータを変更する。
【0099】
また、パラメータ変更部104は、補助情報受信部102Aがサーバ2から補助音声の補助情報を受信した場合、例えば、補助音声の音量、音色、モノラル/ステレオなどのパラメータを用いて、番組の音声の音量、音色、モノラル/ステレオなどのパラメータを変更する。
【0100】
(ステップS409)出力部105の番組出力手段1051は、パラメータ変更部104が変更した番組パラメータを用いて、番組受信部101が受信した番組を出力する。例えば、パラメータ変更部104が番組の映像の明るさを変更した場合、番組出力手段1051は、変更された明るさで番組の映像を出力する。また、パラメータ変更部104が、例えば、番組の音声をモノラル出力に変更した場合、番組出力手段1051は、番組の音声を一対のスピーカーの一方からモノラル出力する。
【0101】
(ステップS410)出力部105の補助情報出力手段1052は、パラメータ変更部104が変更した補助情報パラメータを用いて、補助情報を出力する。例えば、パラメータ変更部104が字幕のコンテンツパラメータを変更した場合、補助情報出力手段1052は、変更された字幕のコンテンツパラメータを用いて、字幕を出力する。例えば、字幕の表示色のパラメータの標準値が黒地に白色の文字で描くように設定されている場合にパラメータ変更部104が、例えば、標準値を灰色地に黄色の文字で描くように変更した場合、補助情報出力手段1052は、変更後の表示態様で字幕の画像を作成し、その字幕の画像を番組の映像に重畳してディスプレイに出力する。
【0102】
また、例えば、パラメータ変更部104が補助音声の音量を標準値よりも小さくするように変更した場合、補助情報出力手段1052は、スピーカーから標準値よりも小さい音量で補助音声を出力する。
【0103】
(ステップS411)補助情報受信部102Aは、番組識別情報に対応付けられた全ての補助情報を受信したか否かを判別する。全ての補助情報を受信していなければ(S411:N)、ステップS405に戻り、全ての補助情報を受信していれば(S411:Y)、ステップS412に進む。
【0104】
(ステップS412)番組受信部101と補助情報受信部102は、電源がOFFになったか否かを判断する。電源がOFFになっていないときは(S412:N)、ステップS402に戻り、電源がOFFになったときは(S412:Y)、番組と補助情報の出力処理を終了する。
【0105】
(具体例1)
次に、番組出力装置1A,1Bにおける番組と補助情報の出力動作の具体例について説明する。
【0106】
実施の形態2の番組出力装置1Bは、実施の形態1の番組出力装置1Aに対して補助情報の受信方法が異なるだけで、受信した番組の1以上の番組パラメータと受信した補助情報の1以上の補助情報パラメータのいずれか一方を用いて、他方のパラメータを変更し、番組パラメータが変更されている場合は、変更した1以上の番組パラメータを用いて番組を出力し、補助情報パラメータが変更されている場合は、変更した1以上の補助情報パラメータを用いて補助情報を出力する構成は共通している。
【0107】
以下の説明では、実施の形態1の番組出力装置1Aについて、番組と補助情報の出力動作の具体例について説明し、実施の形態2の番組出力装置1Bについては、番組出力装置1Aに対して番組および補助情報の出力動作が相違する内容について言及し、共通する内容については説明を省略する。
【0108】
また、具体例1では、番組出力装置1Aが補助情報として番組に対応付けられた字幕の情報を受信し、その字幕を番組映像に重畳して出力する場合を例に説明する。特に、番組映像の字幕が重畳される領域の明るさや色合いのパラメータによって字幕の出力に関するパラメータ(以下、「字幕パラメータ」という。)を変更し、変更後の字幕パラメータを用いて字幕を出力する例について説明する。
【0109】
図5は、番組の映像に字幕を重畳して番組出力装置1Aのディスプレイ107に表示した一例を示す図である。
【0110】
番組出力装置1Aのディスプレイ107は、ハイビジョンサイズ(アスペクト比が16:9)の表示画面107Aを有し、表示画面107Aの下部の両端部にスピーカー108(L),108(R)((R)は正面から見て右側に配置されたスピーカーを示し、(L)は左側に配置されたスピーカーを示す。)が設けられている。
【0111】
番組出力装置1Aには、番組映像GBの画質を調整するための調整項目が設けられている。番組映像GBの画質を調整するための調整項目は、例えば、色温度、黒レベル、白レベル、色の濃さ、色あい、シャープネスなどの項目である。ディスプレイ107がバックライト方式の場合は、バックライトの明るさを調整する項目も画質を調整するための調整項目に含まれる。
【0112】
番組映像GBの色温度、黒レベル、白レベル、色の濃さ、色あい、シャープネスなどの画質調整用の項目は、パラメータ取得部103が取得する番組パラメータ(コンテンツパラメータ)であり、パラメータ変更部104が変更対象とする番組パラメータである。番組映像GBの画質調整用の各項目の標準値は、番組出力装置1Aの製品出荷時にメーカーによりディフォルト値として予め設定されている。
【0113】
字幕GJは、例えば、帯状の背景部分GJ
1と当該背景部分GJ
1上に記載される文字の部分GJ
2とで構成されている。なお、背景部分GJ
1を有しない、文字部分CJ
2だけの字幕もある。字幕GJの字幕パラメータは、例えば、字幕GJの大きさ(一行/二行または一列/二列)、背景部分GJ
1の色、字幕部分GJ
2の色、表示画面107Aにおける字幕GJの表示位置、字幕GJの向き(縦書き/横書き)などのパラメータである。
【0114】
字幕パラメータの標準値は、例えば、字幕GJの表示位置=表示画面107Aの下部中央、字幕GJの向き=横書き、字幕GJの大きさ=一行表示、背景部分GJ
1の色=半透明の黒、文字部分CJ2の色=白などであり、番組出力装置1Aの製品出荷時にメーカーによりディフォルト値として予め設定されている。
【0115】
1つの番組に対する字幕GJは、通常、複数個の字幕GJ(1),GJ(2),…GJ(n)((n)は、字幕GJを識別するための番号)で構成されている。各字幕GJ(i)(i=1,2,…n)には、
図6に示すように、字幕ID、番組ID、出力タイム(番組内の出力開始時間と出力終了時間)、字幕テキストおよび字幕パラメータの情報が含まれている。
【0116】
図6において、字幕IDは、各字幕GJ(i)を識別するために各字幕(i)に付与された固有の識別子である。番組IDは、各字幕GJ(i)が対応付けられている番組を識別するための識別子である。出力タイムは、各字幕GJ(i)の番組内における各字幕GJ(i)の出力位置であり、出力開始時間ts(i)と出力終了時間te(i)で定義されている。
【0117】
なお、ts(i),te(i)の(i)は、字幕GJ(i)の(i)に対応していることを示している。例えば、字幕ID=PN01の出力タイム(ts(1),te(1))は、番組ID「xx11」の番組内における1番目の字幕GJ(1)の出力タイムであることを示し、字幕ID=PN02の出力タイム(ts(2),te(2))は、番組ID「xx11」の番組内における2番目の字幕GJ(2)の出力タイムであることを示している。
【0118】
字幕ID=PN01の出力タイム(ts(1),te(1))と字幕ID=PN51の出力タイム(ts(1),te(1))は、同一の表記となっているが、字幕ID「PN01」の字幕GJ(1)の番組ID「xx11」の番組内における出力時刻が字幕ID「PN51」の字幕GJ(1)の番組ID「xx12」の番組内における出力時刻と同一という意味ではない。
【0119】
字幕テキストは、文字表記される字幕の内容である。短い文は、その文全体が1つの字幕とされるが(
図6のPN03,PN50などの字幕テキスト参照)、長い文は、例えば、読点で分割され、分割された各文が1つの字幕とされている(
図6のPN01,PN02,PN51,PN52などの字幕テキスト参照)
【0120】
字幕パラメータは、字幕テキストを番組出力装置1Aのディスプレイ107に字幕GJの態様で出力させるためのパラメータである。字幕パラメータには、上述した標準値が設定されている。
【0121】
なお、「背景色」は背景部分GJ
1の色、「文字色」は字幕部分GJ
2の色、「一行表示」は字幕GJの大きさ(一行/二行または一列/二列の大きさ)と字幕GJの向き(縦書き/横書き)、表示位置は表示画面107Aにおける字幕GJの表示位置に相当している。「一行表示」は、字幕テキストを横書き一行表示で出力することを示し、「表示位置:下」は表示画面107Aの下部中央に表示することを示している。
【0122】
次に、番組の映像に字幕を重畳して出力する際、番組の出力に関する番組パラメータ(主としてコンテンツパラメータと音声パラメータ)を用いて字幕の出力に関する字幕パラメータを変更し、変更後の字幕パラメータを用いて字幕を出力する場合の例について説明する。
【0123】
以下の説明では、番組出力装置1Aの電源がONになり、番組受信部101が受信を開始するときのチャネル番号では、番組ID「xx11」を有する番組名「イロハ」の番組(以下、「番組イロハ」という。)が放送されているものとし、放送局から番組ID「xx11」に対応付けられた字幕の情報が送信されるものとする。
【0124】
番組出力装置1Aの電源がONになり、番組受信部101がチャネル番号で放送されている番組イロハの受信を開始すると、番組受信部101は、番組ID「xx11」を有する番組イロハを受信し、復調して得られる映像と音声を、例えば、フレーム単位で順次、番組格納部に一時的に格納する。
【0125】
また、補助情報受信部102は、同チャネル番号で送信される番組ID「xx11」に対応付けられた補助情報(字幕情報)を順次、受信し、復調して得られる字幕情報を補助情報格納部に一時的に格納する。
【0126】
番組受信部101が番組イロハを受信すると、出力部105の番組出力手段1051は、番組格納部に格納された番組イロハの映像と音声を格納順に読み出して映像をディスプレイ107に表示し、音声をスピーカー108(L),108(R)から出力する。このとき、番組出力手段1051は、番組イロハの映像と音声を番組パラメータの標準値で出力する。すなわち、番組受信部101が受信した番組イロハの映像がワイドサイズのアスペクト比を有していれば、番組出力手段1051は、その映像をディスプレイ107の表示画面107A全体に出力する。また、同番組イロハの音声がステレオ音声であれば、番組出力手段1051は、その音声をスピーカー108(L),108(R)からステレオ出力する。
【0127】
番組受信部101による番組イロハの受信動作と出力部105の番組出力手段1051による番組イロハの出力動作が開始されると、番組パラメータ取得手段1031は、番組出力手段1051が出力する番組映像GBのうち、表示画面107A内の字幕GJが出力される領域(以下、「字幕出力領域」という。)にある部分のピクセルのデータを取得する。番組パラメータ取得手段1031は、例えば、取得したピクセルのデータの平均値を算出することにより、番組のコンテンツパラメータとして番組映像GBの字幕出力領域の明るさや色合いの情報を取得する。
【0128】
補助情報受信部102が字幕情報を受信すると、出力部105の補助情報出力手段1052は、補助情報格納部に格納された字幕情報を格納順に読み出し、当該字幕情報に含まれる字幕テキストと字幕パラメータ(標準値)を用いて字幕GJの画像を作成する。また、補助情報出力手段1052による字幕GJの出力動作が開始されると、補助情報パラメータ取得手段1032は、字幕の情報から字幕パラメータ(標準値)を取得する。また、補助情報パラメータ取得手段1032は、補助情報出力手段1052から出力される字幕GJのピクセルのデータを取得し、そのデータの平均値を算出することにより、字幕GJの明るさや色合いの情報を取得する。
【0129】
パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組パラメータを用いて、字幕パラメータを変更する。パラメータ変更部104は、例えば、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組映像GBの字幕出力領域の明るさや色合いの情報と、補助情報パラメータ取得手段1032が取得した字幕GJの明るさや色合いの情報とを比較し、両者の差が所定の閾値以上であるか否かを判別する。そして、両者の差が所定の閾値よりも小さい場合は、字幕GJが見辛いと判断し、補助情報格納部に格納されている字幕情報に含まれる字幕パラメータを変更する。
【0130】
例えば、パラメータ変更部104は、字幕GJの背景部分GJ
1の色を標準値の黒から灰色に変更し、番組映像GBの字幕出力領域に対する字幕GJの背景部分GJ
1の濃度の差が閾値以上になるようにする。すなわち、パラメータ変更部104は、番組映像GBの字幕出力領域に対する字幕GJの背景部分GJ
1のコントラストを高くする。この場合、パラメータ変更部104は、字幕GJの文字部分CJ
2の色を標準値の白から黄色などの有彩色に変更し、変更後の背景部分GJ
1に対して文字部分CJ
2を見え易くするようにしてもよい。
【0131】
パラメータ変更部104が字幕の字幕パラメータを変更すると、補助情報出力手段1052は、字幕情報に含まれる字幕テキストと変更後の字幕パラメータを用いて字幕GJの画像を作成する。これにより、字幕GJの画像は、
図7に示すように、背景部分GJ
1が透明な灰色で文字部分CJ
2が白若しくは黄色の字幕GJの画像に変更される。なお、
図7では、作図上、文字部分CJ
2を黒字で描いている。
【0132】
番組映像GBに重畳して出力される字幕GJの番組映像GBに対する明るさや色合いの差が小さくなる場合、パラメータ変更部104が字幕GJの字幕パラメータを変更して字幕GJの番組映像GBに対する明るさや色合いの差を大きくするので、字幕GJが見え辛くなるということを低減することができる。
【0133】
上記の例では、字幕GJの背景部分GJ
1や文字部分CJ
2の明るさや色合いを変更しているが、例えば、番組映像GBの字幕出力領域が字幕GJによって遮られ、当該字幕出力領域の色彩や模様などが見え辛くなるようなシーンでは、幕GJの表示画面107A内における表示位置や表示方向を変更するようにしてよい。
【0134】
この場合は、番組パラメータ取得手段1031は、例えば、番組映像GBの字幕出力領域におけるピクセルのデータの色分布を算出することにより、番組パラメータとして番組映像GBの字幕出力領域における配色の情報を取得する。パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組映像GBの字幕出力領域における色分布を解析し、その解析結果により表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向を標準的な表示位置や表示方向から変化させるべきか否かを判断する。
【0135】
そして、パラメータ変更部104は、表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向を変化すべきと判断すると、字幕GJの表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向の番組パラメータを変更する。パラメータ変更部104は、字幕GJの表示位置や表示方向の番組パラメータを、例えば、表示画面107Aの右側若しくは左側の端部の中央に縦一列で表示させる表示態様に変更する。
【0136】
パラメータ変更部104が字幕の字幕パラメータを変更すると、補助情報出力手段1052は、字幕の情報に含まれる字幕テキストと変更後の字幕パラメータを用いて字幕GJの画像を作成する。これにより、字幕GJの画像は、
図8に示すように、例えば、表示画面107Aの右側の端部の中央に文字が縦一列となる態様で表示される。
【0137】
番組映像GBの字幕出力領域の色彩や模様などが字幕GJによって遮られる場合、パラメータ変更部104が字幕GJの字幕パラメータを変更して表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向を変更するので、番組映像GBを見え辛くなるということを低減することができる。
【0138】
なお、番組映像GBが標準サイズ(アスペクト比が4:3)を有し、当該番組映像GBが左右にサイドバーを設けて表示画面107Aの中央部に表示される場合も、表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向を標準位置から左右のサイドバーの表示領域に変更するようにするとよい。
【0139】
この場合は、番組パラメータ取得手段1031は、例えば、番組受信部101が受信した番組の番組関連情報に含まれる番組映像のアスペクト比の情報を取得し、パラメータ変更部104が、そのアスペクト比の情報を用いて表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向を標準的な表示位置や表示方向から変化すべきか否かを判断する。
【0140】
そして、パラメータ変更部104は、表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向を変化すべきと判断すると、表示画面107A内における字幕GJの表示位置や表示方向の番組パラメータを変更する。パラメータ変更部104は、字幕GJの表示位置や表示方向の番組パラメータを、例えば、表示画面107Aの右側若しくは左側のサイドバーが作成される領域内に縦一列で表示させる表示態様に変更する。
【0141】
パラメータ変更部104が字幕の字幕パラメータを変更すると、補助情報出力手段1052は、字幕の情報に含まれる字幕テキストと変更後の字幕パラメータを用いて字幕GJの画像を作成する。これにより、字幕GJの画像は、
図9に示すように、例えば、表示画面107Aの右側のサイドバーの領域に文字が縦一列となる態様で表示される。
【0142】
以上のように、具体例1によれば、番組の映像に字幕を重畳してディスプレイ107の表示画面107Aに表示する場合、番組の番組パラメータを用いて字幕の1以上の字幕パラメータを変更し、変更後の字幕パラメータを用いて字幕GJを出力するので、表示画面107Aの字幕出力領域における番組映像GB若しくは字幕GJが見え辛くなる状態を低減することができる。
【0143】
(具体例2)
次に、具体例2として、番組出力装置1Aが補助情報として番組に対応付けられた手話映像の情報を受信し、その手話映像を番組の映像とともに出力する場合の例について説明する。
【0144】
具体例2では、番組のジャンルによって手話映像の出力に関するパラメータ(以下、「手話映像パラメータ」という。)を変更し、変更後の手話映像パラメータを用いて手話映像を出力する例について説明する。
【0145】
図10は、番組出力装置1Aのディスプレイに番組の映像と手話映像を表示した一例を示す図である。
【0146】
図10の例では、表示画面107Aの左下隅に矩形の手話表示領域107Bが設けられ、その手話表示領域107Bに手話映像GS(動画)が表示され、表示画面107Aの手話表示領域107B以外の領域に番組映像GBが表示されている。
【0147】
番組出力装置1Aに、表示画面107Aに表示される番組映像GBの画質を調整するための調整項目が設けられている点は具体例1の場合と同様である。
【0148】
手話映像GSは、例えば、手話翻訳者が番組映像GBに関する説明や番組映像GBに登場する話者の内容を手話に翻訳する動作を示す映像である。手話映像GSは番組全体に対して1本の映像で構成される場合と、番組全体に対して2本以上の映像で構成される場合がある。後者の場合の事例としては、例えば、情報番組で番組内の特定の時間帯に解説者が登場して解説するシーンがある場合、そのシーンのときにだけ手話映像が表示されるケースが考えられる。
【0149】
手話映像GSは、通常、標準サイズ(アスペクト比が4:3)で作成されている。手話映像パラメータは、例えば、手話映像GSの大きさ、手話映像GSの画質に関する項目(例えば、明るさや色合いなどの項目)、表示画面107Aにおける表示位置などのパラメータである。
【0150】
手話映像パラメータの標準値は、例えば、手話映像GSの表示位置=表示画面107Aの左下隅、手話映像GSの大きさ=X×Y(ドット)、手話映像GSの画質=標準値などであり、番組出力装置1Aの製品出荷時にメーカーによりディフォルト値として予め設定されている。
【0151】
手話映像GSには、
図11に示すように、手話ID、番組ID、手話映像名、出力タイム(番組内の出力開始時間と出力終了時間)および手話映像パラメータの情報が含まれている。
【0152】
図11において、手話IDは、手話映像GSを識別するために各手話映像GSに付与された固有の識別子である。番組IDは、手話映像GSが対応付けられている番組を識別するための識別子である。
【0153】
手話映像名は、手話映像GSのデータファイルに付与されている名称である。なお、「AAA_1」、「AAA_2」などの手話映像名は、「AAA」が手話映像名で、「_1」,「_2」は、枝番号である。これらの手話映像名は、1つの番組に対して2以上の手話映像が対応付けられている場合に、手話映像名「AAA」に枝番号「1」,「2」を付して、同一番組に対応付けられた複数の手話映像の識別をするためのものである。
【0154】
出力タイムは、手話映像GSの番組内における時間的な出力位置であり、出力開始時間ts(i)と出力終了時間te(i)で定義されている。出力タイムは、1つの番組に対して複数の手話映像GSが対応付けられている場合、各手話映像GSを番組内における出力時刻に同期させて出力させるために設定されている。
【0155】
なお、ts(i),te(i)の(i)は、番組に対応付けられている複数の手話映像GSの順番iに対応するものであることを示している。例えば、手話ID=QN01の出力タイム(ts(1),te(1))は、番組ID「yy01」の番組内における1番目の手話映像GS(1)の出力タイムであることを示し、手話ID=QN02の出力タイム(ts(2),te(2))は、番組ID「yy01」の番組内における2番目の手話映像GS(2)の出力タイムであることを示している。
【0156】
例えば、手話ID=QN01の出力タイム(ts(1),te(1))と手話字幕ID=QN03の出力タイム(ts(1),te(1))は、同一の表記となっているが、手話ID「QN01」の手話映像GS(1)の番組ID「yy01」の番組内における出力時刻が手話ID「QN03」の手話映像GSの番組ID「yy03」の番組内における出力時刻と同一という意味ではない。
【0157】
手話映像パラメータは、手話映像GSを番組出力装置1Aのディスプレイ107に出力させるためのパラメータである。手話映像パラメータには、上述した標準値が設定されている。
【0158】
なお、「表示位置」は表示画面107Aにおける手話映像GSの表示位置を示している。「画像サイズ」は、手話映像GSのアスペクト比を示し、「画質」は、表示画面107Aに表示される手話映像GSの画質(明るさや色合いなど)を示している。
【0159】
次に、表示画面107A内に番組映像GBと手話映像GSを出力する際、番組の番組パラメータとして取得した番組のジャンルを用いて手話映像パラメータを変更し、変更後の手話映像パラメータを用いて手話映像を出力する場合の例について説明する。
【0160】
以下の説明でも、具体例1と同様に、番組受信部101は、番組出力装置1Aの電源がONになると、チャネル番号で放送されている番組ID「xx11」を有する番組イロハの受信を開始し、補助情報受信部102は、その番番組イロハに対応付けられた手話映像の情報の受信を開始するものとする。
【0161】
番組受信部101が番組イロハを受信すると、出力部105の番組出力手段1051は、番組格納部に格納された番組イロハの映像と音声を格納順に読み出して映像をディスプレイ107に表示し、音声をスピーカー108(L),108(R)から出力する。このとき、番組出力手段1051は、番組イロハの映像と音声を番組パラメータの標準値で出力する。すなわち、番組受信部101が受信した番組イロハの映像がワイドサイズのアスペクト比を有していれば、番組出力手段1051は、その映像をディスプレイ107の表示画面107A全体に出力する。また、同番組イロハの音声がステレオ音声であれば、番組出力手段1051は、その音声をスピーカー108(L),108(R)からステレオ出力する。
【0162】
番組受信部101による番組イロハの受信動作と出力部105の番組出力手段1051による番組イロハの出力動作が開始されると、番組パラメータ取得手段1031は、番組受信部101が受信した番組イロハの番組関連情報に含まれる、例えば、番組のジャンルを番組パラメータとして取得する。
【0163】
補助情報受信部102が手話映像の情報を受信すると、出力部105の補助情報出力手段1052は、補助情報格納部に格納された手話映像の情報を格納順に読み出し、当該手話映像の情報に含まれる手話映像のファイルと手話映像パラメータ(標準値)を用いて手話映像GS(動画)を作成する。また、補助情報出力手段1052による手話映像GSの出力動作が開始されると、補助情報パラメータ取得手段1032は、手話映像の情報から手話映像パラメータ(標準値)を取得する。
【0164】
パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組パラメータ(番組のジャンル)を用いて、手話映像パラメータを変更する。パラメータ変更部104は、例えば、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組のジャンルがスポーツ番組の場合、手話映像GSによって番組映像GBが見え辛くならないようにするために、補助情報格納部に格納されている手話映像の情報に含まれる手話映像パラメータを変更する。
【0165】
例えば、パラメータ変更部104は、手話映像GSの大きさを標準値から所定の割合だけ小さくしたサイズに変更する。パラメータ変更部104が手話映像の手話映像パラメータを変更すると、補助情報出力手段1052は、手話映像の情報に含まれる手話映像のデータと変更後の手話映像パラメータを用いて手話映像GSを作成する。これにより、表示画面107Aの手話表示領域107Bに表示される手話映像GSの大きさは、
図12に示すように、標準値の大きさよりも小さいサイズで表示される。
【0166】
視聴者が番組映像GBの全体に注目するようなスポーツ番組の場合、パラメータ変更部104が手話映像GSの手話映像パラメータを変更して手話映像GSの表示画面107A内の手話表示領域107Bの大きさを小さくするので、手話映像GSが番組映像GBを見え辛くすることを低減することができる。
【0167】
上記の例では、表示画面107A内の手話表示領域107Bの大きさを標準値よりも小さいサイズに変更しているが、例えば、放映される番組映像が競技場を俯瞰した映像となる場合は、表示画面107A内の手話表示領域107Bの位置を、例えば、左下隅から左上隅などに移動させるようにしてもよい。
【0168】
上記の例では、表示画面107Aにおける手話映像GSの大きさを変更したり、手話映像GSの表示位置を変更したりする例を説明したが、例えば、ニュース番組の場合には、手話映像Gの明るさを標準値よりも大きくし(明るくし)、手話映像GSを見え易くするようにしてもよい。この場合、併せて表示画面107Aにおける手話映像GSの大きさも標準値より大きくするようにしてもよい。
【0169】
また、上記の例では、番組のジャンルを番組パラメータとして手話映像の手話映像パラメータを変更するようにしているが、番組のコンテンツパラメータを用いて手話映像の手話映像パラメータ(特に手話映像のコンテンツパラメータ)を変更するようにしてもよい。
【0170】
以上のように、具体例2によれば、番組の映像と手話映像をディスプレイ107の表示画面107Aに表示する場合、番組の番組パラメータを用いて手話映像の1以上の手話映像パラメータを変更し、変更後の手話映像パラメータを用いて手話映像GSを出力するので、表示画面107Aに同時に表示される番組映像GB若しくは手話映像GSが見え辛くなる状態を低減することができる。
【0171】
(具体例3)
次に、具体例3として、番組出力装置1Aが補助情報として番組に対応付けられた補助音声の情報を受信し、その補助音声を番組の音声とともに出力する場合の例について説明する。
【0172】
番組出力装置1Aには、音量や音声出力位置などの音声出力の調整に関する項目が設けられている。音量を調整する項目には、スピーカー108(R)から出力する音量とスピーカー108(L)から出力する音量をそれぞれ調整する項目が含まれる。音声出力位置を調整する項目には、番組の音声を出力するためのスピーカー108としてスピーカー108(L)とスピーカー108(R)の両方若しくはいずれか一方を使用する選択をする項目や補助音声を出力するためのスピーカー108としてスピーカー108(L)とスピーカー108(R)の両方若しくはいずれか一方を使用する選択をする項目が含まれる。
【0173】
番組の音声の出力に関するパラメータは、例えば、当該音声がステレオの場合は、スピーカー108(L),108(R)の両方を用いてステレオ出力し、当該音声がモノラルの場合は、スピーカー108(L),108(R)の両方を用いてモノラル出力するように標準値が設定されている。補助音声の出力に関するパラメータは、例えば、番組の音声が出力されていない場合、スピーカー108(L),108(R)の両方を用いて補助音声を出力するように標準値が設定されている。
【0174】
また、番組の音声と補助音声を同時に出力する場合、例えば、番組の音声の出力に関するパラメータは、スピーカー108(L),108(R)のいずれか一方のスピーカーから番組の音声を出力し、補助音声の出力に関するパラメータは、他方のスピーカーから補助音声を出力するように、標準値が設定されている。
【0175】
番組の音声と補助音声の出力に関する各パラメータの標準値は、番組出力装置1Aの製品出荷時にメーカーによりディフォルト値として予め設定されている。
【0176】
1つの番組に対する補助音声は、通常、複数個の補助音声で構成されている。各補助音声には、
図13に示すように、補助音声ID、番組ID、手話映像名、出力タイム(番組内の出力開始時間と出力終了時間)および補助音声パラメータの情報が含まれている。
【0177】
図13において、補助音声IDは、補助音声を識別するために各補助音声のデータに付与された固有の識別子である。番組IDは、補助音声が対応付けられている番組を識別するための識別子である。
【0178】
補助音声名は、補助音声のデータファイルに付与されている名称である。なお、「aaa_1」、「aaa_2」、「aaa_3」などの補助音声名は、「aaa」が補助音声名で、「_1」,「_2」,「_3」は、枝番号である。これらの補助音声名は、1つの番組に対して2以上の補助音声が対応付けられている場合に、補助音声名「aaa」に枝番号「1」,「2」,「3」を付して、同一番組に対応付けられた複数の補助音声の識別をするためのものである。
【0179】
出力タイムは、補助音声の番組内における時間的な出力位置であり、出力開始時間ts(i)と出力終了時間te(i)で定義されている。出力タイムは、1つの番組に対して複数の補助音声が対応付けられている場合、各補助音声を番組内における出力時刻に同期させて出力させるために設定されている。
【0180】
なお、ts(i),te(i)の(i)は、番組に対応付けられている複数の補助音声の順番iに対応するものであることを示している。例えば、補助音声ID=RN01の出力タイム(ts(1),te(1))は、番組ID「zz01」の番組内における1番目の補助音声の出力タイムであることを示し、補助音声ID=RN02の出力タイム(ts(2),te(2))は、番組ID「zz01」の番組内における2番目の補助音声の出力タイムであることを示している。
【0181】
例えば、補助音声ID=RN01の出力タイム(ts(1),te(1))と補助音声ID=RN10の出力タイム(ts(1),te(1))は、同一の表記となっているが、補助音声ID「RN01」の補助音声の番組ID「zz01」の番組内における出力時刻が補助音声ID「RN10」の補助音声の番組ID「zz10」の番組内における出力時刻と同一という意味ではない。
【0182】
補助音声パラメータは、補助音声を番組出力装置1Aのスピーカー108から出力させるためのパラメータである。補助音声パラメータには、上述した標準値が設定されている。
【0183】
なお、「単独:L/R」は、単独で補助音声を出力する場合、スピーカー108(L),108(R)の両方のスピーカーから出力することを示している。
【0184】
次に、スピーカー108(L),108(R)を用いて番組の音声と補助情報を同時に出力する際、番組パラメータの番組音声の出力に関するパラメータを用いて補助音声の出力に関する補助音声パラメータを変更し、変更後の補助音声パラメータを用いて補助音声を出力する場合の例について説明する。
【0185】
以下の説明でも、具体例1と同様に、番組受信部101は、番組出力装置1Aの電源がONになると、チャネル番号で放送されている番組ID「zz01」を有する番組の受信を開始し、補助情報受信部102は、その番組に対応付けられた補助音声の情報の受信を開始するものとする。
【0186】
番組受信部101が番組を受信すると、出力部105の番組出力手段1051は、番組格納部に格納された番組の映像と音声を格納順に読み出して映像をディスプレイ107に表示し、音声をスピーカー108(L),108(R)から出力する。このとき、番組出力手段1051は、番組の映像と音声を番組パラメータの標準値で出力する。すなわち、番組受信部101が受信した番組の映像がワイドサイズのアスペクト比を有していれば、番組出力手段1051は、その映像をディスプレイ107の表示画面107A全体に出力する。また、同番組の音声がステレオ音声であれば、番組出力手段1051は、その音声をスピーカー108(L),108(R)からステレオ出力する。
【0187】
番組受信部101による番組の受信動作と出力部105の番組出力手段1051による番組の出力動作が開始されると、番組パラメータ取得手段1031は、番組受信部101が受信した番組の音声の出力に関するパラメータを取得する。
【0188】
補助情報受信部102が補助音声の情報を受信すると、出力部105の補助情報出力手段1052は、補助情報格納部に格納された補助音声の情報を格納順に読み出し、番組出力手段1051が出力している番組の経過時間が当該補助音声の情報に含まれる出力タイムになると、補助音声のファイルを再生し、補助音声パラメータ(標準値)を用いてスピーカー108(L),108(R)から出力する。また、補助情報出力手段1052による補助音声の出力動作が開始されると、補助情報パラメータ取得手段1032は、補助音声の情報から補助音声パラメータ(標準値)を取得する。
【0189】
パラメータ変更部104は、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組音声の出力に関するパラメータを用いて、補助音声の出力に関するパラメータを変更する。パラメータ変更部104は、例えば、補助音声を聞き易くするために、補助情報格納部に格納されている補助音声の情報に含まれる補助音声パラメータを変更する。
【0190】
例えば、パラメータ変更部104は、補助音声の音量を標準値から所定の割合だけ大きい音量に変更し、補助音声を出力するスピーカーを、例えば、左側のスピーカー108(L)に変更する。なお、補助音声をより聞き易くするために、パラメータ変更部104は、番組音声の音量を標準値から所定の割合だけ小さい音量に変更し、番組音声を出力するスピーカーを右側のスピーカー108(R)に変更してもよい。
【0191】
パラメータ変更部104が補助音声の出力に関する各パラメータを変更すると、補助情報出力手段1052は、補助音声の音量を標準値から所定の割合だけ大きくした音量で、左側のスピーカー108(L)から出力する。なお、パラメータ変更部104が番組音声の出力に関するパラメータを上記のように変更した場合は、番組出力手段1051は、番組の音声の音量を標準値から所定の割合だけ小さくした音量で、右側のスピーカー108(R)から出力する。
【0192】
これにより、番組出力装置1Aでは、補助音声が左側のスピーカー108(L)から標準値より大きい音量で出力される。なお、番組音声の出力に関するパラメータも上記のように変更され場合、番組出力装置1Aでは、
図14に示すように、番組の音声が右側のスピーカー108(R)から標準値より小さい音量で出力され、補助音声が左側のスピーカー108(L)から標準値より大きい音量で出力される。
【0193】
上記のように、補助音声が番組音声と同時に出力される場合、パラメータ変更部104が補助音声の補助音声パラメータを変更して補助音声の音量を標準値より大きい音量でスピーカー108(L),(R)のいずれか一方から出力するので、視聴者に対して補助音声を聞き易くすることができる。また、番組音声の番組パラメータも変更して番組音声の音量を標準値より小さい音量でスピーカー108(L),(R)の他方から出力するので、視聴者に対して補助音声をより聞き易くすることができる。
【0194】
上記の例では、補助音声が番組音声と同時に出力される場合に番組音声の出力に関するパラメータを用いて補助音声の出力に関するパラメータを変更しているが、番組音声の出力に関するパラメータとして番組のジャンルを取得し、その番組のジャンルを用いて補助音声の出力に関するパラメータを変更するようにしてもよい。
【0195】
例えば、番組パラメータ取得手段1031が番組のジャンルとして芝居やオペラなどの芸術番組を取得した場合、演目や上演内容を解説した補助音声を聞き易くするために、上記のように、補助音声パラメータと番組音声の出力に関するパラメータを変更するようにしてもよい。
【0196】
上記の例では、補助音声が番組音声と同時に出力される場合、両方の音声を出力するようしているが、視聴者がスピーカー108(L)又はスピーカー108(R)の音声出力を消音(ミュート)できるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、視聴者が番組音声を聞きたくなければ、番組音声が出力されるスピーカー108(R)の音声出力を消音することにより、補助音声を明瞭に聞くことができる。
【0197】
また、パラメータ変更部104が、番組パラメータ取得手段1031が取得した番組パラメータと補助情報パラメータ取得手段1032が取得した補助音声パラメータとを照合し、番組音声と補助音声とが同時に出力される場合には、番組音声の音量をゼロにする(消音する)ように、番組パラメータを変更するようにしてもよい。このようにした場合、補助音声を番組音声よりも優先して自動的に視聴者に視聴させることができる。
【0198】
上記の具体例1〜3では、パラメータ変更部104が番組の番組パラメータを用いて補助情報の補助情報パラメータを変更し、補助情報を出力する際の映像出力若しくは音声出力の態様を標準値とは異なる態様に自動的に変更するようにしていたが、パラメータ変更部104が補助情報の補助情報パラメータを用いて番組の番組パラメータを変更し、番組を出力する際の映像出力若しくは音声出力の態様を標準値とは異なる態様に自動的に変更するようにしてもよい。
【0199】
例えば、
図11に示す手話ID「QN01」の手話映像の出力タイム(ts(1)からte(1)までの出力時間)が番組内の一部の時間帯である場合、その時間だけ番組映像GBのアスペクト比を変更して、手話映像GSの表示領域が番組映像GBの表示領域の外側になるようにしてもよい。
【0200】
例えば、
図10に示す表示例で、番組内の経過時間が手話ID「QN01」の手話映像GSの出力開始時間ts(1)になると、パラメータ変更部104が番組パラメータのアスペクト比をワイドサイズ(16:9)から標準サイズ(4:3)に変更し、番組出力手段1051が番組映像GBを標準サイズで表示画面107Aに表示するようにする。番組映像GBのアスペクト比が標準サイズに変更されると、表示画面107Aの左右の両側にサイドバーが形成され、そのサイドバーの部分に手話映像GSが表示されるので、番組映像GBと手話映像GSとを分離して表示することができる。
【0201】
これにより、番組映像GBと手話映像GSとが互いに干渉することがなく、両映像が見易くなる。
【0202】
なお、サイドバーの領域に手話映像GSを表示させる場合、サイドバーが通常、黒色であるので、パラメータ変更部104は、手話映像パラメータの明るさのパラメータを標準値よりも高くするように変更し、サイドバーに対する手話映像GSのコントラストを大きくするようにしてもよい。
【0203】
上記の具体例1〜3では、補助情報受信部102が字幕、手話映像、補助音声のいずれか1つを受信する場合について説明したが、番組受信部101が受信している番組に対して補助情報受信部102が2種類以上の補助情報を受信し、パラメータ変更部104が、番組パラメータを用いて、各補助情報の出力に関するパラメータを変更するようにしてもよい。
【0204】
例えば、実施の形態2の番組出力装置1Bにおいて、補助情報受信部102Aがサーバ2から字幕と補助音声の補助情報を受信し、番組受信部101Aが受信した番組とともに出力する場合、パラメータ変更部104は、例えば、具体例1で説明した字幕パラメータの変更と、具体例3で説明した補助音声パラメータの変更を行うようにしてもよい。
【0205】
この場合は、字幕パラメータと補助音声パラメータの変更後に、字幕GJは、
図7に示したように、背景部分GJ
1が透明な灰色で文字部分CJ
2が白若しくは黄色の字幕GJの画像に変更されて表示画面107Aの字幕表示領域に表示され、番組音声と補助音声は、
図14に示したように、番組音声が右側のスピーカー108(R)から標準値より小さい音量で番組の音声が出力され、補助音声が左側のスピーカー108(L)から標準値より大きい音量で補助音声が出力されるようになる。
【0206】
以上のように、実施の形態1,2によれば、補助情報を受信して番組とともに出力する場合、番組の出力に関する番組パラメータと補助情報の出力に関する補助情報パラメータのいずれか一方を用いて、他方のパラメータを変更するので、番組又は補助情報の出力に関するパラメータを自動的に適正値に調整することができる。
【0207】
これにより、番組と補助情報とが干渉して、番組若しくは補助情報、又は番組と補助情報の両方が視聴し辛くなることを低減することができる。
【0208】
本実施の形態1,2の番組出力装置1A,1Bにおける処理や本実施の形態2のサーバ2における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。
【0209】
本実施の形態1における番組出力装置1Aを実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。
【0210】
すなわち、コンピュータを、番組を受信する番組受信部と、番組に対する補足的な情報である補助情報を受信する補助情報受信部と、番組受信部が受信した番組の出力に関するパラメータである1以上の番組パラメータと補助情報受信部が受信した補助情報の出力に関するパラメータである1以上の補助情報パラメータのいずれか一方若しくは両方を取得するパラメータ取得部と、パラメータ取得部が取得した1以上の番組パラメータを用いた1以上の補助情報パラメータの変更とパラメータ取得部が取得した1以上の補助情報パラメータを用いた1以上の番組パラメータの変更のいずれか一方若しくは両方を行うパラメータ変更部と、パラメータ変更部が変更した1以上の番組パラメータを用いて番組受信部が受信した番組を出力する、またはパラメータ変更部が変更した1以上の補助情報パラメータを用いて補助情報受信部が受信した補助情報を出力する出力部と、して機能させるためのプログラムである。
【0211】
また、実施の形態2における番組出力装置1Bを実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。
【0212】
すなわち、コンピュータを、番組と番組識別情報とを受信する番組受信部と、番組受信部が受信した番組識別情報を有する補助情報送信指示を、番組識別情報に対応付けて補助情報を備えるサーバに送信する補助情報送信指示送信部と、補助情報送信指示の送信に応じて、当該補助情報送信指示が有する補助情報に対応する1以上の補助情報をサーバから受信する補助情報受信部と、番組受信部が受信した番組の出力に関するパラメータである1以上の番組パラメータ、または前記補助情報受信部が受信した補助情報の出力に関するパラメータである1以上の補助情報パラメータのいずれか一方若しくは両方を取得するパラメータ取得部と、パラメータ変更部が変更した1以上の番組パラメータを用いて番組受信部が受信した番組出力する、またはパラメータ変更部が変更した1以上の補助情報パラメータを用いて補助情報受信部が受信した補助情報を出力する出力部と、して機能させためのプログラムである。
【0213】
また、実施の形態2におけるサーバ2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。
【0214】
すなわち、コンピュータがアクセス可能な記録媒体は、番組識別情報に対応付けて補助情報を格納している1又は2以上の補助情報を格納している補助情報格納部を具備し、コンピュータを、番組とともに補助情報を出力する番組出力装置から番組識別情報を有する補助情報送信指示を受信する補助情報送信指示受信部と、補助情報送信指示が有する番組識別情報に対応する補助情報を1以上の補助情報格納部から取得する補助情報取得部と、補助情報取得部が取得した1以上の補助情報を番組出力装置に送信する補助情報送信部と、して機能するプログラムである。
【0215】
図15は、上記プログラムを実行して、番組出力装置1A,1Bやサーバ2を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。実施の形態1,2は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0216】
図15において、コンピュータシステム900は、CD−ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0217】
図16は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。
図16において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)906と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM907と、MPU906に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM908と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク909と、MPU906、ROM907等を相互に接続するバス910とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0218】
コンピュータシステム900に、上記の番組出力装置1A,1Bとサーバ2の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM911に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク909に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク909に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM908にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM911、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD−ROM911に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
【0219】
プログラムは、コンピュータ901に、上記の番組出力装置1A,1Bとサーバ2の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0220】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0221】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0222】
また、上記実施の形態1,2において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0223】
また、上記実施の形態1,2において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0224】
本発明は、以上の実施の形態1,2に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。