特許第6388211号(P6388211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388211
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20180903BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20180903BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180903BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   A61B1/045 631
   A61B1/00 522
   G02B23/24 B
   H04N7/18 M
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-547656(P2014-547656)
(86)(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公表番号】特表2015-509745(P2015-509745A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】CH2012000280
(87)【国際公開番号】WO2013091124
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年12月8日
(31)【優先権主張番号】2047/11
(32)【優先日】2011年12月23日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】516249986
【氏名又は名称】アワイバ コンサルタドリア,ディセンヴォルヴィメント エ コメルチョ デ コンポネンテス マイクロエレクトロニコス,ユニペッソール,エルディーエー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ワニー,マーティン
【審査官】 ▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−049770(JP,A)
【文献】 特開平07−312710(JP,A)
【文献】 特開2009−195602(JP,A)
【文献】 特開2011−254900(JP,A)
【文献】 特開平04−338445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24 − 23/26
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの画像センサ(11、110)を遠位端部(10a、100a)に有している内視鏡装置(10、100)であって、前記少なくとも1つの画像センサは、固有のセンサクロックを生成するように配置されており、該センサクロックは、前記内視鏡装置の近位端部(10b、100b)にある制御電子回路による影響を受けることが可能であり、前記制御電子回路が、前記少なくとも1つの画像センサのセンサクロック及び/又は伝送されたセンサフレームレート及び/又はセンサ画像フェーズを検出し、及び前記制御電子回路が備える基準クロック(23、123)とマッチングさせる手段(22、122)を有することにより、前記少なくとも1つの画像センサは、前記少なくとも1つの画像センサ自身の前記センサクロックとは別の前記基準クロックに同期して作動することが可能であり、前記制御電子回路による前記センサクロックへの影響が、前記画像センサへのセンサ供給電圧(24)の変化、又は通信データインターフェース(103)を介した前記画像センサへのコンフィギュレーションデータの伝送のいずれかにより生じるように設計され、前記少なくとも1つの画像センサのセンサクロックを検出し、且つ前記制御電子回路の基準クロックとマッチングさせるための手段は、前記内視鏡装置の近位端部にのみ配置され、前記イメージセンサが配置される遠位端部には存在しないことを特徴とする、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内視鏡装置であって、複数の画像センサを遠位端部に備え、前記複数の画像センサについて、それぞれ固有のセンサクロックを自身で生成し、前記固有のセンサクロックは、前記内視鏡装置の近位端部にある前記制御電子回路の影響を受けることが可能であり、前記制御電子回路は、前記複数の画像センサの各センサのセンサクロック及び/又は伝送されたセンサフレームレート及び/又はセンサ画像フェーズを検出し、前記検出された量をそれぞれ他のセンサの対応する量と比較し、及び前記複数の画像センサのすべて又は一部の前記検出された量を前記複数の画像センサの対応する量と互いに一致させる手段を有していることを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の内視鏡装置であって、前記画像センサがCMOS(相補型金属酸化膜半導体、Complementary Metal Oxide Semiconductor)技術を使用して仕上げられていることを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の内視鏡装置であって、該内視鏡装置は、前記制御電子回路による前記センサクロックへの影響がセンサ供給電圧の変化によって生じ得るように、設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の内視鏡装置であって、前記通信データインターフェース(103)を介して前記制御電子回路から前記画像センサまでコンフィギュレーションデータを伝送することによって、前記センサクロックへ影響を与えることが可能であり、前記画像センサが前記コンフィギュレーションデータを評価し、及び前記センサクロックの生成周波数が前記コンフィギュレーションデータに相応して変化することが可能であるように、該内視鏡装置が設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の内視鏡装置であって、該内視鏡装置は、前記コンフィギュレーションデータが前記通信データインターフェース(103)を介して伝送され得るように、設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の内視鏡装置であって、該内視鏡装置は、前記コンフィギュレーションデータが1連のフレームの画像データを伝送した後毎に伝送可能であるように、設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項6に記載の内視鏡装置であって、該内視鏡装置は、前記コンフィギュレーションデータが1つのフレームの画像データを伝送した後毎に伝送可能であるように、設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項2〜6のうちのいずれか一項に記載の内視鏡装置であって、前記複数の画像センサの画像データから立体画像評価を使用して3D画像データを獲得できることを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の内視鏡装置であって、該内視鏡装置は、前記画像センサがパルス状の光源によって同期され得るように、設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項11】
前記内視鏡装置は、前記画像センサのセンサクロックを、前記画像センサへ前記センサ供給電圧を供給する電源ラインおよび前記コンフィギュレーションデータを伝送するデータラインの、前記基準クロックとマッチングさせるための2つの手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記画像センサで発生するセンサクロック周波数が、センサ供給電圧により調節されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記センサクロックは、チップ供給電圧(41,42)に比例して駆動されるリング発器(12)により生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記画像センサは、近位端の前記制御電子回路からコンフィギュレーションデータを受信し、前記コンフィギュレーションデータを使用して前記センサクロックの周波数を徐々に調整する手段を備える、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は少なくとも1つの画像センサを遠位端部に備えた内視鏡装置に関し、その際に固有のセンサクロックを生成するために画像センサが配置されており、このセンサクロックは内視鏡装置の近位端部の制御電子回路によって影響を与えられ得る。
【0002】
本公開において「画像フェーズ」とは、複数の画像センサの交互の画像撮影シーケンスのフェーズ、又は外部クロックに相対する画像センサの画像撮影フェーズを意味する(例えばパルス状照明光源)。これは「フェーズ画像」の撮影と混同してはならない。フェーズ画像は、各画素からこの画素上の該当する周波数のフェーズ状態に関する情報を検出し、画像的な信号として伝送するが、画像フェーズは、それ自体は本発明においては観察している対象物に関する情報を検出する役目は果たさない。重要なことは例えば複数の画像センサが同期して作動され得るよう、これらすべての画像センサが個別のパルス状の光源によって照明され得ることである。
【背景技術】
【0003】
医学的な診断、手術及び分析にはしばしば内視鏡が使用される。体に元から存在する開口部又は小さい創傷による切開部から操作箇所又は診断箇所に到達するために、内視鏡は可能な限り小さい直径が使用される。従来からこのような内視鏡は光導体の束で作られてきた。今日では、CMOSセンサ技術の使用が増加しており、この技術では微小化された画像センサが直接内視鏡の遠位端部に取り付けられ、画像が電気信号の形で伝送される。
【0004】
医療用内視鏡の遠位端部で使用するための画像センサは、今日では主に、広範囲にわたって自律的に機能し得るように、及びデータケーブルと電源供給のみで近位端部と接続されているように構成される。クロックラインの引き入れは、センサ接点の追加とクロック用の追加信号ケーブルが必要になるため、たいていの場合望ましくない。そのため、このようなセンサにはセンサクロックを自律的に与える発振器が内蔵される。最も簡単な形では、デジタル式のリング発振器が使用される。非特許文献1参照。しかしこの種類の方法には、センサクロックがおよそでしか決められず、製造プロセスでの変動や作動温度のような作動条件に大きく影響されるという欠点がある。
【0005】
水晶発振器で知られているような安定性を備えた周波数が安定した発振器を実現することは、純粋なCMOS技術だけでは不可能である。このような純粋なCMOS発振器で提供されるクロックは、特にセンサの温度が変化するか又は電源供給が変動する場合に、水晶発振器を使って生成されたクロックに比べて生成されるクロックが大きく変動する。非特許文献2には、微小化された画像センサをその機能への影響に関して、特に周囲条件の作動周波数への影響に関して、ロバストに形成する技術が説明されている。これにはしかしそのような自律的に機能するセンサを外部から送られるクロックに合わせる手段又は方法が欠けている。画像を撮影するために、しばしばセンサが外部クロックに同期することが望まれ、その結果画像データが中間保存なしに、例えばビデオモニターなどの画像出力デバイスに出力されることが可能になる。さらに例えば有利には複数の画像センサを互いに同期させて作動させる立体画像の撮影のような使用が有利である。
【0006】
特許文献1は、自律的に機能し、そのセンサクロックを自身で生成する最小寸法の、内視鏡用の微小化画像記録装置に関する。この公報には、このような複数の画像記録装置を互いに又はこのような画像記録装置を外部にある(例えばパルス状の照明に起因する)クロックに同期させて作動させる方法又は手段が欠けている。
【0007】
特許文献2には蛍光画像を撮影するための発光手段を含む装置が記述されている。この公報に記述されている照明光源は、制御装置を使用して画像記録装置の画像周波数に同期されるが、反対に画像記録装置を照明のクロックに同期する手段がない。さらに、同じくこの公報では3D画像を得るために複数の画像記録装置を使用することに言及されているが、これらの画像記録装置が互いに同期される可能性はまったくない。これは特に画像内で動く対象物を3Dデータに録画する際に、軽度のアーチファクトと誤計算が生じる。なぜなら画像内で動く物体が2つのセンサ間の画像撮影の時差の間に2つのセンサが動いた距離が誤って立体情報であると感知されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/101360A1号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第2108943A2号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】M.Waeny他、SPIE定期刊行物「Photonics West」、2009年1月、参照:EI09−EI114−9_7249−32
【非特許文献2】M.Waeny他、「Ultra small digital image sensor for endoscopic applications」、2009年 International Image Sensor Workshop会報、2009年3月26日(2009−03−26)XP55035306、Bergen、Norway
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
内視鏡先端ではスペース条件が制限されているため画像センサ上への電子回路配置が望ましいことから、本発明の課題は、センサの合計面積を可能な限り本来の画像撮影に使用できるよう、画像センサ上の電子回路を減らすことであり、その際に画像センサは一方で、特に外部クロック信号の供給なしで自律的に機能しなければならず、他方で外部クロックに同期して又は複数の画像センサが互いに同期して個々の画像を同時に撮影し、伝送することが求められる。
【0011】
この課題を解決する驚くべき方法は、制御電子回路が、センサクロック及び/又はセンサフレームレート及び/又はセンサ画像フェーズを検知し、参照クロックにマッチングさせる手段を備えていることである。
【0012】
本発明は従って、制御電子回路がセンサクロック及び/又はセンサフレームレート及び/又はセンサ画像フェーズを検出し、参照クロックとマッチングさせる手段を有しており、その結果少なくとも1つのそのようなセンサが、このセンサ自身が出していないクロックに同期して作動され得ることを特徴とする内視鏡装置を提示する。
【0013】
このセンサは単純で純粋なCMOS発振器を使用して画像センサ上で画像を外部クロックに同期して撮影し、伝送し及び/又は複数のセンサを互いに同期させ、画像データを同期して出力することを可能にする。
【0014】
本発明によるセンサの実現により、追加の電子回路のためにセンサ面を使用することなく画像センサの機能を拡張することが可能になる。
【0015】
好ましくは内視鏡装置は1つ又は複数の画像センサを遠位端部に備え、それについてそれぞれその固有のセンサクロックを自身で生成し、このセンサクロックに内視鏡装置の近位端部の制御電子回路が影響を与えることが可能であり、その際上述の制御電子回路が、センサクロック及び/又は伝送されたセンサフレームレート及び/又はセンサ画像フェーズを、それぞれ個別のセンサが、上述のセンサが複数であることを検出し、その量をそれぞれ対応する他のセンサの量と比較し、センサのすべて又は一部を上述の複数のセンサと互いにマッチングさせる手段を有している。
【0016】
さらに、上述の画像センサが有利にはCMOS(相補型金属酸化膜半導体、Complementary Metal Oxyde Semiconductor)技術を使用して仕上げられている。
【0017】
本発明による内視鏡装置は、有利にはセンサクロックの影響がセンサ供給電圧の変化によって実行され得るように設計されている。
【0018】
本発明による内視鏡装置は、有利には、画像データインターフェースを介して上述の制御電子回路からセンサまでコンフィギュレーションデータを伝達することによってセンサクロックに影響を与えることが可能であり、画像センサが上述のコンフィギュレーションデータを評価し、センサの周波数がクロック生成に相応してコンフィギュレーションデータを変更することが可能であるように設計されている。
【0019】
本発明による内視鏡装置は、有利には、上述のコンフィギュレーションデータが画像データインターフェースを介して多重に伝送され得るように設計されている。
【0020】
本発明による内視鏡装置は、非常に有利には、上述のコンフィギュレーションデータがそれぞれ1つの画像線の伝送後に伝送され得るように設計されている。
【0021】
本発明による内視鏡装置は、有利には、上述のコンフィギュレーションデータがそれぞれ1つの画像の伝送後に伝送され得るように設計されている。
【0022】
本発明による内視鏡装置は、有利には、複数の画像センサの画像データから立体画像評価を使用して3D画像データを獲得できるように設計されている。
【0023】
本発明による内視鏡装置は、非常に有利には、上述の画像センサがパルス状の光源によって同期され得るように設計されている。
【0024】
以下では、本発明の実施例が図を使用して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】センサ供給電圧による制御を使った画像センサクロック生成のマッチングを備えた内視鏡のブロック線図である。
図2】内視鏡先端への内蔵に適した画像センサのブロック線図である。
図3】ベースチップクロック生成のためのチップ給電を備えたリング発振器の図である。
図4】コンフィギュレーションインターフェースを使用した画像センサクロック生成のマッチングを備えた内視鏡のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図に示された、本発明による内視鏡装置の実施可能な形態は、単に説明のための例と理解するものとする。実施例は本発明の一般性を限定するものではない。
【0027】
図1は、クロックが単純なリング発振器12によって提供される画像センサ11を有し、遠位側10a及び近位側10bを備えた、本発明による内視鏡装置10の最も簡単な実施形態である。
【0028】
この画像センサはさらに図2にも説明されており、リング発振器は図3に説明されている。画像センサ11は、データ及び電源供給ケーブル17を介して近位部分内にある制御及び評価電子回路と接続されている。好ましくは内視鏡装置10内に取り付けられた画像センサ11は、画像センサ上に生成されるピクセルクロック又はデータ流内の一定部分が、例えば線及び画像開始/終了同期パルスを使用して伝送される手段を有している。さらに、内視鏡装置10は近位部分に、又は内視鏡装置10と接続された制御機器又は評価機器内に、画像センサによって電送されたピクセルクロック、又はラインクロック、しかし少なくとも画像クロックを検出することを可能にする手段21、及びこれを参照クロック23と比較することを可能にする手段22を有している。さらに、内視鏡装置10は近位部分10bに画像データ出力インターフェース(例えばビデオモニター接続部)25を備えている。その上に、内視鏡装置10は近位部分10bに、又は内視鏡装置10と接続された制御機器又は評価機器内に、センサクロックで差が検出された場合にこの差が正になるか負になるかで、センサから来たクロックが対応する参照クロックと比べて高くされ得る又は低くされ得るように、センサ供給電圧24を適合する手段を備えている。制御及び調整技術の公知の知識レベルにより、画像センサ供給電圧の修正は、ある一定の適合時間後センサクロックが安定するように設計されている。
【0029】
図2は、内視鏡装置10内に取り付けられた画像センサ11の簡略化したブロック線図である。上述の画像センサ11は、画素マトリックス34を読み取るための制御部33と、データ伝送路35を介して画像データを伝送するための公知の従来技術による適切な電子回路を含んでおり、例としてアナログデジタルコンバーター36、データシリアライゼーション37及び差分信号ドライバ38並びに差分データインターフェース39から構成される。センサクロックは、比例した供給電圧41及び42によって給電されるリング発振器12によって生成される。
【0030】
図3では、例として回路のように仕上げられ、チップクロックを生成するリング発振器12が詳細に説明されている。リング発振器は、信号を反転させる奇数の回路素子をリング状につなげることで周期的にチップクロックを生成する。例として図3の実施例では、3つのデジタルインバーター43が1つのリングになるよう接続される。各インバーターブロックは、チップ供給電圧41とチップ地電位42の間で電源を供給する。チップ供給電圧を印加するとすぐに、回路はその特有の固有振動数で振動し始める。別のインバーター43の形で簡単な増幅回路が発振器リングの信号を捕らえ、その信号を出力信号よりも少ないインピーダンスで供給する44。リング発振器に供給される電圧が高くなるとリング発振器の固有振動数は高くなり、供給電圧が低くなると振動周波数が小さくなる。別法としてリング発振器は供給電圧に比例した別の電圧によっても電源供給され得る。
【0031】
内視鏡装置の別法の実施では、画像センサは、コンフィギュレーションデータを近位の制御及び評価電子回路から受信する手段及びこのコンフィギュレーションデータを使用してセンサクロック周波数を段階的にマッチングする手段を備えている。それゆえにこの画像センサは、センサクロックを高める又は低減する手段を備えている。上述の画像センサクロック制御のステップ幅は、公知の制御部技術の制御によって画像フェーズ及びセンサクロック周波数の安定した制御が可能であるように設計されている。特にセンサクロック周波数を、小さい連続ステップによって、目標周波数と画像撮影の目標フェーズ状態が達成されるまでマッチングすることが可能である。コンフィギュレーションデータは、公知の電子データ通信技術により、独立したコンフィギュレーションケーブルを介して、又は多重に画像データケーブルを介して伝送され得る。センサクロック周波数にマッチングさせるためのコンフィギュレーションデータの伝送は、その際に持続的にも、特定の時間までに、例えば画像線のそれぞれ完全な伝送の後に又は完全な画像の伝送の後にも行われる。画像センサを参照クロック又は複数のセンサに互いに同期させるために、上述のコンフィギュレーションデータの伝送のインターバルが大きければ大きいほど、周波数マッチングステップが細かく設計され、より多くの時間が必要となる。
【0032】
図4は、この変形形態の内視鏡装置100のブロック線図であり、センサクロックの制御に必要な機能グループを模式的に示している。
【0033】
内視鏡装置100は遠位部分100aと近位部分100bから構成されている。遠位部分と近位部分はデータ及び電源供給ケーブル170を介して互いに接続されている。別法の内視鏡装置に取り付けられた画像センサ110は、通信データインターフェース103を介して通信データを受信及び評価できる手段104を備えている。画像センサ110は、供給電圧41及び地電位42によって電源供給され、これらは本発明による内視鏡装置のこの変形形態で固定的に設定されている。さらに画像センサは発振器120の周波数に対応して評価された通信信号の制御命令を適合する手段を備えている。公知の技術により、これは例えばデジタルアナログコンバーターを使用して制御された「電圧制御式発振器」によって実現可能である。さらに、別法の内視鏡装置100は、近位の評価電子回路100bが、画像センサから伝送されたピクセルクロック、又はラインクロックが少なくとも画像クロックを検出することを可能にする手段121、及びこれを参照クロック123と比較することを可能にする手段122を有している。さらに、この装置は画像センサの通信データに戻して伝送する手段133を有している。検出されたセンサクロックが参照クロックよりも高いか低いかにより、制御及び調整技術の公知の規定に従い、発振器120の通信インターフェース103及び104を介して、ある一定の適合時間後に画像センサ110の安定したセンサクロックがもたらされるようにコンフィギュレーションされ、このセンサクロックは参照クロックと周波数及びフェーズにおいて同じである。
図1
図2
図3
図4