(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388519
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】ピンボード式分離装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20180903BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
B26D7/18 F
B26F1/44 G
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-212314(P2014-212314)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2016-78175(P2016-78175A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113403
【氏名又は名称】ホリゾン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 潤
(72)【発明者】
【氏名】戸島 崇裕
【審査官】
塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−010168(JP,A)
【文献】
特開平06−238776(JP,A)
【文献】
特開平10−113732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B26F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抜き加工された用紙からなる用紙スタックにおいて製品と抜きカスとを分離するピンボード式分離装置であって、
上基板と、下向きに突出するように前記上基板に設けられる上ピンとを有する上ピンボードと、
下基板と、上向きに突出するように前記下基板に設けられる下ピンとを有し、前記上ピンボードから下方に間隔をあけて前記上ピンボードに対向するように設けられる下ピンボードと、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとを相対的に上下動させる上下動ユニットと、
前記上下動ユニットを制御する制御ユニットと、
前記用紙スタックの厚さを検出する厚さ検出手段と、を備え、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとが相対的に接近することで、前記上ピンと前記下ピンとが、前記上ピンボードと前記下ピンボードとの間の前記用紙スタックの前記製品と前記抜きカスとを分離するものであり、
前記制御ユニットは、前記上ピンが前記用紙スタックの上面に相対的に接近する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度が、前記上ピンと前記下ピンとが前記製品と前記抜きカスとを分離する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度より速くなるように、前記厚さ検出手段の検出信号に基づいて前記上下動ユニットを制御する、ことを特徴とするピンボード式分離装置。
【請求項2】
抜き加工された用紙からなる用紙スタックにおいて製品と抜きカスとを分離するピンボード式分離装置であって、
上基板と、下向きに突出するように前記上基板に設けられる上ピンとを有する上ピンボードと、
下基板と、上向きに突出するように前記下基板に設けられる下ピンとを有し、前記上ピンボードから下方に間隔をあけて前記上ピンボードに対向するように設けられる下ピンボードと、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとを相対的に上下動させる上下動ユニットと、
前記上下動ユニットを制御する制御ユニットと、
前記用紙スタックの厚さの入力を受ける入力部と、を備え、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとが相対的に接近することで、前記上ピンと前記下ピンとが、前記上ピンボードと前記下ピンボードとの間の前記用紙スタックの前記製品と前記抜きカスとを分離するものであり、
前記制御ユニットは、前記上ピンが前記用紙スタックの上面に相対的に接近する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度が、前記上ピンと前記下ピンとが前記製品と前記抜きカスとを分離する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度より速くなるように、前記入力部の入力情報に基づいて前記上下動ユニットを制御する、ことを特徴とするピンボード式分離装置。
【請求項3】
前記上下動ユニットは、前記上ピンボードを前記下ピンボードに対して上下動するものであり、
前記下ピンが前記用紙スタックの前記製品を支持した状態で、前記上ピンが前記用紙スタックの前記抜きカスを下方に押すことにより前記製品と前記抜きカスとが分離されるものであり、
前記下ピンボードは、前記下ピンが挿通される挿通孔が形成され、前記用紙スタックを支持するテーブルと、前記テーブルを前記下基板に対して上下動させるテーブル駆動ユニットとをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記テーブル駆動ユニットを制御し、前記上ピンが前記抜きカスを押すとき、前記抜きカスが前記上ピンと前記テーブルとによって一定の圧力を保ったまま挟まれるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のピンボード式分離装置。
【請求項4】
前記上下動ユニットは、前記上ピンボードを前記下ピンボードに対して上下動するものであり、
前記下ピンが前記用紙スタックの前記製品を支持した状態で、前記上ピンが前記用紙スタックの前記抜きカスを下方に押すことにより前記製品と前記抜きカスとが分離されるものであり、
前記下ピンボードは、前記下ピンが挿通される挿通孔が形成され、前記用紙スタックを支持するテーブルと、前記テーブルを前記下基板に対して上下動させるテーブル駆動ユニットとをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記厚さ検出手段の検出信号に基づいて前記テーブル駆動ユニットを制御し、前記上ピンが前記抜きカスを押すとき、前記テーブルが前記用紙スタックの厚さに応じた量だけ下降することを特徴とする請求項1に記載のピンボード式分離装置。
【請求項5】
前記上下動ユニットは、前記上ピンボードを前記下ピンボードに対して上下動するものであり、
前記下ピンが前記用紙スタックの前記製品を支持した状態で、前記上ピンが前記用紙スタックの前記抜きカスを下方に押すことにより前記製品と前記抜きカスとが分離されるものであり、
前記下ピンボードは、前記下ピンが挿通される挿通孔が形成され、前記用紙スタックを支持するテーブルと、前記テーブルを前記下基板に対して上下動させるテーブル駆動ユニットとをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記入力部の入力情報に基づいて前記テーブル駆動ユニットを制御し、前記上ピンが前記抜きカスを押すとき、前記テーブルが前記用紙スタックの厚さに応じた量だけ下降することを特徴とする請求項2に記載のピンボード式分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トムソン式、ロータリー式等の打抜ち機によって抜き加工された用紙からなる用紙スタックにおいて製品と抜きカスとを分離するピンボード式分離装置に関する。
ここで、「抜き加工」とは、用紙から製品を完全に打ち抜いてしまうのではなく、製品とその周囲の抜きカスとが分離しないように部分的に繋がった状態に抜き加工することをいう。以下同様。
【背景技術】
【0002】
従来、打抜き機によって打き加工された用紙の製品と抜きカスとを分離するために、まず、抜き加工された用紙の一定枚数が積層されて用紙スタックが形成される。次いで、用紙スタックは分離装置に送られ、この分離装置によって用紙スタックの各用紙の製品と抜きカスとが一度に分離される。
【0003】
この種の分離装置として、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されたピンボード式分離装置がある。
【0004】
ピンボード式分離装置は、上下方向に対向して配置された上ピンボードと下ピンボードとの対を備えている。上ピンボードは、上基板と、下向きに突出するよう上基板に取り付けられる上ピンとを備えている。下ピンボードは、下基板と、上向きに突出するように下基板に取り付けられる下ピンとを備えている。上ピンボードは、上下動ユニットによって下ピンボードに対して上下動される。
【0005】
用紙スタックが上ピンボードと下ピンボードとの間に配置され、用紙スタックの製品が下ピンによって支持される。次いで、上ピンボードが上下動ユニットによって下降することで、上ピンが用紙スタックの抜きカスに接触し、該抜きカスを下方向に押す。それによって、製品と抜きカスとが上下方向に分離される。
【0006】
この分離作業では、製品にピンの押し痕が付かないように、上ピンボードを低速で下降させる必要がある。
【0007】
だたし、上ピンボードを低速で下降させる必要があるのは、上ピンが用紙スタックの抜きカスを押しているときであり、上ピンが抜きカスに接触するまでは低速である必要はない。にもかかわらず、従来の分離装置は上ピンボードを一定の低速で下降させていたので、一回の分離作業時間は長かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−238776号公報
【特許文献2】特開平11−5262号公報
【特許文献3】特開2002−307573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、分離作業時間を短縮することができるピンボード式分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るピンボード式分離装置は、抜き加工された用紙からなる用紙スタックにおいて製品と抜きカスとを分離するピンボード式分離装置であって、
上基板と、下向きに突出するように前記上基板に設けられる上ピンとを有する上ピンボードと、
下基板と、上向きに突出するように前記下基板に設けられる下ピンとを有し、前記上ピンボードから下方に間隔をあけて前記上ピンボードに対向するように設けられる下ピンボードと、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとを相対的に上下動させる上下動ユニットと、
前記上下動ユニットを制御する制御ユニットと、
前記用紙スタックの厚さを検出する厚さ検出手段と、を備え、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとが相対的に接近することで、前記上ピンと前記下ピンとが、前記上ピンボードと前記下ピンボードとの間の前記用紙スタックの前記製品と前記抜きカスとを分離するものであり、
前記制御ユニットは、前記上ピンが前記用紙スタックの上面に相対的に接近する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度が、前記上ピンと前記下ピンとが前記製品と前記抜きカスとを分離する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度より速くなるように、
前記厚さ検出手段の検出信号に基づいて前記上下動ユニットを制御する、ことを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るピンボード式分離装置は、抜き加工された用紙からなる用紙スタックにおいて製品と抜きカスとを分離するピンボード式分離装置であって、
上基板と、下向きに突出するように前記上基板に設けられる上ピンとを有する上ピンボードと、
下基板と、上向きに突出するように前記下基板に設けられる下ピンとを有し、前記上ピンボードから下方に間隔をあけて前記上ピンボードに対向するように設けられる下ピンボードと、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとを相対的に上下動させる上下動ユニットと、
前記上下動ユニットを制御する制御ユニットと、
前記用紙スタックの厚さの入力を受ける入力部と、を備え、
前記上ピンボードと前記下ピンボードとが相対的に接近することで、前記上ピンと前記下ピンとが、前記上ピンボードと前記下ピンボードとの間の前記用紙スタックの前記製品と前記抜きカスとを分離するものであり、
前記制御ユニットは、前記上ピンが前記用紙スタックの上面に相対的に接近する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度が、前記上ピンと前記下ピンとが前記製品と前記抜きカスとを分離する際の前記上ピンボードと前記下ピンボードとの接近速度より速くなるように、前記入力部の入力情報に基づいて前記上下動ユニットを制御する、ことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、
前記上下動ユニットは、前記上ピンボードを前記下ピンボードに対して上下動するものであり、前記下ピンが前記用紙スタックの前記製品を支持した状態で、前記上ピンが前記用紙スタックの前記抜きカスを下方に押すことにより前記製品と前記抜きカスとが分離されるものである。
好ましくは、前記下ピンボードは、前記下ピンが挿通される挿通孔が形成され、前記用紙スタックを支持するテーブルと、前記テーブルを前記下基板に対して上下動させるテーブル駆動ユニットとを備える。
【0013】
好ましくは、
前記制御ユニットは、前記テーブル駆動ユニットを制御し、前記上ピンが前記抜きカスを押すとき、前記抜きカスが前記上ピンと前記テーブルとによって一定の圧力を保ったまま挟まれるようになっている。
【0014】
好ましくは、
前記制御ユニットは、前記厚さ検出手段の検出信号、または、前記入力部の入力情報に基づいて前記テーブル駆動ユニットを制御し、前記上ピンが前記抜きカスを押すとき前記テーブルが前記用紙スタックの厚さに応じた量だけ下降する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上ピンボートと下ピンボードとの接近速度は、上ピンと下ピンとが製品と抜きカスとを分離する際は遅く、上ピンが用紙スタックの上面に対して相対的に接近する際は速い。それによって、製品にピンの押し痕がつかないようにしつつ、一回の分離作業時間を従来の分離装置よりも短縮できる。分離作業時間の短縮によって生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係るピンボード式分離装置の概略構成を示す。
図1Aは平面図、
図1Bは正面図、
図1Cは側面図である。
【
図2】製品と抜きカスとを分離する前の
図1のピンボード式分離装置である。
【
図3】製品と抜きカスとを分離した後の
図1のピンボード式分離装置である。
【
図4】製品と抜きカスとの分離動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい一実施例について説明する。
【0019】
図1を参照して、ピンボード式分離装置(以下、単に分離装置とする)は、抜き加工された用紙が集積されて形成された用紙スタックSにおいて製品と抜きカスとを分離する。ここで、「抜き加工」とは、用紙から製品を完全に打ち抜いてしまうのではなく、製品とその周囲の抜きカスが分離しないように部分的に繋がった状態に抜き加工することをいう。以下同様。
【0020】
分離装置は、上ピンボード1及び下ピンボード2の対を備えている。上ピンボード1は、上基板10と、上基板10から下向きに突出するように上基板10に設けられる上ピン11とを備えている。上基板10の下面には、上ピン11用の差込孔がマトリクス状に形成されている。上ピン11は、該差込孔に差し込まれ、上基板10内に設けられた磁石の磁力によって保持される。上ピン11は、上基板10に対して着脱可能である。
【0021】
上ピンボード1は、用紙スタックSを上方から押えるための用紙押え板12を備えている。用紙押え板12には、挿通孔がマトリクス状に形成され、上下方向に貫通している。上ピン11は、該挿通孔に遊びをもって挿通されている。用紙押え板12は、上基板10に固定されたガイドを介して上基板10に対して上下動可能にかつ水平に支持されている。スプリングが、上基板10及び用紙押え板12間に設けられ、用紙押え板12を下向きに付勢している。
【0022】
下ピンボード2は、上ピンボード1から下方に間隔をあけて上ピンボード1に対向するように設けられている。下ピンボード2は、下基板20と、下基板20から上向きに突出するように下基板20に設けられる下ピン21とを備えている。下基板20の上面には、下ピン21用の差込孔がマトリクス状に形成されている。下ピン21は、この差込孔に差し込まれて保持される。下ピン21は、下基板20に対して着脱可能である。
【0023】
下ピンボード2は、用紙スタックSを支持するテーブル22を備えている。テーブル22には、挿通孔がマトリックス状に形成され、上下方向に貫通している。この挿通孔には、下ピン21が遊びを持って挿通されている。
【0024】
さらに、下ピンボード2は、テーブル22を下基板20に対して上下動させるテーブル駆動ユニット3を備えている。以下、テーブル駆動ユニット3の構成について説明する。
一対のラック30が、下基板20の両側面に固定された支持片31を介して下基板20に対して上下動可能に支持され、上下方向にのびている。テーブル22は、一対のラック30によって水平に支持されている。
【0025】
さらに、
図1Cを参照して、一対のシャフト32(シャフトの一つは図示されない)が、下基板20の両側においてフレーム4に対して軸周りに回転可能に取り付けられ、水平方向にのびている。各シャフト32の一端にはプーリー33が取り付けられ、他端にはピニオン34が取り付けられてラック30に噛み合っている。モーター35が一方のシャフト32の下方においてフレーム4に取り付けられ、モーター35の駆動軸にプーリー36が取り付けられている。
【0026】
図1Bを参照して、エンドレスベルト37が、モーター35のプーリー36と一方のシャフト32のプーリー33との間に掛け渡されている。さらに、追加のエンドレスベルト38が、両シャフト32のプーリー33とローラー39との間に掛け渡されている。モーター35の駆動によって一対のシャフト32が正逆自在に回転せしめられ、それに伴ってシャフト32のピニオン34が回転してラック30を下基板20に対して上下動させる。その結果、テーブル22が下基板20に対して上下動せしめられる。
テーブル駆動ユニット3の構成は、本実施例に限定されない。
【0027】
さらに、分離装置は、上ピンボード1と下ピンボード2とを相対的に上下動させる上下動ユニット5を備えている。本実施例では、上下動ユニット5は上ピンボード1を上下動させるものであり、下ピンボード2はフレーム4に対して固定されている。以下、上下動ユニット5の構成について説明する。
【0028】
一対のボールねじ軸50が、水平方向に間隔をあけてかつフレーム4に対して軸周りに回転可能に取り付けられて、上下方向にのびている。ボールねじ軸50のそれぞれは、上基板10に形成された上下方向に貫通する差込孔に差し込まれている。ボールねじ軸50のそれぞれの上端にはプーリー51が取り付けられている。
【0029】
モーター52がフレーム4に取り付けられており、モーター52の出力軸にプーリー53が取り付けられている。
図1Aを参照して、エンドレスベルト54が、各ボールねじ軸50のプーリー51、モーター52のプーリー53、及び、ローラー55間に掛け渡されている。モーター52の駆動によって、一対のボールねじ50が正逆自在に回転せしめられ、それによって、上ピンボード1がボールねじ50に沿って下ピンボード2に対して上下動せしめられる。
上下動ユニット5の構成は、本実施例に限定されない。
【0030】
さらに、分離装置は、テーブル22に載置された用紙スタックSの厚さを検出する厚さ検出手段を備えている。以下、厚さ検出手段の構成について説明する。本実施例では、厚さ検出手段は、距離センサ40と、テーブル22用の原点センサ41とを備えている。
【0031】
距離センサ40は、テーブル22上の用紙スタックSの上面と対向するようにフレーム4に対して固定され、用紙スタックSの上面までの距離を測定する。原点センサ41は、テーブル22の上面で用紙スタックSが載置されない位置と対向するように、フレーム4に対して固定され、テーブル22が初期位置にあることを検出する。テーブル22上の用紙スタックSの厚さは、テーブル22が初期位置にあるときに測定される前記距離に基づいて検出される。
厚さ検出手段の構成は、本実施例に限定されない。
【0032】
分離装置は、上ピンボード1が初期位置にあることを検出する上ピンボード1用の原点センサ42を備えている。
【0033】
分離装置は、制御ユニット6を備えている。制御ユニット6は、厚さ検出手段からの検出信号に基づいて、テーブル駆動ユニット3及び上下動ユニット5(即ち、それぞれのモーター35、52)を制御する。
【0034】
次に、上記分離装置による製品と抜きカスとの分離動作の一実施例について説明する。以下では、テーブル駆動ユニット3及び上下動ユニット5は、制御ユニット6により制御されている。
【0035】
まず、打抜き機によって抜き加工された用紙が一定枚数積層されてなる用紙スタックSが準備される。
【0036】
図2、
図4Aを参照して、上ピン11は、用紙の抜きカスの形状に対応するように上基板10に取り付けられる。一方、下ピン21は、用紙の製品の形状に対応するように下基板20に取り付けられる。
【0037】
上ピンボード1は、初期位置にある。上ピン11の先端と用紙押え板12の下面とは略面一である。テーブル22は、初期位置にある。下ピン21の先端とテーブル22の上面とは略面一である。
【0038】
下ピン21が用紙スタックSの製品を支持し抜きカスを支持しないように、用紙スタックSがテーブル22上に載置される。用紙スタックSがテーブル22に載置されると、用紙スタックSの厚みが厚み検出手段によって自動的に検出される。厚みが検出されることにより、上ピン11の先端から用紙スタックSの上面までの距離が既知となる。
【0039】
図2、
図4A、
図4Bを参照して、上ピンボード1が上下動ユニット5によって下降することで、上ピン11及び用紙押え板12が用紙スタックSの上面に接近し、接触する。このとき、上ピン11は用紙スタックSの抜きカスに接触し、製品には接触しない。
【0040】
図3、
図4B、
図4Cを参照して、上ピンボード1がそこからさらに用紙スタックSの厚みに応じた量だけ下降するとともに、テーブル22もテーブル駆動ユニット3によって用紙スタックSの厚みに応じた量だけ下降する。
【0041】
このとき、用紙スタックSの製品が下ピンによって支持された状態で、用紙スタックSの抜きカスが上ピン11によって下方向に押される。それによって、用紙スタックSの各用紙の製品と抜きカスとの繋ぎ目が切断されて、製品と抜きカスとが上下方向に分離される。その結果、積層された製品からなる製品スタックPが下ピン21上に得られ、積層された抜きカスからなる抜きカススタックQがテーブル22上に得られる。
【0042】
この分離動作において、上ピンボード1は、上ピン11が用紙スタックSの上面に接近して接触する直前までは高速で下降し(
図4A、
図4B)、そこから減速して、上ピン11と下ピン21とが製品と抜きカスとを分離する際は一定の低速で下降する(
図4B、
図4C)。また、上ピン11と下ピン21とが製品と抜きカスとを分離する際、テーブル22は上ピンボード1と同期しながら下降しており、抜きカスは上ピン11とテーブル22とによって一定の圧力を保ちながら挟まれるようになっている。なお、製品は、スプリングにより下向きに付勢された用紙押え板12と下ピン21とによって挟まれるようになっている。
【0043】
次いで、
図4Dに示される通り、上ピンボード1が上昇して下ピンボード2から離れ、製品スタックP及び抜きカススタックQが分離装置から取り出せるようになる。
分離装置は、以上のようにして、用紙スタックSの各用紙の製品と抜きカスとを一度に分離する。
【0044】
以上の通り、上ピン11が用紙スタックSの上面に接近する際の上ピンボード1の下降速度(即ち、上ピンボード1と下ピンボード2との接近速度)は、上ピン11と下ピン21が製品と抜きカスとを分離する際の上ピンボード1の下降速度よりも速くなっている。それによって、ピンの押し痕が製品に付くことを防止でき、しかも一回の分離作業時間を、一定の低速でピンを動かす従来の分離装置よりも短縮できる。
【0045】
制御ユニット6は厚さ検出手段の検出信号に基づいて上下動ユニット5を制御することで、用紙スタックSがいかなる厚さであっても、上ピン11が用紙スタックSの上面に接触する直前まで上ピンボード1を高速で下降させることができる。この構成によれば、分離作業時間は、用紙スタックSの厚みに応じて変化し、厚みが小さいと短縮される。
【0046】
上ピン11が抜きカスを下方に押す際に、抜きカスが上ピン11及びテーブル22によって一定の圧力で挟まれることにより、用紙スタックSが不用意に動くことが防止されている。
また、制御ユニット6は厚さ検出手段の検出信号に基づいてテーブル駆動ユニット3を制御し、上ピン11が抜きカスを押す際、テーブル22が用紙スタックSの厚みに応じた量だけ下降する。このように、用紙スタックの厚みに応じてテーブル22の下降量を変化させることで、分離作業時間はさらに短縮される。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は本実施例に限定されない。
【0048】
上記実施例では、製品と抜きカスとを分離するために、上下動ユニット5は上ピンボード1を下降さている。そうではなく、上下動ユニット5は、上ピンボード1を下降せず下ピンボード2を上昇させてもよく、また、上ピンボード1を下降させるとともに下ピンボード2を上昇させてもよい。即ち、上下動ユニット5は、上ピンボード1と下ピンボード2とを相対的に接近できる構成であればよい。
【0049】
なお、上下動ユニット5が下ピンボード2を上昇させる構成を含んでいても、本発明の目的を達成することはできる。要するに、上ピン11が用紙スタックSの上面に対して相対的に接近する際の上ピンボード1と下ピンボード2との接近速度が、上ピン11と下ピン21とが製品と抜きカスとを分離する際の上ピンボード1と下ピンボード2の接近速度より速くなるように、制御ユニット6が上下動ユニット5を制御すればよい。このことは上記実施例の記載に接した当業者であれば自明である。
【0050】
また上記実施例と違って、上ピン11が製品の形状に対応するように上基板10に取り付けられ、下ピン21が抜きカスの形状に対応するように下基板20に取り付けられてもよい。
【0051】
また、分離装置は、テーブル駆動ユニット3を備える代わりに、例えば、テーブル22をガイドを介して下基板20に対して上下動可能に設け、スプリングをテーブル22と下基板20との間に設け、該スプリングによってテーブル22を上向きに付勢してもよい。この構成でも、上ピン11が抜きカスを押す動作に合わせてテーブル22が下降し、抜きカスが上ピン11とテーブル22によって挟まれる。
【0052】
分離装置は、厚さ検出手段に代えて、用紙スタックSの厚さの入力を受ける入力部を備えてもよい。入力部は、例えばキーボードやタッチパネルである。オペレータは、用紙スタックSの厚さを測定して、測定値を入力部に入力する。制御ユニット6は、入力部の入力された入力情報に基づいて、上記実施例と同様にテーブル駆動ユニット3及び上下動ユニット5を制御する。
【符号の説明】
【0053】
1 上ピンボード
10 上基板
11 上ピン
2 下ピンボード
20 下基板
21 下ピン
22 テーブル
3 テーブル駆動ユニット
4 フレーム
5 上下動ユニット
6 制御ユニット
S 用紙スタック
P 製品スタック
Q 抜きカススタック