特許第6386949号(P6386949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386949
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】微小炭酸カルシウム中空粒子
(51)【国際特許分類】
   C01F 11/18 20060101AFI20180827BHJP
   G03G 9/097 20060101ALI20180827BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   C01F11/18 A
   G03G9/097 368
   A61K8/19
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-52802(P2015-52802)
(22)【出願日】2015年3月17日
(65)【公開番号】特開2016-172656(P2016-172656A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2017年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】若林 恭子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 広樹
(72)【発明者】
【氏名】一坪 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】増田 賢太
【審査官】 村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−212315(JP,A)
【文献】 特開2014−080356(JP,A)
【文献】 特開平06−127938(JP,A)
【文献】 特開2006−016392(JP,A)
【文献】 特表2002−507973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 1/00−17/00
A61K 8/19
G03G 9/097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機酸カルシウム塩溶液を噴霧熱分解処理することを特徴とする微小炭酸カルシウム中空粒子の製造法。
【請求項2】
得られる微小炭酸カルシウム中空粒子が、平均円形度が0.85以上、平均粒径が0.5μm〜20μm、圧縮強度が0.3〜150MPa、BET比表面積が0.1〜8m2/gである請求項1記載の微小炭酸カルシウム中空粒子の製造法
【請求項3】
得られる微小炭酸カルシウム中空粒子が、かさ密度が0.01〜0.4g/cm3、みかけ密度が0.2〜2.5g/cm3である請求項1又は2記載の微小炭酸カルシウム中空粒子の製造法
【請求項4】
得られる微小炭酸カルシウム中空粒子が、平均膜厚が50〜2000nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小炭酸カルシウム中空粒子の製造法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機フィラーや化粧品原料として使用できる微小炭酸カルシウム中空粒子及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に中空を有する無機物粒子は、無機フィラー、断熱又は遮熱用材料等として有用である。このうち、炭酸カルシウムの中空粒子としては、(1)塩化カルシウム水溶液中で炭酸カルシウム粒子と油を高速でかきまぜ、油滴表面に炭酸カルシウムの一次粒子を凝集させた後、内部の油を抜き出して炭酸カルシウムの中空粒子を得る方法(非特許文献1、2、特許文献1、2)、(2)カルシウム塩の水溶液に炭酸ガスを吹き込み、炭酸ガス気泡とカルシウム塩水溶液の界面でカルシウムイオンと炭酸イオンとを反応させ、炭酸カルシウム中空粒子を合成する方法(特許文献3〜5)、(3)カルシウム塩の水溶液を、炭酸ガスと共に300〜1500℃に加熱された反応容器内に噴霧し、カルシウム塩と炭酸ガスとを反応させる方法(特許文献6)、(4)炭酸水素カルシウム塩水溶液を噴霧乾燥する方法(非特許文献3)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−153819号公報
【特許文献2】特開平5−154374号公報
【特許文献3】特開2005−281034号公報
【特許文献4】特開2008−115053号公報
【特許文献5】特開2013−216545号公報
【特許文献6】特開平6−127938号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本化学会誌、1993年、No.4、P309〜318
【非特許文献2】無機マテリアル学会誌、2003年、10、P78−85
【非特許文献3】無機マテリアル学会誌、2014年、21、P226−230
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記(1)の方法で得られた粒子は、一次粒子の凝集により得られるものであるため、表面に凹凸があり、殻に孔があるため、強度が低いという問題がある。前記(2)の方法で得られた粒子は、炭酸ガス気泡とカルシウム塩水溶液の界面で炭酸カルシウム結晶を析出させているので強度が低く、反応条件の制御が困難である。前記(3)の方法では、カルシウム塩の分解反応、固相として析出したカルシウム塩と二酸化炭素ガスによる炭酸カルシウムの合成反応を同時に行っているため、反応条件の設定や制御が困難である。また、前記(4)の方法では、原料となる水溶液の濃度が低く、濃度を高くすることができないため、粒子の粒径、膜厚、強度などの調整が困難であり、生産量も少ない。
【0006】
従って、本発明の課題は、円形度が高く、圧縮強度が高く、粒子表面が滑らかな、微小炭酸カルシウム中空粒子及びその製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、前記課題を解決すべく種々検討した結果、有機酸カルシウム塩を原料とし、この溶液を噴霧熱分解処理すれば、円形度、圧縮強度が高く、BET比表面積が小さく粒子表面が平滑な微小炭酸カルシウム中空粒子が効率良く得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
【0009】
〔1〕有機酸カルシウム塩溶液を噴霧熱分解処理することにより得られる微小炭酸カルシウム中空粒子。
〔2〕平均円形度が0.85以上、平均粒径が0.5μm〜20μm、圧縮強度が0.3〜150MPa、BET比表面積が0.1〜8m/gである〔1〕記載の微小炭酸カルシウム中空粒子。
〔3〕かさ密度が0.01〜0.4g/cm、みかけ密度が0.2〜2.5g/cmである〔1〕又は〔2〕記載の微小炭酸カルシウム中空粒子。
〔4〕平均膜厚が50〜2000nmである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の微小炭酸カルシウム中空粒子。
〔5〕有機酸カルシウム塩溶液を噴霧熱分解処理することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の微小炭酸カルシウム中空粒子の製造法。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の微小炭酸カルシウム中空粒子を含有する無機フィラー又は化粧品原料。
【発明の効果】
【0010】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、粒子径が小さく、円形度及び圧縮強度が高く、かつBET比表面積が小さい(粒子表面が平滑)ことから、断熱、遮熱作用に優れ、皮膚に対する感触も良好であり、無機フィラーや化粧品原料として有用である。また、本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、簡便な製造法で、効率良く得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1で得られた微小炭酸カルシウム中空粒子のTEM像を示す。
図2】実施例1で得られた微小炭酸カルシウム中空粒子のSEM像を示す。
図3】実施例1で得られた微小炭酸カルシウム中空粒子のXRD像を示す。
図4】実施例2で得られた微小炭酸カルシウム中空粒子のTEM像を示す。
図5】実施例2で得られた微小炭酸カルシウム中空粒子のSEM像を示す。
図6】比較例1で得られた炭酸カルシウム粒子のTEM像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、有機酸カルシウム塩溶液を噴霧熱分解処理することにより得られる。
【0013】
原料として用いられる有機酸カルシウム塩としては、噴霧熱分解処理に用いる溶媒に溶解性の高い有機酸カルシウム塩が好ましく、特に水溶性の有機酸カルシウム塩が好ましい。具体的には、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪酸カルシウム塩が好ましく、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等のC1−6脂肪酸カルシウム塩、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム等の水酸基を有する脂肪酸カルシウム塩、アミノ酸カルシウム塩等が挙げられる。このうち、C1−6脂肪酸カルシウム塩が特に好ましい。
【0014】
有機酸カルシウム塩溶液は、有機酸カルシウム塩を水あるいはエタノール等の有機溶媒と混合して調製できる。溶媒としては、水と有機溶媒の混合溶媒も使用できる。有機酸カルシウム塩溶液の濃度は、0.01mol/L〜2.0mol/Lが好ましく、0.1mol/L〜1mol/Lがより好ましい。
【0015】
噴霧熱分解処理は、有機酸カルシウム塩溶液を反応装置内に噴霧し、その噴霧されたミストを乾燥、熱分解することにより行なわれる。
【0016】
噴霧処理は、超音波式の噴霧装置、流体ノズルによる噴霧装置など一般的な液滴を形成する装置を使用することができる。生産性の観点から、流体ノズルによる噴霧装置を使用するのが好ましく、具体的には、2流体ノズルや4流体ノズルで噴霧するのが、粒子径の調整、生産性の点で好ましい。ここで流体ノズルの方式には、空気と有機酸カルシウム塩溶液とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で空気と有機酸カルシウム塩溶液を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用できる。
【0017】
噴霧されたミストは、100〜500℃の乾燥ゾーン、次いで600〜1000℃の熱分解ゾーンを通過させることにより、熱分解され、中空粒子となる。乾燥ゾーンの温度は、中空性を保つための点から200〜500℃が好ましく、250〜450℃がより好ましい。この乾燥ゾーンによりミストの外側が、乾燥されて有機酸カルシウム塩の膜を形成し、それを起点に内部液が乾燥されるため、粒子が中空形状に形成される。
熱分解ゾーンの温度は、生産コストの点から600〜900℃が好ましく、650〜850℃がより好ましい。この熱分解ゾーンでは、高温で急激に熱分解反応を進めることで、乾燥ゾーンにて形成された中空構造を強固にすることにより、中空室を区画する殻を有する炭酸カルシウム中空粒子であって、殻の厚さの一定な中空粒子が得られる。
【0018】
得られた微小炭酸カルシウム中空粒子は、フィルターを通過させるなど分級して、粒子径の調整をしてもよい。
【0019】
本発明において微小炭酸カルシウム中空粒子とは、中空室を区画する殻を有する粒子であることをいい、単なる多孔質とは相違する。本発明の粒子が、このような構造を有することは、図1図2図4図5のTEM像及びSEM像から明らかである。
また、本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子の殻は無気孔であるのが好ましい。本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、殻が無気孔であることにより、優れた断熱性、遮熱性を有する。
【0020】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、無機フィラーとして、また化粧品原料として使用する点で、平均円形度が0.85以上、平均粒径が0.5μm〜20μm、圧縮強度が0.3〜150MPa、BET比表面積が0.1〜8m/gであるのが好ましい。
【0021】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子の形状は、図1図2から明らかなように、球状であり、平均円形度は0.85以上であるのが好ましい。このような形状は、噴霧熱分解法により製造することで達成される。
ここで、円形度は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、周囲長はPM=2πr、面積はB=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)として算出される。100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とする。なお、本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、各種フィラーとして混合したときの分散性、混合性などの点から、平均円形度は、0.85以上、好ましくは0.90以上である。
【0022】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子の平均粒径は、好ましくは0.5μm〜20μmであり、より好ましくは1μm〜20μmであり、さらに好ましくは1.5μm〜15μmである。なお、平均粒径の調整は、噴霧に使用するスプレーノズルのノズル径あるいは霧化方式を変えることによって行うことができ、2流体ノズル、4流体ノズル、超音波霧化方式などが利用できる。ここで粒子径は、電子顕微鏡の解析によって測定でき、その平均は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」、レーザー回折・散乱法による粒径分布測定装置として、例えばマイクロトラック(日機装株式会社製)などによって計算できる。
【0023】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子の粒径分布(粒度分布)は、せまい程好ましく、粒子の80%以上が平均粒径の±5.0μmにあるのが好ましく、粒子の80%以上が平均粒径の±4.5μmにあるのがより好ましく、粒子の80%以上が平均粒径の±4.0μmにあるのがさらに好ましい。
【0024】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子の圧縮強度は、0.3〜150MPaであるのが好ましく、1〜100MPaであるのがより好ましく、5〜50MPaであるのがさらに好ましい。ここで圧縮強度は、微小圧縮試験機 MCT−510(株式会社島津製作所製)により測定できる。
【0025】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子のBET比表面積は、0.1〜8m/gであるのが好ましく、0.2〜7m/gであるのがより好ましく、0.5〜5m/gであるのがさらに好ましい。
【0026】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子のかさ密度は、0.01〜0.4g/cmであるのが好ましく、0.02〜0.35g/cmであるのがより好ましく、0.05〜0.3g/cmであるのがさらに好ましく、0.1〜0.25g/cmであるのがさらに好ましい。かさ密度は、JIS R 1628「ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」の測定方法、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製)などの粉体力学特性測定装置により測定できる。
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子のみかけ密度は、0.2〜2.5g/cmであるのが好ましく、0.3〜2.0g/cmであるのがより好ましく、0.4〜1.8g/cmであるのがさらに好ましい。ここでみかけ密度は、JIS R 1620「ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法」の測定方法、アキュピック(株式会社島津製作所製)乾式自動密度計により測定できる。
【0027】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子の膜の厚み(平均膜厚)は、2000nm以下であり、1500nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましく、200nm以下がさらに好ましい。膜の厚みが2000nmを超えると、中空室が十分でなく、熱伝導率が十分に小さい粒子とならない。また、膜の厚みは50nm以上が好ましく、膜の厚みが小さすぎる場合には、粒子の強度が十分でない可能性がある。膜の厚みは透過型電子顕微鏡(TEM)像から測定できる。
【0028】
本発明の微小炭酸カルシウム中空粒子は、前記のように殻を有する中空構造を有し、崩壊強度、円形度が高く、表面が平滑であることから、各種無機フィラー、化粧品原料として有用である。
【実施例】
【0029】
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
【0030】
実施例1
蒸留水1リットルに酢酸カルシウム0.1モルを溶解した酢酸カルシウム水溶液を噴霧熱分解装置の溶液タンクに投入した。投入された水溶液を送液ポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状に噴霧し、乾燥ゾーン(約400℃)、次いで熱分解ゾーン(約700℃)を通過させた。バグフィルターを用いて中空粒子を回収した。
得られた炭酸カルシウム中空粒子のTEM像を図1に、SEM像を図2、XRDを図3、諸特性を表1に示す。
【0031】
実施例2
蒸留水1リットルに酢酸カルシウム1.0モルを溶解した酢酸カルシウム水溶液を噴霧熱分解装置の溶液タンクに投入した。投入された水溶液を送液ポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状に噴霧し、乾燥ゾーン(約400℃)、次いで熱分解ゾーン(約800℃)を通過させた。バグフィルターを用いて中空粒子を回収した。
得られた炭酸カルシウム中空粒子のTEM像を図4に、SEM像を図5、諸特性を表1に示す。
【0032】
比較例1
純水にCaCOを懸濁液濃度0.15mass%となるように懸濁させ、3℃の恒温槽内でCO2を流量1dm/minで吹き込むことによりCaCOを溶解させ、ろ過することで得られた400ppmのCa(HCO水溶液(2.5×10−3mol/L)を作成し、この水溶液を噴霧熱分解装置の溶液タンクに投入した。投入された水溶液を送液ポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状に噴霧し、乾燥ゾーン(約100℃)を通過させた。バグフィルターを用いて中空粒子を回収した。
得られた炭酸カルシウム粒子のTEM像を図6に、諸特性を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例1は、比較例1よりBET比表面積が小さく、SEM観察により表面が滑らかであることが確認できた。実施例2は、比較例1と違い、水溶液濃度を高くすることが可能である。また、比較例1と比較して、平均粒径に対する膜厚が薄く、膜を緻密にできるため、強度が高くなるといった効果がみられる。また実施例1、2ともに比較例1よりも原料溶液1Lあたりの収量は顕著に増加している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6