【実施例】
【0020】
以下、
図1〜
図7を参照して本発明の防音パネルの実施例について説明する。1は、本発明の防音パネルであり、次の構成となっている。なお、説明において、防音パネル1に関しては防音パネルを設ける現場の、外部を向く面を外側、内部を向く面を内側と、水平方向を幅方向(右左)と、垂直方向を高さ方向(上下)と、外側面‐内側面の方向を厚み方向と、各々記すこととする。また、
図1(a)の本発明の防音パネル1の「正面」は、内側としている。
【0021】
2は、幅方向に所定間隔を空けて複数設けた断面略C字状(
図2参照)の支柱である。3は、支柱2の各々に取り付けた壁面部材であり、本例では支柱2を挟んで外側と内側とに対向するように該支柱2に取り付けている。
【0022】
なお、壁面部材3は、外側のものを壁面部材3Aと、内側のものを壁面部材3Bと、総称する際には壁面部材3と、それぞれ記すこととする。本例では、図示するように、壁面部材3Bはパンチング加工がされたものを採用している。壁面部材3Bの高さ方向両端かつ幅方向両端には、壁面部材3の幅方向の連結のための連結孔3aが形成されている。
【0023】
4は、壁面部材3の高さ及び幅方向の両端部に設けて壁面部材3A,3Bの対向面間の開口を閉塞する閉塞板部材であり、総称する場合には閉塞部材4と、壁面部材3の高さ方向における上開口を閉塞するものは上閉塞部材4Aと、下開口を閉塞するものは下閉塞部材4Bと、また、壁面部材3の幅方向における右開口を閉塞するものは右閉塞部材4Cと、左開口を閉塞するものは左閉塞部材4Dと、各々記すこととする。
【0024】
ここで、壁面部材3と閉塞部材4とにより形成される内部空間を、以下、空間Pとすることとし、例えば壁面部材3A,3Bについて対向する側は空間P側と、その反対側は被空間P側、と記すこととする。なお、本例において、この空間Pには、グラスウールGが設けられる。
【0025】
上閉塞部材4Aと下閉塞部材4Bは、本例では、
図4(a)(b)において壁面部材3の右側端面を拡大して示すように、壁面部材3Aの高さ方向の上下端と直交して(例えば折り曲げることで)連続的に形成されている。
【0026】
上閉塞部材4Aは、厚み方向の中央部に、位置決凸部4aが幅方向に直線状に形成されている。一方、下閉塞部材4Aは、厚み方向の中央部に、前記位置決凸部4aに対応するように位置決凹部4bが幅方向に直線状に形成されている。位置決凸部4aと位置決凹部4bは、壁面部材3を高さ方向に直線状に並設するためのものである。
【0027】
さらに、上閉塞部材4Aと下閉塞部材4Bは、本例では、
図4に拡大して示すように、壁面部材3B側へ直交状に折り返している。壁面部材3Bは、これら上閉塞部材4A及び下閉塞部材4Bのそれぞれの前記折り返し部位の空間P側の面に設けられる。
【0028】
右閉塞板部材4Cと左閉塞部材4Dは、
図2に示すように、中辺面4cを挟んでこの中辺面4cの両端に直交した長辺面4dと短辺面4eが形成された断面形状となっている。
【0029】
右閉塞板部材4Cと左閉塞部材4Dの、それぞれの長辺面4dは壁面部材3Aの空間P側の面に、それぞれの短辺面4eは壁面部材3Bの空間P側の面に、それぞれ取り付けられてコーキング剤が充填されている。
【0030】
右閉塞板部材4Cと左閉塞部材4Dの中辺面4cは、壁面部材3A,3Bの幅方向の右開口と左開口を塞いでいる。
【0031】
5は、上閉塞板部材4Aにおける幅方向の両端で厚み方向の中央からやや内側寄りに形成したフック受金具F(
図7参照)を係合するための係合孔である。
【0032】
6は、本例では壁面部材3Bの幅方向両端かつ高さ方向両端で上記連結孔3aより幅方向中央寄りの位置に形成された開口である。本例では、
図5に示すように、開口6の空間P側には扉部材6Aがばね蝶番6B(
図6)によって開閉自在に設けられている。ばね蝶番6Bも本例では、開口6の空間P側に設けており、扉部材6Aは空間P側へ押して開口6を開状態とする。
【0033】
ばね蝶番6Bは、一方と他方の蝶番片6a,6bの突き合わせ側に形成されたそれぞれの軸孔6c,6cに、トーションばね6dを設けた軸6eを挿通した通常の構成である。トーションばね6dは自然状態で両腕が略180度に開いており、両腕が各々の蝶番片6a,6bに接触している。扉部材6Aは、ばね蝶番6Bにより、空間P側へ押すと開口6が開状態となるが、押すことを停止すると閉状態(トーションばね6dの自然状態)に復帰しようとする。
【0034】
本例では、フック受金具Fとして、強度の証明書(保証書)を有したマーテック株式会社製のBKロッキングフックを防音パネル1に取り付けた状況について説明する。フック受金具Fのトリガーを押し下げてラッチを開けた状態で、該トリガー部分(手でも可)によってばね蝶番6Bのトーションばねの付勢力より強い力で扉部材6Aを空間P側へ押すと開口6が開状態となり、該トリガー(先端)部分を係合孔5に係合する。
【0035】
その後、トリガー部分から手を離し、手を開口6から出すと、扉部材6Aが閉まろうとするが、フック受金具Fのトリガー部分だけ開口6が開いたままとなる。このフック受金具Fの環状の部位に重機側のフックを係合すると、ラッチがトリガーによりロックされ、吊り上げ可能となる。
【0036】
防音パネル1を吊り上げて移動し、所定位置に載置した後、フック受金具Fを取り外すために、開口6から空間P内に手を入れると、扉部材6Aが手が挿入できる分だけ開き、トリガー部分を係合孔5から外し、トリガー部分と共に手を開口6から出すと、ばね蝶番6Bにより扉部材6Aが開口6を閉じる。
【0037】
上記本例では、扉部材6Aはばね蝶番6Bによって開口6から手を出せば、閉状態となるようにばね蝶番6Bを設けたが、これに代えて扉部材6Aが例えば幅方向にスライドして開閉する構成としてもよい。