(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発光分光計測装置は、前記プラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、前記プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して前記第1発光スペクトルと前記第2発光スペクトルとのスペクトル強度比を計測し、
前記制御装置は、計測した前記スペクトル強度比に基づいて前記プラズマ生成部に供給する電力量、磁界分布、及び供給ガス量の少なくとも一つを制御する、請求項1に記載の計測装置を備えたプラズマ発生装置。
前記プローブが、前記プラズマの電子密度が1E18m-3以上1E19m-3以下囲の領域に設置されてなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の計測装置を備えたプラズマ発生装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプラズマ発生装置においては、プラズマからの光で発生状態を制御しているので、プラズマの状態の経時変化は測定できる一方、プラズマの状態を定量的に測定して制御することは困難であった。このため、プラズマの状態をより適切に制御できるプラズマ発生装置及びそれを用いたプラズマ推進器が望まれている。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、プラズマの状況を安定して適切に制御可能な計測装置を備えたプラズマ発生装置及びそれを用いたプラズマ推進器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計測装置を備えたプラズマ発生装置は、内部に導入されたガスをイオン化してプラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマの発光スペクトルにより前記プラズマの電子密度
の相対値を測定する発光分光計測装置と、前記プラズマ生成部に配置されたプローブにより前記プラズマの電子密度
の相対値を測定するプローブ測定装置と、
前記プローブ測定装置で測定された前記プラズマの電子密度の絶対値に基づいて、前記発光分光計測装置で測定された前記プラズマの電子密度の相対値を絶対値に補正し、補正された絶対値の測定結果に基づいて前記プラズマ生成部に供給する電力量、磁界分布、及び供給ガス量の少なくとも一つを制御する制御装置と、前記プラズマから前記発光分光計測装置に入光する光の光軸を変化させる光軸駆動部と、具備することを特徴とする。
【0007】
この計測装置を備えたプラズマ発生装置によれば、光軸駆動部によって発光分光計測装置に入光するプラズマからの光の光軸を変化させることができるので、プラズマ生成部内で生成したプラズマの電子密度の分布をプラズマ生成部内の全域に亘って測定できる。そして、発光分光計測装置で測定されるプラズマの電子密度の相対値をプローブ測定装置で測定されるプラズマの電子密度の絶対値で補正できるので、プラズマ生成部内で生成したプラズマの電子密度の絶対値の分布をプラズマ生成部内の全域に亘って測定することが可能となる。これにより、測定されたプラズマの電子密度の絶対値の分布に基づいて制御装置がプラズマ生成部に供給する電力量、磁界分布、及び供給ガス量などを制御することができるので、プラズマの状況を安定して適切に制御可能な計測装置を備えたプラズマ発生装置を実現できる。
【0008】
本発明の計測装置を備えたプラズマ発生装置においては、前記発光分光計測装置は、前記プラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、前記プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して前記第1発光スペクトルと前記第2発光スペクトルとのスペクトル強度比を計測し、前記制御装置は、計測した前記スペクトル強度比に基づいて前記プラズマ生成部に供給する電力量、磁界分布、及び供給ガス量の少なくとも一つを制御することが好ましい。
【0009】
本発明の計測装置を備えたプラズマ発生装置においては、前記プローブが、高周波プローブであることが好ましい。この構成により、磁場の存在下及びプラズマの電子密度が高い場合であっても、精度よく定量的にプラズマ生成部内のプラズマの電子密度を測定することが可能となる。
【0010】
本発明の計測装置を備えたプラズマ発生装置においては、前記プローブが、前記プラズマの電子密度が1E18m
-3以上1E19m
-3以下の領域に設置されてなることが好ましい。この構成により、プラズマの電子密度が適度な範囲内にプローブを配置することができるので、よりプラズマの電子密度が高い領域のプラズマの状態の影響を与えることなく、安定してプラズマの状態を制御することが可能となる。
【0011】
本発明のプラズマ推進器は、上記計測装置を備えたプラズマ発生装置を備えたことを特徴とする。このプラズマ推進器によれば、光軸駆動部によって発光分光計測装置に入光するプラズマからの光の光軸を変化させることができるので、プラズマ生成部内で生成したプラズマの電子密度の分布をプラズマ生成部内の全域に亘って測定できる。そして、発光分光計測装置で測定されるプラズマの電子密度の相対値をプローブ測定装置で測定されるプラズマの電子密度の絶対値で補正できるので、プラズマ生成部内で生成したプラズマの電子密度の絶対値の分布をプラズマ生成部内の全域に亘って測定することが可能となる。これにより、測定されたプラズマの電子密度の絶対値の分布に基づいて制御装置がプラズマ生成部に供給する電力量などを制御することができるので、プラズマの状況を安定して適切に制御可能なプラズマ推進器を実現できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プラズマの状況を安定して適切に制御可能な計測装置を備えたプラズマ発生装置及びそれを用いたプラズマ推進器を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る計測装置を備えたプラズマ発生装置1(以下、単に、「プラズマ発生装置1」ともいう)の模式図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る1は、内部にプラズマが発生するプラズマ発生領域A1を有する放電容器(プラズマ生成部)100を備える。この放電容器100は、接地電位に接続されるアノード101と、RF(RF:Radio Frequency)電源102からRF電力が供給されるカソード103と、アノード101とカソード103との間に設けられ、アノード101とカソード103との間を絶縁する絶縁部材104とを備える。アノード101には、放電容器100内にキセノン、アルゴン及びクリプトンなどのプロセス・ガスを導入するガス導入孔105と、放電容器100内のガスを排気する排気孔106と、放電容器100内に発生したプラズマによる光を透過して外部に出光する光透過窓107とが設けられている。
【0016】
このプラズマ発生装置1においては、真空排気装置(不図示)により放電容器100内のガスが排気孔106を介して放電容器100外に排出され、放電容器100内が真空状態となる。この状態で、ガス導入孔105からプロセス・ガスが導入され、RF電源102から供給されたRF電力によってプロセス・ガスがイオン化して放電容器101内のプラズマ生成領域A1にプラズマが生成する。このプラズマにより、例えば、カソード103上に配置されたシリコン・ウェハなどの被処理体108を微細加工することができる。
【0017】
放電容器100外部には、光透過窓107を介して放電容器100内のプラズマの光を受光して発光スペクトルを測定する発光モニタ(発光分光計測装置)200が配置されている。この発光モニタ200は、プラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して第1発光スペクトルと第2発光スペクトルとのスペクトル強度比を計測する。発光モニタ200と光透過窓107との間には、放電容器100内のプラズマの光を集光して発光モニタ200に照射する集光レンズ201が配置されている。この集光レンズ201は、光軸駆動部202により集光レンズ201の角度を変化可能に配置されている。光軸駆動部202は、集光レンズ201の角度を変化させることにより、発光モニタ200に入光するプラズマからの光の光軸X1を変化させる。発光モニタ200は、測定したプラズマの発光スペクトルを制御装置203に出力する。
【0018】
また、放電容器100のアノード101には、プローブ204が配置されている。このプローブ204は、先端が放電容器100内のプラズマ発生領域A1内に配置される。また、プローブ204は、プローブ204によって放電容器100内に生成したプラズマの電子密度を測定するプローブ計測器205に接続される。プローブ計測器205は、測定したプラズマの電子密度を制御装置203に出力する。プローブ204としては、プラズマ吸収プローブ(PAP:Plasma Absorption Probe)、ラングミュアプローブ及びアンテナプローブなどの各種プローブを用いることができる。また、プローブ204としては、磁場の存在下及びプラズマの電子密度が高い場合であっても、精度よく定量的にプラズマ生成部内のプラズマの電子密度を測定することが可能となる観点から、高周波プローブが好ましい。また、プローブ204は、プラズマ発生領域A1内の外縁部のプラズマの電子密度が比較的小さい(例えば、1E18m
-3以上1E19m
-3以下)範囲に設置することが好ましい。このように配置することにより、プラズマの電子密度が適度な範囲内にプローブを配置することができるので、よりプラズマの電子密度が高い領域のプラズマの状態の影響を与えることなく、安定してプラズマの状態を制御することが可能となる。
【0019】
制御装置203は、例えば、CPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの汎用又は専用のコンピュータ及びこのコンピュータ上で動作するプログラムを利用して実現することができる。制御装置203は、プローブ計測器205によって測定されたプラズマの電子密度及び発光モニタ200によって測定されたプラズマの発光スペクトルに基づいてRF電源102からカソード103に供給する電力量、及びガス導入孔105から供給されるガス量を制御する。これにより、放電容器100内に発生したプラズマ発生領域A1内のプラズマを所望の電子密度に制御することが可能となる。また、制御装置203は、光軸駆動部202を介して集光レンズ201を駆動して発光モニタ200に入光するプラズマの光の光軸X1を制御する。これにより、発光モニタ200によってプラズマ発生領域A1内全域のプラズマの電子密度を測定することが可能となる。また、制御装置203は、発光モニタ200によって計測したスペクトル強度比に基づいてアノード103に供給する電力量を制御することが好ましい。これにより、プラズマの中性粒子及びイオンのスペクトル強度比に基づいてプラズマの状態を制御できるので、簡便に定性的なプラズマの電子密度の制御が可能となる。
【0020】
次に、
図2A〜
図2Cを参照して本実施の形態に係るプラズマ発生装置におけるプラズマの電子密度の検出原理について詳細に説明する。
図2Aは、プローブ計測器205によるプラズマの電子密度の測定結果の説明図であり、
図2Bは、発光モニタ200によるプラズマの電子密度の測定結果の説明図であり、
図2Cは、プローブ計測器205及び発光モニタ202によるプラズマの電子密度の測定結果の説明図である。なお、
図2A〜
図2Cにおいては、横軸にプラズマ発光領域A1内の特定の直線上における位置を示し、縦軸に電子密度を示している。
【0021】
図2Aに示すように、プローブ計測器205でプラズマ発光領域A1内のプラズマの電子密度を測定した場合、プローブ204が設置された所定の位置近傍のプラズマの電子密度の絶対値が測定される。これにより、プローブ計測器205の測定結果に基づいて制御装置203がRF電源102からカソード103に供給するRF電力、及びガス導入孔105から供給されるガス量を制御することにより、プローブ204が設置されたプラズマ発生領域A1内の所定の位置近傍の電子密度を正確に制御することが可能となる。
【0022】
一方、
図2Bに示すように、発光モニタ200でプラズマ発光領域A1内のプラズマの電子密度を測定した場合、プラズマ発生領域A1内の光軸X1に沿った領域のプラズマの電子密度の相対値が測定される。これにより、発光モニタ200の測定結果に基づいて制御装置203がRF電源102からカソード103に供給するRF電力、及びガス導入孔105から供給されるガス量を制御することにより、プラズマ発生領域A1内の発光モニタ200に入光する所定の光軸X1に沿った領域の所定の位置近傍の電子密度の分布を速やかに測定することが可能となる。そして、制御装置203が光軸駆動部204を介して集光レンズ102を駆動して光軸X1を変化させることにより、プラズマ発生領域A1内の全域の電子密度の分布を測定することが可能となる。
【0023】
図2Cに示すように、プローブ計測器205及び発光モニタ200でプラズマ発光領域A1内のプラズマの電子密度を測定した場合、プローブ204が設置された所定の位置近傍のプラズマの電子密度の絶対値、及びプラズマ発生領域A1内の光軸X1に沿った領域のプラズマの電子密度の相対値が測定される。ここで、プローブ204が配置された領域上に光軸X1を配置することにより、光軸X1に沿った領域のプラズマの電子密度の相対値と、プローブ204が設置された所定の位置近傍のプラズマの電子密度の絶対値とを対比することができるので、発光モニタ200で測定されるプラズマの電子密度の相対値をプローブ204によって測定されるプラズマ密度の絶対値に基づいて絶対値に補正することができる。したがって、プローブ計測器205及び発光モニタ200を併用してプラズマ発生領域A1内のプラズマの電子密度を測定することにより、プラズマ発生領域A1内のプラズマ電子密度の分布を絶対値で測定することができる。これにより、プローブ計測器205及び発光モニタ200の測定結果に基づいて制御装置203がRF電源102からカソード103に供給するRF電力を制御することにより、プラズマ発生領域A1内の全域のプラズマの電子密度を正確に制御することが可能となる。
【0024】
なお、本実施の形態においては、カソード103にRF電力を供給してプラズマを発生させる例について説明したが、RFコイルを用いて放電容器100の外部から放電容器100内に電界を印加してプラズマを発生させてもよい。
【0025】
次に、本実施の形態に係るプラズマ発生装置1の全体動作について説明する。まず、真空排気装置(不図示)が、排気孔106を介して放電容器100内のガスを放電容器100外に排出し、放電容器100内を真空状態とする。次に、ガス導入孔105からキセノン、アルゴン及びクリプトンなどのプロセス・ガスが導入される。次に、RF電源102からカソード103に供給されたRF電力によって放電容器101内のプロセス・ガスがイオン化してプラズマ生成領域A1にプラズマが生成する。
【0026】
次に、制御装置203は、光軸駆動部202を介して集光レンズ201の角度を変化させて発光モニタ200に入光するプラズマの光の光軸X1をプラズマ発生領域A1内で変化させながらプラズマの発光スペクトルを計測してプラズマの電子密度の相対的な空間分布を測定する。ここでは、制御装置203は、プラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して第1発光スペクトルと第2発光スペクトルとのスペクトル強度比を計測してもよい。また、制御装置203は、プローブ計測器205により、プラズマ発生領域A1内のプローブ204の先端が配置された領域のプラズマの電子密度の絶対値を測定する。
【0027】
次に、制御装置203は、発光モニタ200によって測定されたプラズマの電子密度の相対的な空間分布をプローブ計測装置205の測定結果で補正してプラズマ発生領域A1内のプラズマの電子密度の絶対的な空間分布を測定する。次に、制御装置203は、測定したプラズマの電子密度の絶対的な空間分布に基づいてRF電源102からカソード103に供給するRF電力の電力量、及びガス導入孔105から供給されるガス量を制御する。以上により、プラズマ発生領域A1内の電子密度を所望の電子密度に制御する。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態に係るプラズマ発生装置1によれば、光軸駆動部202によって発光モニタ200に入光するプラズマからの光の光軸X1を変化させるので、放電容器100内で生成したプラズマの電子密度の分布をプラズマ発生領域A1内の全域に亘って測定できる。そして、発光モニタ200で測定されるプラズマの電子密度の相対値をプローブ計測器205で測定されるプラズマの電子密度の絶対値で補正できるので、放電容器100内で生成したプラズマの電子密度の絶対値の分布をプラズマ発生領域A1内の全域に亘って測定することが可能となる。これにより、測定されたプラズマの電子密度の絶対値の分布に基づいて制御装置203がカソード103に供給するRF電力量、及びガス導入孔105から供給されるガス量を制御することができるので、プラズマの状況を安定して適切に制御可能なプラズマ発生装置1を実現できる。
【0029】
次に、本実施の形態に係るプラズマ推進器について説明する。本実施の形態に係るプラズマ推進器は、イオンスラスタやホールスラスタなどの各種静電荷電粒子推進器及び各種電磁荷電粒子推進器と呼ばれる各種プラズマ推進器に適用可能である。
【0030】
図3は、本実施の形態に係るプラズマ推進器を用いたイオンスラスタ400の模式的な断面図である。
図3に示すように、このイオンスラスタ400は、一端が開放された略円筒形状の放電容器401と、この放電容器401の他端部に設けられ、中心軸線Aに垂直な底板401aと、放電容器401の開放された一端側を覆うように設けられた多層導電性板のイオンビーム抽出電極402とを備える。このイオンスラスタ400においては、放電容器401の内部で発生したイオンを加速してイオンビームとし、イオンビーム抽出電極402を通してイオンビームを抽出することにより推力を得る。
【0031】
放電容器401の内側面には、放電容器401の内部に磁場を形成する磁石を有した磁気回路403が設けられている。底板401aの中央部には電子ビームを発生するホローカソード404が設けられている。また、底板401aには、キセノン、アルゴン、クリプトン及び重水素などの推進ガスを放電容器401内部に供給する推進ガス供給口405が設けられている。さらに、放電容器401内部には、磁気回路403の内面に沿って軸線A周りに延びた環状のアノード406が設けられている。このアノード406は、ホローカソード404よりも電位が高く保持されている。これにより、ホローカソード404で発生した電子ビームがアノード406により放電容器401内で加速される。この加速された電子ビームが推進ガスに衝突し、推進ガスがイオン化し放電容器401内にプラズマが発生する。
【0032】
イオンビーム抽出電極402は、モリブデンなどの金属板で構成され、放電容器401内側から軸線A方向にスクリーングリッド407、加速グリット408及び減速グリット409の順で互いに隙間を介して配置されている。
【0033】
放電容器401には、先端が放電容器401の他端側に向くようにプローブ411が配置される。プローブ411は、放電容器401内の他端部に誘導されたプラズマの電子密度を測定するプローブ計測器412に接続される。プローブ411としては、プラズマ吸収プローブ(PAP:Plasma Absorption Probe)、ラングミュアプローブ及びアンテナプローブなどの各種プローブを用いることができる。プローブ411としては、磁場及び高電子密度環境下でも精度よく定量的なプラズマの電子密度を測定できる観点から、高周波プローブが好ましい。また、プローブ411は、プラズマ発生領域となる放電容器401内の外縁部のプラズマの電子密度が比較的小さい(例えば、1E18m
-3〜1E19m
-3)の範囲に設置する。この範囲に配置することにより、放電容器401内の中央部に生成した当該範囲より高電子密度のプラズマの電子密度への影響を抑制しつつ、プラズマの電子密度を正確に計測することが可能となるので、イオンスラスタ400による推進力の低下を防ぐことができる。プローブ計測器412は、測定したプラズマの電子密度を制御装置413に出力する。
【0034】
図4は、
図3に示したプラズマ測定部411の構成の一例を示す図である。センサプローブ426の先端部426aは、平面視にて略L字形状の石英管で被覆されている。センサプローブの先端部426aは、プラズマ生成部に向けてプラズマ測定部の壁面421から所定間隔dとって配置される。この所定間隔dを変化させることにより、プラズマ測定部の任意の領域のプラズマの電子密度の測定が可能となる。センサプローブ426の先端部426aは、接続コード426bを介してレセプタブルコネクタ426cに接続されている。センサプローブ426の先端部426aとプラズマ測定部との間の隙間は真空用トールシールなどの接着剤432で封止されている。センサプローブ426は、一対の支持板433と、この一対の支持板433間に配置されるスペーサー434と、スペーサー434を支持板433に固定するナット435によってプラズマ測定部に固定される。
【0035】
図3に示すように、放電容器401の外側には、放電容器401で生成したプラズマの光を受光して発光スペクトルを測定する発光モニタ414が配置されている。発光モニタ414と放電容器401との間には、放電容器401内のプラズマの光を集光して発光モニタ414に照射する集光レンズ415が配置されている。この集光レンズ415には、集光レンズ415の角度を変化させる光軸駆動部416が接続されている。光軸駆動部416は、集光レンズ415の角度を変化させることにより発光モニタ414に入光するプラズマの光の光軸X3を放電容器401内で変化させる。発光モニタ414は、測定したプラズマの発光スペクトルを制御装置413に出力する。
【0036】
制御装置413は、例えば、CPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの汎用又は専用のコンピュータ及びこのコンピュータ上で動作するプログラムを利用して実現される。制御装置413は、プローブ計測装置412によって測定されたプラズマの電子密度及び発光モニタ414によって測定されたプラズマの発光スペクトルに基づいて電源(不図示)から磁気回路403、ホローカソード404、及びアノード406に供給する電流量及び電圧、推進ガス供給部(不図示)から放電容器401内に供給されるガス量を制御する。これにより、放電容器401内に発生したプラズマを所望の電子密度に制御することが可能となる。また、制御装置413は、光軸駆動部416を介して集光レンズ415を駆動して発光モニタ414に入光するプラズマの光の光軸X3を制御する。これにより、発光モニタ414によって放電容器401内の全域のプラズマの電子密度を測定することが可能となる。
【0037】
また、制御装置413は、発光モニタ414によって測定したプラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して第1発光スペクトルと第2発光スペクトルとのスペクトル強度比に基づいて磁気回路403、ホローカソード404、及びアノード406に供給する電流量及び電圧、放電容器401内に供給されるガス量を制御することが好ましい。これにより、プラズマの中性粒子及びイオンのスペクトル強度比に基づいてプラズマの状態を制御できるので、簡便に定性的なプラズマの電子密度の測定が可能となる。また制御装置413は、推進ガス供給部(不図示)を介して放電容器401内に導入する推進ガスの流量、及び推進ガスの混合比を制御する。
【0038】
図5は、スクリーングリッド407の正面図である。
図5に示すように、スクリーングリッド407には、貫通する複数のスクリーンイオン抽出孔407aが設けられている。スクリーングリッド407だけでなく、加速グリッド408(
図5において不図示、
図3参照)及び減速グリッド409(
図5において不図示、
図3参照)にも同様に複数の加速イオン抽出孔及び複数の減速イオン抽出孔がそれぞれ設けられている。これらスクリーンイオン抽出孔407a、加速イオン抽出孔及び減速イオン抽出孔は、軸線Aに沿って揃って重なるように軸心を一致させて配置されている。
【0039】
また、スクリーングリッド407は、放電容器401の電位と同一電位(例えば、+1kV)となっており、発生したプラズマを放電容器401内部に保つ。加速グリッド408は、スクリーングリッド407に比べて電位が低く負電位(例えば、−500V)となっており、放電容器401内のプラズマの陽イオンを軸線Aに沿って加速グリッド408に向かって加速する。また、減速グリッド409は、加速グリッド408に比べて電位が高く(例えば、0V)なっており、加速グリッド408の下流側のイオンが再び加速グリッド408に吸引され衝突することを抑制して加速グリッド408を保護する。
【0040】
次に、本実施の形態に係るイオンスラスタ400の全体動作について説明する。まず、制御装置413が、推進ガス供給部(不図示)を介して予め設定された設計条件の推進ガスの流量、及び推進ガスの混合比に従って推進ガスを推進ガス供給口405から放電容器401内に供給する。また、制御装置413は、予め設定された設計条件の電流量及び電圧に応じて磁気回路403、ホローカソード404及びアノード406に所定の電力を供給する。これにより、ホローカソード404からは電子ビームが発生し、アノード406により電子ビームが加速される。この電子ビームは、加速されると共に磁石を有する磁気回路403により形成された磁場により放電容器401内を螺旋状に移動して放電容器401内に閉じ込められる。この螺旋移動する電子ビームにより、放電容器401内の推進ガスに衝突し電離反応が行われ、キセノン、アルゴン、クリプトン及び重水素などの推進ガスがプラズマとなり、放電容器401内にプラズマソース10が生成される。
【0041】
加速グリッド407の電位は、放電容器401の電位に比べて低い負電位となっているので、加速グリッド407及び放電容器401の電位差に起因する電界が放電容器401内部に形成される。この電界により、プラズマの陽イオンが加速グリッド408に向かって加速される。この加速された陽イオンは、揃えて重ねられた複数のスクリーンイオン抽出孔407a、加速イオン抽出孔及び減速イオン抽出孔を通って軸線A方向に放電容器401外に放出される。これにより、イオンスラスタ400には、陽イオンの運動量に応じた推力が与えられる。
【0042】
次に、制御装置413は、光軸駆動部416を介して集光レンズ415の角度を変化させ、発光モニタ414に入光するプラズマの光の光軸X3を放電容器401内で変化させながらプラズマの発光スペクトルを計測してプラズマの電子密度の相対的な空間分布を測定する。ここでは、制御装置413は、プラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して第1発光スペクトルと第2発光スペクトルとのスペクトル強度比を計測してもよい。また、制御装置413は、プローブ計測器412により、放電容器401内のプローブ411の先端が配置された領域のプラズマの電子密度の絶対値を測定する。
【0043】
次に、制御装置413は、発光モニタ414によって測定されたプラズマの電子密度の相対的な空間分布をプローブ計測装置412の測定結果で補正し、放電容器401内のプラズマの電子密度の絶対的な空間分布を測定する。次に、制御装置413は、測定したプラズマの電子密度の絶対的な空間分布に基づいて磁気回路403、ホローカソード404及びアノード406に供給するRF電力の電流量及び電圧を制御する。また、制御装置413は、放電容器401内に導入する推進ガスの流量、及び推進ガスの混合比を制御する。以上により、放電容器401で生成するプラズマの電子密度を設計条件に制御することが可能となる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態に係るイオンスラスタ400によれば、光軸駆動部416によって発光モニタ414に入光するプラズマからの光の光軸X3を変化させるので、放電容器401内で生成したプラズマの電子密度の分布を放電容器401内の全域に亘って測定できる。そして、発光モニタ414で測定されるプラズマの電子密度の相対値をプローブ計測器412で測定されるプラズマの電子密度の絶対値で補正できるので、放電容器401内で生成したプラズマの電子密度の絶対値の分布を放電容器401内の全域に亘って測定することが可能となる。これにより、測定されたプラズマの電子密度の絶対値の分布に基づいて、制御装置413が磁気回路403、ホローカソード404、及びアノード406に供給する電力及び放電容器401内に導入する推進ガスのガス流量及び混合比を制御してプラズマの状態を適切に制御して推進力を制御することが可能となる。これにより、例えば、推進ガスの流量不足又は磁気回路403、ホローカソード404、及びアノード406の電流の変動などにより、イオンスラスタ400が設計条件に応じた推進力が得られない場合であっても、プラズマの電子密度を正確に測定してプラズマを適切な状態に制御できるので、設計条件での安定的なイオンスラスタ400の動作を確認、制御することが可能となる。
【0045】
なお、上記実施の形態においては、プラズマ推進器の一例として、イオンスラスタへの適用形態について説明したが、本発明は、他のプラズマ推進器として、例えばホールスラスタ及びMPD(Magneto-Plasma-Dynamic)/ホローカソードタイプのプラズマ推進器にも適用可能である。
【0046】
図6は、ホールスラスタの概念図である。このホールスラスタ500は、円環状の加速チャネル501を備える。この加速チャネル501は、チャネル外周壁502aとチャネル内周壁502bとを有しており、推進ガスのガス流れ方向の下流側の端部が開放されている。加速チャネル501の下流側の端部の近傍には、カソード503が配置されている。加速チャネル501の上流部には、アノード504が配置されている。アノード504には、加速チャネル501に推進ガスを供給する推進ガス供給口504aが複数設けられている。推進ガスとしては、例えば、キセノン、アルゴン、クリプトン及び重水素などが用いられる。チャネル外周壁502aの外側には、外周磁気コア505が配置され、チャネル内周壁502bの内側には、中央磁気コア506が配置される。
【0047】
加速チャネル501には、径方向の磁場Bと軸方向の電場が印加される。外周磁気コア505と中央磁気コア506により形成される磁気回路に磁気コイルが設けられ、発生する磁束が漏洩することにより加速チャネル501に径方向の磁場が印加される。また、アノード504とかカソード503の間には電圧が印加されて、軸方向の電場を形成する。カソード503から放出され加速チャネル501内に流入した電子は、電場と磁場の相互作よって、加速チャネル501内を円周方向に周回し、ホール電流と呼ばれる円周方向の電流を形成して電子が閉じ込められる。推進ガス供給口504aから供給される推進ガスは、ホール電流として閉じこめられた電子と電離衝突してプラズマが発生する。このプラズマからイオンのみが軸方向の電場によって加速・噴出され、その反作用でホールスラスタの推力が得られる。噴出されたイオンはカソード503から放出された電子と結合して中性粒子となる。
【0048】
図7は、本実施の形態に係るプラズマ推進器を用いたホールスラスタ600の断面模式図である。
図7に示すように、本実施の形態に係るホールスラスタ600は、加速チャネル601は、チャネル外周壁602aとチャネル内周壁602bにより形成された円環状空間からなる。加速チャネル601の推進ガスのガス流れ方向における下流側の端部近傍に、カソード603が配置されている。加速チャネル601の上流側に、アノード604が配置されている。加速チャネ601の上流端部には、推進ガス供給口605が設けられている。
【0049】
チャネル外周壁602aの外側に外周磁気コア606が配置され、チャネル内周壁602bの内側には、中央磁気コア607が配置されている。加速チャネル601の上流端側に配置された後端板608は、外周磁気コア606と中央磁気コア607との間の磁路を形成するヨークとして機能する。外周磁気コア606及び中央磁気コア607にはそれぞれ、外側磁気コイル609、及び内側磁気コイル610が設けられている。外側磁気コイル609と加速チャネル601の間、及び内側磁気コイル610と加速チャネル601の間にはマグネティックシールド611、612が配置されている。このホールスラスタ600においては、マグネティックシールド611、612を設けて漏洩磁束を遮断し、加速チャネル611の下流端域のみにおいて漏洩磁束を通過させることにより、所望の位置に集中した磁場分布が形成される。
【0050】
チャネル外周壁602aには、先端が加速チャネル601の他端側に向けてプローブ701が配置される。プローブ701は、加速チャネル601内のプラズマの電子密度を測定するプローブ計測器702に接続される。プローブ701としては、プラズマ吸収プローブ(PAP:Plasma Absorption Probe)、ラングミュアプローブ及びアンテナプローブなどの各種プローブを用いることができる。プローブ701としては、磁場及び高電子密度環境下でも精度よく定量的なプラズマの電子密度を測定できる観点から、高周波プローブが好ましい。また、プローブ701は、プラズマ発生領域となる放電容器401内の外縁部のプラズマの電子密度が比較的小さい(例えば、1E18m
-3〜1E19m
-3)の範囲に設置する。この範囲に配置することにより、加速チャネル601内の中央部に生成した当該範囲より高電子密度のプラズマの電子密度への影響を抑制しつつ、プラズマの電子密度を正確に計測することが可能となるので、ホールスラスタ600による推進力の低下を防ぐことができる。プローブ計測器702は、測定したプラズマの電子密度を制御装置413に出力する。
【0051】
推進ガス導入口605の近傍には、加速チャネル601内で生成したプラズマの光を受光して発光スペクトルを測定する発光モニタ704が配置されている。発光モニタ704と推進ガス導入口605との間には、発光チャネル601内のプラズマの光を集光して発光モニタ704に照射する集光レンズ705が配置されている。この集光レンズ705には、集光レンズ705の角度を変化させる光軸駆動部706が接続されている。光軸駆動部706は、集光レンズ705の角度を変化させることにより発光モニタ704に入光するプラズマの光の光軸X4を加速チャネル601内で変化させる。発光モニタ704は、測定したプラズマの発光スペクトルを制御装置703に出力する。
【0052】
制御装置703は、例えば、CPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの汎用又は専用のコンピュータ及びこのコンピュータ上で動作するプログラムを利用して実現される。制御装置703は、プローブ計測装置705によって測定されたプラズマの電子密度及び発光モニタ704によって測定されたプラズマの発光スペクトルに基づいて電源(不図示)からカソード603、アノード604、外周磁気コア606、及び中央磁気コア607に供給する電流量及び電圧、加速チャネル601内に供給されるガス量を制御する。これにより、放電容器601内に発生したプラズマを所望の電子密度に制御することが可能となる。また、制御装置703は、光軸駆動部706を介して集光レンズ705を駆動して発光モニタ704に入光するプラズマの光の光軸X4を制御する。これにより、発光モニタ704によって加速チャネル601内の全域のプラズマの電子密度を測定することが可能となる。
【0053】
また、制御装置703は、発光モニタ704によって測定したプラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して第1発光スペクトルと第2発光スペクトルとのスペクトル強度比に基づいてカソード603、アノード604、外周磁気コア606、及び中央磁気コア607に供給に供給する電流量及び電圧、加速チャネル601内に供給されるガス量を制御することが好ましい。これにより、プラズマの中性粒子及びイオンのスペクトル強度比に基づいてプラズマの状態を制御できるので、簡便に定性的なプラズマの電子密度の測定が可能となる。また制御装置703は、推進ガス供給口605(不図示)を介して加速チャネル601内に導入する推進ガスの流量、及び推進ガスの混合比を制御する。
【0054】
次に、本実施の形態に係るホールスラスタ600の全体動作について説明する。まず、制御装置703が、推進ガス供給部(不図示)を介して予め設定された設計条件の推進ガスの流量、及び推進ガスの混合比に従って推進ガスを推進ガス供給口605から加速チャネル601内に供給する。また、制御装置703は、予め設定された設計条件の電力を外周磁気コア505及び中央磁気コア506に印加する。これにより、加速チャネル601に径方向の磁場が印加される。また、制御装置703は、予め設定された設計条件の電圧をアノード504とカソード503の間には電圧を印加し、加速チャネル601に軸方向の電場を形成する。これにより、カソード603から放出され加速チャネル601内に流入した電子は、電場と磁場の相互作よって、加速チャネル601内を円周方向に周回し、ホール電流と呼ばれる円周方向の電流を形成して電子が閉じ込められる。推進ガス供給口605から供給される推進ガスは、ホール電流として閉じこめられた電子と電離衝突して、プラズマが発生する。このプラズマからイオンのみが軸方向の電場によって加速・噴出され、その反作用でホールスラスタ600の推力が得られる。
【0055】
次に、制御装置703は、光軸駆動部706を介して集光レンズ705の角度を変化させ、発光モニタ704に入光するプラズマの光の光軸X4を加速チャネル601内で変化させながらプラズマの発光スペクトルを計測してプラズマの電子密度の相対的な空間分布を測定する。ここでは、制御装置703は、プラズマ中の中性粒子に基づく第1発光スペクトルと、プラズマ中のイオンに基づく第2発光スペクトルとを選別して第1発光スペクトルと第2発光スペクトルとのスペクトル強度比を計測してもよい。また、制御装置703は、プローブ計測器702により、加速チャネル601内のプローブ701の先端が配置された領域のプラズマの電子密度の絶対値を測定する。
【0056】
次に、制御装置703は、発光モニタ704によって測定されたプラズマの電子密度の相対的な空間分布をプローブ計測装置705の測定結果で補正し、加速チャネル601内のプラズマの電子密度の絶対的な空間分布を測定する。次に、制御装置703は、測定したプラズマの電子密度の絶対的な空間分布に基づいて外周磁気コア606と中央磁気コア607、並びにアノード604とカソード603に印加する電圧を制御する。また、制御装置703は、加速チャネル601内に導入する推進ガスの流量、及び推進ガスの混合比を制御する。以上により、加速チャネル601で生成するプラズマの電子密度を設計条件に制御することが可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態に係るホールスラスタ600によれば、光軸駆動部416によって発光モニタ414に入光するプラズマからの光の光軸X4を変化させるので、加速チャネル601内で生成したプラズマの電子密度の分布を加速チャネル601内の全域に亘って測定できる。そして、発光モニタ704で測定されるプラズマの電子密度の相対値をプローブ計測器702で測定されるプラズマの電子密度の絶対値で補正できるので、加速チャネル601内で生成したプラズマの電子密度の絶対値の分布を加速チャネル601内の全域に亘って測定することが可能となる。これにより、測定されたプラズマの電子密度の絶対値の分布に基づいて、制御装置703が外周磁気コア606と中央磁気コア607、並びにアノード604とカソード603に印加する電圧加速チャネル601内に導入する推進ガスのガス流量及び混合比を制御してプラズマの状態を適切に制御して推進力を制御することが可能となる。これにより、例えば、推進ガスの流量不足又は外周磁気コア606と中央磁気コア607、並びにアノード604とカソード603に印加する電圧の変動などにより、ホールスラスタ600が設計条件に応じた推進力が得られない場合であっても、プラズマの電子密度を正確に測定してプラズマを適切な状態に制御できるので、設計条件での安定的なホールスラスタ600の動作を確認、制御することが可能となる。