(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通知情報は、前記屋外設置装置の位置を示した地図情報であって、被見守者識別情報によって特定される装置識別情報が示す屋外設置装置用ユニットの位置を指示する指示表示とを含む情報である請求項4乃至10のいずれか1項に記載の位置検出システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の手段だと、被見守者の位置情報特定のためには、GPSを利用して位置情報を得るため、このGPS信号送受信するためのスマートフォンその他の端末等が必要となるため、その分のコストや、利用のためのアプリケーションの準備等の手間がかかる。
【0007】
また、子供の通学の場合などのように、自宅から学校までの通学路といったように予め経路がある程度決まっている場合は見守者端末も配置し易いが、迷子になった場合や老人の徘徊等の場合は、経路が不明であるので、見守者端末から所定の距離離れてしまうと被見守者の位置情報を得ることが困難となる。
【0008】
さらに、GPSによって検出された位置情報を用いる場合、GPS信号の受信環境などが原因で誤差が生じて被見守者の正確な位置が分からない問題がある。それに加えて、そもそもGPSが提供する位置情報の精度の限界があるという問題がある。そのため、高層ビル群や樹木が多数植えられている公園などの見通しのよくない場所では、表示画面上における被見守者と見守者とが同一付近にいながら被見守者の発見が困難である場合がある。
【0009】
特許文献2の手段の場合、捜索時にユーザ端末から捜索用の対象者識別情報のサーバ装置への送信が必要となるため、特定の誰かを捜索する場合には有用であるが、たとえば保護者が自分の子供がいつも通り通学路を通っているか、どの辺りにいるのか、複数人で登下校しているか、など、日常保護者がふっと心配になった際に速やかに確認する場合等にその都度対象者識別情報の入力送信等を求めるのはやや手間である。
【0010】
また、通学路のように、日々特定のルートを通ることが決まっている児童の保護者にとっては、その特定ルートを大きく外れるような場合は、児童が事件事故に見舞われた可能性があるので、そうした場合に保護者としてはすぐに知ることができることが望ましい。
【0011】
さらに、学校その他の施設など、被見守者が関係する施設の関係者も利用できた方が都合がいいことが多い反面、プライバシー上の問題があり、また、保護者等の見守る側にとっては自分たち以外に必要以上に子供たちの居場所が知られるということに抵抗をおぼえる可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題に鑑み、以下のような手段、ステップを備える屋外設置装置用ユニット、屋外設置装置、位置検出システムおよび位置検出方法である。
(1)屋外に移動困難に設置される屋外設置装置に組み込まれる屋外設置装置用ユニットにおいて、前記屋外設置装置は、被見守者又は見守者に対して視覚
及び聴覚を通じて通知する通知手段を備え、前記屋外設置装置用ユニットは、制御部と、自身を特定するための装置識別情報を記憶する手段と、被見守者端末を検知するビーコン受信部と、管理サーバとの通信を行う通信部と、を備え、前記制御部は、前記被見守者端末を検知した際に前記被見守者端末から取得した被見守者識別情報と前記装置識別情報とを関連付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバにより前記被見守者識別情報に対応する見守者の見守者端末から要求がある場合に前記装置識別情報により特定される前記屋外設置装置用ユニットに送信される制御情報により前記屋外設置装置が備える
聴覚を通じて通知する通知手段を制御するものであり、
前記屋外設置装置とは、街路灯、防犯灯、その他の屋外に設置される照明装置であり、視覚を通じて通知する通知手段とは、前記屋外設置装置が備える発光部であって、前記ビーコン受信部が前記被見守者端末を検知した際に、前記発光部の発光を所定の発光状態に変更することによるものであり、聴覚を通じて通知する通知手段とは、スピーカーであり、 前記制御情報とは、前記スピーカーに音声の再生を指示する指示情報を含むことを特徴とする屋外設置装置用ユニットである。
(2)上記(1)において、
前記制御情報には、前記見守者端末から前記管理サーバが受信した音声情報が含まれることを特徴とする屋外設置装置用ユニットである。
(3)上記(1)
又は(2)に記載の屋外
設置装置用ユニットを備える屋外設置装置である。
(4)被見守者端末と、前記被見守者端末との間で近距離無線通信を行う手段を備えるものであって移動困難に設置される屋外設置装置に備えられる屋外設置装置用ユニットと、管理サーバと、見守者端末と、
被見守者に関係する施設が使用する施設端末と、を有し、前記屋外設置装置用ユニットは、近距離無線通信により前記被見守者端末から被見守者識別情報を受信する手段と、受信した前記被見守者識別情報と屋外設置装置用ユニットを識別する装置識別情報とを前記管理サーバに送信する手段、を備え、前記管理サーバは、被見守者を識別する被見守者識別情報と見守者を識別する見守者識別情報とを関連付けて記憶する手段
と、受信した前記被見守者識別情報と前記装置識別情報とを関連付けて記憶する手段と、屋外設置装置用ユニットを識別する装置識別情報とその位置を特定するための装置位置情報を関連付けて記憶する手段と、受信した前記装置識別情報に対応する前記装置位置情報により被見守者の位置情報を含む通知情報を作成する手段と、受信した被見守者識別情報により特定される見守者端末に前記通知情報を送信する手段と、
前記施設端末から施設情報を受け付ける手段と、前記施設情報と施設識別情報と関連付けて記憶する手段と、前記施設情報と前記施設識別情報とを前記見守者端末に送信する手段と、前記見守者端末で選択された少なくとも前記施設識別情報を受信する手段と、前記施設識別情報と前記見守者識別情報とを関連付けて記憶する手段と、前記施設端末から被見守者の位置情報の閲覧を見守者が承諾しているか否かを判断する判断手段と、を備え、前記判断手段は、前記施設端末からの要求に際し、閲覧が承諾されていると判断された場合に被見守者の位置情報を送信する、位置検出システムである。
(5)上記(4)において、被見守者識別情報と1以上の装置識別情報とを関連付けて記憶するものであって被見守者が通るべき適正経路を示す適正経路情報を記憶する手段と、被見守者が前記適正経路を外れたか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が適正経路を外れたと判断した場合に前記被見守者識別情報により特定される見守者端末に所定の通知を行う手段と、を備える位置検出システムである。
(6)上記(4)又は(5)において、前記屋外設置装置は、街路灯、防犯灯、その他の屋外に設置される照明装置またはそれらの自動点滅器である位置検出システムである。
(7)上記(4)乃至(6)のいずれかにおいて、前記屋外設置装置用ユニットはスピーカーと接続され、前記管理サーバは、前記見守者端末からの要求指示に従って被見守者識別情報によって特定される屋外設置装置用ユニットに所定の音声メッセージの再生を指示する手段を備える位置検出システムである。
(8)上記(4)乃至(7)のいずれかにおいて、前記屋外設置装置用ユニットは発光部と接続され、前記管理サーバは、前記見守者端末からの要求指示に従って被見守者識別情報によって特定される屋外設置装置用ユニットに対して前記発光部の発光を所定の発光状態に変更する指示を行う手段を備える位置検出システムである。
(9)上記(4)乃至(8)のいずれかにおいて、前記屋外設置装置用ユニットは入力手段と接続され、前記管理サーバは、前記被見守者端末と前記屋外設置装置用ユニット間の近距離無線通信の検知および前記入力手段からの入力検知の両方を検知した場合に、前記通知情報を作成する手段を備える位置検出システムである。
(10)上記(4)乃至(9)のいずれかにおいて、前記屋外設置装置用ユニットは
カメラと接続され、前記管理サーバは、前記被見守者識別情報と顔識別情報とを関連付けて記憶する手段と、前記カメラにより撮像された被見守者の顔画像とその被見守者識別情報とを受信する手段と、受信した前記顔画像が、受信した被見守者識別情報に対応する前記顔識別情報と同一人であるか否かを顔認証により判別する手段を備える位置検出システムである。
(11)上記(4)乃至(10)のいずれかにおいて、前記通知情報は、前記屋外設置装置の位置を示した地図情報であって、被見守者識別情報によって特定される装置識別情報が示す屋外設置装置用ユニットの位置を指示する指示表示とを含む情報である、位置検出システムである。
(12)上記(4)乃至(11)のいずれかにおいて、前記屋外設置装置用ユニットは太陽光発電による電力で稼働するものである、位置検出システム。
(13)被見守者端末と、前記被見守者端末との間で近距離無線通信を行う手段を備えるものであって移動困難に設置される屋外設置装置に備えられる屋外設置装置用ユニットと、管理サーバと、見守者端末と、
被見守者に関係する施設が使用する施設端末と、を含み、前記屋外設置装置用ユニットが、近距離無線通信により前記被見守者端末から被見守者識別情報を受信するステップと、受信した前記被見守者識別情報と屋外設置装置用ユニットを識別する装置識別情報とを前記管理サーバに送信するステップと、実行し、前記管理サーバが、被見守者を識別する被見守者識別情報と見守者を識別する見守者識別情報とを関連付けて記憶するステップ
と、受信した前記被見守者識別情報と前記装置識別情報とを関連付けて記憶するステップと、屋外設置装置用ユニットを識別する装置識別情報とその位置を特定するための装置位置情報を関連付けて記憶するステップと、受信した前記装置識別情報に対応する前記装置位置情報により被見守者の位置情報を含む通知情報を作成するステップと、受信した被見守者識別情報により特定される見守者端末に前記通知情報を送信するステップと、
前記施設端末から施設情報を受け付けるステップと、前記施設情報と施設識別情報と関連付けて記憶するステップと、前記施設情報と前記施設識別情報とを前記見守者端末に送信するステップと、前記見守者端末で選択された少なくとも前記施設識別情報を受信するステップと、前記施設識別情報と前記見守者識別情報とを関連付けて記憶するステップと、前記施設端末から被見守者の位置情報の閲覧を見守者が承諾しているか否かを判断する判断ステップと、を実行し、前記判断ステップは、前記施設端末からの要求に際し、閲覧が承諾されていると判断された場合に被見守者の位置情報を送信する、位置検出方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、位置情報としてGPSを利用せずに、所定の場所に設置されている街路灯、防犯灯又は道路灯の位置に対応した個別の位置情報を利用するため、GPSを利用するための装置や機能が不要となり、利用者にとっては簡便で、その分の余計なコストがかからない。このように、位置情報が街路灯、防犯灯又は道路灯といった実際に位置する設置物を示すため、見守者にとって場所が分かり易く、被見守者を見つけやすい。
【0014】
また、見守者識別情報と被見守者識別情報を関連付けて記憶するので、見守者識別情報をログイン認証におけるIDとパスワードのうちIDとして用いることで、その後のシステム利用の際に見守者識別情報を入力する必要がなく被見守者の位置情報等が分かるため、特定の定まった関係にある、たとえば、親が自分の子供の位置等を知るためには簡便で使い勝手のよいものとなる。
【0015】
さらに、被見守者が所属する学校等の施設の職員等が被見守者の位置情報を確認できるようにする場合でも被見守者のプライバシーや見守者の心情に配慮したものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に必要なハードウェアと、それらの結びつきを示す概略図である。照明装置1は、例えば、道路や公園内等に一般的に複数設置されるものであり、
図1においては、それらを個別に区別するため便宜的に1a、1b、1cとしている。
【0018】
照明装置1は、通信部を備え、見守者が有する見守者端末5および管理サーバ7とインターネット等の通信回線2を介して相互にデータ送受信可能に接続される。見守者端末5は、通信手段、表示手段等を備える、例えば、一般的なコンピュータ、スマートフォン、タブレットPC等といった電子計算機や携帯情報端末であってよい。
【0019】
被見守者端末3は被見守者が所持する機器であって、近距離無線通信機能を有するものである。被見守者端末3は、ビーコン発信部、被見守者端末3を識別するための被見守者識別情報を記憶する記憶手段、各種情報処理のための制御手段を備える。近距離通信の規格は既知のものが適宜採用できるが、Bluetooth(登録商標)4.0以降のいわゆる「Bluetooth Low Energy」として知られる規格が、電池寿命の点等から望ましい。
【0020】
図2は、照明装置1の構成の一例を示すブロック図である。照明装置1は、主に制御部、ビーコン受信部、通信部、発光部を備える。制御部は、点灯、消灯、調光等を指示する発光指示情報やビーコン信号、その他各種情報を処理する処理装置、さらに各種情報を記憶するための記憶装置を備える。後述するが、記憶装置には特にその照明装置1各々を特定するための装置識別情報が記憶される。
【0021】
照明装置1の発光部は、電球、蛍光灯およびLED等による発光装置と、その発光装置の点灯、消灯、調光等を制御するための制御回路および点灯回路を備える。発光部は複数の異なる発光色による発光を可能にするように、異なる発光色の発光部を複数備えるようにしてもよいし、変色可能のものを備えるようにしてもよい。
【0022】
通信部は制御部の指示により通信回線2を介して見守者端末5や管理サーバ7とデータの送受信を行う。ビーコン受信部は、被見守者端末3が発信するビーコン信号を検知する手段である。なお、照明装置1への電源供給に関しては、任意の電源供給手段を用いることができる。ここでは、説明を省略する。
【0023】
また、照明装置1は、入力手段11と接続される。入力手段11の情報入力方式は特に限定されるものではなく、機械的な接点スイッチ、赤外線や静電容量式のセンサなどであってもよい。入力手段11は、照明装置1の近傍に設けられるものであり、例えば照明装置1の支柱の地面から被見守者の手が届く程度の高さに設けられる。
【0024】
その他、照明装置1は、スピーカーやカメラを備えるようにしてもよい。
【0025】
以下、実施例1における処理の流れについて説明する。
被見守者端末3を身に付けた被見守者が、ビーコン受信部を備える照明装置1aに接近すると、ビーコン受信部は、被見守者端末3が発信したビーコン信号を検知して被見守者端末3から発信される被見守者識別情報を受信する。
【0026】
被見守者識別情報を受信した照明装置1aは、被見守者識別情報と、照明装置1aが予め記憶している照明装置1a自身を特定するための装置識別情報とを通信回線2を介して管理サーバ7に送信する。
【0027】
この被見守者識別情報を受信した管理サーバ7は、
図3に示すように、被見守者識別情報と装置識別情報を関連付けて管理ファイルに記憶する。さらに、管理サーバ7が被見守者識別情報を受信した日時を示す時間情報を関連付けて記憶するようにしてもよい。こうすることで、被見守者の移動の様子を時間経過と共に追跡できる。
【0028】
また、管理サーバ7は、被見守者識別情報とその被見守者の見守者を識別するための見守者識別情報とを関連付けた見守者ファイルを記憶している。さらに、管理サーバ7は、装置位置ファイルを記憶している。この装置位置ファイルは、照明装置1の各々を特定するための装置識別情報と、照明装置1ごとの装置位置情報とが関連付けられているものである。ここで、装置位置情報とは、例えば、所定の地図情報における位置特定のための座標情報や、「○○公園噴水前」などの文字列であってもよい。
【0029】
これらの各ファイルは、
図3に示すように、相互に参照可能なように関連付けられて記憶される。
【0030】
ここで、具体的に、管理サーバ7が受信した被見守者識別情報が「A0001」であり、照明装置1aの装置識別情報が「S0001」だとする。管理サーバ7は、管理ファイルに被見守者識別情報「A0001」と装置識別情報が「S0001」を関連付けて記憶する。前述のとおり、あわせて時間情報を関連付けるようにしてもよい。このように管理ファイルには、照明装置1から送信される被見守者識別情報と装置識別情報とが随時関連付けて記憶される。
【0031】
続いて、見守者が見守者端末5から被見守者の位置を確認する処理について説明する。
見守者は見守者端末5から管理サーバ7にアクセスする。見守者端末5は、管理サーバ7に見守者識別情報を送信し、管理サーバ7はこの見守者識別情報を受信する。この見守者識別情報の送受信は、管理サーバ7へのログインの一環として行われるようにしてもよい。
【0032】
管理サーバ7は、受信した見守者識別情報をキーに見守者ファイルを検索し、該当する被見守者識別情報を抽出する。続いて、抽出された被見守者識別情報をキーに管理ファイルを検索し該当する装置識別情報を抽出する。ここでは最新のレコードから装置識別情報を抽出するものとする。
【0033】
管理サーバ7は、装置位置情報および所定の地図情報等から通知情報を作成し見守者端末5に送信する。通知情報は、例えば、照明装置1を示す画像がそれぞれ装置位置情報に従って配置された地図であって、前述のとおり抽出された装置識別情報に係る照明装置1(ここでは照明装置1a)を指示する指示表示とからなる。これを受信した見守者は、
図4に示すように、見守者端末5の表示手段を介して被見守者の位置を確認することができる。
【0034】
ここで、指示表示は、例えば、照明装置1を示す画像を矢印で指し示す、線で囲う、色を変化させるなど、見守者に注目を促すようなものであればよい。
【0035】
なお、ここでは管理サーバ7は、管理ファイルから被見守者識別情報における最新レコードから装置識別情報を特定しているが、たとえば、過去一定時間内における複数の装置識別情報に基づいて通知情報を作成し見守者端末5に送信するようにしてもよい。この場合、被見守者の移動の様子が分かるように、
図5に示すように、時間情報と共に通知してもよい。
【0036】
これまでの説明では、見守者端末5により特定の一の被見守者端末3の位置を確認できるようにしているが、照明装置1が、その被見守者端末3と、それとは別の被見守者端末を複数検知している場合には、それらを見守者端末5で確認できるようにしてもよい。具体的には、照明装置1aが、特定の一の被見守者端末3aを検知した際、検知から所定の時間範囲で検知された別の被見守者端末3bおよび3cがある場合、
図4に示すような位置情報と共に、被見守者端末3aの他に二の被見守者端末(3b,3c)が存在することを示す何らかの表示をするようにする。表示の態様は、特定の一の被見守者端末3の他に複数存在することが見守者が分かるものであればよく、たとえば、検知された被見守者端末の台数を示す数字を表示する、矢印表示を台数分表示するなどの態様であってよい。このようにすることで、見守者は、見守るべき被見守者と行動を共にするものがいるか否かが分かるので、見守者が小学生の登下校を見守る場合、複数人で登下校していることが確認できるため、より安心感を得ることができる。
【0037】
所定の経路から被見守者がはずれた場合に、見守者の見守者端末5に通知するようにしてもよい。被見守者が小学生等であって登下校における通学路が定まっているような場合などにおいて、被見守者が誘拐等の事件や事故の可能性にいち早く気付くことができる。
【0038】
その被見守者が通るべき経路に位置する照明装置1の装置識別情報を被見守者が通る順番にその被見守者識別情報と関連付けて記憶する。これを適正な経路情報として、管理サーバ7は、受信した被見守者識別情報と装置識別情報とに基づき、適正な経路をたどっているか否かを判断する。
【0039】
管理サーバ7への適正な経路情報の記憶の方法については、まず、見守者等がその被見守者が通るべき経路に位置する照明装置1を予め指定する方法がある。他の方法として、以前にその見守者が通った経路情報から管理サーバ7が適正な経路情報を学習し、記憶する方法がある。管理サーバ7による適正な経路情報の学習とは、例えば、所定の期間(例えば過去1ヶ月間)その被見守者を検知した照明装置1の装置識別情報を記憶して、これを適正な経路情報とする。その被見守者識別情報を所定の期間検知していない照明装置1の装置識別情報を受信した場合に、その被見守者が適正経路から外れたと判断するようにする。
【0040】
また、被見守者端末3からのビーコン信号を検知した際に、照明装置1に所定の動作、たとえば、発光手段を発光させる、スピーカーから所定の放音をさせるようにしてもよい。これにより、照明装置の発光その他の動作に不具合がないかどうか容易に確認できるため、保守管理の手間が軽減される。
【実施例2】
【0041】
子供が迷子になった場合など、親をはじめとする家族(見守者)が、被見守者を探しにいくことが必要となる。こういった場合、遮蔽物が多い場所や見守者自身がはじめて訪れる場所などでは、被見守者における見守者の発見に時間がかかってしまったり、また、見守者が探しに行くまでの間に被見守者がその場に留まらずに動き回ってしまうなど、より発見が困難になる場合が考えられる。
【0042】
こういったことを可及的に防止するために、照明装置1が被見守者端末3が発信したビーコンを検知した場合に、照明装置1の発光部を調光するようにする。例えば、発光部を通常の白系色から青色に変更したり、点滅させるようにすればよい。要は、遠方からでも見守者が発見しやすいように、周囲の発光とは異なる発光をさせるようにすればよい。こうすることで、見守者は、そこが初めての場所であっても、また、多少遮蔽物があっても、その場所の発見が容易となる。
【0043】
また、照明装置1にスピーカーを設けている場合、当該スピーカーから「その場に留まる」旨や、帰宅を促す旨の音声メッセージを発するようにしてもよい。
【0044】
被見守者端末3からのビーコンを照明装置1が検知した場合に、予め照明装置1に記憶されている音声メッセージを再生するようにすればよい。しかしながらこの場合、何らの手当てを施さなければ、被見守者端末3がビーコンを検知した場合に常に音声メッセージが再生されてしまう。これを防ぐため、見守者端末5から音声メッセージ再生のリクエストを管理サーバ7が受信した場合に該当する被見守者に対してのみ音声メッセージ再生をするようにすればよい。
【0045】
例えば、子供(被見守者)が迷子になってしまい、親(見守者)が探すような場合を想定すると、見守者は見守者端末3から管理サーバ7に対してメッセージの再生を要求する再生要求情報を送信する。これを受信した管理サーバ7は、見守者識別情報から該当する被見守者識別情報を抽出して記憶する再生先特定処理を行う。
【0046】
その後、子供が照明装置1aに接近して照明装置1が被見守者端末3のビーコンを検知した場合、被見守者端末3と照明装置1aとの近距離通信により被見守者端末3の被見守者識別情報を照明装置1aが受信し、照明装置1aは被見守者識別情報と照明装置1aの装置識別情報を管理サーバ7に送信する。
【0047】
これを受信した管理サーバ7は、照明装置1aから受信した被見守者識別情報と、先の再生先特定処理により特定されている被見守者識別情報とが一致するかどうかを判定し、一致する場合に受信している装置識別情報により照明装置1aに音声再生指示情報を送信する。これを受信した照明装置1aは、予め記憶している音声メッセージデータを再生する。
【0048】
これにより、迷子になった子供などに、その場に留まるように伝えることができる。このとき、実施例1によれば、親(見守者)は、子供(被見守者)の居場所も把握できている上、子供が動き回らずにその場に留めておくことができるので、親(見守者)にとっては、子供(被見守者)を発見しやすくなる。また、帰宅が遅い子供に対しては、その子供の被見守者端末3を検知している照明装置1のスピーカーに帰宅を促す音声メッセージを再生させることで、その子供に帰宅を指示、促すことができる。
【0049】
この音声メッセージについては、複数のメッセージ内容の音声メッセージデータを記憶させて、見守者端末5から選択できるようにしてもよい。また、あらかじめ照明装置1が記憶している所定の音声メッセージデータでもよいが、管理サーバ7が記憶していてもよい。管理サーバ7が記憶している場合、例えば、音声再生指示情報と共に、もしくは、これに代えて音声メッセージデータを照明装置1に送信するようにすればよい。
【0050】
また、見守者が見守者端末3等で録音した音声メッセージデータであってもよい。この場合、見守者は被見守者に伝えたメッセージを予め録音しておき、その音声メッセージデータを管理サーバ7に送信しておき、管理サーバ7は、これを見守者識別情報等と関連付けて記憶する。あとは、前述の説明にならって、見守者録音による音声メッセージデータを照明装置1に送信する。このようにすることで、被見守者が見守者の肉声等を聞くことができるので、被見守者の安心に繋がり、音声の指示に従う可能性も高くなる。
【実施例3】
【0051】
照明装置1はカメラを備える。この場合、当該カメラは設置されている照明装置1の直下付近を撮影して、その映像をリアルタイムで見守者が見守者端末5において確認できるようにしてもよい。被見守者の現在の状況を確認することができるため、見守者の安心の材料になるし、不審者が近くにいた場合には、実施例2のとおりスピーカーを通じて注意や警告を発することができる。
【0052】
この場合、見守者によるカメラ機能の悪用を防ぐため、カメラを通じて映像を確認できるのは、被見守者端末3のビーコンを検知している間だけとするようにしてもよい。
【0053】
また、見守者端末5によりカメラを介して被見守者の様子等を見るのではなく、顔認証するようにしてもよい。例えば、管理サーバ7は顔認証に必要なプログラムと、顔認証のための顔識別情報をその被見守者識別情報と関連付けて記憶しており、照明装置1が検知した被見守者端末3の被見守者識別情報と、カメラを介してその被見守者の顔を撮像した顔画像によりその被見守者か否かを判断するようする。これにより、その被見守者端末3の適正な所有者がその被見守者端末3を所持しているか否かが判別できる。
【実施例4】
【0054】
照明装置1はスイッチ等の入力手段を備える。これまでの説明によれば、子供等が被見守者の場合は親をはじめとする家族の誰かが見守者となることが多いと考えられるが、こうした関係に限定する必要はなく、見守者が警察等であってもよい。
【0055】
例えば、被見守者をストーカーの被害者とする。こういった被見守者の場合、見守者が常に被見守者の行動を確認できることより、被害者に緊急事態が生じたときに、いま緊急事態が生じたこと、および、その位置をできるだけ早く周囲もしくは警察等の必要各所に通知できるようにする必要がある。
【0056】
この場合の被見守者端末3の被見守者識別情報は、見守者としての警察その他所定の通知先を見守者としてその見守者識別情報と関連付けて管理サーバ7が記憶されているものとする。
【0057】
この被見守者端末3が照明装置1に接近してビーコンを検知し、その被見守者識別情報を受信し管理サーバ7は、被見守者識別情報の受信だけでは特に見守者端末5に対し何も通知しない。
【0058】
照明装置1がこの被見守者端末3を検知しており、かつ、照明装置1の支柱等に取り付けられている入力手段がONにされた場合に、所定の情報を見守者に送信する。具体的には、管理サーバ7は、照明装置1aから被見守者端末3のビーコン検知による被見守者識別情報と装置識別情報を受信している状況で、入力手段からのON信号を照明装置1aから受信した場合にのみ、見守者への所定の通知処理を行う。ここでいう通知処理とは、実施例1にいうような被見守者の位置を特定するための地図情報の通知や、文字や音声によって緊急事態を通知するものであってよい。
【実施例5】
【0059】
これまでの実施例1乃至4における見守者端末5については、被見守者が子供の場合は保護者(親など)が保有する端末を想定しているが、その他の者が保有する端末から被見守者に関する情報を確認できるようにしてもよい。
【0060】
その他の者の例としては、まず、その被見守者たる子供が通う学校の教師等や高齢者施設の職員等である。こうした学校の教師や施設の職員等に対しては保護者による見守者端末5によるアクセスおよび閲覧可能情報とは別の処理を行うようにできる。
【0061】
管理サーバ7としては、保護者とは別のたとえば教師等が被見守者に関する情報を確認できるようにするために、その被見守者の通う学校や入居の施設を識別するための施設識別情報と保護者等の見守者を識別する見守者識別情報とを関連付けて記憶する。
【0062】
ここで、上記実施例1乃至4についても同様だが、保護者等の見守者は、本発明に係るシステムおよび方法を利用するにあたり、それぞれ見守者端末5介して利用者情報を管理サーバ7に送信し利用者登録を済ませているものであり、その際に、見守者識別情報が決定され見守者自身の知るところとなっている。見守者識別情報の決定の方法は、管理サーバ7がユニークな値を決定してもよいし、見守者が入力するユニークで任意の値に決定してもよく、従来から知られている方法を適宜利用できる。一方、学校等の施設からの利用者にもほぼ同様の利用者登録が課される。
【0063】
この利用者登録の際に、保護者(見守者)であるのか、施設であるかを選択させるようにする。学校の教師等により「施設」が選択された場合は、施設情報に関する利用者情報以外の情報を求めずに利用者登録を受け付ける。
【0064】
一方、利用者登録において、保護者(見守者)が選択された場合、管理サーバ7は、見守者端末5に対しその見守者が知る被見守者識別情報の入力を促し、これを受け付けて、見守者識別情報と被見守者識別情報を関連付けて記憶する(例えば、
図3<見守者ファイル>)。このとき、利用者登録の一連の入力作業のどこからで、「施設情報」を選択させ、被見守者の位置情報を施設職員(教師や入居者施設職員等)によっても閲覧可能にしてもよいか、見守者に確認させるようにする。
【0065】
具体的には、管理サーバ7は、見守者端末5からの利用者登録のいずれかのタイミングで、既に上記のとおり登録済みの施設情報と、たとえば「児童の位置情報等を学校側に通知しますか?」などの確認メッセージと共に見守者端末5に送信する。見守者は見守者端末5の操作により被見守者の通う学校などの施設名を選択し、被見守者の位置情報等が施設側から閲覧できることに承諾できる、できない旨の情報を管理サーバ7に送信する。
【0066】
管理サーバ7は、選択された施設の施設識別情報とその見守者の見守者識別情報とを関連付けて記憶する。また上記実施例1乃至4と同様、例えば、「
図3」に示す<見守者ファイル>のように、見守者識別情報と被見守者識別情報とを関連付けて記憶する。施設側からの位置情報の閲覧を見守者が承諾しているか否かについては、個別にフラグ情報等を関連付けて記憶するようにしてもよいし、承諾がある場合にのみ見守者識別情報と施設識別情報とを関連付けて記憶することで、見守者識別情報に関連付けられる施設識別情報が存在しない場合は承諾無し、存在する場合は承諾有りと判断するなど、承諾の有無の確認の方法は問わない。
【0067】
以上の処理により、施設が学校の場合、学校の教師等は施設端末6を介してその児童(被見守者)の保護者(見守者)による承諾を得ることができた被見守者の位置情報等をだけを確認することができる。施設側が被見守者の位置情報を閲覧できることに抵抗がある見守者は閲覧を制限することができるため安心感が得られやすく、施設側としても見守者の承諾があるものについてのみ閲覧可能なので見守者と施設側とのプライバシー等に関するトラブル防止にも繋がる。さらに、施設職員は、被見守者識別情報や見守者識別情報を個別に収集、入力等する作業が不要である。
【0068】
また、被見守者が通学路などの通常のルートから外れた場合に、その被見守者の見守者が保持する見守者端末5だけでなく施設端末6にも、被見守者が通常ルートからそれている旨、メールその他のメッセージ等で通知するようにしてもよい。少なくとも、見守者からの閲覧の承諾がある場合、結果的に施設識別情報と見守者識別情報と被見守者識別情報とは関連付けて管理サーバ7に記憶されていることとなるため、被見守者が通常のルートから外れるような問題が生じた場合に、その被見守者および施設として連絡すべき見守者の特定、把握が容易である。
【0069】
本発明は、以上の例に限定されない。たとえば、管理サーバ7は単一のハードウェアである必要はなく、複数のハードウェアから構成されるものであってよい。これまで説明した各種ファイルやハードウェア間で送受信される情報の種類若しくは関連付け方についても、これまでの説明のとおりに限定されるものでなく、必要に応じて各情報が参照できる構造になっていればよい。
【0070】
各実施例において照明装置1として説明してきが、必ずしも照明装置に限定されるものではなく、屋外に設置するものであって事実上移動が不可能もしくは著しく困難な建物やその他の土地定着物に設置されて使用されるもの、たとえば、電柱等に設置される配電装置、屋外照明装置の自動点滅器等の屋外設置装置であってよい。また、
図2に示すように制御部、通信部、ビーコン受信部といった各部はすべて屋外設置装置に内蔵される必要は必ずしもなく、これら「制御部、通信部、ビーコン受信部」を屋外設置装置とは独立したユニットとしてもよい。当該ユニットのみを購入し既存の屋外設置装置に接続することで、既存の屋外設置装置を利用しながら近距離無線機能および管理サーバ7との通信機能および必要な情報処理機能等といった必要機能を既存の屋外設置装置に付与することができる。
【0071】
上記説明において、照明装置1への電源供給に関する手段については、既知の種々の手段から適宜採用できるため説明を省略しているが、例えば、一般的な商用電源を使用するものであってもよいし、太陽光発電により得られた電力を使用するようにしてもよい。太陽光発電による電力を使用する場合には、既に知られている太陽光発電用のソーラーパネルと発電した電力を蓄電しておくための蓄電装置等からなる太陽光発電装置を適宜用いるようにすればよい。
【0072】
実施例1の説明において、管理ファイルは照明装置1からの被見守者識別情報と装置識別情報を関連付けて順次追加蓄積的に記憶しているが、勿論、これに限られない。例えば、照明装置1から受信する被見守者識別情報と装置識別情報についての管理装置7での記憶は一時的なものとして蓄積しないようにしてもよい。また、見守者端末5において、過去の通知情報を蓄積して記憶し加工して、適宜、表示を変更できるようにしてもよい。
【解決手段】被見守者又は見守者に対して視覚又は聴覚を通じて通知する通知手段を備え、屋外に移動困難に設置される屋外設置装置1a〜1cに組み込まれる屋外設置装置用ユニットは、制御部と、自身を特定するための装置識別情報を記憶する手段と、被見守者端末を検知するビーコン受信部と、管理サーバとの通信を行う通信部とを備える。制御部は、被見守者端末を検知した際に被見守者端末から取得した被見守者識別情報と装置識別情報とを関連付けて管理サーバ7に送信し、管理サーバから受信した制御情報により屋外設置装置が備える通知手段を制御する。