特許第6388601号(P6388601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388601
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】地表面に噴霧するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/04 20060101AFI20180903BHJP
   B05B 7/06 20060101ALI20180903BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20180903BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   B05B1/04
   B05B7/06
   B05D1/02 Z
   A01M7/00 Q
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-553101(P2015-553101)
(86)(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公表番号】特表2016-504969(P2016-504969A)
(43)【公表日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】EP2014050944
(87)【国際公開番号】WO2014111542
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2017年1月16日
(31)【優先権主張番号】61/754,964
(32)【優先日】2013年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300091441
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(73)【特許権者】
【識別番号】515197123
【氏名又は名称】ハイプロ イーユー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】トレバー ウィリアム バートレット スワン
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0234301(US,A1)
【文献】 特開昭53−62210(JP,A)
【文献】 特開平6−277562(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/154567(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00−7/32
B05D 1/00−1/42
A01M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝生などの植物に流体を噴霧するためのノズルであって、
(a)フランジと、中央セクションと、先端部で終端する円筒状延伸部と、その中を通って延在する内腔と、複数の空気排出開口とを有する外側部材であって、前記先端部が外側表面と、軸、頂点、ならびに第1および第2の側部を有するスロットによって画定される放出オリフィスとを含み、前記側部のそれぞれが第1および第2の対応する壁部材によって画定され、
(i)前記第1および第2の側部の前記第1壁部材が、前記頂点からそれらの各側部に向かって、互いに鋭角で、「V」字構成で、前記頂点から離間された各対向縁部まで延在し、
(ii)前記各第2壁部材のそれぞれが、対応する各第1壁部材の前記縁部から、対応する第1壁部材に対して鈍角で、前記先端部の外側表面に向かって延在する、外側部材と、
(b)前記外側部材の前記内腔に挿入可能な内側部材であって、フランジと、中央リングと、延伸部と、内腔と、少なくとも1つの開口であって、液体が前記内側部材の前記内腔に通され、前記外側部材の前記延伸部に送り込まれ、前記外側部材の前記先端部の前記放出オリフィスから出るとき、空気を前記内側部材の前記内腔に排出するために前記外側部材の前記複数の空気排出開口と協働する少なくとも1つの開口とを有する内側部材と
を含むノズル。
【請求項2】
噴霧器ブーム上のアレイに配置された複数の請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
複数の請求項1に記載のノズルを用いて流体を噴霧することを含む、噴霧適用の間様々な高さで作動するとき噴霧ブーム上に配列された複数の噴霧ノズル間の変化係数を低減するための方法。
【請求項4】
傾斜した表面を有する芝生に流体を噴霧するための方法であって、
請求項1に記載のノズルを用いて110〜130度の間の扁平な扇状噴霧角度および4.5〜9.0度の間の傾斜角度を使用して前記流体を噴霧することを含む方法。
【請求項5】
前記流体を噴霧することが約127度の扁平な扇状噴霧角度を使用して前記流体を噴霧することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記流体を噴霧することが約120度の扁平な扇状噴霧角度を使用して前記流体を噴霧することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記流体を噴霧することが約4.5度の傾斜角度を使用して前記流体を噴霧することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記流体を噴霧することが約6.5度の傾斜角度を使用して前記流体を噴霧することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記流体を噴霧することが約9.0度の傾斜角度を使用して前記流体を噴霧することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記傾斜角度が、後方に面する角度である、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、様々な農薬を芝生表面に噴霧適用するための装置および方法に関し、特に、様々な噴霧ブーム高さでおよび/または傾斜した地形を有する地面全体わたって、芝草などの地表面により均一に噴霧するための方法及び噴霧ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
傾斜および起伏を有する地面全体にわたる従来の噴霧ノズルおよび既存の装置を用いた芝草への農薬の適用は、不均一な噴霧散布を生じる可能性がある。さらに、風が噴霧ドリフトを引き起こす恐れがあり、その際ノズルから噴霧される流体はその意図した表面に到達しない。これは非効率的な噴霧と流体の不均一な適用をもたらし、その際目標表面の一部は多すぎるまたは少なすぎる流体を受ける。例えば、水、肥料、有害生物防除剤等などの流体を適用するとき、目標の土壌および/または茎葉は、適用される流体の均一な散布を受けない可能性がある。
【0003】
これら問題のいくつかに対処するノズルが開発されてきた。例えば、空気含有ノズルは空気と混合された流体の液滴を生成し、これは噴霧ドリフトを軽減し、流体の表面被覆を改善することができる。しかしながら、これら従来型ノズルは、平坦な表面に噴霧するために使用されるとき適切に機能するが、表面および起伏に、すなわち噴霧ブーム高さが変化し続けるか地面に至るまで低い場所に噴霧するために使用されるとき、満足のいく被覆を実現できない。例えば、ノズルが別の表面領域より高いか低いある表面領域のさらに先にあるときなど、不均一な農薬散布があるとき、縞が生じる場合がある。これは典型的に、噴霧される表面が傾斜、他の高低差を有するとき、すなわち平坦でないときに生じ、それは例えば典型的にはゴルフコース内にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、必要とされるものは、傾斜したすなわち平坦でない表面全体に適切な被覆を提供可能であり、および/または従来型噴霧ブーム上で変化する高さで複数で使用されるとき改善された変化係数を提供可能である噴霧ノズルである。さらに必要とされるものは、ノズルアレイの変化係数を改善する方法、および傾斜したすなわち平坦でない表面に噴霧するための方法である。これらおよび他の問題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な実装形態によれば、傾斜した表面を有する芝生などの表面に噴霧するための様々な方法および装置が記載される。
【0006】
本発明は、液圧ノズルを含む芝生噴霧器用ノズルを提供し、そのオリフィスは、半球状に終端された穴であるがスロット切断部の相互作用によって形成され、スロットは内側に曲げられたV字の形状をとり、その側部は中心に向かって傾けられ、切頭楕円形オリフィス孔(truncated elliptical orifice)(平坦な側部を有する楕円形)を形成する。1つの実装形態において、曲げられたV字切断部の側部は、スロットの側部の長さの約1/3の地点で傾けられるまたは曲げられる。
【0007】
特定の実施形態では、軸、頂点、および第1および第2側部を有するスロットによって画定される放出オリフィス、およびここで前記側部のそれぞれは第1および第2の対応する壁部材によって画定され、ここで、
(i)前記第1および第2の側部の前記第1壁部材は、前記頂点からそれらの各側部に向かって、互いに鋭角で、「V」字構成で、頂点から離間された各対向縁部まで延在し、
(ii)前記各第2壁部材のそれぞれは、対応する各第1壁部材の縁部から、互いに鈍角で、先端部の外側表面に向かって延在し、
(b)外側部材の内腔に挿入可能な内側部材であって、フランジと、中央リングと、延伸部と、内腔と、少なくとも1つの開口であって、液体が内側部材の内腔に通され、外側部材の延伸部に送り込まれ、外側部材の先端部の放出オリフィスから出るとき、空気を内側部材の内腔に排出するために外側部材の前記複数の空気排出開口と協働する少なくとも1つの開口とを有する内側部材。
【0008】
別の実施形態では、複数の本発明的ノズルは、芝生噴霧ブーム上の1つのアレイ内で関連付けられ、各ノズルのそれぞれは、以下のものを含む。
(a)フランジと、中央セクションと、先端部で終端する円筒状延伸部と、その中を通って延在する内腔と、複数の空気排出開口とを有する外側部材であって、前記先端部が外側表面と、軸、頂点、ならびに第1および第2の側部を有するスロットによって画定される放出オリフィスとを含み、前記側部のそれぞれが第1および第2の対応する壁部材によって画定され、
(i)前記第1および第2の側部の前記第1壁部材が、前記頂点からそれらの各側部に向かって、互いに鋭角で、「V」字構成で、頂点から離間された各対向縁部まで延在し、
(ii)前記各第2壁部材のそれぞれが、対応する各第1壁部材の縁部から、互いに鈍角で、先端部の外側表面に向かって延在する外側部材、
(b)外側部材の内腔に挿入可能な内側部材であって、フランジと、中央リングと、延伸部と、内腔と、少なくとも1つの開口であって、液体が内側部材の内腔に通され、外側部材の延伸部に送り込まれ、外側部材の先端部の放出オリフィスから出るとき、空気を内側部材の内腔に排出するために外側部材の前記複数の空気排出開口と協働する少なくとも1つの開口とを有する内側部材。ノズル先端部の半球状に終端された穴であるが両側の4つの壁(各側に2つの壁)で仕切られたスロット切断部の相互作用によって形成された放出オリフィスの構造の形状は、切頭楕円形である。
【0009】
いくつかの実装形態では、切頭楕円形オリフィスを有するノズルは、噴霧車両の前方移動を補うために、110〜130度の間の扁平な扇状噴霧角度および4.5〜9.0の傾斜角度を噴霧するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、ノズルは約127度の扁平な扇状噴霧角度を使用して流体を噴霧し得る。いくつかの実装形態では、ノズルは約120度の扁平な扇状噴霧角度を使用して流体を噴霧し得る。いくつかの実装形態では、ノズルは約4.5度の傾斜角度を使用して流体を噴霧し得る。いくつかの実装形態では、ノズルは約6.5度の傾斜角度を使用して流体を噴霧し得る。いくつかの実装形態では、ノズルは約9.0度の傾斜角度を使用して流体を噴霧し得る。いくつかの実装形態では、傾斜角度は、後方に面する角度を含み得る。
【0010】
いくつかの実装形態では、例えば、上記のノズルを使用することによってなど、傾斜した表面に噴霧するために様々な方法が使用されてもよい。いくつかの実装形態では、傾斜した表面を有する芝生に流体を噴霧する方法は、110〜130度の間の扁平な扇状噴霧角度および4.5〜9.0の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約127度の扁平な扇状噴霧角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約120度の扁平な扇状噴霧角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約4.5度の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約6.5度の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約9.0度の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、傾斜角度は、後方に面する角度を含み得る。
【0011】
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実装形態の1つまたは複数の例を示し、および本記載と一緒に、本発明の様々な原理および態様を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの側面図を示す。
図2】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの上面図を示す。
図3図12に示されるようなノズルオリフィスと適合されるとき本発明の様々な実装形態によるものと対応する、芝生ノズルの底面図を示す。
図4】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの外側部材の断面図を示す。
図5】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの内側部材の側面図を示す。
図6】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの内側部材の断面図を示す。
図7】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの半球状先端部の断面図を示す。
図8】本発明の様々な実装形態による、芝生ノズルの半球状先端部の側面図を示す。
図9A-9B】本発明の様々な実装形態による、傾斜した地形を有する表面を含む表面に噴霧するためのシステムの概略図を示す。
図10】平坦化側部を有する楕円形オリフィスをもたらす半球状止まり穴を通過する曲げられたV字形切断部の結果であるノズルオリフィスの斜視図を示す。
図11】本発明の様々な実装形態による、平坦化側部を有する楕円形オリフィスをもたらす半球状止まり穴を通過する曲げられたV字形切断部の結果であるノズルオリフィスの側面(点で描いた内部)図を示す。
図12】本発明の様々な実装形態による、平坦化側部を有する楕円形オリフィスをもたらす半球状止まり穴を通過する曲げられたV字形切断部の結果であるノズルオリフィスの底面図を示す。
図13】500mm高さでの従来型扇状先端部単一パターン試験を示すチャートである。
図14】本発明の様々な実装形態による、扇状先端部単一パターン500mm高さ試験を示すチャートである。
図15】670mm高さでの従来型扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
図16】500mm高さでの従来型扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
図17】300mm高さでの従来型扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
図18】本発明の様々な実装形態による、670mm高さでの扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
図19】本発明の様々な実装形態による、500mm高さでの扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
図20】本発明の様々な実装形態による、300mm高さでの扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の様々な実装形態によれば、植物、および傾斜した表面で生長する芝を含む芝などの他の茎葉に、特にゴルフコースの芝に噴霧するための様々な方法および装置が開示される。
【0014】
従来の芝生ノズルは、垂直に下方に噴霧される110度の扇状角度を含み得、および半球状に終端された穴であるがV字形スロット切断部の相互作用によって形成されたオリフィスを有する。これら芝生ノズルは平坦な表面で適切に機能したが、傾斜した表面に噴霧するとき縞が生じた。さらに、複数のそのようなノズルが噴霧ブーム上のアレイとして使用されるとき、複数のそのようなノズルに噴霧することの間の劣った変化係数が生じ得る。
【0015】
図1〜6は、本発明の様々な実装形態による、芝生ノズル1の様々な図を示す。図4、6および7は、面A−Aに沿ったノズル1の様々な断面図を示す。図7〜8は、本発明の様々な実装形態による、芝生ノズル1の半球状先端部の様々な図を示す。図1〜8を参照すると、ノズル1は外側部材2と内側部材3とを有する。ノズル1は、標準ISOノズルを受け入れて保持するように設計されたホルダまたはキャップ(不図示)内に適合するように設計される。従って、ノズル1は、標準的なブームおよび他の送達機構に取り付けることができる。
【0016】
いくつかの実装形態では、外側部材2はフランジ4および中央セクション5を含み、それぞれ標準的なキャップ設計と協働するように寸法決めされ成形されている。特に、中央セクション5は開口内に適合するように設計され、キャップおよびフランジ4はキャップの表面と係合し、ノズル1が確実にキャップに装着され続けるようにする。
【0017】
いくつかの実装形態では、外側部材2は、半球状先端部8で終端する全体的に円筒状の延伸部6を含む。先端部8は、第1および第2の側部12および14によって形成された実質的に曲げられたV字形放出スロットを有する。図11に示されるように、第1の側部12および第2の側部14は、対向する第1(102および112)および第2(106および108)の壁部材によって画定される。第1壁部材102/112は、スロット10の頂点100から、互いに鋭角で、頂点100から離れた各対向縁部(110/104)まで延在する。一実施形態では、縁部(110/104)は、スロットの側部の長さの約1/3の地点で離される。前記各第2壁部材(106/108)のそれぞれは、対応する各第1壁部材の縁部(110/104)から、互いに鈍角で、先端部の外側表面116に向かって延在する。側部12はノズル1の長手(垂直)軸と概ね平行であるが、垂直軸からオフセットさせることができる。側部14はこの軸と平行でなく、代わりに、約21〜29.5度の範囲の角度で長手軸から延在する。代わりに、これら角度は、スロットの軸(図11、アイテム114)に対して測定される。どちら側が平行でありどちら側が斜めであるかを明確に示すために、外部突起16が提供される(図1)。示されるように、突起16は側部12の側にあり、側部14の側の反対にある。
【0018】
いくつかの実装形態では、ノズル1は、中央セクション5と円筒延伸部6の間に複数の開口17を含む。これら実装形態では、開口17は、空気が流れストリーム中へ排出されるための経路を提供する。いくつかの実装形態では、複数の開口(例えば2つ)を外部突起16から離れたノズル円筒本体の側部に配置可能であり、これは例えば、欧州登録共同体意匠(European registered community design)RCD001377915−0001号(側部の空気排出開口部)に示されるノズル設計で見ることができるようなものである。
【0019】
いくつかの実装形態では、外側部材2は内腔18を含み(例えば図4参照)、内腔18はフランジ4の領域でより広く、中央セクション5の領域でより小さい直径を有し、延伸部6の領域でさらにより小さい。
【0020】
フランジ4の領域で内腔18を囲むのはチャネル19であり、チャネル19は内側部材3を外側部材2に固定するために使用される。
【0021】
図5および6は、内側部材3の構成を示す。内側部材3は、外側部材2のチャネル19内に適合する突起21を有するフランジ20を有する。内側部材3はまた、中央リング22および延伸部24を有する。延伸部24とリング22の間の空間27は全体的に開放されている。支柱25および26の対がリング22および延伸部24を離間した関係に保つ。
【0022】
図6は面A−Aに沿った断面で示され、本発明の様々な実装形態による内側部材3を通した内腔28の形状を示している。示されるように、内腔28はフランジ20の領域で円錐台部分30を有する。
【0023】
内腔28はリング22の領域で円筒セクション32まで狭くなり、延伸部24の領域で円錐台セクション34を有する。
【0024】
内側部材および外側部材が組み立てられると、内側部材3の延伸部24の端部は、外側部材2の延伸部6の中に配置される。また、チャンバが、内側部材3の延伸部24の外壁と、外側部材2の中央セクション5の内壁との間に形成される。このチャンバは、外側部材2の開口17、および、リング22と内側部材3の延伸部24との間の空間との組み合わせにおいて、流路を形成し、それを通して空気を、ノズル1を通過する液体ストリームに排出可能である。この液体ストリームは内側部材3の内腔28を通過し、空気と混合し、外側部材2の延伸部6を通過し、スロット10を通過する。流路およびスロット10の形状の特性(その例は図7、8および11に示されている)が、ノズル1から出る流体に、ブームが様々な角度で後方に傾斜されたような同一の動きを与える。換言すると、いくつかの実装形態において、スロット10の寸法は、後方傾斜角度が得られるように構成可能である。
【0025】
図7および8は本発明の様々な実装形態によるスロット10の寸法を示している。図7を参照すると、先端部8が面A−Aに沿った断面で示されている。延伸部24の内腔はスロット10と流体連通している。いくつかの実装形態では、壁12に沿って、スロット10は、幅寸法32と、全体的に延伸部6に対して垂直に向けられる高さ寸法34とを有する。幅寸法32および高さ寸法34は一緒に、壁12に沿ったスロット10の寸法を、切頭楕円形構造(図12、アイテム120)で画定する。図8を参照すると、角度36および38は一緒に、側部から見たようなスロット10の開口を画定する。角度36は、それによって壁14が垂直軸(図8中線A−Aによって示され、面A−Aも定める)からオフセットされる角度を示す。垂直軸は延伸部6と概ね平行に延在する。角度38は、それによって壁12が垂直軸からオフセットされる角度を示す。寸法32と34、および角度36と38は一緒に、傾斜角度およびスロット10から放出される扇状噴霧角度を決定する。
【0026】
表1は寸法32と34(ミリメートルで測定)、および角度36と38(度で測定)の様々な例を示し、適切な寸法の様々なノズル本体と一緒に使用されるとき様々な傾斜角度と扇状噴霧角度を得ることができる。寸法32、34および角度36、38のそれぞれは、実質的にまたは「ほぼ」(すなわち、+/−範囲内)表1に示されるような値を有し得る。示されるように、いくつかの実装形態では、壁12は1.2〜2.5度だけ垂直軸からオフセットされてもよい。
【0027】
【表1】
【0028】
図7〜8および表1に示されるスロット10の寸法は、単なる例であり、それらの互いの相対的関係が、認識され得るように、適切にスケーリング/保たれる限り、調整されてもよい。従って、寸法は、本明細書に開示される寸法に基づいて特定の必要性に従って修正されてもよい。
【0029】
好ましい実施形態により構成されたノズルは、様々な利点を提供する。第一に、そのようなノズルは、化学物質の正しい送達角度をもたらすようにプリセットされ、それにより、本発明的ノズルまたはそのアレイが作物列への広範な噴霧に使用される場合、化学物質が作物の下に隠れている雑草に到達するように、作物による覆いへの改良された侵入を提供する。第二に、本発明のノズルは、標準的なブームおよび標準的なノズル本体ホルダまたはキャップに適合する。第三に、ノズルを交換するのに工具を必要としない。第四に、本発明的曲折V字形スロット構成は、本発明の切頭楕円形ノズルオリフィスが、従来型ノズルと比べて、改良された変化係数を有する噴霧パターンを送達することを可能にする。最後に、本発明的ノズルは、異なるISOまたは他の寸法のキャップ、ホルダもしくは構成に適合するように、様々な寸法または設計で構成可能である。例えば、欧州RCD001377915−0001号に示されるものなどのノズル設計は、本発明によるノズルオリフィスをもたらす曲折V字形スロット構成で修正可能であり、本発明の範囲内と考えられる。
【0030】
本発明の様々な実装形態によれば、1などの本発明によるノズルまたは異なる設計(例えば欧州RCD001377915−0001号)によるノズルを望むとおりに使用することによってなど、傾斜した表面を含む表面に噴霧するために様々な方法を使用してもよい。いくつかの実装形態では、傾斜した表面を有し得る芝生に流体を噴霧するための方法は、110〜130度の間の扁平な扇状噴霧角度および4.5〜9.0度の間の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約127度の扁平な扇状噴霧角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約120度の扁平な扇状噴霧角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約4.5度の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約6.5度の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、流体を噴霧することは、約9.0度の傾斜角度を使用して流体を噴霧することを含み得る。いくつかの実装形態では、傾斜角度は後方に面する角度を含み得る。
【0031】
図9Aは、本発明の様々な実装形態による、車両90と結合された複数の空気含有ノズル1(ノズル1A、1B、1Cとして図9Aに示されるが、5、10、15またはそれ以上のアレイなど他の数のノズルを使用してもよい)の例を示す。示されるように、貯蔵庫120が車両90に取り付けられる、または車両90と一緒に形成される。貯蔵庫120は、芝などの葉を全体的に含む表面に噴霧される流体を含有し得る(すなわち流体源であり得る)。流体は、限定しないが、水、肥料、茎葉保護剤(例えば有害生物防除剤、殺菌・殺カビ剤等)、および/または表面に噴霧可能な他の液体などのいずれかの液体を含み得る。車両90は操縦のために逆方向(「R」)に時折移動し得るが、流体は、車両90が全体的に前方方向(「F」)に移動する間、適用される。
【0032】
本発明のいくつかの実装形態では、ブーム94が貯蔵庫120に結合され、取り付けられたノズル1(空気含有ノズル1A、空気含有ノズル1Bおよび空気含有ノズル1Cとして図1に示される)を介して散布するために流体を受け取り、その様々な実装形態が本明細書に記載される。ブーム94は、概ね、しかし必ずではなく、図1Aに示されるように車両90の後部に隣接する。
【0033】
図9Bは、本発明の様々な実装形態による、図9Aに示される複数のノズル1の1つ(ノズル1Aなど)の概略的な立面図を示す。ノズル1は、図9Bにおいて、フランジ4を介してブーム94に結合される向きで示されている。換言すると、ノズル1は図9Bにおいて使用的な構成で示されている。本発明のいくつかの実装形態では、スロット10は、表1に列記されたものなど傾斜した表面に噴霧するのに適した様々な扇状の角度を有する扁平な扇状の構造で流体を噴霧させる(「S」)。本発明のいくつかの実装形態では、扁平な扇状の構造は、概ね110〜130度の扇状の角度を有する。
【0034】
本発明のいくつかの実装形態では、空気含有ノズル1(図1)は、空気含有ノズル1から地面までの垂直線に対して後方に面する角度96で、扁平な扇状構造を噴霧する(例えば断面線A−Aとして図8および9Bに示されるノズル)。換言すると、流体を表面に向けて真直ぐ下に、およびノズル1の中心を通って平行に概ね延びる線A−Aに沿って噴霧する代わりに、ノズルは流体Sを逆方向Rの方に線A−Aに対して後方に面する角度96で噴霧するように構成される。例えば、取り付けられると、またはブーム94と結合されると、空気含有ノズル1は流体Sを逆方向に向けて噴霧する。いくつかの実装形態では、後方に面する角度96は約4.5〜9.0度の範囲であり得る。
【0035】
他の実装形態では、図11に記載されるような曲折V字形スロットと図12に示されるような切頭楕円形噴霧オリフィス120とを有する複数のノズルが、ブーム94に関連付けられ、取り付けられ、または結合され、アレイのノズルの噴霧パターン間の変化係数に驚くべき改善が観察され得る。
【0036】
そうすることによって、傾斜した表面に噴霧することまたはブーム高さの変化に関連する問題は、軽減され得る。
【実施例】
【0037】
以下の例は、説明のために提供され、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。選抜方法の概要:ISO5682−1および/またはISO/WD5682−1の方法に準拠「作物保護のための装置−噴霧装置−パート1:、様々な高さで動作する噴霧ブーム上の複数の噴霧ノズル間の変化係数が試験される。5個のノズルが試験台で使用される。試験台のスロットの幅を除き、ISO5682−1および/またはISO/WD5682−1の試験方法に準拠する。
【0038】
図13は、500mm高さでの従来型扇状先端部単一パターン試験を示すチャートである。
【0039】
図14は、本発明の様々な実装形態による、扇状先端部単一パターン500mm高さ試験を示すチャートである。
【0040】
図15は、670mm高さでの従来型扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【0041】
図16は、500mm高さでの従来型扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【0042】
図17は、300mm高さでの従来型扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【0043】
図18は、本発明の様々な実装形態による、670mm高さでの扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【0044】
図19は、本発明の様々な実装形態による、500mm高さでの扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【0045】
図20は、本発明の様々な実装形態による、300mm高さでの扇状先端部5個ノズルアレイ変化試験を示すチャートである。
【0046】
芝生ノズルとして本明細書に記載したが、傾斜した表面に噴霧するためのノズルおよび方法は、傾斜した地形を有するいずれかの表面に噴霧するために使用されてもよい。異なる図面中に現れる1つの参照符号は、異なる図面中の同一の特徴、構造または特性を表す。例えば、異なる図面は、空気含有ノズルの異なる見た目を示し得るが、ここで便宜上、1つの図面が、先行する図面からの参照符号を再使用し得る。従って、2つ以上の異なる図面に現れる1つの参照符号は、先行する図面に記載されるものと同じ特徴、構造または特性を示す。
【0047】
当業者によって認識され得るように、一般的慣行に従い、本明細書で考察される図面の様々な特徴は、必ずしも同じ縮尺比で描かれておらず、図面の様々な特徴、構造または特性のその寸法は、本明細書に記載される本発明の様々な実装形態をより明確に示すために誇張または縮小されている場合がある。
【0048】
本発明の実装形態は、特定の特徴、構造または特性を含むように記載され得るが、すべての態様または実装形態は、特定の特徴、構造または特性を必ずしも含まない場合もある。さらに、特定の特徴、構造または特性が、ある態様または実装形態に関連して記載されるとき、そのような特徴、構造または特性は、明白に記載されているかどうかにかかわらず、他の実装形態に関連して含まれ得ることが理解される。従って、様々な変更形態および修正形態が、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、提供された記載に対してなされてもよい。従って、明細書および図面は、単なる例とみなされるべきであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a-9b】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20