(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属ターゲットにバイアスをかけて、前記プラズマからのイオンを、前記プラズマシース越しに前記金属ターゲットに向けて誘引して、前記金属ターゲットから金属粒子がスパッタされるように構成された電源を、さらに具えていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
前記ワークピースにバイアスをかけて、前記金属粒子を前記金属ターゲットに向けて誘引して、前記ワークピース上に金属を堆積させるように構成されたバイアス源をさらに具え、前記金属粒子の、前記平面に対する入射角の範囲が、前記プラズマと前記プラズマシースとの境界の形状によって影響されることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
前記電源が、第1のパルスバイアス信号を前記金属ターゲットに供給し、前記バイアス源が、第2のパルスバイアス信号を前記ワークピースに供給し、前記第1のパルスバイアス信号と前記第2のパルスバイアス信号とを協調させて、前記ワークピース上への前記金属粒子のスパッタリングを最適化することを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
前記金属ターゲットが、前記ワークピースに最寄りの当該金属ターゲットの表面が前記ワークピースの前面に平行でないような形状を有することを特徴とする請求項1〜3、5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
前記ワークピースにバイアスをかけて、前記金属ターゲットからの金属粒子を前記ワークピースに向けて誘引して、前記ワークピース上に金属を堆積させるように構成されたバイアス電源をさらに具え、前記ワークピースに対する前記金属粒子の入射角が、前記プラズマと前記プラズマシースとの境界の形状によって影響されることを特徴とする請求項7に記載のスパッタリングシステム。
前記電源が、第1のパルスバイアス信号を前記側壁に供給し、前記バイアス電源が、第2のパルスバイアス信号を前記ワークピースに供給し、前記第1のパルスバイアス信号と前記第2のパルスバイアス信号とを協調させて、前記ワークピース上への前記金属粒子のスパッタリングを最適化することを特徴とする請求項9に記載のスパッタリングシステム。
前記金属ターゲットに、前記側壁に対して負のバイアスをかけて、前記プラズマからのイオンを、前記プラズマシース越しに前記金属ターゲットに向けて誘引して、前記金属ターゲットから金属粒子をスパッタさせるように構成された電源をさらに具えていることを特徴とする請求項8に記載のスパッタリングシステム。
前記電源が、第1のパルスバイアス信号を前記金属ターゲットに供給し、前記バイアス電源が、第2のパルスバイアス信号を前記ワークピースに供給し、前記第1のパルスバイアス信号と前記第2のパルスバイアス信号とを協調させて、前記ワークピース上への前記金属粒子のスパッタリングを最適化することを特徴とする請求項12に記載のスパッタリングシステム。
前記金属ターゲットが、前記ワークピースに最寄りの当該金属ターゲットの表面が前記ワークピースの前面に平行でないような形状を有することを特徴とする請求項7〜9、11、12、14のいずれかに記載のスパッタリングシステム。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置は、プロセスチャンバ内にプラズマを発生させて、このプロセスチャンバ内にプラテンによって支持されたワークピース(加工片)を処理する。プラズマ処理装置は、ドーピングシステム、エッチングシステム、及び堆積システムを含むことができるが、これらに限定されない。プラズマは、一般に、イオン(通常は正電荷を有する)及び電子(負電荷を有する)の準中性の集合体である。プラズマは、1センチメートル当たり0ボルトの電界を、プラズマの大部分中に有する。一部のプラズマ処理装置では、プラズマからのイオンをワークピースに向けて誘引する。プラズマドーピング処理装置内では、ワークピース、例えば、一例では半導体基板の物理構造内に注入されるのに十分なエネルギーで、イオンを誘引することができる。
【0003】
プラズマは、一般にプラズマシースと称されるワークピースに近接した領域によって境界付けられる。プラズマシースは、プラズマより少数の電子を有する領域である。より少数の電子が存在し、従って、少数の励起−緩和衝突が発生するので、このプラズマシースからの発光は、プラズマより低輝度である。従って、プラズマシースは時として「暗空間(ダークスペース)」と称される。
【0004】
図1を参照すれば、既知のプラズマ処理装置の一部分の断面図が例示され、ここでは、プラズマ140が、処理されるワークピース138の前面に隣接したプラズマシース142を有する。ワークピース138の前面は平面151を規定し、ワークピース138はプラテン134によって支持されている。プラズマ140とプラズマシース142との境界は、平面151に平行である。プラズマ140からのイオン102は、プラズマシース142越しにワークピース138に向けて誘引することができる。従って、ワークピースに向けて加速されたイオン102は、概ね、平面151に対して約0°の入射角で(例えば、平面151に垂直に)ワークピース138に当たる。約3°未満の入射角の小さい角度的広がりが存在し得る。これに加えて、プロセスチャンバ内のガス圧のようなプラズマ処理パラメータを制御することによって、この角度的広がりを約5°まで増加させることができる。
【0005】
従来のプラズマ処理の欠点は、イオン102の角度的広がり制御の欠如である。ワークピース上の構造がより小さくなるに連れて、そして三次元構造(例えば、トレンチキャパシタ、FinFETのような垂直チャネル・トランジスタ)がより一般的になるに連れて、より大きな角度制御を行うことが有益になる。例えば、
図1には、トレンチ144を、明瞭に図示するためにサイズを誇張して示す。約0°の入射角に指向されたイオン102、さらには5°までの角度的広がりに指向されたイオン102では、トレンチ144の側壁147を均一に処理することが困難なことがある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2は、本発明の実施形態による1つのプラズマ処理装置200のブロック図であり、プラズマ処理装置200は、プラズマシース・モディファイア208、及びこのプラズマシース・モディファイア208から電気絶縁された金属ターゲット209を有する。プラズマシース・モディファイア208は、プラズマシース242内の電界を修正して、プラズマ140とプラズマシース142との境界の形状を制御するように構成されている。プラズマシース・モディファイア208は、絶縁体、導体、または半導体材料とすることができる。プラズマシース・モディファイア208が絶縁材料であれば、金属ターゲット209は、
図2に示すように、プラズマシース・モディファイア208に直接付加することができる。他の実施形態では、プラズマシース・モディファイア208を、半導体または導体材料とすることができる。この場合、
図7に示すように、金属ターゲット209をプラズマシース・モディファイア208に付加して、例えば金属ターゲット209とプラズマシース・モディファイア208との間に挿入した絶縁材料の層700によって、プラズマシース・モディファイア208から絶
縁することができる。従って、「付加する」とは、金属ターゲット209とプラズマシース・モディファイア208との直接の接触、あるいは、絶縁材料の層700がプラズマシース・モディファイア208と金属ターゲット209との間に配置された間接的接触を称する。
【0011】
図2に戻れば、金属ターゲット209に電気的バイアスをかける。従って、プラズマ140からプラズマシース142越しに誘引されるイオン102は、特定範囲の入射角で金属ターゲット209に当たることができる。金属ターゲット209に当たるイオンは、このターゲットにスパッタリングを行わせ、これにより、金属粒子211を広範囲の入射角で堆積させる。
【0012】
ここで、プラズマ処理装置200を、プラズマドーピング装置としてさらに説明することができる。しかし、プラズマ処理装置200は、エッチング及び堆積システムを含むこともできるが、これらに限定されない。さらに、プラズマドーピングシステムは、多数の異なる材料改質処理を、ターゲット・ワークピース上で実行することができる。1つのこうした処理は、半導体基板のようなワークピースを所望のドーパントでドープすることを含む。
【0013】
プラズマ処理装置200は、プロセスチャンバ202、プラテン134、発生源206、及びプラズマシース・モディファイア208を含むことができる。プラテン134は、プロセスチャンバ202内に配置されてワークピース138を支持する。ワークピース138は、半導体ウェハー、平面パネル、ソーラー(太陽電池)パネル、及びポリマー基板を含むことができるが、これらに限定されない。一実施形態では、半導体ウェハーを、300または450ミリメートル(mm)の直径を有する円盤状にすることができる。発生源206は、プロセスチャンバ202内にプラズマ140を、現在技術において既知であるように発生すべく構成されている。
図2の実施形態では、プラズマシース・モディファイア208を絶縁材料製にすることができ、プラズマシース・モディファイア208は一対のモディファイア212及び214を含み、これらは相互間に水平間隔(G)を有するギャップを規定する。他の実施形態では、プラズマシース・モディファイア208が、開口を有する1つのモディファイアのみを含む。上述したように、他の実施形態では、プラズマシース・モディファイア208を、半導体または導体材料とすることができる。
図2は、絶縁体であるプラズマシース・モディファイア208を例示し、金属ターゲット209がモディファイア212及び214に直接付加されているが、本発明は、絶縁体のプラズマシース・モディファイア208のみに限定されないことは明らかである。
図7に、金属ターゲット209を、半導体または導体のプラズマシース・モディファイア208と共に用いることができるメカニズムを例示する。
【0014】
一対のモディファイア212及び214は、薄く平坦な形状を有する一対のシートとすることができる。他の実施形態では、一対のモディファイア212及び214が、管状、くさび状のような他の形状であること、及び/または、上記ギャップに近接したはす縁を有することができる。
【0015】
一実施形態では、一対のモディファイア212及び214によって規定されるギャップの水平間隔を、約6.0ミリメートル(mm)にすることができる。一対のモディファイア212及び214は、ワークピース138の前面によって規定される平面151の上方に、垂直間隔(Z)をおいて配置することもできる。一実施形態では、垂直間隔(Z)を約3.0mmにすることができる。
【0016】
金属ターゲット209は、モディファイア212及び214の後面上に、上記ギャップに近接して付加される。モディファイア212及び214が絶縁体であれば、金属ターゲット209は、モディファイア212及び214上に直接配置することができる。その代わりに、金属ターゲット209を接着するか、コーティング(被覆)として塗布するか、あるいは機械的に取り付けることができる。金属ターゲット209は、2、3ミクロンから数ミリメートルまでに厚さを変化させることができる。ターゲット209の厚さが、その有効寿命を決定し得る。モディファイア212及び214が半導体または導体材料であれば、
図7に見られるように、絶縁
材料層700をモディファイア212及び214上に配置することができる。次に、上述した方法のいずれかを用いて、金属ターゲット209を絶縁材料
層700に付加する。
【0017】
金属ターゲット209は、あらゆる
適切な金属
または化合物半導体とすることができ、Cu、Al、W、Ti、Hf、Ta、Co、Pd、Pt、Ru、Zn、ZnTe、及びCuTeを含むが、これらに限定されず、要求される堆積層の組成に基づいて選択することができる。金属ターゲット209は、スパッタリングプロセスを効率的に制御するようなテクスチャ(組織)にすることができる。これらのテクスチャは、ピラミッド形、多孔質、波形、またはあらゆる適切な形状を含む。
【0018】
一部の実施形態では、金属ターゲット209を、上記ギャップまたは開口の周囲全体に配置することができる。他の実施形態では、金属ターゲット209を、周囲または開口の一部分のみに配置することができる。金属ターゲット209に、
バイアス源221を用いて電気的バイアスをかけて、ギャップを通過するイオン102を誘引することができる。これらのイオン102は、金属ターゲット209に当たって、この金属ターゲットにスパッタリングを行わせる。そして、これらのスパッタされた金属粒子211を、プラテン134に向けて誘引して、ワークピース138上の広い角度範囲に堆積させる。これらの金属粒子211は、イオンにすることも中性にすることもできる。
【0019】
図2は、金属ターゲット209を平坦な金属片として示しているが、本発明は、この形状に限定されない。例えば、金属ターゲット209の形状を最適化して、スパッタリング歩留まりを改善することができる。例えば、金属ターゲット209は、
図8A〜Bに示すように、湾曲した、角度付けした、あるいは曲線の形状にすることができる。従って、非直線状または曲線状である形状を用いることができる。これに加えて、金属ターゲット209の形状を、この金属ターゲットのワークピース138に最寄りの表面が、ワークピースの前面に平行でないようにすることができる。
【0020】
動作中には、ガス源288が、イオン化可能なガスをプロセスチャンバ202に供給する。イオン化可能なガスの例は、BF
3、BI
3、N
2、Ar、PH
3、AsH
3、B
2H
6、H
2、Xe、Kr、Ne、He、SiH
4、GeH
4、GeF
4、CH
4、CF
4、AsF
5、PF
3、及びPF
5を含むが、これらに限定されない。上記スパッタリングの効果に加えて、HCl、Cl
2、塩素系分子、及びターゲット209との化学反応を生じさせる他の化合物を用いることもできる。これに加えて、N
2、He、H
2、及びArを含む混合物を用いることができる。発生源206は、プロセスチャンバ202に供給されるガスを励起してイオン化することによって、プラズマ140を発生することができる。イオン102は、種々の異なるメカニズムによって、プラズマ140からプラズマシース242越しに誘引することができる。
図2の実施形態では、バイアス源221が、金属ターゲット
209に負のバイアスをかけて、イオン102をプラズマ140からプラズマシース242越しに誘引するように構成されている。バイアス源221は、DC電源にしてDC電圧のバイアス信号を供給するか、あるいは、RF電源にしてRFバイアス信号を供給することができる。さらに、バイアス源221は、定電圧出力にするか、あるいはパルス化することができる。この動作は、要望に応じて室温でも高温で
も実行すること
ができる。
【0021】
プラズマシース・モディファイア208が、プラズマシース242内の電界を修正して、プラズマ140とプラズマシース242との境界の形状を制御することが有利である。
図2の実施形態では、プラズマシース・モディファイア208が一対のモディファイア212及び214を含み、これらは絶縁体であり、そして、水晶、アルミナ、窒化ホウ素、ガラス、窒化シリコン、等で製造することができる。
図7のような他の実施形態では、半導体または導体材料を、モディファイア212及び214用に用いることができる。これらの実施形態では、この半導体材料を、シリコン、ドープしたシリコン、炭化シリコン、及び他の適切な材料で製造することができる。
【0022】
図2に戻れば、プラズマ140とプラズマシース242との境界が、平面151に対して凸形状を有することができる。バイアス源221が金属ターゲット209にバイアスをかけると、イオン102が、プラズマシース242越しに、モディファイア212と214との間のギャップを通って所定範囲の入射角で誘引される。モディファイア212と214との間の水平間隔(G)、これらのモディファイアが平面151を上回る垂直間隔(Z)、モディファイア212及び214の誘電率、バイアス源221の電圧、及び他のプラズマ処理パラメータを含むが、これらに限定されない複数の因子に応じて、イオン102が、所定範囲の入射角で金属ターゲットに当たることができる。
【0023】
金属ターゲット209に当たるイオン102が、金属粒子211を金属ターゲット209からスパッタさせる。従って、イオン102が金属ターゲット209に当たる角度が、金属粒子211がワークピース138に向けてスパッタされる角度を決める。イオン102が金属ターゲット209に当たる角度を変化させることによって、ワークピース138上の小さな三次元構造を、金属イオン102によって均一に処理することができる。これに加えて、イオン102が金属ターゲット209に当たる角度を変化させることによって、スパッタ率も制御することができる。
【0024】
図3を参照すれば、1つの好適なプラズマドーピング装置300が例示されている。
図2の装置によれば、プラズマドーピング装置300は、一対のモディファイア212及び214を有して、プラズマ140とプラズマシース242との境界の形状を制御する。
【0025】
一対のモディファイア212及び214は、互いの間にギャップまたは開口を規定する。1つ以上の金属ターゲット209が、このギャップまたは開口に近接して配置されている。1つ以上の金属ターゲット209は、金属ターゲット電源391に電気的に結合することができる。金属ターゲット電源391は、要望に応じて定電圧またはパルス電圧を供給することができる。
【0026】
プラズマドーピング装置300は、密閉容積空間303を規定するプロセスチャンバ202を含む。ガス源304は、一次ドーパントガスを、マスフロー(質量流量)コントローラ306を通してプロセスチャンバ
202の密閉容積空間303に供給する。ガスバッフル370をプロセスチャンバ202内に配置して、ガス源304からのガスの流れを偏向させることができる。圧力計308が、プロセスチャンバ202内部の圧力を測定する。真空ポンプ312が、排気を、プロセスチャンバ202から排気ポート310を通して真空排気する。排気バルブ314が、排気ポート310を通る排気コンダクタンス(伝導性)を制御する。
【0027】
プラズマドーピング装置300は、マスフロー・コントローラ306、圧力計308、及び排気バルブ314に電気接続されたガス圧コントローラ306を、さらに含むことができる。ガス圧コントローラ316は、圧力計308に応答するフィードバックループによって、排気バルブ314で排気コンダクタンスを制御するか、マスフロー・コントローラ306でプロセスガスの流量を制御するかのいずれかによって、プロセスチャンバ202内の所望圧力を維持するように構成することができる。
【0028】
プロセスチャンバ202は、略水平方向に延びる誘電体材料で形成された第1部分320を含むチャンバ上部318を有することができる。チャンバ上部318は、第1部分320から略垂直方向に、ある高さに延びる誘電体材料で形成された第2部分322も含む。チャンバ上部318は、第2部分322の全体にわたって水平方向に延びる導電性かつ熱伝導性の材料で形成された蓋324をさらに含む。
【0029】
上記プラズマドーピング装置は、プラズマ140をプロセスチャンバ202内に発生するように構成された発生源301をさらに含む。発生源301は、RF電力を平面アンテナ326及び螺旋アンテナ346の一方または両方のいずれかに供給してプラズマ140を発生するための電源のようなRF源350を含むことができる。RF源350は、インピーダンス整合回路網352によってアンテナ326、346に結合することができ、インピーダンス整合回路網352は、RF源350の出力インピーダンスをRFアンテナ326、346のインピーダンスと整合させて、RF源350からRFアンテナ326、346へ伝達される電力を最大にする。
【0030】
上記プラズマドーピング装置は、プラテン134に電気的に結合されたバイアス電源390を含むこともできる。このプラズマドーピングシステムは、コントローラ356及びユーザインタフェース・システム358をさらに含むことができる。コントローラ356は、所望の入力/出力機能を実行するようにプログラムすることができる汎用コンピュータまたは汎用コンピュータのネットワークとするか、それらを含むことができる。コントローラ356は、通信装置、データ記憶装置、及びソフトウェアを含むこともできる。ユーザインタフェース・システム358は、タッチスクリーン、キーボード、ユーザ・ポインティングデバイス(指示装置)、ディスプレイ、プリンタ、等のような装置を含んで、ユーザが、コマンド及び/またはデータを入力すること、及び/または、コントローラ356を通してプラズマドーピング装置を監視することを可能にすることができる。シールド(遮蔽)リング394をプラテン134の周りに配置して、ワークピース138のエッジ付近に注入されるイオン分布の均一性を改善することができる。ファラデーカップ399のような1つ以上のファラデーセンサをシールドリング394内に配置して、イオンビーム電流を検出することもできる。
【0031】
動作中には、ガス源304が、ワークピース138内への注入用の所望のドーパントを含む一次ドーパントガスを供給する。発生源301は、プラズマ140をプロセスチャンバ202内に発生するように構成されている。発生源301は、コントローラ356によって制御することができる。プラズマ140を発生するために、RF源350がRF電流をRFアンテナ326、346の少なくとも一方において共振させて、振動磁界を生成する。この振動磁界が、RF電流をプロセスチャンバ202内に誘導する。プロセスチャンバ202内のRF電流が、一次ドーパントガスを励起してイオン化して、プラズマ140を発生する。
【0032】
一実施形態では、金属ターゲット電源391に負のバイアスをかけ、バイアス電源390を接地電位に維持する。プラズマ140からのイオン102が、金属ターゲット209に向けて加速される。ギャップ幅、モディファイア212及び214の相対的な垂直位置、モディファイア212及び214とワークピース138との間の垂直距離、及び金属ターゲット電源391の電圧を変化させることによって、プラズマ140を出るイオン102の入射角を調整することができる。これらのイオン102は、金属ターゲット209に当たってスパッタリングを行わせて金属粒子211を発生し、これらの金属粒子は、ワークピース138に向けて広範囲の角度で放出される。そして、これらの金属粒子211は、ワークピース138の三次元構造に堆積するか注入される。金属ターゲット209は、−100V〜−20kVの電圧でバイアスをかけることができる。一部の実施形態では、金属ターゲット209に印加されるバイアスを、スパッタリングプロセス中に変化させることができる。例えば、最初にバイアス電圧を−0.5kVにして、特定エネルギーを有してスパッタされる金属粒子を生成することができる。ワークピース138がコーティングされているので、バイアス電圧は−2kVに近付いて、金属粒子211を、その後の経路において、エネルギーを増加させてワークピース138に向けて発射することができる。
【0033】
イオン102の角度分布を最適化することによって、金属粒子211の軌跡を最適化して、適切な側壁の被覆率を得ることができる。さらに、スパッタリング歩留まりは、イオンの入射角及び金属ターゲットの温度に依存する。例えば、60°の入射角は、10°の入射角のスパッタリング歩留まりの3倍のスパッタリング歩留まりを有することができる。例えば0°から60°までの複数の入射角を並列的に利用することによって、複数の角度を有してスパッタされる種々の金属粒子を発生することができる。
【0034】
他の実施形態では、
ワークピース138に負のバイアスをかけることができる。この負のバイアスは、金属ターゲット209に印加する電圧よりも高くして、イオン102が金属ターゲット209に一層誘引されるようにすることができる。例えば、一実施形態では、ワークピース138に−1kVのバイアスをかけつつ、金属ターゲット209には−2kVのバイアスをかける。この場合、プラズマ140を出るイオン102は、同時にワークピース138及び金属ターゲット209に向けて加速される。従って、上記に挙げたパラメータに加えて、イオン102と、金属ターゲット209及びワークピース138によって生成される電界との相互作用が、イオン102が金属ターゲット209に当たる角度に影響を与える。
【0035】
他の実施形態では、金属ターゲット電源391及びバイアス電源390が、パルス列のような時間的に変化する出力を提供することができる。これらのパルスを同期または協調させて、所望の挙動を生成することができる。例えば、一実施形態では、金属ターゲット電源391とバイアス電源390とが同時に、負の電圧パルスを生成することができる。他の実施形態では、これらの電源の一方が、パルス電圧出力を供給する。このパルス電圧出力の開始後しばらくして、他方の電源がパルス電圧出力を供給する。一部の実施形態では、第1のパルス出力の終了時に、第2の電源がパルス出力を出力することができる。
図9に、代表的なタイミング図を示して、金属ターゲット電源391とバイアス電源390との関係を示す。一実施形態では、金属ターゲット電源391が、約5kHzのパルス周波数でパルスを発生し、各パルスが25〜100μsの持続時間を有する。バイアス電源390も、25〜100μsの持続時間を有するパルスを発生する。
図9では、バイアス電圧パルスが金属ターゲットパルスに追従するように、これらのパルスを協調させる。こうして、イオン102が、まず金属ターゲット209に誘引される。金属粒子211がスパッタされる間に、バイアス電圧がパルス化されて、これらの金属粒子211を加工片138に向けて引き寄せる。他の実施形態では、バイアス電圧をパルス化しつつ、金属ターゲット・バイアスを連続したDC電圧にすることができる。
【0036】
パルスプラテン信号、及び/または、パルスのデューティサイクルは、所望のスパッタ率を提供するように選択することができる。パルスプラテン信号の振幅は、所望のエネルギーを提供するように選択することができる。
【0037】
一部の実施形態では、
図4に示すように、プラズマシース・モディファイアと、ワークピース138の前面によって規定される平面151との間の垂直間隔(Z)を調整することができる。アクチュエータ402を、一対のモディファイア212及び214に機械的に結合して、モディファイア212及び214を、それぞれ直線420及び422で示すように、平面151に対して垂直方向に駆動することができる。一対のモディファイア212及び214の、平面151に対する、また互いに対するZ位置が、プラズマとプラズマシースとの境界の形状に影響を与え、そしてワークピース138または金属ターゲット209に当たるイオンの軌跡にも影響を与える。このアクチュエータ402は、コントローラ356のようなコントローラによって制御することができる。
【0038】
図5を参照すれば、本発明による他の実施形態のブロック図が例示され、ここでは、モディファイア212と214との水平間隔(G)を調整することができる。この水平間隔調整は、前に詳述した
図4の垂直間隔調整の代わりに、あるいはそれに加えて行うことができる。アクチュエータ502を、一対のモディファイア212及び214の少なくとも一方に機械的に結合して、これらのモディファイアを、矢印506で示す方向に、互いに対して駆動することができる。アクチュエータ502は、コントローラ356のようなコントローラによって制御することができる。
【0039】
図6に示すように、一部の実施形態では、プラズマ処理装置200が、プラズマシース・モディファイアをワークピース138に対して駆動するための走査システム602を有することができる。走査システム602は、モディファイア212及び214に機械的に結合されてこれらを駆動するアクチュエータを含むことができる。このアクチュエータ(図示せず)は、コントローラ356(
図3参照)のようなコントローラによって制御することができる。
図6の実施形態では、走査システム602が、モディファイア212及び214を、位置Aから位置B、そして位置C、等に駆動し、これにより、ワークピース138のすべての位置を、一対のモディファイア212及び214によって規定されるギャップに露出させることができる。
図6に詳記するようにデカルト座標系を定義すれば、モディファイア212及び214は、
図6のX方向に駆動される。他の実施形態では、モディファイア212及び214、または他の異なる組のモディファイアを、Y方向に、あるいはX方向とY方向との間の任意の角度に駆動することができる。これに加えて、走査システム602がモディファイア212及び214を一方向に駆動する間に、ワークピース138を回転させることができる。走査システム602がモディファイア212及び214を一方向に駆動した後に、ワークピース138を所定の回転角だけ回転させることもできる。一例では、この回転を、矢印624で例示するように、ワークピースの中心軸の周りに行うことができる。
【0040】
図10に、一実施形態により用いることができるイオン注入装置の他の実施形態を示す。イオン源910は、側壁920及び開口端930を有するチャンバ921を含む。プラズマ940がチャンバ921内に発生する。プラズマは、傍熱陰極(IHC:indirectly heated cathode)、RFエネルギー、または他の手段を含むあらゆる適切な手段を用いて発生することができる。チャンバ921内では、開口端930の付近に、1つ以上のプラズマシース・モディファイア950が配置されている。プラズマシース・モディファイア950は、抽出開口931を有するように構成されている。イオン源910のチャンバ921からイオンを抽出する際に、プラズマシース・モディファイア950を用いて、開口に近接した所の、プラズマ940とプラズマシースとの境界942の形状を制御する。プラズマシース・モディファイア950は、互いの間にギャップを規定する一対のモディファイア951、952を含むことができる。他の実施形態は、複数のギャップを規定する複数対のモディファイアを有することができる。
【0041】
モディファイア951、952は半導体材料で製造することができ、半導体材料は、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、アンチモン化アルミニウム、窒化アルミニウム、及びガリウムヒ素を含むが、これらに限定されない。モディファイア951、952は、例えばドープしたシリコン及びドープした炭化シリコンを含むドープした半導体材料で製造することもできる。ドープした炭化シリコンを形成するために、炭化シリコンを、数個のドーパントのみを挙げれば、窒素、ホウ素、及びアルミニウムのような種でドープすることができる。
【0042】
一対のモディファイア951、952は、薄く平坦な形状を有する一対のシートとすることもできる。一対のモディファイア951、952は、間隔(G)を有するギャップを互いの間に規定する。一対の半導体951、952は、ワークピース138上に垂直間隔(Z)をおいて配置することもできる。
【0043】
境界942の形状は、複数の因子に応じて制御することができ、これらの因子は、一対のモディファイア951、952間の水平間隔(G)、モディファイアがワークピース138を上回る垂直間隔(Z)、各モディファイア951、952がワークピース138を上回る垂直間隔の差、相対導電率を含めたモディファイア材料、モディファイア951、952の厚さ(T)、一対のモディファイア951、952の温度、及びイオン源の他の処理パラメータを含むが、これらに限定されない。
【0044】
金属ターゲット209は、モディファイア951、952の、ワークピース138に最寄りの側面に近接して配置される。上述したように、金属ターゲット209に、金属ターゲット電源391によってバイアスをかけることができる。
【0045】
イオン源910はイオン注入装置の構成要素とすることができ、このイオン注入装置は、イオン源910の抽出開口931の下流に配置されたエンド(終端)ステーション980を有する。エンド・ステーション980を、イオン源910の抽出開口931に非常に近接して(例えば、一実施形態では12インチ以下の所に)配置し、これにより、粒子が進む距離を比較的短くすることができる。エンド・ステーション980は、ワークピース138を支持するためのプラテン985を含むことができる。現在技術において既知であるように、プラテン985を静電型プラテンにして、ワークピース138を静電力で固定することができる。ワークピース138は、太陽電池、フラットパネル、磁気媒体、半導体ウェハー、等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0046】
一部の実施形態では、金属ターゲット209に、金属ターゲット電源391によってバイアスをかけて、イオンを抽出開口931から金属ターゲット209に向けて抽出するための力を生成することができる。ワークピース138は、バイアス電源390によってバイアスをかけることもできる。ワークピース138へのバイアス信号を、オン及びオフの時間間隔を有するパルスバイアス信号にし、これにより、オン間隔中に粒子を誘引し、オフ間隔中には誘引しないことができる。同様に、金属ターゲット209へのバイアス信号を、パルスバイアス信号にすることができる。パルスバイアス信号にする1つの理由は、電荷制御と、関連するイオン注入装置に対する処理能力要求とのバランスをとりつつ、イオン処理中に、ワークピース138上への電荷蓄積の量を許容可能なレベルに制御するためである。この実施形態では、金属ターゲット電源391とバイアス電源390との相互作用を、
図9に記載されているようにすることができる。
【0047】
他の実施形態では、電源990を用いて、イオン源910の側壁920にバイアスをかける。ワークピース138にも、例えばバイアス電源390によってバイアスをかけることができ、金属ターゲット209には、金属ターゲット電源391によってバイアスをかけることができる。この実施形態では、イオン源の側壁920に、例えば約2kVの正のバイアスをかけることができる。この実施形態では、金属ターゲット209を接地して、チャンバ921内からのイオンを金属ターゲット209に向けて誘引することができる。ワークピース138には、金属ターゲットよりも高い電圧、例えば1kVのバイアスをかけて、イオンが主に金属ターゲット209に誘引されるようにすることができる。上述したように、電源990、金属ターゲット電源931、及びバイアス電源930を、パルス化し互いに同期させて、ワークピース138上への粒子の堆積を最適化することができる。
【0048】
本発明は、本明細書に記載した特定実施形態によって範囲を限定されるべきものではない。実際に、本明細書に記載したものに加えて、本発明に対する他の種々の実施形態及び変更は、以上の説明及び添付した図面より、通常の当業者にとって明らかである。従って、こうした他の実施形態及び変更は、本発明の範囲内に入ることを意図している。さらに、本明細書では、本発明を、特定環境における特定目的での特定の実現に関連して説明してきたが、その有用性はこれらの実現に限定されず、本発明は、いくつもの環境においていくつもの目的で有益に実現することができることは、通常の当業者の認める所である。従って、以下に記載する特許請求の範囲は、本明細書に記載した本発明の全幅及び精神全体を考慮して解釈すべきものである。