特許第6387779号(P6387779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6387779-ベッド 図000002
  • 特許6387779-ベッド 図000003
  • 特許6387779-ベッド 図000004
  • 特許6387779-ベッド 図000005
  • 特許6387779-ベッド 図000006
  • 特許6387779-ベッド 図000007
  • 特許6387779-ベッド 図000008
  • 特許6387779-ベッド 図000009
  • 特許6387779-ベッド 図000010
  • 特許6387779-ベッド 図000011
  • 特許6387779-ベッド 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6387779
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/02 20060101AFI20180903BHJP
【FI】
   A47C19/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-208240(P2014-208240)
(22)【出願日】2014年10月9日
(65)【公開番号】特開2016-77309(P2016-77309A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(72)【発明者】
【氏名】浜島 文男
(72)【発明者】
【氏名】守本 宏司
(72)【発明者】
【氏名】井戸 博之
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−121441(JP,A)
【文献】 特開2009−019793(JP,A)
【文献】 米国特許第03351960(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボードを備えたベッドであって、
前記ヘッドボードは、上下方向に貫通する断面長方形状の枠部と、前記枠部の上部を覆う第一位置、および前記第一位置より上下方向において下方の第二位置に位置決め可能な板状の棚板と、を備え、
前記棚板の一端部は、前記棚板の裏面から延びるように設けられた脚部を備え、
前記枠部は、前記棚板が前記第一位置に位置決めされている場合、前記棚板の他端部を支持する第一支持部と、前記棚板が前記第一位置に位置決めされている場合、前記脚部を支持し、前記棚板が前記第二位置に位置決めされている場合、前記棚板の表面および前記裏面の一方を支持する板状の第二支持部と、を備えているベッド。
【請求項2】
前記第二支持部は、前記棚板が前記第二位置に位置決めされている場合、前記棚板の前記裏面を支持する請求項1記載のベッド。
【請求項3】
前記棚板の前記脚部は、前記棚板の一端から所定距離離れた位置に設けられ、
前記枠部は、板状に形成され、上面が前記第二支持部の上面と上下方向において同一位置に位置するように、かつ、一端が前記第二支持部の他端との間に隙間を形成するように配設されて、前記棚板を支持する第三支持部をさらに備え、
前記棚板の前記脚部は、前記棚板が前記第二位置に位置決めされている場合、前記隙間に挿入されている請求項2記載のベッド。
【請求項4】
前記隙間の大きさは、前記棚板の前記表面と前記脚部の下端との間の長さより小さく設定されている請求項3記載のベッド。
【請求項5】
前記第三支持部における前記棚板の前記一端部を支持する部位は、前記棚板が前記第二位置に位置決めされているとき、前記棚板の前記一端部が上方から押さえつけられた場合、前記棚板の前記他端部が持ち上がるように前記棚板が傾動する支点を有している請求項3または請求項4記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに関し、特に、ヘッドボードを有するベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドボードを有するベッドの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。ベッドに配設されたヘッドボードは、特許文献1の図2に示すように、上方に向けて開口する収納空間Sおよび収納空間Sの開口部を覆う蓋板27を備えている。蓋板27は、収納空間S内にて突出する複数の凸部(係合凸部211a,211b,221c,221d)によって支持されている。収納空間S内や蓋板27の上面は、例えば携帯電話等の小物を置くことができるようになっている。
しかしながら、特許文献1のヘッドボードの収納空間Sが、例えば雑誌程度の大きさの物品を立て掛けて使用される場合、収納空間Sの開口部からその物品の上部が出てしまうため、収納空間Sは、蓋板27が取り外された状態にて使用される。この場合、蓋板27を置く場所を別途確保する必要が生じる。
【0003】
これを解消するために、特許文献2の図1に示す収納棚1の可動棚板2のように、蓋板27を上下方向に移動可能とし、収納空間Sの底壁に代えて、蓋板27を収納空間Sの底板にすることが考えられる。すなわち、この場合、蓋板27は、収納空間Sの蓋としての上方位置および収納空間Sの底板としての下方位置に位置決め可能に構成される。また、この場合、複数の凸部についても、蓋板27を支持するために、特許文献2の図1に示す収納棚1の棚受けダボ5,6のように、蓋板27の位置に合わせて上方位置および下方位置に位置決め可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−121441号公報
【特許文献2】特開2004−130044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、凸部は、ヘッドボードの各側板21,22に形成された孔に一端部が埋設された丸棒の他端部によって構成されている。よって、蓋板27が下方位置に位置する場合、すなわち、凸部(丸棒)が下方位置に位置する場合、丸棒の上方位置にて、丸棒が取り外された複数の孔が収納空間Sの開口部から視認可能となる。この場合、ヘッドボードひいてはベッドの意匠性が損なわれる。
そこで、本発明は、上述した課題を解消するためになされたもので、ヘッドボードを有するベッドにおいて、ヘッドボードが、上下方向に移動可能な棚板を有する場合においても、ヘッドボードひいてはベッドの意匠性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係るベッドは、ヘッドボードを備えたベッドであって、ヘッドボードは、上下方向に貫通する断面長方形状の枠部と、枠部の上部を覆う第一位置、および第一位置より上下方向において下方の第二位置に位置決め可能な板状の棚板と、を備え、棚板の一端部は、棚板の裏面から延びるように設けられた脚部を備え、枠部は、棚板が第一位置に位置決めされている場合、棚板の他端部を支持する第一支持部と、棚板が第一位置に位置決めされている場合、脚部を支持し、棚板が第二位置に位置決めされている場合、棚板の表面および裏面の一方を支持する板状の第二支持部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
これによれば、ベッドの使用者は、第一支持部および第二支持部を移動させることなく、棚板を第一位置または第二位置に位置決めするができる。よって、枠部には、従来技術のように、棚板を支持するための丸棒を取り外したときに視認可能となる孔が形成されない。したがって、特に、棚板が第二位置に位置したとき、ヘッドボードひいてはベッドの意匠性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態におけるベッドの概要を示す斜視図である。
図2図1に示すII−II線に沿ったヘッドボードの断面図であり、棚板が第一位置に位置決めされた状態を表している。
図3図2に示す第三支持部の拡大図である。
図4図2に示す棚板の上面図である。
図5図1に示すII−II線に沿ったヘッドボードの断面図であり、棚板が第二位置に位置決めされた状態を示している。
図6図1に示すII−II線に沿ったヘッドボードの断面図であり、棚板が第二位置にて傾動している状態を示している。
図7】本発明におけるベッドの第一実施形態の変形例において、棚板が第二位置に位置決めされた状態を示す図である。
図8】本発明におけるベッドの第一実施形態の変形例における棚板の第二位置の変形例を示す図である。
図9】本発明におけるベッドの第二実施形態におけるヘッドボードの断面図であり、棚板が第一位置に位置決めされた状態を示している。
図10】本発明におけるベッドの第二実施形態におけるヘッドボードの断面図であり、棚板が第二位置に位置決めされた状態を示している。
図11】本発明におけるベッドの第二実施形態における棚板の第二位置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明によるベッドの第一実施形態について図面を参照しながら説明する。本明細書においては説明の便宜上、図1における左上側および右下側をそれぞれベッド1の後方および前方とし、同じく左下側および右上側を、それぞれベッド1の左方および右方とし、同じく上側および下側を、それぞれベッド1の上方および下方として説明する。また、図1図3には、各方向を示す矢印を示している。
【0010】
第一実施形態におけるベッド1は、図1に示すように、マットレスM等が載せられて、使用者が就寝するボトム部10およびボトム部10の後方側(使用者の頭部側)に固定されたヘッドボード20を備えている。ヘッドボード20は、複数の板を組み合わせることにより形成されている。板は、例えば合板である。ヘッドボード20は、ヘッドボード本体21および棚板22を備えている。
【0011】
ヘッドボード本体21は、図1および図2に示すように、前板21a、後板21b、左側板21cおよび右側板21dを備えている。
前板21aは、ボトム部10から上方に向かって延びるように配設(立設)された板である。前板21aの左右方向長さがボトム部10の左右方向長さと略同一に、かつ、前板21aの上下方向長さがボトム部10とマットレスMとを合わせた上下方向長さより長くなるように設定されている。前板21aの前面の下端部が、ボトム部10の後面に固定されている。
【0012】
後板21bは、前板21aより後側にて、前板21aと平行に、前板21aの上部と対向するように配設された板である。後板21bは、左右方向長さが前板21aの左右方向長さと略同一に、かつ、上下方向長さが前板21aの上下方向長さのおよそ半分となるように設定されている。
【0013】
左側板21cは、前板21aの左端部と後板21bの左端部とを連結する板である。左側板21cの前後方向長さが前板21aの左右方向長さより短くなるように、かつ、左側板21cの上下方向長さが後板21bの上下方向長さよりわずかに短くなるように設定されている。なお、左側板21cの上下方向長さと後板21bの上下方向長さとを同じ長さに設定しても良い。
【0014】
右側板21dは、前板21aの右端部と後板21bの右端部とを連結する板である。右側板21dの前後方向長さが左側板21cの前後方向長さと同一に、かつ、右側板21dの上下方向長さが左側板21cの上下方向長さのおよそ半分となるように設定されている。また、右側板21dの上端と左側板21cの上端とが、上下方向において同じ位置となるように設定されている。なお、各側板21c,21dの上下方向長さと後板21bの上下方向長さとを同じ長さに設定しても良い。
【0015】
また、ヘッドボード本体21は、図2に示すように、中側板21e、第一支持板21f、天板21g、第二支持板21hおよび第三支持板21iを、さらに備えている。
中側板21eは、ヘッドボード本体21の左右方向中央部にて、右側板21dと平行に、かつ、右側板21dの下部と対向して、前板21aと後板21bとを連結するように配設されている。中側板21eは、上下方向長さが右側板21dの上下方向長さのおよそ半分となるように設定されている。
【0016】
第一支持板21f(特許請求の範囲の第一支持部に相当)は、天板21gおよび棚板22を後述するように支持する板である。第一支持板21fは、下面の中央部が中側板21eの上端に固定され、前板21aと後板21bとを連結するように配設されている。
前板21a、中側板21e、第一支持板21f、後板21bおよび右側板21dによって、上下方向に貫通する断面長方形状の第一枠部W1が構成されている。
【0017】
天板21gは、第一枠部W1の上部を覆う板である。天板21gの左端部が第一支持板21fに支持されて、天板21gが水平となるように配設されている。天板21gの右端部は、右側板21dの左面に固定されている。また、図1に示すように、天板21gおよび第一枠部W1の上端部によって、ヘッドボード本体21の上端部右側が、トレイ状に形成されている。天板21gの上面には、プラグの差し込み口が上方に向けられたコンセントCが設けられている。
【0018】
また、前板21a、左側板21c、後板21b、中側板21e、第一支持板21fおよび天板21gによって、上下方向に貫通する断面長方形状の第二枠部W2(特許請求の範囲の枠部に相当)が構成されている。
【0019】
第二支持板21h(特許請求の範囲の第二支持部に相当)は、棚板22を後述するように支持する板である。第二支持板21hは、図2に示すように、第二枠部W2内にて天板21gと平行に、かつ、第一支持板21fより上下方向において下方に配設されている。また、第二支持板21hは、前板21aおよび後板21bに固定されている。また、第二支持板21hの一端(図2における左端)と左側板21cとの間には、第一隙間G1が形成されている。
【0020】
第三支持板21i(特許請求の範囲の第三支持部に相当)は、棚板22を後述するように支持する板である。第三支持板21iの上面が、第二支持板21hの上面と上下方向において同じ位置に設定されている。また、第三支持板21iの一端(図2における左端)が、第二支持板21hとの他端(図2における右端)との間に第二隙間G2(特許請求の範囲の隙間に相当)を形成するように配設されている。さらに、第三支持板21iと中側板21eとの間には、第三隙間G3が形成されている。また、第三支持板21iの上端の右端部21i1には、例えばC面である面取り加工がされている(図3参照)。
【0021】
棚板22は、第二枠部W2の上部を覆う第一位置P1(図2参照)、および第一位置P1より下方の第二位置P2(図5参照)に位置決め可能な長方形状の板である。棚板22は、第二枠部W2の開口部に、嵌め込み可能に形成されている。以下、棚板22が第一位置P1に位置決めされている状態にて説明する。棚板22は、第一位置P1に位置決めされている場合、表面22aを上方に(裏面22bを下方に)向けるとともに、天板21gと平行に、かつ、天板21gの上面と棚板22の表面22aとが上下方向において同一位置となるように、位置決めされている。
【0022】
棚板22の一端部E1(図2において左端部)は、裏面22bから裏面22bに対して垂直方向に延びるように、長方形状の板状に形成された脚部22cを有している。脚部22cの幅方向(前後方向)長さは、棚板22の幅方向(前後方向)長さと同一である(図4参照)。また、脚部22cは、棚板22の一端22d(図4において左側面)から所定距離L離れた位置に設けられている。所定距離Lは、ゼロより大きく、かつ、棚板22の一端22dから長手方向(左右方向)中央部までの長さより小さい距離である。
【0023】
脚部22cの長手方向(上下方向)長さは、棚板22の長手方向長さより短くなるように設定されている。棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、脚部22cの下端が第二支持板21hの上面と当接する。すなわち、第二支持板21hは、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、脚部22cを支持する。
【0024】
また、図2に示すように、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、棚板22の他端部E2(図2において右端部)は、第一支持板21fの一端部21f1(図2において左端部;特許請求の範囲の第一支持部に相当)によって支持されている。
【0025】
棚板22は、図4に示すように、他端22e(図2および図4において右側面)に、半円状の凹設された凹部22fを有している。凹部22fは、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、第二枠部W2の内部と外部とを連通する。例えば、使用者は、凹部22fに指を入れることにより、第一位置P1に位置決めされた棚板22を持ち上げることができる。また、例えば、コンセントCに差し込まれた電源コード(図示なし)は、凹部22fに通して、第二枠部W2内に隠すことができる。なお、図1に示すように、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、棚板22および第二枠部W2の上端部によって、ヘッドボード本体21の上端部左側が、トレイ状に形成されている。
【0026】
次に、棚板22が第二位置P2に位置決めされている状態について説明する。棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、図5に示すように、棚板22は、第二支持板21hおよび第三支持板21iによって支持されている。具体的には、棚板22の裏面22bの脚部22cより他端部E2側は、第二支持板21hによって支持されている。また、棚板22の裏面22bの脚部22cより一端部E1側は、第三支持板21iによって支持されている。
【0027】
棚板22の脚部22cは、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、第二隙間G2に挿入されている。第二隙間G2の大きさは、脚部22cの上下方向長さより大きく設定されている。これにより、棚板22を第二位置P2に位置決めする場合、脚部22cを第二隙間G2に簡便に挿入することができる。また、各隙間G1〜G3の大きさは、棚板22の表面22aと脚部22cの下端との間の上下方向長さより小さく設定されている。これにより、隙間G1〜G3から棚板22が落下することを抑制することができる。
【0028】
また、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の他端部E2は、第一隙間G1の上方に位置する。これにより、例えば使用者の指を、棚板22の凹部22fに入れて、裏面22bに引っ掛けることで、棚板22を持ち上げることができる。また、棚板22の一端部E1は、第三隙間G3の上方に位置する。
【0029】
次に、棚板22が、第一位置P1から、第二位置P2に移動されるときの動作について説明する。
第一位置P1に位置決めされている棚板22は、例えば、凹部22fに使用者の指が入れられて、他端部E2が持ち上げられることにより、第二枠部W2から取り外される。そして、棚板22の向きが、第一位置P1に位置決めされていた棚板22の向き(棚板22の他端部E2が右側;図2参照)から、第二位置P2に位置決めされる棚板22の向き(棚板22の他端部E2が左側;図5参照)に変更される。具体的には、棚板22が水平面内にて180度旋回される。この変更された棚板22の向きにて、棚板22が、一端部E1側から第二枠部W2内に入れられ、脚部22cが第二隙間G2に挿入されて、棚板22が第二位置P2に位置決めされる。
【0030】
次に、棚板22が、第二位置P2から第一位置P1に移動されるときの動作について説明する。
第二位置P2に位置決めされている棚板22は、図6に示すように、例えば、棚板22の一端部E1を上方から押し付けられることにより、矢印の方向に傾動するため、棚板22の他端部E2が上方に上げられる。このとき、第三支持板21iの上端の右端部21i1が支点Fとなっている。なお、第三支持板21iの支点Fが構成されている部位(右端部21i1)は、面取り加工されているため、棚板22が簡便に傾動することができる。そして、棚板22の他端部E2が、使用者によって持ち上げられることにより、棚板22が第二枠部W2から取り外される。そして、棚板22が水平面内にて180度旋回されて、棚板22の向きが、第二位置P2に位置決めされていた棚板22の向きから、第一位置P1に位置決めされる棚板22の向きに変更される。この変更された棚板22の向きにて、棚板22が第一位置P1に位置決めされる(図2参照)。
このように、棚板22を水平面内で旋回させて、棚板22の向きを変えることで、棚板22の位置が変更可能となるため、棚板22の位置を簡便に変更することができる。
【0031】
本実施形態によれば、ベッド1は、ヘッドボード20を備えている。ヘッドボード20は、上下方向に貫通する断面長方形状の第二枠部W2と、第二枠部W2の上部を覆う第一位置P1、および第一位置P1より上下方向において下方の第二位置P2に位置決め可能な板状の棚板22と、を備えている。棚板22の一端部E1は、棚板22の裏面22bから延びるように設けられた脚部22cを備えている。第二枠部W2は、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、棚板22の他端部E2を支持する第一支持板21fの一端部21f1と、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、脚部22cを支持し、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の裏面22bを支持する板状の第二支持板21hと、を備えている。
これによれば、ベッド1の使用者は、第一支持板21fおよび第二支持板21hを移動させることなく、棚板22を第一位置P1または第二位置P2に位置決めするができる。よって、第二枠部W2は、従来技術のように、棚板22を支持するための丸棒を取り外したときに視認可能となる孔が形成されない。したがって、特に、棚板22が第二位置P2に位置したとき、ヘッドボード20ひいてはベッド1の意匠性を向上することができる。
また、棚板22を第一位置P1と第二位置P2との間で移動させる場合、従来技術のように、棚板22を支持するための丸棒のように、第一支持板21fの一端部21f1および第二支持板21hを棚板22の位置に合わせて移動させる必要がない。よって、棚板22を第一位置P1と第二位置P2との間で簡便に移動させることができる。
また、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、例えば雑誌程度の大きさを有する方形状の物品を立て掛けて収納する空間を第二枠部W2内に形成することができる。よって、このような物品を平置きにすることができる大きさの天板を有するヘッドボードと比べて、ヘッドボード20におけるベッド1の長手方向(前後方向)の長さを短くすることができる。よって、ヘッドボード20ひいてはベッド1のコンパクト化を図ることができる。
また、棚板22を第二位置P2に位置決めすることにより、物品を収納することができる空間を第二枠部W2内に形成することができるため、棚板22が第一位置P1から取り外された場合においても、従来技術のヘッドボードにおける収納空間Sの蓋板のように、棚板22の置き場所を別途確保する必要ない。
【0032】
また、第二支持板21hは、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の裏面22bを支持する。
これによれば、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、脚部22cを棚板22より下方に位置させることができるため、第二支持板21hが棚板22の表面22aを支持する場合と比べ、第二枠部W2内の物品を収納する空間を広くすることができる。
【0033】
棚板22の脚部22cは、棚板22の一端22dから所定距離L離れた位置に設けられ、第二枠部W2は、板状に形成され、上面が第二支持板21hの上面と上下方向において同一位置に位置するように、かつ、一端が第二支持板21hの他端との間に第二隙間G2を形成するように配設されて、棚板22を支持する第三支持板21iをさらに備え、棚板22の脚部22cは、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、第二隙間G2に挿入されている。
これによれば、棚板22は、第二支持板21hと第三支持板21iとによって棚板22の両側を支持するため、棚板22の支持状態をより安定させることができる。
【0034】
第二隙間G2の大きさは、棚板22の表面22aと脚部22cの下端と間の長さより小さく設定されている。
これによれば、第二隙間G2から棚板22が落下することを抑制することができる。
【0035】
また、第三支持板21iにおける棚板22の一端部E1を支持する部位は、棚板22が第二位置P2に位置決めされているとき、棚板22の一端部E1が上方から押さえつけられた場合、棚板22の他端部E2が持ち上がるように棚板22が傾動する支点Fを有している。
これによれば、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、第三支持板21iが支点Fを有しているため、使用者が棚板22を傾動させて、棚板22の他端部E2を上方に向けて上げることができる。このとき、使用者は、棚板22の他端部E2を手に持つことができるため、第二枠部W2内から棚板22を簡便に取り出すことができる。
【0036】
次に、本発明によるベッド1の第一実施形態の変形例について、主として第一実施形態と異なる部分について説明する。上述した第一実施形態においては、第二支持板21hおよび第三支持板21iは、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の裏面22bを支持する。これに代えて、本変形例においては、図7に示すように、第二支持板21hおよび第三支持板21iは、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の表面22aを支持する。
【0037】
本変形例によれば、第二枠部W2は、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、脚部22cを支持し、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の表面22aを支持する板状の第二支持板21hを備えている。
これによれば、棚板22の表面22aと裏面22bとを上下反転させて、棚板22の向きを変えることで、棚板22の位置が変更可能となるため、棚板22の位置を簡便に変更することができる。
【0038】
なお、本変形例の変形例として、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、図8に示すように、棚板22の向きを、一端部E1と他端部E2とで反転させるようにしても良い。
【0039】
次に、本発明によるベッド1の第二実施形態について、主に第一実施形態と異なる部分について説明する。本第二実施形態の棚板22は、図9に示すように、第一実施形態の脚部22cに代えて、脚部122cを備えている。本第二実施形態の脚部122cは、棚板22の一端22dからの所定距離Lがゼロに設定されている点において、第一実施形態の脚部22cと異なっている。これにより、棚板22は、側面視において、L字状に形成される。また、本第二実施形態の第二枠部W2は、第三支持板21iを備えていない。
【0040】
図10に示すように、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、第二支持板21hは、棚板22の裏面22bを支持する。なお、本第二実施形態において、上述したように、第二支持板21hと中側板21eとの間の隙間の大きさを、棚板22の表面22aと脚部122cの下端面との間の上下方向長さより小さく設定すると良い。
【0041】
また、本第二実施形態の変形例として、図11に示すように、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、第二支持板21hは、棚板22の表面22aを支持するようにしても良い。
【0042】
このように、ベッド1は、ヘッドボード20を備えている。ヘッドボード20は、上下方向に貫通する断面長方形状の第二枠部W2と、第二枠部W2の上部を覆う第一位置P1、および第一位置P1より上下方向において下方の第二位置P2に位置決め可能な板状の棚板22と、を備えている。棚板22の一端部E1は、棚板22の裏面22bから延びるように設けられた脚部22c,122cを備えている。第二枠部W2は、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、棚板22の他端部E2を支持する第一支持板21fの一端部21f1と、棚板22が第一位置P1に位置決めされている場合、脚部22c,122cを支持し、棚板22が第二位置P2に位置決めされている場合、棚板22の表面22aおよび裏面22bの一方を支持する板状の第二支持板21hと、を備えている。
これによれば、ベッド1の使用者は、第一支持板21fおよび第二支持板21hを移動させることなく、棚板22を第一位置P1または第二位置P2に位置決めするができる。よって、第二枠部W2には、従来技術のように、棚板22を支持するための丸棒を取り外したときに視認可能となる孔が形成されない。したがって、特に、棚板22が第二位置P2に位置したとき、ヘッドボード20ひいてはベッド1の意匠性を向上することができる。
【0043】
なお、上述した各実施形態において、ベッド1の一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、前板21a、左側板21c、後板21bおよび右側板21dから第三枠部を構成し、棚板22を、第三枠部の上部を覆うように形成するようにしても良い。この場合、第一支持板21fが右側板21dに設けられ、ヘッドボード本体21は、中側板21eおよび天板21gを備えない。さらに、この場合、第三枠部が特許請求の範囲の枠部に相当する。
【0044】
また、上述した第一実施形態において、第一隙間G1を形成しないように第二支持板21hを形成しても良い。また、第三隙間G3を形成しないように、第三支持板21iを形成しても良い。
また、上述した第一実施形態において、第二枠部W2が、第三支持板21iを備えないようにしても良い。この場合、第二支持板21hと中側板21eとの間の隙間の大きさを、棚板22の表面22aと脚部22cの下端面との間の上下方向長さより小さく設定すると良い。これにより、棚板22がこの隙間から落下することを抑制することができる。
【0045】
また、上述した第一実施形態において、棚板22を第二位置P2に位置決めされた状態から移動させて、第一位置P1に位置決めする場合、棚板22の一端部E1を上方から押さえつけることにより、棚板22を傾動させているが、これに代えて、棚板22の凹部22fに指を入れて他端部E2を持ち上げることにより、棚板22を傾動させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0046】
1…ベッド、10…ボトム部、20…ヘッドボード、21…ヘッドボード本体、21a…前板、21b…後板、21c…左側板、21d…右側板、21e…中側板、21f…第一支持板、21f1…第一支持板の一端部(第一支持部)、21g…天板、21h…第二支持板(第二支持部)、21i…第三支持板(第三支持部)、22…棚板、22a…表面、22b…裏面、22c…脚部、22d…一端、22e…他端、22f…凹部、E1…一端部、E2…他端部、F…支点、G2…第二隙間(隙間)、L…所定距離、P1…第一位置、P2…第二位置、W1…第一枠部、W2…第二枠部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11