特許第6388380号(P6388380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388380
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20180903BHJP
   D06F 35/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   D06F39/08 301B
   D06F35/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-129097(P2014-129097)
(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公開番号】特開2016-7308(P2016-7308A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】畑山 勉
【審査官】 大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/055701(WO,A1)
【文献】 特開2011−240206(JP,A)
【文献】 特開2013−048783(JP,A)
【文献】 特開2008−043651(JP,A)
【文献】 特開平11−047485(JP,A)
【文献】 特開2013−141538(JP,A)
【文献】 特開2011−064463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0263410(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
D06F 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽と、水道の蛇口に接続される接続口と、
この接続口に接続されて前記水道の水を受けるとともに内部に洗剤が収容される洗剤収容部を有する洗剤ケースと、
この洗剤ケースに流入した水を前記槽内へ給水する第1の給水路と、
前記接続口から前記洗剤ケースを通さずに前記槽内へ給水する第2の給水路と、
この第2の給水路に設けられた微細気泡発生手段、を備え、
前記微細気泡発生手段は、流入口と流出口をつなぐ流路中に設けられ前記流入口より流路面積を小さくする絞り部と、この絞り部において前記流路を複数のセグメント領域に区画する形態で配置され前記絞り部の流路面積をさらに減少させる衝突部と、を有し、前記流入口から前記流路に供給された気体溶解液体を前記衝突部に衝突させた後、前記複数のセグメント領域に分配しつつ増速して通過させ、その減圧効果により、溶解した気体を析出させて微細な気泡を含有する微細気泡含有液体となし、この微細気泡含有液体を前記流出口から流出させる構成であり、
この微細気泡発生手段を通した水を前記第2の給水路を通して前記槽内へ供給する洗濯機。
【請求項2】
前記第1の給水路と前記第2の給水路とを夫々開閉するための給水弁を備え、前記微細気泡発生手段は、前記給水弁の下流側に存している請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
前記第2の給水路にあって前記微細気泡発生手段の上流側に位置させて、当該第2の給水路内を流れる水に気体を導入する気体導入手段を備えた請求項1または2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記槽は、水槽と、この水槽内に回転可能に設けられ洗濯物を収容する回転槽と、を備え、前記微細気泡発生手段を通した水を前記水槽と前記回転槽との間に供給する請求項1から3のいずれか一項記載の洗濯機。
【請求項5】
前記微細気泡発生手段を通した水が流れる前記第2の給水路の接続先を、前記水槽の上部とこれより下側とした請求項4記載の洗濯機。
【請求項6】
前記微細気泡発生手段を通した水が流れる前記第2の給水路と前記水槽の下側との接続位置は、前記水槽の溢水口より上側とする請求項5記載の洗濯機。
【請求項7】
前記回転槽内に収容した洗濯物をすすぐすすぎ行程における給水時に、前記微細気泡発生手段を通した水を前記槽内へ供給する請求項4から6のいずれか一項記載の洗濯機。
【請求項8】
前記回転槽内に収容した洗濯物を洗うコースのうち布傷みを抑制するコースを実行する場合、前記槽内へ洗剤を投入する際には前記微細気泡発生手段を通さずに前記洗剤ケースを通して前記槽内へ給水し、洗剤投入後は前記微細気泡発生手段を通した水を前記槽内へ供給する請求項1から7のいずれか一項記載の洗濯機。
【請求項9】
前記槽を洗浄するコースを実行する場合、主に前記微細気泡発生手段を通した水を前記槽内へ供給する請求項1から8のいずれか一項記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
水中に形成される気泡は、その気泡径のサイズによりミリバブルあるいはマイクロバブル、さらにはマイクロ・ナノバブル、ナノバブルなどに分類されている。ミリバブルはある程度の巨大な気泡であり、水中を急速に上昇して最終的には水面で破裂して消滅する。これに対して、直径が50μm以下の気泡は、微細であるが故に水中での滞在時間が長く、気体の溶解能力にも優れているため、水中においてさらに縮小してゆき、ついには水中で消滅(完全溶解)する特殊な性質を有し、これをマイクロバブルと称することが一般化しつつある。本明細書において「微細気泡」とは、上記マイクロバブルのほか、さらに径の小さいマイクロ・ナノバブル(直径10nm以上1μm未満)およびナノバブル(直径10nm未満)を総称する概念を指すものとする。気泡の直径が数十ナノメートルになると、光の波長よりも小さくなるため視認することができなくなり、液体は透明になる。この極めて微細な気泡をウルトラファインバブルと呼ぶこともある。
【0003】
このような微細気泡は、総界面面積が大きいこと、浮上速度が遅いこと、内部圧力が大きいことの3つの大きな特徴から、疎水性分子の吸着に優れ、ガスの可溶性を高める効果がある。例えば洗濯機において、ベンチュリー管の技術を用いた気泡発生器を搭載し、槽内に供給する水に微細気泡を含ませるようにしたものが提案されている。
【0004】
しかしながら、従来のものでは、気泡のサイズが大きく、微細気泡の量も少ないため、微細気泡による洗浄効果も限定的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−172060号公報
【特許文献2】国際公開第2013/012069号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、水に溶存している気体を減圧析出させることで微細な気泡を効果的に多く析出させることができ、微細気泡による効果を効果的に発揮させることが可能な洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の洗濯機は、槽と、水道の蛇口に接続される接続口と、この接続口に接続されて水道の水を受けるとともに内部に洗剤が収容される洗剤収容部を有する洗剤ケースと、この洗剤ケースに流入した水を前記槽内へ給水する第1の給水路と、前記接続口から前記洗剤ケースを通さずに前記槽内へ給水する第2の給水路と、この第2の給水路に設けられた微細気泡発生手段を備える。微細気泡発生手段は、流入口と流出口をつなぐ流路中に設けられ流入口より流路面積を小さくする絞り部と、この絞り部において流路を複数のセグメント領域に区画する形態で配置され絞り部の流路面積をさらに減少させる衝突部と、を有し、流入口から流路に供給された気体溶解液体を衝突部に衝突させた後、複数のセグメント領域に分配しつつ増速して通過させ、その減圧効果により、溶解した気体を析出させて微細な気泡を含有する微細気泡含有液体となし、この微細気泡含有液体を前記流出口から流出させる構成である。この微細気泡発生手段を通した水を第2の給水路を通して槽内へ供給する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態による洗濯機の概略的な縦断側面図
図2】UFBエンジン(微細気泡発生手段)の概略構成を示すもので、(a)は断面図、(b)は流入口側から見た正面図
図3】要部の拡大正面図
図4】ウルトラファインバブルによる水分子クラスターの分解メカニズムを説明する図
図5】本実施形態によるドライコース(布傷み抑性コース)の概要を示す図
図6】従来のドライコースの概要を示す図
図7】本実施形態による槽洗浄コースの流れを示す図
図8】第2実施形態を示すもので、給水弁およびUFBエンジン付近の接続構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態による洗濯機を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
ドラム式洗濯機に適用した第1実施形態について図1から図7を参照して説明する。
【0010】
まず、ドラム式洗濯機の概略構成が示された図1において、外箱1は、合成樹脂製の基台1aと、この基台1aに結合された箱本体1bとから構成されている。箱本体1bの前面部である図1中、左側は、前下がりの傾斜状に形成されていて、ここのほぼ中央部に、洗濯物出入口2が形成されているとともに、この洗濯物出入口2を開閉する扉3が設けられている。箱本体1bの前面部の上部には操作パネル4が設けられ、この操作パネル4の裏側に制御手段を構成する制御装置5が設けられている。操作パネル4には、図示はしないが操作部および表示部が設けられていて、使用者が操作部を操作することで、コースなどを設定するようになっている。制御装置5は、例えばマイクロコンピュータを主体に構成されていて、洗濯機の動作全般を制御する機能を備えている。
【0011】
外箱1内には、背面側が閉塞された有底円筒状の水槽6が配設されている。この水槽6は、当該水槽6の軸線がやや前上がりに傾斜した状態で、弾性支持装置7を介して基台1a上に弾性的に支持されている。水槽6の背面側の中央部には、モータ8が設けられている。このモータ8は、例えばDCブラシレスモータからなるもので、アウターロータ形であり、ステータ8aおよびロータ8bを備えている。ステータ8aは、水槽6の背面側に固定状態に取り付けられている。ロータ8bの中心部に設けられた回転軸8cは、軸受ブラケット9に軸受10を介して回転自在に支承された状態で水槽6の内部に挿通されている。
【0012】
水槽6内には、背面側が閉塞された有底円筒状をなすドラム11が収容されている。このドラム11は、背面側の中心部が前記回転軸8cの先端部に連結されていて、水槽6と同様に当該ドラム11の軸線がやや前上がりに傾斜した状態で、水槽6内に回転可能に設けられている。ドラム11は、前記モータ8により回転軸8cを介して回転駆動される。ドラム11の周壁である胴部には、ほぼ全域にわたって孔12が多数形成されている。また、ドラム11の内周部には、洗濯物掻き上げ用のバッフル13が複数、例えば3箇所に設けられている。
【0013】
水槽6およびドラム11は、ともに前面が開口している。このうち水槽6の前面側の開口部14は、環状の弾性材例えばゴム製のべローズ15を介して前記洗濯物出入口2に接続されている。また、ドラム11の前面の開口部16の周囲部には、例えば液体封入形の環状をなす回転バランサ11aが装着されている。この結果、洗濯物出入口2は、べローズ15、水槽6の開口部14、ドラム11の開口部16を介して、ドラム11の内部に連通している。したがって、洗濯物出入口2からドラム11の内部に対して洗濯物を出し入れできるようになっている。この場合、水槽6とドラム11で槽17を構成し、ドラム11は回転槽として機能する。
【0014】
水槽6の後部側の底部には、取水口を兼ねる排水口18が形成されている。この排水口18には、中間ホース19の一端部が接続されている。中間ホース19の他端部は、基台1aの前部に設けられたフィルタケース20の中間ホース接続部21に接続されている。フィルタケース20には、上部に前記中間ホース接続部21が設けられ、前端部にキャップ22が着脱可能に装着されている。キャップ22の後ろ側には、図示はしないがリントフィルタが設けられていて、このリントフィルタがフィルタケース20内に収容されている。外箱1の箱本体1bの下部には、キャップ22に対応する部位に位置させてカバー23が設けられている。使用者は、このカバー23を開放させた状態で、キャップ22をフィルタケース20から外すことで、リントフィルタを取り出して掃除をすることができる。
【0015】
フィルタケース20の下部には排水弁24が設けられており、この排水弁24の出口部に排水パイプ25の基端部が接続されている。排水パイプ25の先端部は、基台1aから機外に臨み、図示しない機外排水ホースに接続されるようになっている。フィルタケース20の後部には循環ポンプ26が設けられている。この循環ポンプ26は、槽17(水槽6、ドラム11)内の水を排水口18、中間ホース19、およびフィルタケース20を介して吸引する。
【0016】
循環ポンプ26の周側部の上部には吐出口27が設けられていて、この吐出口27に送水ホース28の一端部が接続されている。送水ホース28の他端部は、べローズ15の外側を通って上方へ延びており、先端部が、水槽6の開口部14の上部付近に設けられた噴水ノズル29に接続されている。この結果、排水口18と噴水ノズル29をつなぐようにして循環水路30が形成されている。この循環水路30は、排水口18、中間ホース19、フィルタケース20、送水ホース、および噴水ノズル29により形成されていて、循環ポンプ26が循環水路30中に位置するように設けられている。
【0017】
ここで、槽17内に水が貯留された状態で循環ポンプ26が駆動されると、槽17内の水が中間ホース19を介して循環ポンプ26側に吸引され、その水が吐出口27から送水ホース28側へ吐出される。吐出口27から吐出された水は、送水ホース28を通り、噴水ノズル29から、矢印で示すようにドラム11内に吐出される。
【0018】
フィルタケース20の前部の上部には、エアトラップ31が設けられている。このエアトラップ31と、外箱1の箱本体1bの上部に設けられた水位センサ32とは、エアチューブ33によって接続されている。水位センサ32は、槽17(水槽6)内の水位を、中間ホース19、フィルタケース20、エアトラップ31、およびエアチューブ33を介して検出するようになっていて、水位検出手段として機能する。
【0019】
外箱1の箱本体1bの上部には、給水弁35および洗剤ケース36が設けられている。給水弁35は上部にホース接続口37を有していて、このホース接続口37に、図示しない水道の蛇口に接続される機外給水ホースの先端部が接続される。洗剤ケース36は、図示はしないが、内部に洗剤収容部と仕上げ剤収容部を有している。この洗剤ケース36の下部には一つの出口部が設けられていて、この出口部に接続された機内給水ホース38の先端部が水槽6の上部に接続されている。
【0020】
給水弁35は、この場合、メイン出口39aと、仕上げ剤用出口39bと、UFB用出口39cの3つの出口を有している。このうちメイン出口39aは、接続管40aを介して洗剤ケース36の洗剤収容部に連通している。このメイン出口39aが開放されると、水道水が接続管40aから洗剤ケース36内の洗剤収容部、機内給水ホース38を通り、槽17(水槽6)内へ供給される。このとき、洗剤収容部に洗剤が収容されていれば、その洗剤も水道水とともに槽17内へ供給される。この場合、給水弁35と、メイン出口39aと、接続管40aと、洗剤ケース36の洗剤収容部と、機内給水ホース38は、メイン給水路A1を構成している。
【0021】
給水弁35の仕上げ剤用出口39bは、接続管40bを介して洗剤ケース36の仕上げ剤収容部に連通している。この仕上げ剤用出口39bが開放されると、水道水が接続管40bから洗剤ケース36内の仕上げ剤収容部、機内給水ホース38を通り、槽17(水槽6)内へ供給される。このとき、仕上げ剤収容部に仕上げ剤が収容されていれば、その仕上げ剤も水道水とともに槽17内へ供給される。この場合、給水弁35と、仕上げ剤用出口39bと、接続管40bと、洗剤ケース36の仕上げ剤収容部と、機内給水ホース38は、仕上げ剤用給水路A2を構成している。
【0022】
そして、給水弁35のUFB用出口39cは、微細気泡発生手段として機能するUFBエンジン42の流入口に接続されている。UFBエンジン42については後で説明する。UFBエンジン42の流出口には、第1の分岐路43と第2の分岐路44が接続されている。このうちの第1の分岐路43の先端部43aは、水槽6の前部の上部において、ドラム11における回転バランサ11aの上方付近に位置するように接続されている。第2の分岐路44の先端部44aは、水槽6の後部において、第1の分岐路43より下側で、かつ水槽6の溢水口45のやや上側に位置するように接続されている。溢水口45には、溢水ホース46の一端部が接続されている。溢水ホース46の他端部は、排水パイプ25に接続されている。この場合、給水弁35と、UFB用出口39cと、接続管40cと、UFBエンジン42と、第1の分岐路43および第2の分岐路44は、微細気泡含有水を槽17内へ供給するUFB用給水路A3を構成している。
【0023】
次に、前記UFBエンジン42について、図2および図3を参照して説明する。なお、このUFBエンジン42については、詳しくは特許文献2(国際公開第2013/012069号の明細書)を参照のこと。UFBエンジン42の本体部50には、流入口51aと流出口51bをつなぐ流路51が貫通状態に形成されている。この流路51の途中位置には、流入口51aおよび流出口51bよりも流路面積を小さくする絞り部51cが形成されている。流入口51aは、入口から絞り部51cに向けて次第に流路面積が小さくなるように先細り状のテーパ状に形成されている。流出口51bは、出口から絞り部51cに向けて次第に流路面積が小さくなるようなテーパ状に形成されている。絞り部51cは、流路面積をほぼ一定となるように形成している。
【0024】
絞り部51cには、流路51を複数、この場合4つのセグメント領域52(図2(b)、図3参照)に区画する形態で、当該絞り部51cの流路面積をさらに減少させる衝突部53が設けられている。各衝突部53は、この場合ねじ部材により構成されていて、本体部50の外周部側から半径方向に形成されたねじ孔55にねじ込まれる形態で、絞り部51cの中心部に向けて4本取り付けられている。4つの各セグメント領域52は、流路面積が互いに等しくなるように形成されている。セグメント領域52は、3つ以上の複数が好ましい。
【0025】
4本の各衝突部53は、図3に示すように、先端部に円錐状の錐状部53aを有し、軸部の外周部にねじ山からなる絞りリブ53bが螺旋状に形成されるとともに、隣り合った絞りリブ53bに挟まれて谷状部53cが螺旋状に形成されている。そして、セグメント領域52を挟んで互いに隣接する2つの衝突部53において、これらの錐状部53aの外周面間に、微小な隙間のスリット部54aが形成されている。スリット部54aは4箇所に形成されている。また、4箇所のスリット部54aの中心部には、中心ギャップ部54bが形成されている。これら4箇所のスリット部54aと中心ギャップ部54bは連通していて、全体として十字状に形成されている。
【0026】
ここで、UFBエンジン42の流入口51aを給水弁35のUFB用出口39cに接続した状態で、そのUFB用出口39cが開放されると、水道水がUFBエンジン42の流入口51aから流路51内へ流入する。流路51内へ流入する水道水は、気体として主に空気が溶け込んだ気体溶解液体である。流路51内へ流入した気体溶解液体は、衝突部53に衝突した後、各セグメント領域52に分配されつつ増速して流出口51b側へ流れる。
【0027】
このとき、流路51の絞り部51cにおいて、流路51の断面積が、高流速となる断面中心に向けて径方向に相似的に極端に縮小するのではなく、衝突部53を障害物として用いることにより、液体が流通可能な領域が断面中心に関する周方向にいわば間引く形で縮小されることになる。その結果、絞り部51cでの流体抵抗が過度に増加せず、流速の増加効果ひいては負圧発生効果を大幅に増すことができる。そして、セグメント領域52に分配される気体溶解液体へのキャビテーション(減圧)効果が大幅に高められ、溶存空気濃度が同じ水流であってもより多量の微細な気泡を析出させることができる。流入口51a側のテーパ部と流出口51b側のテーパ部との間には絞り部51cが断面一定部として形成され、衝突部53が、この断面一定の絞り部51cに配置されているので、流入口51aのテーパ部により増速された流れを絞り部51cの断面一定部にて安定化させつつ、衝突部53に導くことができ、気泡をより安定して発生させることが可能となっている。
【0028】
そして、絞り部51cにおいては、流速が最も大きくなる断面中心付近の流れが衝突部53の先端部を迂回して各セグメント領域52に分配される。図3に示すように、衝突部53の先端部間に隙間であるスリット部54aおよび中心ギャップ部54bが形成されているので、断面中心付近の高速流は当該スリット部54aおよび中心ギャップ部54bにて大きく減速することなく通過できる。その結果、これらスリット部54aおよび中心ギャップ部54bでは通過水流によるキャビテーション効果が著しく高められ、発生する気泡の微細化が極めて顕著となる。
【0029】
スリット部54aおよび中心ギャップ部54bのうち、セグメント領域52を挟んで隣接する衝突部53の先端部間に形成されるスリット部54aは、錐状部53aの外周面母線方向に形成される。したがって、当該スリット部54aに向かう流れは錐状部53aの当該母線に沿う膨らみをいわば乗り越える形で絞られ圧縮される。このとき、スリット部54aの長手方向には、圧縮された液体の流動代が与えられるので流速が低下し難く、キャビテーション効果がさらに高められる。また、キャビテーション発生領域はスリット部54aに沿って線状に形成されるため、気泡が減圧析出する領域が大幅に拡張し、多量の微細気泡(ウルトラファインバブル)を析出させることができる。
【0030】
一方、中心ギャップ部54bは断面の中心を包含する形態で形成され、流速最大となる中心流れは、この中心ギャップ部54bにより迂回の影響を受けずに通過できる。また、中心流れは中心ギャップ部54bの通過によりさらに絞られて高速化しようとするが、セグメント領域52側への流れ迂回が許容されているため、流体抵抗の増加が効果的に抑制される。これにより、断面中心部でのキャビテーション効果はさらに高められ、より多量の微細気泡を析出させることができる。セグメント領域52に分配される各流れは、個々の衝突部53の下流で渦流ないし乱流を発生させ、発生した気泡が当該渦流ないし乱流に巻き込まれて微細化する効果も期待できる。
【0031】
そして、断面中心付近の高速流は、断面中心を取り囲むように配置される4つの錐状部53aにより効果的に絞られて中心ギャップ部54bに増速しつつ流れ込む。中心ギャップ部54bには周囲の4つのスリット部54aが連通し、中心ギャップ部54b内で絞られて圧縮される流れは、スリット部54aへ迂回することで流体抵抗の増加が極めて効果的に抑制される。また、スリット部54aへ迂回する流れ自体もスリット長手方向に自由度を有するため、流速低下は低く抑えられる。その結果、中心ギャップ部54bおよびスリット部54aでもキャビテーション効果は極めて活発となり、ナノバブルレベルへの微細気泡を高濃度に発生させることができるようになる。また、中心ギャップ部54bに臨む衝突部53の先端(錐状部53aの先端)は先鋭に形成されており、その近傍を通過する流れを特に高速化できるので、気泡微細化がより顕著となる。
【0032】
また、各衝突部53の外周面には、周方向の絞りリブ53bが衝突部53の突出方向(軸方向)に沿って複数巻形成されている。衝突部53の外周面の接線方向に流れ込む気体溶解液体は、絞りリブ53b間の谷状部53c内にて絞られることによりさらに増速し、減圧効果が高められる。
【0033】
また、衝突部53をねじ部材により形成しており、絞りリブ53bを螺旋状に一体に形成している。これにより、ねじ山を絞りリブ53bとして簡易に利用できるほか、流れに対し絞りリブ53bが傾斜することで、絞りリブ53bの稜線部を横切る流れ成分が増加し、流れ剥離に伴う乱流発生効果が著しくなるので、気泡のさらなる微細化が図れる利点も生じている。
【0034】
このようにUFBエンジン42を通過した水道水には、微細な気泡(マイクロバブル、マイクロ・ナノバブル、ナノバブル、ウルトラファインバブル)が多量に含まれるようになり、この微細気泡を多量に含んだ水道水が、第1の分岐路43および第2の分岐路44に分かれて流れる。第1の分岐路43を流れた水道水は、水槽6の前部の上部から、当該水槽6とドラム11との間に供給される。また、第2の分岐路44を流れた水道水は、水槽6の後部から、当該水槽6とドラム11との間に供給される。
【0035】
ここで、ウルトラファインバブルの特性である、水分子クラスターを分解するメカニズムについて、図4を参照して簡単に説明する。水中にウルトラファインバブルが発生すると、当該ウルトラファインバブルのマイナスの表面電荷δ−と、水クラスターの外郭のH(水素)のプラス電荷δ+が作用する。すると、ウルトラファインバブルに近い箇所の水分子はウルトラファインバブルに引き寄せられ、ウルトラファインバブルから遠い箇所の水分子は他のウルトラファインバブルの電荷に引き寄せられるなどして、水分子クラスターが分解される。
【0036】
さて、上記構成の洗濯機において、使用者が、洗濯コースのうち、例えば布傷みを抑制するコースであるドライコースを選択して実行しようとする場合、使用者は操作パネル4でドライコースを設定し、スタートボタンを操作する。すると、制御装置5は、予め備えた制御プログラムに基づきドライコースを実行する。図5には、本実施形態におけるドライコースの概要を示し、図6には、従来におけるドライコースの概要を示している。これら図5および図6において、給水弁の欄の矢印は、対応する出口が開放状態であることを示し、ドラム回転の欄の矢印は、ドラムが回転状態であることを示している。
【0037】
図5に示すように、本実施形態のドライコースでは、洗い→排水・脱水→中間すすぎ1→排水・脱水→最終すすぎ→排水・最終脱水の順に行う。洗い行程での給水は、排水弁を閉じた状態で、まずメイン出口39aを開放させることで、洗剤ケース36の洗剤収容部を通した水道水を槽17内へ供給し(メイン給水)、貯留する。このとき、洗剤収容部に収容された洗剤も水道水とともに槽17内へ供給される。この後、メイン出口39aを閉鎖し、代わりにUFB用出口39cを開放させる。これにより、UFBエンジン42を通した微細気泡含有の水道水が第1の分岐路43および第2の分岐路44から槽17内へ供給され(UFB給水)、貯留される。そして、槽17内の水位が設定水位まで達したら、給水を停止し、ドラム11を、例えば標準コースの洗い時と同じ回転速度で正逆両方向に交互に回転させることで洗いを行う。これにより、ドラム11内の洗濯物は、バッフル13により持ち上げられては落下するといった、いわゆるたたき洗いされる。このとき、槽17内の水には微細気泡が多量に含まれているので、微細気泡によるクッション効果で布傷みを低減させることができるため、布傷みを抑制しつつ、洗浄効果を高めることができる。
【0038】
洗い行程が終了したら、排水・脱水の行程を行う。排水行程では、排水弁24を開放させることで、槽17内の水を機外へ排出する。脱水行程では、ドラム11を一方向に高速度で回転させる。これにより、洗濯物は遠心脱水される。中間すすぎ1では、排水弁24を閉じた状態でUFB用出口39cを開放させることで、UFBエンジン42を通した微細気泡含有の水道水を槽17内に供給して貯留し、ドラム11を、例えば標準コースのすすぎ時と同じ回転速度で正逆両方向に交互に回転させることでためすすぎを行う。このとき、すすぎ水にはウルトラファインバブルを含む微細気泡が含まれており、そのウルトラファインバブルにより水クラスターを小さくできて衣類への浸透性が向上するとともに、水の溶媒力も向上する。これにより、残存した洗剤成分を衣類から剥離させ、すすぎ性能を向上させることができ、衣類の黒ずみなどを防止することができる。
【0039】
次に、前述と同様の排水・脱水を行った後、最終すすぎを行う。最終すすぎ行程では、排水弁24を閉じた状態でUFB用出口39cを開放させることで、UFBエンジン42を通した微細気泡含有の水道水を槽17内に供給して貯留し、この後、仕上げ剤用出口39bを開放させることで、洗剤ケース36の仕上げ剤収容部に収容された仕上げ剤を、水道水とともに槽17内へ供給する。そして、ドラム11を、例えば標準コースの最終すすぎ時と同じ回転速度で正逆両方向に交互に回転させることで最終すすぎを行う。この後、排水・最終脱水を行う。
【0040】
これに対して、従来のドライコースにおいては、洗い行程やすすぎ行程でのドラム11の回転速度は、布傷みを抑制するため、標準コースの洗い行程の場合よりやや低い回転速度で行い、しかも洗い時間をやや短く設定している。また、従来のドライコースにおいては、図6に示すように、中間すすぎは、機械力の抑制とすすぎ性能の両立を図るため、ドラム11の回転速度を低くして弱い機械力で、中間すすぎ1と中間すすぎ2の2回行っていた。また、中間すすぎ1の後と中間すすぎ2の後は、機械力を抑制するため、排水のみで、脱水は省略していた。
【0041】
この点、微細気泡含有水を使用する本実施形態においては、微細気泡によるクッション効果で洗濯物の機械力を抑制できるため、中間すすぎとしてはためすすぎ1回、最終すすぎとしてはためすすぎ1回として、ドラム11の回転速度を標準コースと同等とすることで、従来のドライコースよりもすすぎ水を節約でき、しかも布傷み防止効果も得ることが可能となる。
【0042】
一方、使用者が操作パネル4で槽洗浄コースを選択した場合には、制御装置5は、図7に示すように、メイン給水→UFB給水→浸け置き→本洗い→排水・中間脱水→UFB給水→すすぎ→排水・最終脱水の順に行う。メイン給水は、排水弁24を閉じた状態でメイン出口39aを開放させることで、洗剤ケース36の洗剤収容部を通した水道水を槽17内へ供給して貯留する。このとき、洗剤収容部に槽クリーナー(槽洗浄用の洗剤)が収容されていた場合には、その槽クリーナーが水道水とともに槽17内へ供給される。このメイン給水は例えば30秒間のみとする。この後、UFB用出口39cを開放させることで、UFBエンジン42を通した微細気泡含有の水道水を第1の分岐路43および第2の分岐路44を通して槽17内へ供給する(UFB給水)。このとき、予め設定された最高水位まで給水する。浸け置き行程では、槽17内の水位を最高水位に保ったまま、設定時間放置する。この浸け置き行程において、槽17内の水に含まれた微細気泡の電荷による吸着力の効果により、水槽6の内面、ドラム11の内外両面に付着した汚れ成分が剥がれ易くなる。このため、浸け置き行程の時間を、従来の場合よりも短くできる、あるいは従来と同じ時間であれば汚れ成分を一層落ち易くできる。
【0043】
本洗い行程では、ドラム11を比較的低速度で正逆両方向に交互に回転させる。これにより、水槽6の内面、ドラム11の内外両面に付着した汚れ成分が、機械力により落とされる。排水・中間脱水では、まず排水弁24を開放して排水した後、ドラム11を一方向に高速回転させることで、ドラム11に付着していた水分を脱水する。
【0044】
この後、前述と同様なUFB給水を最高水位まで行い、すすぎ行程を行う。すすぎ行程では、洗い行程と同様に、ドラム11を比較的低速度で正逆両方向に交互に回転させる。これにより、水槽6の内面、ドラム11の内外両面に残っていた汚れ成分も落とされる。この後、排水・最終脱水が行われる。
【0045】
なお、槽洗浄コースにおいて、本実施形態では、槽クリーナーを使用することを想定して、まずメイン給水を行い、槽クリーナーを給水とともに供給する例を示したが、槽クリーナーを使用しない、あるいは槽クリーナーをドラム11内に直接投入する想定であれば、メイン給水を無くし、UFB給水のみで給水するようにすることもできる。
【0046】
上記した実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
槽17へ給水する給水路のうちUFB用給水路A3に、微細気泡発生手段として機能するUFBエンジン42を設けている。このUFBエンジン42は、槽17内へ供給される水(水道水)に溶存している気体を減圧析出させることで微細な気泡を効果的に多く析出させることができ、マイクロバブルやナノバブル、ウルトラファインバブルといった微細気泡を多量に含む微細気泡含有水を槽17内へ供給することができる。これにより、微細気泡による効果を効果的に発揮させることが可能となる。
【0047】
UFBエンジン42は、給水弁35の下流側に存している。これによれば、給水弁35から槽17内へ供給する水を、UFBエンジン42を通して給水する場合と、UFBエンジン42を通さずに迂回させて給水する場合の選択が可能となる。
【0048】
UFBエンジン42を通した水である微細気泡含有水を、水槽6とドラム11との間に供給する構成とした。これによれば、微細気泡含有水を、汚れが付着して残り易い水槽6の内面とドラム11の外面に直接的に掛けることができるので、微細気泡による効果でそれら水槽6の外面およびドラム11の外面の汚れを効果的に落とすことが可能となり、特に槽洗浄に有効である。
【0049】
UFBエンジン42を通した水が流れるUFB用給水路A3の一つの接続先である第1の分岐路43の接続先を、水槽6の上部とした。特に本実施形態のように水槽6およびドラム11が前上がりに傾斜したドラム式洗濯機においては、ドラム11の前上部となる回転バランサ11aの上部外面は、通常、水と接触し難く、汚れが付くと落ち難いという事情がある。この点、第1の分岐路43の接続先を、水槽6の前上部としておくことで、微細気泡含有水を、ドラム11における前上部の回転バランサ11aの外面付近に掛けることができ、微細気泡による洗浄効果を一層有効に活用することが期待できる。
【0050】
また、UFBエンジン42を通した水が流れるUFB用給水路A3のもう一つの接続先である第2の分岐路44の接続先を、第1の分岐路43の接続先よりも下方の、水槽6の後部の中間部としている。これによれば、第2の分岐路44から供給される微細気泡含有水を、循環水路30の入口となる排水口18近くに供給することが可能になり、微細気泡含有水による洗浄効果で、循環水路30やフィルタケース20、リントフィルタの洗浄が期待できる。
【0051】
また、第2の分岐路44の接続先を、水槽6の溢水口45より上側としている。仮に第2の分岐路44の接続先を、水槽6の溢水口45より下側に接続した構成とした場合において、給水弁35のUFB用出口39cが開いた状態で給水弁35が壊れた場合、槽17内の洗濯水が、第2の分岐路44、UFBエンジン42、給水弁35を通して上水道側に逆流することが懸念される。この点、本実施形態によれば、第2の分岐路44の接続位置より溢水口45が下側に存することになり、槽17内の洗濯水は第2の分岐路44に至る前に溢水口45から機外へ排出されることになるため、上記した不具合の発生を未然に防止できる。
【0052】
回転槽であるドラム11内に収容した洗濯物をすすぐすすぎ行程における給水時に、UFBエンジン42を通した微細気泡含有水を槽17内へ供給するようにしている。これにより、微細気泡のうち特にウルトラファインバブルによる水クラスターの細分化により、水分子を衣類に浸透させ、界面活性剤の剥がれを促進でき、すすぎを一層効果的に行うことができる。
【0053】
洗濯物を洗うコースのうち布傷みを抑制するコースであるドライコースを実行する場合、槽17内へ洗剤を投入する際にはUFBエンジン42を通さずにメイン給水路A1を通して給水し、洗剤投入後はUFBエンジン42を通した微細気泡含有水を槽17内へ供給するようにしている。微細気泡含有水を用いて洗うことにより、微細気泡のクッション効果により布傷みを抑制しつつ、ドラム11の回転速度を例えば標準コースと同等とすることで、洗浄効果を高めることができる。
【0054】
槽洗浄コースを実行する場合、主にUFBエンジン42を通した微細気泡含有水を槽17内へ供給して行うことで、微細気泡による洗浄効果で水槽6の内面、ドラム11の内外両面を効果的に洗浄することが可能となる。
【0055】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について図8を参照して説明する。この第2実施形態においては、UFB用給水路A3における給水弁35のUFB用出口39cとUFBエンジン42との間に、気体導入手段として機能するベンチュリー管60を設けている。ベンチュリー管60は、詳細には示されていないが、図中上下方向に連通する流路の中間部に絞り部61を有するとともに、この絞り部61に一端部が大気に開放した外気導入管62を有している。ベンチュリー管60の流路の入口は、UFB用出口39cに接続され、流路の出口はUFBエンジン42の流入口に接続されている。外気導入管62の基端部は、ベンチュリー管60の絞り部61に接続されている。
【0056】
この構成において、給水弁35のUFB用出口39cが開放されると、水道水が、ベンチュリー管60の流路を通り、UFBエンジン42に流入する。このとき、水道水が、ベンチュリー管60の流路の絞り部61を通過することに伴い流速があがり、これに伴い、外気導入管62から外気がベンチュリー管60の流路側に吸引される(ベルヌーイの定理)。これにより、ベンチュリー管60の流路を流れる水道水に、気体である空気が導入されるようになる。したがって、UFBエンジン42に導入される水道水には、一層多くの気体が含まれるようになるので、UFBエンジン42を通過した水には、微細気泡が一層多量に含まれるようになり、微細気泡による効果を一層向上させることが可能となる。
【0057】
水道の水圧が低い場合、UFBエンジン42の流路を流れる水の流速が低くなり、析出される微細気泡の量が少なくなることが懸念されるが、本実施形態のようにUFBエンジン42の上流にベンチュリー管60を設けることで、析出される微細気泡の量を多く確保できる利点がある。
外気導入手段としては、ベンチュリー管60に限られず、例えばポンプにより空気などの気体を強制的に導入するものでもよい。
【0058】
(その他の実施形態)
洗濯機としては、例示したドラム式洗濯機に限られず、水槽および回転槽の軸方向が上下方向に向く、いわゆる縦軸形の洗濯機にも適用できる。
UFBエンジン42は、槽17内へ給水する給水路であれば、例えば循環水路30に設けるようにしてもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の洗濯機によれば、微細気泡発生手段を通した水を槽内へ供給することで、水に溶存している気体を減圧析出させることで微細な気泡を効果的に多く析出させることができ、微細気泡による効果を効果的に発揮させることが可能な洗濯機を提供できる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
図面中、1は外箱、5は制御装置(制御手段)、6は水槽、11はドラム(回転槽)17は槽、30は循環水路、35は給水弁、39aはメイン出口、39bは仕上げ剤用出口、39cはUFB用出口、42はUFBエンジン(微細気泡発生手段)、43は第1の分岐路、44は第2の分岐路、45は溢水口、50は本体部、51は流路、51aは流入口、51bは流出口、51cは絞り部、52はセグメント領域、53は衝突部、54aはスリット部、54bは中心ギャップ部、60はベンチュリー管(気体導入手段)、A3はUFB用給水路(給水路)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8