特許第6386984号(P6386984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6386984コネクタユニット、電気部品組込コネクタ及びコネクタ付電気部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386984
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】コネクタユニット、電気部品組込コネクタ及びコネクタ付電気部品
(51)【国際特許分類】
   H01R 27/00 20060101AFI20180827BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   H01R27/00 Z
   H01R31/06 P
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-200017(P2015-200017)
(22)【出願日】2015年10月8日
(65)【公開番号】特開2017-73298(P2017-73298A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2017年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】守安 聖典
(72)【発明者】
【氏名】松嶌 紳二朗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 重人
(72)【発明者】
【氏名】藤平 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】落合 和之
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−259995(JP,A)
【文献】 実開昭59−191826(JP,U)
【文献】 特開2003−77600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 27/00
H01R 31/06
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品に対して一体的に組込み可能な電気部品組込コネクタと、
ワイヤーハーネスに含まれる複数の電線のそれぞれに接続可能な複数の端子を含む第1コネクタと、
少なくとも1本の電線に接続可能な少なくとも1つの端子を含む第2コネクタと、
を備え、
前記電気部品組込コネクタは、
一端部にコネクタ端子部が設けられると共に、他端部が前記電気部品に電気的に接続可能な端子と、
両端部にコネクタ端子部を有する中継端子と、
前記端子のコネクタ端子部と前記中継端子の一端側のコネクタ端子部とを、前記第1コネクタの複数の端子と接続可能な状態で保持すると共に、前記中継端子の他端側のコネクタ端子部を前記第2コネクタの端子と接続可能な状態で保持するコネクタハウジングと、
を備える、コネクタユニット。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタユニットであって、
前記第2コネクタが複数設けられている、コネクタユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタユニットであって、
前記電気部品組込コネクタは、
一端部に前記コネクタハウジングにより前記第2コネクタの端子と接続可能な状態に保持されたコネクタ端子部が設けられると共に、他端部が前記電気部品に電気的に接続可能な追加端子をさらに備える、コネクタユニット。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコネクタユニットであって、
前記電気部品は、実装基板及び実装基板を収容する筐体とを含み、
前記電気部品組込コネクタは、前記実装基板に実装された状態で、前記筐体から露出して前記第1コネクタ及び前記第2コネクタとコネクタ接続可能に構成されている、コネクタユニット。
【請求項5】
電気部品に一体的に組込まれる電気部品組込コネクタであって、
一端部にコネクタ端子部が設けられると共に、他端部が前記電気部品に電気的に接続可能な端子と、
両端部にコネクタ端子部が設けられた中継端子と、
前記端子のコネクタ端子部と前記中継端子の一端側のコネクタ端子部とを、外部の第1コネクタの複数の端子と接続可能な状態で保持すると共に、前記中継端子の他端側のコネクタ端子部を外部の第2コネクタの端子と接続可能な状態で保持するコネクタハウジングと、
を備える、電気部品組込コネクタ。
【請求項6】
電気部品と、
請求項5に記載の電気部品組込コネクタであって、前記端子の他端部が前記電気部品に電気的に接続されると共に、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタとコネクタ接続可能な状態で、前記電気部品に組込まれたもの、
を備えるコネクタ付電気部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の電気部品同士を接続するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、車両におけるECU等の電気部品同士は、コネクタ及び電線を含むワイヤーハーネスによって電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−58330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ある電気部品から引出されたワイヤーハーネスを、他の2つの電気部品に電気的に接続する場合を考える。この場合、ワイヤーハーネスを途中で分岐させて当該他の2つの電気部品にコネクタ接続すること、又は、ある電気部品から2つのワイヤーハーネスを引出し、それぞれ別々に当該2つの電気部品にコネクタ接続すること等が考えられる。
【0005】
しかしながら、いずれの場合であっても、ワイヤーハーネスの構成が複雑化するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスを複数の電気部品に電気的に接続する場合において、その構成の簡易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るコネクタユニットは、電気部品に対して一体的に組込み可能な電気部品組込コネクタと、ワイヤーハーネスに含まれる複数の電線のそれぞれに接続可能な複数の端子を含む第1コネクタと、少なくとも1本の電線に接続可能な少なくとも1つの端子を含む第2コネクタとを備え、前記電気部品組込コネクタは、一端部にコネクタ端子部が設けられると共に、他端部が前記電気部品に電気的に接続可能な端子と、両端部にコネクタ端子部を有する中継端子と、前記端子のコネクタ端子部と前記中継端子の一端側のコネクタ端子部とを、前記第1コネクタの複数の端子と接続可能な状態で保持すると共に、前記中継端子の他端側のコネクタ端子部を前記第2コネクタの端子と接続可能な状態で保持するコネクタハウジングとを備える。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係るコネクタユニットであって、前記第2コネクタが複数設けられているものである。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るコネクタユニットであって、前記電気部品組込コネクタは、一端部に前記コネクタハウジングにより前記第2コネクタの端子と接続可能な状態に保持されたコネクタ端子部が設けられると共に、他端部が前記電気部品に電気的に接続可能な追加端子をさらに備えるものである。
【0010】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係るコネクタユニットであって、前記電気部品は、実装基板及び実装基板を収容する筐体とを含み、前記電気部品組込コネクタは、前記実装基板に実装された状態で、前記筐体から露出して前記第1コネクタ及び前記第2コネクタとコネクタ接続可能に構成されているものである。
【0011】
第5の態様は、電気部品に一体的に組込まれる電気部品組込コネクタであって、一端部にコネクタ端子部が設けられると共に、他端部が前記電気部品に電気的に接続可能な端子と、両端部にコネクタ端子部が設けられた中継端子と、前記端子のコネクタ端子部と前記中継端子の一端側のコネクタ端子部とを、外部の第1コネクタの複数の端子と接続可能な状態で保持すると共に、前記中継端子の他端側のコネクタ端子部を外部の第2コネクタの端子と接続可能な状態で保持するコネクタハウジングとを備える。
【0012】
第6の態様に係るコネクタ付電気部品は、電気部品と、第5の態様に係る電気部品組込コネクタであって、前記端子の他端部が前記電気部品に電気的に接続されると共に、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタとコネクタ接続可能な状態で、前記電気部品に組込まれたものとを備える。
【発明の効果】
【0013】
第1〜第5の態様によると、第1コネクタの複数の端子の一部は、電気部品組込コネクタの端子を介して電気部品に電気的に接続される。第1コネクタの複数の端子の他の一部は、電気部品組込コネクタの中継端子を介して第2コネクタの端子に電気的に接続され、第2コネクタの端子を介して他の電気部品に電気的に接続される。このため、第1コネクタを電気部品組込コネクタにコネクタ接続することによって、第1コネクタの複数の端子を、電気部品及び他の電気部品に電気的に接続することができる。これにより、ワイヤーハーネスを複数の電気部品に接続する場合において、その構成の簡易化を図ることができる。
【0014】
第2の態様によると、複数の第2コネクタを、電気部品組込コネクタの中継端子を介して一括して第1コネクタに接続できる。
【0015】
第3の態様によると、第2コネクタを電気部品組込コネクタにコネクタ接続すると、第2コネクタの端子が追加端子を介して電気部品にも接続される。このため、電気部品と、第2コネクタ側の電気部品とを別途ワイヤーハーネス等で接続する必要はなく、配線構成の簡易化が図られる。
【0016】
第4の態様によると、電気部品組込コネクタを電気部品に対して容易に組込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係るコネクタユニットを示す概略斜視図である。
図2】コネクタ付電気部品の概略分解斜視図である。
図3】電気部品組込コネクタの概略平面図である。
図4図2のIV−IV線概略断面図である。
図5図2のV−V線概略断面図である。
図6】コネクタユニットを適用した配線例を示す図である。
図7】第1変形例に係る電気部品組込コネクタを示す概略平面図である。
図8】第2変形例に係る電気部品組込コネクタを示す概略平面図である。
図9】同上の電気部品組込コネクタを示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係るコネクタユニット、電気部品組込コネクタ及びコネクタ付電気部品について説明する。
【0019】
図1はコネクタユニット30を示す概略斜視図であり、図2はコネクタ付電気部品20の概略分解斜視図であり、図3は電気部品組込コネクタ40の概略平面図であり、図4図2のIV−IV線概略断面図であり、図5図2のV−V線概略断面図であり、図6は本コネクタユニット30を適用した配線例を示す図である。
【0020】
コネクタユニット30は、複数の電気部品である電気部品10、11、12A、12Bを電気的に接続するために用いられるものであり、電気部品組込コネクタ40と、第1コネクタ60と、第2コネクタ70A、70Bとを備える。
【0021】
電気部品組込コネクタ40は、電気部品である電気部品10に組込み可能に構成されている。第1コネクタ60は、ワイヤーハーネス68を通じて電気部品11に接続可能に構成されている。また、第2コネクタ70Aは電線79を通じて電気部品12Aに接続可能に構成され、第2コネクタ70Bは他の電線79を通じて電気部品12Bに接続可能に構成されている。電気部品10、11、12A、12Bとしては、車両に搭載される各種電気部品、例えば、ECU(電子制御ユニット)、バッテリ、発電機、各種スイッチ、センサ等が想定される。
【0022】
そして、第1コネクタ60を電気部品組込コネクタ40にコネクタ接続することによって、第1コネクタ60及び電気部品組込コネクタ40を介して、電気部品10側の回路と電気部品11側の回路とが電気的に接続される。また、第2コネクタ70A、70Bを電気部品組込コネクタ40にコネクタ接続することによって、第2コネクタ70A、70B及び電気部品組込コネクタ40を介して、電気部品11側の回路と電気部品12A、12B側の回路とが電気的に接続される。
【0023】
より具体的に説明する。
【0024】
第1コネクタ60は、複数の端子62と、コネクタハウジング64とを備える。
【0025】
端子62の一端部は、コネクタ端子部62aに形成されている。ここでは、コネクタ端子部62aは、筒形状であるメス端子形状に形成されている。もっとも、コネクタ端子部62aは、板状又はピン状のオス端子形状に形成されていてもよい。また、端子62の他端部は、ワイヤーハーネス68の電線69に電気的に接続可能な電線接続部62bに形成されている。電線接続部62bは、例えば、電線69の端部に露出した芯線部に圧着されることによって、電線69の端部に電気的及び機械的に接続可能な圧着部形状に形成されている。
【0026】
コネクタハウジング64には、端子62を収容した状態で保持するキャビティが複数形成されており、複数の端子62が複数のキャビティに挿入保持されることによって、一定の配列形態で保持される。通常、キャビティ内には、端子62に抜止め係止する突起(ランス等と呼ばれる)が設けられており、この突起によって端子62が抜止め状態で保持される。ここでは、キャビティは、上下2段で、幅方向において9つ形成されている。
【0027】
ワイヤーハーネス68は、複数の電線69が束ねられた構成とされている。そして、複数の電線69の一端部が複数の端子62に接続されている。また、複数の電線69の他端部は、電気部品11への接続用のコネクタ69cの複数の端子にそれぞれ接続されている。そして、このコネクタ69cが、電気部品11に設けられたコネクタ11cにコネクタ接続されることによって、電気部品11側の複数の回路が、複数の電線69を介して、第1コネクタ60の各端子62に電気的に接続される。
【0028】
なお、ワイヤーハーネス68の途中で電線が分岐していてもよい。
【0029】
第2コネクタ70Aは、少なくとも1つの端子72と、コネクタハウジング74とを備える。ここでは、端子72が複数設けられ、これに応じて、後述する電線79等も複数設けられる例で説明する。
【0030】
端子72の一端部は、コネクタ端子部72aに形成されている。また、端子72の他端部は、電線79に電気的に接続可能な電線接続部72bに形成されている。コネクタ端子部72aは、上記コネクタ端子部62aと同様構成であり、電線接続部72bは、上記電線接続部62bと同様構成である。
【0031】
コネクタハウジング74には、端子72を収容した状態で保持するキャビティが複数形成されており、複数の端子72が複数のキャビティに挿入保持されることによって、一定の配列形態で保持される。キャビネット内における端子72の保持構造は、上記コネクタハウジング64における保持構造と同様である。また、ここでは、キャビティは、上下2段で、幅方向に複数(2つ)設けられている。
【0032】
また、複数の電線79の一端部が複数の端子72のそれぞれに接続されている。また、複数の電線79の他端部は、電気部品12Aへの接続用のコネクタ79cの複数の端子にそれぞれ接続されている。そして、このコネクタ79cが、電気部品12Aに設けられたコネクタ12cにコネクタ接続されることによって、電気部品12A側の複数の回路が、複数の電線79を介して、第2コネクタ70Aの複数の端子72に電気的に接続される。
【0033】
第2コネクタ70Bは、接続先が電気部品12Bである点を除いては、上記第2コネクタ70Aと同様構成である。もっとも、第2コネクタ70Aと第2コネクタ70Bとで、端子72の数、配列等が異なっていてもよい。また、第2コネクタ70Aと第2コネクタ70Bの両方が存在することは必須ではなく、その一方のみが設けられていてもよい。
【0034】
電気部品組込コネクタ40は、電気部品10に一体的に組込可能に構成されており、端子52と、中継端子54と、コネクタハウジング44とを備える。ここでは、電気部品組込コネクタ40は、複数の端子52と、複数の中継端子54とを備える。
【0035】
コネクタハウジング44は、樹脂等によって金型成形された部材であり、ハウジング本体部45と、フード部46、47とを備える。
【0036】
ハウジング本体部45は、偏平な直方体形状に形成されており、筐体18外に突出する第1の部分45aと、筐体18側に配設される第2の部分45bとを含む。
【0037】
ハウジング本体部45の一方端面側では、上記第1の部分45aと第2の部分45bとが面一状に連なって露出しており、ここに、複数の端子52のコネクタ端子部52aと、複数の中継端子54の一端側のコネクタ端子部54aとが突出している。また、この周りを角筒状のフード部46が覆っている。このフード部46により、複数の端子52のコネクタ端子部52a及び複数の中継端子54の一端側のコネクタ端子部54aの変形が抑制される。
【0038】
また、ハウジング本体部45の他方端面側では、第1の部分45aが露出しており、ここに、複数の中継端子54の他端側のコネクタ端子部54bが突出している。また、この周りを角筒状のフード部47が覆っている。このフード部47により、複数の中継端子54の一端側のコネクタ端子部54bの変形が抑制される。
【0039】
なお、上記フード部46、47及びこれらの嵌め込まれる第1コネクタ60、第2コネクタ70A、70Bには、それらの嵌め込み状態を保持するロック用孔及びロック用突起が形成されていることが好ましい。
【0040】
このコネクタハウジング44によって、複数の端子52と複数の中継端子54とが所定の配列状態で保持される。ここでは、6つの端子52が上下2段幅方向に3つ配列した状態で保持されている。また、8つの中継端子54が上下2段幅方向に4つ配列した状態で保持されている。また、8つの中継端子54の配列形態の幅方向中央部において、間隔が隔てられている。
【0041】
端子52は、金属板等をプレス加工等することによって形成された部品である。この端子52の一端部にはコネクタ端子部52aが設けられ、他端部は電気部品10に電気的に接続可能とされている。
【0042】
ここでは、端子52は、L字状に形成されており、その一端部のコネクタ端子部52aが、細長板状又はピン状に形成されており、上記コネクタ端子部62aに接続可能に構成されている。もっとも、このコネクタ端子部が筒状のメス端子形状に形成されていてもよい。
【0043】
そして、複数の端子52のコネクタ端子部52aが、コネクタハウジング44によって、第1コネクタ60の複数の端子62と接続可能な一定の配列状態で保持される。ここでは、複数の端子52のコネクタ端子部52aは、第1コネクタ60の一側よりの複数の端子62と接続可能な状態で保持される。
【0044】
端子52の他端部は、電気部品10の実装基板19の配線パターンに電気的に接続可能に構成されている。ここでは、端子52の他端部は、コネクタハウジング44の第2の部分45bの背面側に突出し、その途中でL字状に曲って延出している。
【0045】
ここで、電気部品10としては、実装基板19と、この実装基板を収容する筐体18とを備えるものが想定されている。実装基板19には、銅箔等によって所定の配線パターンが形成されると共に、半導体部品等の各種電気部品が実装されている。
【0046】
そして、上記端子52の他端部が実装基板19に形成されたスルーホールに挿入接続される。これにより、端子52が実装基板19に形成された配線パターンに電気的に接続される。配線パターンは、実装基板19に実装された電気部品に接続されている。このため、端子52は、実装基板19に形成された電気回路を外部の電気部品に接続するための端子として用いられることになる。
【0047】
上記端子52と配線パターンとの電気的な接続は、半田付によってなされてもよいし、端子52の他端部の先端部がスルーホールに圧入されることによって、該スルーホール内周面に形成された配線に押付けられる構成(プレスフィット端子等とも呼ばれる)であってもよい。
【0048】
このようにして、端子52の他端部が実装基板19に接続される構成によって、電気部品組込コネクタ40が、実装基板19に対して実装固定される。
【0049】
なお、実装基板19は、筐体18内に収容される。筐体18は、樹脂又は金属等によって箱状に形成されている。機器筐体は、一方が開口した筐体本体部と蓋部との組合わせによって構成されていてもよい。この筐体18には、上記電気部品組込コネクタ40を外部に突出させるための開口18hが形成されている。そして、上記実装基板19を筐体18内にネジ止等によって固定した状態で、電気部品組込コネクタ40が開口18hを通じて筐体18外に突出し、もって、この電気部品組込コネクタ40に対して、第1コネクタ60及び第2コネクタ70A、70Bをコネクタ接続できるようになっている。
【0050】
中継端子54は、金属板をプレス加工等することによって形成された部品である。この中継端子54の両端部は、コネクタ端子部54a、54bに形成されている。ここでは、中継端子54は、直線状に形成されている。また、中継端子54の両端部のコネクタ端子部54a、54bが細長板状又はピン状に形成されており、上記コネクタ端子部62a、72aに接続可能に構成されている。もっとも、このコネクタ端子部が筒状のメス端子形状に形成されていてもよい。
【0051】
そして、複数の中継端子54の一端側のコネクタ端子部54aが、上記端子52のコネクタ端子部54aと共に、コネクタハウジング44によって、第1コネクタ60の複数の端子62と接続可能な一定の配列状態で保持される。また、複数の中継端子54の他端側のコネクタ端子部54bが、上記コネクタハウジング44によって、第2コネクタ70A、70Bの複数の端子72と接続可能な一定の配列状態で保持される。
【0052】
なお、複数の端子52と複数の中継端子54との間では、広めの間隔が空いている。また、複数の中継端子54の他端側のコネクタ端子部54bについては、第2コネクタ70Aに接続されるものと、第2コネクタ70Bに接続されるものとがあり、両者の間には広めの間隔が空いている。
【0053】
端子52及び中継端子54は、コネクタハウジング44に対してインサート部品として埋設されたものであってもよいし、コネクタハウジング44に形成された装着用の孔に対して、コネクタハウジング44の成形後に挿入装着されたものであってもよい。
【0054】
この電気部品組込コネクタ40においては、コネクタハウジング44の一方主面側に、端子52のコネクタ端子部52a及び中継端子54のコネクタ端子部54aが並んで突出している。また、これらのコネクタ端子部52a、54aを囲むようにしてフード部46が設けられている。
【0055】
そして、コネクタハウジング44のフード部46内に第1コネクタ60を嵌め込むようにすると、第1コネクタ60の端子62が電気部品組込コネクタ40の端子52及び中継端子54に接続される。
【0056】
また、コネクタハウジング44の他方主面側に、中継端子54のコネクタ端子部54bが並んで突出している。また、これらのコネクタ端子部54bを囲むようにしてフード部47が設けられている。
【0057】
そして、コネクタハウジング44のフード部47内に第2コネクタ70A、70Bを隣接状態で嵌め込むようにすると、第2コネクタ70A、70Bの端子72が電気部品組込コネクタ40の中継端子54に接続される。
【0058】
つまり、電気部品組込コネクタ40の一方主面側に、第1コネクタ60をコネクタ接続可能なコネクタ部分が形成され、その反対の他方主面に、第2コネクタ70A、70Bをコネクタ接続可能なコネクタ部分が形成されていると捉えることができる。
【0059】
上記のように、電気部品組込コネクタ40に対して、第1コネクタ60及び第2コネクタ70A、70Bがコネクタ接続されると、第1コネクタ60の端子62が、電気部品組込コネクタ40の端子52及び中継端子54に接続される。端子62のうち端子52に接続されたものは、当該端子52を介して電気部品10の実装基板19の回路に電気的に接続される。端子62のうち中継端子54に接続されたものは、当該中継端子54を介して第2コネクタ70A及び第2コネクタ70Bのいずれかの端子72に電気的に接続される。
【0060】
これにより、図6に示すように、第1コネクタ60を、電気部品組込コネクタ40にコネクタ接続することによって、電気部品11側のワイヤーハーネス68を、電気部品11及び電気部品12A、12Bに接続することができる。従って、ワイヤーハーネス68を、複数の電気部品10、12A、12Bに接続する場合において、ワイヤーハーネス68の構成の簡易化を図ることができる。
【0061】
また、ワイヤーハーネス68の車両への組込作業も容易となる。
【0062】
しかも、電気部品組込コネクタ40には、複数の第2コネクタ70A、70Bがコネクタ接続される。そして、この第2コネクタ70A、70Bの各端子72は、電気部品組込コネクタ40の中継端子54を介して、第1コネクタ60の端子62に一括して接続される。このため、ワイヤーハーネス68を、複数の電気部品12A、12Bに接続することも簡易かつ容易となる。この点かららも、ワイヤーハーネス68の車両への組込作業が容易となる。
【0063】
また、電気部品10は、実装基板19と筐体18とを備える構成であり、電気部品組込コネクタ40は、実装基板19に実装された状態で、筐体18から露出して、第1コネクタ60及び第2コネクタ70A、70Bに接続可能に構成されている。このため、電気部品組込コネクタ40を、電気部品10に対して容易に組込むことができる。
【0064】
上記実施形態を前提とする変形例について説明する。
【0065】
図7は第1変形例に係る電気部品組込コネクタ140を示す概略平面図である。
【0066】
この電気部品組込コネクタ140では、複数の端子52及び複数の中継端子54のうち隣合う関係にある端子52及び中継端子54が省略され、代りに追加端子156が設けられている。
【0067】
追加端子156の一端部は、第2コネクタ70Aの端子72と接続可能なコネクタ端子部156aに形成されている。ここでは、コネクタ端子部156aは、細長板形状又はピン形状のオス端子形状に形成されている。このコネクタ端子部156aは、コネクタハウジング44に対応するコネクタハウジング144によって、省略された上記中継端子54の代りに、他の中継端子54の他端側のコネクタ端子部54bと共に並列された状態で保持されており、上記第2コネクタ70Aと接続可能な状態に保持されている。
【0068】
なお、第1コネクタ60では、省略された上記中継端子54に対応する端子62は、省略される。
【0069】
追加端子156の他端部は、電気部品10に接続可能な電気部品接続部156bに形成されている。すなわち、追加端子156は、コネクタ端子部156aと電気部品接続部156bとの間でU字状に曲るように形成されている。電気部品接続部156bは、省略された端子52のうち実装基板19に接続される部分と同様形状に形成されており、コネクタハウジング144の背面側にL字状に延出して、実装基板19に電気的及び機械的に接続されている。
【0070】
なお、追加端子156は、コネクタハウジング144に対してインサート成形されたものであってもよいし、コネクタハウジング144成形後に嵌め込まれたものであってもよい。
【0071】
この電気部品組込コネクタ140によると、第2コネクタ70Aの端子72の一部は、中継端子54を介して第1コネクタ60の端子62に電気的に接続され、第2コネクタ70Aの端子72の他の一部は、追加端子156を介して電気部品10、即ち、実装基板19の回路に電気的に接続される。このため、電気部品10と電気部品12Aとの間を電気的に接続する必要がある場合でも、電気部品10と電気部品12Aとを別のワイヤーハーネスによって接続する必要はなく、効率的なワイヤーハーネスの配索が可能となる。
【0072】
図8は第2変形例に係る電気部品組込コネクタ240を示す概略平面図であり、図9は第2変形例に係る電気部品組込コネクタ240を示す概略正面図である。
【0073】
この変形例では、複数の端子52の1つと、第2コネクタ70Bに接続される複数の中継端子54の1つとが省略され、代りに、追加端子256が設けられている。
【0074】
追加端子256の一端部は、上記追加端子156の一端部と同様に、コネクタ端子部256aに形成されており、省略された上記中継端子54のコネクタ端子部54bの位置に配設されている。また、追加端子256の他端部は、追加端子156の他端部と同様に、電気部品接続部256bに形成されており、省略された端子52の位置に配設されている。
【0075】
この第2変形例では、コネクタ端子部256aと電気部品接続部256bとの間に、他の中継端子54が存在している。そこで、コネクタ端子部256aと電気部品接続部256bとをU字状に繋ぐ形状に形成すると共に、追加端子256のうちコネクタ端子部256aと電気部品接続部256bとの間の部分を、中継端子54を避けるように曲げている。ここでは、前記間の部分を、コネクタハウジング44に対応するコネクタハウジング244の厚み方向において、上下2列の中継端子54間を通るように曲げている。これにより、他の中継端子54と接触させることなく、コネクタ端子部256aと電気部品接続部256bとを接続することができる。
【0076】
この変形例に係る電気部品組込コネクタ240によると、第2コネクタ70Bの端子72の一部は、中継端子54を介して第1コネクタ60の端子62に電気的に接続され、第2コネクタ70Bの端子72の他の一部は、追加端子256を介して電気部品10、即ち、実装基板19の回路に電気的に接続される。このため、電気部品10と電気部品12Bとの間を電気的に接続する必要がある場合でも、電気部品10と電気部品12Bとを別のワイヤーハーネスによって接続する必要はなく、効率的なワイヤーハーネスの配索が可能となる。
【0077】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。例えば、第1変形例と第2変形例とが組合わされ、追加端子156、256が併用されてもよい。
【0078】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0079】
10,11,12A,12B 電気部品
18 筐体
18h 開口
19 実装基板
20 コネクタ付電気部品
30 コネクタユニット
40,140,240 電気部品組込コネクタ
44,64,74,144,244 コネクタハウジング
52,62,72 端子
52a,54a,54b,62a,72a,156a,256a コネクタ端子部
54 中継端子
60 第1コネクタ
62b,72b 電線接続部
68 ワイヤーハーネス
69,79 電線
70A,70B 第2コネクタ
156,256 追加端子
156b,256b 電気部品接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9