特許第6387235号(P6387235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6387235
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】リニアモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/02 20060101AFI20180827BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20180827BHJP
【FI】
   H02K41/02 A
   H02K41/03 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-49302(P2014-49302)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-173579(P2015-173579A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2017年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100148231
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 謙治
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100148231
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 謙治
(72)【発明者】
【氏名】加納 善明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 実志
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−005665(JP,A)
【文献】 特開2013−219882(JP,A)
【文献】 特開昭59−226652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/02
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体と、前記筒体を軸方向に挿通するロッドとを備え、前記筒体と前記ロッドを軸方向に相対変位させるように構成されたリニアモータであって、
前記筒体の内周面から突出し、軸方向に並設される複数のティースと、
隣接する前記ティースの間に形成されるスロットと、
これらスロットに配設される複数のコイルと、
前記ロッドに設けられ、前記コイルと対向するように軸方向に並設される永久磁石と、
を備え、
複数の前記コイルは、三相交流電流が通電される一以上の第1相コイル、一以上の第2相コイル、及び一以上の第3相コイルから構成されており、
これら第1,第2,第3相コイルは、前記筒体の両端に位置する二つの前記スロットにそれぞれ前記第1相コイル及び前記第2相コイルが配置されるように軸方向に沿って設けられ、
前記第3相コイルの総コイル巻数が、前記第1相コイルの総コイル巻数及び前記第2相コイルの総コイル巻数よりも小さく設定され
前記筒体の両端寄りに配置される二つの前記第3相コイルのそれぞれのコイル巻数は、その他の各第3相コイルのコイル巻数よりも小さく設定される、
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項2】
前記筒体の一端側に配置される前記第1相コイルのコイル巻数は、その他の各第1相コイルのコイル巻数よりも大きく設定され、
前記筒体の他端側に配置される前記第2相コイルのコイル巻数は、その他の各第2相コイルのコイル巻数よりも大きく設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筒状のヨークの内周面に配設したコイルの周囲に生じる移動磁界を利用して、ロッド外周面に配設した永久磁石を吸引することで、ヨークとロッドを軸方向に相対変位させるリニアモータが開示されている。このようなリニアモータでは、永久磁石を吸引する力が、ヨークとロッドを軸方向に相対変位させる推力として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−291069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図1を参照すると、リニアモータは、3相交流電流が通電されるU相コイル、V相コイル、及びW相コイルをそれぞれ2つずつ備えている。これら各相コイルはヨーク軸方向に沿って順番に設けられ、ヨークの両端位置にはW相コイルとU相コイルが配置されている。U相コイル、V相コイル、及びW相コイルのそれぞれのコイル巻数は同一に設定されている。
【0005】
本願発明者らが、通電時のコイルに発生する磁場をシミュレーションにより解析したところ、ヨークの両端位置に配置されるコイルの鎖交磁束がヨーク中央位置等に配置される他のコイルの鎖交磁束よりも減少するという知見が得られた。
【0006】
つまり、特許文献1の図1に示されたリニアモータでは、ヨークの両端位置に配置されたW相コイル及びU相コイルの鎖交磁束が減少する。このように鎖交磁束が減少すると、2つのW相コイルの移動磁界に基づき生じる推力(W相成分推力)及び2つのU相コイルの移動磁界に基づき生じる推力(U相成分推力)が、2つのV相コイルの移動磁界に基づき生じる推力(V相成分推力)よりも小さくなってしまう。その結果、各相成分推力のばらつきに起因して推力脈動が発生し、リニアモータの制御性が悪化してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、推力脈動の発生を抑制することが可能なリニアモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、筒体と、前記筒体を軸方向に挿通するロッドとを備え、前記筒体と前記ロッドを軸方向に相対変位させるように構成されたリニアモータであって、前記筒体の内周面から突出し、軸方向に並設される複数のティースと、隣接する前記ティースの間に形成されるスロットと、これらスロットに配設される複数のコイルと、前記ロッドに設けられ、前記コイルと対向するように軸方向に並設される永久磁石と、を備え、複数の前記コイルは、三相交流電流が通電される一以上の第1相コイル、一以上の第2相コイル、及び一以上の第3相コイルから構成されており、これら第1,第2,第3相コイルは、前記筒体の両端に位置する二つの前記スロットにそれぞれ前記第1相コイル及び前記第2相コイルが配置されるように軸方向に沿って設けられ、前記第3相コイルの総コイル巻数が、前記第1相コイルの総コイル巻数及び前記第2相コイルの総コイル巻数よりも小さく設定され、前記筒体の両端寄りに配置される二つの前記第3相コイルのそれぞれのコイル巻数は、その他の各第3相コイルのコイル巻数よりも小さく設定される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るリニアモータによれば、筒体の端部に第1相コイル及び第2相コイルが配置された場合であっても、第3相コイルの総コイル巻数を第1相コイルの総コイル巻数及び第2相コイルの総コイル巻数よりも小さくすることで、各相成分推力の大きさを等しくすることができる。これにより、リニアモータでの推力脈動の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態によるリニアモータを含むアクチュエーションシステムの概略構成図である。
図2】本実施形態によるリニアモータの一部を示す断面図である。
図3】本実施形態によるリニアモータの等価電気回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、本発明の実施形態によるリニアモータ100を備えるアクチュエーションシステム1について説明する。
【0012】
アクチュエーションシステム1は、筒状のヨーク10及びロッド20を有するリニアモータ100と、リニアモータ100を載置するための載置部2と、載置部2に立設されロッド20の両端を支持する支持部3と、載置部2上に配置されるレール4と、ヨーク10が固定されるとともにレール4に沿って移動するキャリア5と、を備えている。リニアモータ100が駆動されると、ヨーク10がキャリア5とともにレール4に沿って移動する。アクチュエーションシステム1では、ヨーク10に部品等の駆動対象を設置することで、当該駆動対象を直線的に移動させることができる。
【0013】
なお、アクチュエーションシステム1は、駆動対象を駆動する駆動アクチュエーションシステムとして構成されているが、このような構成に限られるものではない。リニアモータ100のヨーク10を相対変位する2つの部材の一方の部材に取り付け、リニアモータ100のロッド20を他方の部材に取り付けることで、これら部材の相対変位を抑制する制振用のアクチュエーションシステム1としてもよい。
【0014】
次に、図2を参照して、アクチュエーションシステム1の駆動源であるリニアモータ100の構成について説明する。
【0015】
リニアモータ100は、筒体として形成されたヨーク10と、ヨーク10の内部をヨーク軸方向に挿通するロッド20と、ヨーク10に設けられる複数のコイル30と、ロッド20に保持される複数の永久磁石21と、を備える。リニアモータ100では、交流電流をコイル30に通電した時に当該コイル30の周囲に生じる移動磁界を利用して、ロッド20に保持された永久磁石21を吸引することで、ヨーク10とロッド20を軸方向に相対変位させる推力が発生する。
【0016】
ヨーク10は、磁性体(例えば軟鉄)によって形成された円筒状部材である。ヨーク10には、内周面11からヨーク中心に向かって突出するティース12が形成される。
【0017】
ティース12は、内周面11から立設するとともにヨーク10の内周方向に延設される立設部12Aと、立設部12Aの先端に設けられる先端部12Bと、を備える。ティース12の先端部12Bの端面は、ロッド20の外周面に対向するように構成されている。先端部12Bの幅(ヨーク軸方向の厚さ)は、立設部12Aの幅(ヨーク軸方向の厚さ)よりも大きく設定されている。また、先端部12Bの幅は、ヨーク中心に向かって徐々に大きくなるように形成されている。
【0018】
ヨーク10には、上記のように構成されるティース12が軸方向に沿って19個並設されている。これらティース12は、ヨーク10の両端間において、それぞれ等しい間隔で配置されている。ヨーク10の両端に位置するティース12の立設部12A及び先端部12Bの幅は、その他のティース12の立設部12A及び先端部12Bの幅の半分に設定されている。
【0019】
軸方向に隣接するティース12,12の間には、スロット13が形成される。スロット13は、コイル30を配置するための環状溝である。リニアモータ100では、ティース12が19個形成されるため、スロット13の数は18個となる。これらスロット13の内部には、コイル30が1つずつ配置される。
【0020】
コイル30の数はスロット数に対応して18個となっており、18個のコイル30は6個のU相コイルU1〜U6と、6個のV相コイルV1〜V6と、6個のW相コイルW1〜W6により構成されている。U相コイルU1〜U6には、三相交流電流のU相電流が通電される。また、V相コイルV1〜V6には三相交流電流のV相電流が通電され、W相コイルW1〜W6には三相交流電流のW相電流が通電される。
【0021】
U相コイルU1〜U6、V相コイルV1〜V6、及びW相コイルW1〜W6は、絶縁被覆された金属線30Aがロッド20の軸周りに巻き回されてリング状に形成されている。なお、図2では、V相コイルV1の金属線30Aの一部を図示し、その他を省略している。
【0022】
また、U相コイルU1〜U6、V相コイルV1〜V6、及びW相コイルW1〜W6は、左端側のスロット13から右端側のスロット13に、V相、U相、W相の順番で一相ずつ交互に配設されている。リニアモータ100では、ヨーク10の左端に位置するスロット13にはV相コイルV1が配置され、ヨーク10の右端に位置するスロット13にはW相コイルW6が配置される。
【0023】
ヨーク10と同軸に配置されるロッド20は、非磁性体(例えばステンレス鋼)によって形成された筒状部材である。ロッド20は、軸方向に貫通する貫通孔20Aを有している。ロッド20の両端は、載置部2(図1参照)に設けられた支持部3(図1参照)に固定されている。
【0024】
ロッド20の貫通孔20Aには、複数の永久磁石21がティース12の先端部12Bと対向するように軸方向に並んで保持される。永久磁石21は、円柱状に形成されており、軸方向にN極とS極が現れるように着磁されている。これら永久磁石21は等間隔に設けられており、隣り合う永久磁石21は同極同士が対向するように配置されている。また、隣り合う永久磁石21の間には、磁性体により形成された円柱状継鉄22が設けられている。
【0025】
リニアモータ100では、ヨーク10にロッド20が挿入された状態において、ヨーク10内に位置する永久磁石21及び円柱状継鉄22の数が、それぞれ6個となるように設定されている。つまり、ロッド20に並設した6個の永久磁石及び6個の円柱状継鉄22の軸方向長さの総和は、ヨーク10の軸方向長さ、つまりヨーク10の両端に位置するティース12の外側端間の距離と等しくなるように設定されている。このように、リニアモータ100は、ヨーク10内に位置する永久磁石の数が6個、ヨーク10に形成されたスロット13の数が18個の6極18スロット型リニアモータとして構成されている。
【0026】
なお、リニアモータ100において、円柱状継鉄22は必ずしも設ける必要はなく、各永久磁石21を直接隣接させてもよい。この場合には、ヨーク10内に位置する6個分の永久磁石の軸方向長さが、ヨーク10の軸方向長さと等しくなるように設定される。
【0027】
図3に示すように、リニアモータ100では、U相コイルU1〜U6は直列に接続されており、V相コイルV1〜V6及びW相コイルW1〜W6も同相コイル同士が直列に接続されている。U相コイルU1,U3,U5、V相コイルV2,V4,V6、及びW相コイルW2,W4,W6の金属線30Aはロッド20の軸周りの一方向に巻き回されており、U相コイルU2,U4,U6、V相コイルV1,V3,V5、及びW相コイルW1,W3,W5の金属線30Aはロッド20の軸周りの他方向(一方向とは逆向き)に巻き回されている。
【0028】
また、先端側のU相コイルU1、V相コイルV1、及びW相コイルW1の端部はドライバ40に接続されており、後端側のU相コイルU6、V相コイルV6、及びW相コイルW6の端部はY結線されている。
【0029】
ドライバ40は、U相コイルU1〜U6、V相コイルV1〜V6、及びW相コイルW1〜W6への交流電流の供給を制御する制御装置である。ドライバ40は、図示しない位置センサにより検出されるヨーク10とロッド20との相対位置情報に基づいて、交流電流の周波数や通電タイミング等を制御する。これにより、リニアモータ100における推力や推力発生方向が調整され、その推力によってヨーク10がキャリア5とともにレール4に沿って移動する(図1参照)。
【0030】
前述した通り、本願発明者らの磁場解析シミュレーションから得られた知見によれば、図2と同様にコイルが配設されたリニアモータでは、ヨークの左端に配置されるV相コイルとヨークの右端に配置されるW相コイルの鎖交磁束が、他のコイルの鎖交磁束よりも減少することとなる。このような場合には、6個のV相コイルの移動磁界に基づき生じる推力(V相成分推力)及び6個のW相コイルの移動磁界に基づき生じる推力(W相成分推力)が、6個のU相コイルの移動磁界に基づき生じる推力(U相成分推力)よりも小さくなってしまう。このように、U相成分推力と、V相成分推力及びW相成分推力とがばらつくと、推力脈動が発生して、リニアモータの制御性が悪化する。
【0031】
そこで、本実施形態によるリニアモータ100では、各相成分推力間のばらつきを抑制するため、U相コイルU1〜U6のコイル巻数の総和(U相総コイル巻数)が、V相コイルV1〜V6のコイル巻数の総和(V相総コイル巻数)及びW相コイルW1〜W6のコイル巻数の総和(W相総コイル巻数)よりも小さく設定される。ヨーク10の両端寄りに配置される二つのU相コイルU1,U6のそれぞれのコイル巻数を、その他のU相コイルU2〜U5のコイル巻数よりも小さくすることで、U相総コイル巻数がV相総コイル巻数及びW相総コイル巻数よりも小さく設定される。
【0032】
このようにU相総コイル巻数をV相総コイル巻数及びW相総コイル巻数よりも小さくすることにより、U相成分推力を低下させることができ、当該U相成分推力を、鎖交磁束の減少により低下したV相成分推力及びW相成分推力と等しくなるように調整することが可能となる。
【0033】
上述の通り、本実施形態によるリニアモータ100によれば、ヨーク10の端部にV相コイルV1及びW相コイルW6が配置された場合であっても、U相総コイル巻数を小さくすることで、各相成分推力の大きさを等しくでき、リニアモータ100での推力脈動の発生を抑制することが可能となる。これにより、リニアモータ100の制御性を改善することができる。
【0034】
また、リニアモータ100では、U相コイルU1,U6のそれぞれのコイル巻数をその他のU相コイルU2〜U5のコイル巻数よりも小さくすることで、U相総コイル巻数がV相総コイル巻数及びW相総コイル巻数よりも小さく設定される。6個のU相コイルU1〜U6のうちU相コイルU1,U6は軸方向外側に位置しているため、コイル巻数を容易に調整することが可能となる。
【0035】
なお、リニアモータ100では、U相コイルU1,U6のコイル巻数を減らしてU相総コイル巻数を減少させたが、U相コイルU1〜U6のうち、いずれか一以上のコイルのコイル巻数を減らしてU相総コイル巻数を減少させてもよい。
【0036】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
【0037】
本実施形態によるリニアモータ100では、U相成分推力、V相成分推力、及びW相成分推力が等しくなるように、U相総コイル巻数がV相総コイル巻数及びW相総コイル巻数よりも小さく設定される。そこで、例えば、ヨーク10の一端側のV相コイルV1のコイル巻数をV相コイルV2〜V6のコイル巻数よりも大きくし、ヨーク10の他端側のW相コイルW6のコイル巻数をW相コイルW1〜W5のコイル巻数よりも大きくすることで、U相総コイル巻数をV相総コイル巻数及びW相総コイル巻数よりも小さくしてもよい。
【0038】
このようにコイル巻数を調整することで、ヨーク10の端部にV相コイルV1及びW相コイルW6が配置された場合であっても、V相成分推力及びW相成分推力が低下することを抑制でき、各相成分推力の大きさを等しくできる。その結果、リニアモータ100での推力脈動の発生を抑制することが可能となる。図3に示すように、V相コイルV1及びW相コイルW6は直列接続される他の同相コイルと比べて最も外側に位置しているため、コイル巻数を容易に調整することができる。なお、このリニアモータ100では、V相コイルV1及びW相コイルW6のコイル巻数を増やしてV相総コイル巻数及びW相総コイル巻数を増大させたが、V相コイルV1〜V6のうちいずれか一以上のコイルのコイル巻数及びW相コイルW1〜W6のうちいずれか一以上のコイルのコイル巻数を増やして、V相総コイル巻数及びW相総コイル巻数を増大させてもよい。
【0039】
本実施形態では、リニアモータ100を、18スロット型のリニアモータとして構成したが、U相〜W相コイルを一つずつ備える3スロット型や、U相〜W相コイルを二つずつ備える6スロット型等、3nスロット型(n:正の整数)のリニアモータとして構成してもよい。
【0040】
また、本実施形態によるリニアモータ100では、ロッド20の貫通孔20A内に複数の永久磁石21を軸方向に並べて固定したが、永久磁石21の配置はこれに限られるものではない。例えば、リング状に形成した永久磁石21をロッド20の外周に外嵌めし、複数の永久磁石21をティース12の先端と対向するように軸方向に並べて配置してもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 リニアモータ
10 ヨーク(筒体)
12 ティース
13 スロット
20 ロッド
20A 貫通孔
21 永久磁石
22 円柱状継鉄
30 コイル
U1〜U6 U相コイル
V1〜V6 V相コイル
W1〜W6 W相コイル
図1
図2
図3