(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6387321
(24)【登録日】2018年8月17日
(45)【発行日】2018年9月5日
(54)【発明の名称】橋梁の構築方法
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20180827BHJP
【FI】
E01D21/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-82358(P2015-82358)
(22)【出願日】2015年4月14日
(65)【公開番号】特開2016-199956(P2016-199956A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2017年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】藤川 敬人
(72)【発明者】
【氏名】澤石 正道
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−209652(JP,A)
【文献】
特開2000−96582(JP,A)
【文献】
特開2001−131938(JP,A)
【文献】
特開昭61−216903(JP,A)
【文献】
特開2008−115628(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0163058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00〜 24/00
E02B 3/04〜 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既に設置した支柱と主桁と床版の前方に移動式架設桁を張り出す工程と、
前記移動式架設桁に沿って新たな主桁と床版を張り出して配置して片持ち梁構造にする工程と、
前記新たな床版上に杭打機を配置して前記張り出した主桁の前側で回転杭を打設して支柱として一体化する工程とを備え、
前記各工程を繰り返して橋梁を構築するようにしたことを特徴とする橋梁の構築方法。
【請求項2】
前記回転杭を回転して打設する杭打機に働く回転の反力を、張り出した前記移動式架設桁によって抑えるようにした請求項1に記載された橋梁の構築方法。
【請求項3】
前記移動式架設桁によって先に設置した前記支柱に作用する押し込み力と引き抜き力を、先に設置した前記支柱に設けた羽根によって受けるようにした請求項1または2に記載された橋梁の構築方法。
【請求項4】
前記片持ち梁構造における前記張り出した移動式架設桁の前側に横桁を設置し、前記横桁は予め配列したさや管内に前記回転杭を仮固定している請求項1から3のいずれか1項に記載された橋梁の構築方法。
【請求項5】
前記片持ち梁構造を構築する工程は、
(1)前記移動式架設桁に前記横桁を取り付ける工程と、前記横桁に新たな主桁及び床版を張り出して連結する工程とによって施工するか、または
(2)前記新たな主桁及び床版を張り出して設置する工程と、前記移動式架設桁と前記新たな主桁に前記横桁を取り付ける工程とによって施工するようにした請求項4に記載された橋梁の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や鉄道等の橋梁構造において、複数本の回転杭からなるパイルベント(杭橋脚)を用いた橋梁の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、山間部や海岸等の傾斜地に道路や鉄道等の橋梁を施工する場合、杭打機等の重機を用いて基礎杭を傾斜地や谷等に打設して橋梁を施工していた。例えば特許文献1に記載された道路の拡幅方法では、山間部において既存道路の谷側に杭打機等で基礎杭を傾斜面や谷側に打設し、杭頭ブロック、格点桁、主桁、覆工受け板及び覆工板の順に1スパン分の桟道本体の施工を行うことで既存道路を拡幅して順次前方に施工を進行していた。
【0003】
また、特許文献2に記載された杭式桟橋工法も、桟橋完成部分から主桁を片持ち状に張り出し、線材によって主桁の張り出し調整を行って横桁の杭頭固定用管を介して管状杭をダウンザホールで杭打ち等することで固定していた。特許文献3に記載された仮桟橋架設方法においても、平場組した桟橋パネルをクローラクレーン等でセットして杭橋脚として鋼管杭をクローラクレーン等で打設していた。
これらの工法は山間部での道路建設や海岸等での桟橋の施工を対象として、手延べ工法によって橋梁を構築していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3978644号公報
【特許文献2】特許第3043320号公報
【特許文献3】特許第3211673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1〜3に記載された各工法は山間部や海岸等で、鋼管杭をダウンザホールハンマやバイブロ工法等により地中に打設して、パイルベントの杭基礎を構築する方法であり、騒音や振動が発生しても支障はなかった。しかしながら、騒音規制や振動規制のある市街地等で上述したダウンザホールハンマやバイブロ工法等を用いて杭を打設することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、騒音や振動を低減させて支柱となる杭基礎を打設して橋梁を構築するようにした橋梁の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による橋梁の構築方法は、既に設置した支柱と主桁と床版の前方に移動式架設桁を張り出す工程と、移動式架設桁に沿って新たな主桁と床版を張り出して配置して片持ち梁構造にする工程と、新たな床版上に杭打機を配置して張り出した主桁の前側で回転杭を打設して支柱として一体化する工程とを備え、これらの工程を繰り返して橋梁を構築するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、既設の支柱に設けた主桁及び床版の前方に移動式架設桁を張り出し、この移動式架設桁に沿って新たな主桁及び床版を張り出して連結して片持ち梁構造にし、新たな床版を作業床として杭打機を配置させて回転杭を地中に打設して張り出した主桁と一体化するものとし、この作業を繰り返すことで騒音や振動を低減させて橋梁を構築できる。
【0008】
また、回転杭を回転して打設する杭打機に働く回転の反力を、張り出した移動式架設桁によって抑えることを特徴とした。
回転杭を回転して打設する際に杭打機に働く回転反力によって張り出した床版と主桁に作用するねじれ変形の力を、片持ち梁構造の両側に設けた移動式架設桁によって受けて抑えることができる。
【0009】
また、移動式架設桁によって先に設置した支柱に作用する押し込み力と引き抜き力を、先に設置した支柱に設けた羽根によって受けるようにしてもよい。
移動式架設桁によって既に設置した複数の支柱に押し込み力と引き抜き力が作用するが、これらの支柱をなす回転杭に設けた羽根によって受けることができる。
【0010】
また、片持ち梁構造における張り出した移動式架設桁の前側に横桁を設置し、横桁は予め配列したさや管内に前記回転杭を仮固定していることが好ましい。
横桁のさや管に予め回転杭を嵌挿して仮固定しておき、横桁を移動式架設桁の前側に設置して杭打機で回転杭を打設することでラーメン構造を成立させて、精度よく地中に打設することができる。
【0011】
また、本発明において、片持ち梁構造を構築する工程は、
(1)移動式架設桁に横桁を取り付ける工程と、横桁に新たな主桁及び床版を張り出して連結する工程とによって施工するか、または
(2)新たな主桁及び床版を張り出して設置する工程と、移動式架設桁と新たな主桁に横桁を取り付ける工程とによって施工するようにしてもよい。
移動式架設桁に横桁を仮固定した後で、新たな主桁及び床版を張り出して横桁に連結することで、片持ち梁構造を構築できる。
或いは、新たな主桁及び床版を張り出して設置した後で、移動式架設桁と新たな主桁に横桁を取り付けることで、片持ち梁構造を構築してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明による橋梁の構築方法によれば、張り出した新たな床版に設けた杭打機によって回転杭を打設することで騒音や振動等を低減させることができる。しかも、回転杭の回転反力によって新たな床版及び主桁に生じるねじれ変形を移動式架設桁によって受けて抑えることができ、橋梁の手延べ施工を行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による片持ち梁構造による橋梁の構築過程を示す図である。
【
図2】
図1に示す片持ち梁構造の床版上で杭打機によって回転杭を打設する状態を示す斜視図である。
【
図5】片持ち梁方式による橋梁の構築方法を示すものであり、(a)は既設の床版の前方に移動式架設トラス桁を突出させた工程を示す側面図、(b)は平面図である。
【
図6】横桁を移動式架設トラス桁の前側に連結した工程を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【
図7】主桁及び床版の上部工を横桁に架設する工程を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【
図8】横桁のさや管を通して回転杭を打設する工程を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【
図9】橋梁の構築方法の一工程が終了した後、移動式架設トラス桁を前方移動させて片持ち支持した新たな工程を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による橋梁の構築方法について説明する。
図1は本発明の実施形態によるパイルベント(杭橋脚)式橋梁1の構築方法における回転杭2の打設工程を示すものである。
図1に示す橋梁の構築途中の構造は、地中の硬質の地盤に所定間隔に打設された回転杭2からなる鋼管杭2A(支柱)の上部にPC床版等の床版3が設置されている。床版3は間隔を開けて配設された一対の横桁4の間で長手方向に延びる縦桁である複数本の主桁5の上部に固定されている。主桁5と床版3は上部工として予め工場等で製造され、一体化されている。
図1では主桁5と床版3を一体化した上部工は例えばトラックで運搬されてクローラクレーン9で吊り込む準備がされている。
先端側の鋼管杭2Aの前方には所定間隔に配列した主桁5が張り出し、その上部に床版3が配置されて片持ち支持されており、その両側部には移動式架設トラス桁7がねじ等で取り外し可能に鋼管杭2Aに連結されている。なお、先端側の鋼管杭2Aの前方に手延べした片持ち支持部分の移動式架設トラス桁7、横桁4、主桁5及び床版3を片持ち梁構造8というものとする。
【0015】
なお、本明細書では、鋼管杭2Aで支持された床版3及び主桁5を既設の床版3及び主桁5とし、その先端側に張り出して片持ち梁構造8に支持された床版3及び主桁5を新たな床版3a及び主桁5a(単に床版3a、主桁5aということがある)というものとする。そして、既設の床版3の上にはクローラクレーン9が設置され、その前方の新たな床版3aの上には回転杭2を打設するための小型の杭打機10が設置されている。
また、
図2に示す片持ち梁構造8における新たな床版3aの前端には横桁4が主桁5aと移動式架設トラス桁7に連結されている。移動式架設トラス桁7は、
図2に示すように、床版3aの両側部に一対のトラス桁12が長手方向に沿って配設され、これらのトラス桁12は支保工13やタイロッド14によって互いに連結されている。トラス桁12には、主桁5の下側に位置する主桁取り付け足場12aを設けている。
【0016】
また、
図3及び
図4に示すように、横桁4は横桁4の内部に所定間隔でさや管15が配列されており、このさや管15内には回転杭2が工場等で予め嵌挿されて仮固定されている。横桁4において横桁4に直交する方向の前後に主桁5aと連結するための連結部材16が設けられている。そして、回転杭2の下端部には螺旋形状をなす板状の羽根17が外周面から外側に拡径して固定されている。
【0017】
次に上述した橋梁1の構築構造を備えた橋梁1の構築方法について、
図5から
図8を中心に説明する。
まず、
図1及び
図5において、施工途中の橋梁1において既に設置された前端の鋼管杭2Aに横桁4が支持され、横桁4に床版3を設置した主桁5が連結されている。鋼管杭2Aで支持された主桁5上の床版3の先端部分にクローラクレーン9を設置する。そして、移動式架設トラス桁7をクローラクレーン9で吊り上げて前方に移動させてその後部を既に構築が完了した鋼管杭2A(支柱)、主桁5または横桁4に連結する。或いは、移動式架設トラス桁7を吊り上げて移動することに代えてスライド移動によって前方に移動させてもよい。これによって移動式架設トラス桁7の先端側が既設の床版3の前方に張りだして片持ち支持される。
【0018】
次に、
図6に示すように、クローラクレーン9によって横桁4を吊り上げて移動式架設トラス桁7の先端に設置して横桁4の両端を移動式架設トラス桁7の両側部のトラス桁12に仮固定する。なお、横桁4は予め工場内で、横桁4内の長手方向にさや管15を所定間隔で固定し、さや管15内に回転杭2を嵌挿させて仮固定しておくものとする。回転杭2は例えば略円管状であり、そのため、さや管15も円管状に形成している。
【0019】
そして、
図7に示すように、張り出し支持された移動式架設トラス桁7の先端に新たに架設した横桁4とその後ろ側の既設の横桁4との間に、鋼製またはコンクリート製の床版等の床版3aを固定した複数の主桁5aである上部工を設置し、その両端を各横桁4の連結部材16にボルト・ナット等で固定する。
この状態で、
図8に示すように、張り出し支持された主桁5a上の床版3aの先端側に小型の杭打機10を移動させ、この床版3aを杭打機10の作業床とする。そして、片持ち支持された移動式架設トラス桁7の先端側の横桁4のさや管15内に仮固定された回転杭2を、小型の杭打機10で回転させながら地中に押し込むことで回転圧入して打設する。回転杭2の先端には例えば螺旋状に羽根17が形成されているため、羽根17の推進力で回転杭2が回転しながら地中に貫入される。なお、
図4に示す例では、横桁4に回転杭2とさや管15は2列で6基設置されているが、回転杭2とさや管15の数や列は任意であり、例えば一列に配設してもよい。
【0020】
杭打機10は施工時に回転杭2を回転圧入することで大きな回転反力が発生し(
図2参照)、この回転反力が小型の杭打機10のキャタピラを介して床版3aと主桁5aに捩じり変形の力として伝達される。そして、床版3aと主桁5aにかかる回転反力は移動式架設トラス桁7の一対のトラス桁12によって、或いはトラス桁12と支保工13とタイロッド14によって受けて、床版3a及び主桁5aのねじり変形を抑える。
なお、一般に橋梁1に用いる回転杭2は比較的杭径が大きく、回転圧入するために大きな回転力を要するため、クローラクレーン9等のクレーンを使用したフライング方式では回転施工できない。そのため、回転杭2の打設位置の近くに杭打機10を設置する必要がある。本実施形態では、片持ち支持された移動式架設トラス桁7と横桁4と上部工の主桁5aを結合することによって、杭打機10の重量、回転杭2の回転トルクの反力に抵抗できる。
【0021】
こうして、主桁5aに連結した横桁4のさや管15を通して回転杭2を地中の固い地盤に打設することで、ラーメン構造を成立させる。また、さや管15と打設した回転杭2とのクリヤランスを必要最小限に設定してそのクリヤランス内にモルタルを充填することでラーメン構造の接合部になる。しかも、回転杭2を予め横桁4のさや管15に嵌挿して仮固定しておくことで回転杭2の施工精度を向上させることができる。
【0022】
また、
図7、
図8等に示す工程で、手延べした移動式架設トラス桁7に横桁4、主桁5a、床版3a等を設置した片持ち梁構造8が片持ち支持されている。この状態で、先に打設した先端側の鋼管杭2Aには片持ち梁構造8の片持ち支持による押し込み応力FAが作用し、その後ろ側の鋼管杭2Aには引き抜き応力FBが作用する。また、片持ち梁構造8の先端で回転杭2の打設を行う場合には、上記の鋼管杭2Aに特に大きな引き抜き力FBが作用する。
これらの場合でも、各鋼管杭2Aである回転杭2の下端部には先端に拡径された羽根17が固定されているために、鋼管杭2Aの押し込み応力FAと引き抜き応力FBの両方に抵抗できる。そのため、回転杭2の羽根17は押し込み応力FAと引き抜き応力FBの反力として利用するのに合理的である。
【0023】
次に、杭打ち完了後に杭打機10を後退させて、クローラクレーン9を新たな床版3aの先端側に移動させて、
図9に示すように移動式架設トラス桁7を吊り上げて前方に移動させて再度片持ち支持することで、上述した橋梁1の構築工程を繰り替えして行う。
【0024】
上述したように本実施形態による橋梁1の構築方法によれば、片持ち梁構造8による片持ち支持の状態において、回転杭2を先端側の横桁4近傍の床版3aに設置した小型の杭打機10によって回転圧入するため、ダウンザホールハンマやバイブロハンマ等で杭を打設施工する場合と比較して、騒音と振動を低減できる。そのため、騒音や振動の規制がある市街地や町中等でも施工することができる。
また、回転杭2の地中への回転圧入時に大きな回転反力が発生して杭打機10を介して片持ち梁構造8の床版3a及び主桁5aに捩じり変形の力が伝達されるが、移動式架設トラス桁7によって捩じり変形に抵抗して抑えることができる。
【0025】
また、片持ち梁構造8による片持ち支持の状態において、回転杭2の後方の打設済みの鋼管杭2Aに押し込み力FA、これに隣接する更に後方の鋼管杭2Aに引き抜き力FBが反力として作用するが、各鋼管杭2Aの先端に設けた羽根17が押し込み力FAと引き抜き力FBの両者に抵抗して吸収することができる。
また、本実施形態では、予め工場等で、横桁4にさや管15を取り付けて各さや管15内に回転杭2を嵌挿して仮固定したものを橋梁1の構築現場で杭打機10によって回転圧入するようにしたため、回転杭2の施工精度が高い。
【0026】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上述した実施形態の構成を適宜変更したり置換したりすることができる。これらの構築方法も本発明の範囲に含まれる。以下に本発明の変形例を、上述した実施形態の各部材や部品と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明する。
【0027】
例えば、上述した実施形態による橋梁1の構築方法では、移動式架設トラス桁7を前方に張り出し支持し、横桁4を移動式架設トラス桁7の先端に取り付けて新たな主桁5a及び床版3aを設置した後で、さや管15を通して回転杭2を打設するようにしたが、本発明はこのような工程順序に限定されるものではない。
例えば、移動式架設トラス桁7を片持ち梁状に取り付けた後、新たな床版3aを敷き並べた主桁5aを取り付けて、横桁4を移動式架設トラス桁7と主桁5aに固定して、回転杭2の打設を行うようにしてもよい。或いは、移動式架設トラス桁7を片持ち梁状に取り付けた後、床版3aを備えた主桁5aを取り付け、次いで横桁4を主桁5aとトラス桁12に取り付けて回転杭2の打設を行ってもよい。
【0028】
また、上述した実施形態では、移動式架設トラス桁7における両側部のトラス桁12にそれぞれ主桁取り付け足場12aを設置して、主桁5aを配列して横桁4にボルト等で固定するようにしたが、主桁取り付け足場12aは設けなくてもよい。
なお、上述した実施形態では、回転杭2の下端に羽根17を設けて押し込み力FAと引き抜き力FBに抵抗するようにしたが、必ずしも回転杭2に羽根17を設けなくてもよい。この場合、回転杭2の長さをより長くして回転杭2の地中への打設深さをより深くするか、或いは回転杭2の杭径をより大きく設定すればよい。
【0029】
また、上述した実施形態において、移動式架設トラス桁7は回転杭2の打設の際に生じる捩じれの反力を受けることに寄与するが、必ずしも移動式架設トラス桁7である必要はない。これに代えて鈑桁や箱桁等を採用してもよい。しかしながら、移動式架設トラス桁7が最も軽量であり、片持ち梁構造8の張り出し移動を繰り返すことによる橋梁1の構築方法に最も好ましい。本発明では、移動式架設トラス桁7と鈑桁と箱桁等を含めて、片持ち梁として張り出し位置に移動可能で回転杭2の回転打設時の回転反力を受けて主桁5a及び床版3aのねじれ変形を抑える部材を移動式架設桁というものとする。
【0030】
また、本発明において、回転杭2を回転圧入した鋼管杭2Aは橋梁1の支柱を構成する。
なお、本発明による橋梁1の構築方法は回転杭2を杭打機10によって地中に回転圧入するため低騒音、低振動であるため、町中や市街地等での橋梁1の構築方法に好適であるが、上述した従来の技術で示すように山間地や海岸等での橋梁1の構築方法にも採用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0031】
1 橋梁
2 回転杭
2A 鋼管杭
3 床版
3a 新たな床版
5 主桁
5a 新たな主桁
4 横桁
7 移動式架設トラス桁
8 片持ち梁構造
9 クローラクレーン
10 杭打機
12 トラス桁
15 さや管