特許第6386992号(P6386992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カルソニックカンセイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6386992-冷却装置 図000002
  • 特許6386992-冷却装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6386992
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/10 20060101AFI20180827BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20180827BHJP
   F01P 3/18 20060101ALI20180827BHJP
   F01P 5/02 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   F01P11/10 C
   B60K11/04 H
   B60K11/04 K
   F01P3/18 Q
   F01P3/18 G
   F01P5/02 G
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-242186(P2015-242186)
(22)【出願日】2015年12月11日
(65)【公開番号】特開2017-106411(P2017-106411A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年3月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大川 則行
(72)【発明者】
【氏名】下野園 均
(72)【発明者】
【氏名】古野 翔
(72)【発明者】
【氏名】平柳 光
(72)【発明者】
【氏名】林 栄樹
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−099194(JP,A)
【文献】 特開2009−113775(JP,A)
【文献】 実開昭57−157721(JP,U)
【文献】 特開2010−007629(JP,A)
【文献】 特開2005−083675(JP,A)
【文献】 特開2010−084723(JP,A)
【文献】 実開平03−077026(JP,U)
【文献】 特開2006−002631(JP,A)
【文献】 特開2009−248920(JP,A)
【文献】 特開2005−219531(JP,A)
【文献】 特開2004−203289(JP,A)
【文献】 特開2002−201940(JP,A)
【文献】 特開平04−133820(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公開第3236949(DE,A)
【文献】 特開2003−041622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 3/00−22
F01P 11/00−20
B60K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の熱交換器と、
車両前後方向で前記第1の熱交換器の後方に設けられている第2の熱交換器と、
車両前後方向で前記第2の熱交換器の後方に設けられている送風機およびシュラウドと、
を有し、前記第2の熱交換器は、前記第1の熱交換器と重なっている第1熱交換器重なり部位と、前記第1の熱交換器とは重なっていない第1熱交換器非重なり部位とによって構成されており、
前記シュラウドの前側の開口部が、前記第1熱交換器重なり部位と、前記第1熱交換器非重なり部位の少なくとも一部とに重なっており、
前記第1の熱交換器と並列に配置されている第3の熱交換器を備え、
前記第2の熱交換器の第1熱交換器非重なり部位の少なくとも一部に、前記第3の熱交換器の少なくとも一部が重なっている第3熱交換器重なり部位が形成されており、
前記シュラウドの前側の開口部が、前記第3熱交換器重なり部位の、前記第1の熱交換器側の一部に重なっており、
前記シュラウドの前側の開口部が、前記第2の熱交換器の後面に接しているか、もしくは、前記第2の熱交換器の後面から僅かに離れており、
前記第1の熱交換器は、空調用コンデンサであり、
前記第2の熱交換器は、ラジエータであり、
前記第3の熱交換器は、チャージエアクーラの放熱器であることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記第1の熱交換器は前記第3の熱交換器の上側に配置されており、前記シュラウドの前側の開口部が、前記第3熱交換器重なり部位の上側の部位に重なっていることを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の冷却装置において、
前記第1の熱交換器と前記第3の熱交換器との間での冷却空気の流れを遮断する仕切り板を有することを特徴とする冷却装置。
【請求項4】
空調用コンデンサと、
車両前後方向で前記空調用コンデンサの後方に設けられているラジエータと、
車両前後方向で前記ラジエータの後方に設けられている送風機およびシュラウドと、
を有し、前記ラジエータは、前記空調用コンデンサと重なっている空調用コンデンサ重なり部位と、前記空調用コンデンサとは重なっていない空調用コンデンサ非重なり部位とによって構成されており、
前記シュラウドの前側の開口部が、前記空調用コンデンサ重なり部位の総てと、前記空調用コンデンサ非重なり部位の一部とに重なっており、
前記シュラウドの前側の開口部が、前記ラジエータの後面に接しているか、もしくは、前記ラジエータの後面から僅かに離れており、
前記空調用コンデンサと並列に配置されているサブラジエータを備え、
前記ラジエータの空調用コンデンサ非重なり部位の総てに、前記サブラジエータが重なっているサブラジエータ重なり部位が形成されており、
前記シュラウドの前側の開口部が、前記サブラジエータ重なり部位の前記空調用コンデンサ側の部位に重なっていることを特徴とする冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に係り、特に、複数の熱交換器と、送風機および送風機シュラウドとを有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図2で示すような冷却装置301が知られている。冷却装置301は、たとえば、車両303に搭載されており、空調用コンデンサ305と、サブラジエータ307と、ラジエータ309とを備えている。また、冷却装置301には、シュラウド311と、ファン(送風機)313とが設けられている。
【0003】
そして、車両303が走行しているときには、走行風が、空調用コンデンサ305と、ラジエータ309(ラジエータ309の上側の部位)とを通過し、また、サブラジエータ307と、ラジエータ309(ラジエータ309の下側の部位)とを通過することで、空調用コンデンサ305の冷媒と、サブラジエータ307の冷媒と、ラジエータ309の冷媒とが、冷却されるようになっている。
【0004】
車両303が停車しているとき(アイドル状態にあるとき)には、ファン313によって生成された空気流が、空調用コンデンサ305と、ラジエータ309(ラジエータ309の上側の部位)とを通過し、空調用コンデンサ305の冷媒と、ラジエータ309の冷媒とが、冷却されるようになっている。
【0005】
なお、従来の技術に関連する文献として、たとえば、特許文献1を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−248920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、冷却装置301は、車両303がアイドル状態であるときに、ファン313が稼働していると、グリル315から車両303内に空気が入り、その空気が空調用コンデンサ305と、ラジエータ309の上側の部位とを冷却する他に、図2に矢印A301で示すような空気の流れが発生する。
【0008】
図2に矢印A301で示すような空気の流れは、車両303のエンジン(冷却装置301の後方に設けられている図示しないエンジン)が発する熱で温められた空気(熱気)の流れであり(いわゆる、吹き返しであり)、この空気の流れは、ラジエータ309の下側部位と、サブラジエータ307とを通過した後、ファン313によって生成された空気流により、空調用コンデンサ305と、ラジエータ309の上側の部位とを通過する。
【0009】
冷却装置301では、このような吹き返しによって、アイドル状態のときに(走行風による冷却が期待できない状況を含む)、空調用コンデンサ305の冷却が不足する場合があるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の熱交換器と、送風機とを備えた冷却装置において、走行風による冷却が期待できない状況においても、送風機によって冷却を必要としている熱交換器を十分に冷却することができる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の熱交換器と、車両前後方向で前記第1の熱交換器の後方に設けられている第2の熱交換器と、車両前後方向で前記第2の熱交換器の後方に設けられている送風機およびシュラウドとを有し、前記第2の熱交換器は、前記第1の熱交換器と重なっている第1熱交換器重なり部位と、前記第1の熱交換器とは重なっていない第1熱交換器非重なり部位とによって構成されており、前記シュラウドの前側の開口部が、前記第1熱交換器重なり部位の少なくとも一部と、前記第1熱交換器非重なり部位の一部とに重なっている冷却装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の熱交換器と、送風機とを備えた冷却装置において、走行風による冷却が期待できない状況においても、送風機によって冷却を必要としている熱交換器を十分に冷却することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る冷却装置の概略構成を示す図である。
図2】従来の冷却装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る冷却装置1は、たとえば、図1で示すように、自動車等の車両3に搭載(設置)されて使用されるものであり、冷却装置1の冷媒を冷やす空気流(冷却空気流)は、車両3の前側から後側に向かって流れるようになっている。
【0015】
冷却装置1は、第1の熱交換器(たとえば、空調用コンデンサ)5と、第2の熱交換器(たとえば、ラジエータ)7と、シュラウド9と、送風機11とを備えて構成されている。
【0016】
ラジエータ7は、車両前後方向で、空調用コンデンサ5と直列になって、空調用コンデンサ5の後方(空気の流れ方向で下流側)に設けられている。
【0017】
シュラウド9は、車両前後方向でラジエータ7の後方に設けられている。送風機11は、空気流を生成するためのものである。
【0018】
車両の前側から後側に向かって見たときに、ラジエータ7は、空調用コンデンサ5と重なっている第1熱交換器重なり部位(空調用コンデンサ重なり部位)13と、空調用コンデンサ5とは重なっていない(空調用コンデンサ5が非存在である)第1熱交換器非重なり部位(空調用コンデンサ非重なり部位)15とによって構成されている。なお、空調用コンデンサ非重なり部位15は、空調用コンデンサ重なり部位13に隣接している。
【0019】
車両の前側から後側に向かって見たときに、空調用コンデンサ5は、車両上下方向でラジエータ7よりも小さくなっている。
【0020】
さらに具体的に説明すると、ラジエータ7を所定の境界線、たとえば、水平の境界線で上下2つの部位に分けると、一方の部位(たとえば、上側の部位)が空調用コンデンサ重なり部位13になっており、他方の部位(たとえば、下側の部位)が空調用コンデンサ非重なり部位15になっている。
【0021】
また、車両の前側から後側に向かって見たときに、シュラウド9の前側の開口部(前端の開口部)17が、空調用コンデンサ重なり部位13の少なくとも一部と、空調用コンデンサ非重なり部位15の一部とに重なっている。
【0022】
たとえば、シュラウド9の前側の開口部17が空調用コンデンサ重なり部位13の総てと、空調用コンデンサ非重なり部位15の一部とに重なっている。
【0023】
そして、車両3がアイドル状態にある等、走行風が期待できない場合であっても、送風機11を稼働することで、空気流が各熱交換器5,7と、次に記載する第3の熱交換器19とを通過するようになっている。
【0024】
冷却装置1には、第3の熱交換器(たとえば、サブラジエータ)19が設けられている。車両前後方向で、サブラジエータ19は、空調用コンデンサ5と並列に配置されている。
【0025】
そして、車両の前側から後側に向かって見たときに、ラジエータ7の空調用コンデンサ非重なり部位15の少なくとも一部に、第3熱交換器重なり部位(サブラジエータ重なり部位)21が形成されている。サブラジエータ重なり部位21では、ラジエータ7にサブラジエータ19が重なっている。
【0026】
また、車両の前側から後側に向かって見たときに、シュラウド9の前側の開口部(前端の開口部)17が、サブラジエータ重なり部位21の少なくとも一部に重なっている。
【0027】
たとえば、サブラジエータ19は、ラジエータ7よりも車両上下方向で小さくなっており、空調用コンデンサ非重なり部位15の内側に存在している。
【0028】
さらに説明すると、車両の前側から後側に向かって見たときに、ラジエータ7を所定の境界線で2つの部位に分けたとき、一方の部位が空調用コンデンサ重なり部位13になっており、他方の部位が、サブラジエータ重なり部位21(空調用コンデンサ非重なり部位15)になっている。
【0029】
より具体的には、空調用コンデンサ重なり部位13の総てに、空調用コンデンサ5が重なっており、サブラジエータ重なり部位21(空調用コンデンサ非重なり部位15)の総てに、サブラジエータ19が重なっている。
【0030】
また、車両上下方向で、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19とは、並列に配置されており、空調用コンデンサ5はサブラジエータ19の上側に配置されている。
【0031】
さらに、冷却装置1には、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19との間での空気の流れを遮断するための仕切り板23が設けられている。
【0032】
ここで、冷却装置1についてさらに説明する。
【0033】
冷却装置1は、車両3のエンジンルーム25内で前方に搭載されている。エンジンルーム25の後方には車両3を駆動するエンジン(図示せず)が搭載されている。車両3の前部には、バンパー27が設けられており、バンパー27の下側にはロアグリル29が設けられており、上側にはアッパグリル31が設けられている。
【0034】
そして、ロアグリル29やアッパグリル31から空気がエンジンルーム25内に入り、冷却空気として冷却装置1を通過し、エンジンに至るようになっている。エンジンルーム25内に入った空気は、エンジンルーム25の、たとえば、下側から車両3の外部に出ていくようになっている。
【0035】
空調用コンデンサ5、ラジエータ7、サブラジエータ19は、それぞれが、チューブと、フィンとを備えて、たとえば、矩形な板状に形成されている。冷却装置1が車両3に設置された状態では、空調用コンデンサ5、ラジエータ7、サブラジエータ19の厚さ方向が車両3の前後方向になっており、空調用コンデンサ5、ラジエータ7、サブラジエータ19それぞれのフィンと、チューブとの間隙を通過して車両3の前側から後側に向かって流れる空気によって、空調用コンデンサ5、ラジエータ7、サブラジエータ19それぞれのチューブ内を流れる冷却媒体が冷却されるようになっている。
【0036】
空調用コンデンサ5の下方に、サブラジエータ19が隣接して配置されており、車両上下方向で、空調用コンデンサ5の下端の位置と、サブラジエータ19の上端の位置とがお互いにほぼ一致している。
【0037】
車両の前側から後側に向かって見ると、空調用コンデンサ5の総てと、サブラジエータ19の総てとに、ラジエータ7が重なっている。また、車両前後方向では、空調用コンデンサ5およびサブラジエータ19と、ラジエータ7とは、お互いが所定の距離だけ離れている。
【0038】
シュラウド9は、ラジエータ7の後側に設けられている。冷却装置1が車両3に設置された状態では、シュラウド9の前端の開口部17は、ラジエータ7の後面に接しているか、もしくは、僅かに離れている。空気は、シュラウド9の前側の開口部17から、シュラウド9の後側の開口部に向かって、シュラウド9内を流れるようになっている。
【0039】
シュラウド9の前側の開口部17は、矩形状に形成されている。車両の前側から後側に向かって見ると、前側の開口部17は空調用コンデンサ5の総てと、サブラジエータ19の上側の部位とに重なっている。
【0040】
送風機11は、回転することで空気の流れを発生する羽根33と、この羽根を回転させるモータ35とを備えて構成されている。また、送風機11は、シュラウド9の後方に設置されている。
【0041】
仕切り板23は、矩形な薄い板状に形成されており、厚さ方向が車両の上下方向になって、空調用コンデンサ5およびサブラジエータ19と、ラジエータ7との間の空間内に設置されている。
【0042】
車両の横方向で、仕切り板23の左端は、空調用コンデンサ5、およびラジエータ7の左端と一致しており、仕切り板23の右端は、空調用コンデンサ5、およびラジエータ7の右端と一致している。
【0043】
車両の前後方向で、仕切り板23の前端は、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19との境界に接しており、仕切り板23の後端は、ラジエータ7の前面に接している。なお、仕切り板23の前端が、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19との境界から僅かに離れていてもよいし、仕切り板23の後端が、ラジエータ7の前面から僅かに離れていてもよい。
【0044】
このように構成されていることにより、空調用コンデンサ5およびサブラジエータ19と、ラジエータ7との間の空間が、上側の空間37と、下側の空間39とに仕切られている。上側の空間37では、空調用コンデンサ5を通過した空気がラジエータ7の上側の部位に向かって流れ、下側の空間39では、サブラジエータ19を通過した空気がラジエータ7の下側の部位に向かって流れるようになっている。
【0045】
空調用コンデンサ5を通過した空気と、サブラジエータ19を通過した空気とが、仕切り板23によって、ラジエータ7に到達する前にお互いが遮断され、お互いが混じり合わないようになっている。
【0046】
なお、図1では、仕切り板23の後端が、ラジエータ7の前面のところに位置しているが、仕切り板23の後端が、ラジエータ7のフィンを突きって、ラジエータ7の後面まで延びていてもよいし、さらに、ラジエータ7の後面からシュラウド9内に延びていてもよい。
【0047】
なお、ラジエータ7は、車両3のエンジンの冷却水(冷却媒体)を冷却するものであり、空調用コンデンサ5は、車両3のキャビン内の空調をするエアコンディショナーの冷媒を冷却するものである。また、サブラジエータ19として、水冷チャージエアクーラの放熱器、電気機器の冷却器の放熱器等を掲げることができる。
【0048】
次に、冷却装置1の動作を説明する。
【0049】
車両3の走行風が発生している場合には、主としてアッパグリル31からエンジンルーム25内に入ってきた空気が、空調用コンデンサ5と、ラジエータ7の上部と、シュラウド9内をこの順に流れ、空調用コンデンサ5と、ラジエータ7とが冷却される。
【0050】
また、主としてロアグリル29からエンジンルーム25内に入ってきた空気が、サブラジエータ19と、ラジエータ7の下部と、シュラウド9内およびシュラウド9の下側の空間をこの順に流れ、サブラジエータ19と、ラジエータ7とが冷却される。このとき、送風機11は稼働している場合もあるし、稼働していない場合もある。
【0051】
車両3がアイドル状態等になっていることで走行風がほとんど発生していない場合には、送風機11が稼働することで羽根33が回転する。
【0052】
そして、主としてアッパグリル31からエンジンルーム25内に入った空気が、空調用コンデンサ5と、ラジエータ7の上部と、シュラウド9内をこの順に流れ(図1の矢印A1参照)、空調用コンデンサ5と、ラジエータ7とが冷却される。
【0053】
また、主としてロアグリル29からエンジンルーム25内に入った空気が、サブラジエータ19と、ラジエータ7の下部と、シュラウド9内をこの順に流れ(図1の矢印A2参照)、サブラジエータ19と、ラジエータ7とが冷却される。
【0054】
冷却装置1によれば、シュラウド9の前側の開口部17が、空調用コンデンサ重なり部位13と、空調用コンデンサ非重なり部位15(サブラジエータ重なり部位21)の一部とに重なっているので、走行風による冷却が期待できない状況においても、送風機11によって冷却を必要としている空調用コンデンサ5を十分に冷却することができる。
【0055】
すなわち、車両3がアイドル状態や低速走行状態になっていて走行風による冷却が期待できない場合において送風機11が稼働すると、図1に矢印A1で示す空気の流れと、図1に矢印A2で示す空気の流れと、図1に矢印A3で示す吹き返しとが発生する。
【0056】
図1に矢印A1で示す空気の流れは、空調用コンデンサ5(空調用コンデンサ5の全面)と、ラジエータ7の上側部位(第1熱交換器重なり部位13)とを通過することで、空調用コンデンサ5の冷媒と、ラジエータ7の冷媒とを冷却するようになっている。
【0057】
図1に矢印A2で示す空気の流れは、シュラウド9の開口部17の一部が車両の前後方向から見てサブラジエータ19にかかっていることで、サブラジエータ19と、ラジエータ7の下側部位(下側部位のうちの上側の部位)41とを通過し、サブラジエータ19の冷媒と、ラジエータ7の冷媒とを冷却するようになっている。
【0058】
これによって、車両3がアイドル状態等になっても、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19と、ラジエータ7との冷却性能を確保することができる。
【0059】
また、図1に矢印A3で示す吹き返しは、図2で説明したものと同様なエンジンによって温められた空気の流れであるが、この温められた空気は、車両の後側から前側に向かって流れることでラジエータ7の下側部位(下側部位のうちの下側の部位)43を通過した後に、シュラウド9の開口部17の一部が車両の前後方向から見てサブラジエータ19にかかっていることで、送風機11によって車両の後方側へ吸い込まれる。つまり、エンジンによって温められた空気は、サブラジエータ19を通過することなくただちに上昇して、ラジエータ7の下側部位(下側部位のうちの上側の部位)41を通過するようになっている。
【0060】
これによって、アイドル時に送風機11が稼働していても、エンジンによって温められた空気が空調用コンデンサ5を通過することがほぼ無くなり、アイドル時に最も要求される頻度の高い場合が多い空調用コンデンサ5の冷媒を十分に冷却することができる。
【0061】
一方、車両3が走行していることで、冷却のための十分な走行風が発生していれば、主としてアッパグリル31から入ってきた空気が、空調用コンデンサ5の全面と、ラジエータ7の上側部位(第1熱交換器重なり部位13)とを通過し、主としてロアグリル29から入ってきた空気が、サブラジエータ19の全面と、ラジエータ7の下側部位(第1熱交換器非重なり部位15)とを通過する。つまり、空調用コンデンサ5の全面と、サブラジエータ19と、ラジエータ7の全面とを空気が通過する。これにより、空調用コンデンサ5の冷媒と、サブラジエータ19の冷媒と、ラジエータ7の冷媒とを十分に冷却することができる。
【0062】
ところで、図2で示す従来の冷却装置301において、吹き返しを防止するために、フラッパ317を設ける場合がある。
【0063】
そして、アイドル状態のときには、フラッパ317を矢印A302の方向に移動させて、ラジエータ309の下側部位(シュラウド311より下側の部位)の総てに蓋をし、エンジンで暖まった空気がフラッパ317(ラジエータ309)よりも前側に移動することを遮断する。
【0064】
なお、走行しているときには、フラッパ317を矢印A303の方向に移動させて、ラジエータ309の下側部位(シュラウド311より下側の部位)の総てを解放する。これによって、走行風が、空調用コンデンサ305の全面と、サブラジエータ307と、ラジエータ309の全面とを通過するようになっている。
【0065】
これに対して、本発明の実施形態に係る冷却装置1では、フラッパを設けることなく簡素な構成で、吹き返しを防ぐことができる。なお、本発明の実施形態に係る冷却装置1において、従来の冷却装置301と同様に、フラッパ(図示せず)を設けてもよい。
【0066】
また、冷却装置1によれば、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19とが車両上下方向でならんで配置されており、空調用コンデンサ5がサブラジエータ19の上側に配置されているので、アイドル状態のときに、エンジンで温められた空気(比重が外気よりも小さくなった空気)が、空調用コンデンサ5を通過することを確実に防止することができる。
【0067】
また、冷却装置1によれば、空調用コンデンサ5と、サブラジエータ19との間での空気の流れを遮断する仕切り板23が設けられているので、アイドル状態で送風機11が稼働しているときでも、ラジエータ7の下側部位(下側部位の下側の部位)43と、ラジエータ7の下側部位(下側部位の上側の部位)41とに、吹き返しの空気を確実に通過させることができる。
【0068】
なお、上述した冷却装置1は、空気の流れ方向で直列にならんで設けられた複数の熱交換器と、車両の前側から後側に向かって見たときに、前記各熱交換器の後方に設けられた送風機およびシュラウドとを有し、車両の前側から後側に向かって見たときに、前記複数の熱交換器のうちの最も後方に設けられている後方熱交換器(1つの後方熱交換器)は、前記複数の熱交換器のうちの前記後方熱交換器よりも前側に設けられている前方熱交換器と重なっている重なり部位と、前記前方熱交換器のいずれの熱交換器もが重なっていない(非存在である)非重なり部位(重なり部位につながっている非重なり部位)とによって構成されており、車両の前側から後側に向かって見たときに、前記シュラウドの前側の開口部が、前記重なり部位の少なくとも一部と、前記非重なり部位の一部とに重なっている冷却装置の例である。
【0069】
また、第1の熱交換器と、車両の前側から後側に向かって見たときに、前記第1の熱交換器と並列に配置されている第2の熱交換器と、車両の前側から後側に向かって見たときに、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との後方に設けられており、前側から後側に向かって見たときに、前側の開口部が、前記第1の熱交換器の総て(全面)と、前記第2の熱交換器の一部とに重なっているシュラウドと、前記シュラウド内を流れる空気流を生成する送風機とを有する冷却装置の例である。
【符号の説明】
【0070】
1 冷却装置
5 第1の熱交換器(空調用コンデンサ)
7 第2の熱交換器(ラジエータ)
9 シュラウド
11 送風機
13 第1熱交換器重なり部位(空調用コンデンサ重なり部位)
15 第1熱交換器非重なり部位(空調用コンデンサ非重なり部位)
17 シュラウドの前側の開口部(前端の開口部)
19 第3の熱交換器(サブラジエータ)
21 第3熱交換器重なり部位(サブラジエータ重なり部位)
図1
図2