特許第6388544号(P6388544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6388544ナビゲーションシステム、ナビゲーション機能付き携帯端末、車載機、案内継続用プログラムおよび走行案内方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388544
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】ナビゲーションシステム、ナビゲーション機能付き携帯端末、車載機、案内継続用プログラムおよび走行案内方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20180903BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180903BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20180903BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   G01C21/26 B
   H04M1/00 V
   G09B29/10 A
   G09B29/00 A
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-4786(P2015-4786)
(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公開番号】特開2016-130679(P2016-130679A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 満
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/112095(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0143726(US,A1)
【文献】 特開2011−033460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
23/00−25/00
G09B 29/00
G09B 29/10
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と車載機とを連携させ、上記携帯端末にインストールされているナビゲーションアプリのナビゲーション画面を上記携帯端末から上記車載機に転送して表示させることができるようになされたナビゲーションシステムであって、
上記携帯端末は、
自車位置周辺のナビゲーション画面を画像データとして取得するナビゲーション画像取得部と、
上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像を上記車載機に送信するナビゲーション画像送信部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したか否かを判定する移行判定部と、
上記移行判定部により上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中の上記ナビゲーションアプリで検出される自車位置座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得された上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算する座標算出部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標算出部により算出された上記正規化座標を上記車載機に繰り返し送信する座標送信部とを備え、
上記車載機は、
上記ナビゲーション画像送信部により送信された上記ナビゲーション画像を受信するナビゲーション画像受信部と、
上記ナビゲーション画像受信部により受信された上記ナビゲーション画像を記憶するナビゲーション画像記憶部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標送信部により繰り返し送信された上記正規化座標を受信する座標受信部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記ナビゲーション画像記憶部に記憶しておいた上記ナビゲーション画像を表示させるとともに、上記座標受信部により受信された上記正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる表示制御部とを備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
上記ナビゲーション画像取得部は、上記携帯端末において上記ナビゲーション画面として表示中のエリアを中心として、当該中心のエリアおよびその周囲のエリアを含む複数のメッシュのナビゲーション画像を取得し、
上記ナビゲーション画像送信部は、上記複数のメッシュのナビゲーション画像を上記車載機に送信し、
上記携帯端末は、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、当該バックグラウンドで動作中の上記ナビゲーションアプリで検出される自車位置座標が属するエリアを示すエリア情報を上記車載機に送信するエリア情報送信部を更に備え、
上記車載機は、上記エリア情報送信部により送信された上記エリア情報を受信するエリア情報受信部を更に備え、
上記表示制御部は、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記ナビゲーション画像記憶部に記憶しておいた複数のメッシュのナビゲーション画像のうち、上記エリア情報受信部により受信された上記エリア情報に対応するメッシュのナビゲーション画像を表示させるとともに、上記座標受信部により受信された上記正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
上記ナビゲーション画像取得部は、上記ナビゲーションアプリがフォアグラウンドで動作している間、自車位置の移動に応じて、上記複数のメッシュのナビゲーション画像を繰り返し取得し、
上記ナビゲーション画像送信部は、上記ナビゲーション画像取得部により上記複数のメッシュのナビゲーション画像が取得される都度、当該複数のメッシュのナビゲーション画像を上記車載機に繰り返し送信し、
上記表示制御部は、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記バックグラウンドに移行する直前に上記ナビゲーション画像記憶部に記憶された複数のメッシュのナビゲーション画像を用いて、上記エリア情報受信部により受信された上記エリア情報に対応するメッシュのナビゲーション画像を表示させることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
上記携帯端末は、
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第2の座標算出部と、
上記音声ファイル生成部により生成された音声ファイルを、上記第2の座標算出部により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する音声ファイル送信部とを更に備え、
上記車載機は、
上記音声ファイル送信部により送信された上記音声ファイルおよび上記案内位置の正規化座標を受信する音声ファイル受信部と、
上記音声ファイル受信部により受信された上記音声ファイルを上記案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する音声ファイル記憶部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標受信部により上記正規化座標が受信されたときに、当該受信された正規化座標と同じ値を示す上記案内位置の正規化座標に紐付けられている音声ファイルを上記音声ファイル記憶部から読み出して再生する音声ファイル再生部とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
上記携帯端末は、
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する案内画像生成部と、
上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第2の座標算出部と、
上記案内画像生成部により生成された拡大案内画像を、上記第2の座標算出部により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する案内画像送信部とを更に備え、
上記車載機は、
上記案内画像送信部により送信された上記拡大案内画像および上記案内位置の正規化座標を受信する案内画像受信部と、
上記案内画像受信部により受信された上記拡大案内画像を上記案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する案内画像記憶部とを更に備え、
上記表示制御部は、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標受信部により上記正規化座標が受信されたときに、当該受信された正規化座標と同じ値を示す上記案内位置の正規化座標に紐付けられている拡大案内画像を上記案内画像記憶部から読み出して表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
車載機と連携し、ナビゲーションアプリのナビゲーション画面を上記車載機に転送して表示させることができるようになされたナビゲーション機能付き携帯端末であって、
自車位置周辺のナビゲーション画面を画像データとして取得するナビゲーション画像取得部と、
上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像を上記車載機に送信するナビゲーション画像送信部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したか否かを判定する移行判定部と、
上記移行判定部により上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中の上記ナビゲーションアプリで検出される自車位置座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得された上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算する座標算出部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標算出部により算出された上記正規化座標を上記車載機に繰り返し送信する座標送信部とを備えたことを特徴とするナビゲーション機能付き携帯端末。
【請求項7】
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第2の座標算出部と、
上記音声ファイル生成部により生成された音声ファイルを、上記第2の座標算出部により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する音声ファイル送信部とを更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション機能付き携帯端末。
【請求項8】
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する案内画像生成部と、
上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第2の座標算出部と、
上記案内画像生成部により生成された拡大案内画像を、上記第2の座標算出部により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する案内画像送信部とを更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション機能付き携帯端末。
【請求項9】
携帯端末と連携し、上記携帯端末にインストールされているナビゲーションアプリのナビゲーション画面を上記携帯端末から受信して表示させることができるようになされた車載機であって、
上記携帯端末から送信されたナビゲーション画像を受信するナビゲーション画像受信部と、
上記ナビゲーション画像受信部により受信された上記ナビゲーション画像を記憶するナビゲーション画像記憶部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記携帯端末から繰り返し送信された正規化座標を受信する座標受信部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記ナビゲーション画像記憶部に記憶しておいた上記ナビゲーション画像を表示させるとともに、上記座標受信部により受信された上記正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる表示制御部とを備え、
上記ナビゲーション画像受信部が上記携帯端末から受信する上記ナビゲーション画像は、上記携帯端末が自車位置周辺のナビゲーション画面を画像データとして取得したものであり、
上記座標受信部が上記携帯端末から受信する上記正規化座標は、上記携帯端末において上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したと判定された後に、当該バックグラウンドで動作中の上記ナビゲーションアプリで検出される自車位置座標を、上記携帯端末が上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算したものであることを特徴とする車載機。
【請求項10】
上記携帯端末から送信された音声ファイルおよび案内位置の正規化座標を受信する音声ファイル受信部と、
上記音声ファイル受信部により受信された上記音声ファイルを上記案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する音声ファイル記憶部と、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標受信部により上記正規化座標が受信されたときに、当該受信された正規化座標と同じ値を示す上記案内位置の正規化座標に紐付けられている音声ファイルを上記音声ファイル記憶部から読み出して再生する音声ファイル再生部とを更に備え、
上記音声ファイル受信部が上記携帯端末から受信する上記音声ファイルは、上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合に、上記携帯端末において取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき案内音声として生成されたものであり、
上記音声ファイル受信部が上記携帯端末から受信する上記案内位置の正規化座標は、上記1以上の案内位置を示す座標を、上記携帯端末が上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算したものであることを特徴とする請求項9に記載の車載機。
【請求項11】
上記携帯端末から送信された拡大案内画像および案内位置の正規化座標を受信する案内画像受信部と、
上記案内画像受信部により受信された上記拡大案内画像を上記案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する案内画像記憶部とを更に備え、
上記案内画像受信部が上記携帯端末から受信する上記拡大案内画像は、上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合に、上記携帯端末において取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき画像として生成されたものであり、
上記案内画像受信部が上記携帯端末から受信する上記案内位置の正規化座標は、上記1以上の案内位置を示す座標を、上記携帯端末が上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算したものであり、
上記表示制御部は、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標受信部により上記正規化座標が受信されたときに、当該受信された正規化座標と同じ値を示す上記案内位置の正規化座標に紐付けられている拡大案内画像を上記案内画像記憶部から読み出して表示させることを特徴とする請求項9に記載の車載機。
【請求項12】
車載機に画面を転送して表示させることができるようになされた携帯端末にインストールされる案内継続用プログラムであって、
ナビゲーションアプリによって提供される自車位置周辺のナビゲーション画面を画像データとして取得するナビゲーション画像取得手段、
上記ナビゲーション画像取得手段により取得されたナビゲーション画像を上記車載機に送信するナビゲーション画像送信手段、
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したか否かを判定する移行判定手段、
上記移行判定手段により上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中の上記ナビゲーションアプリで検出される自車位置座標を、上記ナビゲーション画像送信手段により送信した上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算する座標算出手段、および
上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標算出手段により算出された上記正規化座標を上記車載機に繰り返し送信する座標送信手段
として上記携帯端末のコンピュータを機能させるためのコンピュータ読み取り可能な案内継続用プログラム。
【請求項13】
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記ナビゲーション画像取得手段により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する音声ファイル生成手段、
上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得手段により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第2の座標算出手段、および
上記音声ファイル生成手段により生成された音声ファイルを、上記第2の座標算出手段により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する音声ファイル送信手段
として上記携帯端末のコンピュータを更に機能させるための請求項12に記載の案内継続用プログラム。
【請求項14】
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記ナビゲーション画像取得手段により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する案内画像生成手段、
上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得手段により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第2の座標算出手段、
上記案内画像生成手段により生成された拡大案内画像を、上記第2の座標算出手段により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する案内画像送信手段
として上記携帯端末のコンピュータを更に機能させるための請求項12に記載の案内継続用プログラム。
【請求項15】
携帯端末と車載機とを連携させ、上記携帯端末にインストールされているナビゲーションアプリのナビゲーション画面を上記携帯端末から上記車載機に転送して表示させることができるようになされたナビゲーションシステムにおいて走行案内を行う方法であって、
上記携帯端末のナビゲーション画像取得部が、自車位置周辺のナビゲーション画面を画像データとして取得する第1のステップと、
上記携帯端末のナビゲーション画像送信部が、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像を上記車載機に送信する第2のステップと、
上記車載機のナビゲーション画像受信部が、上記ナビゲーション画像送信部により送信された上記ナビゲーション画像を受信する第3のステップと、
上記車載機のナビゲーション画像記憶部が、上記ナビゲーション画像受信部により受信された上記ナビゲーション画像を記憶する第4のステップと、
上記携帯端末の移行判定部が、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したか否かを判定する第5のステップと、
上記携帯端末の座標算出部が、上記移行判定部により上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中の上記ナビゲーションアプリで検出される自車位置座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得された上記ナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第6のステップと、
上記携帯端末の座標送信部が、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標算出部により算出された上記正規化座標を上記車載機に繰り返し送信する第7のステップと、
上記車載機の座標受信部が、上記座標送信部により送信された上記正規化座標を受信する第8のステップと、
上記車載機の表示制御部が、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記ナビゲーション画像記憶部に記憶しておいた上記ナビゲーション画像を表示させるとともに、上記座標受信部により受信された上記正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる第9のステップとを有することを特徴とする走行案内方法。
【請求項16】
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記携帯端末の音声ファイル生成部が、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する第10のステップと、
上記携帯端末の第2の座標算出部が、上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第11のステップと、
上記携帯端末の音声ファイル送信部が、上記音声ファイル生成部により生成された音声ファイルを、上記第2の座標算出部により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する第12のステップと、
上記車載機の音声ファイル受信部が、上記音声ファイル送信部により送信された上記音声ファイルおよび上記案内位置の正規化座標を受信する第13のステップと、
上記車載機の音声ファイル記憶部が、上記音声ファイル受信部により受信された上記音声ファイルを上記案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する第14のステップとを上記第5のステップよりも前に更に有し、
上記車載機の音声ファイル再生部が、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標受信部により上記正規化座標が受信されたときに、当該受信された正規化座標と同じ値を示す上記案内位置の正規化座標に紐付けられている音声ファイルを上記音声ファイル記憶部から読み出して再生する第15のステップを更に有することを特徴とする請求項15に記載の走行案内方法。
【請求項17】
上記ナビゲーションアプリによって誘導経路が設定されている場合、上記携帯端末の案内画像生成部が、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上の1以上の案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する第16のステップと、
上記携帯端末の第2の座標算出部が、上記1以上の案内位置を示す座標を、上記ナビゲーション画像取得部により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する第17のステップと、
上記携帯端末の案内画像送信部が、上記案内画像生成部により生成された拡大案内画像を、上記第2の座標算出部により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて上記車載機に送信する第18のステップと、
上記車載機の案内画像受信部が、上記案内画像送信部により送信された上記拡大案内画像および上記案内位置の正規化座標を受信する第19のステップと、
上記車載機の案内画像記憶部が、上記案内画像受信部により受信された上記拡大案内画像を上記案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する第20のステップとを上記第5のステップよりも前に更に有し、
上記車載機の上記表示制御部が、上記ナビゲーションアプリがバックグラウンドに移行している間、上記座標受信部により上記正規化座標が受信されたときに、当該受信された正規化座標と同じ値を示す上記案内位置の正規化座標に紐付けられている拡大案内画像を上記案内画像記憶部から読み出して表示させる第21のステップを更に有することを特徴とする請求項15に記載の走行案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション機能付き携帯端末、車載機、案内継続用プログラムおよび走行案内方法に関し、特に、携帯端末と車載機とを連携させ、携帯端末に表示されているナビゲーション画面を車載機に転送して表示させることができるようになされたシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯端末と車載機とを連携させて所定の処理を行う技術が提供されている。例えば、スマートフォンと車載機との連携を可能にするMirrorLinkと呼ばれる技術が知られている。最近では、アップル社よりCarPlayと呼ばれる連携機能も提供されている。これらのMirrorLink やCarPlayに対応した車載機では、スマートフォンにインストールされているナビゲーションアプリ(以下、ナビアプリという)のナビゲーション画面を車載機側に転送して表示させ、車載機側からスマートフォンを遠隔操作することが可能である。
【0003】
また、携帯端末と車載機との連携に関する技術について特許出願も行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1に記載のシステムでは、デジタル表示信号に基づき自位置地図画像を表示するディスプレイ手段を備えた携帯情報通信装置に対し、外部ディスプレイ手段を伴う周辺装置を接続し、該周辺装置に対してデジタル表示信号に基づき外部表示信号を送信することにより、外部ディスプレイ手段に自位置地図画像またはナビゲーション画像を表示することができるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載のシステムでは、連携アプリケーションのウインドウが車載装置に表示されたときに、起動中である他の連携アプリケーションが複数存在する場合に、当該複数存在する他の連携アプリケーションのうちから、バックグランド動作中に処理を継続して行う連携アプリケーションを選定し、当該選定した連携アプリケーションが連携する携帯装置アプリケーションのウインドウを携帯装置に表示する。
【0005】
また、特許文献3に記載のシステムでは、通信相手端末にてフォアグラウンドで実行中の連携アプリケーションがバックグラウンドに移行したことでサービスの提供が中断された後に、当該連携アプリケーションがフォアグラウンドに復帰した場合に、携帯通信端末からのUUIDの取得を繰り返し行うことにより、当該サービスの提供を適切に再開できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4028580号公報
【特許文献2】特開2012−247898号公報
【特許文献3】特開2013−247616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図12に示すように、スマートフォン100’と車載機200’とを連携させてナビアプリのナビゲーション画面を車載機200’に転送して表示させているときに、スマートフォン100’に対する電話やメッセージ等の着信によりナビアプリがバックグラウンドに移行すると、スマートフォンには着信画面が表示され、ナビアプリの動作が停止するように実装されている。
【0008】
そのため、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間は、車載機200’にもスマートフォン100’と同じ着信画面が表示され、自車位置の更新や走行案内が一切停止してしまう。これにより、ナビゲーション画面が表示されなくなるため、運転者が案内交差点を見落として通り過ぎてしまう恐れがあるという問題があった。また、ナビアプリがフォアグラウンドに復帰した際に、車載機200’に表示されるナビゲーション画面において、ナビアプリの動作が停止した地点から現在地まで自車位置が飛ぶ事象が発生するという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、携帯端末から車載機にナビゲーション画面を転送して表示させているときに、携帯端末のナビアプリがバックグラウンドに移行した場合であっても、車載機において走行案内を行い続けることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明では、携帯端末においてナビアプリがバックグラウンドに移行する前、自車位置周辺のナビゲーション画像を携帯端末から車載機に送信し、車載機のナビゲーション画像記憶部に記憶させておく。そして、携帯端末では、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中のナビアプリで検出される自車位置座標をナビゲーション画像上の正規化座標に換算し、算出された正規化座標を車載機に繰り返し送信するようにする。車載機では、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、ナビゲーション画像記憶部に記憶しておいたナビゲーション画像を表示させるとともに、携帯端末から送られてくる正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させるようにする。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明によれば、携帯端末から車載機にナビゲーション画面を転送して表示させているときに、着信等の発生によって携帯端末のナビアプリがバックグラウンドに移行すると、バックグラウンドに移行する前にあらかじめ携帯端末から車載機に送信して記憶しておいたナビゲーション画像が車載機に表示され、バックグラウンドに移行している間も継続して携帯端末から車載機に送信される自車位置を表すナビゲーション画像上の正規化座標に基づいて、ナビゲーション画像上に自車位置マークが重ねて表示される。これにより、携帯端末のナビアプリがバックグラウンドに移行し、携帯端末においてナビゲーション画面が表示されなくなった場合であっても、車載機において走行案内を行い続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1〜第3の実施形態によるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態によるナビゲーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。
図3】ナビゲーション画像取得部が取得する複数のメッシュのナビゲーション画像の例を示す図である。
図4】第1の実施形態による携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態による車載機の動作例を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態によるナビゲーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態による携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態による車載機の動作例を示すフローチャートである。
図9】第3の実施形態によるナビゲーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。
図10】第3の実施形態による携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
図11】第3の実施形態による車載機の動作例を示すフローチャートである。
図12】従来の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態によるナビゲーションシステムは、スマートフォン等の携帯端末100と車載機200とを備えて構成されている。
【0014】
第1の実施形態によるナビゲーションシステムは、図1(a)に示すように、携帯端末100と車載機200とを連携させ、携帯端末100にインストールされているナビアプリのナビゲーション画面を携帯端末100から車載機200に転送して表示させることができるようになされている。
【0015】
また、第1の実施形態によるナビゲーションシステムは、図1(b)に示すように、携帯端末100と車載機200とを連携させてナビアプリのナビゲーション画面を車載機100に転送して表示させているときに、携帯端末100に対する電話やメッセージ等の着信によりナビアプリがバックグラウンドに移行し、携帯端末100に着信画面が表示された場合であっても、車載機200にナビゲーション画像を表示し、走行案内を行い続けることができるようにしている。
【0016】
図2は、第1の実施形態によるナビゲーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、第1の実施形態による携帯端末100は、地図データ記憶部1、現在位置検出部2、ナビゲーション画面生成部3、走行案内部4、ナビゲーション画像取得部5、ナビゲーション画像送信部6、移行判定部7、座標算出部8、座標送信部9、エリア情報生成部10およびエリア情報送信部11を備えている。また、第1の実施形態による車載機200は、ナビゲーション画像受信部21、座標受信部22、エリア情報受信部23、表示制御部24およびナビゲーション画像記憶部25を備えている。
【0017】
ここで、携帯端末100が備える各機能ブロック2〜11は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック2〜11は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0018】
なお、機能ブロック2〜4は、ナビアプリのプログラムが動作することによって実現される。また、機能ブロック5〜11は、本発明の案内継続用プログラムが動作することによって実現される。ここでは、ナビアプリのプログラムと案内継続用プログラムとが別物であるとして説明したが、案内継続用プログラムをナビアプリの一部として実装するようにしてもよい。
【0019】
車載機200が備える各機能ブロック21〜24も、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック21〜24は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0020】
携帯端末100の地図データ記憶部1は、地図画像を用いたナビゲーション画面の表示や走行案内、経路誘導などに必要な地図データを記憶する。現在位置検出部2は、携帯端末100の現在位置(すなわち、携帯端末100が持ち込まれている車両の現在位置)を検出する。
【0021】
ナビゲーション画面生成部3は、地図データ記憶部1に記憶されている地図データを用いて、現在位置検出部2により検出される車両現在位置の周辺におけるナビゲーション画面を生成する。ナビゲーション画面生成部3は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置が所定量ずつ移動するたびに、車両現在位置が画面内の固定位置に該当するようなナビゲーション画面を逐次生成する。
【0022】
走行案内部4は、ナビゲーション画面生成部3により生成されたナビゲーション画面を携帯端末100のディスプレイ(図示せず)に表示させるとともに、現在位置検出部2により検出された車両現在位置に自車位置マークを重ねて表示させることにより、走行案内を行う。
【0023】
携帯端末100のナビゲーション画像取得部5は、ナビゲーション画面生成部3により生成される自車位置周辺のナビゲーション画面を画像データ(ナビゲーション画像)として取得する。本実施形態において、ナビゲーション画像取得部5は、携帯端末100においてナビゲーション画面として表示中のエリアを中心として、当該中心のエリアおよびその周囲のエリアを含む複数のメッシュのナビゲーション画像を取得する。
【0024】
図3は、ナビゲーション画像取得部5が取得する複数のメッシュのナビゲーション画像の例を示す図である。図3の例では、携帯端末100においてナビゲーション画面として表示中のエリアを中心として、その周囲のエリアを含めて9個のメッシュのナビゲーション画像を取得している。すなわち、ナビゲーション画面生成部3は、ディスプレイに表示中のナビゲーション画面に加えて、その周囲における8個のナビゲーション画面も生成している。ナビゲーション画像取得部5は、ナビゲーション画面生成部3により生成される9個のナビゲーション画面から9個のナビゲーション画像を生成する。
【0025】
上述のように、ナビゲーション画面生成部3は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置が所定量ずつ移動するたびにナビゲーション画面を逐次生成している。これに応じて、ナビゲーション画像取得部5は、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間(つまり、ナビゲーション画面生成部3が動作している間)、現在位置検出部2により検出される車両現在位置の移動に応じて逐次生成されるナビゲーション画面を用いて、9個のメッシュのナビゲーション画像を繰り返し取得する。
【0026】
ナビゲーション画像送信部6は、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間、ナビゲーション画像取得部5により9個のメッシュのナビゲーション画像が取得される都度、当該9個のメッシュのナビゲーション画像を車載機200に繰り返し送信する。車載機200のナビゲーション画像受信部21は、ナビゲーション画像送信部6により繰り返し送信されたナビゲーション画像を逐次受信する。
【0027】
車載機200のナビゲーション画像記憶部25は、ナビゲーション画像受信部21により受信された複数のメッシュのナビゲーション画像を記憶する。ナビゲーション画像記憶部25は、ナビゲーション画像受信部21が繰り返し受信するナビゲーション画像のうち、少なくとも最新のナビゲーション画像を記憶しておけばよい。
【0028】
表示制御部24は、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶された9個のメッシュのナビゲーション画像のうち、中心に位置するナビゲーション画像を車載機200のディスプレイ(図示せず)に表示させる。これにより、車載機200のディスプレイには、携帯端末100のディスプレイに表示されたナビゲーション画面と同じナビゲーション画像が表示される。
【0029】
携帯端末100の移行判定部7は、ナビアプリがバックグラウンドに移行したか否かを判定する。上述したように、携帯端末100と車載機200とを連携させてナビアプリのナビゲーション画面を車載機100に転送して表示させているときに、携帯端末100に対する電話やメッセージ等の着信が発生すると、ナビアプリがフォアグラウンドからバックグラウンドに移行して動作するようになる。移行判定部7は、この移行が発生したか否かを判定する。
【0030】
座標算出部8は、移行判定部7によりナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中のナビアプリ(現在位置検出部2)で検出される車両現在位置を表す自車位置座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得された最新のナビゲーション画像上の正規化座標に換算する。現在位置検出部2により検出される自車位置座標は緯度・経度情報であり、ナビゲーション画像上の正規化座標は、画像上の1点(例えば、左上の点)を原点とする2次元座標の座標情報である。すなわち、座標算出部8は、車両現在位置を表す緯度・経度情報を、ナビゲーション画像上の2次元座標情報に変換する。
【0031】
座標送信部9は、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、現在位置検出部2により検出される車両現在位置が移動するたびに座標算出部8により算出される正規化座標を車載機200に逐次送信する。車載機200の座標受信部22は、座標送信部9により送信された正規化座標を逐次受信する。
【0032】
携帯端末100のエリア情報生成部10は、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、当該バックグラウンドで動作中のナビアプリ(現在位置検出部2)で検出される車両現在位置を表す自車位置座標が属するエリアを示すエリア情報を生成する。すなわち、エリア情報生成部10は、ナビゲーション画像取得部5により取得される9個のメッシュのうち、どのメッシュのエリア内に自車位置座標が属するかを表すエリア情報を生成する。
【0033】
エリア情報送信部11は、エリア情報生成部10により生成されたエリア情報を車載機200に送信する。エリア情報送信部11は、自車位置座標が属するエリアに変更が生じたときに、変更後のエリアを表すエリア情報を車載機200に送信すればよい。車載機200のエリア情報受信部23は、エリア情報送信部11により送信されたエリア情報を受信する。
【0034】
車載機200の表示制御部24は、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、ナビゲーション画像記憶部25に記憶しておいたナビゲーション画像を車載機200のディスプレイに表示させるとともに、座標受信部22により受信された正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる。ここで、ナビゲーション画像記憶部25には、ナビアプリがバックグラウンドに移行する直前に携帯端末100から送信された最新の複数のメッシュのナビゲーション画像が記憶されている。表示制御部24は、このナビゲーション画像記憶部25に記憶されている最新の複数のメッシュのナビゲーション画像のうち、エリア情報受信部23により受信されたエリア情報により示されるメッシュのナビゲーション画像を読み出してディスプレイに表示させる。
【0035】
図4および図5は、上記のように構成した第1の実施形態によるナビゲーションシステムの動作例を示すフローチャートである。このうち、図4は携帯端末100の動作例を示すフローチャート、図5は車載機200の動作例を示すフローチャートである。なお、図4および図5のフローチャートは、携帯端末100と車載機200とを連携させてナビアプリを起動したときに開始する。
【0036】
最初に、図4を用いて携帯端末100の動作を説明する。まず、ナビゲーション画面生成部3は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置の周辺におけるナビゲーション画面を生成する(ステップS1)。本実施形態では、9個のメッシュに対応するエリアのナビゲーション画面を生成する。
【0037】
次いで、走行案内部4は、ナビゲーション画面生成部3により生成された9個のナビゲーション画面のうち、中心に位置するナビゲーション画面をディスプレイに表示させるとともに、現在位置検出部2により検出された車両現在位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS2)。
【0038】
また、ナビゲーション画像取得部5は、ナビゲーション画面生成部3により生成された9個のメッシュのナビゲーション画面を画像データ(ナビゲーション画像)として取得する(ステップS3)。そして、ナビゲーション画像送信部6は、ナビゲーション画像取得部5により生成された9個のメッシュのナビゲーション画像を車載機200に送信する(ステップS4)。
【0039】
その後、移行判定部7は、ナビアプリがフォアグラウンドからバックグラウンドに移行したか否かを判定する(ステップS5)。ナビアプリがバックグラウンドに移行していない場合、処理はステップS1に戻り、移動した車両現在位置をもとにナビゲーション画面を生成する。
【0040】
一方、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、座標算出部8は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置を表す自車位置座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得された最新のナビゲーション画像上の正規化座標に換算する(ステップS6)。そして、座標送信部9は、座標算出部8により算出された正規化座標を車載機200に送信する(ステップS7)。
【0041】
次に、エリア情報生成部10は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置が1つのエリアを越えて移動したか否かを判定する(ステップS8)。車両現在位置がエリアを越えていないと判定された場合、処理はステップS11に遷移する。
【0042】
一方、車両現在位置がエリアを越えて移動したと判定された場合、エリア情報生成部10は、現在位置検出部2で検出される車両現在位置が属するエリアを示すエリア情報を生成する(ステップS9)。そして、エリア情報送信部11は、エリア情報生成部10により生成されたエリア情報を車載機200に送信する(ステップS10)。なお、ナビアプリがバックグラウンドに移行した直後は、必ずエリア情報を生成して車載機200に送信する。
【0043】
その後、移行判定部7は、ナビアプリがバックグラウンドからフォアグラウンドに戻ったか否かを判定する(ステップS11)。ナビアプリがフォアグラウンドに戻っていない場合、処理はステップS6に戻り、移動した車両現在位置を表す自車位置座標をナビゲーション画像上の正規化座標に換算し、車載機200に送信する。
【0044】
一方、ナビアプリがフォアグラウンドに戻ったと判定された場合、処理はステップS1に戻り、そのとき現在位置検出部2により検出される車両現在位置をもとにナビゲーション画面を生成する。以降、ナビアプリの動作を中止するか、車載機200との連携を中止するまで、以上の処理を繰り返し実行する。
【0045】
次に、図5を用いて車載機200の動作を説明する。まず、ナビゲーション画像受信部21は、図4のステップS4でナビゲーション画像送信部6により送信された9個のメッシュのナビゲーション画像を受信する(ステップS21)。そして、ナビゲーション画像記憶部25は、ナビゲーション画像受信部21により受信された9個のメッシュのナビゲーション画像を記憶する(ステップS22)。
【0046】
表示制御部24は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶された9個のメッシュのナビゲーション画像のうち、中心に位置するナビゲーション画像を車載機200のディスプレイに表示させる(ステップS23)。これにより、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間は、車載機200のディスプレイには、携帯端末100のディスプレイに表示されたナビゲーション画面と同じナビゲーション画像が表示される。
【0047】
その後、座標受信部22は、図4のステップS7で座標送信部9により送信された正規化座標を受信したか否かを判定する(ステップS24)。正規化座標を受信していない場合、携帯端末100のナビアプリはまだバックグラウンドに移行していないということなので、処理はステップS21に戻り、移動した車両現在位置をもとに取得された9個のメッシュのナビゲーション画像を携帯端末100から再び受信する。
【0048】
一方、座標受信部22が正規化座標を受信した場合、携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行したということである。この場合、エリア情報受信部23は、図4のステップS10でエリア情報送信部11により送信されたエリア情報を受信したか否かを判定する(ステップS25)。
【0049】
エリア情報受信部23がエリア情報を受信した場合、表示制御部24は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶されている最新の複数のメッシュのナビゲーション画像のうち、エリア情報受信部23により受信されたエリア情報により示されるメッシュのナビゲーション画像を読み出し(ステップS26)、ディスプレイに表示させる(ステップS27)。また、表示制御部24は、新たに表示させたナビゲーション画像の上に、ステップS24で受信した正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS28)。
【0050】
上記ステップS25において、エリア情報受信部23がエリア情報を受信していない場合、ステップS26,S27の処理は行わず、現在表示中のナビゲーション画像の上に、ステップS24で受信した正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS28)。その後、処理はステップS24に戻り、正規化座標を受信したか否かを再び判定する。ここで、一定時間以内に正規化座標を受信しない場合、携帯端末100のナビアプリはフォアグラウンドに戻ったということなので、処理はステップS21に戻る。以降、携帯端末100との連携を中止するまで、以上の処理を繰り返し実行する。
【0051】
なお、以上のフローチャートでは、車載機200において、携帯端末100がバックグラウンドに移行したか否かを正規化座標の受信の有無により把握する例について説明したが、これに限定されない。例えば、携帯端末100から車載機200に対して、バックグラウンドに移行したか否かを通知するようにしてもよい。
【0052】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、携帯端末100においてナビアプリがフォアグラウンドで動作している間、自車位置周辺のナビゲーション画像を携帯端末100から車載機200に送信し、車載機200のナビゲーション画像記憶部25に記憶させておく。そして、携帯端末100では、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、当該バックグラウンドで動作中のナビアプリで検出される自車位置座標をナビゲーション画像上の正規化座標に換算し、算出された正規化座標を車載機200に繰り返し送信するようにする。車載機200では、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、ナビゲーション画像記憶部25に記憶しておいたナビゲーション画像を表示させるとともに、携帯端末100から送られてくる正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させるようにしている。
【0053】
上記のように構成した第1の実施形態によれば、携帯端末100から車載機200にナビゲーション画面を転送して表示させているときに、着信等の発生によって携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行すると、バックグラウンドに移行する前にあらかじめ携帯端末100から車載機200に送信して記憶しておいたナビゲーション画像が車載機200に表示され、バックグラウンドに移行している間も継続して携帯端末100から車載機200に送信される自車位置を表すナビゲーション画像上の正規化座標に基づいて、ナビゲーション画像上に自車位置マークが重ねて表示される。これにより、携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行し、携帯端末100においてナビゲーション画面が表示されなくなった場合であっても、車載機200においてナビゲーション画像を表示して走行案内を行い続けることができる。
【0054】
また、第1の実施形態では、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間に、携帯端末100のディスプレイに表示中のナビゲーション画像だけでなく、その周囲も含めて9個のメッシュのナビゲーション画像を車載機200に送信して記憶させている。そのため、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間に、車両現在位置がある程度移動しても、9個のメッシュに対応したエリアの範囲内であれば、車載機200においてナビゲーション画像を表示して走行案内を行い続けることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第2の実施形態によるナビゲーションシステムの構成は、図1と同様である。第2の実施形態によるナビゲーションシステムは、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、車載機200にナビゲーション画像を表示して走行案内を行うことに加え、誘導経路の案内位置において案内音声を出力できるようにしたものである。
【0056】
図6は、第2の実施形態によるナビゲーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。なお、この図6において、図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0057】
図6に示すように、第2の実施形態による携帯端末100は、誘導経路探索部12、音声ファイル生成部13、第2の座標算出部14および音声ファイル送信部15を更に備えている。また、第2の実施形態による車載機200は、音声ファイル受信部26、音声ファイル記憶部27および音声ファイル再生部28を更に備えている。
【0058】
ここで、携帯端末100および車載機200が備える追加の機能ブロック12〜15,26,28は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック12〜15,26,28は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0059】
なお、携帯端末100の誘導経路探索部12は、ナビアプリのプログラムが動作することによって実現される。また、音声ファイル生成部13、第2の座標算出部14および音声ファイル送信部15は、本発明の案内継続用プログラムが動作することによって実現される。
【0060】
携帯端末100の誘導経路探索部12は、現在位置検出部2により検出された車両現在位置からユーザ操作により設定された目的地までの誘導経路を探索して設定する。誘導経路探索部12によって誘導経路が設定されている場合、走行案内部4は、ナビゲーション画面生成部3により生成されたナビゲーション画面上に誘導経路を重ねて表示させ、案内交差点において所定の交差点案内(案内音声の出力および拡大案内画像の表示)を行う。
【0061】
音声ファイル生成部13は、ナビアプリの誘導経路探索部12によって誘導経路が設定されている場合、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している際に、ナビゲーション画像取得部5により取得された9個のメッシュのナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上にある1以上の案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する。すなわち、音声ファイル生成部13は、車両現在位置が案内位置に到達したときに出力する予定の案内音声を音声ファイルとしてあらかじめ生成する。
【0062】
なお、車両現在位置の移動に伴ってナビゲーション画像取得部5がナビゲーション画像を繰り返し取得するのに対し、音声ファイル生成部13は、ナビゲーション画像取得部5により取得されたナビゲーション画像内に新たな案内位置が含まれるようになったときに、その新たな案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する。
【0063】
第2の座標算出部14は、上記1以上の案内位置を示す座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する。案内位置を示す座標は緯度・経度情報であり、ナビゲーション画像上の正規化座標は、画像上の1点(例えば、左上の点)を原点とする2次元座標の座標情報である。すなわち、第2の座標算出部14は、1以上の案内位置を表す緯度・経度情報を、ナビゲーション画像上の2次元座標情報に変換する。
【0064】
音声ファイル送信部15は、音声ファイル生成部13により生成された音声ファイルを、第2の座標算出部14により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて車載機200に送信する。音声ファイル送信部15は、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間、音声ファイル生成部13により音声ファイルが生成されるたびに、当該音声ファイルを案内位置の正規化座標と紐付けて車載機200に送信する。
【0065】
車載機200の音声ファイル受信部26は、音声ファイル送信部15により送信された音声ファイルおよび案内位置の正規化座標を受信する。音声ファイル記憶部27は、音声ファイル受信部26により受信された音声ファイルを案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する。
【0066】
音声ファイル再生部28は、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、座標受信部22により車両現在位置の正規化座標が受信されたときに、当該受信された車両現在位置の正規化座標と同じ値を示す案内位置の正規化座標に紐付けられている音声ファイルを音声ファイル記憶部27から読み出して再生する。
【0067】
図7および図8は、上記のように構成した第2の実施形態によるナビゲーションシステムの動作例を示すフローチャートである。このうち、図7は携帯端末100の動作例を示すフローチャート、図8は車載機200の動作例を示すフローチャートである。なお、図7および図8のフローチャートは、携帯端末100と車載機200とを連携させてナビアプリを起動したときに開始する。
【0068】
最初に、図7を用いて携帯端末100の動作を説明する。なお、この図7において、図4に示したステップ番号と同一の番号を付したものは、同一の処理を実行するものである。
【0069】
まず、ナビゲーション画面生成部3は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置のエリアを中心として、9個のメッシュに対応するエリアのナビゲーション画面を生成する(ステップS1)。
【0070】
次いで、走行案内部4は、ナビゲーション画面生成部3により生成された9個のナビゲーション画面のうち、中心に位置するナビゲーション画面をディスプレイに表示させるとともに、現在位置検出部2により検出された車両現在位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS2)。誘導経路が設定されている場合は、当該誘導経路もナビゲーション画面に重ねて表示する。
【0071】
また、ナビゲーション画像取得部5は、ナビゲーション画面生成部3により生成された9個のメッシュのナビゲーション画面を画像データ(ナビゲーション画像)として取得する(ステップS3)。そして、ナビゲーション画像送信部6は、ナビゲーション画像取得部5により生成された9個のメッシュのナビゲーション画像を車載機200に送信する(ステップS4)。
【0072】
その後、音声ファイル生成部13は、誘導経路が設定されているか否かを判定する(ステップS41)。誘導経路が設定されていない場合、処理はステップS5に遷移する。一方、誘導経路が設定されている場合、音声ファイル生成部13は、ナビゲーション画像取得部5により取得された9個のメッシュのナビゲーション画像の範囲内に、音声ファイルをまだ生成していない新たな案内位置が含まれているか否かを判定する(ステップS42)。
【0073】
ここで、新たな案内位置が含まれていないと判定された場合、処理はステップS5に遷移する。一方、新たな案内位置が含まれていると判定された場合、音声ファイル生成部13は、その新たな案内位置において出力すべき案内音声を記憶した音声ファイルを生成する(ステップS43)。
【0074】
また、第2の座標算出部14は、音声ファイルを生成した案内位置を示す座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する(ステップS44)。そして、音声ファイル送信部15は、音声ファイル生成部13により生成された音声ファイルを、第2の座標算出部14により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて車載機200に送信する(ステップS45)。
【0075】
その後、移行判定部7は、ナビアプリがフォアグラウンドからバックグラウンドに移行したか否かを判定する(ステップS5)。ナビアプリがバックグラウンドに移行していない場合、処理はステップS1に戻り、移動した車両現在位置をもとにナビゲーション画面を生成する。
【0076】
一方、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、座標算出部8は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置を表す自車位置座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得された最新のナビゲーション画像上の正規化座標に換算する(ステップS6)。そして、座標送信部9は、座標算出部8により算出された正規化座標を車載機200に送信する(ステップS7)。
【0077】
次に、エリア情報生成部10は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置が1つのエリアを越えて移動したか否かを判定する(ステップS8)。車両現在位置がエリアを越えていないと判定された場合、処理はステップS11に遷移する。
【0078】
一方、車両現在位置がエリアを越えて移動したと判定された場合、エリア情報生成部10は、現在位置検出部2で検出される車両現在位置が属するエリアを示すエリア情報を生成する(ステップS9)。そして、エリア情報送信部11は、エリア情報生成部10により生成されたエリア情報を車載機200に送信する(ステップS10)。なお、ナビアプリがバックグラウンドに移行した直後は、必ずエリア情報を生成して車載機200に送信する。
【0079】
その後、移行判定部7は、ナビアプリがバックグラウンドからフォアグラウンドに戻ったか否かを判定する(ステップS11)。ナビアプリがフォアグラウンドに戻っていない場合、処理はステップS6に戻り、移動した車両現在位置を表す自車位置座標をナビゲーション画像上の正規化座標に換算し、車載機200に送信する。
【0080】
一方、ナビアプリがフォアグラウンドに戻ったと判定された場合、処理はステップS1に戻り、そのとき現在位置検出部2により検出される車両現在位置をもとにナビゲーション画面を生成する。以降、ナビアプリの動作を中止するか、車載機200との連携を中止するまで、以上の処理を繰り返し実行する。
【0081】
次に、図8を用いて車載機200の動作を説明する。なお、この図8において、図5に示したステップ番号と同一の番号を付したものは、同一の処理を実行するものである。
【0082】
まず、ナビゲーション画像受信部21は、図4のステップS4でナビゲーション画像送信部6により送信された9個のメッシュのナビゲーション画像を受信する(ステップS21)。そして、ナビゲーション画像記憶部25は、ナビゲーション画像受信部21により受信された9個のメッシュのナビゲーション画像を記憶する(ステップS22)。
【0083】
表示制御部24は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶された9個のメッシュのナビゲーション画像のうち、中心に位置するナビゲーション画像を車載機200のディスプレイに表示させる(ステップS23)。これにより、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間は、車載機200のディスプレイには、携帯端末100のディスプレイに表示されたナビゲーション画面と同じナビゲーション画像が表示される。
【0084】
その後、音声ファイル受信部26は、図7のステップS45で音声ファイル送信部15により送信された音声ファイルおよび案内位置の正規化座標を受信したか否かを判定する(ステップS51)。音声ファイル受信部26が音声ファイル等を受信していない場合、処理はステップS24に遷移する。一方、音声ファイル受信部26が音声ファイル等を受信した場合、音声ファイル記憶部27は、音声ファイル受信部26により受信された音声ファイルを案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する(ステップS52)。
【0085】
その後、座標受信部22は、図4のステップS7で座標送信部9により送信された正規化座標を受信したか否かを判定する(ステップS24)。正規化座標を受信していない場合、携帯端末100のナビアプリはまだバックグラウンドに移行していないということなので、処理はステップS21に戻り、移動した車両現在位置をもとに取得された9個のメッシュのナビゲーション画像を携帯端末100から再び受信する。
【0086】
一方、座標受信部22が正規化座標を受信した場合、携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行したということである。この場合、エリア情報受信部23は、図4のステップS10でエリア情報送信部11により送信されたエリア情報を受信したか否かを判定する(ステップS25)。
【0087】
エリア情報受信部23がエリア情報を受信した場合、表示制御部24は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶されている最新の複数のメッシュのナビゲーション画像のうち、エリア情報受信部23により受信されたエリア情報により示されるメッシュのナビゲーション画像を読み出し(ステップS26)、ディスプレイに表示させる(ステップS27)。また、表示制御部24は、新たに表示させたナビゲーション画像の上に、ステップS24で受信した正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS28)。
【0088】
上記ステップS25において、エリア情報受信部23がエリア情報を受信していない場合、ステップS26,S27の処理は行わず、現在表示中のナビゲーション画像の上に、ステップS24で受信した正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS28)。
【0089】
次に、音声ファイル再生部28は、ステップS24で座標受信部22により受信された車両現在位置の正規化座標が、音声ファイル記憶部27に記憶されている案内位置の正規化座標と同じであるか否かを判定する(ステップS53)。ここでは、携帯端末100の現在位置検出部2により検出される車両現在位置が、ナビアプリのフォアグラウンド動作時にあらかじめ車載機200に送信しておいた案内位置と同じか否かを判定している。
【0090】
ここで、車両現在位置の正規化座標が案内位置の正規化座標と同じではないと判定された場合、処理はステップS24に戻り、車両現在位置の正規化座標を受信したか否かを再び判定する。一方、車両現在位置の正規化座標が案内位置の正規化座標と同じであると判定された場合、音声ファイル再生部28は、案内位置の正規化座標に紐付けられている音声ファイルを音声ファイル記憶部27から読み出して再生する(ステップS54)。
【0091】
その後、処理はステップS24に戻り、車両現在位置の正規化座標を受信したか否かを再び判定する。ここで、一定時間以内に車両現在位置の正規化座標を受信しない場合、携帯端末100のナビアプリはフォアグラウンドに戻ったということなので、処理はステップS21に戻る。以降、携帯端末100との連携を中止するまで、以上の処理を繰り返し実行する。
【0092】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、携帯端末100においてナビアプリがフォアグラウンドで動作している間、誘導経路の案内位置において出力すべき案内音声を記録した音声ファイルをあらかじめ生成し、案内位置の正規化座標と紐付けて携帯端末100から車載機200に送信し、車載機200の音声ファイル記憶部27に記憶させておく。そして、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された後は、携帯端末100から車載機200に送信される車両現在位置の正規化座標が、音声ファイル記憶部27に記憶しておいた案内位置の正規化座標と一致した場合、音声ファイル記憶部27から対応する音声ファイルを読み出して再生するようにしている。
【0093】
上記のように構成した第2の実施形態によれば、着信等の発生によって携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行した後、車両現在位置が誘導経路の案内位置に到達すると、バックグラウンドに移行する前にあらかじめ携帯端末100から車載機200に送信して記憶しておいた案内音声の音声ファイルが再生される。これにより、携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行した場合であっても、車載機200においてナビゲーション画像を表示するとともに、案内位置に到達したときには案内音声を出力して走行案内を行い続けることができる。
【0094】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。第3の実施形態によるナビゲーションシステムの構成は、図1と同様である。第3の実施形態によるナビゲーションシステムは、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、車載機200にナビゲーション画像を表示して走行案内を行うことに加え、誘導経路の案内位置において拡大案内画像を表示できるようにしたものである。
【0095】
図9は、第3の実施形態によるナビゲーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。なお、この図9において、図2および図6に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0096】
図9に示すように、第3の実施形態による携帯端末100は、誘導経路探索部12、第2の座標算出部14、案内画像生成部16および案内画像送信部17を更に備えている。また、第3の実施形態による車載機200は、案内画像受信部29および案内画像記憶部30を更に備えるとともに、表示制御部24に代えて表示制御部24’を備えている。
【0097】
ここで、携帯端末100および車載機200が備える追加の機能ブロック16,17,29,30は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック16,17,29,30は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、携帯端末100の案内画像生成部16および案内画像送信部17は、本発明の案内継続用プログラムが動作することによって実現される。
【0098】
案内画像生成部16は、ナビアプリの誘導経路探索部12によって誘導経路が設定されている場合、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している際に、ナビゲーション画像取得部5により取得された9個のメッシュのナビゲーション画像の範囲内に含まれる誘導経路上にある1以上の案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する。すなわち、案内画像生成部16は、車両現在位置が案内位置に到達したときに出力する予定の拡大案内画像をあらかじめ生成する。
【0099】
なお、車両現在位置の移動に伴ってナビゲーション画像取得部5がナビゲーション画像を繰り返し取得するのに対し、案内画像生成部16は、ナビゲーション画像取得部5により取得されたナビゲーション画像内に新たな案内位置が含まれるようになったときに、その新たな案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する。
【0100】
案内画像送信部17は、案内画像生成部16により生成された拡大案内画像を、第2の座標算出部14により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて車載機200に送信する。案内画像送信部17は、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間、案内画像生成部16により拡大案内画像が生成されるたびに、当該拡大案内画像を案内位置の正規化座標と紐付けて車載機200に送信する。
【0101】
車載機200の案内画像受信部29は、案内画像送信部17により送信された拡大案内画像および案内位置の正規化座標を受信する。案内画像記憶部30は、案内画像受信部29により受信された拡大案内画像を案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する。
【0102】
表示制御部24’は、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、座標受信部22により車両現在位置の正規化座標が受信されたときに、当該受信された車両現在位置の正規化座標と同じ値を示す案内位置の正規化座標に紐付けられている拡大案内画像を案内画像記憶部30から読み出してディスプレイに表示させる。
【0103】
図10および図11は、上記のように構成した第3の実施形態によるナビゲーションシステムの動作例を示すフローチャートである。このうち、図10は携帯端末100の動作例を示すフローチャート、図11は車載機200の動作例を示すフローチャートである。なお、図10および図11のフローチャートは、携帯端末100と車載機200とを連携させてナビアプリを起動したときに開始する。
【0104】
最初に、図10を用いて携帯端末100の動作を説明する。なお、この図10において、図4に示したステップ番号と同一の番号を付したものは、同一の処理を実行するものである。
【0105】
まず、ナビゲーション画面生成部3は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置のエリアを中心として、9個のメッシュに対応するエリアのナビゲーション画面を生成する(ステップS1)。
【0106】
次いで、走行案内部4は、ナビゲーション画面生成部3により生成された9個のナビゲーション画面のうち、中心に位置するナビゲーション画面をディスプレイに表示させるとともに、現在位置検出部2により検出された車両現在位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS2)。誘導経路が設定されている場合は、当該誘導経路もナビゲーション画面に重ねて表示する。
【0107】
また、ナビゲーション画像取得部5は、ナビゲーション画面生成部3により生成された9個のメッシュのナビゲーション画面を画像データ(ナビゲーション画像)として取得する(ステップS3)。そして、ナビゲーション画像送信部6は、ナビゲーション画像取得部5により生成された9個のメッシュのナビゲーション画像を車載機200に送信する(ステップS4)。
【0108】
その後、案内画像生成部16は、誘導経路が設定されているか否かを判定する(ステップS61)。誘導経路が設定されていない場合、処理はステップS5に遷移する。一方、誘導経路が設定されている場合、案内画像生成部16は、ナビゲーション画像取得部5により取得された9個のメッシュのナビゲーション画像の範囲内に、拡大案内画像をまだ生成していない新たな案内位置が含まれているか否かを判定する(ステップS62)。
【0109】
ここで、新たな案内位置が含まれていないと判定された場合、処理はステップS5に遷移する。一方、新たな案内位置が含まれていると判定された場合、案内画像生成部16は、その新たな案内位置において出力すべき拡大案内画像を生成する(ステップS63)。
【0110】
また、第2の座標算出部14は、拡大案内画像を生成した案内位置を示す座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得されたナビゲーション画像上の正規化座標に換算する(ステップS64)。そして、案内画像送信部17は、案内画像生成部16により生成された拡大案内画像を、第2の座標算出部14により算出された案内位置の正規化座標と紐付けて車載機200に送信する(ステップS65)。
【0111】
その後、移行判定部7は、ナビアプリがフォアグラウンドからバックグラウンドに移行したか否かを判定する(ステップS5)。ナビアプリがバックグラウンドに移行していない場合、処理はステップS1に戻り、移動した車両現在位置をもとにナビゲーション画面を生成する。
【0112】
一方、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された場合、座標算出部8は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置を表す自車位置座標を、ナビゲーション画像取得部5により取得された最新のナビゲーション画像上の正規化座標に換算する(ステップS6)。そして、座標送信部9は、座標算出部8により算出された正規化座標を車載機200に送信する(ステップS7)。
【0113】
次に、エリア情報生成部10は、現在位置検出部2により検出される車両現在位置が1つのエリアを越えて移動したか否かを判定する(ステップS8)。車両現在位置がエリアを越えていないと判定された場合、処理はステップS11に遷移する。
【0114】
一方、車両現在位置がエリアを越えて移動したと判定された場合、エリア情報生成部10は、現在位置検出部2で検出される車両現在位置が属するエリアを示すエリア情報を生成する(ステップS9)。そして、エリア情報送信部11は、エリア情報生成部10により生成されたエリア情報を車載機200に送信する(ステップS10)。なお、ナビアプリがバックグラウンドに移行した直後は、必ずエリア情報を生成して車載機200に送信する。
【0115】
その後、移行判定部7は、ナビアプリがバックグラウンドからフォアグラウンドに戻ったか否かを判定する(ステップS11)。ナビアプリがフォアグラウンドに戻っていない場合、処理はステップS6に戻り、移動した車両現在位置を表す自車位置座標をナビゲーション画像上の正規化座標に換算し、車載機200に送信する。
【0116】
一方、ナビアプリがフォアグラウンドに戻ったと判定された場合、処理はステップS1に戻り、そのとき現在位置検出部2により検出される車両現在位置をもとにナビゲーション画面を生成する。以降、ナビアプリの動作を中止するか、車載機200との連携を中止するまで、以上の処理を繰り返し実行する。
【0117】
次に、図11を用いて車載機200の動作を説明する。なお、この図11において、図5に示したステップ番号と同一の番号を付したものは、同一の処理を実行するものである。
【0118】
まず、ナビゲーション画像受信部21は、図4のステップS4でナビゲーション画像送信部6により送信された9個のメッシュのナビゲーション画像を受信する(ステップS21)。そして、ナビゲーション画像記憶部25は、ナビゲーション画像受信部21により受信された9個のメッシュのナビゲーション画像を記憶する(ステップS22)。
【0119】
表示制御部24は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶された9個のメッシュのナビゲーション画像のうち、中心に位置するナビゲーション画像を車載機200のディスプレイに表示させる(ステップS23)。これにより、ナビアプリがフォアグラウンドで動作している間は、車載機200のディスプレイには、携帯端末100のディスプレイに表示されたナビゲーション画面と同じナビゲーション画像が表示される。
【0120】
その後、案内画像受信部29は、図10のステップS65で案内画像送信部17により送信された拡大案内画像および案内位置の正規化座標を受信したか否かを判定する(ステップS71)。案内画像受信部29が拡大案内画像等を受信していない場合、処理はステップS24に遷移する。一方、案内画像受信部29が拡大案内画像等を受信した場合、案内画像記憶部30は、案内画像受信部29により受信された拡大案内画像を案内位置の正規化座標に紐付けて記憶する(ステップS72)。
【0121】
その後、座標受信部22は、図4のステップS7で座標送信部9により送信された正規化座標を受信したか否かを判定する(ステップS24)。正規化座標を受信していない場合、携帯端末100のナビアプリはまだバックグラウンドに移行していないということなので、処理はステップS21に戻り、移動した車両現在位置をもとに取得された9個のメッシュのナビゲーション画像を携帯端末100から再び受信する。
【0122】
一方、座標受信部22が正規化座標を受信した場合、携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行したということである。この場合、エリア情報受信部23は、図4のステップS10でエリア情報送信部11により送信されたエリア情報を受信したか否かを判定する(ステップS25)。
【0123】
エリア情報受信部23がエリア情報を受信した場合、表示制御部24は、ナビゲーション画像記憶部25に記憶されている最新の複数のメッシュのナビゲーション画像のうち、エリア情報受信部23により受信されたエリア情報により示されるメッシュのナビゲーション画像を読み出し(ステップS26)、ディスプレイに表示させる(ステップS27)。また、表示制御部24は、新たに表示させたナビゲーション画像の上に、ステップS24で受信した正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS28)。
【0124】
上記ステップS25において、エリア情報受信部23がエリア情報を受信していない場合、ステップS26,S27の処理は行わず、現在表示中のナビゲーション画像の上に、ステップS24で受信した正規化座標の位置に自車位置マークを重ねて表示させる(ステップS28)。
【0125】
次に、表示制御部24’は、ステップS24で座標受信部22により受信された車両現在位置の正規化座標が、案内画像記憶部30に記憶されている案内位置の正規化座標と同じであるか否かを判定する(ステップS73)。ここでは、携帯端末100の現在位置検出部2により検出される車両現在位置が、ナビアプリのフォアグラウンド動作時にあらかじめ車載機200に送信しておいた案内位置と同じか否かを判定している。
【0126】
ここで、車両現在位置の正規化座標が案内位置の正規化座標と同じではないと判定された場合、処理はステップS24に戻り、車両現在位置の正規化座標を受信したか否かを再び判定する。一方、車両現在位置の正規化座標が案内位置の正規化座標と同じであると判定された場合、表示制御部24’は、案内位置の正規化座標に紐付けられている拡大案内画像を案内画像記憶部30から読み出して表示させる(ステップS74)。
【0127】
その後、処理はステップS24に戻り、車両現在位置の正規化座標を受信したか否かを再び判定する。ここで、一定時間以内に車両現在位置の正規化座標を受信しない場合、携帯端末100のナビアプリはフォアグラウンドに戻ったということなので、処理はステップS21に戻る。以降、携帯端末100との連携を中止するまで、以上の処理を繰り返し実行する。
【0128】
以上詳しく説明したように、第3の実施形態では、携帯端末100においてナビアプリがフォアグラウンドで動作している間、誘導経路の案内位置において表示すべき拡大案内画像をあらかじめ生成し、案内位置の正規化座標と紐付けて携帯端末100から車載機200に送信し、車載機200の案内画像記憶部30に記憶させておく。そして、ナビアプリがバックグラウンドに移行したと判定された後は、携帯端末100から車載機200に送信される車両現在位置の正規化座標が、案内画像記憶部30に記憶しておいた案内位置の正規化座標と一致した場合、案内画像記憶部30から対応する拡大案内画像を読み出して表示させるようにしている。
【0129】
上記のように構成した第3の実施形態によれば、着信等の発生によって携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行した後、車両現在位置が誘導経路の案内位置に到達すると、バックグラウンドに移行する前にあらかじめ携帯端末100から車載機200に送信して記憶しておいた拡大案内画像が表示される。これにより、携帯端末100のナビアプリがバックグラウンドに移行した場合であっても、車載機200においてナビゲーション画像を表示するとともに、案内位置に到達したときには拡大案内画像を表示して走行案内を行い続けることができる。
【0130】
なお、上記第1〜第3の実施形態では、携帯端末100においてナビゲーション画面を表示中のエリアを中心として、9個のメッシュのナビゲーション画像を取得して車載機200に送信する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯端末100において表示中のナビゲーション画面のエリアについてのみ、ナビゲーション画像を取得して車載機200に送信するようにしてもよい。ただし、周囲も含めて複数のメッシュのナビゲーション画像を車載機200に送信して記憶させておくほうが、ナビアプリがバックグラウンドに移行した後、車載機200においてナビゲーション画像を表示して走行案内を行うことが可能な範囲を増やすことができる点で好ましい。
【0131】
よって、ナビアプリがバックグラウンドに移行している間、車載機200においてナビゲーション画像を表示して走行案内を行うことが可能な範囲をより広くするために、9個のメッシュの更に外側のエリアも含めて、9個より多くのナビゲーション画像を車載機200に送信して記憶させるようにしてもよい。また、携帯端末100においてナビゲーション画面を表示中のエリアを9個のメッシュの中心とするのではなく、車両の進行方向に対して最も手前の位置とすることにより、進行方向側により多くのメッシュができるようにしてもよい。または、誘導経路に沿って複数のメッシュのナビゲーション画像を取得して車載機200に送信するようにしてもよい。
【0132】
また、上記第1〜第3の実施形態では、車両現在位置が所定量ずつ移動するたびにナビゲーション画像を取得して車載機200に送信する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、車両現在位置が1つのエリアを越えて移動するたびにナビゲーション画像を取得して車載機200に送信するようにしてもよい。
【0133】
また、以上では第1〜第3の実施形態を分けて説明したが、組み合わせて適用してもよい。例えば、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせて適用することも可能である。
【0134】
その他、上記第1〜第3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0135】
2 現在位置検出部
5 ナビゲーション画像取得部
6 ナビゲーション画像送信部
7 移行判定部
8 座標算出部
9 座標送信部
10 エリア情報生成部
11 エリア情報送信部
13 音声ファイル生成部
14 第2の座標算出部
15 音声ファイル送信部
16 案内画像生成部
17 案内画像送信部
21 ナビゲーション画像受信部
22 座標受信部
23 エリア情報受信部
24,24’ 表示制御部
25 ナビゲーション画像記憶部
26 音声ファイル受信部
27 音声ファイル記憶部
28 音声ファイル再生部
29 案内画像受信部
30 案内画像記憶部
100 携帯端末
200 車載機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12