(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フランジの上面の一部であって、前記フランジが前記トレーから突き出る方向における前記内側上面と前記外側上面との間、かつ、前記内側上面よりも低い位置に、前記袋とシールされていない中間上面が形成されている
請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージ。
前記トレーの高さ方向に沿う前記トレーの断面上において、前記内側上面のうちの前記フランジの先端側の縁と前記外側上面のうちの前記フランジの根本側の縁とを結ぶ線分と、前記内側上面を通過する線分とのなす角が、15°〜60°の範囲に含まれるように前記フランジの形状が設定されている
請求項1〜5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パッケージの袋の大きさは、主として、トレーを適切に収容できるかどうか、および、袋の製造に使用する材料に無駄が生じないかどうかという観点から設定される。一方、本願発明者は、パッケージの製造のために使用される材料をより少なくするためには、パッケージの一部分である袋だけではなく、パッケージ全体の構造を見直すことが好ましいと考えた。
【0005】
本発明の目的は、製造のために使用される材料が少なくなるパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕本パッケージの独立した一形態によれば、開口の周囲にフランジが形成されたトレー、および、前記トレーを包装した袋を有するパッケージであって、前記フランジの上面の一部である内側上面と前記袋とが互いにシールされた部分である内部シール部が形成されていることにより、前記トレーの内部の空間が前記袋により閉鎖され、前記内側上面よりも前記フランジの先端側、かつ、前記内側上面よりも高い位置に、前記袋とシールされず、前記袋のうちの前記内部シール部よりも外側の部分が持ち上げられるように前記内側上面に対する高さが設定された前記フランジの上面の一部である外側上面が形成されている。
【0007】
本パッケージの袋は、トレーの開口を閉鎖する役割、および、トレーを包装する役割を持つ。このため、トレーの開口がシートによりシールされ、さらに、このトレーが袋により包装されるパッケージと比較して、製造のために使用される材料が少なくなる。
【0008】
本パッケージによれば、さらに次の効果が得られる。食品等のように、加熱されることにより水蒸気を発生する物体がトレーに収容されている場合には、本パッケージが電子レンジ等の加熱手段により加熱されたとき、内容物から水蒸気が発生する。一方、本パッケージのトレーの開口は、袋により閉鎖されている。このため、内容物から発生した水蒸気によりトレーの内部の圧力が次第に上昇し、袋のうちのトレーの開口を閉鎖している部分が膨張し、内部シール部において袋を内側上面におけるフランジの根本側から剥離させるように力が作用する。
【0009】
そして、この力により、内部シール部の一部において袋が内側上面から剥離したとき、トレーの内部の水蒸気がその剥離した部分を介して袋のうちのトレーの周囲の空間に流れ出る。このため、その空間の圧力が次第に上昇し、袋のうちのトレーの開口を閉鎖している部分以外の部分も膨張しはじめる。
【0010】
このとき、袋のうちの外側上面よりもフランジの外側の部分が張り出すことにともない、袋の一部が外側上面と強く接触し、外側上面と袋との接触部分に力の支点が形成される。このため、袋のうちの外側上面と内側上面との間に存在する部分、すなわち、袋のうちの内部シール部よりも外側の部分は、袋のうちの外側上面よりもフランジの外側の部分から強い引っ張り力が加えられる。このため、内部シール部において袋が外側上面側に強く引っ張られることにより、シールされている袋を内側上面におけるフランジの先端側から剥離させる力が作用する。そして、袋のうちのトレーの周囲の空間の圧力が上昇しているときには、そのような力が継続して作用するため、トレーの内部の圧力の上昇により剥離しなかった内部シール部が剥離しやすくなる。
【0011】
このように、本パッケージによれば、その加熱にともなうトレーの内部の圧力の上昇により内部シール部が剥離し、さらに、そのときに剥離しない内部シール部の剥離が、外側上面と袋との接触部分に形成される力の支点に基づいて加えられる力により促される。このため、パッケージの加熱が終了したときに、内部シール部の全体において袋が内側上面から剥離している状況が形成されやすくなる。このため、エンドユーザーが、加熱されたパッケージのトレーを袋から引き出すときに、内部シール部を剥離させる必要が生じにくくなり、トレーを袋から容易に取り出しやすくなる。
【0012】
〔2〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記フランジを補強する補強部が、前記フランジのうちの前記外側上面が形成されている部分の底面から下方に向けて延びるように形成されている。
【0013】
フランジの剛性が低い場合には、パッケージの加熱にともない袋が膨張しても、内部シール部が十分に剥離しないことがある。その理由は次のように考えられる。袋の膨張にともない外側上面と袋との接触部分に力の支点が形成されているとき、外側上面が袋から力を受けている。フランジの剛性が低い場合には、そのように外側上面に加えられた力によりフランジが変形するため、そのようにフランジが変形していない場合、または、フランジの変形量が小さい場合と比較して、袋のうちの外側上面と内側上面との間に存在する部分に加えられる引っ張り力が弱くなる。このため、内部シール部において袋をトレーから剥離させる力も弱くなり、内部シール部が十分に剥離しないことがある。
【0014】
本パッケージは、このような事項を踏まえ、上記〔2〕のとおり補強部を形成している。このため、補強部が形成されていないフランジと比較してフランジの剛性が高くなり、外側上面が袋から力を受けてもフランジが変形しにくい。このため、袋のうちの外側上面と内側上面との間に存在する部分に、好ましい引っ張り力が作用することにより、内部シール部が一層剥離しやすくなる。
【0015】
〔3〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記補強部が、前記フランジの全周にわたり形成されている。
本パッケージによれば、フランジの剛性が一層高くなるため、袋のうちの外側上面と内側上面との間に存在する部分により好ましい引っ張り力が作用し、パッケージが加熱されたときに内部シール部が一層剥離しやすくなる。また、エンドユーザーが、加熱されたパッケージのトレーを袋から取り出す場合に、フランジの補強部を取っ手として利用しやすくなる。
【0016】
〔4〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記フランジの上面の一部であって、前記フランジが前記トレーから突き出る方向における前記内側上面と前記外側上面との間、かつ、前記内側上面よりも低い位置に、前記袋とシールされていない中間上面が形成されている。
【0017】
シール装置が、シールが予定された平面上の一部にシール材料をヒートシールした場合、予定された一部よりも広い範囲にシール材料がシールされることがある。このため、例えば、内側上面と中間上面とが実質的に同一の平面上に形成される場合には、袋と内側上面とがシール装置によりシールされるとき、シールが予定された内側上面だけでなく、中間上面にも袋がシールされるおそれがある。そのようにシールされた場合、内部シール部の面積が、パッケージの設計時に設定された面積よりも広くなることにより、パッケージが加熱されたときに内部シール部が十分に剥離しないおそれがある。
【0018】
本パッケージによれば、このような事項を踏まえ、上記〔4〕のとおり中間上面の位置が設定されている。このため、シール装置により袋と内側上面とがシールされるとき、袋が中間上面にもシールされることが回避され、パッケージが加熱されたときに内部シール部が一層剥離しやすくなる。
【0019】
〔5〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記内側上面に対する前記外側上面の高さが1mm以上に設定されている。
本願発明者が実施した試験によれば、内側上面に対する外側上面の高さが1mm以上に設定される場合、パッケージの加熱にともない内容物から水蒸気が発生したとき、内部シール部がより剥離しやすい。
【0020】
本パッケージによれば、この結果を踏まえ、上記〔5〕のとおり内側上面に対する外側上面の高さが設定されている。このため、そのように高さが設定されていない場合と比較して、パッケージが加熱されることにともない内部シール部が剥離しやすくなる。
【0021】
〔6〕前記パッケージに従属する一形態によれば、前記トレーの高さ方向に沿う前記トレーの断面上において、前記内側上面のうちの前記フランジの先端側の縁と前記外側上面のうちの前記フランジの根本側の縁とを結ぶ線分と、前記内側上面を通過する線分とのなす角が、15°〜60°の範囲に含まれるように前記フランジの形状が設定されている。
【0022】
本願発明者が実施した試験によれば、上記なす角が15°以上の大きさに設定される場合、パッケージの加熱にともない内容物から水蒸気が発生したとき、内部シール部がより剥離しやすい。また、上記なす角が60°以下の大きさに設定される場合、袋のうちの外側上面により持ち上げられた部分にしわが形成されにくく、好ましいパッケージの外観が保たれる。
【0023】
本パッケージによれば、この結果を踏まえ、上記〔6〕のとおりなす角が設定されている。このため、そのようになす角が設定されていない場合と比較して、パッケージが加熱されることにともない内部シール部が剥離しやすく、かつ、好ましいパッケージの外観が保たれる。
【発明の効果】
【0024】
本パッケージは、製造のために使用される材料が少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照して、パッケージ1の構成について説明する。
パッケージ1は、内容物100が載せられたトレー20、および、トレー20を包装した袋10を有する。袋10は、互いに対向する一対の積層シートの縁が互いにヒートシールされていることにより、密閉された空間である内部空間11を形成し、この内部空間11にトレー20を収容している。なお、
図1に示されている袋10の縁のドットは、一対の積層シートが互いにヒートシールされた部分である外部シール部15を示している。
【0027】
袋10を形成する積層シートは、一例として、透明な材料により形成された最外層、中間層、および、最内層が積層された3層構造により構成されている。最外層を構成する材料の一例は、ポリエチレンテレフタレートである。中間層は、一例として、印刷層、第1接着層、低密度ポリエチレン層、および、第2接着層により構成されている。印刷層は、最外層の内側に形成され、外面に絵柄および商品説明のテキスト等が印刷されている。第1接着層は、印刷層の内側に形成されている。低密度ポリエチレン層は、第1接着層の内側に形成されている。第2接着層は、低密度ポリエチレン層の内側に形成されている。
【0028】
最内層は、第2接着層の内側に形成されている。最内層を構成する材料の一例は、混合樹脂である。混合樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および、ポリブテン−1を含む。混合樹脂に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの割合の一例は、20重量%である。混合樹脂に含まれる低密度ポリエチレンの割合の一例は、60重量%である。混合樹脂に含まれるポリブテン−1の割合の一例は、20重量%である。
【0029】
外部シール部15は、エンドユーザーが加える比較的弱い力により剥離しない程度の範囲において、任意のシール強度を取り得る。外部シール部15のシール強度の好ましい範囲の一例は、8N/15mm以上かつ13N/15mm以下である。一例によれば、外部シール部15のシール強度は、9N/15mmである。
【0030】
外部シール部15の一部を袋10の主要な部分から切り取るための切り取り線12が、袋10の短手方向の一方の端部において、袋10の長手方向の全体にわたり形成されている。2つのノッチ13が、外部シール部15において切り取り線12と対応する部分に形成されている。袋10から外部シール部15の一部が切り取られたとき、袋10の開口14が開封される。
【0031】
図2Aを参照して、トレー20の構成について説明する。
トレー20を構成する材料の一例は、混合樹脂である。混合樹脂は、一例として、ポリプロピレンおよびタルクを含む。混合樹脂に含まれるポリプロピレンの割合の一例は、70重量%である。混合樹脂に含まれるタルクの割合の一例は、30重量%である。
【0032】
トレー20を構成する側壁21および底壁22は、内容物100を収容するための空間である収容空間24を形成している。側壁21により形成されたトレー20の開口23は、袋10により覆われている。
【0033】
収容空間24に向けて底壁22から突出した1つの大きな凸である底壁凸部22A、および、収容空間24に向けて底壁22から突出した複数の小さな凸である微小凸部22B(
図1参照)が、底壁22の内面に形成されている。底壁凸部22Aが形成されていることにより、底壁22上の水分および油分が内容物100に付着しにくくなる。微小凸部22Bが形成されていることにより、底壁22上に載せられている内容物100が底壁22上において滑りにくくなる。
【0034】
収容空間24とは反対側に向けて底壁22から突出した複数の小さな凸である微小凸部(図示略)が、底壁22の外面に形成されている。微小凸部が形成されていることにより、底壁22と袋10との接触面積が小さくなるため、袋10の内面上に水分が溜まったとしてもトレー20を袋10に対して動かしやすい。
【0035】
図2Bを参照して、フランジ30の構成について説明する。
袋10がシールされるフランジ30が、トレー20の開口23の周囲の全体を取り囲むように側壁21の外面に形成されている。フランジ30がトレー20から突き出ている方向であるフランジ30の短手方向において、フランジ30の根本側の部分を構成している基部40は、側壁21と接続されている。フランジ30の短手方向において、基部40よりもフランジ30の先端側の部分を構成している谷部50は、基部40と接続され、基部40に対してトレー20の底部側に形成されている。フランジ30の短手方向において、フランジ30の先端側の部分を構成している山部60は、谷部50と接続され、その一部が基部40に対して高い位置に形成されている。
【0036】
基部40の上面である内側上面41は、トレー20の高さ方向において側壁21の先端と実質的に同じ位置に形成されている。谷部50の底面である中間上面51は、トレー20の高さ方向において内側上面41よりも低い位置に形成されている。谷部50のうちの基部40と接続されている部分である谷接続部52は、トレー20の高さ方向と実質的に平行するように形成されている。
【0037】
山部60の上面である外側上面61は、トレー20の高さ方向において内側上面41よりも高い位置に形成されている。山部60のうちの谷部50と接続されている部分である山接続部62は、外側上面61から中間上面51に向かうにつれてフランジ30の短手方向の先端側から根本側に向けて傾斜している。
【0038】
フランジ30を補強する補強部63が、山部60におけるフランジ30の短手方向の先端部の底面から下方に向けて延びるように形成されている。補強部63は、フランジ30の全周にわたり形成されている。山接続部62と補強部63との間に形成されている空間は、指先が挿入できる程度の大きさを有している。このため、エンドユーザーは、補強部63を取っ手として利用することができる。
【0039】
図2Aに示されるとおり、パッケージ1によれば、内側上面41の全部と袋10の内面の一部とが互いにヒートシールされた部分である内部シール部16が形成されている。このため、トレー20の開口23が袋10の一部により閉鎖され、内容物100が収容空間24に閉じ込められている。また、内部シール部16は、内容物100から発生した水蒸気が内部空間11のうちのトレー20の周囲の空間である周囲空間11Aに移動することを妨げる。なお、
図1に示されている内側上面41のドットは、内部シール部16を示している。
【0040】
内部シール部16は、パッケージ1が搬送される過程等においてパッケージ1にかかる標準的な力により剥離しない程度の範囲において、任意のシール強度を取り得る。内部シール部16のシール強度は、外部シール部15のシール強度よりも低いことが好ましく、その好ましい範囲の一例は、6N/15mm以上かつ10N/15mm以下である。内部シール部16の一例によれば、そのシール強度は6N/15mmである。
【0041】
内側上面41に対する外側上面61の高さは、1mm以上に設定されている。
図2Bに示されるトレー20の高さ方向に沿うトレー20の断面上において、内側上面41のうちのフランジ30の先端側の縁と外側上面61のうちのフランジ30の根本側の縁とを互いに結ぶ線分LXと、内側上面41を通過する線分LYとのなす角θが、15°〜60°の範囲に含まれるようにフランジ30の形状が設定されている。
【0042】
図3〜
図9を参照して、パッケージ1の使用方法について説明する。
図3に示されるとおり、パッケージ1が電子レンジ等の加熱手段(図示略)により加熱されることにより、内容物100から水蒸気が発生し、収容空間24に閉じこめられている水蒸気により内容物100が蒸らされる。また、水蒸気の発生にともない収容空間24の圧力が次第に上昇し、袋10のうちのトレー20の開口23を閉鎖している部分が膨張し、袋10を内側上面41における収容空間24側、すなわち、内側上面41におけるフランジ30の根本側から剥離させるように作用する力が内部シール部16に加えられる。
【0043】
内部シール部16に加えられる力により、内部シール部16の一部において袋10が内側上面41から剥離したとき、収容空間24に閉じ込められていた水蒸気がその剥離した部分を介して周囲空間11Aに流れ出る。このため、周囲空間11Aの圧力が次第に上昇し、袋10のうちの周囲空間11Aを形成している部分が膨張しはじめる。
【0044】
図4は、収容空間24の圧力の上昇により、
図4に示される断面以外のいずれかの部分において、内部シール部16の一部が剥離し、周囲空間11Aの圧力が上昇しはじめた状態の一例を示している。内部シール部16により袋10と繋がっているトレー20は、周囲空間11Aの圧力が上昇して袋10が膨張することにより、パッケージ1が設置されている設置面から持ち上げられる。そして、パッケージ1が設置面から持ち上げられているとき、トレー20および内容物100の自重により、袋10を内側上面41から剥離させるように作用する力が内部シール部16に加えられる。
【0045】
袋10のうちの周囲空間11Aを形成している部分が膨張したとき、袋10のうちの外側上面61よりもフランジ30の外側の部分が張り出すことにともない、袋10の一部が外側上面61と強く接触し、外側上面61と袋10との接触部分に力の支点が形成される。このため、袋10のうちの外側上面61と内側上面41との間に存在する部分、すなわち、袋10のうちの内部シール部16よりも外側の部分は、袋10のうちの外側上面61よりもフランジ30の外側の部分から強い引っ張り力が加えられる。
【0046】
このため、内部シール部16において袋10が外側上面61側に強く引っ張られることにより、シールされている袋10を内側上面41における周囲空間11A側、すなわち、内側上面41におけるフランジ30の先端側から剥離させる力が作用する。
図5は、袋10のうちの周囲空間11Aを形成している部分が膨張することにより、内部シール部16の剥離が促されている状態の一例を示している。
【0047】
そして、袋10のうちの周囲空間11Aの圧力が上昇しているときには、上記のとおり内側上面41におけるフランジ30の先端側から袋10を剥離させるように作用する力が継続して内部シール部16に加えられるため、収容空間24の圧力の上昇により剥離していない内部シール部16の剥離が促される。
【0048】
図6に示されるとおり、袋10が外側上面61側に強く引っ張られることにより、内部シール部16の全部が剥離したとき、トレー20が袋10から完全に分離し、電子レンジの皿(図示略)等の設置面上に存在する袋10の内面上に落下する。その後も内容物100から水蒸気が発生し続けることにより周囲空間11Aの圧力がさらに上昇し、その圧力が外部シール部15を部分的に剥離させる程度の大きさに達したとき、
図7に示されるとおり、外部シール部15の一部が剥離して周囲空間11Aの水蒸気が周囲空間11Aから袋10の外部に流れ出る。このため、外部シール部15の一部が剥離していないときと比較して、袋10の内圧の上昇が抑えられる。このため、袋10の内圧が過度に上昇して袋10が破裂するような状況が生じにくくなる。
【0049】
パッケージ1の加熱が終了した後、エンドユーザーは、外部シール部15を掴んで加熱されたパッケージ1を加熱手段の外部に取り出し、
図8に示されるとおり、外部シール部15の一部を切り取り線12に沿って切り取ることにより、袋10の開口14を開封する。パッケージ1によれば、フランジ30の山部60が袋10の開口14と面しているため、開口14が開封されたとき、フランジ30の一部が開口14を介して外部を臨む。このため、エンドユーザーがフランジ30に手を掛けやすい。そして、エンドユーザーは、山部60を掴んで、
図9に示されるとおりトレー20を袋10から取り出す。
【0050】
パッケージ1によれば、以下の効果Aが得られる。
パッケージ1の袋10は、トレー20の開口23を閉鎖する役割、および、トレー20を包装する役割を持つ。このため、トレー20の開口23がシートによりシールされ、さらに、このトレー20が袋10により包装されるパッケージと比較して、製造のために使用される材料が少なくなる。
【0051】
パッケージ1によれば、比較例のパッケージと比較して以下の有利な効果が得られる。
第1の比較例のパッケージは、フランジ30の谷部50および山部60が存在していない点において実施形態のパッケージ1と相違し、その他の点においてパッケージ1と実質的に同じ構成を有する。第1の比較例のパッケージによれば、上記効果Aと同様の効果が得られる一方、本願発明者が実施した試験により次の問題が存在することが確認されている。
【0052】
第1の比較例のパッケージが加熱されたとき、パッケージ1と同様に最初に内部シール部の一部が剥離し、収容空間に閉じ込められていた水蒸気が周囲空間に流れ、周囲空間の圧力が上昇して袋が全体的に膨張し、外部シール部が剥離する。しかし、パッケージの加熱が終了したとき、剥離していない内部シール部が存在している頻度が高い。剥離していない内部シール部が存在している場合には、エンドユーザーが、袋からトレーを引き出す前にその内部シール部を剥離させる必要が生じる。このため、パッケージの利便性が低下する。
【0053】
第2の比較例のパッケージは、フランジ30の山部60が存在していない点において実施形態のパッケージ1と相違し、その他の点においてパッケージ1と実質的に同じ構成を有する。第2の比較例のパッケージによれば、上記効果Aと同様の効果が得られる一方、本願発明者が実施した試験により次の問題が存在することが確認されている。
【0054】
第2の比較例のパッケージが加熱されたとき、パッケージ1と同様に最初に内部シール部の一部が剥離し、収容空間に閉じ込められていた水蒸気が周囲空間に流れ、周囲空間の圧力が上昇して袋が全体的に膨張する。そして、袋の膨張にともないフランジの先端部分である谷部の先端と袋の一部とが強く接触して力の支点が形成されることにより、内部シール部において袋を内側上面から剥離させるように作用する力が袋に加えられる。
【0055】
このように、第2の比較例のパッケージによれば、内部シール部の剥離が促されるため、パッケージの加熱が終了したとき、第1の比較例のパッケージと比較して、剥離していない内部シール部が存在している頻度が低くなる。しかし、このパッケージにおいても、より利便性が高いパッケージを提供する側面からすると、内部シール部の剥離しやすさについてさらなる改善を加えることが好ましい。
【0056】
一方、パッケージ1によれば、その加熱にともなう収容空間24の圧力の上昇により内部シール部16が剥離し、さらに、そのときに剥離しない内部シール部16の剥離が、外側上面61と袋10との接触部分に形成される力の支点に基づいて加えられる力により促される。このため、パッケージ1の加熱が終了したときに、各比較例のパッケージと比較して、剥離していない内部シール部16が存在している頻度が低くなる。このため、エンドユーザーが、加熱されたパッケージ1のトレー20を袋10から引き出すときに、内部シール部16を剥離させる必要が生じにくくなる。このように、パッケージ1によれば、各比較例のパッケージと比較して高い利便性が得られる。
【0057】
パッケージ1によれば、さらに、以下の作用および効果が得られる。
(1)パッケージの加熱が終了したときに、剥離していない内部シール部が存在している頻度を低減する方法として、内部シール部のシール強度を低く設定する方法が考えられる。しかし、この方法により形成されるパッケージによれば、そのパッケージがエンドユーザーに提供されるまでの流通過程等において加えられる力により、内部シール部が剥離し、内容物がトレーの収容空間からこぼれるおそれがある。さらには、そのように内部シール部が剥離している場合には、そのパッケージを加熱手段により加熱しても内容物が蒸らされにくい。このように、上記パッケージによれば、エンドユーザーがパッケージを加熱調理する前に内部シール部が剥離し、パッケージに求められる本来の機能が損なわれるおそれがある。
【0058】
一方、パッケージ1によれば、内部シール部16のシール強度を上記のように低く設定する方法を採用せず、内部シール部16の剥離を促すための山部60をフランジ30に形成している。このため、エンドユーザーがパッケージ1を加熱調理する前に内部シール部16が剥離するおそれが低く、かつ、その加熱調理にともない内容物100が適切に蒸らされやすくなる。
【0059】
(2)パッケージ1によれば、補強部63がフランジ30に形成されている。このため、補強部63が形成されていないフランジ30と比較してフランジ30の剛性が高くなり、外側上面61が袋10から力を受けてもフランジ30が変形しにくい。このため、袋10のうちの外側上面61と内側上面41との間に存在する部分に、好ましい引っ張り力が作用することにより、内部シール部16が一層剥離しやすくなる。
【0060】
(3)パッケージ1によれば、補強部63が、フランジ30の全周にわたり形成されている。このため、フランジ30の剛性が一層高くなることにより、袋10のうちの外側上面61と内側上面41との間に存在する部分により好ましい引っ張り力が作用し、パッケージ1が加熱されたときに内部シール部16が一層剥離しやすくなる。また、エンドユーザーが、加熱されたパッケージ1のトレーを袋10から取り出す場合に、フランジ30の補強部63を取っ手として利用しやすくなる。
【0061】
(4)パッケージ1によれば、中間上面51が、トレー20の高さ方向において内側上面41よりも低い位置に形成されている。このため、シール装置により袋10と内側上面41とがシールされるとき、袋10が中間上面51にもシールされることが回避され、パッケージ1が加熱されたときに内部シール部16が一層剥離しやすくなる。
【0062】
(5)本願発明者が実施した試験によれば、内側上面41に対する外側上面61の高さが1mm以上に設定される場合、パッケージ1の加熱にともない内容物100から水蒸気が発生したとき、内部シール部16がより剥離しやすい。
【0063】
パッケージ1によれば、この結果を踏まえ、内側上面41に対する外側上面61の高さが1mm以上の高さに設定されている。このため、そのように高さが設定されていない場合と比較して、パッケージ1が加熱されることにともない内部シール部16が剥離しやすくなる。
【0064】
(6)本願発明者が実施した試験によれば、線分LXと線分LYとのなす角θが15°以上の大きさに設定される場合、パッケージ1の加熱にともない内容物100から水蒸気が発生したとき、内部シール部16がより剥離しやすい。また、上記なす角θが60°以下の大きさに設定される場合、袋10のうちの外側上面61により袋10の内側から持ち上げられた部分にしわが形成されにくく、好ましいパッケージ1の外観が保たれる。
【0065】
パッケージ1によれば、この結果を踏まえ、上記なす角θが15°〜60°の範囲に含まれるようにフランジ30の形状が設定されている。このため、そのようになす角θが設定されていない場合と比較して、パッケージ1が加熱されることにともない内部シール部16が剥離しやすく、かつ、好ましいパッケージ1の外観が保たれる。
【0066】
本パッケージが取り得る具体的な形態は、上記実施形態に例示された形態に限定されない。本パッケージは、本発明の目的が達成される範囲において、上記実施形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記実施形態の変形例は、本パッケージが取り得る各種の形態の一例である。
【0067】
・変形例のパッケージ1によれば、フランジ30の一部において実施形態の谷部50および山部60が省略されている。例えば、フランジ30のうちのトレー20の短手方向に延びる側壁21と対応する部分において、谷部50および山部60が省略される。本変形例1のパッケージ1によれば、フランジ30の別の一部、すなわち、フランジ30のうちのトレー20の長手方向に延びる側壁21と対応する部分に山部60が形成されているため、実施形態のパッケージ1により得られる効果に準じた効果が得られる。
【0068】
・変形例のパッケージ1によれば、内側上面41のうちの比較的狭い一部の範囲が袋10とヒートシールされず、内側上面41のその他の部分が袋10とヒートシールされる。この場合には、実施形態のパッケージ1と比較して、内容物100から発生した水蒸気がより早い時期に収容空間24から周囲空間11Aに流れ出る。一方、内側上面41においてヒートシールされていない部分の面積が比較的狭いことにより、収容空間24に比較的多くの水蒸気が滞留する。このため、本変形例のパッケージ1においても、その加熱にともない内容物100が適切に蒸らされる。
【0069】
・変形例のパッケージ1によれば、実施形態のフランジ30の谷部50が省略され、基部40と山部60とが直接的に接続される。
・変形例のパッケージ1によれば、フランジ30の中間上面51が、トレー20の高さ方向における内側上面41と外側上面61との間の位置、または、トレー20の高さ方向における内側上面41と同じ位置に形成される。
【0070】
・変形例のパッケージ1によれば、フランジ30の全周ではなくフランジ30の一部に補強部63が形成される。例えば、フランジ30のうちのトレー20の長手方向に延びる部分に補強部63が形成され、フランジ30のうちのトレー20の短手方向に延びる部分には補強部63が形成されない。
【0071】
・変形例のパッケージ1によれば、外部シール部15のうちの比較的狭い一部の範囲のシール強度が、外部シール部15の他の部分のシール強度よりも低く設定される。この場合には、パッケージ1の加熱による周囲空間11Aの圧力が上昇したとき、外部シール部15のうちのシール強度が低く設定された部分が、外部シール部15の他の部分よりも先に剥離する。このため、周囲空間11Aの圧力の上昇にともない袋10が破裂するおそれがより低減される。一方、外部シール部15においてシール強度が低く設定される部分の面積が比較的狭いことにより、その部分が剥離しても、周囲空間11Aに比較的多くの水蒸気が滞留する。このため、本変形例のパッケージ1においても、外側上面61側から内部シール部16に加えられる力により、内部シール部16の剥離が促される。
【0072】
・変形例のパッケージ1によれば、内部シール部16のうちの比較的狭い一部の範囲のシール強度が、内部シール部16の他の部分のシール強度よりも低く設定される。この場合には、パッケージ1の加熱による収容空間24の圧力が上昇したとき、内部シール部16のうちのシール強度が低く設定された部分が、内部シール部16の他の部分よりも先に剥離する。このため、実施形態のパッケージ1と比較して、内容物100から発生した水蒸気がより早い時期に収容空間24から周囲空間11Aに流れ出る。一方、内部シール部16においてシール強度が低く設定される部分の面積が比較的狭いことにより、その部分が剥離しても、収容空間24に比較的多くの水蒸気が滞留する。このため、本変形例のパッケージ1においても、その加熱にともない内容物100が適切に蒸らされる。