(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態おける弾性表面波フィルタについて図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態における弾性表面波フィルタ100の構成を概念的に示した図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態における弾性表面波フィルタ100は、圧電基板11と、圧電基板11上に同一膜厚の金属薄膜で形成された斜め電極指12〜15、一体反射器20とを備えている。なお、
図1において、構成を分かりやすくするため、斜め電極指12及び14の電極指を各4つ、斜め電極指13及び15の電極指を各3つとしている。以下、弾性表面波の伝搬方向をx軸方向といい、そのx軸方向に垂直な方向をy軸方向という。
【0014】
圧電基板11は、例えば、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、ランガサイト等の強誘電体の圧電材料で構成される。本実施形態では、圧電基板11は28度YカットLiNbO
3単結晶基板で構成され、
図1に示すような長方形の形状を有するものとする。
【0015】
斜め電極指12及び13は、例えばAlCu合金の金属薄膜により圧電基板11上に形成され、それぞれの電極指が交互に隣接するよう配置されている。また、斜め電極指12及び13は、例えば斜め電極指13が接地側になるよう電気信号源(図示省略)に接続され、この電気信号源から電気信号を入力するようになっている。なお、斜め電極指12及び13は、本発明に係る弾性表面波生成手段を構成し、斜め電極指12及び13が有する各電極指は、本発明に係る生成電極指を構成する。
【0016】
また、斜め電極指12及び13において、互いに隣接する電極指同士の間隔は、y軸方向上方に向かうに従って大きくなるよう形成されている。また、斜め電極指12及び13は、それぞれ、電極指端部12a及び13aを有する。ここで、図示のように、電極指端部13a側においては波長がλ1の弾性表面波が生成されるようになっており、線分A上における斜め電極指12及び13の電極指間隔はそれぞれλ1である。一方、電極指端部12a側においては波長がλ2の弾性表面波が生成されるようになっており、線分B上における斜め電極指12及び13の電極指間隔はそれぞれλ2である。すなわち、斜め電極指12及び13においては、電極指間隔は、最大間隔のλ1から最小間隔のλ2までの間で変化している。なお、λ1は本発明に係る第1の波長に対応し、λ2は本発明に係る第2の波長に対応する。
【0017】
他方、斜め電極指14及び15は、それぞれ、斜め電極指12及び13と同様に構成されている。すなわち、斜め電極指14及び15は、例えばAlCu合金の金属薄膜により圧電基板11上に形成され、それぞれの電極指が交互に隣接するよう配置されている。また、斜め電極指14及び15は、例えば斜め電極指15が接地側に接続され、弾性表面波を受信して電気信号に変換し、変換した電気信号を出力するようになっている。なお、斜め電極指14及び15は、本発明に係る弾性表面波受信手段を構成し、斜め電極指14及び15が有する各電極指は、本発明に係る受信電極指を構成する。
【0018】
また、斜め電極指14及び15において、互いに隣接する電極指同士の間隔は、y軸方向上方に向かうに従って大きくなるよう形成されている。また、斜め電極指14及び15は、それぞれ、電極指端部14a及び15aを有する。また、電極指端部15a側においては波長がλ1の弾性表面波が受信されるようになっており、線分A上における斜め電極指14及び15の電極指間隔はそれぞれλ1である。一方、電極指端部14a側においては波長がλ2の弾性表面波が受信されるようになっており、線分B上における斜め電極指14及び15の電極指間隔はそれぞれλ2である。すなわち、斜め電極指14及び15においても、電極指間隔は、最大間隔のλ1から最小間隔のλ2までの間で変化する構成となっている。
【0019】
前述の構成において、斜め電極指12及び13は、図示しない電気信号源から電気信号を入力し、電気信号に含まれる周波数成分のうち、電極指間隔λ1からλ2までの距離に対応した周波数成分を有する弾性表面波を、圧電基板11による圧電効果に基づいて生成するようになっている。具体的には、電極指間隔λ1において生成される弾性表面波の周波数を第1周波数とし、電極指間隔λ2において生成される弾性表面波の周波数を第2周波数とすると、斜め電極指12及び13は、入力した電気信号に含まれる周波数成分のうち第1周波数から第2周波数までの周波数成分に対応した弾性表面波を生成するようになっている。
【0020】
斜め電極指12及び13が生成した弾性表面波は、圧電基板11の表面を伝搬してx軸方向に進み、斜め電極指14及び15によって受信されるようになっている。斜め電極指14及び15は、受信した弾性表面波を、圧電基板11による圧電効果に基づいて電気信号に変換し、第1周波数から第2周波数までの周波数成分を含む電気信号を出力するようになっている。
【0021】
斜め電極指12及び13と、斜め電極指14及び15との間の圧電基板11上には、一体反射器20が設けられている。以下、一体反射器20について詳細に説明する。
【0022】
図1に示した線分Aは、電極指端部13aと電極指端部15aとを結んだ線分であり、線分Bは、電極指端部12aと電極指端部14aとを結んだ線分である。また、便宜上、線分AとBとの間を6つのチャンネルch1〜ch6(6つの周波数帯域)に等分割して示している。ch1からch6に向かうに従って電極指間は狭くなっており、ch1において最も低い周波数の弾性表面波が伝搬し、ch6において最も高い周波数の弾性表面波が伝搬する。
【0023】
一体反射器20は、例えばAlCu合金の金属薄膜により圧電基板11上に形成され、所定周波数の弾性表面波を反射するようになっている。一体反射器20は、接地に接続されている。一体反射器20は、低域反射器20aと高域反射器20bを備える。なお、一体反射器20は、本発明に係る弾性表面波反射手段を構成する。
【0024】
低域反射器20aは、y軸方向の長さが異なる第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fと、第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fの各々に電気的に接続する接続部21と、を備える。なお、第1の反射器の各々は、y軸方向の長さは、第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fの順にx軸方向に沿って短くなる。各第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fの反射器間隔は、1/2・(λ3)であり、λ1<λ3という関係を有する。
【0025】
高域反射器20bは、y軸方向の長さが異なる第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fと、第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fの各々に電気的に接続する接続部24と、を備える。なお、第2の反射器のy軸方向の長さは、第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fの順にx軸方向に沿って長くなる。各第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fの反射器間隔は、1/2・(λ4)であり、λ2>λ4という関係を有する。
【0026】
低域反射器20aは、通過帯域の低域側周波数成分を有する弾性表面波を反射するようになっている。また、高域反射器20bは、通過帯域の高域側周波数成分を有する弾性表面波を反射するようになっている。
また、
図1に示すように、チャンネルch6において、第1の反射器22aは、第2の反射器23aと電気的に接続されている。チャンネルch5において、第1の反射器22bは、第2の反射器23bと電気的に接続されている。チャンネルch4において、第1の反射器22cは、第2の反射器23cと電気的に接続されている。チャンネルch3において、第1の反射器22dは、第2の反射器23dと電気的に接続されている。チャンネルch2において、第1の反射器22eは、第2の反射器23eと電気的に接続されている。チャンネルch1において、第1の反射器22fは、第2の反射器23fと電気的に接続されている。このように、第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fの各々は、第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fの各々と電気的に接続され、その各々の接続された境界部分が複数のチャンネルに分散されている。
【0027】
次に、本実施形態における弾性表面波フィルタ100の挿入損失の周波数特性について説明する。
図2は、本実施形態における弾性表面波フィルタ100の挿入損失の周波数特性を示す図である。なお、
図2において、縦軸方向が挿入損失を示し、横軸方向が周波数を示す。
【0028】
図2に示すように、弾性表面波の合成波形110は、ch1〜ch6(
図1参照)の各領域で生成された弾性表面波の各成分が合成されたものであり、波形の立ち上がり部111と波形の立ち下がり部112とを含む。
【0029】
波形の立ち上がり部111は、電極指間隔λ1及び反射器間隔1/2・(λ3)を所望値に設定することにより得られる通過帯域の低域側の肩特性である。
低域反射器20aは、斜め電極指12及び13により生成された弾性表面波のうち、第1周波数よりも予め定めた周波数だけ低い周波数f1だけを反射するノッチフィルタであるため、波形の立ち上がり部111において、通過帯域の低域側の肩特性を急峻にする。
【0030】
波形の立ち下がり部112は、電極指間隔λ2及び反射器間隔1/2・(λ4)を所望値に設定することにより得られる通過帯域の高域側の肩特性である。
高域反射器20bは、斜め電極指12及び13により生成された弾性表面波のうち、第2周波数よりも予め定めた周波数だけ高い周波数f2だけを反射するノッチフィルタであるため、波形の立ち下がり部112において、通過帯域の高域側の肩特性を急峻にする。
また、
図2に示すように、弾性表面波の合成波形110は、第1周波数から第2周波数までの帯域内において、挿入損失がほぼ一定に推移する。
【0031】
次に、本実施形態の効果について説明する。
図3は、従来の弾性表面波フィルタ200の構成を概念的に示す図である。なお、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図3に示すように、従来の弾性表面波フィルタ200は、圧電基板11と、圧電基板11上に同一膜厚の金属薄膜で形成された斜め電極指12〜15と、一体反射器31とを備えている。一体反射器31は、低域反射器31aと高域反射器31bとを備える。
【0032】
低域反射器31aは、第1の反射器32aと、第1の反射器32aを電気的に接続する接続部32bとを備える。
低域反射器31aは、通過帯域の低域側周波数成分を有する弾性表面波を反射するようになっている。
【0033】
高域反射器31bは、第2の反射器32cと、第2の反射器32cを電気的に接続する接続部32dとを備える。
高域反射器31bは、通過帯域の高域側周波数成分を有する弾性表面波を反射するようになっている。さらに、第1の反射器32aと第2の反射器32cとが、線分AとBとの中心付近で図示のように電気的に接続されている。
【0034】
図4は、従来の弾性表面波フィルタ200の挿入損失の周波数特性を示す図である。なお、
図4において、縦軸方向が挿入損失を示し、横軸方向が周波数を示す。弾性表面波の合成波形210は、ch1〜ch6(
図1参照)の各領域で生成された弾性表面波の各成分が合成されたものであり、波形の立ち上がり部211と波形の立ち下がり部212とを含む。
【0035】
波形の立ち上がり部211は、電極指間隔λ1及び反射器間隔1/2・(λ3)を所望値に設定することにより得られる通過帯域の低域側の肩特性である。
低域反射器31aは、斜め電極指12及び13により生成された弾性表面波のうち、第1周波数よりも予め定めた周波数だけ低い中心周波数f1だけを反射するノッチフィルタであるため、波形の立ち上がり部211において、通過帯域の低域側の肩特性が急峻になっている。
【0036】
波形の立ち下がり部212は、電極指間隔λ2及び反射器間隔1/2・(λ4)を所望値に設定することにより得られる通過帯域の高域側の肩特性である。
高域反射器31bは、斜め電極指12及び13により生成された弾性表面波のうち、第2周波数よりも予め定めた周波数だけ高い中心周波数f2だけを反射するノッチフィルタであるため、波形の立ち下がり部212において、通過帯域の高域側の肩特性が急峻になっている。
【0037】
図4の矢印Aに示すように、弾性表面波の合成波形210の帯域内において、周波数f3にリプルが発生する。帯域内にリプルが発生する理由は、反射する弾性表面波の周波数が異なる反射器である低域反射器31aと高域反射器31bとの境界部分を同一チャンネル上に設けているため、その境界部分のチャンネルにおいて特性劣化が発生したからである。なお、周波数f3は、上記境界部分に対応する位置で斜め電極指12及び13により生成された弾性表面波の周波数である。
【0038】
しかしながら、上述したように、本実施形態によれば、弾性表面波フィルタ100は、反射する弾性表面波の周波数が異なる反射器である低域反射器20aと高域反射器20bとの境界部分がx軸方向において同一直線上にない。具体的には、低域反射器20aと高域反射器20bとの境界部分が複数のチャンネルに分散している。したがって、低域反射器20aと高域反射器20bとの境界部分の特性劣化が複数のチャンネルに分散されるため、弾性表面波の帯域内にリプルが発生することを防ぐことができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る弾性表面波フィルタの第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態における弾性表面波フィルタ300の構成の一例を概念的に示す図である。
図5に示すように、弾性表面波フィルタ300は、圧電基板11と、圧電基板11上に同一膜厚の金属薄膜で形成された斜め電極指12〜15、一体反射器40とを備えている。なお、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
一体反射器40は、低域反射器40aと高域反射器40bを備える。なお、一体反射器40は、本発明に係る弾性表面波反射手段を構成する。
【0041】
低域反射器40aは、第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fと、第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fの各々に電気的に接続する接続部21と、を備える。
【0042】
高域反射器40bは、y軸方向の長さが異なる第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fと、第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fの各々に電気的に接続する接続部24とを備える。
を備えている。
【0043】
第1の実施形態において、弾性表面波フィルタ100は、低域反射器20aと高域反射器20bとの境界部分の各々がx軸方向に進むにしたがって、チャンネルch6、ch5、ch4、ch3、ch2、ch1の順に分散され配置されていたが、本実施形態は、
図5に示すように、上記境界部分の各々がチャンネルch1〜ch6に分散され配置される順番は、ランダムである。
【0044】
上述したように、本実施形態によれば、弾性表面波フィルタ300は、反射する弾性表面波の周波数が異なる反射器である低域反射器40aと高域反射器40bとの境界部分が複数のチャンネルに分散している。したがって、低域反射器40aと高域反射器40bとの境界部分の特性劣化が複数のチャンネルに分散されるため、弾性表面波の帯域内にリプルが発生することを防ぐことができる。
【0045】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る弾性表面波フィルタの第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態における弾性表面波フィルタ400の構成の一例を概念的に示す図である。
図6に示すように、弾性表面波フィルタ400は、圧電基板11と、圧電基板11上に同一膜厚の金属薄膜で形成された斜め電極指12〜15、一体反射器50とを備えている。なお、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0046】
一体反射器50は、低域反射器50aと高域反射器50bを備える。なお、一体反射50器は、本発明に係る弾性表面波反射手段を構成する。
低域反射器50aは、第1の反射器22a、22d、22e、22fと、第1の反射器22a、22d、22e、22fの各々に電気的に接続する接続部21とを備える。
【0047】
高域反射器50bは、第2の反射器23a、23d、23e、23fと、第2の反射器23a、23d、23e、23fの各々に電気的に接続する接続部24とを備える。
【0048】
第1の実施形態において、弾性表面波フィルタ100は、低域反射器20aと高域反射器20bとの境界部分の各々がx軸方向に進むにしたがって、チャンネルch6、ch5、ch4、ch3、ch2、ch1の順に分散され配置されていたが、本実施形態は、
図6に示すように、上記境界部分の各々がチャンネルch1〜ch6において、2つ以上のチャンネルに分散されていればよく、1つのチャンネルに複数の上記境界部分が配置されていてもよい。
【0049】
上述したように、本実施形態によれば、弾性表面波フィルタ400は、反射する弾性表面波の周波数が異なる反射器である低域反射器50aと高域反射器50bとの境界部分がx軸方向において同一直線上にない。具体的には、低域反射器50aと高域反射器50bとの境界部分が複数のチャンネルに分散している。したがって、低域反射器50aと高域反射器50bとの境界部分の特性劣化が複数のチャンネルに分散されるため、弾性表面波の帯域内にリプルが発生することを防ぐことができる。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る弾性表面波フィルタの第4の実施形態について説明する。
図7は、第4の実施形態における弾性表面波フィルタ500の構成の一例を概念的に示す図である。
図7に示すように、弾性表面波フィルタ500は、圧電基板11と、圧電基板11上に同一膜厚の金属薄膜で形成された斜め電極指12〜15、一体反射器60とを備えている。なお、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0051】
一体反射器60は、低域反射器60aと高域反射器60bを備える。なお、一体反射50は、本発明に係る弾性表面波反射手段を構成する。
低域反射器60aは、第1の反射器22a、22b、22c、22d、22e、22fを備える。
【0052】
高域反射器60bは、第2の反射器23a、23b、23c、23d、23e、23fを備える。
【0053】
第1の実施形態において、弾性表面波フィルタ100は、低域反射器20aと高域反射器20bとの境界部分が短絡していたが、本実施形態は、
図8に示すように、低域反射器60aと高域反射器60bとの境界部分の各々が開放するように配置されている。また、低域反射器60aと高域反射器60bとの開放された境界部分は、x軸方向に進むにしたがって、チャンネルch6、ch5、ch4、ch3、ch2、ch1の順に分散され配置されている。
【0054】
上述したように、本実施形態によれば、弾性表面波フィルタ500は、反射する弾性表面波の周波数が異なる反射器である低域反射器60aと高域反射器60bとの境界部分がx軸方向において同一直線上にない。具体的には、低域反射器60aと高域反射器60bとの境界部分が複数のチャンネルに分散している。したがって、低域反射器60aと高域反射器60bとの境界部分の特性劣化が複数のチャンネルに分散されるため、弾性表面波の帯域内にリプルが発生することを防ぐことができる。
【0055】
なお、本実施形態において、第2実施形態と同様に、低域反射器60aと高域反射器60bとの開放された境界部分がチャンネルch1〜ch6に分散され配置される順番は、ランダムでもよい。
また、本実施形態において、第3実施形態と同様に、低域反射器60aと高域反射器60bとの開放された境界部分の各々がチャンネルch1〜ch6において、2つ以上のチャンネルに分散されていればよく、1つのチャンネルに複数の上記境界部分が配置されていてもよい。
【0056】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
図8は、本発明の実施形態における変形例である。
図8(a)は、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態の低域反射器と高域反射器との境界部分の変形例である。
図8(b)は、第4の実施形態の低域反射器と高域反射器との境界部分の変形例である。
第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態では、低域反射器と高域反射器との境界部分が、チャンネルに対して平行であったが、例えば
図8(a)に示すように、チャンネルに対して斜めに接続されていてもよい。
また第4実施形態では、低域反射器と高域反射器との開放された境界部分が、チャンネルに対して平行であったが、例えば
図8(b)に示すように、チャンネルに対して斜めであってもよい。
【0057】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0058】
上述した実施形態において、一体反射器31が接地に接続された場合について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、一体反射器31が接地に接続されていなくてもよい。
【0059】
また上述した実施形態において、斜め電極指12〜15は、同一膜厚の金属薄膜で形成された場合について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、同一膜厚の金属薄膜で形成されていなくてもよい。