【文献】
“楽天ラッキーシール|豪華賞品やポイントが当たる!”,[online],2016年 8月25日,[2018年7月3日検索],インターネット,URL,https://web.archive.org/web/20160825230400/https://luckysticker.rakuten.co.jp/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定部は、前記端末が有するGPS(Global Positioning System)もしくは前記端末と前記評価装置との間の通信経路に基づいて取得された地理情報により、前記所在を推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の評価装置。
前記設定された有効期間内に受け付けられた複数の広告IDについて推定された複数の所在の分布と、前記抽出された取引情報に係る発送先の分布と、が合致する度合により、前記ショップを介した前記広告媒体の効果が評価される
ことを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0015】
(電子市場の概要)
図1は、本発明の実施形態に係る電子市場における各種の情報、広告媒体、商品等のやりとりの様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る電子市場10に出品するショップは、ショップ端末12を利用して市場サーバ11にアクセスし、販売する商品情報の登録を行う(A)。すると、市場サーバ11は、登録された商品情報を公衆送信可能とする。
【0017】
すなわち、商品を購入しようとするユーザがユーザ端末13を利用して市場サーバ11にアクセスすると、商品情報を取得することができる(B)。市場サーバ11は、ユーザの検索要求に応じて条件を満たす商品情報をユーザ端末13に提供したり、ユーザの過去の購入履歴等の振舞いに応じて、商品情報をリコメンドしたりする。
【0018】
ユーザが市場サーバ11にて公開された商品情報に係る商品を購入するためには、購入要求をユーザ端末13から市場サーバ11へ送る(C)。この購入要求には、購入しようとする商品情報のほか、商品の発送先等などの個人情報が紐付けられる。
【0019】
なお、ユーザが、自身の住所(address)、氏名、電話番号、支払手段等の個人情報を市場サーバ11にあらかじめ登録していた場合には、当該個人情報に紐付けられたユーザIDにて市場サーバ11にサインインすることで、これらの個人情報を、ユーザ端末13にて商品購入のための情報入力に援用することができる。
【0020】
各ユーザは、自身に割り当てられたユーザIDを鍵に、上記の個人情報の登録、更新、編集等を行う。また、ユーザIDは、ショッピングポイントの利用やデジタルコンテンツ等の提供の可否を決定する際も、ユーザを識別するために参照される。さらに、電子市場10がSNS(Social Networking Service)等のサービスを運営あるいは連携している場合には、ユーザIDを鍵として、ユーザ同士の友人関係を登録することも可能である。
【0021】
なお、ユーザIDを利用しない場合であっても、ユーザ端末13にて動作するブラウザにて、これらの個人情報を、クッキーやローカルストレージに記録することとすれば、再入力に援用することが可能である。
【0022】
さて、購入要求に指定された商品情報や発送先等の購入申込情報は、市場サーバ11から当該商品を出品したショップのショップ端末12に伝達される(D)。
【0023】
ショップ端末12を介して購入申込情報を受け取ったショップは、指定された発送先に商品を出荷し(E)、出荷した旨の情報を市場サーバ11に登録する(F)。
【0024】
市場サーバ11とショップ端末12の間のやりとり、ならびに、市場サーバ11とユーザ端末13の間のやりとりは、ウェブサービス、電子メール、ファクシミリ、ボイスチャットサービス、メッセージングサービス、SNS、スマートフォンの専用アプリケーション等を介して行うことが可能である。また、市場サーバ11は、一台のサーバコンピュータにより運営することも可能であるし、複数のサーバコンピュータが情報を共有し、各種の分散処理を行うことによって実現することも可能である。
【0025】
商品購入に係る代金の支払は、市場サーバ11が提供あるいは提携する電子マネー、ポイント、クレジットカード、デビットカードなどの決済サービスを利用することもできるし、商品の代金引換や銀行振込等によることも可能である。
【0026】
このように、電子市場10においては、商品を購入したユーザ、当該商品を販売したショップ、当該商品の商品情報、当該商品の発送先、当該商品の購入要求や出荷の日時等を表す取引情報が、市場サーバ11によって管理されることになる。
【0027】
本実施形態においては、電子市場10を広告するシールやステッカーなどの広告媒体を、当該商品そのもの、商品の包装、あるいは、配送時の商品の梱包に付すことによって、発送先のユーザに電子市場10の介在を認知させ、電子市場10を介して新たな商品を購入しようとする意欲を高める。
【0028】
図2は、商品に付される広告媒体の例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る広告媒体20は、商品、当該商品の包装もしくは梱包に付されるシールもしくはステッカーとして実現される。
【0030】
広告媒体20は、2枚の紙、すなわち、カバー21と本体22を重ね合わせた構造となっている。カバー21の近くには、切取り可能なミシン目29があり、カバー21はミシン目29の隅で切り掛かれており、本体22の隅が露出している。
【0031】
カバー21には、電子市場10の認知度を高めるためのマーク23や広告メッセージ24などが記載される。本図では、マーク23として電子市場10のロゴマークを例示する丸にXの文字、広告メッセージ24として角丸に囲まれて「ラッキーシール」の文字が記載されている。一方、露出した本体22の隅には、カバー21を剥す処理をユーザに促す処理メッセージ25として「剥す」の文字が記載されている。
【0032】
カバー21の切り掛きにユーザが爪を引っ掛けてカバー21のミシン目を切り取りながら剥すと、本体22が露出する。
【0033】
図3は、広告媒体に指定された広告IDの例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。本体22には、広告媒体20に重複なくユニークに割り当てられた広告IDが印刷されている。本実施形態では、この広告IDは、特定の有効期間内に懸賞に応募して特典を得る権利に紐付けられている。
【0034】
本例では、広告媒体20の本体22には、広告IDを表す応募コード26(本例では、16桁の英数字列「1GX4-FGAM-9QR2-YHN5」)、および、当該広告IDをともなって懸賞サーバにアクセスするためのURL(Universal Resource Locator)を表す2次元コード27が記載されている。
【0035】
懸賞サーバは、後述する当該広告媒体20の広告の効果を評価する評価装置として機能するウェブサーバであり、市場サーバ11と一体に構成しても良いし、別のサーバコンピュータにより構成しても良い。その詳細については後述する。
【0036】
なお、ユーザは、本体22に記載された短縮URL 28を利用して、直接ブラウザから懸賞サーバにアクセスし、応募コード26を手で入力することも可能である。
【0037】
なお、広告媒体20を、スクラッチ可能な部分を有するシールあるいはステッカーとして実現することも可能である。この態様では、ユーザがスクラッチ部をコイン等でこすることで、広告IDに相当する応募コード26等が現れる。
【0038】
このように、広告IDは、特典を得るための懸賞の応募コードとして機能するため、商品の配送時には隠された状態で伝達されることが望ましい。この場合、本体22からカバー21を剥す、スクラッチ可能な部分をコイン等でこする等の、不可逆的な処理をユーザが実行することによって、ユーザが広告IDを看取できるようにすることで、二重応募や不正応募を抑制することができる。
【0039】
(評価装置)
以下では、特典付与に応募するための応募コード26として表現された広告IDをユーザから収集することにより、広告媒体20による広告の効果を評価する評価装置について説明する。
【0040】
評価装置は、典型的には、懸賞サーバもしくは市場サーバ11を構成するサーバコンピュータが有するプロセッサが、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体や一時的な通信媒体から所定のプログラムをメモリに読み出して実行することによって実現される。
【0041】
ただし、プログラムが記録された非一時的な情報記録媒体をコンピュータ内のメモリ空間にマッピングすることで、プログラムをメモリに直接読み出すことなく実行することも可能である。
【0042】
また、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの技術により、プログラムを電子回路の設計図としてとらえ、プログラムに基づいて以下の情報処理を実行する専用の電子回路やハードウェアを構成することとしても良い。
【0043】
本実施形態に係る評価装置101は、電子市場10を介してショップがユーザに販売する商品、当該商品の包装もしくは梱包にシールやステッカーなどの形態にて付されてユーザに配送された広告媒体20の効果を評価する。
【0044】
上記のように、広告媒体20には、広告IDが付されており、広告IDには、有効期間が設定されている。二重応募を防止するため、広告IDは、互いに重複しないものとすることが望ましい。
【0045】
また、広告IDの一部の桁を、残りの桁に基づいて計算されるチェックサム、CRC(Cyclic Redundancy Code)、ハッシュ値等を表すものとすれば、広告IDを総当たり的に入力する不正利用を抑制することができる。特に、有効な応募コード26が管理されているデータベースにアクセスせずに、不正な応募コード26を検出することが可能である。
【0046】
たとえば、上記の応募コード26において、英数字12桁が実際に広告媒体20を識別する部分とし、当該12桁のMD5値を英数字4桁化して付与することとする場合を考えると、(10+26)
4=約168万回の総当たり攻撃のうち成功するのは1回、ということになり、不正利用を効率良く抑制することができる。
【0047】
図4は、評価装置の概要構成を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0048】
評価装置101は、受付部102、推定部103、抽出部104、評価部105を備える。また、省略可能な要素として、決定部106を備えることとしても良い。
【0049】
ここで、受付部102は、広告媒体に指定された広告IDをユーザが使用するユーザ端末13から受け付ける。受付部102は、ユーザが有するユーザIDを、端末からさらに受け付けることとしても良い。
【0050】
一方、推定部103は、端末から広告IDを評価装置101に送ってきたユーザの所在(location)を推定する。
【0051】
たとえば、受付部102によってユーザIDが受け付けられている場合には、当該ユーザIDに紐付けられて登録された住所を、ユーザの所在と推定することができる。
【0052】
また、推定部103は、ユーザ端末13が有するGPS(Global Positioning System)もしくは端末と評価装置101との間の通信経路に基づいて取得された地理情報により、ユーザの所在を推定することとしても良い。たとえば、ユーザ端末13としてスマートフォンが利用され、ブラウザを介して受付部102に対するアクセスがされた場合には、ブラウザが対応するGeoloaction API(Application Program Interface)を利用することが可能である。また、ブラウザに表示されるHTML(HyperText Markup Language)文書において、フォームタグ(form)やアンカータグ(a)にlcs属性を付与することにより、これらのタグを介して受付部102に対するアクセスにともなって、ユーザ端末13の現在位置を評価装置101に知らせることが可能となる。
【0053】
さらに、抽出部104は、受け付けられた広告IDに対して設定された有効期間内に、ショップによりされた取引情報を抽出する。
【0054】
重複する有効期間を有する広告媒体20が、その時期に電子市場10の運営者から複数のショップに配布され、これらのショップが商品等に広告媒体20を貼付可能となった場合には、どの広告IDをどのショップに提供したか、を電子市場10の運営者が管理する必要がある。そして、管理された情報に基づいて、今回受け付けられた広告IDが指定された広告媒体20が配布されたショップを特定し、当該ショップが当該有効期間内に行った取引情報を抽出する。
【0055】
そして、評価部105は、推定された所在が抽出された取引情報に係る発送先の分布に合致する度合により、受け付けられた広告IDが指定された広告媒体20の効果を評価する。
【0056】
たとえば、発送先の分布において、いずれかの発送先と推定された所在が十分に近ければ、広告媒体20は商品、当該商品の包装もしくは梱包に付されてユーザにより視認された可能性が高いと考えられる。
【0057】
一方、推定された住所が、発送先の分布に含まれるいずれの発送先からも十分に遠い場合には、広告媒体20や広告IDが商品等に付されずに流通してしまったり、広告IDが不正に流出してしまったり等、何らかの事情、事故、事象によって広告効果が発揮されなかった可能性が高いと考えられる。
【0058】
そこで、評価部105は、発送先の分布のうち、推定された所在に最も近い発送先を特定し、その2つの近さを数値化して、推定された所在と発送先の分布が合致する度合とする。たとえば、住所が完全一致するものがあれば、合致の度合は最も高く、市町村名が一致するものがまったくなければ、合致の度合は最も低い、などのように、近さを数値化することができる。
【0059】
また、推定された所在の緯度および経度と、各発送先の緯度および経度と、から、両者の距離を求め、求められた距離のうち最短のものに基づいて、合致の度合を定めても良い。
【0060】
さらに、決定部106は、評価部105によって算定された合致の度合に基づいて、ユーザへ付与すべき特典の有無、付与確率、数、種類、もしくは、性質を決定する。
【0061】
たとえば、合致の度合が高ければ特典を与えるが、低ければ特典を与えないこととしても良い。また、合致の度合が高ければ高いほど、特典の当選確率を高くしたり、得られる特典の数を増やしたり、応募可能な特典の種類を増やしたり、より価値の高い、あるいは、稀少な特典を付与することとしても良い。
【0062】
これによって、広告媒体20がその効果を発揮したと考えられる場合にユーザにより良い特典を与えることができるようになる。
【0063】
図5は、広告IDに基づいてユーザが懸賞に応募する際に評価装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0064】
本処理は、広告媒体20を入手したユーザが、ブラウザから、評価装置101として機能する懸賞サーバにアクセスすることによって開始される。まず、評価装置101は、ユーザが利用するユーザ端末13からのアクセスを受け付ける(ステップS501)。当該アクセスには、広告IDとして機能する応募コード26が付随している。また、ユーザが、自身のユーザIDを当該アクセスにて指定することも可能である。
【0065】
次に、評価装置101は、受け付けられた応募コード26により表現される広告IDが有効であるか否かを判定する(ステップS502)。上記のように、チェックサム等を利用することによって、広告IDが有効であるか否かが判定される。
【0066】
有効でなければ(ステップS502;No)、評価装置101は、ユーザ端末13にその旨を報告して(ステップS503)、本処理を終了する。
【0067】
一方、有効であれば(ステップS502;Yes)、評価装置101は、ユーザ端末13の所在を推定する(ステップS504)。上記のように、アクセスの際にユーザIDが指定されていれば、当該ユーザIDについて登録されている住所を所在として推定することができる。また、ユーザ端末13の地理情報を利用して、所在として推定することとしても良い。
【0068】
ついで、評価装置101は、当該広告IDに設定された有効期間、および、必要であれば、当該広告IDに係る広告媒体20が割り当てられたショップを特定する(ステップS505)。
【0069】
さらに、評価装置101は、当該特定された有効期間内に当該ショップにおいてされた取引情報を、電子市場10の市場サーバ11等に用意された取引データベースから抽出する(ステップS506)。
【0070】
ついで、評価装置101は、抽出された取引情報の発送先が、推定された所在に最も近いものを検索し(ステップS507)、検索結果における発送先と、推定された所在と、が合致する度合を算定する(ステップS508)。
【0071】
そして、評価装置101は、推定された所在と、有効期間内の発送先のうち当該所在に最も近い発送先と、の近さに応じて算定された合致の度合に基づいて、応募された懸賞における特典の有無、特典を付与する確率、特典の数、種類、もしくは、性質を決定する(ステップS509)。
【0072】
なお、アクセスの際にユーザIDが指定されている場合には、取引データベースから、まず、当該有効期間内に当該ショップと当該ユーザIDのユーザとの間で売買がなされ、当該ユーザ宛に商品が発送された取引に係る取引情報の抽出を試みることとしても良い。そのような取引が見つかった場合には、推定された所在と取引情報の発送先は、完全一致したことになり、合致の度合は最高となる。
【0073】
一方、そのような取引が見つからなければ、ショップと他のユーザとの間で売買がなされて、当該ユーザIDのユーザへ商品がプレゼントとして贈られた可能性がある。そこで、上記のように、当該有効期間内に当該ショップから商品が発送された発送先のうち、推定された所在と最も近いものを検索すれば良い。
【0074】
そして、推定された所在に最も近い発送先と、当該所在とが、どれだけ近いかに基づいて、合致の度合を算定すれば良い。また、当該有効期間内の取引情報が見つからない場合には、合致の度合は最低となる。
【0075】
なお、商品がプレゼントとして贈られるということは、商品を購入したユーザと商品の発送先のユーザとの間に、何らかの親密な関係があるものと考えられる。たとえば、商品を購入したユーザと、商品の発送先のユーザと、は、別居しているが姓が一致する場合には、両者は親戚関係にあると推定することができる。また、商品を購入したユーザと、商品の発送先のユーザと、にSNSにおける友人関係が登録されているか否かを調べても良い。
【0076】
このように、商品がプレゼントとして贈られた場合に、商品を受け取ったユーザが懸賞サーバにアクセスした場合には、広告効果が大きく発揮されたと評価することができる。
【0077】
そこで、評価装置101は、発送先が推定された所在に合致する取引情報において、購入者が
(a)応募したユーザ、
(b)応募したユーザとの友人関係が登録あるいは親族関係が推定された友人ユーザ、
(c)応募したユーザでも応募したユーザの友人ユーザでもない他人ユーザ
のいずれであるかに応じて、特典の有無、付与確率、数、種類、もしくは、性質を決定することとしても良い。
【0078】
最後に、評価装置101は、決定された特典の有無等、懸賞の当選結果をユーザ端末13に報告して(ステップS510)、本処理を終了する。
【0079】
ここで、特典として、電子市場において利用できるポイントが付与される場合には、アクセス時にユーザIDを指定することが必須となり、ステップS510においては、ポイント付与がなされる旨が報告される。
【0080】
また、特典として、携帯電話の待受画面に利用できる画像ファイル、携帯電話の呼出音に利用できる音声ファイル、ユーザが閲覧可能な動画ファイルや文書ファイルなど、種々の電子コンテンツが提供される場合には、ステップS510において、これらの電子コンテンツを提供しても良いし、これらの電子コンテンツの入手先を知らせることとしても良い。この場合には、アクセス時にユーザIDが指定されていなくとも、特典の付与は可能である。
【0081】
また、アクセス時にユーザIDの情報がない場合には、ステップS510において懸賞に当選した旨をユーザに報告した上で、特典の発送先などの情報をユーザに入力させることとしても良い。
【0082】
なお、上記の処理では、懸賞サーバへのアクセスがあると、直ちに特典が決定されていたが、懸賞サーバへのアクセス時は、懸賞への申込のみがされ、有効期間が過ぎてから、有効な応募のそれぞれに対して特典を付与するか否かを決定しても良い。
【0083】
上記の処理では、1枚のシール、1枚のステッカー等の個々の広告媒体20がどの程度広告効果を発揮したか、を推定して、特典を付与していた。以下では、ショップ単位で広告効果を評価する手法について説明する。
図6は、ショップ毎の広告媒体の効果を評価する処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0084】
本処理では、まず、評価装置101は、広告効果を調査したいショップの指定を受け付ける(ステップS601)。当該ショップの指定は、たとえば電子市場の運営者やショップ自身が手動で行うこととしても良い。また、有効期間の経過後に広告媒体20のキャンペーンに参加した全ショップについて自動で繰り返し指定を行うこととすれば、全ショップの広告効果を得ることもできる。
【0085】
次に、当該ショップに対して電子市場の運営者等が引き渡した広告媒体20の有効期間を取得する(ステップS602)。この有効期間は、たとえば市場サーバ11や懸賞サーバ等において管理される。
【0086】
そして、取得された有効期間において、当該ショップが商品を発送した発送先の分布を、市場サーバ11の取引データベースに登録された取引情報から抽出する(ステップS603)。
【0087】
さらに、当該ショップに割り当てられた広告媒体20に係る応募コード26を指定した各アクセスについて、
図5に示す処理にて推定されたユーザの所在の分布を取得する(ステップS604)。
【0088】
懸賞サーバでは、一般には、誰がどこから応募をしてどのような特典を付与したか、の履歴を管理する。すなわち、懸賞サーバへのアクセスがあるごとに、
図5に示す処理内のステップS501において受け付けられた広告IDと、ステップS504において推定された所在と、が対応付けられて、懸賞サーバの応募履歴データベースに登録される。
【0089】
そこで、この情報を用いれば、当該ショップから配布された広告媒体20を看取して懸賞に応募したユーザの所在の分布を取得することができる。
【0090】
そして、ステップS603にて取得された発送先の分布と、ステップS604にて取得されたユーザの所在の分布と、が合致する度合を算定する(ステップS605)。
【0091】
最も単純には、所在の分布に含まれるユーザの各所在について、以下の処理を繰り返す。すなわち、当該各所在に最も近い発送先を、前記発送先の分布から検索し、当該検索された発送先を前記発送先の分布から除去する。そして、当該各所在と当該検索された所在との近さの度合を合算していく。
【0092】
そして、すべての所在について合算された結果、あるいは、当該合算された値を当該ショップに割り当てられた広告媒体20の枚数で除算した値を、当該ショップにおける広告媒体20の効果とするのである。
【0093】
このほか、2つの分布に含まれる各位置を経度・緯度で2次元的に表した上で、両者の類似度をカルバック・ライブラー情報量(Kullback-Leibler divergence)、情報ダイバージェンス(information divergence)、情報利得(information gain)、相対エントロピー(relative entropy)などの技術を用いて算定して、これを広告媒体20の効果としても良い。
【0094】
このほか、2つの分布が配置される領域を複数のグリッド(たとえば10kmの正方形のグリッド、あるいは、緯度経度が1度のグリッド等。)に分割し、各グリッドに配置される要素の数を並べてベクトルとし、2つの分布のそれぞれから得られる2つのベクトルの内積や、当該内積を2つのベクトルの長さの積で割ったもの(2つのベクトルがなす角をθとしたときのcosθに相当する)を、2つの分布が合致する度合として利用しても良い。
【0095】
最後に、評価装置101は、算定された広告媒体20の効果を出力して(ステップS606)、本処理を終了する。
【0096】
なお、ショップが広告媒体20を配布し切れずに処分したり、広告媒体20が盗難等されて広告IDが流出して、限られた数のユーザから不正な応募があった場合等には、ユーザの所在の分布に大きな偏りが発生し、発送先の分布との差異が大きくなる。
【0097】
そこで、2つの分布の差異を算定することによって、あるショップに割り当てられた広告媒体20が適切に配布されたか否かを判定することも可能となる。
【0098】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態に係る評価装置は、広告媒体の効果を評価する。ここで、
前記広告媒体には、広告IDが指定され、
前記広告IDには、有効期間が設定され、
前記広告媒体は、電子市場を介してユーザに商品を販売するショップにより、前記販売された商品もしくは当該販売された商品の包装に付されて、前記ユーザへ配送され、
前記評価装置は、
前記広告媒体に指定された広告IDを前記ユーザが使用する端末から受け付ける受付部、
前記ユーザの所在を推定する推定部、
前記設定された有効期間内に前記ショップによりされた取引情報を抽出する抽出部、
前記推定された所在が前記抽出された取引情報に係る発送先の分布に合致する度合により、前記受け付けられた広告IDが指定された広告媒体の効果を評価する評価部
を備える。
【0099】
また、本実施形態に係る評価装置は、
前記度合に基づいて、前記ユーザへ付与すべき特典の有無、付与確率、数、種類、もしくは、性質を決定する決定部
をさらに備えるように構成することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る評価装置において、
前記受付部は、前記ユーザが有するユーザIDを前記端末からさらに受け付け、
前記推定部は、前記受け付けられたユーザIDに対応付けられて登録された住所を前記所在と推定する
ように構成することができる。
【0101】
また、本実施形態に係る評価装置において、
前記推定部は、前記端末が有するGPS(Global Positioning System)もしくは前記端末と前記評価装置との間の通信経路に基づいて取得された地理情報により、前記所在を推定する
ように構成することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る評価装置において、
前記決定部は、前記抽出された取引情報のうち、発送先が前記推定された所在に合致する取引情報において、購入者が
(a)前記ユーザ、
(b)前記ユーザとの友人関係が登録された友人ユーザ、
(c)上記ユーザでも前記友人ユーザでもない他人ユーザ
のいずれであるかに基づいて、前記特典の有無、付与確率、数、種類、もしくは、性質を決定する
ように構成することができる。
【0103】
また、本実施形態に係る評価装置において、
前記設定された有効期間内に受け付けられた複数の広告IDについて推定された複数の所在の分布と、前記抽出された取引情報に係る発送先の分布と、が合致する度合により、前記ショップを介した前記広告媒体の効果が評価される
ように構成することができる。
【0104】
また、本実施形態に係る評価装置において、
前記広告媒体は、前記電子市場に参加する複数のショップに広告提供者が提供する複数の広告媒体の各々であり、
前記複数の広告媒体の各々には、互いに重複しない広告IDが、当該各々をはがし、分解し、もしくは、スクラッチすることによって看取可能となるように指定され、当該広告IDは、当該広告媒体が提供されたショップにあらかじめ対応付けられ、
前記抽出部は、前記受け付けられた広告IDに対応付けられたショップにより前記設定された有効期間内にされた取引情報を抽出する
ように構成することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る評価方法は、広告媒体の効果を評価する評価装置が実行し、
前記広告媒体には、広告IDが指定され、
前記広告IDには、有効期間が設定され、
前記広告媒体は、電子市場を介してユーザに商品を販売するショップにより、前記販売された商品もしくは当該販売された商品の包装に付されて、前記ユーザへ配送され、
前記評価装置が、前記広告媒体に指定された広告IDを前記ユーザが使用する端末から受け付ける受付ステップ、
前記評価装置が、前記ユーザの所在を推定する推定ステップ、
前記評価装置が、前記設定された有効期間内に前記ショップによりされた取引情報を抽出する抽出ステップ、
前記評価装置が、前記推定された所在が前記抽出された取引情報に係る発送先の分布に合致する度合により、前記受け付けられた広告IDが指定された広告媒体の効果を評価する評価ステップ
を備える。
【0106】
また、本実施形態に係るプログラムは、広告媒体の効果を評価するためのプログラムであって、
前記広告媒体には、広告IDが指定され、
前記広告IDには、有効期間が設定され、
前記広告媒体は、電子市場を介してユーザに商品を販売するショップにより、前記販売された商品もしくは当該販売された商品の包装に付されて、前記ユーザへ配送され、
前記プログラムは、コンピュータを、
前記広告媒体に指定された広告IDを前記ユーザが使用する端末から受け付ける受付部、
前記ユーザの所在を推定する推定部、
前記設定された有効期間内に前記ショップによりされた取引情報を抽出する抽出部、
前記推定された所在が前記抽出された取引情報に係る発送先の分布に合致する度合により、前記受け付けられた広告IDが指定された広告媒体の効果を評価する評価部
として機能させる。
【0107】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【解決手段】広告媒体には、広告IDが指定される。広告IDには、有効期間が設定される。広告媒体は、電子市場を介してユーザに商品を販売するショップにより、販売された商品もしくは当該販売された商品の包装に付されて、ユーザへ配送される。評価装置101において、受付部102は、広告媒体に指定された広告IDをユーザが使用する端末から受け付ける。推定部103は、ユーザの所在を推定する。抽出部104は、設定された有効期間内にショップによりされた取引情報を抽出する。評価部105は、推定された所在が抽出された取引情報に係る発送先の分布に合致する度合により、受け付けられた広告IDが指定された広告媒体の効果を評価する。