特許第6387316号(P6387316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6387316
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
   H04M9/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-66418(P2015-66418)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-187106(P2016-187106A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2017年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 陽
(72)【発明者】
【氏名】飯島 裕一
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−151540(JP,A)
【文献】 特開2010−051544(JP,A)
【文献】 特開2014−103661(JP,A)
【文献】 特開2014−083301(JP,A)
【文献】 特開2014−158637(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0194939(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 9/00−15/12
99/00
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00−11/10
99/00
H04N 7/18
H04Q 3/58− 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド毎に設置されて呼出操作が行われるナースコール子機と、
前記ベッドのうちの特定ベッドの患者を撮影するカメラと、
前記ナースコール子機からの呼出に応答するためのナースコール親機と、を備え、
前記ナースコール親機は、
親機表示部と、
患者情報を記憶する親機記憶部と、
前記ナースコール子機からの呼出時に、前記親機記憶部に記憶された患者情報から呼出操作が行われたナースコール子機が設置された前記ベッドの患者の患者情報を取り出し、当該患者情報からなる患者情報表示を前記親機表示部に表示させる親機表示制御部と、
を有し、
前記親機表示制御部は、呼出操作が前記特定ベッドに設置されたナースコール子機で行われた場合に、前記カメラで撮影される映像を含む当該特定ベッドの患者情報表示を前記親機表示部に表示させるとともに、前記カメラで撮影される映像を前記患者情報表示での表示範囲よりも大きな表示範囲の大画面表示で前記親機表示部へ表示させる大画面処理を実行し、
さらに、
前記親機表示制御部は、前記ナースコール子機の呼出が重複した場合に、前記大画面表示を禁止する大画面表示禁止処理を実行する、
ナースコールシステム。
【請求項2】
前記親機表示制御部は、前記ナースコール子機の呼出が緊急呼出である場合に、前記大画面表示禁止処理を解除する、請求項1に記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記親機表示制御部は、前記ナースコール子機の呼出が緊急呼出である場合に、その後に重複する前記ナースコール子機の呼出に対して前記患者情報表示を禁止する患者情報表示禁止処理を実行する、請求項1または請求項2に記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナースコールシステムには、ナースコール子機で呼出操作が行われることで、呼出元の患者を撮影したカメラの映像を、患者情報とともにナースコール親機に表示させるものがある(例えば、特許文献1参照)。このナースコールシステムでは、ナースコール親機に表示された患者の映像を確認することで、患者の状態を迅速に把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−151450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のナースコールシステムでは、ナースコール子機での呼び出し操作によってナースコール親機に表示される患者の映像は、患者情報を表示するポップアップ表示の一画の狭い範囲に表示されるため、その狭い範囲の映像からでは、患者の様子が把握しづらかった。このため、看護師等の医療従事者は、ナースコール親機を操作してポップアップ表示の一画に表示されている患者の映像を拡大表示させて患者の様子を把握しなければならず、手間を要していた。
【0005】
本発明は、拡大表示のための操作を要さずに患者からの呼出時に患者の様子をわかりやすく表示して、適切な対応を可能とするナースコールシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるナースコールシステムは、
ベッド毎に設置されて呼出操作が行われるナースコール子機と、
前記ベッドのうちの特定ベッドの患者を撮影するカメラと、
前記ナースコール子機からの呼出に応答するためのナースコール親機と、を備え、
前記ナースコール親機は、
親機表示部と、
患者情報を記憶する親機記憶部と、
前記ナースコール子機からの呼出時に、前記親機記憶部に記憶された患者情報から呼出操作が行われたナースコール子機が設置された前記ベッドの患者の患者情報を取り出し、当該患者情報からなる患者情報表示を前記親機表示部に表示させる親機表示制御部と、を有し、
前記親機表示制御部は、呼出操作が前記特定ベッドに設置されたナースコール子機で行われた場合に、前記カメラで撮影される映像を含む当該特定ベッドの患者情報表示を前記親機表示部に表示させるとともに、前記カメラで撮影される映像を前記患者情報表示での表示範囲よりも大きな表示範囲の大画面表示で前記親機表示部へ表示させる大画面処理を実行する。
【0007】
この構成のナースコールシステムによれば、カメラの映像が大画面表示で親機表示部に表示されるので、医療従事者は、この映像を観察することで、ナースコール親機で患者の様子を的確に把握することができる。これにより、医療従事者は、患者情報表示の情報と大画面表示のカメラの映像とから患者に対して適切に(例えば必要に応じて迅速に)対応することができる。また、映像を拡大表示させるための操作が不要であるので、医療従事者への負担を軽減させつつ容易に患者の様子を把握させることができる。
【0008】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、前記親機表示制御部は、前記ナースコール子機の呼出が重複した場合に、大画面表示を禁止する大画面表示禁止処理を実行するものでもよい。
【0009】
この構成のナースコールシステムによれば、ナースコール子機の呼出が重複した場合に、大画面表示が表示されない。このため、呼出を行った複数の患者の患者情報表示を親機表示部に表示させるエリアを確保することができ、医療従事者はこれらの患者情報表示から呼出した全ての患者を迅速に把握することができる。
【0010】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、前記親機表示制御部は、前記ナースコール子機の呼出が緊急呼出である場合に、前記大画面表示禁止処理を解除するものでもよい。
【0011】
この構成のナースコールシステムによれば、緊急呼出の対象の患者の映像が大画面表示されることとなるので、医療従事者は、その大画面表示を観察することで、緊急に対処する必要がある患者の様子を的確に把握し、適切に対応することができる。
【0012】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、前記親機表示制御部は、前記ナースコール子機の呼出が緊急呼出である場合に、その後に重複する前記ナースコール子機の呼出に対して前記患者情報表示を禁止する患者情報表示禁止処理を実行するものでもよい。
【0013】
この構成のナースコールシステムによれば、緊急呼出の対象の患者の映像が大画面表示された状態では、その後に重複してナースコール子機から呼出があっても、緊急呼出の対象の患者の大画面表示による映像の表示が維持される。したがって、医療従事者は、その大画面表示を観察することで、緊急に対処する必要がある患者の様子を的確に把握し、適切に対応することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、拡大表示のための操作を要さずに患者からの呼出時に患者の様子をわかりやすく表示して、適切な対応を可能とするナースコールシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るナースコールシステムの構成図である。
図2図1に示すナースコールシステムにおける制御機の機能ブロック図である。
図3図1に示すナースコールシステムにおけるナースコール親機の機能ブロック図である。
図4】ナースコール親機に表示される表示例を示す図であって、(a)は患者情報表示の表示例、(b)は患者情報表示及び大画面表示の表示例、(c)は複数の患者情報表示の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るナースコールシステムの実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るナースコールシステム1の構成図である。
図1に示すように、ナースコールシステム1は、複数の(本例では4つの)ナースコール子機2a,2b,2c,2d(以下、総称する場合はナースコール子機2と称する)と、ナースコール親機3と、複数の(本例では2つの)廊下灯4a,4b(以下、総称する場合は廊下灯4と称する)と、制御機5と、複数の(本例では4つの)携帯端末6a,6b,6c,6d(以下、総称する場合は携帯端末6と称する)と、複数の(本例では2つの)カメラ9a,9b(以下、総称する場合はカメラ9と称する)と、基地局61と、交換機62と、を備えている。また、ナースコールシステム1にはハブ(HUB)15を介してオーダリングシステム7が接続されている。
ナースコールシステム1は、例えば患者を収容する病院等の医療,介護施設内に設置されている。
【0018】
ナースコール子機2は、患者が看護師等の医療従事者を呼び出して通話を行うためのものであり、病室内の病床(ベッド)毎に設置されている。ナースコール子機2は、プレート子機21と、握り子機22と、を有している。プレート子機21は、マイクとスピーカを備え、各患者のベッドの上方の壁面に設置されている。マイク及びスピーカは患者が看護師との間で相互に通話を行うためのものである。握り子機22は、呼出ボタンを備え、プレート子機21にケーブルで接続されている。呼出ボタンは病室内の患者が看護師を呼び出すためのボタンである。ナースコール子機2は、通信ケーブルを通じて廊下灯4に接続されている。
【0019】
廊下灯4は、各患者からの呼出を検出してその呼出を病室外へ報知するものであり、病室の入口付近に設置されている。本例の廊下灯4は、ハブ15を経由して制御機5と接続されている。本例の廊下灯4には、液晶表示部41が設けられていて、ナースコール子機2から呼び出しがあると、呼び出しをした患者の名前等の患者情報が液晶表示部41に表示されるように構成されている。さらに、ナースコール子機2から呼び出しがあると、廊下灯4に設けられた表示ランプ42が例えば点滅するように構成されている。
【0020】
カメラ9は患者を撮影するためのものである。カメラ9は、ベッド近傍に設置されるもので、例えば、集中看護が必要な患者等が使用する特定ベッドに設置される。カメラ9は、ハブ15を経由してナースコール親機3及び制御機5と通信可能とされている。
【0021】
ナースコール親機3は、患者からの呼び出しに看護師が応答して通話を行ったり、患者や看護師等の情報を表示する機能を有するものである。ナースコール親機3は、スタッフステーション等の施設内共用部に設置されている。ナースコール親機3は、大型モニタ(親機表示部の一例)31と、小型モニタ32と、通話部33と、を有している。
【0022】
大型モニタ31は、例えば24型の縦長のタッチパネル画面で構成されており、ナースコール親機3の操作部としても機能することが可能である。小型モニタ32は、例えば7型の横長のタッチパネル画面で構成されている。
【0023】
通話部33は、患者からの呼出音および患者の音声を出力するスピーカと、患者の呼び出しに看護師が応答して通話を行うための送受話器と、を有している。
【0024】
制御機5は、中継器として設置されており、接続されている各機器の呼出制御あるいは通話制御等を行なうものである。制御機5は、ハブ15及び通信ケーブルを介して、廊下灯4、ナースコール親機3、後述する交換機(例えばIP PBX)62、オーダリングシステム7、カメラ9と接続されている。
【0025】
携帯端末6は、ナースコール子機2からの呼び出しを通知するとともに呼び出しに応答して患者と通話するためのものであり、各看護師によって携帯されている。携帯端末6には表示画面が設けられており、ナースコール子機2からの呼び出しが有ると、呼出元である患者の病室番号、ベッド番号、名前等が表示される。携帯端末6としては、例えばPHS6a,6bやスマート端末6c,6d等が用いられ、各携帯端末6a,6b,6c,6dは個別の端末番号を有している。
【0026】
基地局61は、携帯端末6との間で無線通信を行うためのものであり、スタッフステーションの近辺、および施設内でスタッフステーションから離れた場所に所定の間隔で設置されている。交換機62は、携帯端末6とナースコール子機2とを接続するためのものであり、スタッフステーション内または施設内の共用部に設置されている。交換機62は、通信ケーブルを通じて制御機5に接続されている。また、交換機62は、ハブ15を経由してナースコール子機2と接続されている。
【0027】
オーダリングシステム7は、各患者の患者情報を含む病院に関する情報を一括して管理するものであり、例えば施設の管理室等の所定の場所に設置されている。
【0028】
図2は、制御機5の機能ブロック図である。
図2に示すように、制御機5は、CPU51と、CPU51に接続された記憶部52、廊下灯インターフェース回路(以下、インターフェース回路を「I/F」と称す)53、親機I/F54、交換機I/F55、オーダリングI/F56、及びカメラI/F57と、を備えている。
【0029】
廊下灯I/F53は、廊下灯4と信号伝送路を形成するための通信部を構成している。親機I/F54は、ナースコール親機3と信号伝送路を形成するための通信部を構成している。交換機I/F55は、交換機62と信号伝送路を形成するための通信部を構成している。オーダリングI/F56は、オーダリングシステム7と信号伝送路を形成するための通信部を構成するとともに、オーダリングシステム7で管理されている情報を受信するための回路である。カメラI/F57は、カメラ9との信号伝送路を形成するための通信部を構成している。
【0030】
記憶部52には、患者情報記憶部52aと、勤務情報記憶部52bと、レイアウト情報記憶部52cと、カメラ情報記憶部52dとが設けられている。患者情報記憶部52aには、現在入院している患者の入院日、退院予定日、氏名、性別、年齢、主担当看護師と副担当看護師を含む担当情報、担当医師、病室番号、ベッド番号、感染症情報、救護区分、食事制限の有無、看護必要度、投薬情報などを含んで構成される患者情報が記憶されている。また、患者情報記憶部52aには、現在入院している患者だけでなく入院予定の患者の患者情報も含まれる。本例では、患者情報は、オーダリングシステム7から例えば定期的に送信されてきて患者情報記憶部52aに記憶されている。
【0031】
勤務情報記憶部52bには、各看護師の勤務情報が記憶されている。勤務情報は、例えば一か月単位で、各看護師の勤務日(勤務予定日を含む)、勤務帯(例えば3勤制であれば、日勤、夜勤、準夜勤のいずれか)、休暇日(休暇予定日を含む)等の勤怠に関する情報で構成されている。本例では、勤務情報は、オーダリングシステム7から例えば定期的に送信されてきて勤務情報記憶部52bに記憶されている。
【0032】
レイアウト情報記憶部52cには、病院の所定のエリア(特定の病棟やフロアなど)における各病室の配置関係を示すレイアウト情報が記憶されている。レイアウト情報には、各病室の病室番号や各患者のベッド番号を特定するための情報も含まれており、患者情報に含まれる各患者の病室情報やベッド番号と対応づけることで、所定のエリアでどの位置にあるどの病室にどの患者が入院しているかを対応づけることができるものである。
【0033】
映像信号記憶部52dには、カメラ9で撮影された映像信号が設定に応じて記憶される。
【0034】
CPU51は、例えば、記憶部52に記憶される情報の送受信等の管理、ナースコール子機2からの呼び出しに対する携帯端末6の特定等を行っている。携帯端末6を特定する際には、担当看護師とその看護師が携帯する携帯端末6との対応テーブルが用いられる。
【0035】
図3は、ナースコール親機3の機能ブロック図である。
図3に示すように、ナースコール親機3は、CPU(親機表示制御部の一例)36と、制御機I/F37と、記憶部(親機記憶部の一例)38と、を備えている。CPU36は、大型モニタ31と、小型モニタ32と、通話部33と接続され、これらの動作を制御する。
【0036】
制御機I/F37は、制御機5と信号伝送路を形成するための通信部を構成している。
【0037】
記憶部38には、制御機5の記憶部52に記憶された患者情報、勤務情報、レイアウト情報、映像信号が記憶されている。本例では、これらの情報は、制御機5から例えば定期的に送信されてきて記憶部38に記憶される。
【0038】
CPU36は、例えば、記憶部38に記憶された患者情報、勤務情報、レイアウト情報、映像信号に基づいて、小型モニタ32及び大型モニタ31に表示させる画面を形成する処理を行う。なお、ナースコール親機3がカメラ9から映像信号を直接受信して、CPU36が、記憶部38に記憶された患者情報、勤務情報、レイアウト情報及びカメラ9からの映像信号に基づいて、小型モニタ32及び大型モニタ31に表示させる画面を形成する処理を行っても良い。
【0039】
次に、ナースコール子機2からの呼出時におけるナースコール親機3での表示について説明する。
図4は、ナースコール親機に表示される表示例を示す図であって、(a)は患者情報表示の表示例、(b)は患者情報表示及び大画面表示の表示例、(c)は複数の患者情報表示の表示例である。
【0040】
(1)単独呼出時
(一般ベッドからの呼出時)
カメラ9が設置された特定ベッド以外の一般ベッドのナースコール子機2から呼出がされると、呼出信号を受けたナースコール親機3では、CPU36が、呼出信号に含まれる患者特定情報に基づいて、呼出操作が行われたナースコール子機2が設置されたベッドの患者の患者情報を記憶部38から引き出す。
【0041】
図4(a)に示すように、CPU36は、記憶部38から取り出した呼出患者の患者情報に基づいて、患者情報からなる患者情報表示Gpを大型モニタ31に表示させる。
【0042】
患者情報表示Gpは、例えば、ポップアップ表示として待受画面MGに重ねて表示される。なお、待受画面MGとしては、例えば、入院患者の患者情報の一覧表示画面である。待受画面MGとしては、病院の所定のエリア(例えば内科病棟など)における各病室のレイアウトが示されたレイアウト画面などにも切り替えられる。
【0043】
ポップアップ表示からなる患者情報表示Gpには、ナースコール呼出であることが表示されるとともに、患者の氏名、主担当看護師と副担当看護師を含む担当情報、担当医師、病室番号、ベッド番号などが表示される。
【0044】
これにより、看護師は、この画面のポップアップ表示された患者情報表示Gpにより、呼出している患者を迅速に確認して対処することができる。
【0045】
(特定ベッドからの呼出時)
カメラ9が設置された特定ベッドの患者のナースコール子機2から呼出がされると、呼出信号を受けたナースコール親機3では、CPU36が、呼出信号に含まれる患者特定情報に基づいて、呼出操作が行われたナースコール子機2が設置されたベッドの患者の患者情報を記憶部38から引き出す。
【0046】
図4(b)に示すように、CPU36は、記憶部38から取り出した呼出患者の患者情報に基づいて、患者情報からなる患者情報表示Gpを大型モニタ31に表示させる。また、CPU36は、制御機5を介してカメラ9から受信した映像信号の映像Gsを、患者情報と併せて患者情報表示Gpの一画に表示させる。
【0047】
さらに、CPU36は、ナースコール子機2による呼出が特定ベッドからのものであることから、大画面処理を実行する。この大画面処理では、CPU36は、カメラ9で撮影される映像からなる大画面映像表示(大画面表示の一例)GLを大型モニタ31に表示させる。この大画面映像表示GLは、患者情報表示Gpでの表示範囲よりも大きな表示範囲を有するもので、本例では患者情報表示Gpの下方側に表示される。この大画面映像表示GLには、ズームボタンZmが設けられており、このズームボタンZmをタッチ操作することで、映像のズームイン及びズームアウトができる。
【0048】
これにより、看護師は、この画面のポップアップ表示された患者情報表示Gpにより、呼出している患者を迅速に確認するとともに、大画面映像表示GLの映像から患者の状態を把握して対処することができる。
【0049】
(2)重複呼出時
(通常呼出の重複時)
ナースコール子機2による呼出が重複する場合、ナースコール子機2の呼出信号を受信したナースコール親機3のCPU36は、大画面映像表示禁止処理を実行する。
【0050】
CPU36が、大画面映表示禁止処理を実行すると、CPU36は、それぞれの呼出信号に含まれる患者特定情報に基づいて、呼出操作が行われたナースコール子機2が設置されたベッドの患者の患者情報を記憶部38からそれぞれ引き出す。
【0051】
図4(c)に示すように、CPU36は、記憶部38から取り出したそれぞれの呼出患者の患者情報に基づいて、患者情報からなる患者情報表示Gpを大型モニタ31に並べて表示させる。このとき、呼出信号が特定ベッドのナースコール子機2からのものであったとしても、大画面表示禁止処理を実行しているCPU36は、大画面映像表示GLを表示させず、それぞれの患者の患者情報表示Gpだけを表示させる。
【0052】
これにより、看護師は、この画面のポップアップ表示されたそれぞれの患者情報表示Gpにより、呼出しているそれぞれの患者を迅速に確認することができる。
【0053】
なお、CPU36は、呼出が特定ベッドのナースコール子機2である場合、カメラ9から受信した映像信号の映像Gsを患者情報と併せて患者情報表示Gpの一画に表示させる。
【0054】
一般ベッドからの呼出により患者情報表示Gpが表示されている状態(図4(a)参照)で、その後に特定ベッドから呼出が行われて呼出が重複すると、CPU36は、大画面表示禁止処理を実行し、その後の特定ベッドからの呼出についても大画面映像表示GLの表示を行うことなく、カメラ36で撮影された映像を含む患者情報表示Gpを、通常呼出による患者情報表示Gpと並べて表示する(図4(c)参照)。
【0055】
特定ベッドからの呼出により患者情報表示Gp及び大画面映像表示GLが表示されている状態(図4(b)参照)で、その後に一般ベッドから呼出が行われて呼出が重複すると、CPU36は、大画面表示禁止処理を実行し、特定ベッドからの呼出については、カメラ36で撮影された映像Gsを含む患者情報表示Gpだけの表示とし、その後の通常呼出による患者情報表示Gpと並べて表示させる(図4(c)参照)。
【0056】
特定ベッドからの呼出により患者情報表示Gp及び大画面映像表示GLが表示されている状態(図4(b)参照)で、その後に特定ベッドから呼出が行われて呼出が重複すると、CPU36は、大画面表示禁止処理を実行し、先の特定ベッドからの呼出については、カメラ9で撮影された映像Gsを含む患者情報表示Gpだけの表示とし、その後の特定ベッドからの呼出については、カメラ36で撮影された映像Gsを含む患者情報表示Gpだけの表示とし、これらの映像を含む患者情報表示Gpを並べて表示させる。
【0057】
(通常呼出後の緊急呼出の重複時)
ナースコール子機2からの呼出によって患者情報表示Gpが表示されている状態(図4(a)参照)で、特定ベッドから緊急呼出が行われて呼出が重複すると、CPU36は、重複呼出時に行う大画面表示禁止処理を解除する。緊急呼出は、例えば、看護師等のスタッフによる呼出などで緊急性を有する呼出である。CPU36は、大画面表示禁止処理を解除することで、図4(b)に示すように、緊急呼出されている特定ベッドのカメラ9で撮影された画像を大画面映像表示GLで表示させる。
【0058】
これにより、看護師は、緊急呼出の対象の患者の大画面映像表示GLで表示されている映像を観察することで、緊急に対処する必要がある患者の様子を的確に把握し、適切に対応することができる。
【0059】
なお、先に表示されていた通常呼出の患者情報表示Gpは、その表示範囲を小さくして表示させても良い。
【0060】
(緊急呼出後の通常呼出の重複時)
緊急呼出によって患者情報表示Gpとともに大画面映像表示GLで緊急呼出の対象の患者のカメラ9での映像が表示されている状態(図4(b)参照)で、CPU36は、患者情報表示Gpを禁止する患者情報表示禁止処理を実行する。CPU36は、患者情報表示禁止処理を実行することで、その後にナースコール子機2から呼出が重複した際に、その呼出に対して患者情報表示Gpを表示させず、緊急呼出の患者情報表示Gp及び大画面映像表示GLを表示した状態に維持する。
【0061】
これにより、看護師は、緊急呼出の対象の患者の大画面映像表示GLで表示されている映像を引き続き観察することで、緊急に対処する必要がある患者の様子を的確に把握し、適切に対応することができる。
【0062】
このように、本実施形態に係るナースコールシステム1によれば、特定ベッドからの呼出時に、カメラ9の映像が大画面映像表示GLでナースコール親機3の大型モニタ31に表示される。看護師等の医療従事者は、この映像を観察することで、ナースコール親機3で患者の様子を的確に把握することができる。これにより、医療従事者は、患者情報表示Gpの情報と大画面映像表示GLのカメラ9の映像とから患者に対して適切に(例えば必要に応じて迅速に)対応することができる。また、映像を拡大表示させるための操作が不要であるので、看護師等への負担を軽減させつつ容易に患者の様子を把握させることができる。
【0063】
また、ナースコール子機2の通常呼出が重複した場合に、大画面映像表示GLが表示されない。このため、呼出を行った複数の患者の患者情報表示Gpをナースコール親機3の大型モニタ31に表示させるエリアを確保することができ、医療従事者は、これらの患者情報表示Gpから、呼出している全ての患者を迅速に把握することができる。
【0064】
さらに、呼出が重複していても、ナースコール子機2の呼出が緊急呼出である場合に、大画面表示禁止処理を解除するので、緊急呼出の対象の患者の映像が大画面映像表示GLで表示されることとなる。これにより、医療従事者は、その大画面映像表示GLを観察することで、緊急に対処する必要がある患者の様子を的確に把握し、適切に対応することができる。
【0065】
また、ナースコール子機2の呼出が緊急呼出である場合に、その後に重複するナースコール子機2の呼出に対して患者情報表示Gpを禁止する患者情報表示禁止処理を実行する。このため、緊急呼出の対象の患者の映像が大画面映像表示GLされた状態では、その後に重複してナースコール子機2から呼出があっても、緊急呼出の対象の患者の大画面映像表示GLによる映像の表示が維持される。したがって、医療従事者は、その大画面映像表示GLを引き続き観察することで、緊急に対処する必要がある患者の様子を的確に把握し、適切に対応することができる。
【0066】
なお、上記実施形態では、患者情報表示Gp及び大画面映像表示GLを大型モニタ31に表示させたが、小型モニタ32に表示させても良く、また、大型モニタ31及び小型モニタ32の両方に表示させても良い。
【符号の説明】
【0067】
1:ナースコールシステム、2:ナースコール子機、9:カメラ、3:ナースコール親機、31:大型モニタ(親機表示部の一例)、32:小型モニタ(親機表示部の一例)、36:CPU(親機表示制御部の一例)、38:記憶部(親機記憶部の一例)、GL:大画面画像表示(大画面表示の一例)、Gp:患者情報表示
図1
図2
図3
図4