(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の不点検知装置において、前記移動体が略一定速度で走行され、前記複数の照明灯に対応する第1から第nのスポットがこの順序で前記検知領域を通過する場合に、
前記画像解析部が、
前記検知領域を設定するための領域設定部と、
第1から第xのスポットが前記検知領域を通過する平均時間間隔を演算する間隔演算部と、
第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記検知領域に出現するか否かを判定する予測判定部と、
前記第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記検知領域に出現しないことに基づいて不点の照明灯を特定する不点特定部と
を備えた不点検知装置。
請求項2に記載の不点検知装置において、前記検知領域が前記表示画面の右上端部又は左上端部に設定され、前記第xのスポットが前記検知領域を通過した時刻からカウント値m×前記平均時間間隔が経過した時刻において前記検知領域に第x+mのスポットが存在しない場合に、前記不点特定部が、第x+mの照明灯が不点であることを特定するように構成された不点検知装置。
請求項1に記載の不点検知装置において、前記移動体が略一定速度で走行され、前記複数の照明灯に対応する第1から第nのスポットがこの順序で前記検知領域を通過する場合に、
前記画像解析部が、
前記検知領域として第1及び第2の検知領域を設定するための領域設定部と、
第1から第xのスポットが前記第1の検知領域を通過する平均時間間隔を演算する間隔演算部と、
第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記第2の検知領域に出現するか否かを判定する予測判定部と、
前記第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記第2の検知領域に出現しないことに基づいて不点の照明灯を特定する不点特定部と
を備え、少なくとも前記第2の検知領域が、第1の照明灯と第2の照明灯の設置間隔を示す画像部分によって規定される、不点検知装置。
請求項4に記載の不点検知装置において、前記第xのスポットが前記第1の検知領域を通過した時刻からカウント値m×前記平均時間間隔が経過した時刻において前記第2の検知領域に第x+mのスポットが存在しない場合に、前記不点特定部が、第x+mの照明灯が不点であることを特定するように構成された不点検知装置。
請求項9に記載の不点検知方法において、前記移動体が略一定速度で走行され、前記複数の照明灯に対応する第1から第nのスポットがこの順序で前記検知領域を通過する場合に、
前記画像解析ステップが、
前記検知領域を設定する領域設定ステップと、
第1から第xのスポットが前記検知領域を通過する平均時間間隔を演算する間隔演算ステップと、
第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記検知領域に出現するか否かを判定する予測判定ステップと、
前記第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記検知領域に出現しないことに基づいて不点の照明灯を特定する不点特定ステップと
を含む不点検知方法。
請求項10に記載の不点検知方法において、前記検知領域が前記表示画面の右上端部又は左上端部に設定され、前記第xのスポットが前記検知領域を通過した時刻からカウント値m×前記平均時間間隔を経過した時刻において前記検知領域に第x+mのスポットが存在しない場合に、前記不点特定ステップにおいて、第x+mの照明灯が不点であることが特定される、不点検知方法。
請求項9に記載の不点検知方法において、前記移動体が略一定速度で走行され、前記複数の照明灯に対応する第1から第nのスポットがこの順序で前記検知領域を通過する場合に、
前記画像解析ステップが、
前記検知領域として第1及び第2の検知領域を設定する領域設定ステップと、
第1から第xのスポットが前記第1の検知領域を通過する平均時間間隔を演算する間隔演算ステップと、
第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記第2の検知領域に出現するか否かを判定する予測判定ステップと、
前記第x+1以降のスポットが前記平均時間間隔ごとに前記第2の検知領域に出現しないことに基づいて不点の照明灯を特定する不点特定ステップと
を備え、少なくとも前記第2の検知領域が、第1の照明灯と第2の照明灯の設置間隔を示す画像部分によって規定される、不点検知方法。
請求項12に記載の不点検知方法において、前記第xのスポットが前記第1の検知領域を通過した時刻からカウント値m×前記平均時間間隔が経過した時刻において前記第2の検知領域に第x+mのスポットが存在しない場合に、前記不点特定ステップにおいて、第x+mの照明灯が不点であることが特定される、不点検知方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<概略構成>
図1に、本発明による不点検知装置1の使用の概略図を示す。移動体である車両Vが路面R上を走行し、車両Vに搭載された車載カメラCによって右車線上方の照明灯2−1〜2−n及び左車線上方の照明灯3−1〜3−n´の動画が撮影される。以降の各実施形態において、照明灯2−1〜2−n及び3−1〜3−n´はトンネルT内の天井から側壁にかけて設置されたトンネル灯であり、車両Vは坑口Ta(以下、「入口Ta」という)から坑口Tb(以下、「出口Tb」という)に向かって走行するものとする。また、以降の説明において、照明灯2−1〜2−nについて、これらを総称して又はこれらの一部を代表して照明灯2というものとし、照明灯2は入口Ta側から出口Tb側に向かって照明灯2−1〜2−nの順序で配列されるものとする。同様に、照明灯3−1〜3−n´についても、これらを総称して又はこれらの一部を代表して照明灯3というものとし、照明灯3は入口Ta側から出口Tb側に向かって照明灯3−1〜3−n´の順序で配列されるものとする。
【0017】
不点検知装置1は、車載カメラCによって撮影された動画Mを解析し、照明灯2又は3に不点の照明灯が含まれているか否かを検知し、更にはどの照明灯2又は3が不点であるかを判別する。不点検知装置1は車両Vに搭載又は配置されていてもよいし、車両Vと異なる場所に配置されていてもよい。
図1に示すように、動画Mは、右端31a、左端31b、上端31c及び下端31dによって画定される表示画面31に表示される。車載カメラCが車両Vの進行方向前方を撮影する場合、表示画面31上では、照明灯2−1〜2−nに対応する明部であるスポットSr1〜Srnが、画面中央から、右端31aの上端31c付近又は上端31cの右端31a付近(以下、「右上端部」という)に向かって移動していく。また、照明灯3−1〜3−n´に対応する明部であるスポットSu1〜Sun´は、表示画面31上において、画面中央から、左端31bの上端31c付近又は上端31cの左端31b付近(以下、「左上端部」という)に向かって移動していく。
【0018】
なお、各図において、説明の明瞭化のために動画Mに濃淡を付さないが、実際の動画Mにおいては、一般的なトンネルの形態に基づいて以下のような濃淡となることが理解される。照明灯2及び3に対応する画像部分(すなわち、スポットSr1〜Srn及びSu1〜Sun´)の部分が最も明るく、トンネル天井Tcに対応する画像部分であってスポットを除く部分が最も暗い。そして、トンネル天井Tcに対応する画像部分からトンネル側壁Tsに対応する画像部分にかけて明るくなり、トンネル側壁Tsに対応する画像部分と路面Rに対応する画像部分は同程度の明るさとなる。
【0019】
本発明は、照明灯2−1〜2−n及び3−1〜3−n´が実質的に等間隔に配置されることから、照明灯2−1〜2−n及び3−1〜n´が点灯していたとすれば対応のスポットSr1〜Srn及びSu1〜Sun´も動画M上に周期的な態様で表示されることに着目する。すなわち、本発明は、この周期性に基づいて不点を特定する。なお、以降の説明において、スポットSr1〜Srnについて、これらを総称して又はこれらの一部を代表してスポットSrというものとし、スポットSu1〜Sun´について、これらを総称して又はこれらの一部を代表してスポットSuというものとする。以降においては、照明灯2及びスポットSrに関して説明を行う。
【0020】
<第1の実施形態>
図2に、第1の本実施形態による不点検知装置1で使用される動画Mの1コマを示す。概略として、不点検知装置1は、表示画面31の右上端部の検知領域32を通過するスポットSrを検知することによって、不点の照明灯2の有無及びその位置を特定する。不点検知装置1は、入口Ta側の数灯の照明灯2に対応するスポットSrが検知領域32を通過する平均時間間隔Δtを求め、後続のスポットSrが検知領域32に出現するタイミングを予測し、予測されたタイミングにスポットSrが検出されるか否かに基づいて各照明灯2の点灯/不点の判別を行う。
【0021】
図3に、本実施形態の不点検知装置1のブロック図を示す。不点検知装置1は、画像取得部10、画像解析部20、出力部30及び操作入力部35を備える。画像取得部10は、車載カメラCによって撮影された動画Mを不点検知装置1に取り込むための入力インターフェイスである。画像取得部10において、車載カメラCから有線接続又は無線接続を介して、又は車載カメラC側のバッファ(メモリ)を介して動画Mが取得されるようにしてもよいし、車載カメラCから記録媒体を介して動画Mが取得されるようにしてもよい。前者の場合、画像取得部10は受信部として機能する。画像取得部10は取得した動画Mを画像解析部20に入力する。
【0022】
画像解析部20は、CPU21及びメモリ26を備え、CPU21は、領域設定部22、間隔演算部23、予測判定部24及び不点特定部25を備える。これらの各部はバス29によって相互に通信可能な態様で接続され、CPU21内において、各部間の信号のやりとりが適宜制御される。また、CPU21には、タイマ、カウンタ、動画再生等の動画操作手段といった汎用的な機能も含まれているものとする。メモリ26は、プログラム及びデータを記憶するRAM、ROM等のメモリである。
【0023】
領域設定部22は、検知領域32の位置、形状、大きさ等を設定するためのものである。本実施形態では、検知領域32は、照明灯の一般的な大きさ、路面Rに対する一般的な高さ等から経験的に予め設定されていればよく、照明灯2に関連するスポットSrについては画面右上端部に設定される(照明灯3に関連するスポットSuについては画面左上端部に設定される)。あるいは、検知領域32の設定は、ユーザ操作により行われてもよい。例えば、領域設定部22は、後述の操作入力部35を介して(例えば、マウス操作等によって)行われたユーザ入力に基づいて検知領域32を決定するようにしてもよい。
【0024】
間隔演算部23は、表示画面31の検知領域32をスポットSr1〜Srxが通過する時間間隔の平均値Δtを演算する。具体的には、間隔演算部23は、2≦k≦xのkについて、スポットSrkが検知領域32を通過する時刻tkとスポットSr(k−1)が検知領域32を通過する時刻t(k−1)の差分である時間間隔Δsk=tk−t(k−1)を演算し、Δs2〜Δsxの合計をx−1で除算して平均時間間隔Δtを演算する。xは所定値であり、x=4〜6程度が好ましい。
【0025】
ここで、
図4を用いて、平均時間間隔Δtの演算について説明する。
図4は、スポットSr1〜Sr5が検知領域32を通過する際の表示画面31の概略図である。
図4においては、入口Ta側から5灯分の照明灯2に対応するスポットSrが図示されている。本例においては、x=5であり、照明灯2−1〜2−5は、正常に点灯しているものとする。また、車両Vは、動画Mの撮影中は略一定の速度で走行するものとし、時間表示34は、撮影開始からの経過時間を示す。なお、詳細を後述するように、スポットSr8は存在しない。
【0026】
(a)に示すように、間隔演算部23は、スポットSr1が検知領域32を通過する時刻t1(本例では、36秒20)を取得して、時刻t1をメモリ26に記憶する。各スポットSrが検知領域32を通過する時刻は、検知領域32で検出される輝度が極大となる時刻であってもよいし、検出される輝度が所定の閾値を超える瞬間の時刻であってもよいし、検出される輝度が所定の閾値を超えた後に当該閾値未満となる瞬間の時刻であってもよい。その後、動画Mが進められ、(b)の状態となる。
【0027】
(b)に示すように、間隔演算部23は、スポットSr2が検知領域32を通過する時刻t2(本例では、37秒08)を取得して、時刻t2と時刻t1の差分である時間間隔Δs2=t2−t1(=0.18秒)を演算し、時間間隔Δs2及び時刻t2をメモリ26に記憶する。その後、動画Mが進められ、(c)の状態となる。
(c)に示すように、(b)と同様に、間隔演算部23は、スポットSr3が検知領域32を通過する時刻t3(本例では、37秒26)を取得して、時刻t3と時刻t2の差分である時間間隔Δs3=t3−t2(=0.18秒)を演算し、時間間隔Δs3及び時刻t3をメモリ26に記憶する。その後、動画Mが進められ、(d)の状態となる。
(d)に示すように、(b)と同様に、間隔演算部23は、スポットSr4が検知領域32を通過する時刻t4(本例では、38秒14)を取得して、時刻t4と時刻t3の差分である時間間隔Δs4=t4−t3(=0.18秒)を演算し、時間間隔Δs4及び時刻t4をメモリ26に記憶する。その後、動画Mが進められ、(e)の状態となる。
(e)に示すように、(b)と同様に、間隔演算部23は、スポットSr5が検知領域32を通過する時刻t5(本例では、39秒01)を取得して、時刻t5と時刻t4の差分である時間間隔Δs5=t5−t4(=0.17秒)を演算し、時間間隔Δs5をメモリ26に記憶する。
【0028】
間隔演算部23は、メモリ26に記憶されたΔs2(0.18秒)、Δs3(0.18秒)、Δs4(0.18秒)及びΔs5(0.17秒)の平均値を演算して平均時間間隔Δtを得る。本例では、Δt=0.1775秒である。なお、上記の動画Mを進める処理は操作入力部35を介したユーザ操作によって行われてもよい。
【0029】
予測判定部24は、時刻tx(本例では、時刻t5)以降に平均時間間隔Δtの倍数の時刻ごとに検知領域32にスポットSrが出現するか否かを判定する。具体的には、予測判定部24は、時刻tx以降でm番目の予測タイミング(tx+m×Δtの時刻)に、検知領域32にスポットSr(x+m)が存在するか否かを判定する。予測判定部24は、カウント値mとスポットSrの存在/不在を示す判別値dをメモリ26に記憶する。本実施形態では、判別値dは、スポット存在でd=1、スポット不在でd=0であるものとする。このように、予測判定部24は、検知領域32にスポットSrxが含まれる状態から、動画Mを平均時間間隔Δtずつずらしていき、各検知タイミングにおいて検知領域32にスポットSrが含まれているか否かを判別する。
【0030】
検知領域32におけるスポットSrの存否の判別について、予測判定部24は、検知領域32内の最大輝度が所定の閾値を超える場合にスポットSrが存在し、そうでない場合にはスポットSrが存在しないものと判別することができる。また、予測検知部24は、検知領域32内の平均輝度が所定の閾値を超える場合にスポットSrが存在し、そうでない場合にはスポットSrが存在しないものと判別するようにしてもよい。
【0031】
予測判定部24は、予測判定処理が終了すると、終了信号を不点特定部25に出力する。なお、照明灯2の総数nが未知であったとしても、あるスポットSrが最後のスポットであることは、種々の方法によって識別可能である。例えば、あるスポットSrが検知領域32に出現した後に充分に長い所定期間にわたって(すなわち、相当数のmについて)検知領域32に他のスポットが出現しないこと(夜間の場合)、逆に検知領域32の輝度が急峻に上昇したこと(昼間の場合)等によって当該スポットSrが最後のスポットであることが識別されるようにしてもよい。あるいは、動画Mに撮影終了を示す終了情報(例えば、撮影終了時の停止画像等)が付加され、その終了情報に基づいて最後のスポットが識別されるようにしてもよい。あるいは、最後のスポットの識別は、ユーザによる表示画面31の目視(例えば、動画Mが出口Tbを出たことの目視)によって行われてもよい。
【0032】
不点特定部25は、終了信号が入力されると、メモリ26に記憶されたカウント値mと判別値dの組合せを読み取る。全てのカウント値mについて判別値d=1であった場合、不点特定部25は、照明灯2−1〜2−nの全てが点灯していること(又は不点の照明灯2がないこと)を示す全点灯情報を出力部30に出力させる。一方、特定のカウント値m=yについて判別値d=0であった場合、不点特定部25は、照明灯2−(x+y)が不点であることを示す不点情報を出力部30に出力させる。出力部30による全点灯情報及び不点情報の出力は、表示画面31上への表示出力であってもよいし、音声案内等による音声出力であってもよいし、これらの表示出力と音声出力の組合せであってもよい。
【0033】
例えば、照明灯2−1〜2−10のうち照明灯2−8が不点であった場合(
図4(d)及び(e)参照)を想定すると、予測判定部24の処理は次のようになる。予測判定部24は、カウント値m=1の予測タイミング(t5+1×Δt)において検知領域32にスポットSr6が存在するか否かを判定する。スポットSr6は存在するので、予測判定部24は、カウント値m=1と判別値d=1の組合せをメモリ26に記憶させる。同様に、予測判定部24は、カウント値m=2の予測タイミング(t5+2×Δt)において検知領域32にスポットSr7が存在するか否かを判定する。スポットSr7は存在するので、予測判定部24は、カウント値m=2と判別値d=1の組合せをメモリ26に記憶させる。予測判定部24は、カウント値m=3の予測タイミング(t5+3×Δtの時刻)において検知領域32にスポットSr8が存在するか否かを判定する。スポットSr8は存在しないので、予測判定部24は、カウント値m=3と判別値d=0の組合せをメモリ26に記憶させる。カウント値m=4及びm=5についてもm=1の場合と同様にして、予測判定部24は、カウント値m=4の予測タイミング(t5+4×Δt)に関してカウント値m=4と判別値d=1の組合せを、カウント値m=5の予測タイミング(t5+5×Δt)に関してカウント値m=5と判別値d=1の組合せをメモリ26に記憶させる。不点特定部25は、終了信号を受信すると、メモリ26に記憶されたカウント値m=3(y=3)と判別値d=0の組合せに基づいて、照明灯2−(5+3)、すなわち照明灯2−8が不点であることを示す不点情報を出力部30に出力させる。
【0034】
出力部30は、表示画面31を備えるモニタ、及び必要な出力インターフェイスを含む。モニタは、デスクトップ、ノートパソコン、タブレット等のモニタであればよく、不点検知装置1に専用のモニタであってもよいし、汎用のモニタであってもよい。操作入力部35は、マウス、キーボード、表示画面31に一体化されたタッチパネル等であり、ユーザ操作を受け付ける入力インターフェイスである。上述したように、操作入力部35は、領域設定部22による検知領域32の設定、間隔演算部23による時間間隔Δsの取得における動画Mの操作等において利用され得る。
【0035】
図5に、本実施形態による不点検知方法のフローチャートの一例を示す。
ステップS100において、車両VがトンネルTを走行し、車載カメラCによって照明灯2を含む動画Mが撮影される。
ステップS105において、画像取得部10は、車載カメラCから取得した動画Mを画像解析部20に入力する。
【0036】
ステップS110以降において、画像解析部20による画像解析処理が行われる。ステップS110において、領域設定部22が、予め決定されている検知領域32を設定し、あるいはユーザ入力に基づいて検知領域32を設定する。スポットSrに関するカウント値k及びmは、k=1及びm=0にセットされている。
【0037】
ステップS120において、間隔演算部23が、スポットSr1が検知領域32を通過する時刻t1を取得し、メモリ26に時刻t1を記憶する。
ステップS122において、間隔演算部23は、スポットSrのカウント値kを1増分し、更に動画Mを進める。
ステップS124において、間隔演算部23は、スポットSrkが検知領域32を通過する時刻tkを取得し、時刻tkと時刻t(k−1)の差分である時間間隔Δskを演算し、メモリ26に時間間隔Δsk及び時刻tkを記憶する。
【0038】
ステップS126において、間隔演算部23はカウント値kがk=xとなったか否かを判別する。k<xである場合(ステップS126:NO)、処理はステップS122に戻る。k=xである場合(ステップS126:YES)、処理はステップS128に進む。すなわち、ステップS126終了時において、メモリ26には時間間隔Δs2〜Δsxが記憶されている。
ステップS128において、間隔演算部23は、メモリ26に記憶されている時間間隔Δsの合計をx−1で除算して平均時間間隔Δtを演算する。
【0039】
ステップS130において、予測判定部24は、動画Mを平均時間間隔Δtだけ進め、カウント値mを1増分する。
ステップS132において、予測判定部24は、tx+m×Δtの時刻に、検知領域32にスポットSr(x+m)が存在するか否かを判別する。スポットSr(x+m)が存在する場合(ステップS132:YES)、ステップS134において、予測判定部24は、カウント値mと判別値d=1をメモリ26に記憶する。一方、スポットSr(x+m)が存在しない場合(ステップS132:NO)、ステップS136において、予測判定部24は、カウント値mと判別値d=0をメモリ26に記憶する。
ステップS138において、予測判定部24は最後のスポットSrについての予測判定が終了したか否かを判断する。予測判定が終了していない場合(ステップS138:NO)、処理はステップS130に戻る。予測判定が終了した場合(ステップS138:YES)、予測判定部24は終了信号を出力し、処理はステップS140に進む。
【0040】
ステップS140において、不点特定部25は、全てのカウント値mについて判別値d=1であるか否かを判定する。全てのカウント値mについて判別値d=1の場合(ステップS140:YES)、処理はステップS150に進む。一方、特定のカウント値m(m=y)について判別値d=0である場合(ステップS140:NO)、処理はステップS155に進む。
【0041】
ステップS150において、不点特定部25は、照明灯2が全て点灯していること(又は不点の照明灯2がないこと)を示す全点灯情報を出力部30に出力させる。
ステップS155において、不点特定部25は、カウント値yに基づいて照明灯2−(x+y)が不点であることを示す不点情報を出力部30に出力させる。これにより、不点の照明灯2が検知及び特定される。
【0042】
以上のように、本実施形態の不点検知装置1によると、画像解析部20は、取得された動画Mを表示する表示画面31内の検知領域32を通過するスポットSrの周期性に基づいて不点の照明灯を特定する。これにより、照明灯の不点検知に際して、移動体位置情報を取得するための構成並びに当初照明灯位置情報の入手及び入力が不要となり、簡素かつ簡便な不点検知装置及び不点検出方法が実現される。
【0043】
また、画像解析部20では、間隔演算部23が、スポットSr1〜Srxが検知領域32を通過する平均時間間隔Δtを演算し、予測判定部24が、スポットSr(x+1)以降のスポットSrが平均時間間隔Δtごとに検知領域31に出現するか否かを判定し、出現しない場合に、不点特定部25が、不点の照明灯が存在することを特定する。これにより、特定の検知領域及びタイミングにおいて不点の有無が判定されるので、比較的少ないデータ処理量で確実に不点を特定することが可能となる。
【0044】
更に、検知領域32が表示画面31の右上端部に設定され、スポットSrkが検知領域32を通過した時刻から、m×Δtが経過した時刻において検知領域32にスポットSr(x+m)が存在しない場合に、不点特定部25が、照明灯2−(x+m)が不点であることを特定するように構成される。これにより、簡素な処理構成で確実な不点の照明灯の位置特定が可能となる。
【0045】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、検知領域32が平均時間間隔Δtの演算及びその後の予測検知において使用される構成を示したが、本実施形態では、平均時間間隔Δtの演算とその後の予測検知において異なる検知領域が使用される構成を示す。なお、予測検知において使用される検知領域をマスク領域33というものとする。
【0046】
図6に、本実施形態の不点検知装置1の、特に予測検知処理で使用される動画Mの1コマを示す。
図6に示すように、マスク領域33は、照明灯2−1と照明灯2−2の位置関係、すなわちスポットSr1とスポットSr2の画面上の位置関係に基づいて決定される。具体的には、マスク領域33は、右辺33a、左辺33b、上辺33c及び底辺33dからなる四角形であり、右辺33aと左辺33bは平行である。右辺33a及び左辺33bは、照明灯2−1と照明灯2−2を結線する電気配線Wの垂線に対応して設定される。なお、右辺33a及び左辺33bは、スポットSr1とスポットSr2を結ぶ補助線(不図示)に垂直に設定されてもよい。右辺33aと左辺33bは同じ長さであってもよいし、異なる長さであってもよいが、右辺33aと左辺33bは、少なくとも配線W又は上記補助線と交わるように設定される。なお、右辺33aと上辺33cの交点33e又は右辺33aと底辺33dの交点33fは、必ずしも表示画面31内になくてもよい(この場合、マスク領域33は五角形又は六角形となる)。
【0047】
右辺33aと左辺33bの離隔距離は、スポットSr1の入口Ta側端部とスポットSr2の入口Ta側端部の距離(照明灯2−1と照明灯2−2の設置間隔を示す画像部分)に設定されてもよいし、同様に、スポットSr1の出口Tb側端部とスポットSr2の出口Tb側端部の距離に設定されてもよい。また、右辺33aと左辺33bの離隔距離は、スポットSr1の出口Tb側端部とスポットSr2の入口Ta側端部の距離(すなわち、スポットSr1とスポットSr2の離隔距離)に設定されてもよい。本実施形態では、右辺33aと左辺33bの離隔距離は、スポットSr1の入口Ta側端部とスポットSr2の入口Ta側端部の距離に設定されているものとする。
【0048】
図6においては、上辺33cと底辺33dが配線W又は上記補助線に略平行に設定され、マスク領域33が全体として略長方形となっているが、
図7に示すように、上辺33cが表示画面31の上端31c上に設定されてもよいし、底辺33dが表示画面31の右端31a上に設定されてもよい。
図6のような略長方形のマスク領域33を用いる構成においては、画像処理の対象となる領域が比較的小さく、データ処理量が軽減される。また、表示画面31の下方に映り得る他の光源(誘導灯等)がマスク領域33に含まれる可能性が低減され、検知処理の精度が向上する。一方、
図7のような台形又は帯状のマスク領域33を用いる構成においては、右辺33a及び左辺33bが決定されれば(あるいは、右辺33a及び左辺33bと配線W又は上記補助線の交点さえ決定されれば)上辺33c及び底辺33dが自動的に設定されるので、マスク領域33の設定処理にかかるデータ処理量が軽減される。
【0049】
本実施形態の不点検知装置1のブロック図は、
図3に示した第1の実施形態の不点検知装置1のブロック図と同じである。ただし、第1の実施形態では領域設定部22によって所与の検知領域32だけが設定されるのに対し、本実施形態では領域設定部22によって、検知領域32の設定と併せて上述のマスク領域33が設定される。
【0050】
領域設定部22は、第1の実施形態と同様に、検知領域32を表示画面31の右上端部に設定する。これにより、間隔演算部23は、第1の実施形態と同様に、平均時間間隔Δtを演算する。そして、領域設定部22は、スポットSr1及びSr2に基づいて上記のマスク領域33を設定する。検知領域32の設定と同様に、マスク領域33の設定は、ユーザ入力によって行われてもよい。この場合、領域設定部22は、操作入力部35を介したユーザ操作に基づいてマスク領域33を設定する。なお、検知領域32が設定されずにマスク領域33のみが領域設定部22によって設定され、間隔演算部23がマスク領域33を用いて平均時間間隔Δtを演算することも可能である。
【0051】
予測判定部24は、時刻tx(本例では、時刻t5)以降に平均時間間隔Δtの倍数の時刻ごとにマスク領域33にスポットSrが出現するか否かを判定する。具体的には、予測判定部24は、時刻tx以降でm番目の予測タイミング(tx+m×Δtの時刻)に、マスク領域33にスポットSr(x+m)が存在するか否かを判定する。予測判定部24は、カウント値mとスポットSrの存在/不在を示す判別値d(スポット存在でd=1、スポット不在でd=0)をメモリ26に記憶する。すなわち、予測判定部24は、マスク領域33にスポットSrが含まれる状態から、動画Mを平均時間間隔Δtづつずらしていき、各検知タイミングにおいてマスク領域33にスポットSrが含まれているか否かを判別する。第1の実施形態と同様に、不点特定部25は、予測判定部24からの終了信号を受けて、メモリ26に記憶されたカウント値m及び判別値dに基づいて全点灯情報又は不点情報を出力部30に出力させる。
【0052】
図8に、本実施形態による不点検知方法のフローチャートの一例を示す。
ステップS100〜S110の処理は、
図5に示した第1の実施形態の処理と同様である。すなわち、ステップS100において、動画Mが撮影され、ステップS105において、画像取得部10が動画Mを画像解析部20に入力する。
【0053】
ステップS110以降において、画像解析部20による画像解析処理が行われる。
ステップS110において、領域設定部22によって検知領域32が設定される。
ステップS115において、領域設定部22によってスポットSr1及びSr2に基づいてマスク領域33が設定される。
【0054】
ステップS120〜S128の処理は、
図5に示した第1の実施形態の処理と同様である。すなわち、ステップS120〜S126において、間隔演算部23がスポットSr1〜Srxに基づいて各時間間隔Δsを取得し、ステップS128において、間隔演算部23が時間間隔Δsの平均時間間隔Δtを演算する。
【0055】
ステップS130において、予測判定部24は、動画Mを平均時間間隔Δtだけ進め、カウント値mを1増分する。
ステップS133において、予測判定部24が、tx+m×Δtの時刻に、マスク領域33にスポットSr(x+m)が存在するか否かを判別する。スポットSr(x+m)が存在する場合(ステップS133:YES)、ステップS134において、予測判定部24は、カウント値mと判別値d=1をメモリ26に記憶する。一方、スポットSr(x+m)が存在しない場合(ステップS133:NO)、ステップS136において、予測判定部24は、カウント値mと判別値d=0をメモリ26に記憶する。
ステップS138の処理は、
図5に示した第1の実施形態の処理と同様である。すなわち、予測判定が終了すると処理はステップS140に進む。
【0056】
ステップS140、S150及びS155の処理は、
図5に示した第1の実施形態の処理と同様である。すなわち、ステップS140において、不点特定部25は、全てのカウント値mについて判別値d=1であるか否かを判定する。全てのカウント値mについて判別値d=1の場合(ステップS140:YES)、ステップS150において、不点特定部25は、全点灯情報を出力部30に出力させる。一方、特定のカウント値m=yについて判別値d=0である場合(ステップS140:NO)、ステップS155において、不点特定部25は、カウント値yに基づいて照明灯2−(x+y)が不点であることを示す不点情報を出力部30に出力させる。これにより、不点の照明灯2が検知及び特定される。
【0057】
以上のように、本実施形態の不点検知装置1においては、領域設定部22が、検知領域としてマスク領域33を設定し、マスク領域33が、照明灯2−1と照明灯2−2の設置間隔を示す画像部分によって規定される。このように、マスク領域33は、照明灯2−1と照明灯2−2に対応するスポットSr1とスポットSr2の間の位置間隔によって規定される。これにより、スポットSrの移動方向に比較的広い幅のマスク領域33を用いてスポットSrの在/不在が判定されるので、予測判定部24による検知タイミングが若干ずれたとしても、検知対象となるスポットSr又はスポットであるはずの位置(すなわち、不点の照明灯2に対応する位置)が確実にマスク領域33に含まれることになる。また、マスク領域33の幅は2以上のスポットSrを含まない幅であるので、予測判定部24による検知タイミングが若干ずれたとしても、検知タイミングの順番と、検知対象となるスポットSr又はスポットであるはずの位置の順番に不一致が生じることもない。したがって、照明灯2の各々について確実な不点の判別が可能となる。
【0058】
<プログラム等>
なお、上述した各実施形態における不点検知装置1(CPU21)を実現する各構成要素、及び処理の各ステップは、メモリ26のRAM又はROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0059】
また、本発明は、上記各実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(
図5又は
図8に示すフローチャートに対応したプログラム)が、不点検知装置1(CPU21)に直接に、又は遠隔から供給される場合も含む。したがって、本発明の機能処理を実現するために、不点検知装置1(CPU21)にインストールされるプログラムコード自体も本発明に含まれる。すなわち、本発明には、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラムも含まれる。そのプログラムは、コンピュータを、領域設定部22、間隔演算部23、予測判定部24及び不点特定部25の全部又は一部として機能させることができる。このように、本発明は、上記実施形態に示したような作用効果をソフトウェアの導入によって実現できるので、不点検知装置1の導入容易性を向上することができる。
【0060】
上記プログラムがインターネットからダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ブラウザ機能によってインターネットのホームページに接続された不点検知装置1に、そのホームページから上記コンピュータプログラム又は圧縮され自動インストール機能を含むファイルがハードディスク等にダウンロードされる。
【0061】
上記プログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体も本発明に含まれる。プログラムが記憶媒体によって供給される場合は、その記憶媒体は、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク等であればよく、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)等であってもよい。
【0062】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0063】
(1)第1の実施形態の変形例
上記第1の実施形態においては、スポットSrに関する平均時間間隔Δtに基づいて不点検知が予測的に行われる構成を示したが、スポットSrに関する各時間間隔Δsに基づいて不点検知が統計処理的に行われる変形例も可能である。
【0064】
本変形例では、画像解析部20において予測判定部24は使用されない。間隔演算部23は、全てのスポットSrについて、スポットSrkが検知領域32を通過する時刻tkと、スポットSr(k−1)が検知領域32を通過する時刻t(k−1)の差分Δsk=tk−t(k−1)を演算し、それらをメモリ26に記憶する。不点特定部25は、記憶された時間間隔Δs2〜Δskから最小の時間間隔である単位時間間隔Δs0を決定する。あるいは、スポットSr1とスポットSr2の間隔Δs2を単位時間間隔Δs0としてもよい。不点特定部25は、全ての時間間隔Δsが単位時間間隔Δs0に略等しいか否かを判定する。この判定は、例えば、対象となる時間間隔Δsが単位時間間隔Δs0に対して所定の比率(例えば、1.5倍)以内に含まれるか否かを判別することによって可能となる。
【0065】
全ての時間間隔Δsが単位時間間隔Δs0に略等しい場合には、不点特定部25は照明灯2−1〜2−nの全てが点灯していることを示す全点灯情報を出力部30に出力させる。 一方、特定のカウント値k=zの時間間隔Δszが単位時間間隔Δs0の倍数付近であった場合には、不点特定部25は、照明灯2−(z−1)以降の照明灯2に不点があると判別する。例えば、特定のカウント値k=zの時間間隔Δszが単位時間間隔Δs0の2倍付近であった場合には、不点特定部25は、照明灯2−zが不点であると判別する。また、不点特定部25は、特定のカウント値k=zの時間間隔Δszが単位時間間隔Δs0の3倍付近であった場合には、照明灯2−z及び2−(z+1)が不点であると判別する。そして、上記各実施形態と同様に、不点特定部25は、不点である照明灯2に関する不点情報を出力部30に出力させる。
【0066】
このように、不点特定部25は、時間間隔Δszが単位時間間隔Δs0の倍数である場合に時間間隔Δszに含まれる期間に対応する照明灯2が不点であることを特定することができる。本変形例によると、予測判定部24が不要となり、不点検知装置1の構成が更に簡素化される。また、入口Taに近い照明灯2に不点がある場合でも不点検知処理が可能となる。
【0067】
(2)第2の実施形態の変形
上記第2の実施形態では、平均時間間隔Δtごとにマスク領域33にスポットSrが含まれるか否かが判別される構成を示したが、連続時間においてマスク領域33にスポットが含まれない期間がある場合に不点の存在を判定する構成も可能である。すなわち、マスク領域33はスポットSr1とスポットSr2の幅で規定されるため、隣接する2つの照明灯2がともに点灯していれば、それらの2つの照明灯2のいずれか一方が必ずマスク領域33に含まれることになる。一方、隣接する2つの照明灯2の一方が不点である場合、マスク領域33にいずれのスポットも含まれない期間が生じる。不点特定部25はこのスポット不在の期間がある場合に、対応する照明灯2が不点であることを特定することができる。
【0068】
ただし、複数の不点照明灯が連続する場合、不点の照明灯の存在は特定できるものの、どの照明灯が不点であるのかを特定できないことに留意する必要がある。一方、本変形例では、不点検知の処理が照明灯2の位置的周期性に基づくので(すなわち、不点検知の処理に時間要素が含まれないので)、車両Vの走行速度を略一定とする必要がない。したがって、更に簡便な不点検知方法が実現される。
【0069】
(3)照明灯2及び3に関する変形
上記各実施形態では、右車線上方の照明灯2及びスポットSrの不点検知処理について説明したが、同様の不点検知処理が左車線上方の照明灯3及びスポットSuについても適用可能である。また、照明灯2についての不点検知処理と照明灯3についての不点検知処理とが同時に並列的に実行されるようにしてもよい。更に、上記各実施形態では照明灯2がトンネル灯である構成を示したが、照明灯2はこれに限られず一般の道路に設置された道路灯であってもよい。
【0070】
(4)動画Mに関する変形
上記各実施形態においては、車載カメラCから取得された撮像画像に対して画像解析処理(不点検知処理)が適用される構成を示したが、撮像画像における輝度が対応色又は濃淡に変換されて生成された輝度分布画像に対して上記同様の画像解析処理が適用されるようにしてもよい。この場合、第2の実施形態において、マスク領域33を設定する際の補助線は、スポットSr1及びSr2のそれぞれの中心を結ぶ線、すなわち、最初に画面右上端部に登場する2つの極大輝度点を結ぶ線として定義されるようにすればよい。
【0071】
(5)動画Mの撮影方向の変形
上記各実施形態では車載カメラCが車両Vの進行方向前方を撮影する構成を示したが、車載カメラCが車両Vの進行方向後方を撮影する構成としてもよい。この場合、撮影された動画の逆戻し動画について、上記と同様の不点検知処理が行われるようにすればよい。