(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ドライバが介入する必要なく、タイヤ圧の経時的な低下分を補償するように、タイヤ内の空気圧を維持する空気維持機構をタイヤ内に組み込むことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態では、空気タイヤアセンブリは、空気キャビティを有するタイヤと、空気キャビティと大気との間に配置され、多孔性プラスチックで構成されたフィルタ要素であって、フィルタ要素を空気タイヤに固定するねじ部を有しているフィルタ要素と第1のタイヤビード領域および第2のタイヤビード領域それぞれからタイヤトレッド領域に延びている第1および第2のサイドウォールであって、第1のサイドウォールが、回転するタイヤのフットプリントの径方向内側にあるときに屈曲させられる少なくとも1つの屈曲領域を有している、第1および第2のサイドウォールと、タイヤの第1のサイドウォールの屈曲領域内に配置された、溝壁面によって画定されたサイドウォール溝であって、第1のサイドウォールの屈曲領域が回転するタイヤのフットプリントの径方向内側にありながら屈曲するのに応答して、部分ごとに、変形していない状態と変形して狭窄した状態との間で変形するサイドウォール溝とを含む。空気通路がサイドウォール溝によって画定され、この空気通路は、サイドウォール溝の各部分が回転するタイヤのフットプリントの径方向内側にあるときに変形するのに応答して、部分ごとに、拡張した状態と少なくとも一部がつぶれた状態との間で変形する。
【0006】
この空気タイヤアセンブリの別の態様によれば、
フィルタ構造は、ポリアミド製である。
【0007】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、フィルタ要素は、フィルタ要素のねじ部に対応するねじ部を有するコネクタをさらに含む。
【0008】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、コネクタは、フィルタ要素のねじ部から離れた位置で空気タイヤに固定されている。
【0009】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、下塗りが、コネクタのむき出しの表面に塗布されている。
【0010】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、上塗りが、コネクタに塗布されている。
【0011】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、複合セメントが、コネクタに塗布されている。
【0012】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、下塗りは、180℃で8分間、コネクタのむき出しの表面まで乾燥させられている。
【0013】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、コネクタは、180℃で8分間、コネクタの下塗りまで乾燥させられている。
【0014】
この空気タイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、複合セメントは、上塗りを覆う溶媒中の均質スラリから調製されている。
【0015】
本発明の別の形態では、タイヤアセンブリは、空気キャビティを有するタイヤと、空気キャビティと大気との間に配置され、多孔性プラスチックで構成されたフィルタ要素であって、フィルタ要素を空気タイヤに固定するねじ部を有しているフィルタ要素と、第1のタイヤビード領域および第2のタイヤビード領域それぞれからタイヤトレッド領域に延びている第1および第2のサイドウォールであって、第1のサイドウォールが、回転するタイヤのフットプリントの径方向内側にあるときに屈曲させられる少なくとも1つの屈曲領域を有している、第1および第2のサイドウォールと、タイヤの第1のサイドウォールの屈曲領域内に配置された、溝によって画定されたサイドウォール溝であって、第1のサイドウォールの屈曲領域が回転するタイヤのフットプリントの径方向内側にありながら屈曲するのに応答して、部分ごとに、変形していない状態と変形して狭窄した状態との間で変形する溝とを含む。空気通路がサイドウォール溝によって画定される。この空気通路は、溝の各部分が回転するタイヤのフットプリントの径方向内側にあるときに変形するのに応答して、部分ごとに、拡張した状態と少なくとも一部がつぶれた状態との間で弾性変形する。
【0016】
このタイヤアセンブリの別の態様によれば、別個のチューブがサイドウォール溝内に配置され、この別個のチューブが、円形の空気通路を画定し、フィルタ要素は、この円形の空気通路内で動作する。
【0017】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、フィルタ要素は、フィルタ要素のねじ部に対応するねじ部を有するコネクタをさらに含む。
【0018】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、コネクタは、フィルタ要素のねじ部から離れた位置でタイヤに固定されている。
【0019】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、下塗りが、コネクタのむき出しの表面まで塗布されている。
【0020】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、上塗りが、コネクタに塗布されている。
【0021】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、複合セメントが、コネクタに塗布されている。
【0022】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、下塗りは、180℃で8分間、コネクタのむき出しの表面まで乾燥させられている。
【0023】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、コネクタは、180℃で8分間、コネクタの下塗りまで乾燥させられている。
【0024】
このタイヤアセンブリのさらに別の態様によれば、複合セメントは、上塗りを覆う溶媒中の均質スラリから調製されている。
【0025】
(定義)
タイヤの「アスペクト比(aspect ratio)」は、タイヤの断面高さ(SH)とタイヤの断面幅(SW)との比に100パーセントを掛け、百分率として表したものを意味する。
【0026】
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面すなわち赤道面EPに関して対称的でないトレッドパターンを有するトレッドを意味する。
【0027】
「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸に平行な線または方向を意味する。
【0028】
「チェーファー」は、リムとの接触によってコードプライが摩耗したり切れたりしないように保護し、リム上方の屈曲を分散するためにタイヤビードの外側の周囲に配置される細長い材料細片を意味する。
【0029】
「周方向」は、軸方向に対して直交する、環状のトレッドの表面の外周に沿って延びる線または方向を意味する。
【0030】
「赤道中心面(CP)」は、タイヤの回転軸に対して直交し、かつトレッドの中心を通る平面を意味する。
【0031】
「フットプリント」は、速度がゼロかつ標準荷重および標準圧力の下での、タイヤのトレッドの接地面、すなわちタイヤのトレッドが平坦な表面と接触する領域を意味する。
【0032】
「溝(グルーブ:Groove)」は、空気チューブをその中に受けるような寸法および構成の断面を有する、タイヤに形成された細長い空隙領域を意味する。
【0033】
「インボード側」は、タイヤをホイールに取り付け、ホイールを車体に取り付けたときに、タイヤの車体に最も近くなる側を意味する。
【0034】
「横方向」は、軸方向を意味する。
【0035】
「横方向縁部」は、タイヤが膨らんだ状態で標準荷重の下で測定した、軸方向に最も外側のトレッドの接地面またはフットプリントに接する線であり、赤道中心面に平行な線を意味する。
【0036】
「正味接触面積(Net contact area)」は、トレッドの全周にわたって両横方向縁部間で地面に接触するトレッド要素の合計面積を、両横方向縁部間のトレッド全体の総面積で割ったものを意味する。
【0037】
「非方向性トレッド」は、好ましい前進方向をもたず、乗り物の1つまたは複数の特定のホイール位置に配置されていなくてもトレッドパターンが確実に好ましい走行方向に揃うトレッドを意味する。逆に、方向性トレッドパターンは特定のホイールへの配置を必要とする好ましい走行方向を有する。
【0038】
「アウトボード側」は、タイヤをホイールに取り付け、ホイールを車体に取り付けたときに、タイヤの車体から最も遠くなる側を意味する。
【0039】
「蠕動性の(Peristaltic)」は、管状の通路に沿って、その中に入っている空気などの物質を推進させる波状の収縮による動作を意味する。
【0040】
「径方向の」および「径方向に」は、タイヤの回転軸に向かう、またはタイヤの回転軸から遠ざかる方向を意味する。
【0041】
「リブ」は、少なくとも1本の周方向溝と第2の周方向溝または横方向縁部とによって画定された、トレッド上にある周方向に延びるゴム細片であり、全深さの溝によって横方向に分割されない細片を意味する。
【0042】
「サイプ」は、トレッド表面を細分して牽引力を向上させる、トレッド要素に彫り込まれた小スロットを意味し、タイヤのフットプリント上で開いた状態になっている溝とは対照的に、概して幅が狭く、タイヤのフットプリント上で閉じた状態になっている。
【0043】
「トレッド要素」または「トラクション要素」は、両隣に溝を有する形状によって画定されるリブまたはブロック要素を意味する。
【0044】
「トレッドアーク幅」は、トレッドの両横方向縁部間で測定した、トレッドの円弧長を意味する。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、ドライバが介入する必要なく、タイヤ圧の経時的な低下分を補償するように、タイヤ内の空気圧を維持する空気維持機構が組み込まれた空気タイヤアセンブリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明による例示的なフィルタの概略図である。
【
図2】本発明の例示的なタイヤ/チューブアセンブリを示す側面図である。
【
図3A】例示的な排気コネクタを示す詳細図である。
【
図3B】例示的な排気コネクタを示す詳細図である。
【
図3C】例示的な排気コネクタを示す詳細図である。
【
図4A】例示的な吸気(フィルタ)コネクタを示す詳細図である。
【
図4B】例示的な吸気(フィルタ)コネクタを示す詳細図である。
【
図4C】例示的な吸気(フィルタ)コネクタを示す詳細図である。
【
図4D】例示的な吸気(フィルタ)コネクタを示す詳細図である。
【
図4E】例示的な吸気(フィルタ)コネクタを示す詳細図である。
【
図5A】空気をキャビティに移動(84)させながら回転する例示的なタイヤを示す側面図である。
【
図5B】空気でフィルタを洗浄しながら回転する例示的なタイヤを示す側面図である。
【
図6B】
図6A中に二点鎖線で示したチューブ領域の拡大詳細図であり、サイドウォールが圧縮されていない状態にある状態を示す図である。
【
図7B】
図7A中に二点鎖線で示したチューブ領域の拡大詳細図であり、サイドウォールが圧縮された状態にある状態を示す図である。
【
図8A】は、例示的なチューブおよび溝の詳細を示す、
図2の8A−8A線における拡大詳細図である。
【
図8B】例示的なチューブが圧縮されて溝内に挿入されようとしている詳細図である。
【
図8C】例示的なチューブが溝のリブ形成領域で溝内に完全に挿入された詳細図である。
【
図8D】チューブがリブ付き溝に挿入される分解展開図である。
【
図9】キャビティコネクタへの出口の両側に位置する例示的なリブ輪郭領域を示す、
図2中の二点鎖線の領域を拡大した詳細図である。
【
図10A】例示的なリブ輪郭を有する溝を示す拡大詳細図である。
【
図10B】例示的なリブ輪郭に圧入されたチューブを示す拡大詳細図である。
【
図11】キャビティコネクタへの出口の両側に位置する別の例示的なリブ輪郭領域を示す、
図2中の二点鎖線の領域を拡大した詳細図である。
【
図12A】他の例示的なリブ輪郭を有する溝を示す拡大詳細図である。
【
図12B】他の例示的なリブ輪郭に圧入されたチューブを示す拡大詳細図である。
【
図13A】別の例示的なチューブおよび溝の詳細を示す拡大図である。
【
図13B】
図13Aのチューブが圧縮されて溝内に挿入されようとしている詳細図である。
【
図14A】第3の例のチューブおよび溝の詳細を示す拡大図である。
【
図14B】
図14Aのチューブが圧縮されて溝内に挿入されようとしている詳細図である。
【
図15A】第4の例のチューブおよび溝の詳細を示す拡大図である。
【
図15B】
図15Aのチューブが圧縮されて溝内に挿入されようとしている詳細図である。
【
図16】例示的なタイヤとチューブのアセンブリとを示す等角投影展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
例示として、添付の図面を参照して本発明について説明する。
【0048】
図16、
図2および
図6Aを参照すると、例示的なタイヤアセンブリ10は、タイヤ12、蠕動ポンプアセンブリ14、およびタイヤリム16を含んでいる。タイヤは、従来の方法で、外側リムフランジ22、24に隣接する1対のリム取付け表面18、20に取り付けられる。各リムフランジ22、24は、径方向外側に向いたフランジ端部26を有する。リム本体28は、図示のようにタイヤアセンブリ10を支持している。タイヤ12は、対向するビード領域34、36からクラウンすなわちタイヤトレッド領域38に延びている1対のサイドウォール30、32を有する、従来の構造であってもよい。タイヤ12とリム16とで、タイヤキャビティ40を囲んでいる。
【0049】
図2、
図3A、
図3B、
図3C、
図6Bおよび
図8Aから分かるように、この例示的な蠕動ポンプアセンブリ14は、環状通路43を囲む環状空気チューブ42を含んでいる。チューブ42は、外力を受けて平らな状態になった後に外力を受けなくなって元の概ね円形断面の状態に戻る変形サイクルの繰返しに耐えることができるプラスチックまたはゴム化合物など、弾性のある可撓性材料で構成される。チューブ42は、本明細書に記載の目的のために、また後述するようにタイヤアセンブリ10内の動作可能な位置にチューブを配置できるようにするために、ある体積の空気を動作可能なように通すのに十分な直径を有している。この図示の例示的な構成では、チューブ42は、平らな(閉じた)チューブ後端部48から丸い(開いた)チューブ前端部50に延びている対向するチューブ側壁44、46を有する、細長い概して楕円形の断面形状にされている。チューブ42は、概ね半円形の断面を有する長手方向外側に突出する1対のロック用戻り止めリブ52、54を有しており、各リブは、それぞれ側壁44、46の外側表面に沿って延びている。
【0050】
図8Aに示すように、チューブ42は、3.65mmから3.80mmの範囲内の長さL1と、2.2mmから3.8mmの範囲内の幅D1と、0.8mmから1.0mmの範囲内の後端部幅D3とを有している。突出する各戻り止めリブ52、54は、0.2mmから0.5mmの範囲内の曲率半径R2を有しており、各リブは、チューブ後端部48から1.8mmから2.0mmの範囲内の距離L3の位置に位置している。チューブ42の前端部50は、1.1mmから1.9mmの範囲内の半径R1を有している。チューブ42内の空気通路43も、同様に、2.2mmから2.3mmの範囲内の長さL2および0.5mmから0.9mmの範囲内の幅D2を有する、概ね楕円形にしている。
【0051】
チューブ42は、溝56に挿入されるような輪郭にされ、かつ幾何学的に構成されている。溝56は、チューブ42の楕円形上と相補的な、3.65mmから3.80mmの範囲内の長さL1を有する細長い概ね楕円形の構成を有している。溝56は、0.8mmから1.0mmの範囲内の公称断面幅D3を有する、制限された細い入口58を有している。チューブロック用リブ52、54をそれぞれ対応して受けるように、半円形の構成を有する、溝にリブを受ける1対の軸方向戻り止めチャネル60、62を、溝56の対向する側面に形成している。チャネル60、62は、該溝の入口58から、おおよその距離にして1.8mmから2.0mmの範囲内の距離L3離れている。各戻り止めチャネル60、62は、0.2mmから0.5mmの範囲内の曲率半径R2を有している。該溝の内向き戻り止め部分64は、1.1mmから1.9mmの範囲内の曲率半径R1および2.2mmから3.8mmの範囲内の公称断面幅D1を有するように形成している。
【0052】
図8D、
図9、
図10Aおよび
図10Bで最もよく分かるように、タイヤ12は、溝56の内部に向かって突出して溝56の外周を延長する、1つまたは複数の圧縮リブ66をさらに形成している。これらのリブ66は、以下で述べるように、既定のピッチ、頻度および位置のリブパターンを形成しうる。説明に際しては、7個の圧縮リブを、図示の第1のリブ輪郭パターンに符号66でまとめて指すこともあるし、D0からD6までのリブ名で個々に指すこともある。リブD0からD6は、チューブ通路43を通る空気の圧送が最適化されるような順序およびピッチのパターンで形成されている。各リブ66は、このパターン内で、固有の所定高さで所定位置にあり、
図8Dに示すように、0.95mmから1.60mmの範囲内の半径R3(
図8A)の溝56の内部へと突出している。
【0053】
図16、
図2、
図3Aから
図3C、および
図4Aから
図4Eを参照すると、蠕動ポンプアセンブリ14は、周方向空気チューブ42に沿った位置に、約180度離間した吸気装置68および排気装置70をさらに含んでいる。この例示的な排気装置70は、導管72、74でタイヤキャビティ40に空気を出し入れする、T字形構成を有している。排気装置ハウジング76は、導管72、74からそれぞれ一体的に延びている導管アーム78、80を収容している。各導管アーム78、80は、組み立てた状態になったときに空気チューブ42の非接続端部内に導管を保持する、外部結合用リブ82、84を有している。ハウジング76は、溝56と相補的な外部幾何学的形状を有するように形成され、平坦な端部86、丸みのある概ね長円形の本体88、および外向きに突出する戻り止め長手方向リブ90を含む。したがって、ハウジング76は、リブ90が
図8Aに示す溝56内に収まって、溝56内の所期の位置にぴったりと受けることができる。
【0054】
図12および
図4Aから
図4Eに示すように、吸気装置68は、細いスリーブネック98で細長い内側スリーブ本体96を接合する細長い外側スリーブ本体94を含んでいる。外側スリーブ本体94は、概ね3角形の断面を有する。内側スリーブ本体96は、溝56と相補的な長円形の外部幾何学的形状を有し、内側スリーブ本体96に沿って長手方向に延びている1対の戻り止めリブ100を含む。内側スリーブ本体96の中には、細長い空気流入チューブ101が配置され、この空気流入チューブ101は、両端にチューブ端部102を備え、中央のチューブ通路の中に延びている複数の入口開口104のパターンを有する。外部リブ106、108は、これらのチューブ端部102を、排気装置70の反対側の空気チューブ42内に固定する。
【0055】
図6A、
図6B、
図7A、
図7Bおよび
図8Aから
図8Dに示すように、ポンプアセンブリ14は、空気チューブ42と、溝56内に挿入されたときに180度離間したそれぞれの位置に、該空気チューブと並んで固定された吸気装置68および排気装置70と、を含んでいる。溝56は、タイヤをリム16に取り付けたときに、空気チューブ42をリムフランジ端部26の上方に配置する、タイヤ12の下側サイドウォール領域に位置している。
図8Bは、空気チューブ42が溝56内に挿入できるように直径方向に押しつぶされているところを示している。
図8Cに示すように、完全に挿入されると、リブ52、54は、溝56のチャネル60、62内に収まることができ、チューブ42の平坦な外側端部48は、タイヤのサイドウォールの外側表面と概して面一になることができる。完全に挿入されると、チューブ42の空気通路43は弾性的に開いた状態に戻り、ポンプの動作時にチューブに沿って空気を流すことができるようになる。
【0056】
図16、
図2、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B、
図7A、
図7B、および
図8Aから
図8Dを参照すると、吸気装置68および排気装置70は、概ね180度離間して、円形の空気チューブ42の外周内に配置されている。チューブ42が溝56内に配置されたタイヤ12は、回転方向110に回転して、地表面118にフットプリント120を形成する。圧縮力124は、フットプリント120からタイヤ12の内部に向けられ、符号122で示すように空気チューブ通路43のフットプリント120に対向する部分を平坦にするように作用する。通路43の一部分が平坦になると、この部分の空気が、チューブ通路43に沿って矢印116で示す方向に、すなわち排気装置70に向かって、押し出される。
【0057】
タイヤ12が地表面118に沿って方向110に回転し続けると、チューブ42は、タイヤのフットプリントの反対側で、方向110の反対の方向に各部が順次平坦になっていく、すなわち押しつぶされていく可能性がある。チューブ通路43の各部が順次平坦になっていくことにより、平坦になった部分から押し出された空気が、チューブ通路43内を排気装置70に向かって方向116に圧送される可能性がある。空気は、排気装置70を通って、矢印130に示すようにタイヤキャビティ40に流れてもよい。矢印130において、排気装置70を出る空気は、タイヤキャビティ40に向けて送られて、タイヤ12を所望の圧力レベルまで再膨張させる働きをする。キャビティ内の空気圧が既定レベルまで低下したときにキャビティ40への空気の流れを調節するバルブシステムは、参照により本明細書に組み込まれている、2010年5月7日出願の係属中の米国特許出願第12/775552号に図示され、記載されている。
【0058】
タイヤ12が方向110に回転している状態では、
図5Aに示すように、チューブの平坦になった部分は、方向114に流れて吸気装置68に入る空気で順次再充填される。吸気装置68に流入し、次いでチューブ通路43に流入する空気の流れは、反時計回りの方向110に回転している排気装置70がタイヤのフットプリント120を通過するまで続いている。
図5Bは、このような位置にある蠕動ポンプアセンブリ14の向きを示している。チューブ42は、圧縮力124によって、タイヤのフットプリント120の反対側で、部分ごとに連続的に順次平坦にされる。空気は、時計回りの方向116に吸気装置68まで圧送され、タイヤ12の外部に押し出される、すなわち排気される。符号128で示す、吸気装置68からの排気の通路は、例えば気泡材料または多孔性材料あるいは気泡複合体または多孔性複合体で構成されるフィルタスリーブ92によって例示的に形成される。したがって、フィルタスリーブ92を通ってチューブ101内に流れる空気の流れは、デブリまたは粒子を洗浄することができる。空気の排気流または逆流の方向128に、フィルタスリーブ92は多孔性媒体に取り込まれて蓄積したデブリまたは粒子が洗浄される。吸気装置68から空気が圧送されて押し出されることにより、排気装置70は、空気がタイヤキャビティ40に流れないようにする閉じた位置になる。タイヤ12が反時計回りの方向110にさらに回転して、(
図5Aに示すように)吸気装置70がタイヤのフットプリント120を通過すると、空気流は、再び排気装置70に戻り、圧送空気をタイヤキャビティ40中に押し出すことができる。このようにして、タイヤキャビティ40内の空気圧を所望のレベルに維持し得る。
【0059】
図5Bは、タイヤ12が方向110に回転するにつれてチューブ42が部分ごとに平坦になることを示している。平坦部分134は、タイヤのフットプリント120から離れるように回転するにつれて反時計回りに移動し、一方、隣接する部分132は、タイヤのフットプリントと対向する位置に移動して平坦になる。したがって、押しつぶされた、平坦になった、または閉じたチューブの部分の前進は、排気装置および吸気装置に対するタイヤ12の回転位置に応じて、排気装置70(
図5A)または吸気装置68(
図5B)に向かって空気を移動させることができる。タイヤの回転によって各部分がフットプリント120から離れるように移動するにつれて、フットプリント領域からのタイヤ12内の圧縮力がなくなっていき、その部分は、通路43からの空気で再充填されるにつれて、平坦でない、または開いた状態に弾性的に戻っていくことができる。
図7Aおよび
図7Bは、平坦な状態のチューブ42の部分を示し、
図6Aおよび
図6Bは、タイヤのフットプリント120に対向する位置に移動する前後の、膨らんだ、平坦でない、または開いた状態の同じ部分を示している。元の平坦でない状態では、チューブ42のいくつかの部分が、例示的な長円形、概ね楕円形の形状に戻っている。
【0060】
上述のサイクルを、タイヤが1回転する度に繰り返して、毎回半分の回転で圧送空気がタイヤキャビティ40内に移動し、残りの半分の回転で圧送空気が吸気装置68のフィルタスリーブ92から戻ってきてフィルタを自動洗浄しうる。タイヤ12の回転方向110は、
図5Aおよび
図5Bでは反時計回りとして示しているが、このタイヤアセンブリ10およびその蠕動ポンプアセンブリ14は、逆の(時計回りの)回転方向でも、同様に機能しうる。したがって、蠕動ポンプアセンブリ14は、双方向性としてもよく、タイヤ12が前進方向に回転しても逆方向に回転しても、また車両が前進方向に移動しても後退方向に移動しても、同じように機能するようにしてよい。
【0061】
空気チューブ/ポンプアセンブリ14は、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B、
図7Aおよび
図7Bに示すようにされる。チューブ42は、タイヤ12のサイドウォール30の下側領域で、溝56内に位置される。上述のように、チューブ42の通路43は、回転するタイヤのフットプリント120内のサイドウォール溝56が圧縮によって歪んで曲がることによって、閉じる。サイドウォール30内でのチューブ42の位置によって配置に自由度ができ、それによってチューブ42とリム16が接触しないようになっている。サイドウォール溝56内でチューブ42を高い位置に配置すると、サイドウォールのこの領域がタイヤのフットプリント120を通過するときに変形してチューブ42を閉じやすいという特性が使える。
【0062】
溝付きサイドウォールの構成および作用、特に、溝56内のリッジすなわち圧縮リブ66の作用によるチューブ42の圧力の変化するポンプ圧縮について、
図8Aから
図8D、
図9並びに
図10Aおよび
図10Bに示す。リッジすなわちリブは、符号66で示してあるが、個別にはD0からD6で示してある。溝56は、予め選択された順序、パターンまたは配列で溝56内に突出するように形成された成形リッジD0からD6を有するタイヤ12の側面に沿って、周方向に一様な幅を有している。リッジD0からD6は、溝56内でチューブ42を所定の向きに保持し、また、可変狭窄力をチューブに順次加えている。
【0063】
一様な寸法を有するポンプチューブ42は、上述のように、すなわち溝56の入口D3を機械的に広げることから開始する手順で、溝56内に配置される。その後、溝56の拡張された開口中に、チューブ42を挿入する。その後、溝56の開口を解除して、元の間隔D3に閉じるように戻し、それにより、該溝内部にチューブ42を取り込むようにしている。したがって長手方向ロック用リブ52、54は長手方向チャネル60、62に取り込まれ/ロックされうる。ロック用リブ52、54は、その結果、チューブ42を溝56内にロックするように作用し、動作/回転中にチューブが溝56から吐き出されることを防止する。
【0064】
あるいは、チューブ42は、溝56内に圧入されていてもよい。一様な幅寸法および幾何学的形状を有するチューブ42は、大量生産され得る。さらに、一様な寸法のポンプチューブ42であることにより、総組立て時間および材料コストを削減し、チューブの在庫の不均一性を低減することもできる。信頼性の観点からも、これにより、廃棄の可能性が低下する。
【0065】
溝56内に突出する周方向リッジD0からD6は、排気装置70に代表されるチューブ42の入口通路に近づくにつれて頻度が上がる(溝56の軸方向単位長さあたりのリッジの数が増える)。各リッジD0からD6は、0.15mmから0.30mmの範囲内の共通の半径寸法R4を有している。リッジD0とD1の間の間隔が最も大きくなるようにし、D1とD2の間の間隔がその次に大きくなるようにし、以下同様に間隔を狭めていって、リッジD5とD6の間の間隔が名目上はなくなる。7個のリッジを示しているが、溝56に沿って、様々な頻度で、それより多くのリッジを配置してもよいし、それより少ないリッジを配置してもよい。
【0066】
リッジが溝56内に半径R4だけ突出することは、2つの目的を果たすことができる。第1に、リッジD0からD6は、チューブ42と係合して、タイヤの動作/回転中にチューブが溝56に沿って所期の位置から移動する、すなわち「歩く(walking)」ことを防止し得る。第2に、リッジD0からD6は、上述のようにタイヤ12が回転してその回転圧送サイクルを経る際に、チューブ42の各リッジと対向する部分をより強く圧縮し得る。サイドウォールが曲がることによって、各リッジD0からD6を介した圧縮力を顕著にし、溝56のリッジのない部分と対向するチューブの部分に普通なら生じることになる程度よりも強い程度に、そのようなリッジと対向するチューブの部分を狭窄させられる。
図10Aおよび
図10Bから分かるように、空気流の方向にリッジの頻度が上がるにつれて、次第にチューブ通路43の締め付けが起こり、最終的に、通路は符号136に示すサイズまで狭窄し、徐々に空気量を減少させ、圧力を上げていく。その結果として、これらのリッジが存在すると、溝56は、長手方向に沿って一様な寸法を有するように構成されたチューブ42内に、可変の圧送圧力を生じる。したがって、サイドウォール溝56は、該溝内に配置されたチューブ42に可変圧力を加えるように機能する可変圧力ポンプ溝である。なお、圧送圧力の変化の程度は、溝56内のピッチすなわちリッジの頻度と、チューブ通路43の直径方向寸法に対する配置されたリッジの大きさとによって決定しうることを理解されよう。直径に対するリッジの大きさが大きくなるほど、そのリッジと対向するチューブ部分では空気量の減少が大きくなり、圧力が大きくなり、また、その逆も言える。
図9は、排気装置70へのチューブ42の取付けと、その両側で排気装置に流れ込む空気流の方向を示す図である。
【0067】
図11は、排気装置70への出口の両側に位置する第2の代替のリブ輪郭領域を示す図である。
図12Aは、この第2の代替のリブ輪郭を有する溝56の拡大詳細図であり、
図12Bは、この第2のリブ輪郭に圧入されたチューブ42の拡大詳細図である。
図11、
図12Aおよび
図12Bを参照すると、この代替形態のリッジすなわちリブD0からD6は、
図10Aおよび
図10Bを参照して上述したのと同様の頻度パターンを有していてもよいが、各リブはそれぞれ固有の大きさを有している。各リブD0からD6は、概して、曲率半径R1からR7をそれぞれ有する半円形の断面を有していてもよい。リッジD0からD6の曲率半径は、Δ=0.020mmから0.036mmの例示的な範囲内であってもよい。
【0068】
リッジD0からD6の数および各リッジのそれぞれの半径は、その他の寸法または適用例に合わせて上記の範囲外に設定してもよい。空気流の方向に曲率半径が大きくなっていくようにして、排気装置70に近づくにつれて、リッジD0からD6が通路43内に突出する大きさと程度が大きくなっていくようにしてもよい。したがって、通路43は、排気装置70に近づくにつれてより狭い領域138に狭窄していき、それに応じて空気量の低下による空気圧の増加が大きくなるようにしてもよい。このような構成の利点は、通路43に沿って、また排気装置70からタイヤキャビティ40内に向かって所望の空気流圧力を達成するのに普通なら必要となるよりも、チューブ42を小さく構成してもよいことである。チューブ42のサイズを小さくすることは、タイヤ12内でより小さな溝56を使用できるようにすることによって、タイヤのサイドウォールの構造的不連続性を最小限に抑えるという点で、経済的かつ機能的に望ましい場合がある。
【0069】
図13Aから
図13Cは、リブおよび溝を修正した結果として
図8Aから
図8Cの戻り止めリブ90が除去された、別のチューブ42および溝56の詳細を示している。このチューブ42は、以下に指定する範囲内の指定寸法を有する外部幾何学的形状および通路構成を有していてもよい。
【0070】
D1=2.2から3.8mm
D2=0.5から0.9mm
D3=0.8から1.0mm
R4=0.15から0.30mm
L1=3.65から3.8mm
L2=2.2から2.3mm
L3=1.8から2.0mm
上記の範囲は、特定の寸法選好、タイヤの幾何学的形状またはタイヤの適用例に合わせて修正してもよい。チューブ42の外部構成は、端部表面48に隣接する斜め表面138、140と、これらの斜め表面に隣接する平行に対向する直線的な中間表面142、144と、これらの中間表面142、144に隣接する丸いノーズすなわち前方表面146とを含んでいる。
図13Bおよび
図13Cから分かるように、チューブ42は、圧縮されて溝56内に圧入され、完全に挿入された後で広がるようにしてもよい。サイドウォール表面のところにある溝56の狭窄開口によって、チューブ42をしっかりと溝56内に保持してもよい。
【0071】
図14Aから
図14Cは、別のチューブ42および溝56の構成を示している。
図14Aは、拡大図であり、
図14Bは、圧縮されて溝56内に挿入されるチューブ42を示す詳細図である。
図14Cは、溝56内に完全に挿入されたチューブ42を示す詳細図である。チューブ42は、同様の構成を有する溝56内に挿入される、概ね楕円形の断面を有していてもよい。溝56は、平行に対向する表面148と150の間に形成された細い入口を有していてもよい。
図14Aから
図14Cでは、チューブ42は、以下に指定する範囲内の寸法を有する外部幾何学的形状および通路構成を有するように構成される。
【0072】
D1=2.2から3.8mm
D2=0.5から0.9mm
D3=0.8から1.0mm
R4=0.15から0.30mm
L1=3.65から3.8mm
L2=2.2から2.3mm
L3=1.8から2.0mm
上記の範囲は、特定の寸法選好、タイヤの幾何学的形状またはタイヤの適用例に合わせて修正してもよい。
図15Aから
図15Cは、別のチューブ42および溝56の構成を示している。
図15Aは、拡大図であり、
図15Bは、圧縮されて溝56内に挿入されるチューブ42を示す詳細図である。
図15Cは、溝56内に完全に挿入されたチューブ42を示す詳細図である。チューブ42は、概して、同様の構成を有する溝56内に挿入されるため、放物線状の断面を有していてもよい。溝56は、その中にチューブ42をぴったりと収容するようなサイズを有する入口を有していてもよい。リッジ66は、チューブ42が溝56内に挿入されると、チューブ42と係合してもよい。
図15Aから
図15Cでは、チューブ42は、以下に指定する範囲内の寸法を有する外部幾何学的形状および通路構成を有する。
【0073】
D1=2.2から3.8mm
D2=0.5から0.9mm
D3=2.5から4.1mm
L1=3.65から3.8mm
L2=2.2から2.3mm
L3=1.8から2.0mm
上記の範囲は、必要に応じて、特定の寸法選好、タイヤの幾何学的形状またはタイヤの適用例に合わせて修正してもよい。
【0074】
以上より、本発明は、タイヤ12の空気を維持するための双方向性蠕動ポンプアセンブリ14を含んでいてもよいことは理解されるであろう。円形空気中部42は、タイヤのフットプリント120で部分ごとに平坦になって閉じられる。吸気装置68は、多孔性気泡材料で構成された外側フィルタスリーブ92を含むことによって、吸気装置68を自動洗浄しうる。排気装置70は、バルブユニット(参照により本明細書に組み込まれている2010年5月7日出願の同時係属中の米国特許出願第12/775552号参照)を利用しうる。蠕動ポンプアセンブリ14は、タイヤ12の回転によってどちらの方向に空気を圧送してもよく、タイヤの半回転で空気をタイヤキャビティ40に圧送し、残りの半回転で空気を圧送して吸気装置68から戻す。蠕動ポンプアセンブリ14は、システム障害検出器として働くことができる2次タイヤ圧監視システム(TPMS)(図示せず)とともに使用してもよい。TPMSは、タイヤアセンブリ10の自動膨張システムのいかなる障害も検出して、その状態をユーザに警告するために使用される。
【0075】
タイヤ空気維持システム10は、チューブ42の対向する部分と係合してこの部分を圧縮する、1つまたは複数の内側に向けられたリッジすなわちリブ66を備える可変圧ポンプ溝56をさらに組み込んでいる。これらのリブのピッチすなわち頻度は、排気装置70に近づくにつれて大きくなるようにして、チューブ42を圧縮することによって通路43内の空気量を徐々に減らしていくようにする。空気量の低下によって、通路43内の空気圧を高め、それによりチューブ42からタイヤキャビティ40内により効率的に空気が流れやすくなる。チューブ圧力の上昇は、溝56のリブ66とチューブの長手方向に一様な寸法を有するチューブ42とが係合することによって達成しうる。したがって、チューブ42は、空気圧を維持するためのタイヤキャビティ40に流れる空気流の圧力を損なうことなく、一様な寸法および比較的小さなサイズを有するように構成し得る。リッジ66のピッチおよび大きさはともに、通路43内で所望の圧力上昇をより良好に達成するために変化させてもよい。
【0076】
空気タイヤの構造には、特定の剛性部分、機能装置および/またはコネクタをタイヤのゴムに埋め込む、またはこれらをタイヤのゴムに接着することが必要な場合がある。例えば、上述の例示的な空気維持タイヤ12の構造14、42、68、70、101、202などは、埋込み/接着を必要とし得る。これらの構造14、42、68、70、101、202などは、通常は、タイヤ12が動作状態にあるときに大きな応力を受ける。したがって、これらの構造14、42、68、70、101、202などの表面で結合が切れると、アセンブリ14および/またはタイヤ12全体の完全性の破壊に繋がる可能性が高いので、これらの構造14、42、68、70、101、202などは、強く結合することが望ましい。
【0077】
例えば、内蔵型チューブ状キャビティ(
図3C)を画定するために、ポリアミド製のエルボ状構造70をタイヤ12に結合してもよい。この構造70は、それによって圧縮空気をポンプアセンブリ14に向け直し、そこからタイヤキャビティ40内に向け直すことを可能にするだけでなく、外部と接続して、圧縮されていない新鮮な空気をポンプアセンブリに供給するようにしてもよい。
【0078】
上述の自動膨張タイヤ技術(SIT/AMT)を確立するには、タイヤキャビティ40に流入する前に空気をフィルタリングするために、空気タイヤ12の一部分として、本発明によるフィルタ200が必要となる可能性がある。フィルタ200は、十分に高い通気性、ならびに許容可能なコスト、化学的耐性および機械的耐性、水保持能力、および/または複雑さを必要とする可能性がある。したがって、フィルタ200は、多孔性プラスチックで構成している。
【0079】
従来は、いくつかの応用分野の空気フィルタ材料として、多孔性プラスチック(例えばポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)など)が提供されている。これらの多孔性プラスチックは、形状の柔軟性、化学的耐性、水保持能力、低い複雑さ、および安い製造コストを併せ持ち、空気タイヤ12などのSIT/AMTタイヤ用の新しい極めて有用なフィルタ材料であることを示している。通気性、化学的耐性、および水分離性といった特性は、孔サイズ分布および重合体の種類に関係する単なる材料特性にまで抑えられる可能性がある。例として、多孔性プラスチックでねじを製造することによって、材料を金属またはプラスチックであるフレーム材料に埋め込む必要がなくなる可能性がある(例えば、ねじ部によって、フィルタ200を空気タイヤ12に対して機械的に固定する)。これにより、複雑さを最小限まで軽減し、それに応じてフィルタ200および/またはフィルタアセンブリの製造コストを最小限に抑えることが可能である。
【0080】
図1に示すように、多孔性プラスチック材料製のグラブねじ200を、自動膨張空気タイヤ12のサイドウォール30、32に埋め込まれたコネクタ202にねじ込むことによって、フィルタ200を通ってタイヤキャビティ40に流入する大気からの空気流をフィルタリングし得る。このようなフィルタ200は、回転する空気タイヤ12の一部分として、荷重のかかった状態でも持ちこたえることができる。さらに、このようなフィルタ200は、腐食が起きない、水保持能力が向上する、およびコストが削減され複雑さが軽減されるという、従来の金網フィルタに優る改善点を有している。
【0081】
本明細書に提供された本発明の説明に照らして、本発明の変形形態が可能である。本発明を説明するために、いくつかの代表的な例および詳細を示してが、当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、これらに様々な変更および修正を加えてもよいことは明らかであろう。したがって、上述の具体的な例には、以下に添付する特許請求の範囲によって定義される本発明の完全な所期の範囲内に含まれる様々な変更を加えることができることを理解されたい。