特許第6388088号(P6388088)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6388088
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】プラグ抜け防止器具
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20180903BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-90416(P2018-90416)
(22)【出願日】2018年5月9日
【審査請求日】2018年5月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 和史
(72)【発明者】
【氏名】柴田 裕介
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−251044(JP,A)
【文献】 特開2016−055923(JP,A)
【文献】 実開平04−052388(JP,U)
【文献】 特開2016−062762(JP,A)
【文献】 特開平10−092511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ抜け防止器具であって、
片面に粘着材が形成されたシート状の絶縁部材から構成され、
前記シート状の絶縁部材は、
電子機器の表面にり付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第1の片、プラグにおけるプラグ部の周囲に巻き付けるようにして貼り付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第2の片、前記第1の片の中央部から前記第2の片の一端部に向けて縦方向に延び、前記第1の片と前記第2の片を連結してい丈を構成する縦長の第3の片、を有する
ことを特徴とするプラグ抜け防止器具。
【請求項2】
プラグ抜け防止器具であって、
片面に粘着材が形成されたシート状の絶縁部材から構成され、
前記シート状の絶縁部材は、
電子機器の表面にり付けられ長方形の片、当該長方形の片の一方から外側へ突き出るように構成され、プラグの周囲に巻き付けられる突出し片、を有し、
前記長方形の片は、
プラグが挿入される四角の貫通孔が形成され、
前記突出し片の両端面側から長方形の片へ延びる切込みが形成され、前記プラグを両サイドから挟むように構成される複数の機器当接面を構成し、
前記突出し片は、
中央部から2分割されるように前記長方形の片へ延びる切込みが形成され、前記プラグに巻き付けられるプラグ当接面を構成する
ことを特徴とするプラグ抜け防止器具。
【請求項3】
プラグ抜け防止器具であって、
片面に粘着材が形成され、かつ、一対のシート状の絶縁部材から構成され、
前記シート状の絶縁部材の一方は、
電子機器の表面にり付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第1の片、プラグにおけるプラグ部の周囲に巻き付けるようにして貼り付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第2の片、前記第1の片の中央部から前記第2の片の一端部に向けて縦方向に延び、前記第1の片と前記第2の片を連結している丈を構成する縦長の第3の片、を有し、
他方のシート状の絶縁部材は、
前記電子機器の表面にり付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第4の片、前記プラグにおけるプラグ部の周囲に巻き付けるようにして貼り付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第5の片、前記4の片の中央部から第5の片の一端部に向けて縦方向に延び、前記第4の片、前記第5の片を連結している丈を構成す縦長の第6の片、を有し、
前記第3の片と前記第6の片は、丈が異なり、前記第3の片の丈は、前記第の片の丈よりも大きく構成されている、
ことを特徴とするプラグ抜け防止器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子機器に取り付けたプラグの抜けを防止するプラグ抜け防止器具に関する。
【背景技術】
【0002】
プラグ抜け防止器具として、例えば、実用新案登録第3143879号公報(特許文献1)、特許第6192517号公報(特許文献2)に記載された技術がある。特許文献1の公報には「機器のコネクタに差し込んだプラグが抜けないようにするプラグ抜けプラグ抜け防止装置Aであって、装置本体1はプラグを側面から挟持する挟持片4と、該挟持片4に直交する方向に配置され、機器の壁面に当接する当接片5とで構成されるとともに、上記当接片5の上記機器に当接する当接面5aには上記機器の壁面に接着する接着部材3を設け、上記装置本体1が上記挟持片4でプラグを挟持した状態を保持部材2で保持する」との記載があり、特許文献2の公報には「U字形のワイヤ11の曲折部11aを2枚の薄片12,13で挟み込んでプラグ保持具10を構成し、前記薄片12,13を機器類30に固着させるとともに、前記ワイヤ11の両端をプラグ40に巻き付ける」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3143879号公報
【特許文献2】特許第6192517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2では、プラグを保持、固定するため、「粘着部材」や「保持部材」、「ワイヤ」、「薄片」など、少なくとも2つ以上の部材を準備する必要があり、製造コストが嵩む課題がある。また、プラグ抜け防止器具をプラグに取り付ける際、各部材を適切に接着する必要があり、作業工数も増える課題がある。さらに、複数の部材をプラグに取り付けるので、製品(プラグ)本来のデザインを損ねる可能性があった。
そこで、本発明では、係る課題に鑑み、製造コストの削減が期待でき、作業工数も少なく、製品本来のデザインを損なわずにプラグを固定できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、代表的な本発明のプラグ抜け防止器具の一つは、
ラグ抜け防止器具であって、
片面に粘着材が形成されたシート状の絶縁部材から構成され
前記シート状の絶縁部材は、
電子機器の表面に貼り付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第1の片、プラグにおけるプラグ部の周囲に巻き付けるようにして貼り付けて取り付けられる横方向に延びた帯状の第2の片、前記第1の片の中央部から前記第2の片の一端部に向けて縦方向に延び、前記第1の片と前記第2の片を連結してい丈を構成する縦長の第3の片、を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、プラグ抜け防止器具は、粘着部材を加工するだけで形成できるので大幅な製造コスト削減が期待できる。さらに粘着部材は接着面を機器の壁面に接着させ、プラグに巻きつけるだけで簡単に取り付けられるので作業工数も少ない。さらに、粘着部材なので、製品本来のデザインをほとんど損なわずに固定できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明のプラグ抜け防止器具の一構成例を示す斜視図である。
図2図2は、図1のプラグ抜け防止器具を電子機器とプラグに取り付ける様子を説明する斜視図である。
図3図3は、図1のプラグ抜け防止器具の取付過程の様子を示す斜視図である。
図4図4は、図1のプラグ抜け防止器具を電子機器とプラグに取り付けた状態を示す斜視図である。
図5図5は、本発明のプラグ抜け防止器具の他の構成例を示す斜視図である。
図6図6は、図5のプラグ抜け防止器具を電子機器とプラグに取り付ける様子を説明する斜視図である。
図7図7は、図5のプラグ抜け防止器具を電子機器とプラグに取り付けた状態を示す上面図である。
図8図8は、図5のプラグ抜け防止器具の取付過程の様子を示す斜視図である。
図9図9は、図5のプラグ抜け防止器具をプラグに取り付けた状態を示す斜視図である。
図10図10は、本発明のプラグ抜け防止器具のさらに他の構成例を示す斜視図である。
図11図11は、図10のプラグ抜け防止器具から一対のプラグ抜け防止器具を形成した斜視図である。
図12図12は、図11のプラグ抜け防止器具の取付過程の様子を示す斜視図である。
図13図13は、図11のプラグ抜け防止器具を電子機器とプラグに取り付けた状態を示す斜視図である。
図14図14は、図11のプラグ抜け防止器具の取付過程の様子を示す斜視図である。
図15図15は、図11のプラグ抜け防止器具を電子機器とプラグに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明のプラグ抜け防止器具1の一構成例を示す斜視図、図2図4は、本発明のプラグ抜け防止器具1と電子機器3、プラグ2との関係を説明する斜視図である。
【0010】
プラグ抜け防止器具1は、片面に粘着材(接着面)が形成された粘着絶縁部材10から構成されている。粘着絶縁部材10は、例えば、粘着シートや粘着テープからなる。本例では、粘着絶縁部材10を粘着シートとして説明する。
粘着シート(粘着絶縁部材10)は、電子機器3の表面にり付けられる横方向に延びた短い帯状の片11、プラグ2の周囲に巻き付けられる横方向に延びた長い帯状の片12と、短い帯状の片11の中央部から長い帯状の片12の一端部に向けて縦方向に延び、2つの片11、12を連結している丈(高さ)を構成する接合片13、を有する。
【0011】
短い帯状の片11の片面、つまり、図2に示すように電子機器3に対向する面は、電子機器3のプラグ取り付け面に貼り付けて取り付けられる機器当接面111を構成している。
【0012】
長い帯状の片12の片面、つまり、図3に示すようにプラグ2のプラグ部21に巻き付けられるようにして貼付けて取り付けられるプラグ当接面121を構成している。
【0013】
本発明のプラグ抜け防止器具1は、図4に示すように短い帯状の片11の片面の機器当接面111を電子機器3に貼り付けて取り付け、長い帯状の片12の片面のプラグ当接面121をプラグ2のプラグ部21の周囲に巻き付けるように貼付けて取り付ける。これにより、プラグ2の電子機器3からの抜けを防止できるとともに、電子機器3の使用時のいけるデザインを損ねることなく、製造コストの削減、作業工数の軽減、などを図ることができる。
【実施例2】
【0014】
本実施例は、プラグ抜け防止器具1の電子機器3への取り付けをより強固になし得るようにしたものである。
【0015】
すなわち、実施例1では、電子機器3側のデザインによって、プラグ抜け防止器具1の機器当接面111の面積が十分に確保できず、プラグ抜け防止器具1の粘着力が低下し、プラグ2が外れてしまう場合が想定されるが、実施例2では、係る課題を是正するためのものである。
【0016】
図5は、本発明のプラグ抜け防止器具1の他の構成例を示す斜視図、図6図8図9は、本発明のプラグ抜け防止器具1と電子機器3、プラグ2との関係を説明する斜視図、図7は、上面図である。
【0017】
同図において、プラグ抜け防止器具1は、実施例1と同様に、片面に粘着材が形成された粘着シート(粘着絶縁部材10)から構成されている。そして、粘着シートは、電子機器3の表面にり付けられる長方形の片14、長方形の片14の一方から外側へ突き出るように構成された突出し片15、を有する。
【0018】
長方形の片14は、プラグ2が挿入される四角の貫通孔141が形成されている。また、突出し片15の両端面側から長方形の片14へ延びる切込み142、143が形成されている。
そして、プラグ2を両サイドから挟むように構成された複数の機器当接面を構成している。つまり、複数の機器当接面とは、貫通孔141の両側(図5の上下側)および突出し片15と反対側(図5の右側)の面に位置し、電子機器3およびプラグ2に取り付けたとき、前記プラグを両サイドから挟むように構成される面である。本例では3つの機器当接面を示している。
【0019】
また、突出し片15は、その中央から2分割されるように長方形の片14へ延び、2つの片151、152を構成する切込み153が形成されている。
そして、これらのプラグ抜け防止器具1の長方形の片14、突出し片15は、図6図9に示すようにプラグ2の周囲を取り囲むように取り付けられる。
【0020】
本実施例によれば、機器当接面を大きくなるように構成(図7の斜線で示す部分が機器機器当接面)しているため、電子機器3のデザイン上、機器当接面の面積があまり確保できない場合であっても、粘着力を確保することができる。
【実施例3】
【0021】
本実施例は、プラグ抜け防止器具1のプラグ2への取り付けをより強固になし得るようにしたものである。
【0022】
すなわち、実施例1では、プラグ2側の形状によって、プラグ抜け防止器具1の機器当接面の面積が十分に確保できず、プラグ抜け防止器具1の粘着力が低下し、プラグ2が外れてしまう場合が想定さられるが、実施例3では、係る課題を是正するためのものである。
【0023】
図10および図11は、本発明のプラグ抜け防止器具1(1a、1b)の他の構成例を示す斜視図、図12図15は、本発明のプラグ抜け防止器具1(1a、1b)と電子機器3、プラグ2との関係を説明する斜視図である。
【0024】
プラグ抜け防止器具1は、実施例1、2と同様に、片面に粘着材が形成され、かつ、一対のシート状の絶縁部材1a、1bから構成されている。
一対のシート状の絶縁部材1a、1bは、例えば、図10に示すような形に形成したあと、一点鎖線に沿って分断して構成するとよい。
そして、一方のシート状の絶縁部材1aは、電子機器3の表面にり付けられる横方向に延びた帯状の片16a、プラグ2の周囲に巻き付けられる横方向に延びた帯状の片17aと、帯状の片16aの中央部から帯状の片17aの一端部に向けて縦方向に延び、2つの片16a、17aを連結している縦長の片18a、を有する。
【0025】
帯状の片16aの片面、つまり、図10に示すように電子機器3に対向する面は、電子機器3のプラグ取り付け面に貼り付けて取り付けられる機器当接面を構成している。
【0026】
帯状の片17aの片面は、図11に示すようにプラグ2のプラグ部21に巻き付けられるプラグ当接面を構成している。
【0027】
また、他方のシート状の絶縁部材1bは、電子機器3の表面にり付けられる横方向に延びた帯状の片16b、プラグ2の周囲に巻き付けられる横方向に延びた帯状の片17bと、帯状の片16bの中央部から帯状の片17bの一端部に向けて縦方向に延び、2つの片16b、17bを連結している縦長の片18b、を有する。
縦長の片18aと縦長の片18bは丈(高さ)が異なり、縦長の片18aの丈(高さ)は、縦長の片18bは丈(高さ)よりも大きく構成されている。
【0028】
帯状の片16a、16bの片面、つまり、図10図12に示すように電子機器3に対向する面は、電子機器3のプラグ取り付け面に取り付けられる機器当接面を構成している。
【0029】
帯状の片17a、17bの片面は、図11図13に示すようにプラグ2のプラグ部21に巻き付けられるプラグ当接面を構成している。
【0030】
本発明のプラグ抜け防止器具1(一対のシート状の絶縁部材1a、1b)は、図11図13に示すように帯状の片16a、16bの片面の機器当接面を電子機器3に接着して取り付け、帯状の片17a、17bの片面のプラグ当接面をプラグ2の周囲に巻き付けるように接着して取り付ける。これにより、プラグ2の電子機器3からの抜けを防止できるとともに、デザインを損ねることなく、製造コストの削減、作業工数の軽減、などを図ることができる。
【0031】
本実施例によれば、プラグ抜け防止器具1(一対のシート状の絶縁部材1a、1b)の電子機器当接面とプラグ当接面を繋ぐ接合箇所の丈(高さ)がある接合面を設け、丈(高さ)が異なる2つ以上の粘着部材から構成しているため、丈(高さ)の違いによって、2つ以上のプラグ抜け防止器具1のプラグ当接面が同一プラグの異なる箇所に巻き付けることが可能となり、プラグが外れにくいという効果を奏する。
【符号の説明】
【0032】
1 プラグ抜け防止器具
10 粘着絶縁部材(粘着シート、粘着テープ)
11〜18 片
2 プラグ
3 電子機器
【要約】
【課題】製造コストの削減が期待でき、作業工数も少なく、製品本来のデザインを損なわずに固定できる技術を提供する。
【解決手段】片面に粘着材を形成したシート状の絶縁部材からなり、電子機器に固定する機器当接面を有する片と、プラグのコネクタに巻き付けて固着するプラグ当接面を有する片と、機器当接面を有する片と、プラグ当接面を有する片を繋ぐ接合片を有するプラグ抜け防止器具。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15