(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0018】
また、各実施例の図面に示す同一思想の範囲内の機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を使用して説明する。
【0019】
本発明は、音響共振器1及びその製造方法に関し、連結電極30をフレーム部20が形成された共振部10の電極より厚さを薄く提供することで、上記フレーム部20の対称性の低下への影響を減少させる技術である。
【0020】
これにより、上記フレーム部20が反射する共振音響波の損失を減少させることができ、共振器パッケージの性能を向上させることができる。
【0021】
このように、上記連結電極30の厚さtaを薄く形成する理由は、上記共振部10で発生させる共振エネルギーの損失を防止するためである。
【0022】
さらに具体的には、バルク音響共振器1(Bulk Acoustic Wave:BAW)などの音響共振器1を利用したフィルターは、音響共振器1の品質性能(Quality Factor:QF)が良くなれば、所望の周波数帯域のみが選択できる特性が良くなり、挿入損失(Insertion Loss)及び減衰(Attenuation)性能を改善させることができる。
【0023】
そして、上記音響共振器1の品質性能を良くするためには、共振エネルギーを共振器の振動領域(Active Area)に閉じ込めるように上記フレーム部20を設計する必要がある。
【0024】
一例として、音響共振器1の周りにフレーム部20が形成されて、共振エネルギーの損失を防止し、音響共振器1の品質性能の低下を防止することができる。
【0025】
さらに好ましくは、上記フレーム部20は対称的な形状で具備することで、共振エネルギーの損失を防止する効果を高めることができる。
【0026】
一方、上記共振部10に提供される電極は、外部電極との連結のために連結電極30が形成されるが、このような連結電極30は、上記フレーム部20の対称性を損傷させる要因であり、結果として、音響共振器の品質性能を低下させる原因となる問題が発生する。
【0027】
そこで、本発明では、上記連結電極30の厚さtaを上記共振部10の電極の厚さtbより薄く形成することで、上記フレーム部20の対称性の低下を防止するように構成した。
【0028】
図面を参照して説明すると、
図1は、本発明の音響共振器1を示す断面図であり、本発明の一実施例に係る音響共振器1は、基板2との間に中空部3を形成し、音響波を発生させる共振部10、上記共振部10の少なくとも一つの電極に提供され、上記音響波を反射するフレーム部20、及び上記フレーム部20が提供される上記共振部10の電極と外部電極とを連結するように提供される連結電極30を含むことができる。
【0029】
特に、上記連結電極30は、上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極より厚さが薄く提供されることで、フレーム部20の対称性の低下への影響を減少させることができる。
【0030】
上記共振部10は、振動による音響波(または、振動エネルギー)を発生させる役割をする。このため、上記共振部10は、第1の電極11、圧電体12、第2の電極13などを含むことができる。
【0031】
ここで、上記共振部10が提供される基板2は、シリコン基板2またはSOI(Silicon On Insulator)タイプの基板2で形成することができる。
【0032】
このような基板2と上記第1の電極11との間には、中空部3が形成されることができる。そして、上記中空部3が具備されることで、上記第1の電極11と上記基板2は、少なくとも一部が離隔して配置されることができる。
【0033】
一方、上記基板2と対面する上記第1の電極11の一面には、メンブレイン層4が形成されることができる。ここで、上記メンブレイン層4は、上記圧電体12で発生する音響波(Acoustic Wave)が上記基板2の影響を受けないようにするために提供される。
【0034】
勿論、上記基板2を保護するために、上記基板2上にもエッチングストッパとして機能する阻止層5が形成されることができる。このような阻止層5には、酸化シリコン(SiO
X)または窒化シリコン(SiN
X)などが含まれることができる。
【0035】
また、上記共振部10と上記基板2との間に上記中空部3を提供することで、上記共振部10で発生する音響波の反射特性を向上させることができる。
【0036】
換言すると、上記中空部3は、空いている空間であり、インピーダンスが無限大に近いため、上記中空部3により、音響波は損失することなく上記共振部10内に残存することができる。
【0037】
従って、上記中空部3を通じて上記共振部10の縦方向の音響波損失を最小化させることができ、そのため、上記共振部10の品質性能QFを向上させることができる。
【0038】
そして、上記共振部10に含まれている第1の電極11と第2電極13及び圧電体12は、第1の電極11と圧電体12及び第2の電極13が順に上記基板2上に積層して形成されることができる。これにより、上記第1の電極11と上記第2の電極13との間に圧電体12が配置されることができる。
【0039】
換言すると、本発明の一実施例に係る音響共振器1の上記共振部10は、上記基板2との間に上記中空部3を形成するように上記基板2に提供される第1の電極11、一面が上記第1の電極11に接するように提供される圧電体12、及び上記圧電体12の他面に接するように提供され、上記フレーム部20が提供される第2の電極13を含むことができる。
【0040】
このような上記共振部10は、上記第1の電極11と上記第2の電極13とに印加される電気信号によって圧電体12を共振させて、共振周波数及び反共振周波数を発生させることができる。
【0041】
上記第1の電極11及び上記第2の電極13は、金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、白金、チタン、タングステン、パラジウム、クロム、ニッケル、イリジウムなどのような金属で形成することができる。
【0042】
そして、上記共振部10は、上記圧電体12の音響波を利用するが、例えば、上記第1の電極11と上記第2の電極13とに信号が印加されると、上記圧電体12は、縦方向(または、厚さ方向)に機械的振動を発生させて音響波を発生させる。
【0043】
ここで、上記圧電体12は、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化シリコン(SiO
2)、ドーピングされた酸化亜鉛(例えば、W−ZnO)、ドーピングされた窒化アルミニウム(例えば、Sc−AlN、MgZr−AlN、Cr−AlN、Er−AlN、Y−AlN)などのような材質で形成することができる。
【0044】
このような圧電体12の共振現象は、印加された信号波長の1/2が圧電体12の厚さと一致する時に発生する。
【0045】
そして、共振現象が発生する時、電気的インピーダンスが急激に変わるので、本発明の音響共振器1は、周波数が選択可能なフィルターとして使用することができる。
【0046】
共振周波数は、圧電体12の厚さ、そして圧電体12を囲んでいる第1の電極11と第2の電極13及び圧電体12の固有弾性波速度等によって決められる。一例として、上記圧電体12の厚さが薄ければ薄いほど、共振周波数は大きくなる。
【0047】
一方、上記圧電体12は、共振部10内のみに配置するように構成すれば、上記圧電体12によって形成された音響波が上記共振部10の外部に漏れることを最小化することができる。
【0048】
そして、上記共振部10は、保護層をさらに含むことができるが、このような保護層は、第2の電極13を覆い第2の電極13が外部環境に露出することを防止する役割をすることができる。
【0049】
そして、上記第1の電極11と第2の電極13は、上記圧電体12の外側に延長するように形成される連結電極30と連結して形成され、接続部、外部電極と連結して構成することができる。
【0050】
ここで、上記接続部は、音響共振器1とフィルターの特性を確認し、必要な周波数トリミングを行うための役割をすることができる。
【0051】
そして、上記外部電極は、上記共振部10が電圧を印加する役割をする。
【0052】
上記フレーム部20は、上記共振部10で発生させる音響波が損失することを防止する役割をする。
【0053】
さらに具体的には、上記共振部10で発生させた音響波の横方向(または、厚さ方向に垂直した長さ方向)の損失を防止する役割をするために、上記フレーム部20は、上記音響波を反射する役割をする。
【0054】
上記フレーム部20は、上記共振部10の内部で発生した音響波が伝達されれば、これを再び共振部10の内部に反射させることで、上記音響波の外部離脱による損失を防止する。
【0055】
このため、上記フレーム部20は、上記共振部10の電極の少なくともいずれか一つの電極に提供される。さらに好ましくは、上記第2の電極13に具備されることができる。
【0056】
そして、上記フレーム部20は、上記共振部10で発生した音響波を反射することができるように具備するために、突き出した形状で上記共振部10の電極に提供することができる。
【0057】
換言すると、本発明の一実施例に係る音響共振器1の上記フレーム部20は、突き出した形状で、上記中空部3に対応する領域の周り方向に提供されることを特徴とすることができる。
【0058】
このように、上記フレーム部20が上記共振部10の電極に突き出した形状で形成されることで上記音響波が反射可能なことは、上記共振部10の電極とは異なり、上記フレーム部20の厚さが厚くなる部分で弾性波である上記音響波の伝達環境が変更されるためである。
【0059】
一方、上記フレーム部20は、上記共振部10の電極上に対称的な形状で提供されることで、上記音響波の損失を防止する効果を高めることができる。
【0060】
換言すると、本発明の一実施例に係る音響共振器1の上記フレーム部20は、上記中空部3に対応する領域に対称的な形状で上記共振部10の電極に提供されることを特徴とすることができる。
【0061】
このように、上記フレーム部20が対称的な形状で提供されることで、上記音響波の損失を防止する効果が高くなることは、以下のような理由による。
【0062】
一側のフレーム部20で反射させる音響波は、一側の上記フレーム部20で反射しながら特性が変化する。このように変化した特性の音響波が他側のフレーム部20で再び反射する時、他側のフレーム部20が一側のフレーム部20と対称的な形状で提供されれば、一側で反射した音響波は、同一の音響波の伝達条件に露出するため、他側のフレーム部20で反射する時は、損失をほぼ発生させなくなる。
【0063】
そして、上記フレーム部20は、上記中空部3に対応する領域の周り方向に連続して形成されることで、上記共振部10で発生した音響波の損失を防止することができるが、これに対する詳しい説明は、
図2を参照して後述する。
【0064】
一方、上記フレーム部20は、上記共振部10の電極と異なる性質の素材で形成されるか、他の性質に改質して提供されることで、上記音響波を反射するように構成することができる。これに対する詳しい説明は、
図3を参照して後述する。
【0065】
上記連結電極30は、上記共振部10の電極と外部電極とを連結する役割をする。
【0066】
特に、上記共振部10の電極のうち上記フレーム部20が形成された電極に連結する連結電極30は、上記フレーム部20が形成された共振部10の電極より厚さを薄く形成して提供することができる。これは、上記フレーム部20の対称性のロスを最大限減少させるためである。
【0067】
つまり、上記連結電極30は、上記音響波の伝達特性と関連した上記共振部10の電極及びフレーム部20の対称性を維持することができるように、上記共振部10の電極より厚さを薄く形成することが好ましい。
【0068】
このように上記連結電極30の厚さtaを上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極より薄く形成することで、音響波漏れの防止効果があることは、
図10及び
図11を参照すれば容易に分かる。
【0069】
図10及び
図11では、上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極の厚さtbを基準として、上記連結電極30の厚さtaを上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極の厚さtbに比べて2.667倍に形成した場合と、上記連結電極30の厚さtaを上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極の厚さtbと同一にした場合と、上記連結電極30の厚さtaを上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極の厚さtbに比べて0.556倍に形成した場合とを比べて示した。
【0070】
図10及び
図11のグラフから分かるように、上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極より上記連結電極30の厚さtaを薄く形成した場合は、減衰(Attenuation)性能が向上することが分かる。
【0071】
つまり、本発明の一実施例に係る音響共振器1において、上記連結電極30の厚さtaは、少なくとも上記フレーム部20が提供される上記共振部10の電極厚さtbの半分より小さく提供されることを特徴とすることができる。
【0072】
一方、上記連結電極30を最大限薄く形成することが上記減衰性能の向上には良いが、連結電極30の抵抗の増加による挿入損失(Insertion Loss)を増加させるという問題が発生する。従って、上記連結電極30を上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極より薄く形成し、挿入損失を増加させない厚さで形成することが好ましい。
【0073】
つまり、本発明の一実施例に係る音響共振器1において、上記連結電極30の厚さtaは、少なくとも1,000Åより厚く提供されることを特徴とすることができる。
【0074】
図2は、本発明の音響共振器1を示す平面図であり、これを参照すると、上記フレーム部20は、上記中空部3に対応する領域の周り方向に連続して形成されることで、上記共振部10で発生した音響波の損失を防止することができる。
【0075】
つまり、本発明の一実施例に係る音響共振器1の上記フレーム部20は、上記中空部3に対応する領域の周り方向に連続するように連結して提供されることを特徴とすることができる。
【0076】
このように、上記フレーム部20を連続した形状で形成させることで、また、上記共振部10の電極を密閉する形状で形成することで、上記音響波の損失を減少させることができる理由は、上記共振部10の電極面上の全ての方向で上記音響波が離脱する経路を遮断するからである。
【0077】
図3は、本発明の音響共振器1において、フレーム部20の実施例を示す断面図であり、これを参照すると、上記フレーム部20は、上記共振部10の電極と異なる性質の素材で形成されるか、他の性質に改質して提供されることで、上記音響波を反射するように構成することができる。
【0078】
つまり、本発明の一実施例に係る音響共振器1の上記フレーム部20は、上記フレーム部20が提供される上記共振部10の電極と異なる性質の素材で形成され、上記中空部3に対応する領域の周り方向に提供されることを特徴とすることができる。
【0079】
また、本発明の一実施例に係る音響共振器1の上記フレーム部20は、上記フレーム部20が提供される上記共振部10の電極と同じ素材で形成し、他の性質に改質して提供され、上記中空部3に対応する領域の周り方向に提供されることを特徴とすることができる。
【0080】
このように、上記フレーム部20が上記共振部10の電極とは異なる素材または他の性質に改質して提供されることで、上記フレーム部20が上記音響波を反射できるのは、上記共振部10の電極とは上記音響波の伝達環境が変更されるからである。
【0081】
つまり、上記フレーム部20は、上記共振部10の電極とは異なる素材または他の性質に改質されることで、音響波伝達と関連した密度、弾性係数などの性質が上記共振部10の電極と変わるからである。これにより、上記フレーム部20では、上記音響波を反射させることができる。
【0082】
以下では、本発明の他の実施例である音響共振器1の製造方法を説明する。
【0083】
先ず、
図4〜
図7は、本発明の音響共振器1の製造方法を示す断面図であるが、これを参照すると、本発明の他の実施例に係る音響共振器1の製造方法は、基板2に共振部10を形成し、上記基板2と上記共振部10との間の一部に犠牲層3aを形成する共振部10の形成段階、上記共振部10の少なくとも一つの電極にフレーム部20を形成するフレーム部20の形成段階、上記フレーム部20が形成される上記共振部10の電極と外部電極とを連結する連結電極30を形成し、上記フレーム部20が形成される上記共振部10の電極より厚さを薄く形成する連結電極30の形成段階、及び上記基板2と上記共振部10との間に形成された犠牲層3aを除去して中空部3を形成する中空部3の形成段階を含むことができることが分かる。
【0084】
上記共振部10の形成段階は、上記基板2上に上記共振部10の第1の電極11、圧電体12、第2の電極13等を積層する段階である。これは、
図4に示している。
【0085】
但し、上記基板2と上記共振部10の第1の電極11との間に中空部3を形成するために、上記基板2と上記第1の電極11との一部には、犠牲層3aが形成されることができる。
【0086】
つまり、上記基板2の上部に犠牲層3aを形成するが、この犠牲層3aの材質としては、二酸化シリコン、ポリシリコンまたはポリマーなどを使用することができる。
【0087】
このような犠牲層3aは、以後、中空部3の形成段階でエッチング工程を通じて除去されて中空部3を形成する。
【0088】
次いで、上記基板2または上記犠牲層3aの上部に、第1の電極11と圧電体12、第2の電極13を順次に形成する。
【0089】
この時、上記第1の電極11を形成する前に、阻止層5、メンブレイン層4などを形成することもできる。
【0090】
上記第1の電極11は、上記犠牲層3aを含む上記基板2の上部に導電層を蒸着することで形成することができる。同様に、上記圧電体12は、上記第1の電極11上に圧電物質を蒸着することで形成することができる。
【0091】
そして、上記第1の電極11は、モリブデン(Mo)、金、ルテニウム、アルミニウム、白金、チタン、タングステン、パラジウム、クロム、ニッケル、イリジウム等の多様な金属で形成することができる。
【0092】
上記圧電体12は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)や二酸化シリコン(SiO
2)、ドーピングされた酸化亜鉛(例えば、W−ZnO)、ドーピングされた窒化アルミニウム(例えば、Sc−AlN、MgZr−AlN、Cr−AlN、Er−AlN、Y−AlN)等の多様な圧電材質を利用して形成することができる。
【0093】
ここで、上記第1の電極11と圧電体12は、フォトリソグラフィー工程を通じてパターニングを行った後、パターニングされたフォトレジストをマスクとして不要な部分を除去することで、必要なパターンで形成することができる。
【0094】
これを通じて、上記圧電体12は、第1の電極11の上部のみに残り、そこで、第1の電極11は、圧電体12の周辺にさらに突き出す形態で形成することができる。
【0095】
上記第2の電極13は、上記圧電体12と上記第1の電極11上に導電層を形成した後、導電層上でフォトリソグラフィー工程を通じてパターニングされた後、フォトレジストをマスクとして必要なパターンで形成することができる。
【0096】
このような上記第2の電極13は、ルテニウム(Ru)、金、モリブデン、アルミニウム、白金、チタン、タングステン、パラジウム、クロム、ニッケル、イリジウムなどの多様な金属によって形成することができる。
【0097】
一方、上記第2の電極13と圧電体12の上部に保護層を形成することもできる。上記保護層は、絶縁物質で形成することができるが、ここで絶縁物質としては、シリコンオキサイド系列、シリコンナイトライド系列及びアルミニウムナイトライド系列の物質が含まれることができる。
【0098】
上記フレーム部20の形成段階は、上記共振部10の電極の少なくともいずれか一つの電極にフレーム部20を形成する段階である。これは、
図5に示している。
【0099】
つまり、上記フレーム部20の形成段階は、上記共振部10の電極にフレーム部20を形成する素材を蒸着することで形成することができる。
【0100】
このように、上記フレーム部20は、上記第1の電極11または第2の電極13に形成されることで突き出した形状で形成することができ、上記第1の電極11または第2の電極13と同じ素材で形成して提供することができる。
【0101】
特に、上記フレーム部20は、上記共振部10の電極に対称的な形状で形成することで、上記共振部10で発生させる音響波の損失を防止することができる。
【0102】
つまり、本発明の他の実施例に係る音響共振器1の製造方法の上記フレーム部20の形成段階は、上記フレーム部20を対称的な形状で上記共振部10の電極に形成することを特徴とすることができる。
【0103】
一方、上記フレーム部20の形成段階は、上記フレーム部20を形成する素材を上記共振部10の電極上に蒸着した後、フォトリソグラフィー工程を通じて必要なパターンで形成することができる。フレーム部20を形成する素材を蒸着する過程は、
図5の(a)に示されており、上記フレーム部20の必要なパターンのみを残すように形成したことは、
図5の(b)に示している。
【0104】
上記連結電極30の形成段階は、上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極と外部電極とを連結するように連結電極30を形成する段階である。これは、
図6に示している。
【0105】
特に、上記連結電極30の形成段階は、上記フレーム部20が形成された上記共振部10の電極の厚さtbより上記連結電極30の厚さtaを薄く形成することで、上記フレーム部20の対称特性の低下を防止する。
【0106】
さらに具体的には、本発明の他の実施例に係る音響共振器1の製造方法の上記連結電極30の形成段階は、上記フレーム部20が形成される上記共振部10の電極の形成と同時に蒸着して連結層30aを形成し、上記連結層30aを上記フレーム部20が形成される上記共振部10の電極と連結して形成する連結層30aの形成段階、及び上記連結層30aを上記フレーム部20が形成される上記共振部10の電極の厚さtbより薄くエッチングする厚さエッチング段階を含むことができる。
【0107】
つまり、上記連結電極30を形成する実施例であり、目標の厚さより厚く上記連結層30aを形成した後、エッチングによって目標の厚さtaで上記連結電極30を形成する。
【0108】
但し、上記連結電極30の形成段階は、前述した実施例に限定されるものではなく、前述した実施例以外の実施例は、
図8及び
図9を参照して後述する。
【0109】
そして、上記連結電極30を形成した後、さらに周波数トリミングに利用可能な接続部が形成されることができる。
【0110】
このような接続部は、エッチングを通じて保護層を部分的に除去して孔を形成することで、第1の電極11または第2の電極13と連結された連結電極30を外部に露出させた後、金(Au)または銅(Cu)などを第1の電極11上に蒸着して形成することができる。
【0111】
上記中空部3の形成段階は、上記犠牲層3aを除去して中空部3を形成する段階である。これは、
図7に示している。
【0112】
このため、具体的に上記犠牲層3aは、乾式エッチングを通じて除去されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0113】
例えば、犠牲層3aをポリシリコンで形成する場合、この犠牲層3aは、ニフッ化キセノン(XeF
2)などのような乾式エッチング用ガスを通じて除去されることができる。
【0114】
図8及び
図9は、本発明の音響共振器1の製造方法において、連結電極30の形成段階の実施例を示す断面図である。
【0115】
先ず、
図8を参照すると、本発明の他の実施例に係る音響共振器1の製造方法の上記連結電極30の形成段階は、上記フレーム部20が形成され、上記中空部3に対応する領域に形成される上記共振部10の電極を覆うように蒸着し、上記外部電極と連結する領域まで一定の厚さtaで蒸着することを特徴とすることができる。
【0116】
つまり、
図8の(a)に示すように、上記フレーム部20が形成された共振部10の電極が提供されると、
図8の(b)に示すように、連結電極30を形成する素材は、上記共振部10の電極を覆いながらも外部電極と連結する領域まで同一の厚さtaで蒸着して、連結電極30を形成する。
【0117】
このように上記連結電極30を形成する時、上記連結電極30を形成する素材は、上記共振部10の電極と同じ素材で形成される。即ち、上記共振部10の電極上に蒸着する部分は、最終的には電極の一部となる。これにより、上記共振部10の電極の厚さtbも、最終的には上記連結電極30よりは厚くなる。
【0118】
ここで、さらに蒸着した連結電極30は、共振部10上で追加パターニングをして、
図1のような形状を作ることができる。
【0119】
図9を参照すると、本発明の他の実施例に係る音響共振器1の製造方法の上記連結電極30の形成段階は、上記フレーム部20が形成され、上記中空部3に対応する領域に形成される上記共振部10の電極に連結して蒸着し、上記フレーム部20が形成される上記共振部10の電極と異なる素材で形成されることを特徴とすることができる。
【0120】
つまり、
図9の(a)に示すように、上記フレーム部20が形成された共振部10の電極が提供されると、
図9の(b)に示すように、連結電極30を形成する素材は、上記共振部10の電極の端部と外部電極を連結する領域のみ蒸着して形成され、上記共振部10の電極上の他の部分には蒸着しない。
【0121】
特に、この時、上記連結電極30を形成する素材は、上記共振部10の電極とは異なる素材で形成することで、上記共振部10電極に形成されたフレーム部20の対称性を損なわないように構成することができる。