(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態に係る照明装置及びそれを備える画像表示装置の一例を、図面を参照しながら下記の順で説明する。なお、本実施形態では、画像表示装置として、3LCD方式のプロジェクタ(画像投影装置)を例に挙げ説明するが、本発明はこれに限定されない。
1.画像表示装置の構成例
2.光源装置部(照明装置)の構成例
3.蛍光部材の構成例
4.光源装置部の動作例
【0016】
[1.画像表示装置の構成例]
図1に、本発明の一実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す。なお、
図1では、説明を簡略化するため、主に、本実施形態の画像表示装置10において画像光を外部に投影する際に動作する要部のみを示す。また、
図1には、透過型のLCD光変調素子を用いた3LCD方式のプロジェクタの構成例を示すが、本発明はこれに限定されない。本発明は、反射型のLCD光変調素子を用いる3LCD方式のプロジェクタにも適用可能である。
【0017】
画像表示装置10は、光源装置部1(照明装置)と、光学エンジン部2(画像投影部)とを備える。なお、光源装置部1の構成の説明は後で詳述する。
【0018】
光学エンジン部2は、光源装置部1から射出された光(この例では白色光LW)を光学的に処理して画像光LIを生成し、その画像光LIを外部の例えばスクリーン等に拡大投影する。光学エンジン部2は、例えば、分光光学系20と、3つのLCD光変調素子(以下では、それぞれ第1LCDパネル21〜第3LCDパネル23という)と、プリズム24と、投影光学系25とを有する。なお、光学エンジン部2の構成は、
図1に示す例に限定されず、例えば用途等に応じて適宜変更できる。例えば、各部間の光路上に必要となる各種光学素子を適宜配置してもよい。
【0019】
また、この例の光学エンジン部2では、第1LCDパネル21の光出射面と、第3LCDパネル23の光出射面とが対向するように両者を配置し、その両者の対向方向に直交する方向に第2LCDパネル22を配置する。そして、第1LCDパネル21〜第3LCDパネル23の光出射面で囲まれた領域にプリズム24を配置する。また、この例では、プリズム24を挟んで、第2LCDパネル22の光出射面と対向する位置に投影光学系25を配置する。なお、分光光学系20は、第1LCDパネル21〜第3LCDパネル23の光入射側に設けられる。
【0020】
分光光学系20は、例えばダイクロイックミラー、反射ミラー等で構成され、光源装置部1から入射される白色光LWを、青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRに分光し、各波長成分の光を対応するLCDパネルに射出する。この例では、分光光学系20は、分光した青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRをそれぞれ、第1LCDパネル21、第2LCDパネル22及び第3LCDパネル23に射出する。
【0021】
第1LCDパネル21〜第3LCDパネル23のそれぞれは、透過型のLCDパネルで構成される。各LCDパネルは、図示しないパネルドライブ部からの駆動信号に基づいて、液晶セル(不図示)に封入された液晶分子の配列を変化させることにより、入射光を液晶セル単位で透過または遮断する(変調する)。そして、各LCDパネルは、変調した所定波長の光(変調光)をプリズム24に射出する。
【0022】
プリズム24は、第1LCDパネル21〜第3LCDパネル23からそれぞれ入射された各波長成分の変調光を合波し、その合波光、すなわち、画像光LIを投影光学系25に射出する。
【0023】
投影光学系25は、プリズム24から入射された画像光を、例えば外部のスクリーン等の表示面に拡大投影する。
【0024】
[2.光源装置部1の構成例]
次に、本実施形態の光源装置部1の内部構成を、
図1を参照しながら説明する。
【0025】
光源装置部1は、励起光源11と、第1集光光学系12(第1光学系)と、蛍光部材13と、モータ14(駆動部)と、第2集光光学系15(第2光学系)とを備える。そして、本実施形態の光源装置部1では、励起光源11の励起光Lの出射口側から、第1集光光学系12、蛍光部材13及び第2集光光学系15が、この順で配置される。この際、第1集光光学系12、蛍光部材13内の後述する層状の蛍光体32(以下、蛍光体層32という)、及び、第2集光光学系15が、励起光Lの光路上に位置するように配置する。
【0026】
励起光源11は、所定波長(第1の波長)の光を射出する固体発光素子で構成する。この例では、励起光源11として、波長445nmの青色光を射出する青色レーザを用いる。なお、本実施形態では、蛍光体層32に入射する励起光Lの波長を、蛍光部材13内の後述する蛍光体層32における発光光の波長より短くする。
【0027】
また、励起光源11として青色レーザを用いる場合、一つの青色レーザで所定出力の励起光Lを得る構成にしてもよいが、複数の青色レーザから射出される光を合波して所定出力の励起光Lを得る構成にしてもよい。さらに、青色光(励起光L)の波長は445nmに限定されず、青色光と呼ばれる光の波長帯域内の波長であれば任意の波長を用いることができる。
【0028】
第1集光光学系12は、励起光源11から射出された励起光Lを集光し、該集光された励起光L(以下、集光光という)を蛍光部材13に射出する。この際、集光光が、所定の入射角θで蛍光部材13に入射されるように、第1集光光学系12の例えばレンズ構成、焦点距離及び配置位置等のパラメータを設計する。また、集光光の入射角θは、例えば、蛍光部材13内の後述する反射膜31の透過特性(透過率の入射角依存性)に応じて適宜設定される。
【0029】
なお、第1集光光学系12で励起光Lのスポット径を絞ると、高光密度の励起光Lを蛍光部材13に照射することができる。しかしながら、励起光Lのスポットを絞りすぎると、照射領域内の蛍光体原子を発光させるために必要な光量より大きな光量の励起光Lを照射することになる。この場合、照射領域において、蛍光体原子の発光に関与しない光量が増加するので、入射された励起光Lの光量に対する発光量の割合が減少し、蛍光体層32の発光効率が低下する。それゆえ、本実施形態では、集光光のスポット径が、発光効率が低下しないような径になるように、第1集光光学系12の構成を設計する。
【0030】
逆に、集光光のスポット径を広げすぎると、蛍光部材13からの発光光の広がりが増大する。この場合には、第1集光光学系12で、集光光のスポット径が広がりすぎないように調整してもよいし、第2集光光学系15で、広がった発光光を所定の径の平行光に変換するような構成にしてもよい。
【0031】
蛍光部材13は、第1集光光学系12を介して入射された励起光L(青色光)により、所定波長帯域(第2の波長)の光を発光するとともに、励起光Lの一部を透過させる。この例では、光学エンジン部2に入射する光を白色光LWとするので、蛍光部材13は、励起光Lにより、緑色光及び赤色光を含む波長帯域(約480〜680nm)の光を発光する。そして、本実施形態では、緑色光及び赤色光を含む波長帯域の発光光と蛍光部材13を透過する励起光L(青色光)の一部とを合波して白色光LWを生成する。なお、蛍光部材13のより詳細な構成は、後で詳述する。
【0032】
モータ14は、蛍光部材13を所定の回転数で回転駆動する。この際、モータ14は、励起光Lの照射方向に直交する面(後述する蛍光体層32の励起光Lの照射面)に沿う方向に、蛍光部材13が回転するように蛍光部材13を駆動する。
【0033】
モータ14の回転軸14aは、蛍光部材13の後述する透明基板30の中心に取り付けられており、固定ハブ14bにより透明基板30を回転軸14aに固定する。そして、モータ14で蛍光部材13を回転駆動することにより、蛍光部材13内の励起光Lの照射位置が、励起光Lの照射方向に直交する面内において回転数に対応した速度で時間的に移動する。
【0034】
上述のように蛍光部材13をモータ14で回転駆動して蛍光部材13内の励起光Lの照射位置を時間とともに移動させることにより、照射位置の温度上昇を抑制することができ、蛍光体層32の発光効率の低下を防止することができる。また、蛍光体原子が励起光Lを吸収して発光するまでに多少時間(例えば数nsec程度)が掛かり、その励起期間中に、次の励起光Lが蛍光体原子に照射されてもその励起光Lに対しては発光しない。しかしながら、本実施形態のように蛍光部材13内の励起光Lの照射位置を時間とともに移動させることにより、励起光Lの照射位置には、励起されていない蛍光体原子が次々と配置されることになり、蛍光体層32をより効率よく発光させることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、モータ14により蛍光部材13を回転駆動する例を示すが、本発明はこれに限定されず、蛍光部材13中の励起光Lの照射位置が時間とともに移動する構成であれば任意の構成にすることができる。例えば、蛍光部材13を、励起光Lの照射方向に直交する面内(後述する蛍光体層32の励起光Lの照射面内)の所定方向に直線的に往復運動させることにより、励起光Lの照射位置を時間とともに移動させてもよい。また、蛍光部材13を固定し、励起光源11を蛍光部材13に対して相対的に移動させることにより、励起光Lの照射位置を時間とともに移動させてもよい。
【0036】
第2集光光学系15は、蛍光部材13から射出された光(白色光LW)を集光して平行光に変換する。そして、第2集光光学系15は、平行光を光学エンジン部2の分光光学系20に導く。なお、第2集光光学系15は、1枚のコリメートレンズで構成してもよいし、複数のレンズを用いて入射光を平行光に変換する構成にしてもよい。また、蛍光部材13からの発光光は、ランバーシアン(均等拡散)状に広がる光であるので、第2集光光学系15と蛍光部材13(より詳細には後述する蛍光体層32)との間の距離はできる限り短くすることが好ましい。
【0037】
なお、本実施形態では、光源装置部1内に、第1集光光学系12及び第2集光光学系15を備える例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、光源装置部1からの出射光の出力が小さくても問題のない用途等に本実施形態の光源装置部1を適用する場合には、第1集光光学系12及び第2集光光学系15のいずれか一方又は両方を備えない構成にしてもよい。
【0038】
[3.蛍光部材の構成例]
次に、蛍光部材13のより詳細な構成を、
図2(a)〜(c)を参照しながら説明する。なお、
図2(a)は、第2集光光学系15側から見た蛍光部材13の正面図であり、
図2(b)は、
図2(a)中のA−A断面図であり、
図2(c)は、第1集光光学系12側から見た蛍光部材13の正面図である。
【0039】
蛍光部材13は、円盤状の透明基板30と、透明基板30の一方の表面上に形成された反射膜31及び蛍光体層32(蛍光体)と、透明基板30の他方の表面上に形成された反射防止膜33とを有する。
【0040】
透明基板30は、例えばガラス、透明樹脂等の透明材料で形成される。なお、透明基板30の厚さ等のサイズは、例えば必要とする透過率、強度等を考慮して適宜設定される。
【0041】
反射膜31は、
図2(a)に示すように、透明基板30の一方の表面上にドーナツ状に形成される。そして、ドーナツ状の反射膜31と透明基板30とが同心円となるように、反射膜31が透明基板30上に配置される。なお、反射膜31の半径方向の幅は、第1集光光学系12により集光される励起光L(集光光)のスポットサイズより大きくなるように設定される。
【0042】
また、反射膜31は、蛍光体層32で励起された光(発光光)を第2集光光学系15側に反射するだけでなく、蛍光体層32内で散乱及び反射された励起光L(青色光)も第2集光光学系15側に反射する。
【0043】
ここで、
図3に、反射膜31の一構成例を示す。反射膜31は、例えばSiO2層やMgF2層等からなる第1の誘電体層31aと、例えばTiO2層やTa2O3層等からなる第2の誘電体層31bとを透明基板30上に交互に積層して形成される。すなわち、反射膜31は、ダイクロイックミラー(ダイクロイック膜)で構成することができる。なお、第1の誘電体層31a及び第2の誘電体層31bの積層数は、通常、数層〜数十層である。また、第1の誘電体層31a及び第2の誘電体層31bは、例えば蒸着法やスパッタ法等の積層手法を用いて形成される。
【0044】
反射膜31を例えば
図3に示すようなダイクロイックミラーで構成した場合には、各誘電体層の積層数、各誘電体層の厚さ、各誘電体層の形成材料等を調整することにより、反射膜31に入射する光の透過率(反射率)の入射角依存性を設定しやすくなる。
図4に、本実施形態で用いる反射膜31の光透過率の入射角依存性の一例を示す。
図4に示す特性の横軸は入射光の波長であり、縦軸は透過率である。
【0045】
図4に示す例では、反射膜31は、赤色光及び緑色光を含む波長帯域(約480〜680nmに渡る波長領域)の光を、その入射角θに関係なく選択的に反射するように設計されている。それゆえ、赤色光及び緑色光を含む波長帯域の光(蛍光体層32からの発光光)に対しては、その光の入射角θに関係なく、透過率が略零となる。すなわち、赤色光及び緑色光を含む波長領域の光は、入射角θに関係なく、反射膜31で全て反射される。
【0046】
一方、波長445nmの青色光(励起光L)に対しては、その入射角θが約20度以下であるときに青色光が透過し、入射角θが約20度より大きい場合には青色光が反射されるように、反射膜31が設計されている。それゆえ、
図4に示すように、青色光(励起光L)の波長445nm(太破線)では、光の入射角θが0度(実線)及び15度(破線)の時は、透過率が大きくなる。また、青色光の入射角θが30度(一点鎖線)、45度(点線)及び60度(二点鎖線)の時は、波長445nmにおける透過率が小さくなる。すなわち、蛍光体層32内で散乱及び反射された励起光Lのうち、約20度より大きな入射角θで反射膜31に入射する励起光成分は、反射膜31で第2集光光学系15に向かう方向に反射される。
【0047】
なお、上述のように、反射膜31の透過率の入射角依存性に応じて第1集光光学系12の構成が設計される。例えば、反射膜31が、
図4に示すような透過率の入射角依存性を有する場合には、励起光Lの利用効率を低下させないために、集光された励起光Lの入射角θが、約20度以下になるように、第1集光光学系12が設計される。
【0048】
蛍光体層32は、励起光Lの入射により、所定波長帯域の光を発光する層状の蛍光体である。本実施形態では、励起光Lの透過光と蛍光体層32での発光光とを合波して白色光LWを生成するので、蛍光体層32としては、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系蛍光材料等で形成する。この場合、青色の励起光Lが入射されると、蛍光体層32からは波長480〜680nmの帯域の光(黄色光)が発光される。なお、蛍光体層32としては、赤色光及び緑色光を含む波長帯域の光を発光する膜であれば、任意の材料で構成することができるが、発光効率及び耐熱性の観点ではYAG系蛍光体材料を用いることが好ましい。
【0049】
また、蛍光体層32は、蛍光材料とバインダとを混合した所定の蛍光剤を反射膜31上に塗布することにより形成される。
図2(a)〜(c)に示す例では蛍光体層32を反射膜31の全面に渡って形成するので、蛍光体層32の表面形状もドーナッツ状となる。なお、蛍光体層32は、励起光Lが入射される領域に形成されていればよいので、蛍光体層32の形状は、
図2(a)〜(c)に示す例に限定されず、例えば、蛍光体層32の半径方向の幅が、反射膜31のそれより狭くてもよい。
【0050】
また、蛍光体層32での発光量及び励起光Lの透過量は、例えば蛍光体層32の厚さや蛍光体密度(含有量)等により調整することができる。それゆえ、本実施形態では、光源装置部1からの出射光が白色光となるように、蛍光体層32の厚さや蛍光体密度等を調整する。
【0051】
反射防止膜33は、透明基板30の励起光Lの入射側表面に設けられ、励起光Lの集光光を蛍光部材13に入射した際に、その入射面で発生する励起光Lの反射を防止する。これにより、励起光Lの利用効率を向上させることができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、蛍光部材13に、反射膜31及び反射防止膜33を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、光源装置部1からの出射光の出力が小さくても問題のない用途等に本実施形態の光源装置部1を適用する場合には、反射膜31及び反射防止膜33のいずれか一方又は両方を備えない構成にしてもよい。さらに、上記実施形態の蛍光部材13では、透明基板30上に反射膜31を介して層状の蛍光体(蛍光体層32)を設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、蛍光体を十分な剛性を有する板状部材で構成した場合には、透明基板30を設けなくてもよい。
【0053】
[4.光源装置部の動作例]
図5に、本実施形態の光源装置部1の動作の様子を示す。本実施形態の光源装置部1では、まず、励起光源11から射出された励起光L(この例では青色光)を、第1集光光学系12で集光する。そして、その集光光(集光された励起光L)は、蛍光部材13の反射防止膜33側から所定の入射角θで蛍光部材13に入射される。なお、本実施形態では、モータ14により、蛍光部材13を所定の回転数で回転させた状態で、集光光を蛍光部材13に照射する。
【0054】
蛍光部材13に入射された集光光は、反射防止膜33、透明基板30及び反射膜31を通過して蛍光体層32に入射される。なお、上述のように、反射膜31は、所定の入射角θ以下の励起光Lを透過するように設計されているので、蛍光部材13に入射された集光光は、反射膜31で反射されない。
【0055】
そして、集光光(励起光L)が蛍光体層32に入射されると、その一部は、蛍光体層32を通過するが、残りは、主に、蛍光体層32で吸収される。この吸収された励起光Lにより、蛍光体層32が励起され、蛍光体層32から所定波長帯域の光(この例では赤色光及び緑色光を含む黄色光)が発光する。この結果、励起光Lの透過成分と、蛍光体層32からの発光光とが合波され、蛍光体層32から白色光が射出される。
【0056】
なお、この際、蛍光体層32の発光光は、第2集光光学系15に向かう方向だけでなく、透明基板30に向かう方向にも射出される。また、蛍光体層32に入射された励起光Lの一部は、蛍光体層32内で透明基板30に向かう方向にも散乱及び反射される。しかしながら、本実施形態の蛍光部材13では、上述のように、透明基板30と蛍光体層32との間に反射膜31を設けているので、透明基板30に向かう方向に射出された発光光及び励起光成分は、反射膜31により第2集光光学系15に向かう方向に反射される。この際、反射膜31で反射された励起光成分は、蛍光体層32で吸収され、さらに蛍光体層32を発光させる。それゆえ、本実施形態のように、透明基板30と蛍光体層32との間に反射膜31を設けた場合には、励起光Lの利用効率を向上させることができ、発光光の光量をより増大させることができる。
【0057】
また、実際に、本発明者は、光源装置部1の各部のパラメータを次のように設定して、光源装置部1からの出射光のスペクトル特性を調べた。
励起光源11(青色レーザ)の波長:445nm
励起光Lの集光径:1mm
励起光Lの入射角θ:20度以下
蛍光部材13の回転数:3000rpm
第2集光光学系15及び蛍光体層32間の距離:1mm以下
透明基板30の形成材料:ガラス
透明基板30の直径:30mm
反射膜31の透過特性:
図4に示す特性
蛍光体層32の形成材料:YAG系蛍光体
蛍光体層32の厚さ:50μm
蛍光体層32の幅:5mm
【0058】
図6に、上記条件で得られた光源装置部1からの出射光のスペクトル特性を示す。なお、
図6に示す特性では、横軸が波長であり、縦軸が出射光の強度(任意単位)である。
図6から明らかなように、上記条件では、出射光に、波長445nm付近の光成分(青色光成分)と、約480〜680nmに渡る波長領域の光成分、すなわち、赤色光成分及び緑色光成分を含む光成分とが含まれていることが分かる。このことからも、本実施形態の光源装置部1から、白色光LWが出射されていることが分かる。
【0059】
上述のように、本実施形態では、固体発光素子を用いて白色光を光源装置部1から射出することができる。それゆえ、本実施形態は、例えば3LCD方式のプロジェクタ等のように、白色光を射出する光源装置を必要とする用途にも適用可能である。すなわち、本実施形態では、様々な用途に適用可能な水銀レスの光源装置部1(照明装置)及びそれを備える画像表示装置10を提供することができる。
【0060】
本実施形態の光源装置部1は、水銀ランプを用いる必要が無いので、近年の環境問題に対応することができる。また、本実施形態では、水銀ランプに比べてより長寿命で且つ輝度低下も小さい光源装置部1及び画像表示装置10を提供することができる。さらに、本実施形態のように、励起光源11に固体発光素子を用いた場合には、水銀ランプに比べて点灯時間をより短縮することができる。
【0061】
また、本実施形態の光源装置部1のように励起光源11として半導体レーザを用いた場合には、例えばLED(Light Emitting Diode)等の固体光源に比べても、十分高輝度の光を射出することができ、高輝度光源の実現が可能になる。さらに、本実施形態のように、青色光レーザで蛍光体層32を発光させて白色光LWを生成する構成は、赤色光、緑色光及び青色光の各固体光源を個別に用意して白色光を生成する構成に比べてより安価である。
【0062】
上記実施形態では、光源装置部1(照明装置)を3LCD方式のプロジェクタに適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、白色光を必要とする任意の画像表示装置に適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0063】
また、上記実施形態では、光源装置部1(照明装置)の出射光を白色光とする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、出射光としてシアン光(またはマゼンダ光)を必要とする用途では、励起光Lとして青色光を用い、蛍光体層32を緑色光(または赤色光)のみを発光する蛍光材料で形成すればよい。すなわち、必要とする出射光の波長(色)に応じて、励起光Lの波長と蛍光体層32の形成材料との組み合わせを適宜選択すればよい。