【実施例】
【0021】
<接合基板の構成>
図2に、本実施例に係る接合基板10の斜視図を示す。接合基板10は略円盤状に形成されている。接合基板10は、下側に配置された支持基板11と、支持基板11の上面に貼り合わされた単結晶層13とを備えている。単結晶層13は、例えば、化合物半導体(例:6H−SiC、4H−SiC、GaN、AlN)の単結晶によって形成されていてもよい。また例えば、単元素半導体(例:Si、C)の単結晶によって形成されていてもよい。
【0022】
支持基板11には、各種の材料を用いることができる。支持基板11は、単結晶層13に適用される各種の熱プロセスに対する耐性を有することが好ましい。また支持基板11は、単結晶層13との熱膨張率の差が小さい材料であることが好ましい。例えば、単結晶層13にSiCを用いる場合には、支持基板11には、単結晶SiC、多結晶SiC、単結晶Si、多結晶Si、サファイア、石英、GaN、カーボンなどを用いることが可能である。多結晶SiCには、様々なポリタイプや面方位のSiC結晶が混在していても良い。様々なポリタイプや面方位が混在する多結晶SiCは、厳密な温度制御を行うことなく製造することができるため、支持基板11を製造するコストを低減させることが可能となる。支持基板11の厚さTT1は、後工程加工に耐えることができる機械的強度が得られるように定めればよい。厚さTT1は、例えば、支持基板11の直径が150(mm)である場合には、350(μm)程度であってもよい。
【0023】
<接合基板の製造方法>
本実施例に係る接合基板10の製造方法を、
図1〜
図8を用いて説明する。本実施例では、例として、支持基板11が多結晶3C−SiCであり、単結晶層13が単結晶4H−SiCである場合を説明する。また、本明細書に記載の製造フローを、水素原子のアブレーションによる剥離技術を用いて実施する場合を説明する。
【0024】
まず、支持基板11および単結晶層13を準備する。支持基板11および単結晶層13の表面は、平坦化されている。平坦化は、研削や切削によって行われてもよいし、CMP法によって行われてもよい。
【0025】
図1のステップS0において、単結晶層13の表面13aから水素イオンを注入する、水素イオン注入工程が行われる。単結晶層13に水素イオンを注入すると、水素イオンは入射エネルギーに応じた深さまで到達し、高濃度に分布する。これにより、
図3の模式図に示すように、表面から所定深さに、水素注入層15が形成される。本実施例では、表面から0.5μm程度の位置に水素注入層15が形成される場合を説明する。
【0026】
ステップS1において、特定原子の導入工程が行われる。特定原子は、単結晶層13の結晶構造を変化させることができる原子であれば、どのような原子であってもよい。ここで、「単結晶層13の結晶構造を変化させる」態様には、様々な態様が含まれる。例えば、大量の結晶欠陥を発生させることで、結晶構造を変化させる態様が含まれる。また、結晶構造自体を、特定原子の導入前とは異なる構造に変化させる態様が含まれる。また、単結晶層13を非晶質化させる態様が含まれる。また、SiC以外の化合物を形成する態様が含まれる。また、何かしらの元素を析出させる態様が含まれる。なお、これらの態様は一例である。これら以外の態様を除外するものではない。
【0027】
特定原子は、SiやCと結合できる原子であることが好ましい。特定原子の一例としては、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、炭素(C)等のうちの少なくとも1つが挙げられる。本実施例では、特定原子として窒素を用いる場合を、以下に説明する。単結晶層13の表面13aにFABガン(高速原子ビーム:Fast Atom Beam)を用いて、窒素の中性原子ビームを照射する。これにより、
図4の模式図に示すように、単結晶層13の表層に、高濃度ドーピング層13bが形成される。
【0028】
窒素の導入量は、単結晶層13の結晶構造を維持することができず、結晶構造がSiCから変化してしまうように決定すればよい。具体的には、後述するステップS5で形成される界面層13cの元素の組成比において、窒素原子の比率が1(atomic%)以上となるように決定すればよい。または、界面層13cの窒素濃度が、1×10
21(atoms/cm
3)以上となるように決定すればよい。換言すると界面層13cは、特定原子が1×10
21(atoms/cm
3)以上含まれている領域である。または、界面層13cの厚さが0.25ナノメートル以上となるように決定すればよい。0.25ナノメートルは、1原子層に対応する厚さである。
なお、SiCの原子密度は、9.6×10
22(atoms/cm
3)程度であるため、1×10
21(atoms/cm
3)の窒素濃度は、1(atomic%)の窒素原子の比率に対応する。また、1×10
22(atoms/cm
3)の窒素濃度は、10(atomic%)の窒素原子の比率に対応する。
【0029】
図1のステップS2において、照射工程が行われる。具体的に説明する。
図5に示すように、単結晶層13と支持基板11を、チャンバー101内にセットする。次に、単結晶層13と支持基板11との相対位置の位置合わせを行う。位置合わせは、後述する接合工程で両基板が正しい位置関係で接触できるように行われる。次に、チャンバー101内を真空状態にする。チャンバー101内の真空度は、例えば、1×10
−4〜1×10
−6(Pa)程度であってもよい。
【0030】
次に、支持基板11の表面11aおよび単結晶層13の表面13aにFABガン102を用いて、アルゴンの中性原子ビームを照射する。アルゴンの中性原子ビームは、表面11aの全面および表面13aの全面に均一に照射される。これにより、表面11aおよび13aの酸化膜や吸着層を除去して結合手を表出させることができる。この状態を活性状態と呼ぶ。また照射工程は真空中での処理であるため、表面11aおよび13aは、酸化等されず活性状態を保持することができる。
【0031】
図1のステップS3において、接合工程が行われる。接合工程では、支持基板11の表面11aと単結晶層13の表面13aとを、チャンバー101内で、真空中で接触させる。これにより、活性状態の表面に存在する結合手同士が結びつき、支持基板11と単結晶層13とを接合することができる。これにより、
図6の模式図に示すように、支持基板11と単結晶層13とが接合した構造が形成される。
【0032】
図1のステップS4において、剥離工程が行われる。具体的には、互いに接合された支持基板11および単結晶層13を1000℃程度に加熱する。熱処理工程は、ファーネスを用いて実行されてもよい。これにより、単結晶層13を、水素注入層15で分離させることができる。よって
図7の模式図に示すように、支持基板11上に、高濃度ドーピング層13bを介して、0.5μmの厚さの薄い単結晶層13を接合した構造を形成することができる。
【0033】
図1のステップS5において、熱処理工程が行われる。熱処理工程では、支持基板11、高濃度ドーピング層13bおよび単結晶層13を熱処理する。熱処理温度は、1100℃より高くされる。熱処理温度は、好ましくは、導入された窒素が安定化する温度がよく、1500℃以上(好ましくは1700℃程度)に加熱してもよい。熱処理工程は、剥離工程が行われた炉内で行われても良い。これにより高濃度ドーピング層13bでは、SiCの化学組成が、炭素、シリコンおよび窒素を含んだ複合材料へ変化する。複合材料の一例としては、炭素含有シリコン窒化物(SixCyNz)が挙げられる。また、結晶構造がSiCから変化する。これにより、
図8の模式図に示すように、高濃度ドーピング層13bが、界面層13cに変化する。
【0034】
<界面抵抗の測定>
ステップS1で窒素の導入量を変化させた場合における界面抵抗の変化を、
図9を用いて説明する。測定対象は、本明細書に記載の接合方法により接合された、4H−SiCの単結晶層13および多結晶3C−SiCの支持基板11である。
図9において、縦軸は界面抵抗(Ω・cm
2)である。横軸は、単結晶層13と支持基板11の界面における窒素濃度(atoms/cm
3)である。また、目標とする界面抵抗値を、目標抵抗値A1と定義している。
【0035】
界面の状態は、窒素濃度に応じて、3つの状態R1、R2、R3となることがある。以下に説明する。
【0036】
状態R1について説明する。状態R1は、界面の窒素濃度が1×10
20(atoms/cm
3)以下の状態である。単結晶層13と支持基板11の接合界面には、エネルギー障壁が形成される。界面近傍にn型高濃度キャリアを発生させる不純物(例:リンや窒素)を導入することで、エネルギー障壁の幅を小さくすることができる。これにより、トンネル効果を得ることができるため、界面抵抗を低下させることができる。
【0037】
このように、キャリアを発生させる場合の窒素濃度は、通常では、1×10
19〜1×10
20(atoms/cm
3)程度とされる。しかし、界面の窒素濃度がこの濃度範囲にある場合には、
図9の状態R1に示すように、界面抵抗が目標抵抗値A1まで下がらない。また界面の窒素濃度が、通常用いられる濃度を超えて、1×10
20〜1×10
21(atoms/cm
3)の範囲にある場合には、状態R1aに示すように、界面抵抗が上昇してしまう。これは、トンネル効果によって界面抵抗を低下させる効果よりも、欠陥が増加することによって界面抵抗が上昇してしまう効果の方が上回るためであると考えられる。
【0038】
状態R2について説明する。状態R2は、界面の窒素濃度が1×10
21(atoms/cm
3)よりも高く、1×10
22(atoms/cm
3)よりも低い状態である。状態R1から状態R2へ遷移すると界面抵抗が急激に低下し、目標抵抗値A1まで到達する。以上より、1×10
21(atoms/cm
3)の特定窒素濃度C1は、特異点であることが分かる。
【0039】
SiCの原子密度は、9.6×10
22(atoms/cm
3)程度である。すると、界面の窒素濃度が特定窒素濃度C1(1×10
21(atoms/cm
3))である場合には、窒素の原子比率は、1(atomic%)程度となる。1(atomic%)の窒素を導入された界面は、窒素が非常に高濃度に存在している状態であると言える。窒素が非常に高濃度に存在している状態では、窒素原子がSiC結晶の格子点の位置に置換されないため、窒素原子がドナーとして機能しない。また、窒素原子が格子点の位置に置換されないため、界面では、結晶欠陥が非常に多くなる。従って界面では、結晶構造がSiCから変化してしまう。このことからも、特定窒素濃度C1(1×10
21(atoms/cm
3))以上の窒素濃度は、通常のドープ条件(すなわち、キャリアを発生させるためのドープ条件)としては用いることができない、超高濃度なドープ条件であることが分かる。
【0040】
界面の窒素濃度を、特定窒素濃度C1(1×10
21(atoms/cm
3))以上にすることで、界面抵抗を急激に低下させることができる現象のモデルは、明確には解明されていない。
図11および
図12を用いて、状態R2において発現する電導機構モデルを説明する。このモデルは、発明者らが提唱するものである。
図11は比較例である。
図11では、多結晶3C−SiCの支持基板11と、4H−SiCの単結晶層13とを直接に接合させた場合の、バンド図を示している。4Hと3Cの禁制帯幅の差や、接合界面の不整合による界面電荷発生などにより、接合界面IF1及びその近傍領域では、電位障壁B1が発生すると考えられる。この電位障壁B1により、界面抵抗が高くなってしまう。
【0041】
図12に、状態R2における半導体基板のバンド図を示す。支持基板11と単結晶層13との間には電位障壁B2が存在する。しかし、トラップ・アシステッド・トンネリングにより電位障壁B2のトンネリング効率を上昇させることで、支持基板11と単結晶層13との界面抵抗を低減させることができる。トラップ・アシステッド・トンネリングとは、トラップを介して電荷キャリアがトンネルする現象である。前述したように状態R2では、界面近傍には、窒素原子が通常用いられる範囲を超えて過剰に導入されている。すると、界面の欠陥が非常に多い状態であるため、トラップ密度が高い状態である(
図12、矢印Y1参照)。よって、トラップ・アシステッド・トンネリングを効果的に発生させることができる。
【0042】
なお状態R2では、界面の化学組成が、炭素、シリコンおよび窒素を含んだ複合材料に変化しない場合がある。従って状態R2では、界面層13cをTEM等で観察できない場合がある。
【0043】
状態R3について説明する。状態R3は、界面の窒素濃度が1×10
22(atoms/cm
3)以上である状態である。状態R3においても、界面抵抗を、目標抵抗値A1よりも低い状態とすることができる。状態R3においても、状態R2と同様に、トラップ・アシステッド・トンネリングによって界面抵抗を低減させることができるためである。状態R3では、窒素原子が界面に非常に高濃度に存在している状態である。従って状態R3では、界面に結晶欠陥を非常に多く発生させることができるとともに、界面のSiCの化学組成を、炭素、シリコンおよび窒素を含んだ複合材料へ変化させることができる。従って状態R3では、単結晶層13および支持基板11の間に、数ナノメートルの厚さの界面層をTEM等によって観察することが可能である。
【0044】
なお、界面の元素の組成比において、窒素原子の比率が10(atomic%)以上であることが好ましい。または、界面の窒素濃度は、1×10
22(atoms/cm
3)以上であることが好ましい。界面の窒素濃度を上記の値以上にすることで、接合界面に剥がれが発生しない程度に接合強度を十分に高くできることが、発明者らによる実験により明らかになっているためである。
【0045】
<界面層の厚さの測定>
また、TEMを用いて、界面層13cの厚さを測定した。ステップS1で導入される窒素の量を変化させた場合における、界面層13cの厚さの変化を測定した。界面層13cの窒素濃度が1×10
22(atoms/cm
3)である場合には、界面層13cの厚さは3.6〜3.9(ナノメートル)程度であった。なお、界面層13cの厚さを決定するパラメータは、窒素の導入量に限られず、多数存在する。例えば、窒素を導入する際のエネルギー量によっても、界面層13cの厚さは変化する。従って、上記の界面層13cの厚さは、一例である。
【0046】
<窒素濃度プロファイルの分析>
本明細書に記載されている接合方法で作成された接合基板10の、界面層13cにおける、窒素濃度プロファイルを分析した。分析に用いられた接合基板10は、多結晶3C−SiCの支持基板11と4H−SiCの単結晶層13とを、界面層13cを介して接合させた基板である。また、界面層13cの窒素濃度が1×10
22(atoms/cm
3)である場合の窒素濃度プロファイルを分析した。 界面層13cの厚さは3.6〜3.9ナノメートルの範囲内であった。
【0047】
窒素濃度分析は、エネルギー分散型X線分光法(EDX)を用いて行った。元素分析装置は、NORAN製 VOYAGERIII M3100である。
図10に示すように、界面層13cでの窒素の組成比は、7〜10(atomic%)の範囲内であった。一方、支持基板11や単結晶層13での窒素の組成比は、1(atomic%)以下であった。このことから、界面層13cのみに窒素が高濃度で存在していることが分かる。
【0048】
<効果>
多結晶3C−SiCの支持基板11と4H−SiCの単結晶層13とを、界面層13cを介して接合させることができる。界面層13cは、通常用いられる条件を超えて窒素が過剰に導入されていることで、化学組成が、炭化ケイ素(SiC)から、炭素、シリコンおよび窒素を含んだ複合材料へ変化している層である。また、結晶構造が、SiCから変化している層である。これにより、多結晶3C−SiCの支持基板11と、4H−SiCの単結晶層13とを直接に接合させる場合に比して、界面抵抗を小さくすることができる。
【0049】
界面層13cに過剰に導入する元素として、リンのような取扱いが困難な元素を用いると、製造コストが増加してしまう場合がある。製造装置から発生するガスの無毒化処理や、製造装置の定期クリーニング頻度を高める必要が出てくるためである。本明細書の技術では、過剰に導入する元素として、窒素を用いることができる。窒素は、リン等に比して取扱いが容易であるため、製造コストを抑制することが可能となる。
【0050】
<変形例>
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0051】
特定原子はシリコン(Si)であってもよい。この場合、界面の元素の組成比は、シリコンの割合が炭素よりも多くなる。この場合、界面は、シリコンリッチなSiCで構成されるとも言える。例えば、シリコンの組成比が、51〜60(atomic%)の範囲となる。界面は、シリコンが非常に高濃度に存在している状態になるため、SiCの結晶構造を維持することができず、結晶構造がSiCから変化してしまう。すなわち界面は、炭素およびシリコンを含んだ複合材料で構成される。界面では、結晶欠陥が非常に多くなるため、前述した電導機構モデルに従って、界面抵抗を急激に低下させることができる。
【0052】
また特定原子は炭素(C)であってもよい。この場合、界面の元素の組成比は、炭素の割合がシリコンよりも多くなる。この場合、界面は、炭素リッチなSiCで構成されるとも言える。例えば、炭素の組成比が、51〜60(atomic%)の範囲となる。この場合においても、前述の通り、結晶構造がSiCから変化してしまう。すなわち界面は、炭素およびシリコンを含んだ複合材料で構成される。
【0053】
ステップS1で説明した、特定原子の導入工程では、様々な導入方法が使用可能である。例えば、ドーピングさせたい不純物ガスをイオン化して基板へドーピングする、プラズマドーピング方法を用いてもよい。また、イオン注入を用いてもよい。イオン注入では、加速エネルギーを変化させて複数回打ち込みを行う多段打ち込みを用いることで、不純物濃度が単結晶層13の表面で最大となるように制御してもよい。また、単結晶層13の表面に不純物を高濃度に存在させた上で加熱するという、熱拡散法を用いてもよい。また、FABガンに限らず、イオンガン等の各種の装置を用いることが可能である。
【0054】
ステップS1で説明した、特定原子の導入工程では、単結晶層13のみに特定原子を導入する場合を説明したが、この態様に限られない。特定原子を単結晶層13および支持基板11の両方に導入してもよいし、支持基板11のみに導入してもよい。
【0055】
照射工程(ステップS2)と特定原子の導入工程(ステップS1)を統合することも可能である。具体的には、特定原子の導入工程において、特定原子の原子ビームを支持基板11および単結晶層13の表面に照射すればよい。これにより、特定原子を支持基板11および単結晶層13に打ち込む処理を、支持基板11および単結晶層13の表面を活性化する処理としても機能させることができる。工程数の削減を図ることが可能となる。
【0056】
剥離工程(ステップS4)と熱処理工程(ステップS5)を統合することも可能である。具体的には、剥離工程において、特定原子が安定化する温度(例:1100℃)より高い温度で加熱を行えばよい。工程数の削減を図ることが可能となる。
【0057】
熱処理工程(ステップS5)の後に、必要な厚さのSiC単結晶層を単結晶層13上にエピタキシャル成長させてもよい。このエピタキシャル層が、各種の素子の形成領域となる。各種素子の形成のために必要なエピタキシャル層の厚さは、概ね5μm以上である。
【0058】
単結晶層13は、4H−SiCの単結晶に限られない。3C−SiCや6H−SiCなど、様々なポリタイプの単結晶SiCを単結晶層13として用いることができる。支持基板11は、3C−SiCの多結晶に限られない。様々なポリタイプの多結晶SiCを用いることが可能である。
【0059】
単結晶層13はSiCに限られない。GaN、AlN、Si、Cの単結晶であってもよい。支持基板11に使用される材料は、多結晶SiCに限られない。単結晶層13に適用される各種の熱プロセスに対する耐性を有する材料であれば、何れの材料であってもよい。
【0060】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。