(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、交通違反の取締りに必要な情報を効率的に管理することが可能な交通違反管理システムおよび交通違反管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る交通違反管理システムは、画像取得手段と、人物特定手段と、判定手段と、記憶手段と、を備える。画像取得手段は、交撮像手段により撮像された交通違反の時の画像を取得する。人物特定手段は、取得した画像から、交通違反が検出された車両の運転者および所有者および同乗者うちの少なくとも一の人物を特定する。判定手段は、取得した画像から、交通違反を証明できる確実性を判定する。記憶手段は、少なくとも上記確実性と、確実性の判定に用いた画像と、人物特定手段により特定された人物の情報と、人物特定手段に用いられた画像とを関連付けた交通違反情報を、交通違反毎に保存する。
【0007】
本交通違反管理システムは、交通違反が検出された画像に基づいて、人物特定手段が違反した人物を特定するとともに、判定手段がその立証の確実性を判定し、立証に用いる画像と関連付けて保存する。つまり、本交通違反管理システムでは、立証に要する情報だけでなくその立証の確実性も関連付けて保存される。よって、交通違反の取締りに必要な情報を効率的に管理することができる。このため、交通違反を取り締まる警察官等は、例えば、立証の確実性のある交通違反情報を優先的に抽出することができる。
【0008】
第2の発明に係る交通違反管理システムは、第1の発明に係る交通違反管理システムであって、表示手段の画面に上記確実性に応じた順番に交通違反情報を表示させる表示制御手段を更に備える。
ここでは、立証の確実性に関連付けられた画像や情報を、表示手段の画面に表示することができる。よって、交通違反の判定を行う警察官等は、表示手段の表示画面を確認して、効率よく交通違反の取締りを実施することができる。
【0009】
第3の発明に係る交通違反管理システムは、第1または第2の発明に係る交通違反管理システムであって、交通違反情報は、判定手段により確実性があると判定され、かつ、人物特定手段により人物が特定できた場合に、記憶手段に保存される。
ここでは、画像を含む交通違反情報は、確実性が判定され且つ人物が特定できた場合に保存されるため、記憶手段の記憶データ量を抑えることができ、記憶手段を効率的に使用できる。
【0010】
第4の発明に係る交通違反管理システムは、第1または第2の発明のいずれか1つに係る交通違反管理システムであって、判定手段は、交通違反を証明できる確率を算出することにより確実性を判定する。
ここで、交通違反を証明できる確率、つまり立証確率とは、例えば、0〜100%までの数値である。立証確率は、例えば、同一違反について、違反時の写真が2枚(車番と運転者の顔が確認できるもの)あり、特定した車番情報と運転者情報が取得できた場合は、立証確率100%と算定される。また、例えば、同一違反について、違反時の写真が1枚あり、車番は明確であるものの運転者のおでこから上が撮影できていない場合であって、特定した車番情報と運転者情報が取得できた場合は、立証確率80%が算定される。
【0011】
ここでは、交通違反を証明できる確率を算定するため、交通違反の証明の確実性をより厳密かつ詳細に判定できる。更に、交通違反を取り締まる警察官等は、立証の確率に応じて交通違反情報を確認することができ、効率的に交通違反を処理することができる。
【0012】
第5の発明に係る交通違反管理システムは、第4の発明に係る交通違反管理システムであって、判定手段は、所定範囲の上記確率毎に、複数の交通違反情報を整理して記憶手段に保存する。
ここでは、所定範囲の交通違反を証明できる確率に応じて、交通違反情報を整理して保存するため、例えば、確率の高い交通違反情報のみを抽出したり、確率の低い交通違反情報を削除または別の記憶手段に移動させたりすることが可能になる。このため、効率的に交通違反を処理できることに加え、記憶手段の記憶データ量を抑えることができ、記憶手段を効率的に使用できる。
【0013】
第6の発明に係る交通違反管理システムは、第2の発明に係る交通違反管理システムであって、判定手段は、交通違反を証明できる確率を算出することにより確実性を判定し、表示制御手段は、表示手段の画面に、所定範囲の上記確率毎に複数の交通違反情報を整理して表示させる。
ここで、所定範囲の交通違反を証明できる確率に応じて、交通違反情報を整理して表示手段に表示するため、例えば、所定範囲の確率毎に交通違反件数を出力したり、確率の昇順または降順に交通違反情報を表示できる。このため、交通違反を取り締まる警察官等は、立証の確率に応じて交通違反情報を確認することができ、効率的に交通違反を処理することができる。
【0014】
第7の発明に係る交通違反管理システムは、第2または第6の発明のいずれか1つに係る交通違反管理システムであって、入力操作を受け付ける入力部を更に備える。表示制御手段は、入力部の入力操作によって選択される確実性に応じて交通違反情報を抽出し、表示手段に表示させる。
ここでは、検索機能によって確率に応じた交通違反情報を抽出し、表示手段に表示することができるため、交通違反を取り締まる警察官等は、立証の確率に応じて交通違反情報を確認することができ、効率的に交通違反を処理することができる。
【0015】
第8の発明に係る交通違反管理システムは、第1、第2または第6の発明のいずれか1つに係る交通違反管理システムであって、撮像手段は道路を撮像するカメラであり、交通違反はカメラの画像により検出される。
ここでは、カメラ画像により交通違反を立証する確実性を判定するため、立証の確実性を向上させることができる。
【0016】
第9の発明に係る交通違反管理システムは、第1、第2または第6の発明のいずれか1つに係る交通違反管理システムであって、交通違反に対する違反金の請求書類を作成する違反金請求書類作成手段を更に備え、違反金請求書類作成手段は、作成した違反金の請求書類を交通違反情報に関連付けて記憶手段に保存する。
ここでは、交通違反情報を更に違反金請求書類に関連付けて保存するため、交通違反を取り締まる警察官等は、更に効率的に交通違反を処理することができる。
【0017】
第10の発明に係る交通違反管理システムは、画像取得手段と、人物特定手段と、判定手段と、表示制御手段と、を備える。画像取得手段は、撮像手段により撮像された交通違反の時の画像を取得する。人物特定手段は、取得した画像から、交通違反が検出された車両の運転者および所有者および同乗者うちの少なくとも一の人物を特定する。判定手段は、取得した画像から、交通違反を証明できる確実性を判定する。表示制御手段は、少なくとも上記確実性と、確実性の判定に用いた画像と、人物特定手段により特定された人物の情報と、人物特定手段に用いられた画像とを交通違反毎に関連付けた交通違反情報を、確実性に応じた順番に画面に表示させる。
ここでは、立証に要する情報だけでなくその立証の確実性も関連付けて表示される。このため、交通違反の取締りに必要な情報を効率的に表示することができる。よって、交通違反を取り締まる警察官等は、例えば、立証の確実性のある交通違反情報を優先的に確認することができる。
【0018】
第11の発明に係る交通違反管理方法は、画像取得ステップと、人物特定ステップと、判定ステップと、記憶ステップと、画像取得ステップとを含む。画像取得ステップにおいては、撮像手段により撮像された交通違反の時の画像を取得する。人物特定ステップにおいては、取得した画像から交通違反が検出された車両の運転者および所有者および同乗者うちの少なくとも一の人物を特定する。判定ステップにおいては、取得した画像から、交通違反を証明できる確実性を判定する。記憶ステップにおいては、少なくとも上記確実性と、確実性の判定に用いた画像と、人物特定ステップにおいて特定された人物の情報と、人物特定ステップに用いられた画像とを関連付けた交通違反情報を、交通違反毎に保存する。
【0019】
本交通違反管理方法は、交通違反が検出された画像に基づいて、人物特定ステップにおいて違反した人物を特定するともに、判定ステップにおいてその立証の確実性を判定し、立証に用いる画像と関連付けて保存する。つまり、本交通違反管理方法では、立証に要する情報だけでなくその立証の確実性も関連付けて保存される。このため、交通違反の取締りに必要な情報を効率的に管理することができる。よって、交通違反を取り締まる警察官等は、例えば、立証の確実性のある交通違反情報を優先的に抽出することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る交通違反管理システムおよび交通違反管理方法によれば、交通違反の取締りに必要な情報を効率的に管理することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る交通違反管理システム100について、
図1〜
図8を用いて説明すれば以下の通りである。
<1.交通違反管理システム100の概要>
本実施形態に係る交通違反管理システム100は、接続される交通違反取締装置によって取得される違反検出情報(交通違反の内容、場所、画像を含む)を取得し、同違反検出情報に基づき、交通違反の立証の確実性を判定し、立証確率に応じて交通違反情報を管理する。
【0023】
交通違反管理システム100は、例えば、交通違反の取締りを行う警察署等に設置される。警察署では、本システム100において交通違反の発生を検出した場合、警察官等が、後述するように抽出された画像を確認しながら交通違反として取締りの対象とするか否かの決定を行う。つまり、本交通違反管理システム100は、警察官等が効率よく交通違反の処理を実施できるようにサポートするためのシステムとして活用される。実際に使用される際には、警察官等は、本システム100と接続されたPC等を用いて、1件ずつPCの表示画面を確認しながら、交通違反の処理が行われる。入力手段は、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。
【0024】
交通違反管理システム100は、所定の交通違反取締装置(例えば、自動速度違反取締り装置、自動車ナンバー自動読取装置、自動信号無視取締機等)に接続される。交通違反取締装置は、撮像手段としてのカメラを含み、交通違反管理システム100に対して画像を供給する。
カメラは、例えば、
図1(a)に示すように、交差点における所定の位置に設置されるカメラ10である。カメラ10は、設置された道路およびその道路を走行する車両を含む画像を撮像する。そして、カメラ10は、後述するように、交通違反管理システム100に対して、撮像した画像を送信する。
【0025】
カメラ10は、例えば、取得される画像を用いて交通違反および人物を特定するために、交差点内を移動する車両正面および運転者の撮影が可能な位置に設置される。設置位置としては、例えば、
図1(a)および
図1(b)に示すように、カメラ10専用に設けられた支柱(逆U字型、L字型)102等に設置されてもよいし、信号機や街灯、歩道橋、標識等、既存の設備に取り付けられてもよい。
なお、図示のように、カメラ10はレーン毎に設置する必要はなく、複数レーンに1台であってもよいし、1レーンに複数台設定してもよい。
【0026】
<2.本交通違反管理システム100の構成>
本実施形態の交通違反管理システム100は、交通違反検出時に撮像した画像(写真や映像を含む)を取得する。更に交通違反管理システム100は、取得した画像から違反者を特定するとともに、交通違反の立証の確率を算出する。つまり、交通違反管理システム100は、交通違反の立証確率に応じて情報を自動的に整理、保存し、表示することで、警察官等による交通違反の取締り効率を向上させる。なお、ここで違反者とは、車両の運転者、同乗者、車両の保有者等、各国において規定された法律等に基づいて定められる者であり、国や自治体ごとに特定対象が異なっていてもよい。
【0027】
本実施形態において、検出される交通違反の内容(種別)とは、画像を用いて立証が可能な交通違反であって、例えば、信号無視、速度超過、通行禁止違反、通行区分違反、追い越し禁止違反、指定場所一時不停止、放置駐車違反、通行帯違反等が含まれる。
交通違反管理システム100は、
図2に示すように、検出情報取得手段11(画像取得手段の一例)と、立証確率判定手段12(判定手段の一例)と、人物特定手段13(人物特定手段の一例)と、違反金請求書類作成手段14(違反金請求書類作成手段の一例)と、記憶手段15(記憶手段の一例)と、表示制御手段16(表示制御手段の一例)と、表示手段17(表示手段の一例)と、を備えている。交通違反管理システム100はまた、入力部150(入力部の一例)に接続される。
【0028】
検出情報取得手段11は、違反検出手段19より違反情報を取得する。
違反検出手段19は、例えば、自動速度違反取締装置、自動車ナンバー自動読取装置、自動信号無視取締機等の交通違反取締装置であり、撮像手段であるカメラ10(撮像手段の一例)を含む。これらの装置により交通違反が検出された場合、カメラ10は対象車両のナンバープレートと運転者を撮像し、画像を生成する。ここで、自動速度違反取締装置は、例えば、レーダ式やループコイル式等があり、公知の技術を用いたもので良い。
なお、交通違反管理システム100は、別のシステムに属する違反検出手段19に接続されていてもよい。
【0029】
検出情報取得手段11は、違反検出手段19から違反検出情報を取得する。違反検出情報は、交通違反の内容(種別)と、交通違反が発生した場所、およびカメラ10により撮像された画像(違反車両の画像や人物の画像)等、を含む。検出情報取得手段11は、取得した画像を、立証確率判定手段12および人物特定手段13に対して送信する。
【0030】
検出情報取得手段11は、取得した違反検出情報(画像データを含む)を一時的に保存する記憶部(図示省略)を備え、受信時間間隔やデータ量を調整した上で本システム100による処理を開始するようにしてもよい。
立証確率判定手段12は、交通違反の内容や、違反車両が含まれる一つまたは複数の画像等の情報から、交通違反を立証するのに十分な情報が揃っているかどうかを判定し、その立証の確実性を判定するとともに、その立証確率を算出する。より具体的には、取得した交通違反の内容と、交通違反を撮影した画像の内容や鮮明さ等から、その交通違反を立証するための証拠として使用し得る画像が揃っているかを判定し、立証確率を算出する。画像の内容は、例えば、人物の顔が全て含まれているか、ナンバープレートが全て含まれているか、人の顔とナンバープレートとが一つの画像に含まれているか、全て含まれていない場合どの程度まで含まれているか、等を示す。また、各画像内容に加え、同一の違反を撮影した写真の枚数からも立証確率を算出する。
【0031】
立証確率判定手段12は、後述する人物特定手段13により人物が特定できた場合、交通違反毎に、人物特定手段13により使用した画像や立証の判定に用いた画像、および人物特定手段13により特定される人物情報等と、立証確率とを関連付けた交通違反情報を生成し、記憶手段15に保存する。なお、立証確率判定手段12の詳細な処理内容については、
図3を用いて後段にて詳述する。
【0032】
人物特定手段13は、違反車両や交通違反に関連する人物を特定する。交通違反に関連する人物とは、違反車両の運転者、同乗者、所有者、違反車両の運転者の雇用主(企業等)等が含まれる。人物特定手段13は、検出情報取得手段11から受信した画像から読み取った車番情報と、予め記憶されている登録情報とを照会し、車両の持ち主を特定し、人物情報として出力する。また、人物特定手段13は、公知の顔認証技術を用いて、画像から検出した運転者や同乗者の顔と、予め保有する免許証の写真情報とを照合し、違反した運転者や同乗者を特定する。人物特定手段13は、特定した人物情報や車両情報を、立証確率判定手段12に出力する。なお、人物特定手段13が交通違反に関連する人物を特定する際の詳細な処理内容については、
図4を用いて後段にて詳述する。
【0033】
違反金請求書類作成手段14は、交通違反毎に、交通違反の違反金(反則金)の請求書を作成する。より具体的には、違反金請求書類作成手段14は、選択された交通違反の内容に基づいて、予め記憶された違反金に関する情報を参照し、違反金の金額を設定する。そして、違反金請求書類作成手段14は、選択された交通違反で特定された人物情報に基づいて、請求書の送付先となる住所等を検出し、違反金請求書類を作成する。
【0034】
記憶手段15は、立証確率判定手段12が生成した交通違反情報を記憶する。なお、記憶手段15は、例えば磁気記録装置、半導体メモリ等である。
表示制御手段16は、記憶手段15に保存された交通違反情報を、立証確率の高いグループ順に表示するように、表示手段17を制御する。
表示手段17は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であって、記憶手段15に保存されている交通違反情報を立証確率に応じて表示する。なお、表示手段17の表示画面における表示態様については、
図5(a)から(c)を用いて、後段にて詳述する。
【0035】
入力部150は、交通違反管理システム100に接続されるマウス、キーボード、タッチパネル等により構成され、ユーザー(警察官等)によって操作される。入力部150の操作に応じて、違反金請求書類作成手段14や表示制御手段16等による機能が実行される。
【0036】
<2−1.立証確率判定手段12の構成>
立証確率判定手段12について、
図3を用いて以下に説明する。
立証確率判定手段12は、
図3に示すように、記憶手段15の一部であるデータベース(DB)21にアクセス可能である。
DB21は、交通違反を立証するための条件(立証に使える画像の条件を含む)に関する情報(立証条件)を記憶する立証条件記憶部211と、立証確率判定手段12により生成される交通違反情報を記憶する交通違反情報記憶部212とを含む。
【0037】
ここで、立証条件は、DB21の立証条件記憶部211に記憶されている。立証条件は、例えば、違反車両や人物を撮影した写真や画像の枚数、写り具合、内容、鮮明さ等の条件項目を含み、条件項目毎に立証可能性の基準となる閾値を設定する。
立証確率判定手段12は、立証条件記憶部211に記憶されている立証条件を参照し、これらの条件項目をどの程度満たしているか、例えば、閾値以上であるかどうか、人物の判別は可能かどうか等を判定する。例えば、同一違反について、違反時の車番が確認できる写真と運転者の顔が確認できる写真の2枚がある場合は、立証確率100%と算定される。また、同一違反について、違反時の写真が1枚あり、車番は明確であるものの運転者のおでこから上が撮影できていない場合は、立証確率80%が算定される。なお、立証確率判定手段12は、立証条件をほとんど満たさない場合、立証確率を算定せず、立証が不可として処理を終了してもよい。また、立証確率判定手段12は、立証確率が所定未満(例えば、80%未満)の場合、立証確率を算定せず、立証が不可として処理を終了してもよい。
【0038】
人物の判別が可能な画像の条件として、例えば、運転者を判別する場合は、画像中の運転者の顔が鮮明で免許証の顔写真と十分に照合できることが考えられる。その他にも、車両の保有者を判別する場合は、画像中の違反車両の車両番号が鮮明で十分に読み取り可能であることが考えられる。
上記立証条件は、国や自治体の法律、条例、運用等に応じた立証に必要な条件に基づいて予め記憶される。例えば、1枚の画像中に、特定可能な違反車両と運転者とが含まれていければならない、複数の画像を組み合わせた場合に各画像に特定可能な違反車両と人物とが立証可能な状態で含まれていなければならない、交通違反の立証には人物の写真が2枚以上なければならないといった条件である。また、運転者に対して取締りを行う国であれば、運転者のみを特定する条件(運転者の画像や写真の有無)が設定され、車両の所有者に対してのみ取締りを行う国であれば車両番号のみを特定する条件が設定される。かかる前提条件は、DB21等に予め記憶される。立証確率判定手段12は、記憶された前提条件を参照し、取得した違反検出情報が前提条件を満たしているかどうかを判定する。立証確率判定手段12は、立証確率を判定する前に、前提条件を満たさない場合は、立証不可として処理を終了してもよい。なお、これらの前提条件は、本交通違反管理システム100が導入される国や自治体の法律や運用等に基づいて適宜変更される。
【0039】
立証条件は、証拠の重要度に応じて重み付けがなされていてもよい。例えば、ナンバープレートが画像中にあるとする条件項目が、取得された画像の枚数よりも重要度が高い場合、ナンバープレートの画像の鮮明性は立証への寄与度が高く、画像の枚数は立証への寄与度は低いと考えられる。この場合、前者の重み係数は大きく、後者の重み係数は小さく設定される。
【0040】
このようにして、立証確率判定手段12は、DB21に記憶された立証条件と、取得された画像とを照合して、画像に含まれる対象車両が交通違反を犯したことを立証する確率を算定する。
立証確率判定手段12はまた、後述する人物特定手段13により人物が特定できた場合、交通違反毎に、人物特定手段13により使用した画像や立証の判定に用いた画像、および人物特定手段13により特定される人物情報等と、立証確率とを関連付けた交通違反情報を生成する。そして立証確率判定手段12は、生成した交通違反情報を交通違反情報記憶部212に保存する。交通違反情報は、立証確率ごとに交通違反情報が管理、出力可能なように保存される(立証確率100%、立証確率80%以上、立証確率80%未満等)。なお、交通違反情報として保存される画像は、違反検出情報として取得した画像全てでなくともよく、その一部であってもよい。例えば、立証条件および/または上記前提条件に合致する画像、或いは後述する人物特定手段13によって用いられた画像のみ保存するようにしてもよい。
【0041】
立証条件記憶部211および交通違反情報記憶部212は、DB21に設けられる必要はなく、他の接続可能な記憶装置(半導体メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体等)に設けられていてもよい。
【0042】
<2−2.人物特定手段13の構成>
人物特定手段13の詳細な構成について、
図4を用いて以下に説明する。
人物特定手段13は、
図4に示すように、記憶手段15の一部であるデータベース(DB)23にアクセス可能である。
DB23は、免許証情報記憶部231および自動車登録番号記憶部232を有する。免許証情報記憶部231は、運転免許取得者の顔写真、氏名、住所、生年月日等の情報を記憶する。自動車登録番号記憶部232は、自動車登録番号(ナンバープレート)、車両の名義人の氏名、住所等の情報を記憶する。
【0043】
人物特定手段13は、免許証情報記憶部231および自動車登録番号記憶部232を参照し、取得した違反検出情報における画像と照合することにより、交通違反を犯した違反車両に関連する人物(運転者、同乗者、所有者、使用者(企業等))を特定する。
具体的には、人物特定手段13は、例えば、画像に含まれる運転者、同乗者等の顔が、顔認証技術を用いて、免許証情報記憶部231に記憶された免許証の顔写真と一致するかどうかを判定する。その他にも、画像から検出された車両番号と、自動車登録番号記憶部232に記憶された車両情報とを照合し、違反車両の所有者等が特定する。人物特定手段13は、特定した人物情報を立証確率判定手段12に送信するとともに、人物特定に使用した画像は記憶手段15に保存する。
免許証情報記憶部231および自動車登録番号記憶部232は、DB23に設けられる必要はなく、他の接続可能な記憶装置(半導体メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体等)に設けられていてもよい。
【0044】
<3.表示手段17における表示態様>
本実施形態の交通違反管理システム100では、上述のように、立証確率判定手段12および人物特定手段13によって、交通違反毎に立証確率が算出され、対応する画像やその他付随する情報と共に記憶手段15に保存される。そして、表示制御手段16は、入力部150による操作等に応じて、記憶手段15(DB21)に保存された交通違反情報を所定のフォーマットに変換し、表示手段17に表示する。
【0045】
具体的には、液晶ディスプレイ等の表示手段17の画面には、
図5(a)〜(c)に示すように、交通違反に関する各種情報を表示する。
図5(a)の画面17aは、本交通違反管理システム100によって立証確率が算定された交通違反情報を、所定範囲の立証確率のグループ毎(図示例では、100%、99%〜80%、80%未満)に件数を表示する例を示す。また、画面17aにおいては、立証確率が高いグループ順に上から並べられて表示されている。このため、ユーザー(警察官等)は、画面17aを見て、立証確率が高いグループを優先して選択することができる。なお、選択操作は、入力部150により行われる。ユーザーが画面17aを見て関心のある立証確率の高いグループを選択すると、画面17bは
図5(b)の画面17bに遷移する。
【0046】
図5(b)の画面17bは、
図5(a)で選択された立証確率が高いグループ(立証確率100%)の交通違反情報をリスト表示した例を示す。画面17bでは、各交通違反情報に関する主要な情報(日付、違反種別、違反者名、場所等)が表示される。ここでは、交通違反情報のリストは、日付順、違反種別順、同一違反者の数が多い順等で表示するようにしてもよい。ユーザーが画面17bを見て関心のある交通違反情報を選択すると、画面17bは
図5(c)の画面17cに遷移する。
【0047】
図5(c)の画面17cは、
図5(b)で選択された交通違反情報の詳細な内容を示す。交通違反情報は、同図に示すように、例えば、交通違反の内容(種別)、違反場所、違反者名(少なくとも運転者および車両所有者の一方)、画像の撮像日時、違反を特定する画像(少なくとも人物および車両が特定できる画像)を含む。同図に示すように、画面17cには、一つの交通違反情報が表示される。
【0048】
本実施形態の交通違反管理システム100では、以上のように、1つの交通違反を立証するために必要な情報(違反内容、人物および車両を特定するための画像、違反場所、画像の撮像日時等)と算定された立証確率とが記憶手段15(DB21)内に関連付けされた状態で保存される。このため、これらの関連付けされた情報を、立証確率に応じて表示手段17に表示することができる。立証確率に応じて表示するとは、例えば、
図5(a)の画面17aに示すように所定範囲の立証確率毎に交通違反件数を表示したり、立証確率の昇順または降順に交通違反情報を表示したりすることを含む。
【0049】
以上の表示制御により、本システム100を用いて交通違反の取締りを行う警察官は、まず
図5(a)に示す画面17aを確認して、立証確率の高いグループの交通違反情報を取得する。そして、
図5(b)に示す画面17bにおいて、更に関心のある交通違反情報を選択して、
図5(c)においてその詳細を確認することができる。よって、警察官は、処理が早くできる可能性のある立証確率の高い案件から着手することができ、交通違反の取締り効率を従来よりも向上させることができる。
【0050】
<4、交通違反管理システム100の処理の流れ>
<4−1.立証確率算定処理>
本実施形態の交通違反管理システム100において、立証確率を算定し交通違反情報を生成する際の具体的な処理の流れについて、
図6のフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
【0051】
本実施形態の交通違反管理システム100では、
図6に示すフローチャートに従って、以下の交通違反管理方法を実施する。
ステップS601において、交通違反管理システム100の検出情報取得手段11は、違反検出手段19より一つの違反検出情報を取得する。違反検出情報は、上述の通り、交通違反の内容(種別)と、交通違反が発生した場所、およびカメラ10により撮像された画像を含む。交通違反内容(種別)とは、例えば、信号無視、速度超過、通行禁止違反、通行区分違反、追い越し禁止違反、指定場所一時不停止、放置駐車違反、通行帯違反等、画像を用いて立証が可能な交通違反である。違反検出を取得した場合、検出情報取得手段11はステップS602に進む。
【0052】
ステップS602において、検出情報取得手段11は、違反検出情報に含まれる画像を取得し、立証確率判定手段12および人物特定手段13に送信する。
ステップS603において、立証確率判定手段12は、検出情報取得手段11から取得された交通違反内容(種別)や画像を含む違反検出情報に基づき立証確率を算定する。具体的には、立証確率判定手段12は、DB21の立証条件記憶部211にアクセスし、取得した画像が立証条件をどの程度満たしているか、閾値以上であるかどうか、人物の判別が可能かどうか等判定する。
【0053】
立証条件は、例えば、例えば、違反車両や人物を撮影した写真や画像の枚数、写り具合、内容、鮮明さ等の条件項目毎に、閾値を設定する。
立証確率判定手段12は、例えば、同一違反について、違反時の車番が確認できる写真と運転者の顔が確認できる写真の2枚がある場合は、立証確率100%と算定される。また、例えば、同一違反について、違反時の写真が1枚あり、車番は明確であるものの運転者のおでこから上が撮影できていない場合は、立証確率80%が算定される。
【0054】
立証確率判定手段12が用いる立証条件は、上述したように、各国や自治体の法律や条例、運用等に応じて定められており、立証確率を判定する際に立証条件を満たしているかどうか判定する。
立証確率判定手段12は、立証条件をほとんど満たさない場合や車両や人物の判別できない場合は、立証確率を算定せず、立証が不可能として処理を終了してもよい。
【0055】
ステップS604において、人物特定手段13は、取得した画像から交通違反に関連する人物を特定する。交通違反に関連する人物は、違反車両の運転者、同乗者、所有者、違反車両の運転者の雇用主(企業等)等が含まれる。人物特定手段13は、これらの人物情報のうち少なくとも違反車両の運転者および所有者のうち少なくとも一方を特定する。
人物特定手段13は、取得した画像から読み取った車番情報と、DB23の自動車登録番号記憶部232にアクセスして取得した登録情報と照合し、車両情報やその所有者を特定する。また、人物特定手段13は、取得した画像から取得した運転者や同乗者の顔情報と、DB23の免許証情報記憶部231にアクセスして取得した人物の顔情報とを照合し、運転者や同乗者を特定する。そして、人物特定手段13は、特定した免許証番号、所有者、運転者、同乗者等の情報を立証確率判定手段に出力する。なお、特定された人物が複数の場合、例えば、所有者と運転者とが異なっている場合や運転者に加えて同乗者も特定できた場合、それぞれの情報を立証確率判定手段12に出力し、人物特定に使用した画像を記憶手段15に保存する。
【0056】
運転者および所有者のうち少なくとも一方を特定できた場合はステップS605に進み、特定できなかった場合は処理を終了する。
ステップS605において、立証確率判定手段12は、ステップS604において算出された立証確率と、人物特定手段13により使用した画像や立証の判定に用いた画像、および人物特定手段13により特定される人物情報等とを関連付けて交通違反情報を生成し、DB21の交通違反情報記憶部212に保存する。
【0057】
<4−2.表示制御処理>
次に、本実施形態の交通違反管理システム100による交通違反情報の表示制御処理について
図7を参照しながら説明する。
ステップS701において、交通違反管理システム100の表示制御手段16は、ユーザー(取締りを行う警察官等)の入力部150(
図2)の入力操作に応じて、画面17a(
図5(a))を表示手段17に表示させる。ユーザーは、画面17aを見て、立証確率に応じて選択すべきグループを決める。
【0058】
ステップS702において、ユーザーは入力部150を介して画面17aから、例えば「1.立証確率100%」のグループを選択する。
ステップS703において、表示制御手段16は、ステップS703の入力部150の入力操作に応じて、表示手段17の画面を画面17aから画面17b(
図5(b))に遷移させる。画面17bは、立証確率判定手段12により立証確率100%と判定された交通違反情報のリストを表示する。ユーザーは、画面17bを見て、関心のある交通違反情報を決める。
【0059】
ステップS704において、ユーザーは入力部150を介して画面17bから、関心のある一つの交通違反情報を選択する。
ステップS705において、表示制御手段16は、ステップS704の入力部150の入力操作に応じて、表示手段17の画面を画面17bから画面17c(
図5(c))に遷移させる。画面17cは、選択された交通違反情報の詳細を表示する。ユーザーは、画面17cを見て、交通違反の内容を確認し、最終的に違反者へ通告するかどうか(違反金を請求するかどうかを含む)を決める。
【0060】
ステップS706において、ユーザーは、画面17cに表示された交通違反について、違反者へ通告する場合は、入力部150を介して入力操作(画面上のボタンの選択等)を実行し、ステップS707に進む。通告しない場合はステップS708に進む。
ステップS707においては、違反金請求書類作成手段14は、ステップS706の入力操作に応じて、通告や請求先の住所等を含む違反金請求書類を作成する。具体的には、違反金請求書類作成手段14は、選択された交通違反の内容に基づいて、予め記憶された違反金に関する情報を参照し、違反金の金額を算出する。そして、選択された交通違反で特定された人物情報に基づいて、請求書の送付先となる住所等を検出し、違反金請求書類を作成する。作成された違反金請求書類データは記憶手段15に記憶される。違反金請求書類は、別途入力操作に応じて印刷等出力される。
ステップS708において、表示制御手段16は、入力部150を介して画面を終了させる操作があった場合は処理を終了し、他の画面へ戻る場合は指定された画面に戻る(ステップS709)。
【0061】
<5.効果等>
以上のように、本実施形態の交通違反管理システム100および同システムにより実行される交通違反管理方法では、立証確率と、検出された交通違反毎に立証確率を算定し、交通違反を立証するために必要な情報(違反内容、特定用画像、その他の情報等)とが関連づけられて保存される。更に、本実施形態の交通違反管理システム100および交通違反管理方法によれば、これらの情報を立証確率に応じて抽出し、表示させることができる。これにより、警察署等において、交通違反のうち立証確率が高い交通違反に関する情報を抽出することが可能となる。よって、立証確率が高い違反案件から警察官等が確認して違反金等の請求を行うことが出来るので、警察官等の交通違反の取締りの効率を従来よりも大幅に向上させることができる。
【0062】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
交通違反管理システム100は、例えば、
図8に示すような構成により実施されてもよい。
【0063】
交通違反管理システム100は、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークNにより外部の交通違反取締装置(違反検出手段19)に接続される。交通違反管理システム100はまた、記憶装置160に接続される。
交通違反管理システム100は、コンピュータ端末により構成され、CPU(Central Processing Unit)110、RAM(Random Access Memory)120、出力部130、通信部140、入力部150等を備えている。
【0064】
CPU110は、各種の演算処理等を実行するとともに、RAM120に読み込まれて展開される所定の制御プログラムを実行する。この制御プログラムにより、交通違反管理システム100の各手段(検出情報取得手段11、立証確率判定手段12、人物特定手段13、違反金請求書類作成手段14、表示制御手段16等)の機能が実行される。
RAM120は、SRAM(Static RAM)またはDRAM(Dynamic RAM)等のメモリ素子で構成され、CPU110の処理過程で発生したデータ等の記憶を行うものである。
【0065】
出力部130は、画像および音声等のアナログ信号またはデジタル信号を伝送するケーブル等を接続する接続端子を有しており、これらのケーブルを介して上述した表示手段17に接続されている。出力部130は、表示制御手段16の指令に応じて記憶装置160から読み出された各種の情報を画像信号に変換し、ケーブルを介して表示手段17へ出力する。
【0066】
通信部140は、通信ケーブルを接続するための接続端子或いは無線通信インターフェースを有し、ネットワークNに接続される。通信部140は、ネットワークNに接続された交通違反取締装置(違反検出手段19)やカメラ10との間でデータの送受信を行う。
入力部150は、(マウス、キーボード、画面上で操作するタッチパネル等)により構成される。入力部150は、ユーザーの操作による情報の入力およびメニューの選択等を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU110へ通知する。
記憶装置160は、半導体メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体等により構成される。なお、上述の記憶手段15は、この記憶装置160に含まれるものであってもよいし、別途接続された大容量記憶装置であってもよい。また、記憶装置160はネットワークを介して交通違反管理システム100に接続されていてもよい。
【0067】
(B)
上記実施形態の交通違反管理システム100では、交通違反を証明する確実性の判定として、立証確率判定手段12により立証確率を算出しているが、必ずしも具体的な確率を算出しなくともよい。立証確率判定手段12に代えて立証の可否を判定する判定手段を設けてもよい。この場合、例えば、立証確率判定手段12に代わる判定手段は、取得した違反検出情報が、DB21の立証条件記憶部211に記憶される立証条件を満たしているかどうかを判定する。これらの条件を満たしている場合、判定手段は、交通違反毎に人物特定手段13により使用した画像や判定に用いた画像、および人物特定手段13により特定される人物情報等を含む交通違反情報を生成し、記憶手段15に保存する。その他の構成は、上記実施形態と同様である。
上記構成によれば、立証が確実と判定された交通違反情報のみ記憶手段15に記憶されるため、処理すべきデータ量を抑制することができ、警察官等の交通違反の取締りの効率を従来よりも向上させることができる。また、記憶手段15における記憶データ量を抑えることができる。
【0068】
(C)
上記実施形態の交通違反管理システム100においては、人物特定手段13により人物情報を取得してから、立証確率判定手段12により立証確率を判定するようにしてもよい(
図6のステップS603とS604を入れ替える)。人物特定手段13により人物情報が取得できた場合は、立証確率判定手段12により立証確率を判定する。人物情報が取得できなかった場合は、処理を終了する。
【0069】
人物情報が取得できた場合であっても、例えば、取得できた画像の枚数が立証条件で指定される所定枚数より少ない場合には、交通違反を証明する確率は小さくなり、立証が不可能と判定される。また、例えば、立証条件で運転者と保有者の両方が特定されなければならないとされている場合に、人物情報として車両の所有者の情報が取得できたとしても、運転者が不鮮明で、その人物情報を取得できなければ、交通違反を証明する確率は小さくなり、立証が不可能と判定される。
以上のような処理を行うことにより、人物が特定できている違反検出情報のみについて立証確率を算定することができるため、算定処理の効率を向上させることができる。
【0070】
(D)
上記実施形態の交通違反管理システム100では、違反金請求書類作成手段14は、入力部150を介して選択操作に応じて違反金請求書類を作成しているが、これに限定されない。違反金請求書類作成手段14は、検出情報取得手段11により違反検出情報が取得され、人物特定手段13により人物情報が取得できた場合は、違反金請求書類を作成し、交通違反情報と共にDB21等に保存するようにしてもよい。この場合、表示制御手段16が交通違反情報を表示手段17に表示させるとき(
図5の画面17bや17c)、違反金額も併せて表示させるようにしてもよい。
【0071】
(E)
上記実施形態の交通違反管理システム100では、液晶ディスプレイ等の表示手段17を含む構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、液晶ディスプレイ等の表示手段を含まないシステムとして、本発明の交通違反管理システムを構成してもよい。
【0072】
この場合には、外部装置として、液晶ディスプレイ等の表示手段を用いることで、簡素な構成により効率よく交通違反の取締りを実施することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
また、交通違反管理システム100は、表示手段17を含み、記憶手段15を含まないシステムとして構成されていてもよい。
【0073】
(F)
上記実施形態では、交通違反管理システム100は、カメラ10を含む違反検出手段19によって違反検出情報を取得しているが、これに限定されない。例えば、一般の人からの携帯端末やカメラ画像を含む通報であってもよい。この場合であっても、人物特定手段13により取得された画像や写真等から人物を特定し、立証確率判定手段12により立証確率を算定可能である。
【0074】
(G)
上記実施形態では、外部の違反検出手段19から送信される情報を用いて、警察署等において交通違反の立証確率を算定する交通違反管理システム100を例として挙げている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、交通違反管理システム100が違反検出手段を備えていてもよい。この場合、交通違反管理システム100は、カメラ等の撮像手段から画像を取得し、同画像から交通違反を特定する。交通違反の特定方法としては、例えば、信号無視の場合には、カメラが設置された交差点等における信号機の切り替わりに関する情報に基づき信号無視違反を特定する。また、速度超過違反の場合には、カメラが設置された道路における制限速度に関する情報や、カメラ撮像速度等の情報に基づき速度超過違反を特定する。
【0075】
(H)
上記実施形態の交通違反管理システム100において、表示制御手段16は、ユーザーの入力操作に応じて、立証確率が低い(例えば、立証確率が50%未満のもの)交通違反情報を表示手段17に表示させてもよい。そして、ユーザーの入力操作に応じて選択された立証確率が低い交通違反情報は、交通違反情報記憶部212より削除してもよい。或いは、交通違反管理システム100が立証確率が低い交通違反情報を自動的に削除または別の記憶装置に移動させるようにしてもよい。これにより、記憶手段15の記憶データ量を抑えることができ、記憶容量を有効に使用することができる。
【0076】
(I)
上記実施形態の交通違反管理システム100は、様々な種別の交通違反を検出・管理することも可能である。かかる交通違反は、速度超過や信号無視の他、通行禁止・Uターン禁止違反、通行区分違反、逆走、追い越し禁止違反、指定場所一時不停止、放置駐車違反、通行帯違反、路線バス等優先通行帯違反、車間距離不保持、無灯火、携帯電話使用等を含む。
【0077】
(J)
上記交通違反管理システム100において、DB21、23は一つのデータベースにより構成されていてもよい。また、DB21、23は、交通違反管理システム100の一部として含まれていてもよいし、別のシステムに含まれ交通違反管理システム100がアクセス可能に設けられていてもよい。
【0078】
(K)
上記交通違反管理システム100により実行される処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができる。
また、交通違反管理システム100により実行される処理方法である交通違反管理方法、同方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリを挙げることができる。また、コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。