特許第6388352号(P6388352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6388352
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】配車システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20180903BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20180903BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20180903BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20180903BHJP
【FI】
   G08G1/00 X
   G08G1/00 D
   G08G1/123 A
   B66F9/24 A
   G06Q10/08 300
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-152273(P2017-152273)
(22)【出願日】2017年8月7日
【審査請求日】2017年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 絢介
【審査官】 上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−149554(JP,A)
【文献】 特開2011−225337(JP,A)
【文献】 特開2012−153466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
G06Q 10/00−10/10
B66F 9/00−11/04
B65G 63/00−63/06
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有人運転モードおよび無人運転モードで動作する複数の有人無人兼用の荷役車と、
前記荷役車が利用者の搭乗を待つための待機場所と、
前記荷役車のそれぞれと相互に通信可能な管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
荷役されるべき荷物の最新の状況を格納した最新荷物状況格納部と、
複数の過去の日時において荷役されるべきであった荷物の状況を予め定められた期間にわたって蓄積した荷物状況履歴蓄積部と、
前記複数の過去の日時における、前記利用者による前記荷役車の利用実績を前記予め定められた期間にわたって蓄積した荷役車利用実績蓄積部と、
前記最新荷物状況格納部に格納された状況に荷物の状況が近似した前記過去の日時における前記荷役車の前記利用実績に基づいて、複数の前記荷役車の中から少なくとも1台の荷役車を選択するとともに、当該荷役車を前記待機場所に配車すべき時刻を決定する配車計画部と、
を有する
ことを特徴とする配車システム。
【請求項2】
前記待機場所を複数備え、
前記利用実績には、前記利用者が前記荷役車に搭乗したときの当該荷役車の位置に関する搭乗位置情報が含まれ、
前記配車計画部は、さらに、前記搭乗位置情報に基づいて、複数の前記待機場所から配車先を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の配車システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記利用者の出勤の状況を格納した出勤状況格納部をさらに有し、
前記利用実績には、前記荷役車に搭乗した前記利用者を特定するための利用者情報が含まれ、
前記配車計画部は、前記出勤状況格納部に格納された状況を参照するとともに、前記利用実績の前記荷役車を利用する可能性がある前記利用者に関係する部分に基づいて、前記荷役車の選択および前記配車すべき時刻の決定を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の元へ有人無人兼用の荷役車を配車する配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の手動操作により動作する有人運転モードと、利用者の手動操作によらず自律して動作する無人運転モードとを切り替え可能な有人無人兼用車が知られている(例えば、特許文献1参照)。利用者は、必要なときに有人無人兼用車を呼び出し、無人運転モードで移動してきた有人無人兼用車を有人運転モードに切り替えて利用することができる。
【0003】
この種の有人無人兼用車の呼び出し方法として、携帯端末を利用した呼び出し方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、利用者が携帯端末を操作することにより配車管理サーバに配車が要求されると、当該要求を受け付けた配車管理サーバによって有人無人兼用車の配車がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−222108号公報
【特許文献2】特開2016−210417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、利用者が携帯端末等を操作しなければならないため、配車を要求するのに非常に手間がかかる。また、上記従来の方法では、利用者が有人無人兼用車を必要とするたびに、当該配車の要求を行う必要があり、配車の要求自体が面倒である。
【0006】
したがって、本発明の課題は、利用者が配車の要求を行う必要がない配車システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る配車システムは、有人運転モードおよび無人運転モードで動作する複数の有人無人兼用の荷役車と、前記荷役車が利用者の搭乗を待つための待機場所と、前記荷役車のそれぞれと相互に通信可能な管理装置と、を備え、前記管理装置は、荷役されるべき荷物の最新の状況を格納した最新荷物状況格納部と、複数の過去の日時において荷役されるべきであった荷物の状況を予め定められた期間にわたって蓄積した荷物状況履歴蓄積部と、前記複数の過去の日時における、前記利用者による前記荷役車の利用実績を前記予め定められた期間にわたって蓄積した荷役車利用実績蓄積部と、前記最新荷物状況格納部に格納された状況に荷物の状況が近似した前記過去の日時における前記荷役車の前記利用実績に基づいて、複数の前記荷役車の中から少なくとも1台の荷役車を選択するとともに、当該荷役車を前記待機場所に配車すべき時刻を決定する配車計画部と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記配車システムの具体的な構成としては、例えば、前記待機場所を複数備え、前記利用実績には、前記利用者が前記荷役車に搭乗したときの当該荷役車の位置に関する搭乗位置情報が含まれ、前記配車計画部が、さらに、前記搭乗位置情報に基づいて、複数の前記待機場所の中から配車先を選択する、との構成が考えられる。
【0009】
上記配車システムの好ましい構成としては、例えば、前記利用者の出勤の状況を格納した出勤状況格納部をさらに有し、前記利用実績には、前記荷役車に搭乗した前記利用者を特定するための利用者情報が含まれ、前記配車計画部が、前記出勤状況格納部に格納された状況を参照するとともに、前記利用実績の前記荷役車を利用する可能性がある前記利用者に関係する部分に基づいて、前記荷役車の選択および前記配車すべき時刻の決定を行う、との構成が考えられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者が配車の要求を行う必要がない配車システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る配車システムの概要図である。
図2図1に示した配車システムに備えられた管理装置の機能ブロック図である。
図3図2に示した最新荷物状況格納部に格納された最新の荷物の状況の一例である。
図4図2に示した荷物状況履歴蓄積部に蓄積された過去の日時における荷物の状況の一例である。
図5図2に示した荷役車利用実績蓄積部に蓄積された過去の日時における利用実績の一例である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る配車システムの概要図である。
図7図6に示した配車システムに備えられた管理装置の機能ブロック図である。
図8図7に示した荷役車利用実績蓄積部に蓄積された利用実績の一例である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る配車システムの概要図である。
図10図9に示した配車システムに備えられた管理装置の機能ブロック図である。
図11図10に示した荷役車利用実績蓄積部に蓄積された利用実績の一例である。
図12図10に示した出勤状況格納部に格納された利用者の出勤状況の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る配車システムSaの概要図である。配車システムSaは、複数の有人無人兼用のフォークリフト1と、管理装置2aと、待機場所Pとを備えている。配車システムSaは、利用者によって荷役されるべきであった荷物の状況、および利用者によるフォークリフト1の利用実績を少なくとも所定期間にわたって蓄積するとともに、最新の荷物の状況と複数の過去の荷物の状況とを比較して最新の荷物の状況と近似する過去の荷物の状況を特定し、当該過去の荷物の状況の日時における利用実績に基づいて、待機場所Pにフォークリフト1を適時配車するように構成されている。
【0014】
フォークリフト1は、搭乗者(フォークリフト1に搭乗している利用者)の手動操作により動作する有人運転モードと、手動操作によらずに自律して動作する無人運転モードとを切り替え可能な有人無人兼用車である。
【0015】
待機場所Pは、本実施形態では、建屋の内外の予め定められた位置に設けられた、フォークリフト1が利用者の搭乗を待つための場所である。
【0016】
図2に示すように、管理装置2aは、最新荷物状況格納部21、荷物状況履歴蓄積部22、荷役車利用実績蓄積部23a、配車計画部24aおよび指令部25を有している。管理装置2aは、フォークリフト1のそれぞれと相互に通信可能である。
【0017】
最新荷物状況格納部21は、図3に示すように、フォークリフト1を利用する利用者によって荷役されるべき荷物の最新の状況(以下、「最新荷物状況」という)を格納する。最新荷物状況には、「荷物No.」および「種類」が含まれる。
【0018】
最新荷物状況に含まれる「荷物No.」は、荷役されるべき複数の荷物のうちのいずれの荷物であるのかを特定するための荷物固有の番号を示している。
【0019】
最新荷物状況に含まれる「種類」は、荷役されるべき荷物の種類を示している。荷物は、例えば、形状、重さおよび大きさに基づいて、いずれかの「種類」に予め分類されている。
【0020】
荷物状況履歴蓄積部22は、図4に示すように、フォークリフト1を利用する利用者によって荷役されるべきであった荷物の状況(以下、「過去荷物状況」という)が予め定められた周期で、かつ、予め定められた期間にわたって蓄積されている。同図に示すように、過去荷物状況は、過去の「日時」に関連付けられている。過去荷物状況には、最新荷物状況と同様の「荷物No.」および「種類」が含まれる。
【0021】
予め定められた周期は、後に説明する配車計画部24aによって配車の計画が立てられる時刻(例えば、毎朝7:00)を含むように設定されている。本実施形態では、毎朝7:00の過去荷物状況が荷物状況履歴蓄積部22に蓄積されているものとする。つまり、本実施形態では、周期が24時間に設定されている。上記毎朝7:00および24時間は、単なる一例である。
【0022】
予め定められた期間は、荷物状況履歴蓄積部22に蓄積された情報に基づいて配車計画部24aがフォークリフト1の配車の計画を立てることができるような期間に設定されている。本実施形態では、期間が1ヶ月に設定されているが、これも単なる一例である。
【0023】
荷役車利用実績蓄積部23aは、図5に示すように、利用者によるフォークリフト1の利用実績(以下、単に「利用実績」という)を上述の期間にわたって蓄積する。利用実績には、「日時」、「搭乗日時」および「車両No.」が含まれる。
【0024】
利用実績に含まれる「日時」は、当該利用実績の始期および終期を示している。始期および終期は、上述の周期に対応している。本実施形態では、荷物状況履歴蓄積部22が毎朝7:00の過去荷物状況を蓄積していることから、利用実績の「日時」も「7:00〜翌7:00」の24時間となっている。
【0025】
利用実績に含まれる「搭乗日時」は、利用者がフォークリフト1に搭乗した日時を示している。
【0026】
利用実績に含まれる「車両No.」は、利用者が搭乗したフォークリフト1を特定するための各フォークリフト1固有の番号を示している。
【0027】
本実施形態において、配車計画部24aは、毎朝7:00に、荷物状況履歴蓄積部22に蓄積された複数の過去荷物状況の中から、最新荷物状況格納部21に格納された最新荷物状況に最も近似する過去荷物状況を特定する。そして、配車計画部24aは、特定した過去荷物状況の日時における利用実績に基づいて、複数のフォークリフト1の中から待機場所Pに配車すべき少なくとも1台のフォークリフト1を選択するとともに、当該フォークリフト1を配車すべき時刻を決定する。
【0028】
本実施形態では、配車計画部24aは、最新荷物状況格納部21に格納された最新荷物状況を集計することにより、現在の時刻(6月1日7:00)における荷役されるべき荷物の「種類」(図3では、X、YおよびZ)ごとの数を求める。
【0029】
次に、配車計画部24aは、荷物状況履歴蓄積部22に蓄積された複数の過去の日時における複数の過去荷物状況を日時ごとに集計することにより、日時ごとに、荷役されるべきであった荷物の「種類」ごとの数を求める。
【0030】
次に、配車計画部24aは、荷物状況履歴蓄積部22に蓄積された複数の過去荷物状況における荷物の「種類」ごとの数と、最新荷物状況格納部21に格納された最新荷物状況における「種類」ごとの数とを比較することにより、最新荷物状況に最も近似した過去荷物状況を特定する。
【0031】
配車計画部24aは、例えば、5月8日7:00における過去荷物状況(図4参照)が6月1日7:00における最新荷物状況(図3参照)に最も近似していた場合、荷役車利用実績蓄積部23aに蓄積された利用実績のうちの5月8日7:00から翌5月9日7:00における利用実績(図5参照)に基づいて、6月1日7:00から翌6月2日7:00までの24時間の配車の計画を立てる。
【0032】
具体的には、配車計画部24aは、車両No.がB0010であるフォークリフト1またはこれと同型のフォークリフト1が9:25頃に待機場所Pに到着し、さらに、車両No.がB0011であるフォークリフト1またはこれと同型のフォークリフト1が9:30頃に待機場所Pに到着するような計画を立てる。
【0033】
指令部25は、配車計画部24aが選択したフォークリフト1に対して、配車計画部24aが決定した時刻に待機場所Pに到着するよう指令するための配車信号を送信する。
【0034】
指令部25からの配車信号を受信したフォークリフト1は、直ちに待機場所Pへの移動を開始する。
【0035】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0036】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る配車システムSbの概要図である。同図に示すように配車システムSbは、待機場所Pが複数ある点、管理装置2aの代わりに管理装置2bを備えている点において第1の実施形態に係る配車システムSaと異なるが他の構成は共通している。配車システムSbは、配車システムSaと同様に、過去荷物状況および利用実績を少なくとも所定期間にわたって蓄積するとともに、最新荷物状況と複数の過去荷物状況とを比較して最新荷物状況と近似する過去荷物状況を特定し、当該過去荷物状況の日時における利用実績に基づいて、待機場所P1、P2およびP3のいずれかにフォークリフト1を適時配車するように構成されている。
【0037】
図7に示すように、管理装置2bは、最新荷物状況格納部21、荷物状況履歴蓄積部22、荷役車利用実績蓄積部23b、配車計画部24bおよび指令部25を有している。管理装置2bは、フォークリフト1のそれぞれと相互に通信可能である。
【0038】
第1の実施形態と同様、最新荷物状況格納部21には最新荷物状況が格納され、荷物状況履歴蓄積部22には複数の過去荷物状況が格納されている(図3および図4参照)。
【0039】
荷役車利用実績蓄積部23bは、図8に示すように、荷役車利用実績蓄積部23aと同様に、利用実績を予め定められた期間にわたって蓄積する。ただし、本実施形態の利用実績には、「搭乗位置」がさらに含まれている。
【0040】
利用実績に含まれる「搭乗位置」は、利用者が待機場所P1、P2およびP3のうちのどの待機場所でフォークリフト1に搭乗したのかを示している。言い換えると、「搭乗位置」は、利用者が搭乗したときのフォークリフト1の位置を示している。
【0041】
配車計画部24bは、配車計画部24aと同様の手法で、複数のフォークリフト1の中から待機場所Pに配車すべき少なくとも1台のフォークリフト1を選択するとともに、当該フォークリフト1を配車すべき時刻を決定する。
【0042】
また、配車計画部24bは、利用実績に含まれる搭乗位置に基づいて、複数の待機場所P1、P2、P3の中からフォークリフト1の配車先を選択する。
【0043】
具体的には、配車計画部24bは、5月8日7:00における過去荷物状況(図4参照)が6月1日7:00における最新荷物状況(図3参照)に最も近似していた場合、荷役車利用実績蓄積部23aに蓄積された5月8日7:00から翌5月9日7:00における利用実績(図8参照)に基づいて、車両No.がB0010であるフォークリフト1またはこれと同型のフォークリフト1が9:25頃に待機場所P1に到着し、さらに、車両No.がB0011であるフォークリフト1またはこれと同型のフォークリフト1が9:30頃に待機場所P2に到着するような計画を立てる。
【0044】
指令部25は、フォークリフト1が向かうべき待機場所(例えば、待機場所P1)の位置情報を含む配車信号を送信する。
【0045】
指令部25から待機場所P1の位置情報を含む配車信号を受信したフォークリフト1は、直ちに待機場所P1への移動を開始する。
【0046】
<第3実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0047】
図9は、本発明の第3の実施形態に係る配車システムScの概要図である。同図に示すように配車システムScは、管理装置2aの代わりに管理装置2cを備えている点において第1の実施形態に係る配車システムSaと異なるが他の構成は共通している。配車システムScは、過去荷物状況および利用実績を少なくとも所定期間にわたって蓄積するとともに、最新荷物状況と複数の過去荷物状況とを比較して最新荷物状況と近似する過去荷物状況を特定し、当該過去荷物状況の日時における利用実績と後述する出勤状況とに基づいて、待機場所Pにフォークリフト1を適時配車するように構成されている。
【0048】
図10に示すように、管理装置2cは、最新荷物状況格納部21、荷物状況履歴蓄積部22、荷役車利用実績蓄積部23c、配車計画部24c、指令部25および出勤状況格納部26を有している。管理装置2cは、フォークリフト1のそれぞれと相互に通信可能である。
【0049】
第1の実施形態と同様、最新荷物状況格納部21には最新荷物状況が格納され、荷物状況履歴蓄積部22には複数の過去荷物状況が格納されている(図3および図4参照)。
【0050】
荷役車利用実績蓄積部23cは、図11に示すように、荷役車利用実績蓄積部23aと同様に、利用実績を予め定められた期間にわたって蓄積する。ただし、本実施形態の利用実績には、「利用者ID」がさらに含まれている。
【0051】
利用実績に含まれる「利用者ID」は、フォークリフト1に搭乗した利用者を特定するための利用者固有の番号を示している。
【0052】
出勤状況格納部26は、利用者の最新の出勤状況を格納する。出勤状況とは、配車計画部24cが配車の計画を立てる日に利用者が出勤しているか否か、または、利用者が出勤予定であるか否かを意味する。出勤状況には、図12に示すように、「利用者ID」、「出勤予定」および「業務予定時間」が含まれる。
【0053】
出勤状況に含まれる「出勤予定」は、利用者が出勤するか否かの予定を示している。「○」は利用者が出勤予定であることを示し、「X」は利用者が欠勤予定であることを示している。
【0054】
出勤状況に含まれる「業務予定時間」は、出勤する予定の利用者が荷役業務を行う可能性のある時間帯を示している。
【0055】
出勤状況に含まれる「利用者ID」は、利用実績に含まれるものと同様、利用者固有の番号を示している。
【0056】
本実施形態において、配車計画部24cは、毎朝7:00に、出勤状況格納部26に格納された当日の出勤状況を参照して、フォークリフト1を利用する可能性のある利用者を抽出する。次に、配車計画部24cは、配車計画部24aと同様の手法で、荷物状況履歴蓄積部22に蓄積された複数の過去荷物状況の中から、最新荷物状況格納部21に格納された最新荷物状況に最も近似する過去荷物状況を特定する。そして、配車計画部24cは、特定した過去荷物状況の日時における利用実績のうち抽出した利用者に関係する部分に基づいて、配車計画部24aと同様の手法で、複数のフォークリフト1の中から待機場所Pに配車すべき少なくとも1台のフォークリフト1を選択するとともに、当該フォークリフト1を配車すべき時刻を決定する。
【0057】
具体的には、配車計画部24cは、5月8日7:00における過去荷物状況(図4参照)が6月1日7:00における最新荷物状況(図3参照)に最も近似していた場合、荷役車利用実績蓄積部23aに蓄積された5月8日7:00から翌5月9日7:00における利用実績(図11参照)および出勤状況(図12参照)に基づいて、9:25、9:30、10:05、10:25・・・の配車を計画する。一方、配車計画部24cは、10:10については配車を計画しない。利用者IDがU0004である利用者が、欠勤する予定だからである。
【0058】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記構成を適宜変更することもできる。例えば、上記実施形態に、以下の変更を適用してもよいし、以下の変更を組み合わせて適用してもよい。
【0059】
管理装置2a(または、管理装置2b、2c)は、荷役されるべきであった荷物の位置、並びに天気、気温、および湿度などを過去荷物状況とともに記憶しておいてもよい。この場合、配車計画部24a(または、配車計画部24b、24c)は、記憶しておいたこれらの情報と現在の荷物の位置および天気等とを比較した結果を加味して、現在の状況に最も状況が近似していた日時を特定することができる。
【0060】
配車計画部24a(または、配車計画部24b、24c)は、配車すべきフォークリフト1を選択する際に、フォークリフト1との通信によりフォークリフト1の状況を認識するとともに、当該フォークリフト1の状況(例えば、フォークリフト1が荷役中であるか否か、およびフォークリフト1の位置等)を参照してフォークリフト1を選択してもよい。
【符号の説明】
【0061】
Sa、Sb、Sc 配車システム
P、P1、P2、P3 待機場所
1 フォークリフト
2a、2b、2c 管理装置
21 最新荷物状況格納部
22 荷物状況履歴蓄積部
23a、23b、23c 荷役車利用実績蓄積部
24a、24b、24c 配車計画部
25 指令部
26 出勤状況格納部
【要約】
【課題】利用者が配車の要求を行う必要がない配車システムを提供する。
【解決手段】配車システムSaは、有人運転モードおよび無人運転モードで動作する複数の有人無人兼用のフォークリフト1と、フォークリフト1が利用者の搭乗を待つための待機場所Pと、フォークリフト1のそれぞれと相互に通信可能な管理装置2aとを備えている。管理装置2aは、荷役されるべき荷物の最新の状況を格納し、複数の過去の日時において荷役されるべきであった荷物の状況を予め定められた期間にわたって蓄積し、複数の過去の日時における、利用者によるフォークリフト1の利用実績を予め定められた期間にわたって蓄積し、格納された最新の状況に荷物の状況が近似した過去の日時におけるフォークリフト1の利用実績に基づいて、複数のフォークリフト1の中から少なくとも1台のフォークリフト1を選択するとともに、フォークリフト1を待機場所Pに配車すべき時刻を決定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12