特許第6388423号(P6388423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6388423データ送信方法、通信デバイス、及び通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388423
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】データ送信方法、通信デバイス、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20180903BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20180903BHJP
   H04L 29/06 20060101ALI20180903BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20180903BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   H04W56/00
   H04L7/00 990
   H04L13/00 305B
   H04W88/08
   H04M3/00 D
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-527345(P2017-527345)
(86)(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公表番号】特表2018-504000(P2018-504000A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】CN2015077930
(87)【国際公開番号】WO2016078349
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2017年6月16日
(31)【優先権主張番号】201410668164.1
(32)【優先日】2014年11月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】グー、ヤン
【審査官】 松本 光平
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0100948(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0036903(US,A1)
【文献】 特開2012−074799(JP,A)
【文献】 特開2014−195210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イーサネット(登録商標)において、公衆無線インタフェースCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられるデータ送信方法であって、前記イーサネット(登録商標)は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含み、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作し、前記データ送信方法は、
前記第1の通信デバイスによって、CPRIデータフレームを選択し、選択された前記CPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する段階と、
前記第1の通信デバイスによって、毎秒パルス信号を生成する段階であって、前記毎秒パルス信号の位相は、選択された前記CPRIデータフレームのフレーム位相である、段階と、
前記第1の通信デバイスによって、前記毎秒パルス信号及び前記秒値に従って、タイムスタンプを生成する段階と、
前記第1の通信デバイスによって、前記タイムスタンプを保持する同期メッセージを前記第2の通信デバイスに送信し、前記第2の通信デバイスに、前記タイムスタンプに従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号及び前記フレーム位相を取得させる段階と、
を備える、方法。
【請求項2】
選択された前記CPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する前記段階は、
選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を、式
【数10】
に従って、前記秒値に変換する段階を含み、SecondCounterは、前記変換の後で取得される前記秒値であり、nは、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号であって、n=a×(k−100×m)であり、kは、前記CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルであり、a、b、k、及びmは、正の整数であって、m<k/100、かつb>m/kである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の通信デバイスは、ビルベースバンドユニットBBUであり、前記第2の通信デバイスは、遠隔無線ユニットRRUである、又は、
前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスの両方は、BBUである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
イーサネット(登録商標)において、公衆無線インタフェースCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられるデータ送信方法であって、前記イーサネット(登録商標)は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含み、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作し、前記データ送信方法は、
タイムスタンプを保持し、かつ、前記第1の通信デバイスによって送信される同期メッセージを、前記第2の通信デバイスによって受信する段階であって、前記タイムスタンプは、前記第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相に従って生成される、段階と、
前記第2の通信デバイスによって、前記タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、前記秒値に従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を決定し、前記毎秒パルス信号に従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム位相を決定する段階と、
を備える方法。
【請求項5】
前記秒値に従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を決定する前記段階は、
式n=(SecondCounter×100)Mod(k)を用いて、前記第1の通信デバイスによって選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を算出する段階を含み、
Modは、剰余演算符号であり、nは、前記第1の通信デバイスによって選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号であり、SecondCounterは、前記秒値を表し、kは、前記CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記タイムスタンプによって示される時刻t1を記録し、前記同期メッセージを受信した時刻t2を記録する段階と、
前記第1の通信デバイスに遅延要求メッセージを送信し、前記遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録する段階と、
前記第1の通信デバイスによって返信された遅延応答メッセージを受信し、前記第1の通信デバイスによって前記遅延要求メッセージを受信した時刻t4を記録する段階であって、前記遅延応答メッセージは、前記時刻t4を保持する、段階と、
前記時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、前記タイムオフセットに従って、前記第1の通信デバイスと同期するように、前記第2の通信デバイスのローカルクロックを調整する段階と、
をさらに備える、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
イーサネット(登録商標)において用いられる通信デバイスであって、前記イーサネット(登録商標)は、前記通信デバイス及び他の通信デバイスを含み、前記通信デバイス及び前記他の通信デバイスの両方は、公衆無線インタフェースCPRIプロトコルで動作し、前記通信デバイスは、
CPRIデータフレームを選択し、選択された前記CPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換し、さらに、同期メッセージを生成するプロセッサと、
毎秒パルス信号を生成する信号生成器であって、前記毎秒パルス信号の位相は、選択された前記CPRIデータフレームのフレーム位相である、信号生成器と、
前記毎秒パルス信号及び前記秒値に従って、タイムスタンプを生成し、前記同期メッセージに前記タイムスタンプを追加するタイムスタンプ生成回路と、
前記タイムスタンプを保持する前記同期メッセージを前記の通信デバイスに送信し、前記の通信デバイスに、前記タイムスタンプに従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号及び前記フレーム位相を取得させる送信器と、
を備える通信デバイス。
【請求項8】
前記プロセッサは、具体的には、
【数11】
に従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を前記秒値に変換、SecondCounterは、変換後に取得される前記秒値であり、nは、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号であって、n=a×(k−100×m)であり、kは、前記CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルであり、a、b、k、及びmは、正の整数であって、m<k/100、かつb>m/kである、請求項7に記載の通信デバイス。
【請求項9】
前記通信デバイスは、ビルベースバンドユニットBBUであり、前記他の通信デバイスは、遠隔無線ユニットRRUである、又は、
前記通信デバイス及び前記他の通信デバイスの両方は、BBUである、請求項7又は8に記載の通信デバイス。
【請求項10】
イーサネット(登録商標)において用いられる通信デバイスであって、前記イーサネット(登録商標)は、前記通信デバイス及び他の通信デバイスを含み、前記通信デバイス及び前記他の通信デバイスの両方は、公衆無線インタフェース(CPRI)プロトコルで動作し、前記通信デバイスは、
タイムスタンプを保持し、かつ、前記他の通信デバイスによって送信される同期メッセージを受信する受信器であって、前記タイムスタンプは、前記他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相に従って生成される、受信器と、
前記タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、前記秒値に従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を復元し、前記毎秒パルス信号に従って、選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム位相を決定するプロセッサと、
を備える通信デバイス。
【請求項11】
前記プロセッサは、具体的には、式n=(SecondCounter×100)Mod(k)を用いて、前記他の通信デバイスによって選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号を算出、Modは、剰余演算符号であり、nは、前記他の通信デバイスによって選択された前記CPRIデータフレームの前記フレーム番号であり、SecondCounterは、前記秒値を表し、kは、前記CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルを表す、請求項10に記載の通信デバイス。
【請求項12】
送信器及びメモリをさらに備え、
前記送信器は、前記他の通信デバイスに遅延要求メッセージを送信
前記受信器は、さらに、前記他の通信デバイスによって返信された遅延応答メッセージを受信、前記遅延応答メッセージは、前記他の通信デバイスによって前記遅延要求メッセージを受信した時刻t4を保持し、
前記メモリは、前記タイムスタンプによって示される時刻t1を記録し、前記同期メッセージを受信した時刻t2を記録し、前記遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録し、前記遅延応答メッセージにおいて保持される前記時刻t4を記録
前記プロセッサは、さらに、前記時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、前記タイムオフセットに従って、前記他の通信デバイスと同期するように、前記通信デバイスのローカルクロックを調整する
請求項10又は11に記載の通信デバイス。
【請求項13】
イーサネット(登録商標)通信システムであって、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを備え、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスの両方は、公衆無線インタフェースCPRIプロトコルで動作し、前記第1の通信デバイスは、請求項7から9のいずれか1項に記載の通信デバイスであり、前記第2の通信デバイスは、請求項10から12のいずれか1項に記載の通信デバイスである、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年11月20日に中国特許庁に出願された、発明の名称を「データ送信方法、通信デバイス、及び通信システム」とする特許出願第201410668164.1号に対する優先権を主張する。これは、その全体において、参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、通信技術分野に関し、具体的には、データ送信方法、通信デバイス、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
公衆無線インタフェース(Common Public Radio Interface、CPRI)プロトコルは、無線機器制御(Radio Equipment Control、REC)及び無線機器(Radio Equipment、RE)のような内部無線基地局デバイス間におけるインタフェースのための仕様として用いられる。
【0003】
REC及びREのような内部無線基地局デバイスは、通常、ポイントツーポイント直接接続方式で接続される。既存のCPRIプロトコルは、具体的には、ポイントツーポイント直接接続方式を対象としており、物理層は、データ送信の厳密なタイミング関係を保証する必要がある。
【0004】
通信ネットワークの開発要件を満たすべく、いくつかのシナリオにおいて、REC及びREのようなデバイスは、イーサネット(登録商標)技術を用いることによって接続される必要がある。従来技術では、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相は、送信不可能である。従って、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係は、保証不可能である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、データ送信方法、通信デバイス、及び通信システムを提供し、これにより、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信する。
【0006】
本発明の第1の態様は、データ送信方法を提供する。方法は、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられる。イーサネット(登録商標)は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含む。第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。方法は、第1の通信デバイスによって、CPRIデータフレームを選択し、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する段階と、毎秒パルス信号を生成する段階であって、毎秒パルス信号の位相は、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相である、段階と、毎秒パルス信号及び秒値に従って、タイムスタンプを生成する段階と、タイムスタンプを保持する同期メッセージを第2の通信デバイスに送信し、第2の通信デバイスに、タイムスタンプに従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を取得させる段階と、を含む。
【0007】
第1の態様に関連して、第1の可能な実装方式において、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する段階は、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を、式
【数1】
に従って、秒値に変換する段階を含む。ここで、SecondCounterは、変換後に取得される秒値であり、nは、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であって、n=a×(k−100×m)であり、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルであり、a、b、k、及びmは、正の整数であって、m<k/100、かつb>m/kである。
【0008】
第1の態様又は第1の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第2の可能な実装方式において、方法は、第1の通信デバイスがビルベースバンドユニットBBUであり、第2の通信デバイスが遠隔無線ユニットRRUであること、又は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方がBBUであることをさらに含む。
【0009】
本発明の第2の態様は、データ送信方法を提供する。方法は、イーサネット(登録商標)において、公衆無線インタフェースCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられる。イーサネット(登録商標)は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含み、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。方法は、タイムスタンプを保持し、かつ、第1の通信デバイスによって送信される同期メッセージを、第2の通信デバイスによって受信する段階であって、タイムスタンプは、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相に従って生成される、段階と、タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、秒値に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を決定し、毎秒パルス信号に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を決定する段階と、を含む。
【0010】
第2の態様に関連して、第1の可能な実装方式において、秒値に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を決定する段階は、式n=(SecondCounter×100)Mod(k)を用いて、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を算出する段階を含む。ここで、Modは、剰余演算符号であり、nは、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であり、SecondCounterは、秒値を表し、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルを表す。
【0011】
第2の態様又は第1の態様の第2の可能な実装方式に関連して、第2の可能な実装方式において、方法は、タイムスタンプによって示される時刻t1を記録し、同期メッセージを受信した時刻t2を記録する段階と、第1の通信デバイスに遅延要求メッセージを送信し、遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録する段階と、第1の通信デバイスによって返信された遅延応答メッセージを受信し、第1の通信デバイスによって遅延要求メッセージを受信した時刻t4を記録する段階であって、遅延応答メッセージは、時刻t4を保持する、段階と、時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、タイムオフセットに従って、第1の通信デバイスと同期するように、第2の通信デバイスのローカルクロックを調整する段階と、をさらに含む。
【0012】
本発明の第3の態様は、通信デバイスを提供する。デバイスは、イーサネット(登録商標)において用いられる。イーサネット(登録商標)は、通信デバイス及び他の通信デバイスを含み、通信デバイス及び他の通信デバイスの両方は、公衆無線インタフェースCPRIプロトコルで動作し、通信デバイスは、CPRIデータフレームを選択し、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換するように構成され、同期メッセージを生成するようにさらに構成されるプロセッサと、毎秒パルス信号を生成するように構成される信号生成器であって、毎秒パルス信号の位相は、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相である、信号生成器と、毎秒パルス信号及び秒値に従って、タイムスタンプを生成し、同期メッセージにタイムスタンプを追加するように構成されるタイムスタンプ生成回路と、タイムスタンプを保持する同期メッセージを第2の通信デバイスに送信し、第2の通信デバイスに、タイムスタンプに従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を取得させるように構成される送信器と、を含む。
【0013】
第2の態様に関連して、第1の可能な実装方式において、プロセッサは、式
【数2】
に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換するように具体的に構成される。ここで、SecondCounterは、変換後に取得される秒値であり、nは、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であって、n=a×(k−100×m)であり、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルであり、a、b、k、及びmは、正の整数であって、m<k/100、かつb>m/kである。
【0014】
第2の態様又は第1の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第2の可能な実装方式において、通信デバイスは、ビルベースバンドユニットBBUであり、他の通信デバイスは、遠隔無線ユニットRRUである、又は、通信デバイス及び他の通信デバイスの両方は、BBUである。
【0015】
本発明の第4の態様は、通信デバイスを提供する。デバイスは、イーサネット(登録商標)において用いられる。イーサネット(登録商標)は、通信デバイス及び他の通信デバイスを含み、通信デバイス及び他の通信デバイスの両方は、公衆無線インタフェースCPRIプロトコルで動作する。通信デバイスは、タイムスタンプを保持し、かつ、他の通信デバイスによって送信される同期メッセージを受信するように構成される受信器であって、タイムスタンプは、他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相に従って生成される、受信器と、タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、秒値に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を復元し、毎秒パルス信号に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を決定するように構成されるプロセッサと、を含む。
【0016】
第4の態様に関連して、第1の可能な実装方式において、プロセッサは、式n=(SecondCounter×100)Mod(k)を用いて、他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を算出するように具体的に構成される。ここで、Modは、剰余演算符号であり、nは、他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であり、SecondCounterは、秒値を表し、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルを表す。
【0017】
第4の態様又は第1の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第2の可能な実装方式において、デバイスは、送信器及びメモリをさらに含む。送信器は、他の通信デバイスに遅延要求メッセージを送信するように構成され、受信器は、他の通信デバイスによって返信された遅延応答メッセージを受信するようにさらに構成され、遅延応答メッセージは、他の通信デバイスによって遅延要求メッセージを受信した時刻t4を保持し、メモリは、タイムスタンプによって示される時刻t1を記録し、同期メッセージを受信した時刻t2を記録し、遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録し、遅延応答メッセージにおいて保持される時刻t4を記録するように構成され、プロセッサは、時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、タイムオフセットに従って、他の通信デバイスと同期するように、第2の通信デバイスのローカルクロックを調整するようにさらに構成される。
【0018】
本発明の第5の態様は、イーサネット(登録商標)通信システムを提供する。システムは、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含み、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。第1の通信デバイスは、本発明の第3の態様において説明された通信デバイスであり、第2の通信デバイスは、本発明の第4の態様において説明された通信デバイスである。
【0019】
上述の内容から、本発明の実施形態は、CPRIデータフレームが選択され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号が秒値に変換され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を毎秒パルス信号の位相として用いることによって、対応する毎秒パルス信号が生成され、タイムスタンプが、毎秒パルス信号及び秒値に従って生成され、タイムスタンプを保持する同期メッセージが送信されるという技術的解決手段を用いることが認識されよう。
【0020】
従って、第1の通信デバイスは、フレーム番号及びフレーム位相情報を保持するタイムスタンプを第2の通信デバイスに送信してよく、第2の通信デバイスは、受信されたタイムスタンプに従って、対応CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を復元してよく、これにより、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相が送信不可能であるという従来技術の技術的課題を解消する。さらに、第2の通信デバイスは、送信されたフレーム番号及びフレーム位相に基づいて、第1の通信デバイスと同期し、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係を保証してよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明すべく、以下、実施形態及び従来技術の説明に必要な添付図面を簡潔に紹介する。以下の説明における添付図面が、本発明のいくつかの実施形態を示すに過ぎないことは明らかであり、当業者であれば、創造的努力なく、これらの添付図面から他の図面をさらに導出しよう。
図1】本発明の実施形態1に係るデータ送信方法の模式図である。
図2】時刻同期方法の模式図である。
図3】本発明の実施形態2に係るデータ送信方法の模式図である。
図4】本発明の実施形態2に係る他のデータ送信方法の模式図である。
図5】本発明の実施形態3に係る通信デバイスの模式図である。
図6a】本発明の実施形態4に係る通信デバイスの模式図である。
図6b】本発明の実施形態4に係る他の通信デバイスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態は、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられるデータ送信方法を提供する。本発明の実施形態は、関連する通信デバイス及びシステムをさらに提供する。
【0023】
本発明における技術的解決手段を当業者により理解せしめるべく、以下、本発明の実施形態における添付図面を参照して、本発明の実施形態における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。説明される実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、その一部に過ぎないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者によって、創造的努力なく得られた全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲に属するものとする。
【0024】
本発明の実施形態における技術的解決手段は、無線基地局内で用いられる。本発明の実施形態において、REC及びRE、又はREC及びREC、又はRE及びREのような内部無線基地局デバイスは、イーサネット(登録商標)技術を用いることによって接続される。
【0025】
イーサネット(登録商標)技術は、ベースバンドローカルエリアネットワークの仕様である。イーサネット(登録商標)は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection、搬送波感知多重アクセス/衝突検出)技術を用いることによって、複数のタイプのケーブルにおいて動作する。パケットスイッチ技術に基づくイーサネット(登録商標)の物理層プロトコルは、固定されたタイムスロットサイクルを有さない。イーサネット(登録商標)における1つのデータパケットと他のデータパケットとの間の時間は、固定されていない。従って、厳密なタイミング関係は、イーサネット(登録商標)技術を用いることによるデータ送信において保証不可能である。
【0026】
選択的に、本発明の実施形態において説明されるRECは、具体的には、BBU(Building Base band Unit、ビルベースバンドユニット)であってよく、REは、具体的には、RRU(Remote Radio Unit、遠隔無線ユニット)であってよい。
【0027】
本発明の実施形態において、REC及びREデバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作し、インタフェース仕様として、CPRIプロトコルを用いる。CPRIプロトコルにおいて特定されるデータフレーム(略して、CPRIデータフレーム)は、固定されたフレーム長(例えば、10ミリ秒)を有し、隣接するデータフレーム間のインターバル長も、同じである。CPRIデータフレームは、フレーム番号又はフレーム位相のような属性を有する。フレーム番号は、データフレームの番号であり、周期的である。フレーム番号サイクルは、CPRIプロトコルにおいて定義される。フレーム位相は、フレームタイミングと称されてもよく、データフレームの開始時刻を表すために用いられる。各CPRIデータフレームのタイムドメイン位置は、各CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相に従って、特定可能である。
【0028】
本発明の実施形態において、無線基地局内におけるREC又はREのような一方のデバイスが、他方のデバイス、すなわち、対応するRE又はRECにCPRIデータフレームを送信する必要がある場合、その一方のデバイスは、送信対象のCPRIデータフレームをイーサネット(登録商標)データパケットに変換し、次に、イーサネット(登録商標)接続を用いることによって、他方のデバイスにイーサネット(登録商標)データパケットを送信する必要がある。他方のデバイスは、受信されたイーサネット(登録商標)データパケットをCPRIデータフレームに再変換する。他方のデバイスは、1つ又は複数のCPRIデータフレームの1つ又は複数のフレーム番号及びフレーム位相を認識し、双方のデバイスを同期させる必要があり、取得された1つ又は複数のフレーム番号によって示される1つ又は複数のCPRIデータフレームの1つ又は複数のフレーム位相は、時刻基準として用いられる。従って、本発明の実施形態は、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するための技術的解決手段を提供する。
【0029】
以下において、本発明の技術的解決手段は、特定の実施形態を参照して、別個に詳述される。
【0030】
[実施形態1]
図1を参照すると、本発明の実施形態は、データ送信方法を提供する。方法は、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられる。イーサネット(登録商標)は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含み、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。
【0031】
方法は、以下の段階を含んでよい。
【0032】
110.第1の通信デバイスは、CPRIデータフレームを選択し、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する。
【0033】
本発明の本実施形態において、(REC又はREのような)第1の通信デバイス及び(REC又はREのような)第2の通信デバイスは、イーサネット(登録商標)技術を用いることによって接続される。第1の通信デバイスが第2の通信デバイスにCPRIデータフレームを送信する必要がある場合、第1の通信デバイスは、送信対象のCPRIデータフレームをイーサネット(登録商標)データパケットに変換し、次に、イーサネット(登録商標)接続を用いることによって、第2の通信デバイスにイーサネット(登録商標)データパケットを送信する必要がある。イーサネット(登録商標)データパケットを受信した後で、第2の通信デバイスは、イーサネット(登録商標)データパケットを変換し、CPRIデータフレームを復元する必要がある。第2の通信デバイスは、少なくとも1つのCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を取得し、双方のデバイスを同期させる必要がある。取得されたフレーム番号によって示されるCPRIデータフレームのフレーム位相は、時刻基準として用いられる。
【0034】
CPRIデータフレームのフレーム番号サイクルは、CPRIプロトコルにおいて特定される。各サイクルのフレーム番号は、連続的に、1、2、…、kである。ここで、kは、4096のような正の整数である。第1の通信デバイスは、各サイクルにおいて1つのみのデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を第2の通信デバイスに送信する必要があり、これにより、第2の通信デバイスは、データフレームのフレーム番号及びフレーム位相に基づいて、フレーム番号サイクル全体における全てのCPRIデータフレームを特定することができる。
【0035】
本発明の本実施形態において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相は、時刻同期技術を用いることによって送信される。フレーム番号は、フレーム番号を秒値に変換することによって送信される。本発明の本実施形態において、変換アルゴリズムは、第1の通信デバイスにおいて予め設定されてよい。第1の通信デバイスは、予め設定された変換アルゴリズムに従って、そのフレーム番号がnであるCPRIデータフレームのようなCPRIデータフレームを予め選択してよい。ここで、nは、正の整数であり、フレーム番号nは、対応する秒値に変換される。CPRIデータフレームをどのように選択するかは、予め設定された変換アルゴリズムに従って決定されてよい。異なる変換アルゴリズムは、異なるフレーム番号を選択する必要がある。
【0036】
120.毎秒パルス信号を生成する。毎秒パルス信号の位相は、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相である。
【0037】
本発明の本実施形態において、CPRIデータフレームのフレーム位相は、毎秒パルス信号の位相に変換され、時刻同期技術を用いることによって、CPRIデータフレームのフレーム位相を送信する。選択されたフレーム番号を秒値に変換した後で、第1の通信デバイスは、秒値に対応する毎秒パルス信号を生成してよい。毎秒パルス信号は、毎秒1回のパルス信号、すなわち、1PPS(パルス毎秒、1pps=1Hz=1回/秒)信号である。本発明の本実施形態において、秒値に対応するCPRIデータフレームのフレーム位相は、毎秒パルス信号の位相として直接用いられる。フレーム位相は、CPRIデータフレームの開始時刻を指す。毎秒パルス信号の位相は、毎秒パルス信号の開始時刻を指す。すなわち、毎秒パルス信号の開始時刻は、秒値に対応するフレームの開始時刻と同じである。
【0038】
130.毎秒パルス信号及び秒値に従って、タイムスタンプを生成し、タイムスタンプを保持する同期メッセージを第2の通信デバイスに送信し、第2の通信デバイスに、タイムスタンプに従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を取得させる。
【0039】
本発明の本実施形態において、第1の通信デバイスは、時刻同期技術を用いることによって、毎秒パルス信号及び秒値に従って、タイムスタンプを生成してよい。タイムスタンプ情報は、秒値及び毎秒パルス信号の位相を保持する。秒は、単位として用いられ、タイムスタンプの整数部分は、秒値を示すために用いられ、小数部分は、毎秒パルス信号の位相を示すために用いられる。
【0040】
例えば、第1の通信デバイスは、毎秒パルス信号に対して周波数多重化を実行し、1KHz、1MHz、又はこれらより高い周波数の高周波数クロック信号のような高周波数クロック信号を取得し、高周波数クロック信号を基準として用いてよい。すなわち、タイマは、ナノ秒毎に1回のような高周波数クロック信号の周波数に従って、時刻を記録する。第1の通信デバイスは、15秒12ナノ秒のようなタイムスタンプを生成するためのカウント値を、ランダムに選択してよい。ここで、15秒は、秒値を示し、12ナノ秒は、秒位相を示すために用いられてよい。秒位相は、フレーム位相である。第1の通信デバイスは、生成されたタイムスタンプを保持する同期メッセージ(Syncメッセージ)を、第2の通信デバイスに送信してよい。
【0041】
タイムスタンプを保持する同期メッセージを受信した後で、第2の通信デバイスは、タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、次に、変換によって、秒値に従って、対応するフレームのフレーム番号を取得し、毎秒パルス信号に従って、CPRIデータフレームのフレーム位相を決定することができる。
【0042】
選択的に、本発明のいくつかの実施形態において、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する段階110は、
以下の式(1)において示される変換アルゴリズムに従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換する段階を含んでよい。
【数3】
ここで、SecondCounterは、変換後に取得される秒値であり、nは、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であって、n=a×(k−100×m)であり、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルであり、a、b、k、及びmは、正の整数であって、m<k/100、かつb>m/kである。
【0043】
例えば、k=4096、m=40、b=1、a=1、及びn=96と仮定すると、これにより、取得される秒値は、
【数4】
である。
【0044】
第1の通信デバイスによって第2の通信デバイスに送信されるタイムスタンプは、4056秒プラス数ナノ秒(例えば、4056秒37ナノ秒)である。第1の通信デバイスによって送信されたタイムスタンプを受信した後で、第2の通信デバイスは、4056のような対応する秒値を決定し、次に、式(2)に従って、対応するフレーム番号(第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号)を復元する。
【数5】
ここで、Modは、剰余演算符号であり、nは、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を示し、SecondCounterは、秒値を示し、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルである。SecondCounter=4056は、例として用いられ、フレーム番号nは、以下の通り算出される。
n=(4056×100)Mod(4096)=96
【0045】
以下、前述のアルゴリズムをさらに説明する。式(1)は、以下の通り変形されてよい。
【数6】
【0046】
前述の式から、左項
【数7】
は、100で乗算され、次に、kで除算され、整数100×a×b−aを得て、右項
【数8】
は、100で乗算され、次に、kで除算され、剰余nを得ることが、容易に認識されよう。
【0047】
前述の変換アルゴリズムは、本発明の例に過ぎず、他の変換アルゴリズムが、他の実装方式で用いられてよいことに留意されたい。
【0048】
本実施形態において、第1の通信デバイスによって送信され、かつ、フレーム番号及びフレーム位相を示すために用いられるタイムスタンプを取得した後で、第2の通信デバイスは、引き続き時刻同期手続きを実行し、第2の通信デバイスと第1の通信デバイスとの間のタイムオフセットをさらに決定し、双方の通信デバイスを同期させてよい。図2を参照すると、時刻同期技術は、以下を含んでよい。
【0049】
マスタノード(マスタ)デバイスは、ローカルクロック(マスタクロック)に従って、秒値(例えば、15秒)及び対応する毎秒パルス信号(1PPS信号)を生成し、毎秒パルス信号に従って、高周波数クロック信号を生成し、秒値及び毎秒パルス信号に従って、かつ、基準として高周波数クロック信号を用いることによって、タイムスタンプ(例えば、15秒10ナノ秒)を生成する。タイムスタンプは、秒値(例えば、15秒10ナノ秒の15秒)及び秒位相(例えば、15秒10ナノ秒の10ナノ秒)を示すために用いられてよい。秒位相は、秒値によって示される1秒の時間長の開始時刻を示すために用いられてよい。
【0050】
マスタデバイスは、タイムスタンプを保持する同期メッセージ(Syncメッセージ)を、スレーブノード(スレーブ)デバイスに送信する。タイムスタンプによって示される時刻を、t1と仮定する。
【0051】
スレーブデバイスは、同期メッセージを受信し、時刻t1を取得し、同期メッセージを受信した時刻t2を記録する。
【0052】
スレーブデバイスは、次に、遅延要求(Delay_Req)メッセージをマスタデバイスに送信し、Delay_Reqメッセージを送信した時刻t3を記録する。
【0053】
マスタデバイスは、Delay_Reqメッセージを受信し、Delay_Respメッセージを受信した時刻t4を記録し、時刻t4を保持する遅延応答(Delay_Resp)メッセージを、スレーブデバイスに返信する。
【0054】
スレーブデバイスは、Delay_Respメッセージを受信し、Delay_Respメッセージにおいて保持される時刻t4を取得する。
【0055】
スレーブデバイスは、タイムオフセットを算出し、時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、遅延Delayを送信する。ここで、計算式は、
t2−t1=Delay+Offset
t4−t3=Delay−Offset
である。
【0056】
スレーブデバイスは、継続して、1つ又は複数の時刻に対して算出された1つ又は複数のタイムオフセットOffsetに従って、ローカルクロック(スレーブクロック)を調整してよい。最後に、Offsetは、0付近に収束し、スレーブデバイスとマスタデバイスとの間の時刻同期が実現される。
【0057】
本発明の本実施形態において、時刻t1は、第1の通信デバイスによって送信された同期メッセージにおいて保持されるタイムスタンプによって示されると仮定する。前述の方法は、段階130の後に、以下の段階をさらに含んでよい。第2の通信デバイスは、同期メッセージを受信した時刻t2を記録する。
【0058】
次に、第2の通信デバイスは、第1の通信デバイスに遅延要求メッセージを送信し、遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録してよい。
【0059】
第1の通信デバイスは、遅延要求メッセージを受信した時刻t4を記録し、第2の通信デバイスに遅延応答メッセージを送信する。遅延応答メッセージは、第1の通信デバイスによって遅延要求メッセージを受信した時刻t4を保持する。
【0060】
従って、第2の通信デバイスは、時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、タイムオフセットに従って、第2の通信デバイスのローカルクロックを調整し、第1の通信デバイスと同期し、第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとの間におけるデータ送信のタイミング関係を保証する。
【0061】
本発明の本実施形態における前述の解決手段は、具体的には、REC及びREのようなデバイスに実装されてよいことが理解されよう。具体的には、第1の通信デバイスは、RECであってよく、第2の通信デバイスは、REC又はREであってよい、又は、第1の通信デバイスは、REであってよく、第2の通信デバイスは、REC又はREであってよい。RECは、具体的には、BBUであってよく、REは、具体的には、RRUであってよい。
【0062】
上述の内容から、本発明の本実施形態は、CPRIデータフレームが選択され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号が秒値に変換され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を毎秒パルス信号の位相として用いることによって、対応する毎秒パルス信号が生成され、タイムスタンプが、毎秒パルス信号及び秒値に従って生成され、タイムスタンプを保持する同期メッセージが送信されるという技術的解決手段を用いることが認識されよう。
【0063】
従って、第1の通信デバイスは、フレーム番号及びフレーム位相情報を保持するタイムスタンプを第2の通信デバイスに送信してよく、第2の通信デバイスは、受信されたタイムスタンプに従って、対応CPRIデータフレームのフレーム番号及び位相を復元してよく、これにより、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相が送信不可能であるという従来技術の技術的課題を解消する。さらに、第2の通信デバイスは、送信されたフレーム番号及びフレーム位相に基づいて、第1の通信デバイスと同期し、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係を保証してよい。
【0064】
[実施形態2]
図3を参照すると、本発明の実施形態は、他のデータ送信方法を提供する。方法は、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を送信するために用いられる。イーサネット(登録商標)は、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含み、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。方法は、以下の段階を含んでよい。
【0065】
210.第2の通信デバイスは、タイムスタンプを保持し、かつ、第1の通信デバイスによって送信される同期メッセージを受信する。
【0066】
タイムスタンプは、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及び位相に従って生成される。詳細な説明については、実施形態1を参照されたい。
【0067】
220.タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、秒値に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を決定し、毎秒パルス信号に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を決定する。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、秒値に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を決定する段階220は、式n=(SecondCounter×100)Mod(k)を用いて、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を算出する段階を含む。ここで、Modは、剰余演算符号であり、nは、第1の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であり、SecondCounterは、秒値を示し、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルである。
【0069】
前述のとおり、第1の通信デバイスは、タイムスタンプを保持する同期メッセージを、第2の通信デバイスに送信する。すなわち、フレーム番号及びフレーム位相が送信される。続いて、時刻同期手続きが継続的に実行され、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを同期し、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係を保証してよい。
【0070】
図4を参照すると、本発明のいくつかの実施形態において、方法は、以下の段階をさらに含む。
【0071】
230.タイムスタンプによって示される時刻t1を記録し、同期メッセージを受信した時刻t2を記録する。
【0072】
240.第1の通信デバイスに遅延要求メッセージを送信し、遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録する。
【0073】
250.第1の通信デバイスによって返信された遅延応答メッセージであって、第1の通信デバイスによって遅延要求メッセージを受信した時刻t4を保持する遅延応答メッセージ受信し、時刻t4を記録する。
【0074】
260.時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、タイムオフセットに従って、第2の通信デバイスのローカルクロックを調整し、第1の通信デバイスと同期する。
【0075】
本発明の本実施形態における方法のより詳細な説明は、実施形態1を参照されたい。
【0076】
上述の内容から、本発明の本実施形態は、CPRIデータフレームが選択され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号が秒値に変換され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を毎秒パルス信号の位相として用いることによって、対応する毎秒パルス信号が生成され、タイムスタンプが、毎秒パルス信号及び秒値に従って生成され、タイムスタンプを保持する同期メッセージが送信されるという技術的解決手段を用いることが認識されよう。
【0077】
従って、第1の通信デバイスは、フレーム番号及びフレーム位相情報を保持するタイムスタンプを第2の通信デバイスに送信してよく、第2の通信デバイスは、受信されたタイムスタンプに従って、対応CPRIデータフレームのフレーム番号及び位相を復元してよく、これにより、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相が送信不可能であるという従来技術の技術的課題を解消する。さらに、第2の通信デバイスは、送信されたフレーム番号及びフレーム位相に基づいて、第1の通信デバイスと同期し、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係を保証してよい。
【0078】
本発明の実施形態における前述の解決手段をより好適に実施すべく、前述の解決手段を連携して実施するために用いられる関連装置が、以下、さらに提供される。
【0079】
[実施形態3]
図5を参照すると、本発明の実施形態は、通信デバイス50を提供する。デバイスは、イーサネット(登録商標)において用いられ、イーサネット(登録商標)は、通信デバイス及び他の通信デバイスを含む。通信デバイス及び他の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。通信デバイスは、
CPRIデータフレームを選択し、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換するように構成され、同期メッセージを生成するようにさらに構成されるプロセッサ510と、
毎秒パルス信号を生成するように構成される信号生成器であって、毎秒パルス信号の位相は、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相である、信号生成器520と、
毎秒パルス信号及び秒値に従って、タイムスタンプを生成し、同期メッセージにタイムスタンプを追加するように構成されるタイムスタンプ生成回路530と、
タイムスタンプを保持する同期メッセージを第2の通信デバイスに送信し、第2の通信デバイスに、タイムスタンプに従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相を取得させるように構成される送信器540と、
を含んでよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態において、プロセッサ510は、式
【数9】
に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を秒値に変換するように具体的に構成される。ここで、ここで、SecondCounterは、変換後に取得される秒値であり、nは、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であって、n=a×(k−100×m)であり、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルであり、a、b、k、及びmは、正の整数であって、m<k/100、かつb>m/kである。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態において、通信デバイスは、ビルベースバンドユニットBBUであり、他の通信デバイスは、遠隔無線ユニットRRUである、又は、通信デバイス及び他の通信デバイスの両方は、BBUである。
【0082】
本発明の本実施形態における通信デバイスの機能モジュールの機能は、具体的には、前述された方法の実施形態における方法に従って、実装されてよいことが理解されよう。機能の特定の実装プロセスについては、前述された方法の実施形態の関連する説明を参照されたい。詳細は、本明細書において再度説明されない。
【0083】
上述の内容から、本発明の本実施形態は、CPRIデータフレームが選択され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号が秒値に変換され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を毎秒パルス信号の位相として用いることによって、対応する毎秒パルス信号が生成され、タイムスタンプが、毎秒パルス信号及び秒値に従って生成され、タイムスタンプを保持する同期メッセージが送信されるという技術的解決手段を用いることが認識されよう。
【0084】
従って、第1の通信デバイスは、フレーム番号及びフレーム位相情報を保持するタイムスタンプを第2の通信デバイスに送信してよく、第2の通信デバイスは、受信されたタイムスタンプに従って、対応CPRIデータフレームのフレーム番号及び位相を復元してよく、これにより、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相が送信不可能であるという従来技術の技術的課題を解消する。さらに、第2の通信デバイスは、送信されたフレーム番号及びフレーム位相に基づいて、第1の通信デバイスと同期し、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係を保証してよい。
【0085】
[実施形態4]
図6aを参照すると、本発明の実施形態は、通信デバイス60を提供する。デバイスは、イーサネット(登録商標)において用いられ、イーサネット(登録商標)は、通信デバイス及び他の通信デバイスを含む。通信デバイス及び他の通信デバイスの両方は、公衆無線インタフェースCPRIプロトコルで動作する。通信デバイスは、
タイムスタンプを保持し、かつ、他の通信デバイスによって送信される同期メッセージを受信するように構成される受信器610であって、タイムスタンプは、他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相に従って生成される、受信器610と、
タイムスタンプに対応する秒値及び毎秒パルス信号を決定し、秒値に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を復元し、毎秒パルス信号に従って、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を決定するように構成されるプロセッサ620と、
を含んでよい。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態において、プロセッサ620は、式n=(SecondCounter×100)Mod(k)を用いて、他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号を算出するように具体的に構成され、Modは、剰余演算符号であり、nは、他の通信デバイスによって選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号であり、SecondCounterは、秒値を表し、kは、CPRIプロトコルにおいて特定されるフレーム番号サイクルを表す。
【0087】
図6bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態において、通信デバイスは、送信器630及びメモリ640をさらに含んでよい。
【0088】
送信器630は、他の通信デバイスに、遅延要求メッセージを送信するように構成される。
【0089】
受信器610は、他の通信デバイスによって返信された遅延応答メッセージを受信するようにさらに構成され、遅延応答メッセージは、他の通信デバイスによって遅延要求メッセージを受信した時刻t4を保持する。
【0090】
メモリ640は、タイムスタンプによって示される時刻t1を記録し、同期メッセージを受信した時刻t2を記録し、遅延要求メッセージを送信した時刻t3を記録し、遅延応答メッセージにおいて保持される時刻t4を記録するように構成される。
【0091】
プロセッサ620は、時刻t1、t2、t3、及びt4に従って、タイムオフセットを算出し、タイムオフセットに従って、第2の通信デバイスのローカルクロックを調整し、他の通信デバイスと同期するようにさらに構成される。
【0092】
本発明の本実施形態における通信デバイスは、RECデバイス又はREデバイスであってよい。
【0093】
本発明の本実施形態における通信デバイスの機能モジュールの機能は、具体的には、前述された方法の実施形態における方法に従って、実装されてよいことが理解されよう。機能の特定の実装プロセスについては、前述された方法の実施形態の関連する説明を参照されたい。詳細は、本明細書において再度説明されない。
【0094】
上述の内容から、本発明の本実施形態は、CPRIデータフレームが選択され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム番号が秒値に変換され、選択されたCPRIデータフレームのフレーム位相を毎秒パルス信号の位相として用いることによって、対応する毎秒パルス信号が生成され、タイムスタンプが、毎秒パルス信号及び秒値に従って生成され、タイムスタンプを保持する同期メッセージが送信されるという技術的解決手段を用いることが認識されよう。
【0095】
従って、第1の通信デバイスは、フレーム番号及びフレーム位相情報を保持するタイムスタンプを第2の通信デバイスに送信してよく、第2の通信デバイスは、受信されたタイムスタンプに従って、対応CPRIデータフレームのフレーム番号及び位相を復元してよく、これにより、イーサネット(登録商標)において、CPRIデータフレームのフレーム番号及びフレーム位相が送信不可能であるという従来技術の技術的課題を解消する。さらに、第2の通信デバイスは、送信されたフレーム番号及びフレーム位相に基づいて、第1の通信デバイスと同期し、内部無線基地局デバイス間におけるデータ送信のタイミング関係を保証してよい。
【0096】
本発明の実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体は、プログラムを格納することができ、プログラムは、前述された方法の実施形態において記録された、イーサネット(登録商標)においてフレーム情報を送信するための方法におけるいくつか又は全ての段階を実行する。
【0097】
本発明の実施形態は、イーサネット(登録商標)システムをさらに提供する。システムは、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスを含む。第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスの両方は、CPRIプロトコルで動作する。第1の通信デバイスは、本発明の実施形態3において説明された通信デバイスであり、第2の通信デバイスは、本発明の実施形態4において説明された通信デバイスである。
【0098】
前述の実施形態において、各実施形態の説明は、それぞれの焦点を有する。実施形態において詳述されない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照されたい。
【0099】
説明の容易化のために、前述された方法の実施形態は、一連の動作の組み合わせとして説明されていることに留意されたい。しかしながら、いくつかの段階は、本発明に従って、他の順序で実行されても同時に実行されてもよいので、当業者であれば、本発明が説明された動作の順序に限定されるものではないことを理解しよう。さらに、当業者であれば、本明細書において説明された全ての実施形態が、実施形態の例であり、関連する動作及びモジュールは、本発明にとって必ずしも必須ではないことをも理解しよう。
【0100】
当業者であれば、実施形態における方法の段階の全て又は一部が、関連するハードウェアに命令するプログラムによって実装可能であることを理解しよう。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、又は光ディスクを含んでよい。
【0101】
前述のように、本発明の実施形態において提供されるデータ送信方法及び通信デバイスを詳細に説明した。本明細書において、具体例は、本発明の原則及び実装方式を説明するために用いられ、実施形態の説明は、本発明の方法及び核となる概念への理解を補助することのみが意図されている。さらに、当業者であれば、本発明の概念に基づいて、特定の実装方式及び適用範囲に対して変形を加えることができよう。従って、本明細書の内容は、本発明に対する限定として解釈されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b