特許第6387283号(P6387283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6387283
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】二重シフトフォーク構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/28 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   F16H63/28
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-209857(P2014-209857)
(22)【出願日】2014年10月14日
(65)【公開番号】特開2016-35319(P2016-35319A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0098853
(32)【優先日】2014年8月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 京 羽
【審査官】 高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/049317(WO,A1)
【文献】 実開平06−051615(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブの外周面に接触するパッド部材を用いて、前記スリーブを移動させるスライドフォーク部と、
前記パッド部材を共有すると共に、前記スライドフォーク部とは別個に、前記スリーブを移動させて変速段を具現するように前記スライドフォーク部に対して一定の角度で回転する回転型フォーク部と、を含み、
前記回転型フォーク部が、前記スライドフォーク部に対して相対的に回転運動するように、前記回転型フォーク部の両側面にヒンジ部が形成され、
前記スライドフォーク部の両側内周面には貫通孔が形成され、
前記貫通孔と対応する位置の前記回転型フォーク部の両側内周面にはスリットが形成され、
前記貫通孔及び前記スリットの内側面に沿って前記パッド部材が挿入され、
前記スライドフォーク部の移動の際、前記パッド部材が連動して、前記スライドフォーク部の移動方向と同一方向に移動しながら、選択された変速段への変速過程を遂行し、前記回転型フォーク部が、前記ヒンジ部を中心として所定角度で回転するとき、前記パッド部材が連動して移動しながら、選択された変速段への変速過程を遂行することを特徴とする二重シフトフォーク構造。
【請求項2】
前記パッド部材は、前記スリーブの外周面に接触する定着部と、前記定着部の一面から伸びて前記スリットの内側面に沿って突出した回転部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の二重シフトフォーク構造。
【請求項3】
前記ヒンジ部は、前記回転型フォーク部の両側面に形成されたヒンジ孔に挿入されたヒンジボルトからなり、
前記回転型フォーク部の上端の一地点には、前記回転型フォーク部の前方移動の際、動力源が伝達されるように変速ラグが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の二重シフトフォーク構造。
【請求項4】
前記スライドフォーク部の移動と、前記ヒンジ部を中心とする前記回転型フォーク部の回転と、が滑らかになるように、前記スライドフォーク部にはシフトレールが貫通する挿入管が、前記スライドフォーク部の中心から所定角度で傾くように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の二重シフトフォーク構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重シフトフォーク構造に係り、より詳しくは、単一シンクロハブ及び単一スリーブを共有させて二つの変速段を具現させた、二重シフトフォーク構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、手動変速機の変速操作機構を図1に基づいて説明する。
図1は、従来技術による手動変速機の変速操作機構を示した断面図である。
図1に示すように、手動変速機の変速操作機構は、手動変速機1のハウジング2に直接回動可能に設置され、運転者の変速のための操作力が入力される変速レバー4と、この変速レバー4の下端に結合され、変速レバー4の操作力によって軸方向に移動するシフトレール6と、シフトレール6の一端に固定され、同期装置のスリーブ8と噛み合うシフトフォーク10と、を含む。
【0003】
手動変速機1には複数のシフトレール6が設置され、複数のシフトレール6の他端それぞれには変速ラグ7が形成され、変速レバー4の下端には変速ラグ7に結合されるコントロールフィンガー5が設けられる。
このような構造により、変速レバー4のコントロールフィンガー5は、複数のシフトレール6のいずれか一つの変速ラグ7に連結され、コントロールフィンガー5に連結された変速ラグ7は、変速レバー4の操作力によって軸方向に移動される。
【0004】
一方、シフトフォーク10は、シフトレール6の一端に固定設置されたフォーク設置部12及びこのフォーク設置部12の下部に形成されスリーブ8の外側面をしっかり把持するように結合されるフォーク噛合部14からなる。フォーク設置部12には、シフトレール6の一端が貫通して配置され、フォーク設置部12が締結部材によってシフトレール6に固定される。
【0005】
また、フォーク噛合部14は、スリーブ8が回転することができるようにするだけでなく、スリーブ8を軸方向に移動させることができるように、スリーブ8の外周面に沿って形成されたスリーブ溝8aに挿入される半円形構造に形成され、フォーク噛合部14はスリーブ溝8aの壁面と接触する部位にパッド(図示せず)が装着される。
【0006】
このように構成された手動変速機の変速操作機構は、変速レバー4によってセレクト変速されると、変速レバー4のコントロールフィンガー5は複数の変速ラグ7のいずれか一つに連結され、変速レバー4によってシフト変速されると、変速レバー4のコントロールフィンガー5は連結された変速ラグ7をシフトレール6の軸方向に移動させる。
【0007】
これにより、変速ラグ7によってシフトレール6が移動すれば、シフトレール6に固定されたシフトフォーク10も移動しながらスリーブ8を移動させるようになり、スリーブ8が移動することによって変速ギア16の同期化及び変速段の選択がなされる。
【0008】
図2は、従来の7段手動変速機を示す構造図である。
図2に示すように、従来の7段手動変速機によれば、シフトレール6が五つ設置され、特にR段と7段の場合、セレクトの位置は互いに異なるがシフトの方向が同一になるため、変速の際、単一シンクロハブとスリーブとによって変速可能なギアトレーンを構成できないという問題点を持っている。
即ち、R段と7段との変速がなされるためには、それぞれのシンクロハブとスリーブとが必要になるため、ギアトレーンの構成コストが上昇し、変速機の全長が増大するという問題点を持っている。
【0009】
これに係わる先行技術としては、特許文献1の「自動車用手動変速機のシフト装置」及び特許文献2の「手動変速機の変速操機構」が開示されている。
しかし、特許文献1の「自動車用手動変速機のシフト装置」は、単一シフトレールが二つの変速段に対するシフト機能の外に、他の変速段に対するシフト機能を同時に遂行することができる自動車用手動変速機のシフト装置を提供しているが、本発明のように二重シフトフォーク構造が開示されておらず、デテント構造によって二つの変速段への変速がなされるために変速過程が複雑であるという問題点を持っている。
【0010】
また、特許文献2の「手動変速機の変速操作機構」は、コントロールシャフトとシフトフォークとを直接連結して変速操作機構の体積を減らすと共に、構成部品を簡素化させたという特徴があるが、これもやはり本発明のように簡単な二重フォーク構造によってセレクト方向は互いに異なっているがシフト方向が同一である変速段を具現する技術的思想を開示することができないという限界を持っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第2000−0045753号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−0568822号公報
【特許文献3】特開2013−199964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような問題点を解決するためになされたものであって、セレクト方向は互いに異なるがシフト方向が同一である変速段を具現することができる二重シフトフォーク構造を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を達成するため、本発明による二重シフトフォーク構造は、スリーブの外周面に接触するパッド部材を用いて、前記スリーブを移動させるスライドフォーク部と、前記パッド部材を共有すると共に、前記スライドフォーク部とは別個に、前記スリーブを移動させて変速段を具現するように前記スライドフォーク部に対して一定の角度で回転する回転型フォーク部と、を含み、前記回転型フォーク部が、前記スライドフォーク部に対して相対的に回転運動するように、前記回転型フォーク部の両側面にヒンジ部が形成され、前記スライドフォーク部の両側内周面には貫通孔が形成され、前記貫通孔と対応する位置の前記回転型フォーク部の両側内周面にはスリットが形成され、前記貫通孔及び前記スリットの内側面に沿って前記パッド部材が挿入され、前記スライドフォーク部の移動の際、前記パッド部材が連動して、前記スライドフォーク部の移動方向と同一方向に移動しながら、選択された変速段への変速過程を遂行し、前記回転型フォーク部が、前記ヒンジ部を中心として所定角度で回転するとき、前記パッド部材が連動して移動しながら、選択された変速段への変速過程を遂行することを特徴とする。
【0015】
前記パッド部材は、前記スリーブの外周面に接触する定着部と、前記定着部の一面から伸びて前記スリットの内側面に沿って突出した回転部と、からなることができる。
【0016】
前記ヒンジ部は、回転型フォーク部の両側面に形成されたヒンジ孔に挿入されたヒンジボルトからなり、回転型フォーク部の上端の一地点には、回転型フォーク部の前方移動の際、動力源が伝達されるように変速ラグが形成されることができる。
【0017】
前記スライドフォーク部の移動と、ヒンジ部を中心とする回転型フォーク部の回転と、が滑らかになるように、スライドフォーク部にはシフトレールが貫通する挿入管が、スライドフォーク部の中心から所定角度で傾くように形成されることができる。
【発明の効果】
【0018】
前記のように構成された本発明による二重シフトフォーク構造によれば、次のような多様な効果が得られる。
第一、従来の二つのシンクロハブとスリーブとによって二つの変速段への変速する変速機構造の代わりに、単一シンクロハブ及び単一スリーブによって、セレクト方向は互いに異なるがシフト方向が同一である二つの変速段を具現することができるという効果がある。
【0019】
第二、シンクロハブ及びスリーブが縮小されることによって、ギアトレーンの自由度が確保されると共に、変速機の全長が縮小されるという効果がある。
第三、シンクロハブとスリーブの減縮によって重量及びコストが節減される効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術による手動変速機の変速操作機構を示した断面図である。
図2】従来の7段手動変速機を示す構造図である。
図3】本発明による二重シフトフォーク構造の斜視図である。
図4】本発明による二重シフトフォーク構造の作動状態図である。
図5】本発明による二重シフトフォーク構造にシフトレール及びスリーブが結合された全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付図面を参照して本発明による二重シフトフォーク構造の好適な実施例を説明する。
図3は本発明による二重シフトフォーク構造の斜視図である。
図3に示すように、本発明は、大別してスライドフォーク部200と回転型フォーク部300とを含む。
【0022】
スライドフォーク部200は、シフトレールに固定され、スリーブの外周面をしっかり把持することができるように半円形に構成されている。
【0023】
このスライドフォーク部200には、シフトレールが貫通した挿入管440が形成されており、スライドフォーク部200の両側内周面には、スリーブの外周面と接触してスリーブを移動させるパッド部材100が設置されている。
【0024】
一方、回転型フォーク部300は、パッド部材100をスライドフォーク部200と共有すると共に、スライドフォーク部200とは別にスリーブを移動させて変速段を具現するよう、スライドフォーク部200に対して一定の角度で回転するようにパッド部材100を介して結合されている。
【0025】
このような構造により、従来、7段手動変速機の場合、7段とR段への変速の際、二つのスリーブだけでなく、スリーブの外周面に接触するパッドも2対が必要であったが、本発明によれば、単一スリーブを共有するようにパッド部材も一対で構成することで、変速機の全長の縮小のみならず、重量及び製造コストを節減することができるという効果が得られた。
【0026】
即ち、スライドフォーク部200と回転型フォーク部300とは、同一パッド部材100である回転型パッド120を共有すると共に、スライドフォーク部200の移動によって選択された変速段が具現され、回転型フォーク部300の所定角度への回転によって選択された変速段が具現される。
【0027】
図3において、X1は、スライドフォーク部200が結合されているシフトレールの軸を示し、X2は、複数の変速ギアを備えた主軸を示し、Yは、回転型フォーク部300の回転時のヒンジ軸を示す。
一方、回転型フォーク部300がスライドフォーク部200に対して相対回転できるように、パッド部材100を共有すると共に、所定角度への回転ができるようにヒンジ部400が形成されたことを特徴とする。
【0028】
ヒンジ部400は、回転型フォーク部300の両側面に形成されたヒンジ孔410に挿入されたヒンジボルト420をから成る。回転型フォーク部300がヒンジボルト420の中心を通るヒンジ軸(Y)を中心として所定角度だけ回転し、次いでスライドフォーク部200と共有しているパッド部材100が移動し、パッド部材100に接触しているスリーブが移動することによって、選択された変速段への変速が遂行される。
【0029】
一方、スライドフォーク部200の両側内周面には貫通孔が形成され、この貫通孔と対応する位置に回転型フォーク部300の両側内周面にスリット(H)が形成され、貫通孔及びスリット(H)の内側面に沿ってパッド部材100が挿入されることを特徴とする。
【0030】
即ち、スライドフォーク部200及び回転型フォーク部300がパッド部材100を共有するように、スライドフォーク部200の下端の両側内周面に所定サイズの貫通孔が形成され、この貫通孔と対応するよう回転型フォーク部300の下端にも所定の大きさ及び長さのスリット(H)が形成される。この貫通孔とスリット(H)とに、パッド部材100が挿入され、スライドフォーク部200と回転型フォーク部300とが互いに異なる回転及び移動を行うることにより、パッド部材100が前後方向に移動し、パッド部材100と接触しているスリーブも前後方向に移動することによって変速過程が遂行される。
【0031】
また、図3に示すように、パッド部材100は、定着部110と回転部120とからなり、フォークの両側に同一構造に配置される。
定着部110の一面は、スリーブの外周面に接触しており、他面は、スライドフォーク部200の両側内周面に面接触している。
【0032】
この定着部110の一面からヒンジ軸(Y)の方向に所定長さだけ突出した回転部120が形成され、回転部120は、スリット(H)の内側面に沿って突出している。
【0033】
以下に、上記のような構成の二重シフトフォーク構造の作動を具体的に説明する。
スライドフォーク部200が前進する際、パッド部材100を介して連結された回転型フォーク部300が、反時計方向に回転しながらその上端は後進し、その下端はヒンジ部400を中心に前進し、これに連動して回転部120も前進することになる。
この前進するパッド部材100に接触しているスリーブも前進し、主軸(図示せず)に形成されている変速ギアに対する同期過程が遂行される。
【0034】
反対に、回転型フォーク部300を別の動力源によって前方に移動させると、ヒンジ部400を中心に回転型フォーク部300の上端は前方に、下端は後方に一定角度だけ回転し、相対的に、スライドフォーク部200は後方に移動し、それによってパッド部材100も後方に移動することにより、パッド部材100に接触しているスリーブも後方に移動し、主軸に形成されている変速ギアに対する同期過程が遂行される。
【0035】
即ち、スライドフォーク部200の移動の際、パッド部材100が連動して、スライドフォーク部200の移動方向と同一の方向に移動しながら、選択された変速段への変速過程を遂行し、回転型フォーク部300がヒンジ部400を中心に所定角度だけ回転するとき、前記パッド部材100が連動して移動しながら選択された変速段への変速過程を遂行するようになる。
【0036】
一方、回転型フォーク部300の上端の一点には、回転型フォーク部300を前方に移動させるための動力源を伝達するように、変速ラグ430が所定長さだけ側面方向に突出して形成されたことを特徴とする。この変速ラグ430には、動力が伝達できるように、さらに他のラグフィンガーなどが連結できる。変速ラグ430の前方移動によって、回転型フォーク部300が所定角度で時計方向に回転する。
【0037】
また、スライドフォーク部200の移動及びヒンジ部400を中心とする回転型フォーク部300の回転を円滑にするように、スライドフォーク部200にはシフトレールが貫通した挿入管440が、スライドフォーク部200の中心から所定角度で傾くように形成されることを特徴とする。
【0038】
即ち、この挿入管440がスライドフォーク部200の中心から垂直に形成された場合には、挿入管440にスライドフォーク部200と回転型フォーク部300とが接触して、円滑な移動や回転が行えないこともあり得るので、図3に示すように、シフトレールが貫通した挿入管440をスライドフォーク部200の中心から所定角度で傾くように形成したことを特徴とする。
【0039】
図5は本発明による二重シフトフォーク構造にシフトレール及びスリーブが結合された全体構成図である。
図5に示すように、変速ラグ430にフィンガー40を介してR段ラグ50が結合されており、このR段ラグ50に貫設されたホールに沿ってR段変速レール21が装着され、スライドフォーク部200に設けられた挿入管440に沿って7段変速レール22が貫いている。
【0040】
また、スライドフォーク部200は、7段及びR段のシンクロスリーブ20を取り囲んでおり、このシンクロスリーブ20の中心には7段及びR段のシンクロハブ30が設けられている。
【0041】
以下、添付の図4及び図5に基づいて本発明による二重シフトフォーク構造の作動過程を説明する。
図4は、本発明による二重シフトフォーク構造の作動状態図である。
7段手動変速機においてセレクト位置は互いに異なりシフト方向は同一である7段とR段への変速過程を行うもので、図4(a)は「中立」の状態を示す。
【0042】
次に、図4(b)に示すように、7段変速を遂行するよう挿入管440を貫通したシフトレール(図示せず)が前方に移動すると、これと連動してスライドフォーク部200が前方に移動し、回転型フォーク部300はヒンジ部400を中心に反時計方向に所定角度だけ回転し、スライドフォーク部200の前方移動によってパッド部材100も前方に移動し、このパッド部材100に接触しているスリーブが前方に移動することにより、主軸に設けられている変速ギアに対する同期過程を経て7段変速を遂行するようになる。
【0043】
また、図4(c)に示すように、R段変速を遂行するために、別途の動力源によって変速ラグ430を前方に移動させるとき、ヒンジ部400を中心に回転型フォーク部300が所定角度で時計方向に回転し、スライドフォーク部200は相対的に後方に移動し、これに連動してパッド部材100も後方に移動することにより、主軸に設けられている変速機に対する同期過程によってR段変速を遂行するようになる。
【0044】
前記のような構成及び過程によって、セレクト位置は互いに異なるがシフト方向は同一である7段及びR段の変速の際、回転型フォーク部300、スライドフォーク部200、パッド部材100、及びヒンジ部400によって、単一スリーブによってもシフト方向が同一である二つの変速段への変速を遂行することができる。これによって、ギアトレーンのレイアウト自由度が確保され、変速機の全長が縮小されると共に重量及びコストが節減されるという効果が得られる。
【0045】
以上、本発明の特定の実施例について図示しながら説明したが、以下の特許請求範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で、本発明が多様に改良及び変化可能であるのは、当該分野で通常の知識を持った者に明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、セレクト方向は互いに異なるがシフト方向が同一である変速段を具現することができる二重シフトフォーク構造に適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
100 パッド部材
110 定着部
120 回転部
200 スライドフォーク部
300 回転型フォーク部
400 ヒンジ部
410 ヒンジ孔
420 ヒンジボルト
430 変速ラグ
440 挿入管
H スリット
図1
図2
図3
図4
図5