(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、操作者の操作部に対する操作の要領によっては、操作力が複数の軸方向に同時にかかるような場合がある。すなわち、複数方向の操作力が混合されたような操作の場合、例えば、操作面に沿う方向の操作力とz軸方向の操作力とが混合されるような操作の場合であると、正確な操作力の位置検出ができない。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、操作力の位置検出の精度を向上することができる操作入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
本発明では、操作用の操作面(121a)を有する操作部(120)と、
操作部(120)に加えられた力により弾性変形する起歪体(140)と、
操作部(120)と起歪体(140)とを連結し、操作部(120)に加えられた力により、少なくとも一部が変形する連結体(130、130A)と、
起歪体(140)の変形を検出する少なくとも4つの歪検出部(150)と、
歪検出部(150)のそれぞれの歪検出結果に基づいて、操作部(120)に加えられた力を操作力として算出する操作力算出部(170)と、
操作部(120)を固定する固定部(160)と、を備える操作入力装置において、
操作部(120)の操作面(121a)側の周囲には、操作面(121a)
の拡がる方向に突出する突部(122a)が設けられ、
操作部(120)の操作面(121a)とは反対側の端部(122b)が、固定部(160)に固定されて
おり、
操作部(120)の側面は、操作面(121a)側から端部(122b)側に向けて負の勾配が設けられており、
負の勾配によって、操作面(121a)側の周囲に突部(122a)が形成されていることを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、操作部(120)を操作面(121a)に沿う方向に操作する場合、操作部(120)に突部(122a)を設けていることから、突出する突部(122a)に操作力が加えられる形となる。このとき、操作部(120)の端部(122b)は固定部(160)に固定されていることから、操作面(121a)から端部(122b)側に向かう力は作用しないものとなる。また、操作面(121a)から端部(122b)とは反対側に向かう力も作用しないものとなる。よって、操作面(121a)に沿う方向の操作力に対して、操作面(121a)および端部(122b)間を繋ぐ方向の操作力が混合されるような操作が行われないものとなる。したがって、混合力の作用によって正確な操作力の位置検出ができなくなることを防止できる。
【0010】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における操作入力装置100の構成ついて、
図1〜
図5を用いて説明する。
図1に示すように、操作入力装置100は、例えば、車両用のナビゲーション装置10に対する操作用の入力を行う装置となっている。操作入力装置100の対象機器としては、上記ナビゲーション装置10の他にも、空調装置、オーディオ機器等、種々の機器に対応することが可能である。
【0014】
図2に示すように、操作入力装置100は、操作部120、連結体130、起歪体140、歪検出部150、固定台160、および信号処理部170等を備えている。そして、連結体130、起歪体140、および歪検出部150は、操作部120の内部に配置されている。
【0015】
操作部120は、操作板121、ダイアル部122、および軸部123を有している。操作板121は、円形の板状部材となっている。操作板121の外側の面(
図2(a)の上側の面)は、操作面121aとなっている。操作板121は、操作者が、指操作(タッチ、ドラッグ等)するための、いわゆるタッチパッドとなっている。
【0016】
操作板121には、操作板121の中心を原点として操作板121の板面方向に沿うx軸とy軸、および原点を通り操作板121に垂直方向となるz軸とが定義されている。本実施形態では、例えば、車両において、x軸方向は左右方向、y軸方向は前後方向、z軸方向は上下方向にそれぞれ対応するようになっている。操作板121は、操作者が主に指先でタッチ(あるいは、ドラッグ)等をすることでx、y座標上のz軸方向への入力が可能となっている。
【0017】
ダイアル部122は、扁平な円筒状部材であり、操作板121の操作面121aとは反対側の面に対向するように配置されている。ダイアル部122(操作部120)は、操作者が主に外周部を指で摘まんで操作することで、x、y、z軸方向への移動による入力、およびz軸周りの回転による入力が可能となる入力用の部材となっている。ダイアル部122の操作板121側は円筒状開口を閉塞する閉塞面122cとなっており、閉塞面122cの中央には、軸用孔122dが穿設されている。また、ダイアル部122の閉塞面122cとは軸方向に反対側となる端部122bは、開口されている。開口された端部122bの周囲は、後述する固定台160に固定されている。
【0018】
ダイアル部122の側面122eには、閉塞面122c側から端部122b側に向けて、負の勾配が設けられている。つまり、ダイアル部122は、閉塞面122c側から端部122b側に向けて、
図2(a)に示すように、直径が小さくなるような逆台形状に形成されている。よって、ダイアル部122の閉塞面122c側の角部は鋭角に形成されて、この角部は、周方向にわたって操作面121aの拡がる方向に突出する突部122aとなっている。
【0019】
軸部123は、断面円形の棒状の部材であり、一端側が操作板121のダイアル部122側となる面の中心部に接合されている。また軸部123は、ダイアル部122の軸用孔122dに挿通され、軸部123は軸用孔122dの内周面に接合されている。つまり、操作板121、ダイアル部122、および軸部123は、一体的に接合されて操作部120を形成している。軸部123の他端側は、ダイアル部122の内部の中間位置近傍に延設されている。
【0020】
連結体130は、操作部120と、後述する起歪体140とを連結すると共に、操作部120に加えられた力により、少なくとも一部が変形する連結部材となっている。連結体130は、
図2(a)に示すように、断面が逆U字状(門型状)に形成されて、軸部123の他端側と、ダイアル部122の端部122bとの間に位置するように配置されている。連結体130のU字状の底部側中央が軸部123に接合されている。また、連結体130のU字状の開口側が、それぞれ、起歪体140に接合されている。
【0021】
起歪体140は、連結体130に接続されて、操作部120に加えられた操作力によって、弾性変形するI字状の板状部材となっている。起歪体140は2つ設けられている。1つは第1起歪体140aであり、もう一つは第2起歪体140bとなっている。各起歪体140a、140bは、同一の構成となっており、長手方向が互いに平行となるように、且つ、連結体130のU字状の開口側の2点を結ぶ仮想線に対して直交するように配置されている。各起歪体140a、140bは、中央固定部141、端部側固定部142、143、素子設定部144を有している。
【0022】
中央固定部141は、I字状の長手方向の中央部に対応する部位であり、また、端部側固定部142、143は、I字状の長手方向の両端部に対応する部位となっている。そして、各起歪体140a、140bの中央固定部141は、連結体130の逆U字状の開口側にそれぞれ固定されている。また、各起歪体140a、140bの端部側固定部142、143は、後述する固定台160に固定されている。
【0023】
素子設定部144は、中央固定部141と端部側固定部142、143との間に形成されて、後述する歪検出部150が配置される領域となっている。素子設定部144は、第1、第2起歪体140a、140bにおいて、それぞれ2箇所ずつ、合計4箇所設けられている。
図2(b)に示すように、第1起歪体140aの2つの素子設定部144に対応する領域を、以下、第1領域1401および第4領域1404と呼ぶことにする。同様に、第2起歪体140bの2つの素子設定部144に対応する領域を、以下、第2領域1402および第3領域1403と呼ぶことにする。
【0024】
歪検出部150は、起歪体140の素子設定部144に固定されて、操作部120に加えられる操作力による連結体130の変形に伴う起歪体140の変形を検出する検出部となっている。歪検出部150は、各起歪体140a、140bの4箇所の素子設定部144に対応するように、4つ設けられている。4つの歪検出部150は、第1歪検出部151、第2歪検出部152、第3歪検出部153、および第4歪検出部154である。
【0025】
第1歪検出部151は、第1起歪体140aの第1領域1401に配置されている。また、第2歪検出部152は、第2起歪体140bの第2領域1402に配置されている。また、第3歪検出部153は、第2起歪体140bの第3領域1403に配置されている。また、第4歪検出部154は、第1起歪体140aの第4領域1404に配置されている。
【0026】
更に、各歪検出部151〜154は、
図2(b)に示すように、それぞれ4つの歪検出素子を有している。つまり、第1歪検出部151は、歪検出素子151a、151b、151c、151dを有している。同様に、第2歪検出部152は、歪検出素子152a、152b、152c、152dを有している。同様に、第3歪検出部153は、歪検出素子153a、153b、153c、153dを有している。同様に、第4歪検出部154は、歪検出素子154a、154b、154c、154dを有している。
【0027】
本実施形態では、各歪検出部151〜154の歪検出素子151a〜151d、152a〜152d、153a〜153d、154a〜154dとしては、例えば、起歪体140(第1、第2起歪体140a、140b)の変形に伴って自身の電気抵抗値が変化する歪検出素子(歪ゲージ)が使用されている。
【0028】
各歪検出部151〜154においては、ぞれぞれ、4つの歪検出素子151a〜151d、152a〜152d、153a〜153d、154a〜154dによって、
図5(b)に示すような、ブリッジ回路が形成されている。そして、各ブリッジ回路の中点の電圧(Vout)がそれぞれ後述する信号処理部170に出力されるようになっている。
【0029】
固定台160は、操作部120の端部122b、および各起歪体140a、140bを固定する固定部であり、例えば、板状部材から形成されている。固定台160の各起歪体140a、140b側の面(以下、上面)には、各起歪体140a、140bの長手方向に沿う2つの溝部161が形成されている。各溝部161の長手方向端部側となる固定台160の上面には、各起歪体140a、140bの端部側固定部142、143が固定されている。よって、各起歪体140a、140bの端部側固定部142、143以外の部位は、固定台160に接触しないようになっている。
【0030】
信号処理部170は、固定台160に設けられた操作力算出部である。信号処理部170は、各歪検出部151〜154から出力される出力電圧を基に、操作板121に作用された操作力の大きさ、操作力の位置(操作位置)を算出する。また、信号処理部170は、ダイアル部122に作用された操作力の方向(x、y、z軸方向)、大きさ、更にはz軸周りのモーメントの方向および大きさを算出する。そして、算出された結果に基づいて、ナビゲーション装置10の表示作動が制御されるようになっている。例えば、メニューアイコンの選択、決定、地図上における自車位置の表示や目的地案内表示等の画面切替え、更には地図のスクロール表示等を可能とする。
【0031】
次に、上記のように構成される操作入力装置100の作動について、詳細に説明する。
【0032】
図3、
図4に示すように、操作者によって操作板121、あるいはダイアル部122が操作されると、操作力(fz、fy等)が連結体130を介して、起歪体140(140a、140b)に伝達される。すると、加えられた力に応じて、起歪体140には、引張り、あるいは圧縮等の変形が発生する。
図5(a)に示すように、引張り変形が発生する領域の歪検出素子(
図3の151a、151b)における抵抗値は、増加するように変化する。逆に、圧縮変形が発生する領域の歪検出素子(
図3の151c、151d、
図4の151a〜151d)における抵抗値は、減少するように変化する。そして、ブリッジ回路において、各歪検出素子151a〜151dの抵抗値の変化によって、出力電圧値が変化する。
【0033】
操作板121、あるいはダイアル部122へ加えられる操作力の位置、向き、および大きさに応じて、各歪検出部151〜154における出力電圧値がそれぞれ異なる。よって、信号処理部170は、各歪検出部151〜154における出力電圧値を確認することで、操作板121、あるいはダイアル部122へ加えられる操作力の位置、向き、および大きさを把握することができる。
【0034】
以下、具体的な操作の違いに対する操作力の把握方法について、
図6、
図7を加えて説明する。
【0035】
1.操作板121に対してz軸方向に操作力が加えられる場合
図6に示すように、操作者の操作板121に対するタッチ操作(タップ)によって、座標位置x1、y1にz軸方向の操作力Fzが加えられたとする。各歪検出部151〜154に伝達されるz軸方向の力は、fz1、fz2、fz3、fz4であり、
(数1)
Fz=fz1+fz2+fz3+fz4
である。
【0036】
また、原点から歪検出部151、154までのx軸方向の距離、および原点から歪検出部152、153までのx軸方向の距離をそれぞれwとすると、操作力Fxによるy軸周りのモーメントFx・x1は、
(数2)
Fx・x1=(fz1+fz4)・w−(fz2+fz3)・w
である。
【0037】
また、力fz1と力fz4との差によってx軸周りに発生するモーメントをmz1とし、力fz2と力fz3との差によってx軸周りに発生するモーメントをmz2とすると、操作力Fxによるx軸周りのモーメントFx・y1は、
(数3)
Fx・y1=mz1+mz2
である。
【0038】
よって、数式1と数式2より、
(数4)
x1={(fz1+fz4)−(fz2+fz3)}・w/(fz1+fz2+fz3+fz4)
と、算出することができる。
【0039】
また、数式1と数式3より、
(数5)
y1=(mz1+mz2)/(fz1+fz2+fz3+fz4)
と、算出することができる。
【0040】
つまり、各歪検出部151〜154から得られる力fz1〜fz4、およびモーメントmz1、mz2から、加えられた操作力の位置(x、y座標位置)を把握することができる。
【0041】
2.操作部120に対して、各軸方向、およびz軸周りに操作力が加えられる場合
(1)x軸方向に力が加えられる場合
図7(a)に示すように、操作部120に対してx軸方向の操作力Fxが加えられた場合、第1起歪体140aの中央部(中央固定部141)には、z軸のマイナス方向に力Fx1が作用する。これにより、第1歪検出部151および第4歪検出部154には、z軸のマイナス方向にそれぞれ力fz1、fz4が作用する。
【0042】
また、第2起歪体140bの中央部(中央固定部141)には、z軸のプラス方向に力Fx2が作用する。これにより、第2歪検出部152および第3歪検出部153には、z軸のプラス方向にそれぞれ力fz2、fz3が作用する。
(2)y軸方向に力が加えられる場合
図7(b)に示すように、操作部120に対してy軸方向の操作力Fyが加えられた場合、第1起歪体140aの中央部(中央固定部141)には、y軸のマイナス方向に力Fy1が作用する。そして、力Fy1に基づくモーメントにより、第1歪検出部151にはz軸のプラス方向に力fz1が作用し、第4歪検出部154にはz軸のマイナス方向に力fz4が作用する。
【0043】
また、第2起歪体140bの中央部(中央固定部141)には、y軸のマイナス方向に力Fy2が作用する。そして、力Fy2に基づくモーメントにより、第2歪検出部152にはz軸のプラス方向に力fz2が作用し、第3歪検出部153には、z軸のマイナス方向に力fz3が作用する。
(3)z軸方向に力(引き上げあるいは押し下げ)が加えられる場合
図7(c)に示すように、操作部120に対してz軸方向の操作力Fzが加えられた場合(ここでは引き上げ方向)、第1起歪体140aの中央部(中央固定部141)には、z軸のプラス方向に力Fz1が作用する。これにより、第1歪検出部151および第4歪検出部154には、z軸のプラス方向にそれぞれ力fz1、fz4が作用する。
【0044】
また、第2起歪体140bの中央部(中央固定部141)には、z軸のプラス方向に力Fx2が作用する。これにより、第2歪検出部152および第3歪検出部153には、z軸のプラス方向にそれぞれ力fz2、fz3が作用する。
(4)y軸方向に力が加えられる場合
図7(d)に示すように、操作部120に対してz軸周りの操作力Mzが加えられた場合、第1起歪体140aの中央部(中央固定部141)には、y軸のプラス方向に力Mz1が作用する。そして、力Mz1に基づくモーメントにより、第1歪検出部151にはz軸のマイナス方向に力fz1が作用し、第4歪検出部154にはz軸のプラス方向に力fz4が作用する。
【0045】
また、第2起歪体140bの中央部(中央固定部141)には、y軸のマイナス方向に力Mz2が作用する。そして、力Mz2に基づくモーメントにより、第2歪検出部152にはz軸のプラス方向に力fz2が作用し、第3歪検出部153にはz軸のマイナス方向に力fz3が作用する。
【0046】
上記(1)〜(4)より、各操作力Fx、Fy、Fz、Mzに応じて、各歪検出部151〜154に発生する力fz1〜fz4の向きの組み合わせがすべて異なるものとなる。よって、力fz1〜fz4の向きの組み合わせの違いから、操作部120に対するいずれの軸方向の操作であるか、あるいはz軸周りの回転操作であるかを検出することが可能となる。つまり、x、y、z軸の3軸方向の操作力、およびz軸周りの回転操作力の検出が可能となる。
【0047】
3.操作部120に対して、操作面121aに沿う方向に操作力が加えられる場合
操作面121aに沿う方向、つまり、x軸方向あるいはy軸方向(あるいはx軸y軸の任意の方向)に操作部120(ダイアル部122)を操作する場合、操作部120に突部122aを設けていることから、突出する突部122aに操作力が加えられる形となる。このとき、操作部120の端部122bは固定台160に固定されていることから、操作面121aから端部122b側に向かう力(z軸のマイナス方向の力)は作用しないものとなる。また、操作面121aから端部122bとは反対側に向かう力(z軸のプラス方向の力)も作用しないものとなる。よって、操作面121aに沿う方向の操作力に対して、操作面121aおよび端部122b間を繋ぐ方向(z軸方向)の操作力が混合されるような操作が行われないものとなる。したがって、混合力の作用によって正確な操作力の位置検出ができなくなることを防止できる。
【0048】
(第2実施形態)
第2実施形態の操作入力装置100Aを
図8に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、連結体130の形状を変更して、連結体130Aとしたものである。
【0049】
連結体130Aは、複数回折り返された単一の板バネによって形成されている。板バネは、例えばプレス加工によって形成される。連結体130Aの一部は、細く形成されている。また、板バネの折り返し回数、板バネのx軸方向あるいはy軸方向の幅寸法、および、板バネのz軸方向の折り返す高さ等が所定の条件で設定されている。
【0050】
連結体130Aには、操作部120、および起歪体140を固定する以外に、操作部120に加えられた操作力を起歪体140に伝える働きをする。特に、z軸周りのモーメントに対しては、連結体130Aの一部を細くすることで、より起歪体140の変形を大きくする効果が得られる。この連結体130Aに板バネを使用することで、上記連結体130Aとしての作用に加えて、弾性体としての作用も兼ね備えるものとなる。弾性体があることで、操作力に対して操作部120が変位し易くなり、操作者が操作力を加えたことが容易に分かるようになる。
【0051】
また、板バネを、何回も折り返した構成とすることで、折り返しの回数や長さ等を調整することで、x軸方向の力とy軸方向の力に対する操作部120の変位をほぼ等しくし、違和感のない操作フィーリングを実現できる。
【0052】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、操作部120における突部122aを、ダイアル部122の側面122eに負の勾配を持たせることで形成するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、ダイアル部122を断面一定の円筒状に形成して、操作板121側の端部の周囲において、操作面121aに沿う方向に突出する突部としてもよい。
【0053】
また、起歪体140を、I字状を成す第1起歪体140a、および第2起歪体140bとから形成するようにしたが、1枚の平板をL字状に折り曲げて1つの起歪体から構成するようにしてもよい。このとき、4つの歪検出部151〜154を一体的に構成して、1枚の起歪体に配置するようにしてもよい。あるいは、独立した各歪検出部151〜154をそれぞれ、1枚の起歪体に配置するようにしてもよい。
【0054】
また、操作板121の操作面121aに、溝、凹部、凸部等を設けるようにしてもよい。溝は、例えば、x軸方向に延びる溝として、指によるスライド操作を安定化させることができる。また、例えば、操作面121aの中心部に凹部、あるいは凸部を設けることで、操作者は、操作板121を直接見ることなく、手の感覚だけで基準位置を確認し、適切な操作を行うことが可能となる。
【0055】
また、歪検出部150の各歪検出部151〜154は、それぞれ4つの歪検出素子151a〜151d、152a〜152d、153a〜153d、154a〜154dから形成されるものとした。しかしながら、これに限らず、最小限、それぞれ1つの歪検出素子から形成されるものとしてもよい。つまり、歪検出部150は、少なくとも4つあればよい。
【0056】
また、操作入力装置100、100Aにおけるx軸の方向を左右方向、y軸の方向を前後方向、z軸の方向を上下方向と定義したが、これに限定されることはない。操作入力装置100、100Aを取り付ける場所によっては、例えば、x軸の方向を左右方向、y軸の方向を上下方向、z軸の方向を前後方向としてもよい。
【0057】
また、操作部120(操作板121)の形状は、円筒状に限らず、多角形等としてもよい。