(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、耐久性および美観を向上させることができる
LED照明器具を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、光を発するLED光源と、LED光源を支持する支持部および同LED光源から発せられる光が通る開口部を有してLED光源を収容する収容ボディと、開口部の縁部を形成する側壁の端面である開口部端面に突合せられる突合せ端面を有して開口部を覆う透明体または半透明体からなるグローブとを備え、収容ボディにおける開口部端面とグローブにおける突合せ端面とを熱溶着することにより開口部
が密閉
されており、収容ボディは、LED光源に電力を供給する電源コードを挿通させるコード貫通孔と、電源コードが貫通するリング状に形成されるとともにコード貫通孔に対して収容ボディの外側に張り出した張出部を有して同コード貫通孔に嵌合する弾性部材からなるグロメットと、グロメットにおける張出部を押圧して押し潰した状態で収容ボディに取り付けられる押圧体とを備え、押圧体は、グロメットの中心軸線に向かって同中心軸線に対して斜め方向から押圧することにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、LED照明器具
は、収容ボディにおける開口部端面とグローブにおける突合せ端面とを熱溶着することによって収容ボディの開口部を密閉しているため、収容ボディとグローブとの間の隙間を介して雨滴、湿気または虫が照明器具内に侵入することを防止することができる。この結果、本発明に係るLED照明器具によれば、耐久性および美観を向上させることができる。
【0008】
また、
本発明の特徴によれば、LED照明器具は、LED光源に電力を供給する電源コードを通すために収容ボディに形成されたコード貫通孔に弾性体からなるグロメットが設けられるとともに、このグロメットを押圧して押し潰す押圧体が設けられているため、コード貫通孔および電源コードの周囲から照明器具内に雨滴、湿気または虫が侵入することが防止でき、LED照明器具の耐久性および美観を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の特徴によれば、LED照明器具は、押圧体がグロメットの中心軸線に向かって同中心軸線に対して斜め方向から押圧するため、グロメットにおける電源コードが貫通する内周部を電源コード側に押し付けることができ、グロメットと電源コードとの気密性および液密性をより向上させることができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記LED照明器具において、
収容ボディは、コード貫通孔に隣接して形成されて収容ボディおよびグローブの各内側空間内の空気を吸引するための吸引孔と、吸引孔に収容ボディの外側に張り出した状態で設けられて吸引孔を塞ぐ弾性部材からなるメクラ栓とを備え、押圧体は、グロメットとともにメクラ栓を押圧して押し潰した状態で収容ボディに取り付けられることにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、LED照明器具は、
収容ボディに照明器具内の空気を吸引するための吸引孔が形成されているとともに、この吸引孔には押圧体によって押し潰される弾性体からなるメクラ栓が設けられている。これにより、LED照明器具は、製造過程において、収容ボディおよびグローブの各内側空間からなる照明器具内から吸引孔を介して空気を吸引することによって気密性および液密性を確認することができるとともに、この吸引孔をメクラ栓および押圧体によって密閉することができる。この結果、気密性および液密性の良いLED照明器具を製造できるとともに、製造後における照明器具内への雨滴、湿気または虫が侵入することが防止できる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記LED照明器具において、
収容ボディ内に設けられて周囲の照度を検出する照度センサと、収容ボディ内に設けられて照度センサによる検出信号を用いてLED光源の作動を制御する制御部とを備え、照度センサは、収容ボディ内にてグローブに面しつつLED光源よりも収容ボディ内の内部側に配置されていることにある。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、LED照明器具は、
LED光源の作動を制御するための照度センサが収容ボディ内でLED光源によりも内部側(換言すれば、奥側)に設けられているため、LED光源が発する光に影響されることなく照度センサに照度検出を行なわせることができる。
【0014】
また、
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、光を発するLED光源と、LED光源を支持する支持部および同LED光源から発せられる光が通る開口部を有してLED光源を収容する収容ボディと、開口部の縁部を形成する側壁の端面である開口部端面に突合せられる突合せ端面を有して開口部を覆う透明体または半透明体からなるグローブとを備え、収容ボディにおける開口部端面とグローブにおける突合せ端面とを熱溶着することにより開口部が密閉されており、収容ボディ内に設けられて周囲の照度を検出する照度センサと、収容ボディ内に設けられて照度センサによる検出信号を用いてLED光源の作動を制御する制御部とを備え、照度センサは、収容ボディ内にてグローブに面しつつLED光源よりも収容ボディ内の内部側に配置されていることにある。
【0015】
このように構成した本発明の特徴によれば、LED照明器具は、収容ボディにおける開口部端面とグローブにおける突合せ端面とを熱溶着することによって収容ボディの開口部を密閉しているため、収容ボディとグローブとの間の隙間を介して雨滴、湿気または虫が照明器具内に侵入することを防止することができる。この結果、本発明に係るLED照明器具によれば、耐久性および美観を向上させることができる。また、LED照明器具は、LED光源の作動を制御するための照度センサが収容ボディ内でLED光源によりも内部側(換言すれば、奥側)に設けられているため、LED光源が発する光に影響されることなく照度センサに照度検出を行なわせることができる。
【0016】
また、本発明は、LED照明器具の発明として実施できるばかりでなく、LED照明器具の製造方法の発明としても実施できるものである。
【0017】
具体的には、LED照明器具の製造方法は、光を発するLED光源と、LED光源を支持する支持部および同LED光源から発せられる光が通る開口部を有してLED光源を収容する収容ボディと、開口部の縁部を形成する側壁の端面である開口部端面に突合せられる突合せ端面を有して開口部を覆う透明体または半透明体からなるグローブとを備えたLED照明器具の製造方法であって、互いに異なる融点の材料で収容ボディおよびグローブを構成するとともに、融点が低い側の収容ボディまたはグローブにおける開口部端面または突合せ端面にこれらの端面の幅よりも短い厚さで突出する凸状突起を形成しておき、収容ボディにおける開口部端面とグローブにおける突合せ端面とを熱溶着して開口部を密閉するようにすればよい。
【0018】
これによれば、LED照明器具の製造方法は、相対的に融点が低い材料で構成された収容ボディまたはグローブにおける開口部端面または突合せ端面にこれらの端面の幅よりも短い厚さで突出する凸状突起を形成して開口部端面と突合せ端面とを熱溶着しているため、凸状突起を低融点側の加熱温度で迅速に溶融させて開口部端面と突合せ端面とを溶着することができる。これにより、本発明に係るLED照明器具の製造方法は、LED照明器具を経済的かつ短時間に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るLED照明器具およびLED照明器具の製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るLED照明器具100の外観構成の概略を示す使用状態図である。
図2は、
図1に示すLED照明器具100の内部構成の概略を示す断面図である。このLED照明器具100は、道路、駐車場または公園などの市街地には街路灯や防犯灯として用いられる屋外用照明器具である。
【0021】
(LED照明器具100の構成)
LED照明器具100は、主として、収容ボディ101、グローブ
140およびアーム
150をそれぞれ備えて構成されている。収容ボディ101は、LED光源
120および制御基板
121をそれぞれ収容してLED照明器具100における筐体の一部を構成する部品であり、底部102の周囲に側壁105が起立して形成されることにより開口部107を有した箱状に形成されている。この収容ボディ101は、本実施形態においては、ポリカーボネート樹脂によって構成されている。
【0022】
底部102は、収容ボディ101のおける底面を構成する部分であり、平面視で長尺に延びる方形状に形成されている。この底部102は、光源支持部103および2つの低部104a,104bをそれぞれ備えて構成されている。これらのうち、光源支持部103は、LED光源120を支持する長尺に延びた板状の部分であり、低部104a,104bの間の領域にこれらから開口部側に張り出して形成されている。低部104a,104bは、光源支持部103の長手方向の両側に光源支持部103よりも引っ込んで形成された板状の部分である。これらのうち、低部104aは、制御基板121を支持している。
【0023】
側壁105は、底部102の四方の周囲に起立した状態で設けられた壁状の部分であり、光源支持部103よりも高い高さで形成されている。これにより、4つの側壁105は、底部102に対向した状態で同底部102に対応する長方形状の開口部107を形成している。これら4つの側壁105の端面である開口部端面106には、同端面上における最も内側に突出した状態で位置決め突起106aが形成されるとともにこの位置決め突起106aの外側に粗面部106bが形成されている。粗面部106bは、溶融したグローブ
140の一部との接着性を向上させるための部分であり、梨地状の凹凸で構成されている。
【0024】
また、4つの側壁105のうち低部104bの幅方向に延びて起立する側壁105aには、
図3に示すように、コード貫通孔108および吸引孔111がそれぞれ形成されている。コード貫通孔108は、LED光源
120に電力を供給する電源コード
123を収容ボディ101内に引き入れるための貫通孔である。このコード貫通孔108には、グロメット110が嵌め込まれている。
【0025】
グロメット110は、コード貫通孔108と電源コード
123との間の隙間を埋めて収容ボディ101内への雨滴、湿気または虫などの侵入するための弾性部材からなるリング状のシール部材である。本実施形態においては、グロメット110は、人手で容易弾性変形するゴム材で構成されている。このグロメット110は、外周部にコード貫通孔108を形成する側壁105aを挟む溝部110aが形成されるとともに、この溝部110aの両側に側壁105aに対して外側および内側にそれぞれ張り出す張出部110bが形成されている。
【0026】
吸引孔111は、収容ボディ101にグローブ
140が取り付けられた状態でLED照明器具100の内部から空気を吸引して気密性および液密性を確認するための貫通孔である。この吸引孔111は、コード貫通孔108に対して幅方向に隣接した位置にコード貫通孔108よりも小径に形成されている。この吸引孔111には、メクラ栓112が嵌め込まれている。
【0027】
メクラ栓112は、吸引孔111を塞いで収容ボディ101内への雨滴、湿気または虫などの侵入するための弾性部材からなるリング状のシール部材である。本実施形態においては、メクラ栓112は、人手で容易弾性変形するゴム材で構成されている。このメクラ栓112は、先端部が吸引孔111を貫通して矢じり状の返しが形成されるとともに、後端部に吸引孔111から外側に向かって張り出す張出部112aが形成されている。
【0028】
収容ボディ101における光源支持部103上には、LED光源120が設けられている。LED光源120は、LED照明器具
100における光を発する部品であり、基板上に複数のLED発光素子(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が配置されて構成されている。本実施形態においては、LED光源120は、白色光を発光するLED発光素子で構成されている。このLED光源120は、制御基板121によって作動が制御される。なお、LED光源120は、白色以外の光(例えば、赤色や青色)を照射するものであってもよいことは当然である。
【0029】
制御基板121は、マイクロコンピュータによって構成された制御部122および照度センサ124を備えて構成されており、LED光源120の作動の作動を制御する。より具体的には、制御基板121における制御部122は、マイクロコンピュータにおける記憶装置(例えば、ROM)内に予め記憶された図示しない制御プログラムに従って照度センサ124からの検出信号を用いてLED光源120を点灯または消灯させる。
【0030】
本実施形態においては、制御部122は、LED照明器具100の周囲の明るさ(照度)が所定の明るさ以下になった場合にLED光源120を点灯させるとともに、LED照明器具100の周囲の明るさが所定の明るさ以上になった場合にLED光源120を消灯させる。この制御部122には、図示しない電源部を介して電源コード123が接続されている。電源コード123は、図示しない外部電源からの電力を制御部122、照度センサ124およびLED光源120にそれぞれ供給するための電線である。
【0031】
照度センサ124は、LED照明器具100の周囲の照度を検出して同照度に対応する電気信号を照度検出信号として制御部122に出力する検出器であり、例えば、光を感知するフォトダイオードと電気信号を増幅する電流増幅回路とを備えて構成されている。これらの制御部122および照度センサ124をそれぞれ備えた制御基板121は、収容ボディ101における低部104a上に支持されている。すなわち、制御基板121は、
LED光源120
よりも内部側(換言すれば、
奥側)に設けられている。
【0032】
収容ボディ101における側壁105aの外側には、押圧体130が取り付けられている。押圧体130は、
図4(a)〜(e)、
図5および
図6にそれぞれ示すように、グロメット110およびメクラ栓112を押圧して押し潰すことによってコード貫通孔108および吸引孔111を気密的および液密的に塞ぐための部品であり、樹脂材をブロック状に形成して構成されている。この押圧体130は、グロメット110およびメクラ栓112を押圧して押し潰すためのグロメット凹部131およびメクラ栓凹部132がそれぞれ形成されている。
【0033】
グロメット凹部131は、コード貫通孔108に取り付けられたグロメット110における側壁105aの外側に張り出した張出部110bを押圧する部分であり、張出部110bの形状より若干小さい相似形に形成されている。この場合、グロメット凹部131は、グロメット110の図示しない中心軸線に向かって同中心軸線に対して斜め方向から押圧するために、張出部110bの出隅部(
図5における破線円内)に対応する入隅部(
図5における破線円内)がグロメット凹部131における他の部分よりもより張り出して形成されている。本実施形態においては、グロメット凹部131における2つの入隅部が0.2mmだけ直線状に張り出して形成されている。そして、このグロメット凹部131の底部には、電源コード123が貫通するコード用貫通孔131aが形成されている。
【0034】
メクラ栓凹部132は、吸引孔111に取り付けられたメクラ栓112における側壁105aの外側に張り出した張出部112aを押圧する部分であり、張出部112aの形状より若干小さい相似形に形成されている。この場合、メクラ栓凹部132は、メクラ栓112の図示しない中心軸線に向かって同中心軸線に対して斜め方向から押圧するために、張出部112aの出隅部(
図5における破線円内)に対応する入隅部(
図5における破線円内)がメクラ栓凹部132における他の部分よりもより張り出して形成されている。本実施形態においては、メクラ栓凹部132における2つの入隅部が0.2mmだけ直線状に張り出して形成されている。このメクラ栓凹部132は、止り穴で形成されている。
【0035】
収容ボディ101における開口部端面106上には、グローブ140が設けられている。グローブ140は、収容ボディ101における開口部107を塞ぎつつ収容ボディ101の内部に対して光を相互に透過させるとともにLED照明器具100における筐体の他の一部を構成する樹脂製の部品であり、開口部107を塞ぐドーム状に形成されている。
【0036】
より具体的には、グローブ140は、
図7に示すように、収容ボディ101の側壁105に対応する壁状の側部141の一方の端部に突合せ端面141aが形成されるとともに、他方の端部に天井部143形成されて構成されている。このグローブ140は、本実施形態においては、収容ボディ101を構成する材料(ポリカーボネート樹脂)よりも融点が低い材料、具体的には、透明または半透明なアクリル樹脂によって構成されている。突合せ端面141aは、収容ボディ101の開口部端面106上に突き合せられて接合される部分であり、開口部端面106に対応する枠状に形成されている。この突合せ端面141a上には、開口部端面106上に接合する前の状態において凸状突起142が形成されている。
【0037】
凸状突起142は、突合せ端面141aを開口部端面106上に溶着し易くするために突合せ端面141a上から凸状に突出させた部分である。本実施形態においては、凸状突起142は、突合せ端面141aより狭い厚さ突出するとともに先端部に向かって細くなる断面形状が三角形状(すなわち、山形)に形成されている。この凸状突起142は、本実施形態においては、突合せ端面141a上に連続的に形成されているが、突合せ端面141a上に断続的に形成されていてもよい。
【0038】
天井部143は、開口部107を覆いつつ収容ボディ101の内部に対して光を相互に透過させる部分である。この天井部143の表裏面には、収容ボディ101内に配置されたLED光源120に対向する部分に光拡散部143aが形成されるとともに、制御基板121に対向する部分に光散乱部143bが形成されている。
【0039】
これらのうち、光拡散部143aは、LED光源120から照射された光の収容ボディ101の長手方向側への拡散を阻止しながら同長手方向に直交する幅方向側に向かって拡散させるための部分であり、収容ボディ101の長手方向に沿って延びる山と谷とからなる凹凸形状で構成されている。一方、光散乱部143bは、グローブ140の外側からの光を拡散させながらグローブ140の内部、すなわち、制御基板121側に導くための部分であり、収容ボディ101の長手方向および幅方向にそれぞれ沿って延びる山と谷とからなる格子状の凹凸形状で構成されている。
【0040】
収容ボディ101の底部102の外側面には、アーム150が設けられている。アーム150は、LED照明器具100を電柱などの支柱Sに所定の角度で取り付けるための部品であり、収容ボディ101における光源支持部103の外側面から長尺に延びて形成されている。このアーム150は、収容ボディ101に対する取り付け部分の反対側にバンド孔151が形成されている。バンド孔151は、アーム150を支柱Sに縛るためのバンド152が挿通される長孔である。
【0041】
(LED照明器具100の製造方法および設置方法)
次に、上記のように構成したLED照明器具100の製造方法について説明する。まず、作業者は、収容ボディ101、グロメット110、メクラ栓112、LED光源120、制御基板121、押圧体130およびグローブ140をそれぞれ用意する。この場合、収容ボディ101、押圧体130およびグローブ140は樹脂材の射出成形によってそれぞれ一体成形されている。この場合、グローブ140における突合せ端面141a上には、凸状突起142が形成されている。また、制御基板121には、制御部122、電源コード123および
照度センサ124などの各種電子素子が互いに電気的に接続された状態で基板上に取り付けられている。
【0042】
次に、作業者は、LED光源120および制御基板121を収容ボディ101内にそれぞれ取り付ける。より具体的には、作業者は、LED光源120を収容ボディ101内における光源支持部103上に取り付けるとともに制御基板121を低部104a上に取り付ける、また、作業者は、電源コード123をグロメット110およびコード貫通孔108にそれぞれ通して電源コード123の先端部を収容ボディ101の外に引き出すとともに、グロメット110の溝部110aをコード貫通孔108の内周面に嵌め込む。
【0043】
次に、作業者は、収容ボディ101にグローブ140を取り付ける。具体的には、作業者は、図示しない超音波溶着機の支持治具上に収容ボディ101をセットした後、収容ボディ101の開口部端面106上にグローブ140の突合せ端面141aを合わせて載置する。これにより、グローブ140の突合せ端面141a上に形成された凸状突起142が収容ボディ101の開口部端面106上に載置された状態となる。
【0044】
次いで、作業者は、超音波溶着機におけるホーン(被加工物に対して超音波を伝達しながら押圧する部品)をグローブ140上に載置してこのグローブ140を押圧した状態でグローブ140に対して超音波振動を付与する。この場合、作業者は、グローブ140における先鋭部である凸状突起142が溶融するために必要な時間だけ超音波振動を付与する。これにより、グローブ140は、溶融した凸状突起142が開口部端面106上の粗面部106bの凹部内に浸み込んだ後固化することによって収容ボディ101に固着する。この場合、グローブ140は、長尺に延びる突合せ端面141aのすべてが開口部端面106に溶着されて開口部107を密閉する。
【0045】
次に、作業者は、グローブ140が溶着された収容ボディ101を超音波溶着機から取り外した後、図示しない気密検査機にセットする。ここで、気密検査機は、グローブ140が溶着された収容ボディ101の内部の空気を吸引した後の空気圧の変化を測定することによって突合せ端面141aと開口部端面106との密着性を検査するための機器である。この気密性検査において、作業者は、グローブ140が溶着された収容ボディ101における吸引孔111に気密検査機における吸引管を接続した後、気密検査機を操作することによって収容ボディ101内の空気を吸引して負圧状態とする。
【0046】
そして、作業者は、収容ボディ101内における空気圧変動を測定することによって収容ボディ101内の気密性を検査する。すなわち、作業者は、空気圧の変動を測定することによって所定時間内(数秒〜数十秒)に収容ボディ101内の空気圧に変動が生じなければ突合せ端面141aと開口部端面106とが精度良く溶着されたものと判定する一方で、所定時間内(数秒〜数十秒)に収容ボディ101内に空気圧が上昇した場合には突合せ端面141aと開口部端面106とが溶着不良である判定する。
【0047】
次に、作業者は、グローブ140が完全に溶着された収容ボディ101の側壁105aに押圧体130を取り付ける。具体的には、作業者は、
図5および
図6にそれぞれ示すように、押圧体130におけるグロメット凹部131をグロメット110の張出部110bに対向させるとともに押圧体130におけるメクラ栓凹部132をメクラ栓112の張出部
112aに対向させた状態で押圧体130を側壁105aの外側面に宛がう。そして、作業者は、側壁105aの外側面に宛がった押圧体130を図示しないビスで固定する。
【0048】
これにより、グロメット110およびメクラ栓112は、押圧体130によって側壁105aとの間で押し潰されることによってコード貫通孔108、電源コード123および吸引孔111との間の隙間を塞ぐ。この場合、押圧体130におけるグロメット凹部131およびメクラ栓凹部132は、張出部110bおよび張出部
112aの各出隅部に対応する入隅部がグロメット凹部131およびメクラ栓凹部132における他の部分よりもより張り出して形成されているため、グロメット110およびメクラ栓112の各中心軸線に向かって同各中心軸線に対して斜め方向から押圧する。これにより、押圧体130におけるグロメット凹部131およびメクラ栓凹部132は、グロメット110およびメクラ栓112をそれぞれ各中心軸側および側壁105a側に効果的に押圧して密着性を高めることができる。
【0049】
次に、作業者は、アーム150を用意して収容ボディ101の底部102の外側面にビス(図示しないビスを含む)を用いて取り付ける。これにより、作業者は、LED照明器具100を完成させることができる。そして、LED照明器具100の設置作業を行う作業者は、完成したLED照明器具100を電柱などの支柱Sにバンド152を用いて取り付ける。この場合、作業者は、LED照明器具100内に設けられた照度センサ124を上側とするとともにグローブ140を地面G側に向けた姿勢で支柱Sに取り付ける(
図1参照)。また、作業者は、LED照明器具100の電源コード123を支柱Sに配線された図示しない電線に繋ぐ。これにより、LED照明器具100の設置作業が完了する。
【0050】
(LED照明器具100の作動)
次に、上記のように構成したLED照明器具100の作動について説明する。LED照明器具100は、支柱Sに設けられた電源供給用の電線から電力の供給を受けて作動する。具体的には、LED照明器具100は、照度センサ124から出力される照度に関する検出信号に基づいて制御部122がLED光源120を点灯または消灯させる。すなわち、制御部122は、照度センサ124から出力される検出信号をもちいてLED照明器具100の周囲の照度が所定値未満の場合にLED光源120を点灯させるとともに、LED照明器具100の周囲の照度が所定値以上の場合にLED光源120を消灯させる。なお、
図1においては、LED照明器具100におけるグローブ140から照射される光を破線矢印で示している。
【0051】
このような支柱S上のLED照明器具100においては、グローブ140と収容ボディ101とが隙間なく溶着されて収容ボディ101における開口部107が密閉されているため、収容ボディ101とグローブ140との間の隙間を介して雨滴、湿気または虫がLED照明器具100内に侵入することが防止される。この結果、本発明に係るLED照明器具100によれば、耐久性および美観を向上させることができる。
【0052】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0053】
例えば、上記実施形態においては、グローブ140における突合せ端面141aに断面形状体が三角形状の凸状突起142を形成した。しかし、凸状突起
142は、
突合せ端面141aの幅(換言すれば、厚さ)よりも薄い厚さで凸状に突出して形成されていればよい。したがって、凸状突起142は、断面形状が方形に形成することもできる。また、凸状突起142は、収容ボディ101およびグローブ140のうちの融点が低い材料で構成されたグローブ140に形成したが、融点が高い側の材料で構成した収容ボディ101に形成することも可能である。また、凸状突起142は、突合せ端面141aおよび開口部端面106の厚さが薄いため、省略することも可能である。
【0054】
また、上記実施形態においては、LED照明器具100は、収容ボディ101をポリカーボネート樹脂で構成するとともにグローブ140をアクリル樹脂で構成した。しかし、LED照明器具100は、収容ボディ101とグローブ140とを熱溶着によって接合して開口部107を塞ぐように構成すればよい。したがって、収容ボディ101およびグローブ140のうちの一方を樹脂以外の材料で構成できるとともに、開口部端面106および突合せ端面141aのうちのいずれか一方を樹脂材で構成することもできる。例えば、LED照明器具100は、収容ボディ101をステンレス材やアルミニウム材などの金属材料で構成することができるとともに、グローブ140における側部141および天井部143をガラス材で構成して突合せ端面141aをアクリル樹脂で構成することもできる。
【0055】
また、上記実施形態においては、押圧体130は、メクラ栓凹部132を備えて構成されている。しかし、押圧体130は、収容ボディ101に吸引孔111が形成されていない場合には不要である。すなわち、LED照明器具100は、収容ボディ101に必ずしも吸引孔111を形成する必要はなく、吸引孔111を省略して構成することもできる。
【0056】
また、上記実施形態においては、LED照明器具100は、収容ボディ101におけるコード貫通孔108をグロメット110で閉塞するように構成した。しかし、コード貫通孔108は、グロメット110以外の手法(例えば、パテで埋める)で閉塞することができる。
【0057】
また、上記実施形態においては、LED照明器具100は、LED照明器具100の外部から電力の供給を受けるように構成した。しかし、LED照明器具100は、収容ボディ101内に光エネルギを電気エネルギに変換する所謂太陽光パネルおよびバッテリを備えることにより電力を自己調達するように構成することもできる。この場合、LED照明器具100は、コード貫通孔108、グロメット110、吸引孔111、メクラ栓112および押圧体130を省略して構成することができる。この場合、収容ボディ101の一部に太陽光パネルに光を導くための透光部を設けるとよい。
【0058】
また、上記実施形態においては、LED照明器具100は、外灯として用いた。しかし、LED照明器具100は、外灯以外の場所で用いることができる。例えば、LED照明器具100は、湿気の多い場所(例えば、屋内または屋外プール)の照明として用いることができるとともに、虫が多い場所(例えば、植物を栽培するビニールハウス内)の照明として用いることができる。