(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のシンチレータ結晶の各々と、前記複数のシンチレータ結晶のうち他のシンチレータ結晶との間には、前記遮蔽体の一部分が介在している請求項1に記載の放射線検出用素子。
前記遮蔽体は、互いに異なる方向を向く複数の面を外面に有し、前記複数のシンチレータ結晶のうちの2つ以上のシンチレータ結晶が、前記遮蔽体の前記複数の面のうちの互いに異なる面にそれぞれ埋め込まれている請求項2に記載の放射線検出用素子。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
図1(a)は実施形態に係る放射線検出用素子1の模式的な斜視図、
図1(b)は3次元座標系を示す図である。
図2(a)は遮蔽体10に対するシンチレータ結晶30及び光検出器31〜36の配置の一例を示す断面図、
図2(b)は
図2(a)の矢印D方向から見た図である。
図3は遮蔽体10に対するシンチレータ結晶30及び光検出器31〜36の配置の他の一例を示す断面図である。
【0013】
本実施形態に係る放射線検出用素子1は、複数のシンチレータ結晶30と、複数のシンチレータ結晶30よりも放射線(例えばγ線)の遮蔽性が高い(遮蔽能力が高い)材料により構成された遮蔽体10と、複数のシンチレータ結晶30の各々と対応する複数の光検出器(例えば6つの光検出器31、32、33、34、35、36)と、を備える。複数のシンチレータ結晶30の各々は、互いに異なる方向に指向性を持つように遮蔽体10に埋め込まれている。複数の光検出器の各々は、複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30からの発光を検出する。
以下、詳細に説明する。
【0014】
図1(a)に示すように、放射線検出用素子1は、遮蔽体10と、遮蔽体10に設けられた複数の放射線センサ(例えば6つの放射線センサ21〜26)と、を備えている。各放射線センサ21〜26は、放射線を検出するものであり、シンチレータ結晶30と、当該シンチレータ結晶30からの発光を検出する光検出器(光検出器31〜36のうちの1つ)と、を有する(
図4参照)。
【0015】
遮蔽体10は、シンチレータ結晶30よりも放射線の遮蔽性が高い材料により構成されている。換言すれば、遮蔽体10は、シンチレータ結晶30よりも放射線透過率が低い材料により構成されている。このような材料は、シンチレータ結晶30よりも密度が大きい材料から選択することができる。なお、遮蔽体10は、シンチレータ結晶30からの発光波長の光も遮蔽する。
具体的には、遮蔽体10は、例えば、鉛、タングステン、又は、それらを含有する材料により構成されている。タングステンを含有する材料として、例えば、日本タングステン社製のタングステンシートが挙げられる。
【0016】
複数のシンチレータ結晶30の各々は、互いに異なる方向に指向性を持つように遮蔽体10に埋め込まれている。ここで、本明細書において、シンチレータ結晶30が指向性を持つということは、ある特定の一方向から放射線検出用素子1に放射線が照射されるときに、シンチレータ結晶30の計数がピークとなることを意味する。
そして、複数のシンチレータ結晶30の各々が互いに異なる方向に指向性を持つということは、複数のシンチレータ結晶30の各々について、その計数がピークとなるような、放射線検出用素子1に対する放射線の照射方向が互いに異なることを意味する。
複数のシンチレータ結晶30の各々が、互いに異なる方向に指向性を持つように遮蔽体10に埋め込まれていることによって、ある放射線源から到来する放射線がダイレクトに照射されるシンチレータ結晶30と、当該放射線源から到来し且つ遮蔽体10を透過した放射線が照射される(放射線源からの放射線が遮蔽体10を介して間接的に照射される)シンチレータ結晶30と、が混在する状況(以下、第1状況と称する)が容易に生じ得るようにできる。或いは、ある放射線源から到来する放射線がシンチレータ結晶30に到達するまでに遮蔽体10を透過する距離が互いに異なるような複数のシンチレータ結晶30が混在する状況(以下、第2状況と称する)が容易に生じ得るようにできる。その結果、放射線検出用素子1を用いた放射線源の方向の検出の感度が向上する。
【0017】
遮蔽体10に設けられた複数のシンチレータ結晶30の各々と、複数のシンチレータ結晶30のうち他のシンチレータ結晶30との間には、遮蔽体10の一部分が介在していることが好ましい。つまり、任意の2つのシンチレータ結晶30(すべての組み合わせの2つのシンチレータ結晶30)の間には、遮蔽体10の一部分が必ず介在していることが好ましい。このようにすることによって、上記の第1状況や第2状況が更に生じやすくなるので、放射線検出用素子1を用いた放射線源の方向の検出の感度が更に向上する。
ここで、2つのシンチレータ結晶30の間に遮蔽体10の一部分が介在するということは、例えば、2つのシンチレータ結晶30の一箇所どうしを結ぶ線分が遮蔽体10を通過することを意味するのであっても良いし、2つのシンチレータ結晶30の中心どうしを結ぶ線分が遮蔽体10を通過することを意味するのであっても良いし、2つのシンチレータ結晶30のうちの一方のシンチレータ結晶30における何れの箇所についても、他方のシンチレータ結晶30の何れの箇所との間に遮蔽体10の一部分が介在していることを意味するのであっても良い。
【0018】
遮蔽体10の形状は特に限定されない。ただし、遮蔽体10は、互いに異なる方向を向く複数の面を外面に有する形状、例えば直方体形状などの多面体形状が遮蔽体10の形状として好ましい。多面体形状の中でも、立方体形状などの正多面体形状が、対称性に優れるため特に好ましい。
【0019】
遮蔽体10が、互いに異なる方向を向く複数の面を外面に有し、複数のシンチレータ結晶30のうちの2つ以上のシンチレータ結晶30が、遮蔽体10の複数の面のうちの互いに異なる面にそれぞれ埋め込まれている場合、上記の第1状況や第2状況がより一層生じやすくなるので、放射線検出用素子1を用いた放射線源の方向の検出の感度がより一層向上する。
遮蔽体10が互いに異なる方向を向く複数の面を外面に有する場合に、複数のシンチレータ結晶30の各々が遮蔽体10の互いに異なる面に埋め込まれていることが、更に好ましい。
【0020】
本実施形態の場合、遮蔽体10は、具体的には、例えば、立方体形状に形成されている。従って、遮蔽体10は、6つの面11、12、13、14、15、16を有している。なお、遮蔽体10は、例えば、後述する凹部41を除き、中実に形成されている。
【0021】
遮蔽体10の6つの面11〜16の各々には、放射線センサ21〜26が設けられている。すなわち、面11には放射線センサ21が設けられ、面12には放射線センサ22が設けられ、面13には放射線センサ23が設けられ、面14には放射線センサ24が設けられ、面15には放射線センサ25が設けられ、面16には放射線センサ26が設けられている。
より具体的には、例えば、各放射線センサ21〜26は、各面11〜16の中央に配置されている。そして、各放射線センサ21〜26は、各々が設けられた面11〜16の面直方向に指向性を持っている。
【0022】
図2および
図3に示すように、各放射線センサ21〜26は、シンチレータ結晶30と、光検出器(光検出器31〜36のうちの1つ)と、を備えている。すなわち、面11に設けられた放射線センサ21はシンチレータ結晶30と光検出器31とを備え、面12に設けられた放射線センサ22はシンチレータ結晶30と光検出器32とを備え、面13に設けられた放射線センサ23はシンチレータ結晶30と光検出器33とを備え、面14に設けられた放射線センサ24はシンチレータ結晶30と光検出器34とを備え、面15に設けられた放射線センサ25はシンチレータ結晶30と光検出器35とを備え、面16に設けられた放射線センサ26はシンチレータ結晶30と光検出器36とを備えている。
このように、例えば、遮蔽体10は立方体形状であり、その6面の各々に、シンチレータ結晶30および光検出器(光検出器31〜36)が設けられている。
【0023】
シンチレータ結晶30は、該シンチレータ結晶30に対して放射線が照射されると発光する。シンチレータ結晶30の種類は特に限定されないが、シンチレータ結晶30は、例えば、セリウム添加ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(Ce:GAGG)結晶とすることができる(以下、単にGAGG結晶と称する)。GAGG結晶の組成式は、Ce:Gd
3Al
2Ga
3O
12である。
GAGG結晶は、その発光波長が、半導体系の光検出器による検出波長とマッチするため、好適に用いられる。
なお、GAGG結晶の密度は、6.63g/cm
3である。このため、シンチレータ結晶30としてGAGG結晶からなるものを用いる場合、遮蔽体10の材料としては、密度が6.63g/cm
3よりも大きいものを選択する。
シンチレータ結晶30の形状は、特に限定されないが、一例として、立方体形状とすることができる。立方体形状のシンチレータ結晶30は、簡易な加工によって容易に形成することができる。
シンチレータ結晶30の寸法は、特に限定されないが、例えば、一辺の長さを0.1mm以上30mm以下とすることができる。シンチレータ結晶30の寸法は、遮蔽体10の寸法によって適宜変更することができる。
【0024】
光検出器(光検出器31〜36)は、シンチレータ結晶30の発光波長の光を検出できるものであれば、どのようなものでも良いが、MPPC(マルチピクセルフォトンカウンター)等のシリコンフォトマルチプライヤーであることが好ましい一例である。
【0025】
図2(a)および
図3に示すように、遮蔽体10の各面11〜16には、凹部41が形成されており、各凹部41には、シンチレータ結晶30が埋め込まれている。
【0026】
図2(a)の例では、凹部41は、シンチレータ結晶30の外形形状と同じ立方体形状に形成されており、凹部41には実質的に隙間無くシンチレータ結晶30が埋め込まれている。シンチレータ結晶30の5つの面は、凹部41の5つの面に対してそれぞれ接しており、シンチレータ結晶30の残りの1つの面は、遮蔽体10の各面11〜16と面一となっている。すなわち、複数のシンチレータ結晶30の各々は、遮蔽体10の表面と面一に配置されている。光検出器(光検出器31〜36)は、それぞれ対応するシンチレータ結晶30を覆うように、各面11〜16に固定されている。より具体的には、光検出器(光検出器31〜36)は、例えば、シンチレータ結晶30の1つの面と、各面11〜16におけるシンチレータ結晶30の周囲の部分と、に接している。このように、複数の光検出器(光検出器31〜36)の各々は、複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30と対向するように遮蔽体10の表面に設けられている。なお、各シンチレータ結晶30から、対応する光検出器に入射する光量を増加させるために、各シンチレータ結晶30において、対応する光検出器側を向く面を除く5つの面に沿って、光反射材を設けることが好ましい。
【0027】
一方、
図3の例では、凹部41は、
図2(a)の例よりも深く形成されている。凹部41の深さ方向に対する直交断面の形状及び寸法は、
図3の例でも
図2(a)の例と同じである。
図3の例では、シンチレータ結晶30は、その1つの面が凹部41の底面に接するとともに、当該1つの面に隣接する4つの面の各々が凹部41の側面に接するように、凹部41に埋め込まれている。
図3の例でも、遮蔽体10に対する光検出器(光検出器31〜36)の配置は、
図2(a)の例と同様である。このため、
図3の例では、シンチレータ結晶30の1つの面と、光検出器との間に間隙が存在する。すなわち、複数のシンチレータ結晶30の各々は、遮蔽体10の表面よりも奥に配置されている。
図3の例では、互いに対応するシンチレータ結晶30と光検出器(光検出器31〜36)との間の間隙には、当該シンチレータ結晶30の発光波長の光を透過させる充填材45が充填されている。充填材45の材料は、光透過樹脂、石英ガラス等であることが挙げられる。
【0028】
次に、本実施形態に係る放射線検出装置100について説明する。
図4は実施形態に係る放射線検出装置100の構成を示すブロック図である。
図5は実施形態に係る放射線検出装置100の表示部80における表示例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係る放射線検出装置100は、上述の放射線検出用素子1と、複数の光検出器(光検出器31〜36)による検出値が入力される制御部60と、を備える。制御部60は、複数の光検出器による個々の検出値の相対関係に基づいて、放射線源の方向を判定する方向判定部61を備える。
以下、詳細に説明する。
【0029】
放射線検出装置100は、携帯型のものであることが好ましい。放射線検出装置100を携帯型とするためには、遮蔽体10をなるべく軽量のものとすることが好ましい。遮蔽体10の重量は、2kg以下、1kg以下、或いは300g以下とすることができる。遮蔽体10の重量が軽いほど、放射線検出装置100は携帯性に優れたものとなる。その一方で、遮蔽体10が大きいほど、放射線源側に位置する放射線センサによる検出値と、放射線源と放射線センサとの間に遮蔽体10が存在する放射線センサによる検出値と、の比が大きくなるため、方向判定部61による判定の感度特性が向上する。
【0030】
放射線検出装置100は、更に、ユーザによる操作を受け付ける操作部70と、表示動作を行う液晶表示装置などの表示部80と、を備えている。
【0031】
制御部60は、更に、複数の光検出器(光検出器31〜36)のうち何れか1つ以上(例えば光検出器31)の検出値に基づいて放射線量を判定する線量判定部62と、表示部80の表示制御を行う表示制御部63と、を備える。
【0032】
表示制御部63が行う表示制御には、方向判定部61により判定された方向を示す方向指示表示81(
図5)を表示部80に表示させる制御と、線量判定部62により判定された放射線量を示す放射線量表示82(
図5)を表示部80に表示させる制御と、が含まれる。
【0033】
ユーザが操作部70を操作することにより、例えば、方向判定部61により放射線源の方向を判定する第1モードと、線量判定部62により放射線量を判定する第2モードと、の切り替えや、放射線検出装置100の電源のオン/オフの切り替えなどが可能となっている。
第1モードでは、方向判定部61は、6つの光検出器31〜36の検出値に基づいて、放射線源の方向を判定する。
第2モードでは、線量判定部62は、何れか1つ以上の光検出器(例えば光検出器31)の検出値に基づいて、放射線量を判定する。ここで、放射線量の判定に用いられる検出値は、すべての光検出器による検出値としても良いし、放射線源の方向に基づいて選択された光検出器による検出値としても良いし、予め定められた1つの光検出器による検出値としても良い。
放射線源の方向に基づいて光検出器を選択する場合は、放射線源の方向と対応する1つ以上の光検出器を選択する。例えば、放射線検出用素子1の何れか1つの面の正面方向に放射線源が存在する場合、当該何れか1つの面に配置された光検出器を選択する。また、例えば、放射線検出用素子1の何れか1つの面の正面方向ではなく、斜めの方向に放射線源が存在する場合、その放射線源の方向を向く2つ又は3つの光検出器を選択する。
また、予め定められた1つの光検出器による検出値を用いる場合、例えば、放射線源の方向を特定した後、当該1つの検出器が設けられた面が、その方向に向くように放射線検出装置100の姿勢を調節して、放射線量の検出を行う。
なお、ここでは、操作によりモードを切り替える例を説明するが、操作によりモードを切り替えることは必ずしも必要ではない。例えば、モードを切り替えることなく、方向判定部61による放射線源の方向の判定処理と、線量判定部62による放射線量の判定処理とが並行して行われるようになっていても良い。
【0034】
図5に示すように、方向指示表示81は、例えば、放射線源の方向を示す矢印の形態の表示とすることができる。また、放射線量表示82は、例えば、単位時間あたりの放射線量を示す数値の表示とすることができる。
【0035】
なお、放射線検出装置100によれば、放射線源の方向を、水平方向において特定できるだけでなく、鉛直方向においても特定できるため、水平方向における方向を示す方向指示表示81だけでなく、鉛直方向における方向(角度)を示す表示(図示略)を併せて表示部80に表示させるようにしても良い。更に、このような3次元的な方向指示を行うモードと、2次元的な方向指示を行うモードとのモード選択が可能なように、放射線検出装置100を構成しても良い。
【0036】
次に、
図6乃至
図9を参照して、実施形態に係る放射線検出装置100の各放射線センサ21〜26を用いた検出動作のシミュレーション結果を説明する。
【0037】
図6乃至
図9の各図は、実施形態に係る放射線検出装置100による検出動作のシミュレーションの例を示す図である。これらのシミュレーションにおいて、検出対象の放射線源はセシウム137(137Cs)としている。セシウム137から放射されるγ線のピークエネルギーは662keVである。また、遮蔽体10は、一辺が3cmの立方体形状の鉛からなるものとする。また、シンチレータ結晶30は、一辺が5mmの立方体形状のGAGGからなり、
図2(a)に示すようにシンチレータ結晶30の各々が遮蔽体10の表面と面一に配置されているものとする。
【0038】
ここで、検出動作を説明しやすくするために、放射線検出用素子1の中心を原点(以下、原点O)とする3次元座標系(
図1(b))を考える。
図1(a)、(b)に示すように、x軸は、原点O、放射線センサ21および放射線センサ22を結ぶ直線上に位置し、y軸は、原点O、放射線センサ23および放射線センサ24を結ぶ直線上に位置し、z軸は、原点O、放射線センサ25および放射線センサ26を結ぶ直線上に位置するものとする。原点Oから放射線センサ21側に向かう方向を+x方向、原点Oから放射線センサ22側に向かう方向を−x方向、原点Oから放射線センサ23側に向かう方向を+y方向、原点Oから放射線センサ24側に向かう方向を−y方向、原点Oから放射線センサ25側に向かう方向を+z方向、原点Oから放射線センサ26側に向かう方向を−z方向と称する。
【0039】
第1のシミュレーションは、
図6(a)に示すように、+z方向から放射線検出用素子1へ放射線が照射される場合のシミュレーションである。
図6(b)は、第1のシミュレーションによる放射線の計測結果を示す図である。
第2のシミュレーションは、
図7(a)に示すように、+z方向と+x方向との中間で且つ+z方向と+x方向との双方に対して45°の方向から放射線検出用素子1へ放射線が照射される場合のシミュレーションである。
図7(b)は、第2のシミュレーションによる放射線の計測結果を示す図である。
第3のシミュレーションは、
図8(a)に示すように、+z方向と+x方向との中間で且つ+z方向と+x方向との双方に対して45°の方向、並びに、+z方向と−x方向との中間で且つ+z方向と−x方向との双方に対して45°の方向から、放射線検出用素子1へ放射線が照射される場合のシミュレーションである。
図8(b)は、第3のシミュレーションによる放射線の計測結果を示す図である。
第4のシミュレーションは、
図9(a)に示すように、+z方向並びに−z方向から放射線検出用素子1へ放射線が照射される場合のシミュレーションである。
図9(b)は、第4のシミュレーションによる放射線の計測結果を示す図である。
【0040】
図6(b)、
図7(b)、
図8(b)、
図9(b)の各図において、横軸は放射線を計測したエネルギー(keV)、縦軸は各エネルギーにおける計測値(検出値:イベント数)である。
図6(b)、
図7(b)、
図8(b)、
図9(b)の各図において、+xのグラフ(曲線L1)は放射線センサ21による検出値を示し、−xのグラフ(曲線L2)は放射線センサ22による検出値を示し、+yのグラフ(曲線L3)は放射線センサ23による検出値を示し、−yのグラフ(曲線L4)は放射線センサ24による検出値を示し、+zのグラフ(曲線L5)は放射線センサ25による検出値を示し、−zのグラフ(曲線L6)は放射線センサ26による検出値を示す。
【0041】
先ず、第1のシミュレーションについて説明する。
+xのグラフ(曲線L1)で示される検出値について、セシウム137から放射されるγ線のピークエネルギーである662keVを中心とする所定の範囲の検出値を積算することにより積算値を求める。
図6(b)にNで示される値がこの積算値であり、+xのグラフ(曲線L1)については781である。同様に、−x、+y、−y、+zおよび−zの各グラフで示される検出値について、それぞれ上記所定範囲における積算値Nを求める。
図6(b)に示すように、積算値Nは、−xのグラフ(曲線L2)については795、+yのグラフ(曲線L3)については852、−yのグラフ(曲線L4)については855、+zのグラフ(曲線L5)については3196、−zのグラフ(曲線L6)については256である。ここで、上記所定範囲は、各グラフ(曲線L1〜L6)において、662keVを中心とし、ガウス分布に近い分布となっている範囲とし、且つ、各グラフにおいて共通の範囲とする。
第1のシミュレーションの場合、放射線源が存在する方向に位置する放射線センサ25による検出値を示す+zのグラフ(曲線L5)についての積算値Nと、+zとは反対方向に位置する放射線センサ26による検出値を示す−zのグラフ(曲線L6)についての積算値Nとの比が約12:1となっており、遮蔽体10が十分に機能することが分かる。
なお、このような比、すなわち遮蔽体10を基準として放射線源が存在する方向における放射線量の検出値と、その反対方向における放射線量の検出値との比を、以下ではS/N比と称する場合がある。
第1のシミュレーションのように放射線源が+z方向に存在する場合、+zのグラフ(曲線L5)についての積算値Nが3196と最も大きく、−zのグラフ(曲線L6)についての積算値Nが256と最も小さい。そして、他のグラフについての積算値Nは、781〜855とほぼ横並びとなっている。6つの積算値Nの相対関係(相対比率)が第1のシミュレーションと同等となった場合には、概ね+z方向に放射線源が存在する旨を判定することができる。
【0042】
次に、第2のシミュレーションについて説明する。
第2のシミュレーションの場合も、第1のシミュレーションの場合と同様に、+x、−x、+y、−y、+zおよび−zの各グラフで示される検出値について、それぞれ積算値Nを求める。
図7(b)に示すように、積算値Nは、+xのグラフ(曲線L1)については2938、−xのグラフ(曲線L2)については556、+yのグラフ(曲線L3)については444、−yのグラフ(曲線L4)については493、+zのグラフ(曲線L5)については2988、−zのグラフ(曲線L6)については602である。
第2のシミュレーションの場合、+xおよび+zのグラフ(曲線L1、L5)についての積算値Nの合算値である5926と、+xおよび+zとは反対方向の−xおよび−zのグラフ(曲線L2、L6)についての積算値Nの合算値である1158と、の比が約5:1となっている。この場合、第1のシミュレーションと比べてS/N比が低下するものの、放射線源が存在する方向における放射線量の検出値と、その反対方向における放射線量の検出値とを、十分に判別可能である。
第2のシミュレーションのように放射線源が+z方向と+x方向との丁度中間に存在する場合、+xおよび+zのグラフ(曲線L1、L5)についての積算値Nが2938、2988と同等であるとともに最も大きく、他のグラフについての積算値Nは、444〜602とほぼ横並びとなっている。6つの積算値Nの相対関係(相対比率)が第2のシミュレーションと同等の場合には、概ね+z方向と+x方向との丁度中間の方向に放射線源が存在する旨を判定することができる。
【0043】
次に、第3のシミュレーションについて説明する。
第3のシミュレーションの場合も同様に、+x、−x、+y、−y、+zおよび−zの各グラフで示される検出値について、それぞれ積算値Nを求める。
図8(b)に示すように、積算値Nは、+xのグラフ(曲線L1)については3533、−xのグラフ(曲線L2)については3585、+yのグラフ(曲線L3)については947、−yのグラフ(曲線L4)については964、+zのグラフ(曲線L5)については5954、−zのグラフ(曲線L6)については1185である。
ここで、第3のシミュレーションでは、第1のシミュレーションのように放射線源が1箇所の場合との識別が可能であるか否かが重要である。これについては、+x、−x、+y、−yおよび−zの相互間での積算値Nの比、さらには、6つの積算値Nの相互間の比が、
図8(b)の場合と
図6(b)とで明らかに異なることから、第3のシミュレーションの場合と第1のシミュレーションの場合との識別が可能であることが分かる。
第3のシミュレーションのように放射線源が+z方向と+x方向との丁度中間の方向と、+z方向と−x方向との丁度中間の方向と、の双方に存在する場合、+zのグラフ(曲線L5)についての積算値Nが5954と最も大きく、+xおよび−xのグラフ(曲線L1、L2)についての積算値Nが3533、3585と同等であるとともに+zに次いで大きく、他のグラフについての積算値Nは、947〜1185とほぼ横並びとなっている(より具体的には、−zについての積算値Nが最も小さくなっている)。6つの積算値Nの相対関係(相対比率)が第3のシミュレーションと同等の場合には、概ね+z方向と+x方向との丁度中間の方向と、概ね+z方向と−x方向との丁度中間の方向と、の双方に放射線源が存在する旨を判定することができる。
【0044】
次に、第4のシミュレーションについて説明する。
第4のシミュレーションの場合も同様に、+x、−x、+y、−y、+zおよび−zの各グラフで示される検出値について、それぞれ積算値Nを求める。
図9(b)に示すように、積算値Nは、+xのグラフ(曲線L1)については1595、−xのグラフ(曲線L2)については1598、+yのグラフ(曲線L3)については1700、−yのグラフ(曲線L4)については1710、+zのグラフ(曲線L5)については3462、−zのグラフ(曲線L6)については3411である。
第4のシミュレーションの場合、+zおよび−zのグラフ(曲線L5、L6)についての積算値Nが3462、3411と同等であるとともに最も大きく、他のグラフについての積算値Nは、1595〜1710とほぼ横並びとなっている。このため、6つの積算値Nの相対関係(相対比率)が第4のシミュレーションと同等の場合には、6つの積算値Nをすべて考慮することにより、概ね+z方向と概ね−z方向との2方向にそれぞれ放射線源が存在すると判定することができる。更には、概ね+z方向に存在する放射線源の強度と、概ね−z方向に存在する放射線源の強度と、が同等であると判定することもできる。
【0045】
次に、
図10および
図11を参照して、放射線検出装置100による放射線源の方向の検出動作の実験結果を説明する。
【0046】
図10(a)は放射線検出装置100による検出動作の例を説明するための放射線検出用素子1の模式図、
図10(b)は検出結果を示す図である。
この実験では、
図10(a)に示すように、遮蔽体10の+z方向側の面15および−z方向側の面16にのみ放射センサ(放射線センサ25、26)が設けられた放射線検出用素子1を用いた。また、遮蔽体10は、タングステンシートを積層することにより構成した。また、放射線センサ25、26を構成するシンチレータ結晶30を、一辺の長さが5mmの立方体形状のものとした。
【0047】
図11の各図は放射線検出装置100による検出値の例を示す図である。
図11(a)および(b)は
図10(a)の矢印A方向に(つまり+z方向から)放射線検出用素子1へ放射線を照射したときの検出値を示し、このうち
図11(a)は放射線センサ25による検出値を、
図11(b)は放射線センサ26による検出値を、それぞれ示す。
図11(c)および(d)は
図10(a)の矢印B方向に(つまり−x方向(
図1参照)から)放射線検出用素子1へ放射線を照射したときの検出値を示し、このうち
図11(c)は放射線センサ25による検出値を、
図11(d)は放射線センサ26による検出値を、それぞれ示す。
図11(e)および(f)は
図10(a)の矢印C方向に(つまり+z方向と−x方向との中間で且つ+z方向と−x方向との双方に対して45°の方向から)放射線検出用素子1へ放射線を照射したときの検出値を示し、このうち
図11(e)は放射線センサ25による検出値を、
図11(f)は放射線センサ26による検出値を、それぞれ示す。
【0048】
図11(a)〜(f)に示すように、方向判定部61は、各放射線センサ21〜26による検出値について、セシウム137から放射されるγ線のピークエネルギーである662keVを中心とする所定の範囲のウィンドウWを設定し、このウィンドウW内の検出値を積算することにより、
図10(b)に示す検出結果(上記積算値Nに相当)を演算する。このウィンドウWは、上記の各シミュレーションにおいて設定した範囲と同様に、検出値がガウス分布に近い分布となっている範囲とする。
図10(b)に示すように、
図11(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の各々について、検出結果は、それぞれ17400、1570、1750、1590、20500、5020であった。
したがって、矢印A方向に放射線を照射したときは、放射線センサ25による検出結果と放射線センサ26による検出結果との比は17400/1570=約11.1倍となり、概ね第1のシミュレーション結果(
図6(b))の12倍と同等の結果が得られた。
また、矢印B方向に放射線を照射したときは、放射線センサ25による検出結果と放射線センサ26による検出結果との比は1750/1590=約1.10倍となり、理想値の1倍と同等の結果が得られた。
また、矢印C方向に放射線を照射したときは、放射線センサ25による検出結果と放射線センサ26による検出結果との比は20500/5020=約4.1倍となり、第2のシミュレーション結果(
図7(b))の5倍と同等の結果が得られた。
このため、実際の放射線検出装置100によって、上記の各シミュレーション(
図6乃至
図9)と同等の結果が得られることが分かる。
【0049】
次に、方向判定部61による放射線源の方向の判定処理の例について、
図6乃至
図9を参照して説明する。ここでは、
図1等に示されるように遮蔽体10の6つの面の各々に放射線センサ(放射線センサ21〜26のうちの1つずつ)が設けられているものとする。
【0050】
まず、放射線検出装置100が第1モードとなっている場合において、各放射線センサ21〜26による検出値が制御部60に入力される。次に、制御部60の方向判定部61は、放射線センサ21〜26の各々による検出値について、上記の各シミュレーションと同様に設定した範囲(上記の実験におけるウィンドウWと同様の範囲)における検出値の積算値を演算する。
【0051】
方向判定部61は、このように求めた6つの積算値の相対関係に基づいて、放射線源の方向を判定する。
【0052】
例えば、上記の第1乃至第4のシミュレーションの各々と同じ方向に放射線源が存在する場合における6つの積算値の相対関係と、当該相対関係と対応する放射線源の方向と、を示すデータをテーブルとして予め制御部60に記憶保持しておく。好ましくは、第1乃至第4のシミュレーション以外の方向に放射線源が存在する場合における6つの積算値の相対関係と、当該相対関係と対応する放射線源の方向と、を示すデータについても、上記テーブルに含まれていることが好ましい。
そして、方向判定部61は、そのテーブルを参照することにより、テーブルに記憶された相対関係のうち、演算された積算値の相対関係と最も近いものを抽出し、当該抽出された相対関係と対向する方向を、放射線源の方向であると判定する。
【0054】
放射線検出装置100を用いて放射線源の方向を調べるためには、ユーザが操作部70を操作して、放射線検出装置100を第1モードにする。この状態で、方向判定部61は、上記のように放射線源の方向を判定する。すると、表示制御部63は、判定された放射線源の方向と対応する方向指示表示81を表示部80に表示させる。複数の方向に放射線源が複数の方向に存在すると判定された場合は、各方向とそれぞれ対応する複数の方向指示表示81を表示部80に表示させる。ユーザは、方向指示表示81を確認することによって、放射線源の大まかな方向を知ることができる。
【0055】
次に、放射線検出装置100を用いて放射線量を調べるためには、例えば、ユーザが操作部70を操作して放射線検出装置100を第2モードにするとともに、ユーザが放射線検出装置100の姿勢を調節することにより、光検出器31を有する放射線センサ21が設けられた面11を放射線源の方向、すなわち、第1モードのときに方向指示表示81が示していた方向に向ける。この状態で、線量判定部62は、光検出器31による検出値の積算値を演算し、この積算値に基づいて、放射線量を判定する。すると、表示制御部63は、判定された放射線量を示す放射線量表示82を表示部80に表示させる。ユーザは、放射線量表示82を確認することによって、放射線源の方向から到来する放射線量を知ることができる。
【0056】
放射線検出装置100を用いることにより、いわゆるホットスポットと呼ばれる空間線量の局所的に高い場所を特定したり、そのホットスポットの方向から到来する放射線量を検出したりすることができる。また、ホットスポットの除染作業を終えた後に、放射線量が十分に低下したかどうかの確認や、放射性物質の移染によって新たなホットスポットが生じたりしていないかどうかの確認等が可能である。
【0057】
以上のような実施形態によれば、放射線検出用素子1は、遮蔽体10と、複数のシンチレータ結晶30と、複数のシンチレータ結晶30の各々と対応する複数の光検出器31〜36と、を備える。遮蔽体10は、複数のシンチレータ結晶30よりも放射線の遮蔽性が高い材料により構成されている。そして、複数のシンチレータ結晶30の各々は、互いに異なる方向に指向性を持つように遮蔽体10に埋め込まれ、複数の光検出器31〜36の各々は、複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30からの発光を検出する。
よって、複数の光検出器31〜36による個々の検出値の相対関係(相対比率)に基づいて、放射線検出用素子1の位置を基準としたときの放射線源の方向を判定することができる。つまり、放射線検出用素子1を用いることにより、方向分別性を得ることができる。
【0058】
ここで、複数のシンチレータ結晶30の各々は、互いに異なる方向に指向性を持つように遮蔽体10に埋め込まれ、複数の光検出器31〜36の各々は、複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30からの発光を検出する。
よって、例えば
図6乃至第8に示す第1乃至第4のシミュレーションのように、放射線源から到来する放射線がダイレクトに照射されるシンチレータ結晶30と、放射線源から到来し且つ遮蔽体10を透過した放射線が照射される(放射線源からの放射線が遮蔽体10を介して間接的に照射される)シンチレータ結晶30と、が混在する状況(第1状況)が容易に生じ得るようにできる。或いは、ある放射線源から到来する放射線がシンチレータ結晶30に到達するまでに遮蔽体10を透過する距離が互いに異なるような複数のシンチレータ結晶30が混在する状況(第2状況)が容易に生じ得るようにできる。このため、複数の光検出器31〜36による検出値の比(上記のS/N比等)を十分に大きくすることができるので、放射線源の方向を簡易な構成でも感度良く検出することが可能となる。
【0059】
また、遮蔽体10に設けられた複数のシンチレータ結晶30の各々と、複数のシンチレータ結晶30のうち他のシンチレータ結晶30との間に、遮蔽体10の一部分が介在していることにより、上記の第1状況や第2状況が更に生じやすくなるので、放射線検出用素子1を用いた放射線源の方向の検出の感度が更に向上する。
【0060】
遮蔽体10が、互いに異なる方向を向く複数の面を外面に有し、複数のシンチレータ結晶30のうちの2つ以上のシンチレータ結晶30が、遮蔽体10の複数の面のうちの互いに異なる面にそれぞれ埋め込まれていることにより、上記の第1状況や第2状況がより一層生じやすくなるので、放射線検出用素子1を用いた放射線源の方向の検出の感度がより一層向上する。
【0061】
また、遮蔽体10を多面体形状とすることにより、遮蔽体10が曲面を含む形状である場合と比べて、放射線検出用素子1を容易に製造することができる。特に、遮蔽体10を立方体形状などの正多面体形状とすることにより、各シンチレータ結晶30に対して均等な条件で放射線が照射されるようにすることができるので、より簡単な演算により放射線源の方向を特定することが可能となる。
【0062】
また、遮蔽体10を立方体形状とし、且つ、その6面の各々に、シンチレータ結晶30および光検出器(光検出器31〜36)が設けられていることにより、すべての方向について、放射線源の方向を容易に検出することが可能となる。
【0063】
また、複数の光検出器(光検出器31〜36)の各々は、複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30と対向するように遮蔽体10の表面に設けられている。よって、光検出器(光検出器31〜36)を遮蔽体10に埋め込む必要がないため、放射線検出用素子1を容易に製造することができる。
【0064】
また、複数のシンチレータ結晶30の各々が遮蔽体10の表面と面一に配置されている構造とすることにより、各シンチレータ結晶30を用いた放射線検出の指向性を良好なものとすることができる。すなわち、各シンチレータ結晶30において遮蔽体10の表面と面一となっている面に対する面直方向に、各シンチレータ結晶30は指向性を持つようにできる。
【0065】
また、複数のシンチレータ結晶30の各々が遮蔽体10の表面よりも奥に配置されている構造とすることにより、複数のシンチレータ結晶30の各々が遮蔽体10の表面と面一に配置されている構造と比べて、更に、各シンチレータ結晶30を用いた放射線検出の指向性を良好にすることができる。
【0066】
また、複数の光検出器(光検出器31〜36)の各々が複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30と対向するように遮蔽体10の表面に設けられている場合において、複数のシンチレータ結晶30の各々が遮蔽体10の表面よりも奥に配置され、且つ、互いに対応するシンチレータ結晶30と光検出器との間には当該シンチレータ結晶30の発光波長の光を透過させる充填材45が充填されている構造とすることができる。この場合、光検出器(光検出器31〜36)を遮蔽体10に埋め込む必要がないため、放射線検出用素子1を容易に製造することができるとともに、各シンチレータ結晶30を用いた放射線検出の指向性を極めて良好にすることができ、且つ、シンチレータ結晶30からの発光を効率的に光検出器によって検出することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る放射線検出装置100は、本実施形態に係る放射線検出用素子1と、複数の光検出器(光検出器31〜36)による検出値が入力される制御部60と、を備え、制御部60は、複数の光検出器による個々の検出値の相対関係に基づいて、放射線源の方向を判定する方向判定部61を備える。よって、放射線検出装置100によれば、放射線検出用素子1による効果が得られる他、方向判定部61によって放射線源の方向を判定することができる。
【0068】
また、制御部60は、複数の光検出器(光検出器31〜36)のうち何れか1つの検出値に基づいて、放射線量を判定する線量判定部62を備えるので、放射線量を判定することができる。
個々のシンチレータ結晶30は、互いに異なる方向に指向性を持つように遮蔽体10に埋め込まれており、個々の光検出器31〜36は、複数のシンチレータ結晶30のうち対応するシンチレータ結晶30からの発光を検出するので、互いに対応するシンチレータ結晶30と光検出器(光検出器31〜36のうちの1つ)とからなる個々の放射線センサ21〜26は、それぞれ一方向に指向性を持つ。このため、線量判定部62が複数の光検出器(光検出器31〜36)のうち何れか1つの検出値に基づいて放射線量を判定することにより、良好な指向性を得ることができ、一方向から到来する放射線量を簡易な構成で感度良く検出することができる。
【0069】
また、放射線検出装置100は、表示部80を更に備え、制御部60は、方向判定部61により判定された方向を示す方向指示表示81を表示部80に表示させる制御を行う表示制御部63を備えるので、ユーザは、表示された方向指示表示81を確認することにより、容易に放射線源の方向を認識することができる。