特許第6387553号(P6387553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6387553斜め状態で配置される爪部を備えた自動車ドア用ラッチを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6387553
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】斜め状態で配置される爪部を備えた自動車ドア用ラッチを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/26 20140101AFI20180903BHJP
   E05B 85/02 20140101ALI20180903BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   E05B85/26
   E05B85/02
   B60J5/00 M
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-546853(P2015-546853)
(86)(22)【出願日】2013年12月11日
(65)【公表番号】特表2016-508194(P2016-508194A)
(43)【公表日】2016年3月17日
(86)【国際出願番号】DE2013000773
(87)【国際公開番号】WO2014090218
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年12月9日
(31)【優先権主張番号】102012024285.9
(32)【優先日】2012年12月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ベンデル, ソーステン
(72)【発明者】
【氏名】ポーレ, ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルドマン, トーマス
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03408100(US,A)
【文献】 特表2012−503723(JP,A)
【文献】 特開2009−041289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック機構部品としてキャッチ部および爪部を備えた自動車ドア用ラッチを製造する方法において、前記キャッチ部および爪部は、スタンプされ、前記キャッチ部および爪部で、互いに擦り合う対応するラッチ表面を備えた垂直または略垂直エッジになり、これらは、その後、前記ラッチ表面を除き、コーティングによって覆われる、前記方法であって、
直線状スタンピング外形を備えた前記キャッチ部は、そのラッチ表面に溝が形成され、ロック用ケースハウジングのベースに付けられ、
前記爪部は、そのラッチ表面に溝が形成され、前記ロック用ケースハウジングの前記ベースに接続され、前記ベース及び前記キャッチ部に対して斜めに配置されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記爪部は、前記ベースに対して5〜8°の角度でオフセットされ、前記ロック用ケースハウジングの前記ベースに旋回可能に固定され、この角度は、厚みが約4mm、溝の間隔が0.15〜0.30mmの爪部に適用され、前記キャッチ部および爪部のスタンプされた外形を構成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロック用ケースハウジングの前記ベースは、前記ベースに斜め状態で配置された前記爪部の為の座部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記爪部の前記座部が、斜め支持表面を含む座部によって、前記ロック用ケースハウジングの前記座部に接続されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記爪部は、プラスチックコーティングによって斜めに保持され、前記ロック用ケースハウジングの前記ベースに平坦に位置し、前記ハウジングに接続されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記コーティングは、矩形プラスチック本体であり、前記プラスチック本体内で、前記爪部は、前記キャッチのラッチ表面の前記直線状スタンピング外形に対して、前記ラッチ表面上に斜めのスタンピング外形を得るのに必要な角度でオフセットされると同時に、保持されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャッチ部の前記座部または前記爪部及びキャッチ部の前記座部は、互いにオフセットされ、前記ロック用ケースハウジングの前記ベースに接続された配置であることを特徴とする、請求項〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
キャッチ部(2)と、閉鎖状態で前記キャッチ部(2)を保持する爪部(5)とを含む自動車ドア用ラッチにおいて、
前記キャッチ部(2)および爪部(5)は、それらの垂直エッジ(15,16)で、互いに擦り合う対応したラッチ表面(12,13)を含み、これらは、ラッチ表面(12,13)を除くコーティング(10)と共に、スタンプ中に生成され、
前記キャッチ部(2)は、そのラッチ表面(12)に溝(17)が形成され、ロック用ケースハウジング(40)のベース(39)に配置され、
前記爪部(5)は、そのラッチ表面(13)に溝(18)が形成され、両方のロック機構部品(30,31)のスタンプされた外形(11,14)のかみ合いを防止するために前記ベース(39)に接続され、前記ベース(39)及び前記キャッチ部(2)に対して斜めに配置されることを特徴とする、自動車ドア用ラッチ。
【請求項9】
前記爪部(5)は5〜8°だけ回され、前記ロック用ケースハウジング(40)の前記ベース(39)に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項10】
前記ベース(39)に接続部を与える座部(42)によって、前記爪部(5)は、前記ベース(39)に斜めに形成され、前記配置は、前記爪部(5)および通常接続(44)の為の斜め支持表面(43)を含むことを特徴とする、請求項8に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項11】
前記爪部(5)はボックス状コーティング(10)に固定され、平坦なベースを形成し、特定角度(26’)だけオフセットされることを特徴とする、請求項10に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項12】
前記キャッチ部(2)の前記座部または前記キャッチ(2)および爪部(5)の前記座部は、前記ロック用ケースハウジング(40)の前記ベースに接続され、斜め配置になることを特徴とする、請求項10又は11に記載の自動車ドア用ラッチ。
【発明の詳細な説明】
【説明】
【0001】
本発明は、ロック機構部品、キャッチ部および爪部を製造する為の方法に関し、ここで、キャッチ部および爪部は、スタンプされ、対応するラチェット表面をキャッチ部および爪部に備えた垂直または略垂直エッジを設け、その後、ラッチ表面を除いてコーティングで覆われる。本発明は、また、キャッチ部と、閉鎖状態でキャッチ部を保持する爪部とを備えた自動車ドア用ラッチに関し、ここで、キャッチ部および爪部は、スタンピング中に作成された垂直エッジに対応ラッチ表面と、そのラッチ表面に付けられないコーティングとを含む。
【0002】
ハンガーアームとキャッチ部との間で生じ、自動車の運転中に発生するきしむノイズは、滑り摩擦を減少させるのに関与する接触領域に表面構造が設けられたハンガーアームまたはキャッチ部によって減少可能であることが知られている。DE 10 2010 009 141 A1に開示された従来技術において、そのハンガーアームの長手方向軸に対して斜めに続く接触領域で、ハンガーアームに溝またはそれぞれのウェブが付けられている。これらは、前記きしむノイズを減少させることを目的とする。しかしながら、DE 10 2010 009 141 A1に開示された異なる解決策は、ハンガーアームの実際の製造中、特に、ロック部品、キャッチ部と爪部の製造中には考慮されないので、きしむノイズに好都合な表面が、対応するラッチ表面に存在している。スタンピング中、チャネルおよび溝がエッジ表面に作成され、これらは、特に、爪部が離れて旋回されるとき、互いに係合可能であり、前記ノイズを引き起こす。
【0003】
本発明は、互いに対するキャッチ部および爪部の移動中、くっつき/スリップの影響がほとんど無視できないか全く生じないような製造方法および自動車ドア用ラッチを提供することを課題とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ロック用ケースハウジングのベースに配置される直線状スタンプ外形、そのベースに対して平行に配置されるキャッチ表面を備えたキャッチ部によって、さらに、爪部が一定角度でねじられてロック用ケースハウジングのベースに接続されることによって、この課題を解決する。
【0005】
そのような製造方法の一部として、爪部は、爪部が離れて旋回されるとき、キャッチ部および爪部のエッジ表面に生成されるチャネルまたは溝が係合できないように設置可能である。その代わり、構成要素、すなわち、キャッチ部および爪部は、減じられた滑り摩擦で、互いに滑り合うため、発生するノイズは相当に減少または全く発生しない。互いに擦り合う2つのラッチ表面は、最早、完全接触ではなく、単に、一定地点で接触するだけであり、ここで、キャッチ部の直線状の溝と爪部の斜めの溝は、互いに、すなわち、それらが重複する場所で接触している。そのため、本発明は、二重の効果(すなわち、製造中に作り出された両方の構成要素上の直線状の溝はキャッチ部の斜めの位置のため、最早係合しないこと、2つの溝は一定地点で接触が許容されるだけなので、滑り摩擦も減少されること)を有する。
【0006】
本発明の好都合な更なる開発は、爪部がロック用ケースハウジングのベースに旋回可能に、5〜8°の角度でオフセットさせて装着されることを規定し、そのような角度5〜8°は、厚さが約4mmで、溝を含むキャッチ部と爪部のスタンピング外形の間隙が0.15〜0.30mmの爪部に適用する。より大きな間隔および/または他の間隙の場合、計算される角度は異なるが、いずれにせよ、5〜15°の範囲に入る。利点は、本発明により提示される解決策、すなわち、爪部の斜め配置によって、そのような角度が簡単に達成されることである。
【0007】
多すぎる労力を有することなく爪部のオフセット配置を設けるため、本発明は、ベースに斜めに形成された爪部の為の座部を含むロック用ケースハウジングのベースを規定する。都合の良いことに、同一の固定手段が使用可能であり、小さな変更だけがロック用ケースハウジングに関してなされなければならないが、オフセット角度によってベース上に爪部を配置することができるといわれている点である。
【0008】
意図された爪部の配置を設ける他のオプションにおいて、爪部の座部は、ロック用ケースハウジングのベースに接続され、斜めの接触領域を含む座部によって爪部の慣例的固定を使用する。これは、ロック用ケースハウジングの製造中、それぞれの変形が同時に行われ、爪部の為に所望の座部(すなわち、例えば、ベースの外に押し出される斜め座部)を達成する。
【0009】
ロック用ケースハウジングにおいて、斜め状態で、望まれるように爪部を配置する他のオプションにおいて、爪部は、プラスチック製コーティングによって斜めに囲まれ、ロック用ケースハウジングのベースに平坦に配置され、それに接続される。プラスチックは、コーティングに必要であり、この場合、爪部の斜め配置を達成するため、特別なコーティングとして単純に付けられる。すなわち、コーティングは、ロック用ケースハウジング内部で爪部の斜め配置を可能にする。
【0010】
コーティングにおける斜め配置が特に有利であり、コーティングが矩形プラスチック本体であるなら、簡単に達成されるが、ここで、爪部は、キャッチ部のラッチ表面の直線状のスタンピング外形に関して、ラッチ表面上でスタンプされた外形の斜め配置に必要な角度でオフセットされて保持される。コーティングの平坦表面は簡単に配置可能であり、コーティングにおいて爪部の配置によって特定されるときに常に設けられる所望の角度で、ロック用ケースハウジングに固定されるので、そのような爪部の特定の斜め配置も、設置に利点を与える。
【0011】
さらに有利な実施形態において、キャッチ部の座部または爪部及びキャッチ部の座部は、それらが互いにオフセットされるように、ロック用ケースハウジングのベースに接続される。この配置において、キャッチ部というより爪部は、ロック用ケースハウジング内に斜めに配置され、上記解決策において、同一の効果が達成される。しかしながら、ロック用ケースハウジングの内側でオフセットさせて、キャッチ部と爪部を配置することは可能であり、オフセット配置は、2つのロック機構部品の斜めの角度を、それぞれ、小さくすることが可能である。
【0012】
この配置は、ベースに対して平行に延びるラッチ表面を備えたロック用ケースハウジングのベースにキャッチ部が配置され、特定の角度で爪部が回転されることによって課題を解決し、両方のロック機構部品のスタンピング外形の係合を防止し、ロック用ケースハウジングのベースに接続される。ロック用ケースハウジングのベース上の爪部のオフセット接続または斜め配置の結果、両方のロック機構部品のラッチ表面上の溝およびチャネルは、最早、互いに係合せず、あるいは、だいたい噛み合わず、不必要なノイズを既に防止する。さらに、2つのロック機構部品は単に、直線及び斜めのチャネルと溝が重複する領域で接触し得るだけなので、爪部の斜め配置が確実にすることは、ロック機構部品、すなわち、キャッチ部および爪部が、一定地点で接触することである。2つのロック機構部品は、ラッチ表面上の一定の接触地点で接触するだけなので、この有利な二重効果の結果、自動車ドア用ラッチの摩耗も同様に最小にされる。
【0013】
都合の良いことに、爪部は、5〜8°だけオフセットされて、ロック用ケースハウジングのベースに配置される。そのような小さな角度は、各々の溝の2つの地点で重複を達成するために十分であり、これは、自動車ドア用ラッチの円滑な操作に有利である。さらに都合の良いことは、自動車ドア用ラッチの全体の設計に大きな変更を行わなくても、そのような小さな角度を簡単に設けられることである。
【0014】
そのため、有利な実施形態において、ベースに接続する座部を備えた爪部は、ベースに形成されるか、爪部の為の斜め接触と、爪部に対する通常接続とを含む。また、これは、作業サイクル、すなわち、組立を妨げないが、成形に一定の変更を要する本発明の実施には、このために、ロック用ケースハウジングのベースと同時に形成される座部というオプションと共に、単に小さな変更が必要であることを示す。
【0015】
ベース部上の爪部のオフセット配置または斜め配置を達成し、一様な効果を常に達する他のオプションにおいて、爪部は、特定角度で、レベルベースを形成するボックス状コーティングにオフセットされて固定される。そのため、爪部の傾斜またはオフセット配置は、常に特定され、ロック用ケースハウジングのベースへの接続は、変更させずに残すことができ、プラスチック製コーティングは、いずれにせよ、常に必要であり、小さな認識だけが必要である。
【0016】
爪部の斜め位置の代わりに、キャッチ部の座部またはキャッチ部及び爪部の座部を斜め状態にロック用ケースハウジングのベースに接続するオプションも開示されている。キャッチ部に対して、爪部の斜め配置で使用されたような同一の固定が使用されなければならないが、キャッチ部及び爪部の斜め配置の場合、それぞれ小さいが対向角が使用される。前述したように、特に、キャッチ部の座部または爪部の座部は、固定されるか斜めに形成されるため、これは簡単に達成可能である。
【0017】
本発明の特別な利点は、最小の追加の製造労力で、自動車ドア用ラッチが生成可能であり、ここで、ラッチ領域、すなわち、爪部およびキャッチ部が両方とも最上部にあるか互いに寄りかかる領域において、爪部とキャッチ部は、従来技術のノイズレベルが相当に減少されるように設計されている点である。また、爪部またはキャッチ部の特別な配置は、重複または接触の一定地点が存在するように既存の溝が協働するという結果を有するので、キャッチ部に沿う爪部の一様な運動が保証される。特に、スタンピング中に生成される各溝は、最早、互いに係合せず、不必要なノイズを引き起こさない。爪部のまたは他のロック機構部品の、それぞれの斜め又はオフセット配置に対して、様々なオプションが利用可能である。例えば、コーティングも、爪部の斜め位置を定めるように配置可能であり、同時に、ボックス状コーティング部品の平坦なベースは、ロック用ケースハウジングのベースとの軽い接続を確実にする。
【0018】
本発明の対象の更なる詳細および利点は、必要な詳細と構成要素を備えた好ましい実施形態を示す、それぞれの図面の以下の説明に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、閉鎖状態における自動車ドア用ラッチの平面図である。
図2図2は、ロック用ケースハウジングのベースおよびキャッチ部間の接続部の拡大図である。
図3図3は、ベースに斜めに配置された爪部を接続する他のオプションを示す。
図4図4は、キャッチ部および爪部の対向ラッチ表面の概略図を示す。
図5図5は、特別なエッジ形成を備えたキャッチ部の斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0020】
図1は、自動車ドア用ラッチ1の平面図を示し、ここで、軸3を中心として移動するキャッチ部2は、ロック用ブラケット7のハンガーアーム9を含む。
【0021】
したがって、この図は、閉鎖状態の自動車ドア用ラッチ1を示し、ここで、キャッチ部2は、爪部の軸6に沿って旋回できるように爪部5によって保持され、換言すれば、いったん爪部5が離れて旋回すると、自動車ドア用ラッチ1は再び解錠可能になり、これは、図示されない自動車ドア用ハンドルによって達成される。座部4によって、ハンガーアーム9は、キャッチ部2の最下部地点27へと移動されるので、車両ドア(図示せず)の閉鎖状態を確実にするが、ロック機構部品30,31(すなわち、爪部5およびキャッチ部2)は自動車ドアの部品であり、同時に、ハンガーアーム9およびロック用ブラケット7は、自動車の車本体に固定される。ロック機構8のロック機構部品30,31は、好ましくは、複数のスタンピング操作を使用して、それぞれの薄板金から生成され、コーティング10で覆われないラチェット表面12,13において、両方のロック機構部品30,31の表面は、スタンプされた外形14によって特徴付けられている。しかしながら、ラッチ表面13の領域において、この表面配置は、構成要素、特に、爪部5の、オフセットまたは僅かに回された配置によって変更されており、その溝18,19は、スタンプされた外形11を形成するが、斜め状態に配置され、図3では、斜めに配置された溝18’、19’として示されている。このスタンピング外形11、13は、ロック機構部品30,31、すなわち爪部5とキャッチ部2との間で、相当に改善された滑り摩擦を生成するので、不必要なノイズは、最早、発生しない。図から特に明らかでないのは、キャッチ部2と爪部5のエッジ15,16がプラスチック製コーティング10で覆われている点である。このように、エッジ15,16は、そのようなコーティングで覆われているが、ラッチ表面12,13の領域と接触表面20とは、何もコーティング10が付けられておらず、以下の図面に示される特別な表面構造が効果的になることを可能にする。この表面構造は、ノイズと滑り摩擦を最小限に減少させるが、両方は関連している。
【0022】
図2は、キャッチ部2上のラッチ表面12の領域を示すが、これは、自動車ドア用ラッチ1の開閉中、爪部5上のラッチ表面13と対応しなければならない。これは、自動車ドア用ラッチの開閉中、両方のロック機構部品30,31がラッチ表面12,13またはエッジ15,16に関して、それらのラッチ表面12,13の領域において、互いの最上部でさえ互いに擦り合い、特に図2に示されるように、これが、直線状の溝17を有するキャッチ部2の場合、爪部5でラッチ表面13が同一設計を有するときに、すなわち、直線のままの溝を同様に含むときに、問題を引き起こすことを意味する。しかしながら、全体の爪部5は、一定の角度でオフセットされたロック用ケースハウジング40のベース39に接続されるので、これは、上記事例ではない。これを達成するため、ベース39は、座部42を含み、座部42は、ベース39の上に僅かに突出し、これは、それぞれの変形によって達成される。ベース39に対して平行に配置された支持表面43は、この場合、コーティング10を表すボックス46を支持し、ここで、全体の爪部5は、それぞれ、傾斜または斜めに配置される。その結果、爪部5の溝18,19は、参照符合18’、19’で示されるように、ラッチ表面12,13の領域において、斜めに配置される。そのため、前述された不利なノイズと過剰な摩擦は、最早、生じ得ない。座部42は、穴を含み、ベース39と爪部5との間で通常の接続が設けられることを可能にする。
【0023】
爪部5が斜め状態で配置されるボックス46の代わりに、図3は、座部42の支持表面43の斜め配置を示すので、爪部5は、接続部44が生成されるとき、斜め位置にある。また、この図は、直線状のスタンピング外形14と斜め又は斜めに配置されたスタンピング外形11とを備えたラッチ表面12とラッチ表面13が、信頼性良く、溝17,18,19の係合を防止することを示す。図2及び図3の両方は、この他のロック機構部品31,すなわち、キャッチ部2のキャッチ部の表面41が、ベース39の表面に対して平行に配置されることを示す。図面には示されていないが、直線状の溝17と斜めの溝18,19とが互いにオフセットされる角度で係合することを信頼性良く防止するため、爪部5とキャッチ部2の両方が一定の角度で配置されることも可能である。
【0024】
この状況を明確にするため、図4は、自動車ドア用ラッチ1の操作中、どのようにキャッチ部2および爪部5のラッチ表面12およびラッチ表面13が互いに寄りかかるかを示す。分かり易くするため、実際に必要な角度より大きな角度が示されている。
【0025】
番号25は、重複地点25,25’を参照し、キャッチ部2の領域37は、爪部5に対向し、点線で示され、スタンピング外形が直線でないことを指摘する。
【0026】
図1は、爪部5の長手方向軸38と、参照符合26’とを表示する。爪部5は、それぞれ、前記長手方向軸を中心として旋回され、ロック用ケースハウジング40のベース39に接続される。
【0027】
図5は、図には示されていないが、軸3を中心として旋回可能な、キャッチ部2の斜視図を示す。キャッチ部2を旋回させると、ハンガーアーム9(図5に示されず)は、座部4に挿入され、後に再び解除されるので、自動車ドアは、その後、一様に開閉可能である。ロック位置において、キャッチ部2は、爪部5によって保持される。図5は、キャッチ部2のスタンピングが明らかに可視のエッジ15を生成し、その表面は、前述したように、ラッチ表面12上にスタンプされた外形14によって特徴付けられている。このスタンプされた外形14は、図5にのみ表示されている。ラッチ表面12は、主要ラチェット位置22、すなわち、キャッチ部2が閉鎖位置において旋回して戻ることを爪部5が防止する位置を表示する。前述したように、キャッチ部2の直線状の溝17と爪部5の斜めの溝18’、19’とは係合またはインターロックできないので、爪部のラッチ表面13は、その後、キャッチ部2のラッチ表面12に寄りかかり、両方は、不必要なノイズを発生させることなく、小さな摩擦で互いにすべって通り過ぎることができる。
【0028】
座部4の最下部地点27において、エッジ15とは異なる表面を含むことが明らかであるが、これは、特に、コーティング10を含まないことで達成される。この図は、ハンガーアーム9上のキャッチ部2の滑り効果を改善するため、別の部品も同様に、この地点に挿入されていたことを示している。
【0029】
図面だけに示された特徴部を含む、前述された全ての特徴部は、別個に、或いは、組み合わせで、本発明の本質的な部分である。
図1
図2
図3
図4
図5