【実施例】
【0024】
以下、本発明の一実施例に係る切削材重量管理装置10について、図面に基づいて説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0025】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0026】
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
【0027】
図1は、切削材重量管理装置10を適用した路面切削機1を示す模式図である。
図2は、路面切削機1の切削手段を示す図である。
図3は、切削材重量管理装置10の構成を示すブロック図である。
図4は、切削距離測定手段の設置位置を示す模式図である。
【0028】
切削材重量管理装置10が適用される路面切削機1は、傷んだ舗装路面を切削した後に、再舗装して新たな舗装路面を形成するオーバーレイ工法に用いられる。路面切削機1は、公知の構成であり、車両本体2と、切削手段3と、走行手段4と、移送手段5と、を備えている。
【0029】
車両本体2には、オペレータが座る座席2aと、路面切削機1を運転するハンドル2bと、が設けられている。
【0030】
切削手段3は、車両本体2の進行方向Sの中央付近に配置されている。切削手段3は、切削ドラム3aと、切削ドラム3aの外周に配置された切削ビット3bと、を備えている。切削ドラム3aが回転することにより、切削ビット3bが舗装路面Aの表面(舗装体)を切削する。切削手段3の切削深さは、切削ドラム3aを昇降させることにより、任意に変更可能である。
【0031】
走行手段4は、履帯式の走行装置であり、履帯4aと、履帯4aを駆動する駆動スプロケット4b及びアイドラ―4cを回転可能に支持するフレーム4dと、ローラ4eと、を備えている。
【0032】
移送手段5は、切削手段3の近傍から車両本体2の前方に向かって延びたベルトコンベヤであり、切削手段3が切削した切削材を運搬車両6に移送する。
【0033】
切削材重量管理装置10は、切削材重量管理装置10を制御する制御装置11と、切削距離測定手段としての非接触式センサ12と、回転灯等の通知部13と、を備えている。制御装置11、非接触式センサ12及び通知部13は、無線又は有線で通信可能に接続されている。
【0034】
制御装置11は、CPUやメモリ等を有する制御部14と、データを記憶する記憶部15と、データの入力を制御するタッチパネルや所定の入力操作に対応した入力部ボタン等の入力部16と、データを表示する液晶パネル等のディスプレイ17と、を備えている。また、制御装置11は、後述する手順により切削材の重量相当を演算する重量演算手段である。記憶部15は、後述する切削条件を記憶する切削条件記憶手段と、運搬車両6毎に設定される切削材の積載重量、すなわち、切削材の重量相当の目標値を記憶する目標値記憶手段と、を備えている。
【0035】
非接触式センサ12は、走行手段4の近傍で車両本体2に取り付けられ、履帯4aの移動距離を測定する。非接触式センサ12は、例えば、レーザー式距離センサ、超音波式距離センサ等である。
【0036】
制御装置11、非接触式センサ12及び通知部13は、磁石等で車両本体2に着脱自在に装着されている。これにより、任意の路面切削機に切削材重量管理装置10を適用することができる。
【0037】
次に、切削材重量管理装置10の作用について、図面に基づいて説明する。
図5は、切削材重量管理装置10を用いて切削材の重量を演算する手順を示すフローチャートである。
【0038】
まず、路面切削機1のオペレータ等によって、舗装路面Aの切削に関する切削条件が入力される(S1)。切削条件は、舗装路面Aの密度、切削手段3の切削幅及び切削深さである。切削幅は、切削手段3の幅以内で任意に変更可能である。また、切削深さは、舗装路面Aの材質(アスファルト混合物、セメントコンクリート、堅い路盤等)に応じて変更可能である。舗装路面Aの密度は、アスファルト混合物であれば2.0〜2.5t/m3の範囲内で選択される。
【0039】
次に、運搬車両6の積載重量に応じて目標値が入力される(S2)。積載重量は運搬車両6毎に異なり、例えば、総重量制限20tの大型ダンプトラックの場合、積載重量7〜10.5tとバラつきがある。そのため、運搬車両6の車両番号と該運搬車両6の積載重量を予め登録しておき、オペレータ等が現場で運搬車両6の車両番号を入力すると、積載重量が自動的に呼び出される構成であっても構わない。なお、ここでは、切削条件が入力された後に積載重量が入力された場合について説明したが、工程S1と工程S2とは何れが先であっても構わない。運搬車両6の積載重量に応じて設定される目標値は、積載重量と略等しい値であっても良いが、運搬車両6の積載重量に所定の安全率を掛けた数値が好ましい。
【0040】
次に、路面切削機1を用いて舗装路面Aの切削を開始する(S3)。舗装路面Aの切削は、通常行われている切削手順と同様である。
【0041】
路面切削機1による切削の間、非接触式センサ12は、履帯4aの移動距離を測定し、該移動距離を舗装路面Aが切削されて切削距離として制御部14に測定結果を送る(S4)。
【0042】
制御装置14は、予め設定された切削条件及び非接触式センサ12の測定結果に基づいて、切削材の体積及び重量相当を演算する(S5)。次に、制御装置12は、工程S5で演算した切削材の重量相当が予め設定された目標値に達したか否かを判定する(S6)。
【0043】
切削材の重量相当が目標値に達していなければ(S6のNo)、路面切削機1による切削は継続される。一方、切削材の重量相当が目標値に達していれば(S6のYes)、制御部14は、通知部13を起動させて、オペレータ等に切削材の重量相当が目標値に達したことを通知する(S7)。
【0044】
通知部13の通知を受けて、オペレータ等が路面切削機1を停止させることにより、舗装路面Aの切削は一時終了する(S8)。その後、運搬車両6を入れ替えて、工程S1〜S8と同様に切削を実行する。
【0045】
なお、切削距離測定手段は、上述した非接触式センサ12に限定されるものではなく、
図6に示すような接触式センサ18であっても構わない。このような接触式センサ18は、履帯4aに追従する接触車輪18aと、接触車輪18aの回転距離を測定する図示しない距離センサと、で構成されている。
【0046】
また、上記実施例では、履帯式の切削機について説明したが、切削材重量管理装置10は、タイヤ式の切削機にも適用可能なことは言うまでもない。タイヤ式切削機に取り付けられる切削距離測定手段は、
図7に示すような非接触式センサ12や
図8に示すような接触式センサ18である。
図7に示すような非接触式センサ12は、タイヤ4fの回転距離を切削距離として測定する。また、
図8に示すような接触式センサ18は、タイヤ4fに追従する接触車輪18aの回転距離を切削距離として測定する。
【0047】
さらに、切削距離測定手段は、走行手段4を介して切削距離を測定するものに限定されず、路面切削機1の移動距離を直接測定するものであっても構わない。このような切削距離測定手段としては、例えば、計測用車輪19aを車両本体2に取り付けて、路面切削機1に追従する計測用車輪19aの回転距離を測定することで、切削距離を測定する第五輪式距離センサ19が考えられる。このような第五輪式距離センサ19は、車両本体2に対して昇降自在に取り付けられており、計測時には計測用車輪19aが路面に接地して切削距離を測定し、非計測時には計測車用輪19aが路面と接触しないように持ち上げられる。
【0048】
なお、舗装路面の密度は施工途中に適宜更新することにより、精度良く切削材の重量相当を測定することができる。すなわち、切削条件に含まれる舗装路面Aの密度は、最初の切削時には、舗装路面Aの傷み具合等を考慮して設定される。その後、切削材を積んだ運搬車両6が集積現場等に設置された台貫(大型の秤)で重量を計量されると、切削材の実重量が得られる。そこで、切削材の実重量と工程S6で求めた切削材の重量相当とを比較することにより、切削条件の初期設定に含まれる密度と舗装路面の実際の密度の差が得られる。したがって、正確な密度を切削条件に反映させることにより、切削材の重量を正しく管理することができる。
【0049】
このようにして、本発明は、路面切削機1が切削した切削距離及び予め記憶された切削条件に基づいて、路面切削機1が切削した切削材の重量相当が演算されることにより、切削材重量が積載重量を超えない範囲で運搬車両1台当たりの積載量を増すことができるため、切削材の運搬に掛かる費用を低減することができる。
【0050】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。