(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388312
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】滑り軸受給油装置および滑り軸受給油方法
(51)【国際特許分類】
F16N 7/38 20060101AFI20180903BHJP
F16N 29/00 20060101ALI20180903BHJP
F16N 29/04 20060101ALI20180903BHJP
F16C 17/24 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
F16N7/38 A
F16N29/00 B
F16N29/04
F16N7/38 E
F16N7/38 G
F16C17/24
F16N7/38 B
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-40971(P2015-40971)
(22)【出願日】2015年3月3日
(65)【公開番号】特開2016-161060(P2016-161060A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】李 忠
【審査官】
日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−112612(JP,A)
【文献】
特開平1−283431(JP,A)
【文献】
特開平1−255718(JP,A)
【文献】
特開昭60−205098(JP,A)
【文献】
特開昭56−118640(JP,A)
【文献】
特開昭53−122061(JP,A)
【文献】
実開昭56−56996(JP,U)
【文献】
実開昭53−11437(JP,U)
【文献】
実開昭49−146339(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/24
F16N 7/38,29/00,29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機の軸を支持する軸受に油を供給する滑り軸受給油装置であって、
前記油を貯留する油タンクと、
前記油タンクに貯留された前記油を汲み上げ前記軸受の内部に供給する第1のポンプと、
前記油タンクに貯留された前記油を汲み上げ前記第1のポンプが供給する油の圧力よりも低い圧力の油を前記軸受の内部に供給する第2のポンプと、
前記第1のポンプを起動させることで前記軸が前記軸受から浮上し、前記軸の回転数が所定の回転数に達すると、前記第1のポンプを停止させる制御を実行する制御装置と、
を備えた滑り軸受給油装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第2のポンプを起動させ、前記軸が前記軸受から浮上し、前記軸の回転数が所定の回転数に達したときに、前記第2のポンプの運転を継続させる制御を実行する請求項1記載の滑り軸受給油装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1のポンプを停止させた後に前記軸受の温度が所定の温度以上になると、前記第1のポンプを再び起動させる制御を実行する請求項1または2記載の滑り軸受給油装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1のポンプを再び起動させた後に前記軸受の温度が所定の温度未満になると前記第1のポンプを停止させ、前記第1のポンプを再び起動させた後に前記軸受の温度が所定の温度未満にならないと異常警報を出力し前記電動機を停止させる制御を実行する請求項3記載の滑り軸受給油装置。
【請求項5】
電動機の軸を支持する軸受に油を供給する滑り軸受給油方法であって、
油タンクに貯留された前記油を汲み上げ第2のポンプが供給する油の圧力よりも高い圧力の油を前記軸受の内部に供給する第1のポンプを起動させることで前記軸を前記軸受から浮上させ、前記軸の回転数が所定の回転数に達すると、前記第1のポンプを停止させる滑り軸受給油方法。
【請求項6】
前記第2のポンプを起動させ、前記軸が前記軸受から浮上し、前記軸の回転数が所定の回転数に達したときに、前記第2のポンプの運転を継続させる請求項5記載の滑り軸受給油方法。
【請求項7】
前記第1のポンプを停止させた後に前記軸受の温度が所定の温度以上になると、前記第1のポンプを再び起動させる請求項5または6に記載の滑り軸受給油方法。
【請求項8】
前記第1のポンプを再び起動させた後に前記軸受の温度が所定の温度未満になると前記第1のポンプを停止させ、前記第1のポンプを再び起動させた後に前記軸受の温度が所定の温度未満にならないと異常警報を出力し前記電動機を停止させる請求項7記載の滑り軸受給油方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、滑り軸受給油装置および滑り軸受給油方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延プラントにおいては、数台から数十台の大型電動機が使用されることがある。圧延プラントの大型電動機は、例えばワークロールやバックアップロールなどに回転力を与える。圧延プラントでは、通常、24時間操業が実施されている。そのため、圧延プラントにおける年間の電気エネルギー消費は、多大である。そこで、圧延プラントの電気エネルギー消費を低減する省エネルギー制御が望まれている。
【0003】
圧延プラントの大型電動機においては、例えば圧延材から受ける衝撃トルクが大きく、電動機の軸径が大きいため、電動機の軸の潤滑システムとして滑り軸受給油装置が使用されている。
電動機の始動時には、電動機の軸と電動機の軸受とは互いに接触している。そのため、そのままの状態で電動機の軸を回転させると、軸および軸受の少なくともいずれかが摩擦により損傷するおそれがある。
また、電動機の運転中に、例えば給油配管の破裂やポンプの故障などにより必要な油量を確保できない場合には、軸受が焼損するおそれがある。
そこで、軸受の温度の異常を監視することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−205098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、圧延プラントの電気エネルギー消費を低減することができる、あるいは軸受の温度の異常を監視することができる滑り軸受給油装置および滑り軸受給油方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電動機の軸を支持する軸受に油を供給する滑り軸受給油装置であって、油タンクと、第1のポンプと、第2のポンプと、制御装置と、を備えた滑り軸受給油装置が提供される。前記油タンクは、前記油を貯留する。前記第1のポンプは、前記油タンクに貯留された前記油を汲み上げ前記軸受の内部に供給する。前記第2のポンプは、前記油タンクに貯留された前記油を汲み上げ前記第1のポンプが供給する油の圧力よりも低い圧力の油を前記軸受の内部に供給する。前記制御装置は、前記第1のポンプを起動させることで前記軸が前記軸受から浮上し、前記軸の回転数が所定の回転数に達すると、前記第1のポンプを停止させる制御を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、圧延プラントの電気エネルギー消費を低減することができる、あるいは軸受の温度の異常を監視することができる滑り軸受給油装置および滑り軸受給油方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態にかかる滑り軸受給油装置および滑り軸受を表すブロック図である。
【
図2】軸の回転数と摩擦力との関係を例示するグラフ図である。
【
図3】実施形態にかかる滑り軸受給油方法を説明するフローチャート図である。
【
図4】実施形態にかかる他の滑り軸受給油方法を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
図1は、実施形態にかかる滑り軸受給油装置および滑り軸受を表すブロック図である。
図2は、軸の回転数と摩擦力との関係を例示するグラフ図である。
図2に表したグラフ図の横軸は、軸の回転数を表す。
図2に表したグラフ図の縦軸は、軸と軸受との間の摩擦力を表す。
【0011】
圧延プラントにおいては、圧延機のワークロール(図示せず)などに回転力を与える大型電動機が使用される。圧延プラントの大型電動機においては、可変速制御が用いられている。また、圧延プラントの大型電動機においては、例えば圧延材がワークロールに噛み込むときの衝撃が大きく電動機の軸径が大きいため、電動機の軸の潤滑システムとして滑り軸受給油装置が使用されている。
【0012】
図1に表した滑り軸受給油装置100は、制御装置110と、油タンク120と、第1のポンプ131と、第2のポンプ132と、を備える。制御装置110は、第1のポンプ131の動作および第1のポンプ131の停止を制御する。また、制御装置110は、第2のポンプ132の動作および第2のポンプ132の停止を制御する。油タンク120は、潤滑油240を貯留する。第1のポンプ131および第2のポンプ132のそれぞれは、油タンク120に接続されている。
【0013】
図1に表した電動機200は、軸210と、軸受220と、速度センサ231と、軸浮上検出器233と、温度センサ235と、を備える。電動機200は、軸210を介して圧延機のワークロールなどに回転力を与える。電動機200の停止中においては、軸210と軸受220の間の隙間215には、潤滑油がほとんどない。そのため、電動機200の停止中においては、軸210は、軸受220の軸中心から下へ下がり、軸受220と接触している。一方で、電動機200の運転中においては、軸210と軸受220との間の隙間215は、潤滑油240で満たされている。電動機200の運転中において、軸210と軸受220との間の距離D1は、例えば約0.4ミリメートル(mm)以上、0.6mm以下程度である。軸210の直径は、例えば約20センチメートル(cm)以上、50cm以下程度である。
【0014】
速度センサ231は、軸210の回転速度を検知する。速度センサ231は、軸210の回転数を検知することができる。軸浮上検出器233は、軸210が軸受220から浮上しているか否かを検出する。言い換えれば、軸浮上検出器233は、軸210が軸受220と離隔しているか否かを検出する。温度センサ235は、軸受220の温度を検知する。温度センサ235は、軸受220の温度を検知することで、軸210と軸受220との間に存在する潤滑油240の温度を検知することができる。
【0015】
前述したように、電動機200の停止中においては、軸210は、軸受220と接触している。そのため、そのままの状態で軸210を回転させると、軸210および軸受220の少なくともいずれかが摩擦により損傷するおそれがある。電動機200を起動させる際には、軸210を軸受220から浮上させる必要がある。
【0016】
そこで、制御装置110は、第1のポンプ131を起動させる。第1のポンプ131は、高圧給油ポンプなどと呼ばれ、油タンク120と軸受220とを接続する第1の配管251に設けられている。
図1に表した矢印A1のように、第1のポンプ131は、起動すると油タンク120に貯留された潤滑油240を汲み上げ、第1の配管251を通して高圧の潤滑油240を軸受220の内部(隙間215)に供給する。第1のポンプ131の最大圧力は、例えば約21メガパスカル(MPa)程度である。第1のポンプ131の通常使用時の圧力は、例えば約5MPa以上、15MPa以下程度である。
【0017】
制御装置110は、軸210を軸受220から浮上させる際に、第1のポンプ131と第2のポンプ132とを同時に起動させてもよい。第2のポンプ132は、低圧給油ポンプなどと呼ばれ、油タンク120と軸受220とを接続する第2の配管252に設けられている。
図1に表した矢印A2のように、第2のポンプ132は、起動すると油タンク120に貯留された潤滑油240を汲み上げ、第2の配管252を通して低圧の潤滑油240を軸受220の内部に供給する。第2のポンプ132の最大圧力は、例えば約0.6MPa程度である。第2のポンプ132の通常使用時の圧力は、例えば約0.1MPa以上、0.25MPa以下程度である。
【0018】
軸受220の内部に供給された潤滑油240は、潤滑剤としての機能を有する。
図1に表した矢印A3のように、軸受220の内部に供給された潤滑油240は、潤滑剤としての役割を果たし、油タンク120と軸受220とを接続する第3の配管253を通して油タンク120に戻される。このように、潤滑油240は、第1のポンプ131および第2のポンプ132から力を受け、油タンク120と軸受220との間を循環する。
【0019】
軸210は、第1のポンプ131により供給された高圧の潤滑油240から力を受け、軸受220から浮上する。軸210が軸受220から浮上すると、制御装置110は、電動機200を起動させ軸210を回転させる。
【0020】
軸210が回転すると、軸受220の内部の潤滑油240は、軸210の回転につられて、軸210と軸受220との間の隙間215に引きずり込まれる。軸210の回転数が所定の回転数に達すると、軸210と軸受220との間の隙間215に油膜が形成される。また、軸210と軸受220との間の隙間215に圧力が発生する。油膜は摩擦抵抗を低減し、圧力は軸を浮上させる。この現象は、くさび効果などと呼ばれる。
【0021】
図2に表したグラフ図のように、軸210の回転数が上昇すると、軸210と軸受220との間の摩擦力は低減する。軸210の回転数が定格回転数に到達すると、油膜および圧力は、比較的良好な特性を有する。
【0022】
ここで、圧延プラントにおいては、数台から数十台の電動機200が使用されることがある。圧延プラントでは、通常、24時間操業が実施されている。そのため、圧延プラントにおける年間の電気エネルギー消費は、多大である。
【0023】
これに対して、実施形態の制御装置110は、潤滑油240のくさび効果を利用して、電動機200の始動後(起動後)に軸210の浮上が検出され、軸210の回転数が所定の閾値(例えば定格回転数)以上であることが検出されると、第1のポンプ131を停止させ第2のポンプ132のみを運転させる。言い換えれば、実施形態の制御装置110は、軸210の浮上が検出され、軸210の回転数が所定の閾値以上であることが検出されると、第1のポンプ131による高圧給油を止め、第2のポンプ132による低圧給油のみを実施し、電動機200の軸受220の潤滑を実現する。
【0024】
また、制御装置110は、第1のポンプ131を停止させた後に、軸受220の温度(潤滑油240の温度でもよい。以下同じ。)が正常ではない場合には、第1のポンプ131を再び起動させる。これにより、潤滑油240の循環を加速させて軸受220および潤滑油240の冷却を図ることができる。
なお、本願明細書において、軸受220の温度が正常ではない場合とは、軸受220の温度が例えば約80度以上である場合をいう。一方で、軸受220の温度が正常である場合とは、軸受220の温度が例えば約80度未満である場合をいう。
【0025】
さらに、制御装置110は、第1のポンプ131を再び起動させた後に軸受220の温度が正常に戻ると、第1のポンプ131を停止させる。一方で、制御装置110は、第1のポンプ131を再び起動させた後に軸受220の温度が正常に戻らないと、異常警報を出力し電動機200を停止させる。
【0026】
実施形態にかかる滑り軸受給油装置によれば、圧延プラントの電気エネルギー消費を低減することができる。これにより、年間を通して、プラント全体の省エネルギー効果を得ることができる。また、軸受220の温度あるいは潤滑油240の温度の異常を監視し、軸受220の温度あるいは潤滑油240の温度が異常である場合には、制御装置110は、異常警報を実行し、電動機200を停止させることができる。
【0027】
次に、実施形態にかかる滑り軸受給油方法について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、実施形態にかかる滑り軸受給油方法を説明するフローチャート図である。
【0028】
制御装置110は、運転指令を受けると(ステップS101)、第1のポンプ131および第2のポンプ132を起動させる(ステップS103)。続いて、制御装置110は、軸浮上検出器233から受信した検出結果に基づいて、軸210が軸受220から浮上しているか否かを判断する(ステップS105)。軸210が軸受220から浮上していない場合には(ステップS105:No)、制御装置110は、ステップS105の動作を再び実行する。一方で、軸210が軸受220から浮上している場合には(ステップS105:Yes)、制御装置110は、電動機200を起動させ軸210の回転を開始させる(ステップS107)。
【0029】
続いて、制御装置110は、速度センサ231の検知結果に基づいて、軸210の回転数が所定回転数N(例えば定格回転数)に達しているか否かを判断する(ステップS109)。軸210の回転数が所定回転数Nに達していない場合には(ステップS109:No)、制御装置110は、ステップS109の動作を再び実行する。一方で、軸210の回転数が所定回転数Nに達している場合には(ステップS109:Yes)、制御装置110は、第1のポンプ131を停止させ、第2のポンプ132のみを運転させる(ステップS111)。続いて、制御装置110は、停止指令を受けると、第2のポンプ132を停止させる(ステップS113)。
【0030】
実施形態にかかる滑り軸受給油方法によれば、電動機200の運転開始後に制御装置110が第1のポンプ131を停止させることで、圧延プラントの電気エネルギー消費を低減することができる。これにより、年間を通して、プラント全体の省エネルギー効果を得ることができる。
【0031】
図4は、実施形態にかかる他の滑り軸受給油方法を説明するフローチャート図である。
図4に表したステップS201〜ステップS209の動作は、
図3に関して前述したステップS101〜ステップS109の動作と同様である。
【0032】
続いて、軸210の回転数が所定回転数Nに達している場合には(ステップS209:Yes)、制御装置110は、第1のポンプ131を停止させる(ステップS211)。続いて、制御装置110は、温度センサ235の検知結果に基づいて、軸受220の温度が正常であるか否かを判断する(ステップS213)。軸受220の温度が正常である場合には(ステップS213:Yes)、制御装置110は、第2のポンプ132の運転を継続させる(ステップS215)。続いて、制御装置110は、停止指令を受けると(ステップS217:Yes)、第2のポンプ132を停止させる。一方で、停止指令を受けない場合には(ステップS217:No)制御装置110は、ステップS213の動作を再び実行する。
【0033】
軸受220の温度が正常ではない場合には(ステップS213:No)、制御装置110は、第1のポンプ131を再び起動させる(ステップS219)。これにより、潤滑油240の循環を加速させて軸受220および潤滑油240の冷却を図ることができる。
【0034】
続いて、制御装置110は、温度センサ235の検知結果に基づいて、軸受220の温度が正常であるか否かを判断する(ステップS221)。第1のポンプ131を再び起動させ潤滑油240の循環を加速させた後に軸受220の温度が正常に戻る場合には(ステップS221:Yes)、制御装置110は、第1のポンプ131を停止させる(ステップS211)。一方で、第1のポンプ131を再び起動させ潤滑油240の循環を加速させても軸受220の温度が正常に戻らない場合には(ステップS221:No)、制御装置110は、異常警報を出力し(ステップS223)、電動機200を停止させる(ステップS225)。
【0035】
実施形態にかかる滑り軸受給油方法によれば、軸受220の温度あるいは潤滑油240の温度の異常を監視し、軸受220の温度あるいは潤滑油240の温度が異常である場合には、制御装置110は、異常警報を実行し、電動機200を停止させることができる。また、
図3に関して前述した効果と同じ効果が得られる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
100 滑り軸受給油装置、 110 制御装置、 120 油タンク、 131 第1のポンプ、 132 第2のポンプ、 200 電動機、 210 軸、 215 隙間、 220 軸受、 231 速度センサ、 233 軸浮上検出器、 235 温度センサ、 240 潤滑油、 251 第1の配管、 252 第2の配管、 253 第3の配管