(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388280
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】コンテンツ配信システム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20180903BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20180903BHJP
H04M 3/493 20060101ALI20180903BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20180903BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20180903BHJP
【FI】
G06F13/00 510G
G06F13/00 540P
H04M3/42 U
H04M3/493
G06Q30/02 380
H04N21/258
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-189785(P2014-189785)
(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公開番号】特開2016-62299(P2016-62299A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】514237817
【氏名又は名称】株式会社カエルグラス
(74)【代理人】
【識別番号】110001748
【氏名又は名称】特許業務法人まこと国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 大地
【審査官】
小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−94694(JP,A)
【文献】
特開2003−303151(JP,A)
【文献】
特開2004−72363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 30/02
H04M 3/42
H04M 3/493
H04N 21/258
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する位置情報取得可能なモバイルデバイスと電気通信回線を介して通信可能な位置判定サーバ及びコンテンツサーバを備え、
前記位置判定サーバには、前記モバイルデバイスからそれぞれ送信された、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが関連するコンテンツの配信を所望するエリアの情報である登録エリア情報とが紐付けられて予め記憶され、
前記コンテンツサーバには、複数のエリア情報と、該複数のエリア情報のそれぞれに関連するコンテンツとが紐付けられて予め記憶され、
前記位置判定サーバは、前記モバイルデバイスから前記ユーザの識別情報及び前記モバイルデバイスの位置情報が送信されることで、該送信された前記モバイルデバイスの位置情報が、予め記憶された前記ユーザの識別情報に紐付けられた前記登録エリア情報に適合するか否かを判定し、適合すると判定した場合、前記モバイルデバイスに対して、前記登録エリア情報を送信し、
前記コンテンツサーバは、前記モバイルデバイスから、前記位置判定サーバから送信された前記登録エリア情報と、前記ユーザの識別情報とが送信されることで、予め記憶された前記複数のエリア情報のそれぞれに紐付けられたコンテンツのうち、前記登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知を前記モバイルデバイスに対して送信し、前記モバイルデバイスから送信要の応答がなされた場合に、前記登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを前記モバイルデバイスに対して送信することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
企業が所有する企業端末と電気通信回線を介して通信可能なライブラリサーバを更に備え、
前記位置判定サーバは、前記モバイルデバイスに対して前記登録エリア情報を送信した場合、前記ライブラリサーバに対して、前記登録エリア情報と、前記ユーザの識別情報とを送信し、
前記コンテンツサーバは、前記モバイルデバイスに対して前記登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを送信した場合、前記ライブラリサーバに対して、前記モバイルデバイスに対して送信したコンテンツと、前記送信したコンテンツを前記モバイルデバイスに送信した時点と、前記ユーザの識別情報とを送信し、
前記ライブラリサーバは、前記ユーザの識別情報に紐付けて、前記登録エリア情報と、前記モバイルデバイスに対して送信したコンテンツと、前記送信したコンテンツを前記モバイルデバイスに送信した時点とを記憶することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにとって適切なタイミングで所望するコンテンツの配信がなされ得るコンテンツ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが携帯する位置情報取得可能なモバイルデバイス(スマートフォン、iphoneなど)で取得した位置情報を利用して各種コンテンツを配信するコンテンツ配信システムが実用化されたり(例えば、forsquare等)、提案されたりしている(例えば、特許文献1など)。
【0003】
しかしながら、従来のコンテンツ配信システムは、モバイルデバイスを携帯するユーザが目的とするエリアに実際に侵入し、当該侵入したエリア内でモバイルデバイス内の所定のアプリケーションを起動・操作して初めて、当該侵入したエリアに関連するコンテンツ(例えば、当該侵入したエリアについてのガイダンスや、当該侵入したエリアに存在する店舗情報など)を配信するシステムであった。
【0004】
すなわち、従来のコンテンツ配信システムは、事前にコンテンツの配信を所望するエリアを登録するシステムになっておらず、エリアに侵入して操作しない限りコンテンツが配信されないものであった。このため、ユーザの操作し忘れ等に起因して、タイムリーにコンテンツの配信がなされないおそれがあった。これにより、利便性や面白味に欠けるシステムであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−252692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のコンテンツ配信システムの問題を解決するためになされたものであり、ユーザにとって適切なタイミングで所望するコンテンツの配信がなされ得るコンテンツ配信システムを提供することを課題とする。
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、ユーザが携帯する位置情報取得可能なモバイルデバイスと電気通信回線を介して通信可能な位置判定サーバ及びコンテンツサーバを備え、前記位置判定サーバには、前記モバイルデバイスからそれぞれ送信された、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが関連するコンテンツの配信を所望するエリアの情報である登録エリア情報とが紐付けられて予め記憶され、前記コンテンツサーバには、複数のエリア情報と、該複数のエリア情報のそれぞれに関連するコンテンツとが紐付けられて予め記憶され、前記位置判定サーバは、前記モバイルデバイスから前記ユーザの識別情報及び前記モバイルデバイスの位置情報が送信されることで、該送信された前記モバイルデバイスの位置情報が、予め記憶された前記ユーザの識別情報に紐付けられた前記登録エリア情報に適合するか否かを判定し、適合すると判定した場合、前記モバイルデバイスに対して、前記登録エリア情報を送信し、前記コンテンツサーバは、前記モバイルデバイスから、前記位置判定サーバから送信された前記登録エリア情報と、前記ユーザの識別情報とが送信されることで、予め記憶された前記複数のエリア情報のそれぞれに紐付けられたコンテンツのうち、前記登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知を前記モバイルデバイスに対して送信し、前記モバイルデバイスから送信要の応答がなされた場合に、前記登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを前記モバイルデバイスに対して送信することを特徴とするコンテンツ配信システムを提供する。
【0008】
本発明に係るコンテンツ配信システムによれば、モバイルデバイスから送信された、ユーザがそのエリアに関連するコンテンツの配信を所望する登録エリア情報が、位置判定サーバに予め記憶される。例えば、モバイルデバイスにインストールされた所定のアプリケーションを起動・操作することで、モバイルデバイス(ユーザ)が登録エリア内に侵入する前に登録エリア情報が位置判定サーバに記憶される。
【0009】
次いで、位置判定サーバは、モバイルデバイスから送信されたモバイルデバイスの位置情報が、予め記憶された登録エリア情報に適合するか否かを判定する。例えば、モバイルデバイスのGPS機能によって取得した位置情報(緯度・経度)が前記所定のアプリケーションを通じて位置判定サーバに随時送信され、位置判定サーバは、送信されたモバイルデバイスの位置情報が登録エリア情報内に存在するか否か(モバイルデバイスが登録エリア内に侵入したか否か)を判定する。
そして、位置判定サーバは、適合すると判定した場合(すなわち、モバイルデバイスが登録エリア内に侵入したと判定した場合)、モバイルデバイスに対して登録エリア情報を送信する。
【0010】
次いで、コンテンツサーバは、モバイルデバイスから登録エリア情報(位置判定サーバからモバイルデバイスに送信された登録エリア情報)が送信されることで、予め記憶された複数のエリア情報のそれぞれに紐付けられたコンテンツのうち、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知をモバイルデバイスに対して送信する。例えば、モバイルデバイスの前記所定のアプリケーションを通じて、位置判定サーバからモバイルデバイスに送信された登録エリア情報が自動的にコンテンツサーバに送信される。そして、コンテンツサーバは、予め記憶された複数のエリア情報のそれぞれに紐付けられたコンテンツのうち、モバイルデバイスから送信された登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを検索・抽出し、抽出したコンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知をモバイルデバイスに対して送信する。
【0011】
最後に、コンテンツサーバは、モバイルデバイスから送信要の応答がなされた場合に、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツをモバイルデバイスに対して送信する。例えば、モバイルデバイスの前記所定のアプリケーションを通じて、送信要の応答がなされた場合に初めて、コンテンツサーバは、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツ(登録エリアについてのガイダンスや、登録エリアに存在する店舗情報など)をモバイルデバイスに対して送信する。
【0012】
以上のように、本発明によれば、コンテンツの配信を所望するエリアの情報である登録エリア情報が位置判定サーバに予め記憶され、モバイルデバイスが登録エリア内に侵入したときに、コンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知が自動的にコンテンツサーバから送信される。このため、モバイルデバイスを携帯するユーザにとっては、タイムリーにコンテンツの配信がなされないおそれを排除可能で利便性に優れると共に、登録エリアに侵入すると同時にプッシュ通知が送信されるために面白味が得られるという利点がある。
また、自動的にコンテンツが送信されるのではなく、モバイルデバイスから送信要の応答がなされた場合に初めて、コンテンツサーバからコンテンツが送信されるため、必ずしもリアルタイムにコンテンツを受信する必要はなく、ユーザの意志でコンテンツの配信時点を決定できるという利便性も得られる。
【0013】
好ましくは、本発明に係るコンテンツ配信システムは、企業が所有する企業端末と電気通信回線を介して通信可能なライブラリサーバを更に備え、前記位置判定サーバは、前記モバイルデバイスに対して前記登録エリア情報を送信した場合、前記ライブラリサーバに対して、前記登録エリア情報と、前記ユーザの識別情報とを送信し、前記コンテンツサーバは、前記モバイルデバイスに対して前記登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを送信した場合、前記ライブラリサーバに対して、前記モバイルデバイスに対して送信したコンテンツと、前記送信したコンテンツを前記モバイルデバイスに送信した時点と、前記ユーザの識別情報とを送信し、前記ライブラリサーバは、前記ユーザの識別情報に紐付けて、前記登録エリア情報と、前記モバイルデバイスに対して送信したコンテンツと、前記送信したコンテンツを前記モバイルデバイスに送信した時点とを記憶する。
【0014】
斯かる好ましい構成によれば、ライブラリサーバに、ユーザの識別情報に紐付けて、登録エリア情報と、モバイルデバイスに対して送信したコンテンツと、送信したコンテンツをモバイルデバイスに送信した時点(日時など)とが記憶される。従って、例えば、ライブラリサーバに記憶された情報を閲覧することにより、どのエリアに関連するどのようなコンテンツがいつモバイルデバイスに送信されたのかを把握することが可能である。
そして、ライブラリサーバと企業端末とは電気通信回線を介して通信可能であるため、企業端末を通じてライブラリサーバにアクセスした企業が、ライブラリサーバに記憶された情報を閲覧してコンテンツ配信の傾向を把握することにより、例えば、自社の商品に関する情報をコンテンツとしてコンテンツサーバに記憶させる(登録する)際の参考に資することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、ユーザにとって適切なタイミングで所望するコンテンツの配信がなされ得るコンテンツ配信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すモバイルデバイスにインストールされた所定のアプリケーションを起動することでモバイルデバイスに表示される画面の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ配信システム100は、位置判定サーバ10と、コンテンツサーバ20とを備えている。また、本実施形態に係るコンテンツ配信システム100は、好ましい構成として、ライブラリサーバ30を更に備えている。
【0018】
位置判定サーバ10は、ユーザが携帯する位置情報取得可能なモバイルデバイス(スマートフォン、iphoneなど)Mと、電気通信回線(インターネットなど)Nを介して通信可能とされている。
位置判定サーバ10には、モバイルデバイスMからそれぞれ送信された、ユーザの識別情報と、ユーザが関連するコンテンツの配信を所望するエリアの情報である登録情報とが紐付けられて予め記憶されている。
例えば、ユーザは、本実施形態に係るコンテンツ配信システム100の利用開始時に、予めモバイルデバイスMに所定のアプリケーションをインストールする。そして、コンテンツ配信システム100の利用開始時に、ユーザは、モバイルデバイスMにインストールされた上記アプリケーションを起動・操作して、ユーザの識別情報(ユーザIDやモバイルデバイスMの識別子など)を位置判定サーバ10に送信し、位置判定サーバ10は、モバイルデバイスMから送信された識別情報を記憶する。この動作は、コンテンツ配信システム100の利用開始時のみに実行すれば良い。
【0019】
以上に述べた利用開始時の初期設定を終えた後、モバイルデバイスMにインストールされた上記アプリケーションを起動・操作することで、モバイルデバイスM(ユーザ)が登録エリア内に侵入する前に登録エリア情報が位置判定サーバ10に記憶される。
図2は、モバイルデバイスMにインストールされた所定のアプリケーションを起動することでモバイルデバイスMに表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図2(a)に示すように、モバイルデバイスMにインストールされた所定のアプリケーションを起動することで、ユーザが関連するコンテンツの配信を所望するエリアとして選択可能なエリア一覧(「下鴨神社」や「比叡山延暦寺」など)が表示される。そして、例えば、
図2(a)に示す「下鴨神社」を選択してプッシュすると、選択したエリア内に存在するスポットの詳細一覧(「河合神社」や「糺ノ森」など)が表示される。そして、各スポットを選択してプッシュすることにより、各スポットのガイダンスをどのような形式(音声、動画、テキストなど)で受信したいかを選択可能な画面や、各スポットに関連した土産物や記念品などの商品を販売する店舗情報を表示する画面などが表示される。ユーザがこれらの画面を視認し、必要に応じて各種の選択(ガイダンスの受信形式などの選択)を行った後、
図2(b)に示す「購入」をプッシュすることにより、登録エリア情報(「下鴨神社」など)及び各種の選択した情報が、ユーザの識別情報と共に位置判定サーバ10に送信され、位置判定サーバ10は、これらの情報を予め記憶されたユーザの識別情報に紐付けて記憶する。より具体的には、位置判定サーバ10には、コンテンツ配信システム100の利用開始時の初期設定により予め記憶された各ユーザの識別情報毎に記憶領域が割り当てられている。そして、位置判定サーバ10は、ユーザの識別情報と共に送信された登録エリア情報及び各種の選択情報を、当該送信されたユーザの識別情報に合致する予め記憶されたユーザ識別情報に割り当てられた記憶領域に記憶する。位置判定サーバ10に実際に記憶される登録エリア情報は、例えば、
図2(a)に示すようなエリアにほぼ対応する緯度・経度の範囲とされる。
【0020】
コンテンツサーバ20も、位置判定サーバ10と同様に、モバイルデバイスMと、電気通信回線Nを介して通信可能とされている。
コンテンツサーバ20には、複数のエリア情報と、該複数のエリア情報のそれぞれに関連するコンテンツとが紐付けられて予め記憶されている。例えば、コンテンツサーバ20には、
図2(a)に示すようなモバイルデバイスMに表示されるエリア一覧と同様の複数のエリア情報(「下鴨神社」や「比叡山延暦寺」など)と、各エリア情報に関連するコンテンツ(各種形式のガイダンスや店舗情報など)とが紐付けられて予め記憶されている。より具体的には、コンテンツサーバ20には、エリア情報毎に記憶領域が割り当てられており、各エリア情報に割り当てられた記憶領域に各エリア情報に関連するコンテンツが予め記憶されている。
【0021】
以上の構成を有するコンテンツ配信システム100において、位置判定サーバ10は、モバイルデバイスMからユーザの識別情報及びモバイルデバイスMの位置情報が送信されることで、該送信されたモバイルデバイスMの位置情報が、予め記憶されたユーザの識別情報に紐付けられた登録エリア情報に適合するか否かを判定する。
例えば、モバイルデバイスMのGPS機能によって取得した位置情報(緯度・経度)が前述のアプリケーションを通じて位置判定サーバ10に随時送信され、位置判定サーバ10は、送信されたモバイルデバイスMの位置情報が登録エリア情報内に存在するか否か(モバイルデバイスMが登録エリア内に侵入したか否か)を判定する。より具体的には、位置判定サーバ10は、モバイルデバイスMから送信されたユーザの識別情報に合致するユーザの識別情報に割り当てられた記憶領域に記憶された登録エリア情報(所定の緯度・経度の範囲)を読み出し、送信されたモバイルデバイスMの位置情報(所定の緯度・経度)がこの読み出した登録エリア情報内に存在するか否かを判定する。
そして、位置判定サーバ10は、適合すると判定した場合(すなわち、モバイルデバイスMが登録エリア内に侵入したと判定した場合)、送信されたユーザの識別情報に対応するモバイルデバイスMに対して、登録エリア情報及び各種の選択情報(ガイダンスの受信形式など)を送信する。
【0022】
次いで、コンテンツサーバ20は、モバイルデバイスMから登録エリア情報及び各種の選択情報(位置判定サーバ10からモバイルデバイスMに送信された登録エリア情報及び各種の選択情報)と、ユーザの識別情報とが送信されることで、予め記憶された複数のエリア情報のそれぞれに紐付けられたコンテンツのうち、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知をモバイルデバイスMに対して送信する。
例えば、モバイルデバイスMの上記アプリケーションを通じて、位置判定サーバ10からモバイルデバイスMに送信された登録エリア情報及び各種の選択情報がユーザの識別情報と共に自動的にコンテンツサーバ20に送信される。そして、コンテンツサーバ20は、予め記憶された複数のエリア情報のそれぞれに紐付けられたコンテンツのうち、モバイルデバイスMから送信された登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを検索・抽出する。コンテンツを検索・抽出する際には、ガイダンスの受信形式など、送信された各種の選択情報に合致するコンテンツが検索・抽出される。次いで、コンテンツサーバ20は、例えば、
図2(c)に示すように、抽出したコンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知を、送信されたユーザの識別情報に対応するモバイルデバイスMに対して送信する。
図2(c)に示す例は、モバイルデバイスMからコンテンツサーバ20に対して登録エリア情報として「下鴨神社」が送信され、登録エリア情報である「下鴨神社」内に存在するスポットの一つである「河合神社」のコンテンツ(ガイダンス)の送信要否を尋ねるプッシュ通知の例を示している。このようなプッシュ通知が、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられ、検索・抽出された全てのコンテンツに対して順次送信されることになる。
【0023】
最後に、コンテンツサーバ20は、モバイルデバイスMから送信要の応答がなされた場合に、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツをモバイルデバイスMに対して送信する。
例えば、モバイルデバイスMの上記アプリケーションを通じて、送信要の応答がなされた場合(例えば、
図2(c)に示す「取得」を選択してプッシュした場合)に初めて、コンテンツサーバ20は、登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツをモバイルデバイスMに対して送信する。送信されたコンテンツは、モバイルデバイスM上で再生又は表示されることで、ユーザに供される。
【0024】
以上のように、本実施形態に係るコンテンツ配信システム100によれば、コンテンツの配信を所望するエリアの情報である登録エリア情報が位置判定サーバ10に予め記憶され、モバイルデバイスMが登録エリア内に侵入したときに、コンテンツの送信要否を尋ねるプッシュ通知が自動的にコンテンツサーバ20から送信される。このため、モバイルデバイスMを携帯するユーザにとっては、タイムリーにコンテンツの配信がなされないおそれを排除可能で利便性に優れると共に、登録エリアに侵入すると同時にプッシュ通知が送信されるために面白味が得られるという利点がある。
また、自動的にコンテンツが送信されるのではなく、モバイルデバイスMから送信要の応答がなされた場合に初めて、コンテンツサーバ20からコンテンツが送信されるため、必ずしもリアルタイムにコンテンツを受信する必要はなく、ユーザの意志でコンテンツの配信時点を決定できるという利便性も得られる。
【0025】
前述のように、本実施形態に係るコンテンツ配信システム100は、好ましい構成として、ライブラリサーバ30を更に備えている。
ライブラリサーバ30は、例えば、本実施形態に係るコンテンツ配信システム100を利用する契約を結んだ企業が所有する企業端末Xと電気通信回線Nを介して通信可能とされている。
【0026】
そして、位置判定サーバ10は、モバイルデバイスMに対して登録エリア情報を送信した場合、ライブラリサーバ30に対して、登録エリア情報と、ユーザの識別情報(登録エリア情報を送信したモバイルデバイスMに対応するユーザの識別情報)とを送信する。
一方、コンテンツサーバ20は、モバイルデバイスMに対して登録エリア情報に合致するエリア情報に紐付けられたコンテンツを送信した場合、ライブラリサーバ30に対して、モバイルデバイスMに対して送信したコンテンツと、この送信したコンテンツをモバイルデバイスMに送信した時点と、ユーザの識別情報(コンテンツを送信したモバイルデバイスMに対応するユーザの識別情報)とを送信する。
ライブラリサーバ30は、ユーザの識別情報に紐付けて、登録エリア情報(位置判定サーバ10から送信された登録エリア情報)と、モバイルデバイスMに対して送信したコンテンツ及び送信したコンテンツをモバイルデバイスMに送信した時点(コンテンツサーバ20から送信されたコンテンツ及びその送信時点)とを記憶する。
【0027】
上記の好ましい構成により、ライブラリサーバ30に、ユーザの識別情報に紐付けて、登録エリア情報と、モバイルデバイスMに対して送信したコンテンツと、送信したコンテンツをモバイルデバイスMに送信した時点(日時など)とが記憶される。従って、例えば、ライブラリサーバ30に記憶された情報を閲覧することにより、どのエリアに関連するどのようなコンテンツがいつモバイルデバイスMに送信されたのかを把握することが可能である。
つまり、ライブラリサーバ30と企業端末Xとは電気通信回線Mを介して通信可能であるため、企業端末Xを通じてライブラリサーバ30にアクセスした企業が、ライブラリサーバ30に記憶された情報を閲覧してコンテンツ配信の傾向を把握することが可能である。 このため、例えば、企業端末Xを通じてコンテンツ配信の傾向を把握した企業は、自社の商品に関する情報をコンテンツとしてコンテンツサーバ20に記憶させる(登録する)際の参考に資することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
10・・・位置判定サーバ
20・・・コンテンツサーバ
30・・・ライブラリサーバ
M・・・モバイルデバイス
N・・・電気通信回線
X・・・企業端末