(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、車両用のワイヤーハーネスにおける外装部材としては、防音(消音、吸音、遮音等)、保護(耐摩耗、耐引張等)、放熱、シールド、防水等のうち少なくとも1つの機能を有する種々の部材が採用される。このような種々の部材において電線に対する取付構造が異なると、それだけ工程の種類が増えてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、電線に対して種々の外装部材を取付けるに当たり、共通して採用可能な取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るワイヤーハーネス
は、シート状に形成された機能性外装部材と、前記機能性外装部材の一方主面側に配設された少なくとも1本の電線と、前記機能性外装部材に対して前記電線を縫い付けている縫糸と、を備え、前記電線の端部に設けられたコネクタが前記機能性外装部材に縫い付けられている。
第
2の態様に係るワイヤーハーネスは、シート状に形成された機能性外装部材と、前記機能性外装部材の一方主面側に配設された少なくとも1本の電線と、前記機能性外装部材に対して前記電線を縫い付けている縫糸と、を備え、前記電線を取付対象に固定するための固定部材が前記機能性外装部材に縫い付けられている。
【0007】
第
3の態様に係るワイヤーハーネスは、第1
又は第2の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、防音性を有する防音部材を含む。
【0008】
第
4の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
3のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線をシールド可能なシールド部材を含む。
【0009】
第
5の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
4のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、耐摩耗性を有し前記電線を摩耗から保護可能な保護部材を含む。
【0010】
第
6の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
5のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線の熱を放熱可能な放熱部材を含む。
【0011】
第
7の態様に係るワイヤーハーネスは、第
6の態様に係るワイヤーハーネスであって、前記放熱部材の表面には、内部よりも高輻射率を有する高輻射率部が形成されている。
【0012】
第
8の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
7のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、前記電線に対する引張力を受けるテンションメンバとして機能する。
【0014】
第
9の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
8のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記機能性外装部材は、防水性を有し、前記電線及び前記電線が縫われている部分を覆っている。
【0017】
第1
0の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
9のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、前記電線が1本の前記縫糸によって縫い付けられている。
【0018】
第1
1の態様に係るワイヤーハーネスは、第1から第
9のいずれか1つの態様に係るワイヤーハーネスであって、上糸と下糸とを含む前記縫糸によって前記電線が縫い付けられている。
【0019】
第1
2の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、第1
0の態様に係るワイヤーハーネスを製造する方法であって、(a)孔に上糸として前記縫糸が通された針を前記機能性外装部材に他方主面側から挿す工程と、(b)前記一方主面側に通された前記上糸に輪を形成する工程と、(c)前記輪に下糸としての前記電線を挿通させる工程と、を備える。
【0020】
第1
3の態様に係るワイヤーハーネスの製造方法は、第1
1の態様に係るワイヤーハーネスを製造する方法であって、(a)前記機能性外装部材の前記一方主面に前記電線を配設する工程と、(b)前記上糸及び前記下糸のうちの一方によって前記電線を前記機能性外装部材の前記一方主面との間に挟み込みつつ、前記上糸及び前記下糸を前記機能性外装部材に縫い付ける工程と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
第1から第1
3の態様によると、縫糸によって外装部材に対して電線が縫い付けられている。当該構造は、電線に対して種々の外装部材を取付けるに当たり、共通して採用可能である。
【0022】
特に、第
3の態様によると、簡易に防音構造を付与することができる。
【0023】
特に、第
4の態様によると、簡易に電線をシールドすることができる。
【0024】
特に、第
5の態様によると、簡易に電線を保護することができる。
【0025】
特に、第
6の態様によると、簡易に電線の放熱を行うことができる。
【0026】
特に、第
7の態様によると、放熱効果を高めることができる。
【0027】
特に、第
8の態様によると、ワイヤーハーネスに引張力がかけられても電線が傷つきにくくなる。
【0029】
特に、第
9の態様によると、簡易に電線を防水可能である。
【0030】
第
1の態様によると、コネクタの位置決めも簡易に行うことができる。
【0031】
第
2の態様によると、固定部材を簡易に取付けることができる。
【0032】
特に、第1
0の態様によると、最小限の縫糸によって電線を縫い付けることができる。
【0033】
特に、第1
1の態様によると、電線を上糸または下糸として用いずに済むため、例えば、太物電線など上糸または下糸として用いることが難しい電線でも容易に縫付けることができる。
【0034】
特に、第1
2の態様によると、機能性外装部材に電線を縫い付けることができる。この際、ミシンを使用可能であるため、ワイヤーハーネスの製造が容易となる。
【0035】
特に、第1
3の態様によると、機能性外装部材に電線を縫い付けることができる。この際、ミシンを使用可能であるため、ワイヤーハーネスの製造が容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネスについて説明する。
図1は、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10を示す概略断面図である。なお、
図2は電線12の延在方向に沿った面で切断した断面図である。
【0038】
ワイヤーハーネス10は、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続する配線として用いられる。ワイヤーハーネス10は車両において例えば、インストルメントパネル、ルーフ、ドア等の周囲に配策される。具体的には、ワイヤーハーネス10は、機能性外装部材30と、電線12と、縫糸40と、を備える。ワイヤーハーネス10は、さらにコネクタ20と固定部材50とを備える。
【0039】
機能性外装部材30は、シート状に形成されている。
図1に示す例では、機能性外装部材30は、長方形シート状に形成されている。もっとも機能性外装部材30の形状は、上記したものに限られず、電線12の配設形態等に応じて適宜変更可能である。機能性外装部材30は、電線12に外装される部材である。機能性外装部材30は、電線12に対して防音(消音、吸音、遮音等)、保護(耐摩耗、耐引張、耐貫通等)、放熱、シールド、防水等といった機能のうち少なくとも1つの機能を有する部材である。機能性外装部材30の機能は、電線12の性質および電線12が配設される箇所の環境等に応じて適切な機能が選択される。ここでは、電線12が周囲の部材と擦れる恐れがある箇所に配設されることから、機能性外装部材30が耐摩耗性を有する保護シート(保護部材)である例で説明する。
【0040】
かかる保護シートは、PVC(polyvinyl chloride)、PP(polypropylene)、不織布等のシート材によって形成されている。保護シートが不織布によって形成される場合、ホットプレス等がなされていてもよい。これにより保護シートを硬くすることができる。なお、かかる保護シートの耐摩耗性は、構造としての物性から得られるものであってもよいし、素材としての物性から得られるものであってもよい。例えば、
図1に示す例では、保護シートは平坦に形成されているが、この保護シートの外面に凹凸を設けた構造を採用することで、保護シートの耐摩耗性を高めることができると考えられる。また例えば、上記したように不織布をホットプレスした構造を採用することで、保護シートを硬くすることができ、耐摩耗性を高めることができると考えられる。また例えば、保護シートを構成する材料に硬い素材を採用することで耐摩耗性を高めることができると考えられる。
【0041】
電線12は、機能性外装部材30の一方主面31a側に配設されている。電線12は、少なくとも1本含まれていればよい。ここでは、電線12は複数(
図1に示す例では2本)含まれている。ここでは、電線12として芯線14と芯線14を覆う絶縁被覆16とを含む絶縁電線12が採用されているものとして説明する(
図9参照)。芯線14は、銅又はアルミニウム等の導電性材料によって形成される。芯線14は単線であってもよいし、撚線であってもよい。絶縁被覆16は、樹脂等が芯線14の外周に押出成形されて形成されたものであってもよいし、芯線14の外周に塗布されたワニス等が焼き付けられて形成されたものであってもよい。もっとも電線12として裸芯線14が採用されていてもよい。
【0042】
詳しくは後述するが、ミシン等を用いた製造方法を採用する場合、かかる電線12は引張りに強いものが好ましい。また、細いものが好ましい。また、この観点から言うと、比較的太くなりやすい電源線よりも比較的細く済む信号線の方が好適である。
【0043】
上記電線12の端部は、コネクタ20に組込まれる。そして、本ワイヤーハーネス10が車両等における配設対象箇所に配設された状態で、コネクタ20が車両等に搭載された各種電気機器側のコネクタに接続される。これにより、本ワイヤーハーネス10は、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続する配線として用いられる。
【0044】
ここでは、コネクタ20も機能性外装部材30に縫い付けられている。コネクタ20におけるコネクタハウジング21には孔22又は凹部等が形成され、当該孔22又は凹部等を用いてコネクタハウジング21が機能性外装部材30に縫い付けられている。なお、当該孔22又は凹部としては、ロック部に形成されたもの又はカセット部に形成されたものなど、既存のものを用いることもあり得るし、新たに専用のものを設けることもあり得る。もっとも、コネクタ20が機能性外装部材30に縫い付けられていることは必須ではない。この場合、コネクタ20は粘着テープ又は接着剤など別の手段で機能性外装部材30に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
【0045】
ここでは、
図2に示すようにコネクタ20として、圧接タイプのコネクタ20が採用されている。より詳細には、コネクタハウジング21は、第1部材23と、第1部材23と合体可能な第2部材24とで構成される。第1部材23は、圧接端子26のうち絶縁電線12に圧接可能な圧接部27を外方に露出する態様で、圧接端子26を保持可能である。また、第1部材23は圧接端子26のうち相手側導体と接続される相手側接続部28を相手側導体と接続可能な態様で収容している。第2部材24は、第1部材23のうち圧接部27を保持する部分と対向配置され、圧接部27に向けて絶縁電線12を押圧可能である。そして、第1部材23に保持された圧接端子26の圧接部27上に絶縁電線12を皮剥ぎしないまま位置させた状態で、第2部材24によって絶縁電線12を圧接部27に向けて押圧することで、圧接部27の一部が絶縁電線12の被覆を突き破り芯線14に当接して接続される。
【0046】
ここで
図1に示す例では、2本の電線12が全て縫糸40によって機能性外装部材30に縫い付けられている。もっとも、ワイヤーハーネス10に電線12が複数含まれる場合、縫い付けられていない電線12が含まれていてもよい。
【0047】
また
図1に示す例では、2本の電線12が全て同じコネクタ20に接続されている。もっとも、ワイヤーハーネス10に電線12が複数含まれる場合、異なるコネクタ20に接続される電線12が含まれていてもよい。
【0048】
また
図1に示す例では、電線12が直線状に配設されている。もっとも、電線12は曲がって配設されていてもよい。そして、ワイヤーハーネス10に電線12が複数含まれる場合、直線状に配設される電線12と、曲がって配設される電線12とが共に存在していてもよい。この場合、機能性外装部材30上で複数の電線12に分岐が形成されていてもよい。
【0049】
また
図1に示す例では、電線12は機能性外装部材30に対して幅方向中央に近い位置に配設されている。もっとも、機能性外装部材30に対して電線12が配設される経路は上記したものに限られない。例えば電線12は、機能性外装部材30に対して幅方向端部に寄った位置に配設されていてもよい。また例えば、電線12は機能性外装部材30に対して斜めに延在するものであってもよい。
【0050】
縫糸40は、機能性外装部材30に対して電線12を縫い付けている。縫糸40としては、電線12よりも曲げ容易な部材であることが好ましい。また縫糸40としては、電線12よりも引張強度が強いことが好ましい。かかる縫糸40としては、天然繊維を材料として形成されたものであってもよいし、化学繊維を材料として形成されたものであってもよい。また、縫糸40は、単糸であってもよいし、撚糸であってもよい。
【0051】
車両に組み付けられた状態で、縫糸40が周囲の部材と当接する恐れがある場合、縫糸40はナイロン又はポリエステル等によって形成されていわゆる釣糸のように耐摩耗性の高いものが採用されることが好ましい。
【0052】
ここでは
図2に示すように、1つの電線12を縫い付ける縫糸40として1本の連続する縫糸40が採用され、当該1本の縫糸40によって電線12の延在方向に沿った複数位置で電線12が縫い付けられている。この際、1本の縫糸40は、機能性外装部材30の他方主面31b側に沿って延在しつつ、部分的に機能性外装部材30の一方主面31a側に抜けて輪85を形成している。そして、当該輪85に電線12が挿通されることによって、電線12が縫い付けられている。
【0053】
もっとも、1本の連続する縫糸40によって1つの電線12が縫い付けられることは必須ではない。縫糸40としては、電線12を1つの位置で部分的に縫い付けて両端が切断されたものが、電線12の延在方向に沿って複数箇所に存在するものであってもよい。
【0054】
固定部材50は、電線12を車体パネル又は棒状部材等の取付対象70に固定するための部材である。ここでは、固定部材50も機能性外装部材30に縫い付けられている。ここでは、固定部材50は、柱部54と柱部54の先端から延びる羽部56とを有するクランプ又はクリップと呼ばれる部材である。
【0055】
固定部材50には孔52又は凹部等が形成され、当該孔52又は凹部等を用いて固定部材50が機能性外装部材30に縫い付けられている。なお、当該孔52又は凹部としては、既存のものを用いることもあり得るし、新たに専用のものを設けることもあり得る。
【0056】
図2に示す例では、固定部材50は、電線12が配設される一方主面31a側に突出するように取り付けられている。これにより、電線12が取付対象70と当接することができ、もって取付対象70を介して電線12の熱を放熱可能となる。また、取付対象70が電線12を保護可能な部材であれば、取付対象70によって電線12の一方側を保護しつつ、機能性外装部材30によって電線12の他方側を保護することができる。もっとも、固定部材50は、他方主面31b側に突出するように取り付けられていてもよい。
【0057】
<製造方法>
次に、
図3乃至
図6を参照しつつ、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10の製造方法について説明する。
図3乃至
図6は、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10の一製造工程を示す説明図である。
【0058】
まずは、機能性外装部材30、電線12、縫糸40および針80を準備する。ここでは、孔82のあいた針80を用いている。孔82は、針80の先端側に設けられている。孔82には、上糸84として縫糸40が通されている。
【0059】
次に、
図3に示すように、孔82に上糸84が通された針80を、機能性外装部材30に他方主面31b側から挿す(工程(a))。これにより、上糸84の一部が針80と共に一方主面31a側に抜ける。
【0060】
次に、一方主面31a側に通された上糸84に輪85を形成する(工程(b))。例えば、
図4に示すように針80を他方主面31b側に戻す際に、針80と共に一方主面31a側に抜けた上糸84の一部が一方主面31a側に残り、輪85が形成される。
【0061】
次に、輪85に下糸86としての電線12を挿通させる(工程(c))。ここでは、まず
図5に示すように輪85を広げる。そして、下糸86を巻回収容するボビン90周りに輪85を回転させて、輪85の中にボビン90をくぐらせる。
【0062】
その後、
図6に示すように、輪85を引締めることで、下糸86が輪85に挿通された状態となる。これにより、当該箇所での電線12の縫い付けが完了する。
【0063】
あとは、機能性外装部材30を送りつつ、同様の動作を繰り返すことで、1つの電線12を1本の縫糸40で連続的に縫い付けることができる。
【0064】
そして、電線12が縫い付けられた外装部材30に、別途コネクタ20および固定部材50を縫い付ける。なお、これらは電線12を縫い付ける前に縫い付けられるものであってもよい。コネクタ20および電線12が縫い付けられたら、電線12の端部を圧接コネクタ20に接続する。以上より、上記ワイヤーハーネス10が完成となる。
【0065】
上記製造方法のうち縫い付け工程には、ミシンを用いるものであってもよいし、手縫いであってもよい。ミシンを用いることで、一部の工程を自動化できる。
【0066】
なお、ミシンを用いる場合、輪85を広げつつボビン90周りに輪85を回転させる動作はミシンにおける周知の釜部材によって行われる。また、上糸84を下糸86よりも弱くすることで、下糸86としての電線12が上糸84によって機能性外装部材30の他方主面31b側に引き込まれることを抑制することができる。
【0067】
以上のように構成されたワイヤーハーネス10およびその製造方法によると、縫糸40によって機能性外装部材30に対して電線12が縫い付けられている。当該構造は、電線12に対して種々の機能性外装部材30を取付けるに当たり、共通して採用可能である。この際、縫い付け工程にミシンを使用可能であるため、ワイヤーハーネス10の製造が容易となる。
【0068】
また、機能性外装部材30は耐摩耗性を有するため、簡易に電線12を保護することができる。
【0069】
また、電線12を取付対象に固定するための固定部材50が機能性外装部材30に縫い付けられているため、固定部材50を簡易に取付けることができる。
【0070】
また、電線12の端部に設けられたコネクタ20が機能性外装部材30に縫い付けられているため、コネクタ20の位置決めも簡易に行うことができる。
【0071】
{第2実施形態}
次に、第2実施形態に係るワイヤーハーネス110について説明する。
図7は、第4実施形態に係るワイヤーハーネス110を示す概略斜視図である。なお、以下の各実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0072】
第2実施形態に係るワイヤーハーネス110は、機能性外装部材130がシールド性を有するシールド部材である点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0073】
かかるシールド部材は、例えば、金属箔、金属メッシュ、金属箔を樹脂シートにラミネートした部材又は導電性樹脂を材料としたシート材等によって構成されている。なお、金属箔を用いる場合、上記針80を貫通可能であればよい。また、金属メッシュ等を用いる場合、メッシュに設けられた孔に針80を通してもよいし、メッシュの金属部分に針80を貫通させるものであってもよい。ここでは、シールド部材は、電線12の周囲に巻き付け可能な程度の柔軟性を有する。そしてシールド部材に電線12が縫い付けられた状態で、シールド部材が電線12の周囲を覆っている。これにより、シールド部材が内部の電線12をシールド可能となっている。なお、シールド部材には、ネジ孔134が形成された固定片132が設けられている。そして、当該固定片132をボルトで車体パネルなどに固定することでシールド部材がアースされている。もっとも、アースの方法としては、シールド部材と当接するドレイン線等を引き出すものであってもよく、シールド部材に縫い付けられる電線12の一部をドレイン線として用いることも考えられる。
【0074】
このように構成されたワイヤーハーネス110によると、簡易に電線12をシールド可能である。
【0075】
{第3実施形態}
次に、第3実施形態に係るワイヤーハーネス210について説明する。
図8は、第3実施形態に係るワイヤーハーネス210を示す部分拡大平面図である。
【0076】
第3実施形態に係るワイヤーハーネス210は、機能性外装部材230が電線12にかかる引張力を受けるテンションメンバである点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0077】
かかる機能性外装部材230として、例えば、電線12よりも伸びにくいシート材が採用されると共に、機能性外装部材230に縫い付けられた電線12の一部が
図8に示すように撓んでいる構成が考えられる。電線12は例えば、隣り合う縫い目の間の部分で撓んでいることが考えられる。これにより、ワイヤーハーネス210に電線12の延在方向に沿った引張力がかけられても、機能性外装部材230がそれを受け止めることが可能である。この結果、電線12に過度の引張力がかかることを抑制可能となっている。
【0078】
このように構成されたワイヤーハーネス210によると、ワイヤーハーネス210に引張力がかけられても電線12が傷つきにくくなる。
【0079】
{第4実施形態}
次に、第4実施形態に係るワイヤーハーネス310について説明する。
図9は、第2実施形態に係るワイヤーハーネス310を示す概略断面図である。なお、
図9は、電線12の延在方向と直交する平面に沿って切断した断面図である。
【0080】
第4実施形態に係るワイヤーハーネス310は、機能性外装部材330が防水性を有する防水シートである点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0081】
かかる防水シートは、例えば、ポリエチレンシート等によって構成されている。防水シートは、電線12の周囲に巻き付け可能な程度の柔軟性を有する。そして防水シートに電線12が縫い付けられた状態で、防水シートが電線12及び縫い目の部分の周囲を覆っている。これにより、防水シートの内部への水等の浸入を抑制する。なお、防水シートの巻終わり部分は、粘着テープ又は接着剤等で隙のないように留められるとよい。なお、防水シートが電線12及び縫い目の部分の周囲を覆っていることは必須ではない。この場合、防水シートのうち縫い目などの孔に止水材を充填するなどすることで、防水性を高めることができる。
【0082】
このように構成されたワイヤーハーネス310によると、簡易に電線12を防水可能である。
【0083】
{第5実施形態}
次に、第5実施形態に係るワイヤーハーネス410について説明する。
図10は、第5実施形態に係るワイヤーハーネス410を示す概略断面図である。
【0084】
第5実施形態に係るワイヤーハーネス410は、機能性外装部材430が電線12の周囲に巻き付けられていると共に、固定部材450によってその巻付いた状態を維持している点で第1実施形態に係るワイヤーハーネス10とは異なる。
【0085】
この場合、機能性外装部材430において、固定部材450が設けられる部分と重なる部分には、固定部材450の固定部を挿通可能な貫通孔432が形成されるとよい。
【0086】
このように構成されたワイヤーハーネス410によると、簡易に機能性外装部材430の巻付け状態を維持可能である。
【0087】
{第6実施形態}
次に、第6実施形態に係るワイヤーハーネス510について説明する。
図11は、第6実施形態に係るワイヤーハーネス510を示す概略平面図である。
図12は、
図11のXII−XII線に沿って切断した概略断面図である。
図13は、第6実施形態に係るワイヤーハーネスの一製造工程を示す説明図である。
【0088】
本実施形態に係るワイヤーハーネス510は、電線12の縫い付け方が第1実施形態に係るワイヤーハーネス10における電線12の縫い付け方と異なる。
【0089】
より詳細には、第1実施形態に係るワイヤーハーネス10において電線12は、1本の縫糸40によって縫い付けられるものである。そして、電線12をミシン糸における下糸86として用いて縫い付けられるものである。
【0090】
これに対して、本実施形態に係るワイヤーハーネス510では、電線12は、上糸584及び下糸586を含む縫糸540によって縫い付けられている。従って、ここでは、ミシン糸における上糸584及び下糸586が電線12とは別に設けられ、縫糸540としての当該上糸584及び下糸586によって、電線12が機能性外装部材30に縫い付けられている。
【0091】
この際、上糸584及び下糸586は、機能性外装部材30に対して共に千鳥状(ジグザグ状)に縫い付けられている。そして、電線12は、左右方向に相互に離れる縫い目Sの間に配設されて、上糸584及び下糸586の一方と機能性外装部材30との間に挟み込まれている。
【0092】
このようなワイヤーハーネスの製造方法としては、下記工程(a)及び(b)を備えることが考えられる。
【0093】
工程(a)は、機能性外装部材30の一方主面31aに電線12を配設する工程である。例えば、
図13に示すようにボビン592に巻回収容された電線12がガイド部材594によって、機能性外装部材30の一方主面31aに案内される。かかるガイド部材594としては、例えば、刺しゅう用のミシンにおいて紐体を縫製対象の表面に案内する周知のガイド部材を用いることができる。
【0094】
工程(b)は、上糸584及び下糸586のうちの一方によって電線12を機能性外装部材30の一方主面31aとの間に挟み込みつつ、上糸584及び下糸586を機能性外装部材30に縫い付ける工程である。ここでは、電線12がガイド部材594によって機能性外装部材30の一方主面31aに案内された状態で、電線12及び機能性外装部材30と、針80を含むミシン本体とを送り方向及び左右方向に相対移動させつつ、上糸584及び下糸586を千鳥状に縫い付けていく。
【0095】
本態様によると、電線12を上糸584または下糸586として用いずに済むため、例えば電源線などの太物電線等、上糸584または下糸586として用いることが難しい電線12でも容易に縫付けることができる。
【0096】
また、電線12を巻回収容するボビン592を輪に通す必要がないため、ボビン592を大型化できる。これにより、縫い付ける電線12を容易に長尺にできる。
【0097】
ここで、上糸584及び下糸586が電線12とは別に設けられる場合において、上糸584及び下糸586を用いて機能性外装部材30に電線12を縫い付け可能であれば、上糸584及び下糸586の縫い付け方は、千鳥状に限られない。例えば、
図14、
図15に示す変形例にかかるワイヤーハーネス510Aのように上糸584A及び下糸586Aを縫い付けることも考えられる。
【0098】
具体的には、変形例にかかるワイヤーハーネス510Aでは、縫い目Sが機能性外装部材30のうち電線12と重なる領域に位置している。上糸584A及び下糸586Aの一方(
図14、
図15に示す例では、上糸584A)において複数の隣り合う縫い目Sの間のうちの少なくとも一部の間の部分が電線の周囲に巻付いた状態とされている。このような縫い付け方を行うには、例えば、縫い目S1にかかるときと、縫い目S2にかかるときとで、電線12又はこれを案内するガイド部材594を針80に対して左右方向に逆向きにずらして縫い付けていくとよい。なお、この場合、上糸584A及び下糸586Aの他方(
図14、
図15に示す例では、下糸586A)は、電線12に巻付けられないため、電線12と平行に延在する。
【0099】
このようなワイヤーハーネス510Aによると、電線12を押える糸(ここでは上糸584A)が電線12に対して半周以上の領域、特に一周に近い領域に巻付けられることが可能となるため、機能性外装部材30に対して電線12が左右方向にずれにくくなる。また、電線12を押える糸(ここでは上糸584A)と電線12及び機能性外装部材30との間に隙が生じにくくなるため、電線12を押える糸(ここでは上糸584A)が周囲の部材に引っ掛かりにくくなる。
【0100】
{変形例}
第1実施形態において、保護シートが耐摩耗性を有するものとして説明したが、このことは必須ではない。保護シートは、耐貫通性を有するものであることも考えられる。この場合、保護シートは、車両の使用環境下で求められる耐貫通性を備えていればよく、保護シートに電線12を縫い付ける際に使用する針80はそれ以上の貫通力で保護シートに挿さるように構成されていればよい。
【0101】
また、第1実施形態において、機能性外装部材30が保護シートであるものとして説明したが、このことは必須ではない。機能性外装部材30は、防音シート(防音部材)であることも考えられる。かかる防音シートとしては、例えば、不織布、発泡樹脂等を材料としたシート部材である。機能性外装部材30が防音シートである場合、防音シートで機能性外装部材30に縫い付けられた電線12を挟み込む構造も考えられる。これにより、防音性を高めることができる。なお、防音シートを折り曲げて電線12を挟み込むものであってもよいし、電線12が縫い付けられた防音シートと、これとは別体で設けられた防音シートとの2枚の防音シートで電線12を挟み込むものであってもよい。
【0102】
また、第2実施形態において、機能性外装部材130が金属製であるものとして説明したが、このような金属製の機能性外装部材130をシールド部材としてではなく、放熱部材として用いることも考えられる。機能性外装部材130を放熱部材として用いる場合、機能性外装部材130と電線12とを少なくとも一部の領域で当接させると共に、機能性外装部材130の少なくとも一部の領域を外部に露出させるようにする構成が考えられる。
【0103】
また、機能性外装部材130を放熱部材として用いる場合において、金属は、一般に熱伝導率の点では優れるが、輻射率(放射率とも言う)の点では優れない場合が多い。そこで、
図16に示すように機能性外装部材130の表面に高輻射率部138を形成することが考えられる。高輻射率部138は、輻射率が内部137よりも高くされた部分である。
【0104】
ここでウィーンの変位則によると、物体から熱放射によって放出される光の波長のピークは、物体の温度に反比例するとされている。また、輻射率は、材料が同じでも物体の温度(光の波長)に応じて異なる値を取る材料があることが知られている。ここでは、車両に搭載されるワイヤーハーネス110の輻射率を高めたいため、かかる高輻射率部138は、車両の使用環境で生じる高温度帯におけるピーク波長に対して高い輻射率を有しているとよい。
【0105】
このような高輻射率部138は、機能性外装部材130の表面に輻射率を高める表面処理が施されて形成される。例えば高輻射率部138は、内部137の金属の表面が酸化処理されて形成された酸化被膜であることが考えられる。また例えば、高輻射率部138は、内部137の部材に対してその表面にメッキ処理または塗装処理等が施されることによって形成されたメッキ部または塗装部であることも考えられる。塗装処理の場合において、その塗料は、樹脂等である場合もあり得る。
【0106】
図16に示す例では、高輻射率部138は、機能性外装部材130の両主面に形成されているが、一方の主面にのみ形成されていてもよい。高輻射率部138が機能性外装部材130の一方の主面にのみ形成されている場合、電線12が配設される側の主面であってもよいし、その反対側の主面であってもよい。また、高輻射率部138は、機能性外装部材130の主面における全領域に亘って形成されていてもよいし、一部の領域にのみ形成されていてもよい。高輻射率部138が機能性外装部材130の主面における一部の領域にのみ形成されている場合、電線12が配設される部分には形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。好ましくは、高輻射率部138は、機能性外装部材130における外向き面に形成されているとよい。また、ワイヤーハーネス110が車両に搭載された状態で、機能性外装部材130のうち伝導、対流での排熱が期待できない部分に高輻射率部138が形成されていると、その部分の排熱により効果的である。
【0107】
高輻射率部が形成されることによって、より効率的に放熱可能となる。この結果、電線12の温度上昇を低く抑えることが可能となるため、電線12のサイズを小さくできる。また、機能性外装部材130において放熱量が多くなる分、必要な蓄熱量を少なくできるため、機能性外装部材130の厚みを薄くできる。
【0108】
また、機能性外装部材30がその主面の広がる方向における相互に直交する第1方向及び第2方向において引張強度が異なるものである場合もあり得る。この場合、機能性外装部材30において、引張強度の大きい方向を電線12の延在方向とすることが好ましい。ワイヤーハーネス10の車両への取付時等において、機能性外装部材30が電線12の延在方向に沿って引っ張られる恐れが、電線12の延在方向と直交する方向に沿って引っ張られる恐れよりも高く、またその際の引張力も前者の方が高くなる恐れが高いためである。特に、引張強度の大きい方向を電線12の延在方向とすることによってワイヤーハーネス10がその延在方向に強く引っ張られても傷つきにくくなるため、車両取付時にワイヤーハーネス10を配設しやすくなる。例えば、テンションメンバとして用いられる第3実施形態に係る機能性外装部材230として、このような引張強度に異方性がある機能性外装部材30を用いると好適である。
【0109】
ここで、機能性外装部材30は、第1方向、第2方向において引張強度の異なるものであればよく、材料、製法等は問わない。例えば、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのように押出成形等によって形成されたシート材が製造時に延伸されることによって、第1方向、第2方向における引張強度が異なるものであってもよい。また、スパンボンド不織布のように長繊維不織布においては、通常、繊維の延びる方向に引張強度が強くなる。
【0110】
また、機能性外装部材30においては、例えば
図17に示すように、第1方向、第2方向における引張強度を異ならせる形状が付加されていてもよい。
図17に示す機能性外装部材630の例では、圧縮部分638の形状を変えることによって、引張強度を異ならせている。より詳細には、機能性外装部材630は、エンボス加工等の圧縮加工が施されることによって、周囲部分637よりも圧縮された圧縮部分638を有している。この際、圧縮部分638は、長方形又は楕円形等のように一方に長くした形状に形成されている。この場合、機能性外装部材630において、圧縮部分638の長手方向に沿った引張強度が、圧縮部分638の短手方向に沿った引張強度よりも高くなると考えられる。
【0111】
図17に示す例では、複数の圧縮部分638が紙面における縦方向、横方向に並ぶように形成されている。各方向において複数の圧縮部分638は同じ向きを向いている。より詳細には、複数の圧縮部分638がその短手方向が紙面縦方向と一致するように並んでいる。また、複数の圧縮部分638がその長手方向が紙面横方向と一致するように並んでいる。この場合、機能性外装部材630は、少なくとも紙面横方向に沿った中間部の位置において、
図17に示すように紙面横方向に沿ったどの位置においても、その位置での紙面縦方向に沿った少なくとも一部の領域に圧縮部分638が形成されているとよい。機能性外装部材630の紙面横方向に沿った中間部のある位置において、その位置での紙面縦方向に沿って圧縮部分638が形成されていないと、機能性外装部材630に紙面横方向に引張力がかけられた際にその部分に応力が集中する恐れがあるためである。
【0112】
また、機能性外装部材30が上記第1方向及び第2方向において伸びやすさが異なるものである場合もあり得る。例えば、機能性外装部材30を取付ける部分において電線12が直線状に延在するように配設される場合、機能性外装部材30において伸びにくい方向を電線12の延在方向とすることが好ましい。これにより、電線12が直線状に延在した状態に維持しやすくなる。また、伸びにくい分、機能性外装部材30が電線12にかかる引張力の一部を負担するにあたり、その割合が高くなる。このため、テンションメンバとしての効果も期待できる。また、機能性外装部材30を電線12周りに巻付けたり、電線12をリンフォースメント等の棒状部材に沿わせた状態で機能性外装部材30を棒状部材の周りに巻付けたりする場合に、機能性外装部材30の伸びやすい方向に巻付けることができるため、巻付け易くなる。
【0113】
また、例えば、機能性外装部材30を取付ける部分において電線12が曲げられて延在するように配設される場合、機能性外装部材30において伸びやすい方向を電線12の延在方向とすることが好ましい。これにより、機能性外装部材30を電線12の曲げに追従させやすくなる。
【0114】
ここで、機能性外装部材30は、第1方向、第2方向において伸びやすさの異なるものであればよく、材料、製法等は問わない。例えば、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのように押出成形等によって形成されたシート材が製造時に延伸されることによって、第1方向、第2方向における伸びやすさが異なるものであってもよい。また、スパンボンド不織布のように長繊維不織布においては、通常、繊維の延びる方向と交差する方向に伸びやすくなる。
【0115】
また、機能性外装部材30においては、第1方向、第2方向における伸びやすさを異ならせる形状が付加されていてもよい。例えば、上記
図17に示す機能性外装部材630の例では、圧縮部分638の形状が上記したような形状となっていることによって、紙面縦方向の方が紙面横方向よりも伸びやすいと考えられる。
【0116】
なお、上記第1方向及び第2方向において、引張強度の大きい方向と伸びにくい方向とが一致している場合もあり得るし、異なっている場合もあり得る。また、第1方向及び第2方向において、引張強度は異なるが伸びやすさは同じである場合もあり得るし、引張強度は同じだが伸びやすさは異なる場合もあり得る。
【0117】
また、これまで、電線12を1本ずつ縫糸40によって縫い付けるものとして説明したが、このことは必須ではない。複数の電線12をまとめて縫糸40によって縫い付けるものであってもよい。この場合、複数の電線12は、粘着テープ等によってまとめられているとよい。また複数の電線12と複数の電線12の周囲を覆うシースとを備えるケーブルが採用されることもあり得る。
【0118】
また、
図18に示すように複数の電線12は相互に並行する状態で、同じ縫糸540Bによって縫い付けられていることも考えられる。この場合、
図18に示す例では、電線12と電線12との間に縫い目Sが形成されていないが、電線12と電線12との間に縫い目Sが形成されていてもよい。これにより、各電線12が左右方向にずれにくくなる。
【0119】
また、これまで、コネクタ20として圧接コネクタ20を用いるものとして説明したが、このことは必須ではない。例えば、コネクタは、電線12端部に圧着された圧着端子を収容するものであってもよい。
【0120】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。例えば、機能性外装部材がそれぞれ別の機能を有する複数のシート材が組み合わされて構成されていることも考えられる。
【0121】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。