(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射された光線を電気信号に変換して出力する光電変換部を具備した画素セルを二次元のマトリクス状に複数配置した画素部を複数の半導体基板に分けて形成し、前記複数の半導体基板を積層した構造の固体撮像装置であって、
前記光電変換部を含む前記画素セルの一部の回路要素である光電変換回路を二次元のマトリクス状に複数形成した第1の半導体基板と、
前記光電変換回路のそれぞれに対応し、前記光電変換部が出力した前記電気信号を保持し、前記電気信号に応じた画素信号を出力するメモリ部を含む前記画素セルの他の一部の回路要素であるメモリ回路を二次元のマトリクス状に複数形成した第2の半導体基板と、
前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板との間に形成され、前記光電変換回路の信号線と、前記メモリ回路の信号線とを電気的に接続する接続電極と、
を備え、
前記画素部に配置されたそれぞれの前記画素セルは、
同一の波長帯域の前記光線に対応した前記画素セルを1つの面に配置したと考えた場合に、同一の波長帯域に対応した隣接する前記画素セルが含まれないように組み合わされた複数の画素群に分けられ、
同一の前記画素群に含まれるそれぞれの前記画素セルの前記光電変換回路同士および前記メモリ回路同士で同じ前記接続電極を共有し、
異なる前記画素群に含まれるそれぞれの前記画素セルの前記光電変換回路の信号線と前記メモリ回路の信号線とは、異なる前記接続電極で接続される
固体撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の固体撮像装置の概略構成を示した概観図である。実施形態の固体撮像装置10は、複数の基板を積層することによって構成されている。
図1において、固体撮像装置10は、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とが接合されている。
【0027】
固体撮像装置10は、固体撮像装置10の機能を実現するための回路が、第1の半導体基板11または第2の半導体基板12のいずれか一方の半導体基板上に形成されている。固体撮像装置10の機能を実現するための回路は、入射してきた光(光線)を電気信号に変換するフォトダイオードなどの光電変換部、および光電変換部によって光電変換された電気信号を一時的に保持するメモリ回路を含む画素が二次元のマトリクス状に複数配置された画素アレイ部、光電変換部によって光電変換された電気信号を処理する列処理回路、画素アレイ部内の画素を駆動するための駆動回路などがある。また、固体撮像装置10の機能を実現するための回路には、列処理回路によって処理された電気信号を信号処理する信号処理回路などもある。
【0028】
図1に示した固体撮像装置10では、第1の半導体基板11が、光が入射してくる側の面がシリコン層となるように第2の半導体基板12と接合された、いわゆる、裏面照射(BackSide Illumination:BSI)型の固体撮像装置と同様の構成である。
【0029】
なお、固体撮像装置10の機能を実現するためのそれぞれの回路は、第1の半導体基板11または第2の半導体基板12のいずれか一方の半導体基板上に形成する構成のみではなく、第1の半導体基板11および第2の半導体基板12の両方の半導体基板上に形成する構成であってもよい。
【0030】
なお、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを接合する方法としては、接着層を設けてもよいし、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを直接接合してもよい。接着層を設けて第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを接合する方法としては、例えば、樹脂接着剤などの樹脂膜を接着層として用いて半導体基板同士を接合(積層)する方法が考えられる。このとき、接着層には、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12との信号を電気的に接続するための接続電極部を含んでいてもよい。接続電極部は、例えば、蒸着法、めっき法で作製されるマイクロバンプの構造や、金属配線層によって接続する構造など、いかなる構造を用いてもよい。なお、接続電極部の構造として、例えば、シリコン貫通電極(TSV:Through−Silicon−Via)の構造を用いてもよい。
【0031】
また、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを直接接合する方法としては、例えば、それぞれの半導体基板の酸化膜同士や金属部分同士に前処理を施し、表面活性化によるプラズマ接合によって半導体基板同士を直接的に接合(積層)する方法が考えられる。このとき、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを直接接合する場合においても、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの接続用の膜を設けて接着層として用いてもよい。
【0032】
なお、実施形態では、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12との2枚の半導体基板を積層した構成によって固体撮像装置10の機能を実現する例を示しているが、固体撮像装置の機能を実現するために積層する半導体基板の枚数は2枚に限らず、さらに多くの枚数の半導体基板を積層する構成であってもよい。例えば、3枚の半導体基板を積層することによって固体撮像装置の機能を実現する構成である場合には、
図1に示した第1の半導体基板11における第2の半導体基板12側の面に3枚目の半導体基板が接合され、さらに第2の半導体基板12が接合される構成にしてもよい。つまり、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12との間に3枚目以降の半導体基板が挟まれる構成にしてもよい。
【0033】
次に、実施形態の固体撮像装置10の構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態の固体撮像装置10の概略構成を示したブロック図である。
図2において、固体撮像装置10は、画素アレイ部100と、垂直駆動回路200と、列処理回路300と、水平駆動回路400と、出力部500とを備えている。
【0034】
画素アレイ部100は、入射された光を電気信号に変換する光電変換部、光電変換部が変換した電気信号を保持するメモリ部、および複数のトランジスタから構成される画素セル101が、二次元のマトリクス状に複数配置されている画素部である。画素アレイ部100内のそれぞれの画素セル101は、垂直駆動回路200から入力された駆動信号に応じて、入射してきた光を光電変換部によって電気信号に変換し、光電変換した電気信号をメモリ部に保持する。そして、画素アレイ部100内のそれぞれの画素セル101は、垂直駆動回路200から入力された駆動信号に応じて、メモリ部に保持した電気信号を増幅し、増幅した電気信号を画素信号として対応する垂直信号線102を介して列処理回路300に出力する。
【0035】
図2には、画素アレイ部100内に画素セル101が3行3列に配置された一例を示している。また、
図2には、画素アレイ部100に配置されたそれぞれの列の画素セル101に対応する垂直信号線102に、垂直信号線電流源103が接続された構成を示している。垂直信号線電流源103は、一方がグラウンドに接続され、もう一方が対応する垂直信号線102に接続された電流源である。垂直信号線電流源103は、対応する垂直信号線102に接続された画素セル101内に備える増幅部のトランジスタの負荷として動作する。
【0036】
垂直駆動回路200は、画素アレイ部100内のそれぞれの画素セル101を駆動し、各画素セル101が入射した光を光電変換した電気信号に応じた画素信号を、対応する垂直信号線102を介して列処理回路300に出力させる。垂直駆動回路200は、画素アレイ部100内のそれぞれの画素セル101を駆動するための駆動信号を生成する。そして、垂直駆動回路200は、生成した駆動信号を画素アレイ部100に配置された画素セル101の行毎に順次出力して、画素アレイ部100内のそれぞれの画素セル101を行毎に駆動する。
【0037】
列処理回路300は、垂直駆動回路200による駆動に応じて画素アレイ部100内のそれぞれの画素セル101から出力された画素信号に対して、画素アレイ部100に配置された画素セル101の列毎に予め定めた処理(以下、「列処理」という)を施す。そして、列処理回路300は、列処理後の画素信号を、水平駆動回路400に出力する。列処理回路300が画素信号に対して施す列処理としては、例えば、画素信号を増幅する増幅処理、画素信号に対してノイズ除去などの処理を行うCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)処理、画素信号(アナログ信号)をアナログデジタル変換するアナログデジタル変換処理などのアナログ信号に対する処理がある。
【0038】
水平駆動回路400は、列処理回路300によって列処理された後の画素信号を、画素アレイ部100に配置された画素セル101の列毎に順次、出力部500に出力する。
【0039】
出力部500は、水平駆動回路400から画素アレイ部100に配置された画素セル101の列毎に順次出力された列処理後の電気信号のそれぞれを、固体撮像装置10が出力するそれぞれの画素の電気信号として、固体撮像装置10の外部に出力する。出力部500は、例えば、出力アンプや出力バッファなどで構成される。
【0040】
なお、上述したように、固体撮像装置10に備えたそれぞれの構成要素、つまり、画素アレイ部100、垂直駆動回路200、列処理回路300、水平駆動回路400、および出力部500は、第1の半導体基板11または第2の半導体基板12のいずれか一方の半導体基板、または第1の半導体基板11および第2の半導体基板12の両方の半導体基板に形成される。
【0041】
次に、実施形態の固体撮像装置10のそれぞれの構成要素を第1の半導体基板11および第2の半導体基板12に形成した構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態の固体撮像装置10における第1の半導体基板11および第2の半導体基板12の構成を示した図である。
図3には、固体撮像装置10を構成する第1の半導体基板11内の構成要素と、第2の半導体基板12内の構成要素との一例を示している。
【0042】
第1の半導体基板11は、入射された光を電気信号に変換して第2の半導体基板12に出力する半導体基板である。第1の半導体基板11には、光電変換アレイ111と、第1の垂直駆動回路112と、第1の水平駆動回路114とが形成されている。また、第1の半導体基板11には、固体撮像装置10が外部との間で信号を入出力するための配線を接続するワイヤーボンディングパッド(不図示)が形成されている。
【0043】
ワイヤーボンディングパッドは、例えば、セラミックパッケージなどに固体撮像装置10が組み付けられた(パッケージされた)場合に、パッケージの外部の回路と固体撮像装置10との間で電気信号の入出力を行うための配線が接続される端子である。ワイヤーボンディングパッドとパッケージとは、ワイヤーボンディング法などを用いて形成した配線部によって電気的に接続される。固体撮像装置10から出力する電気信号は、対応するワイヤーボンディングパッドおよび配線部を介して外部の回路に出力される。また、外部の回路から入力された電気信号は、対応する配線部およびワイヤーボンディングパッドを介して固体撮像装置10内のそれぞれの構成要素に入力される。
【0044】
第2の半導体基板12は、第1の半導体基板11から出力された電気信号を処理して第1の半導体基板11に出力する半導体基板である。第2の半導体基板12には、メモリアレイ121と、第2の垂直駆動回路122と、列処理回路300と、第2の水平駆動回路124とが形成されている。
【0045】
光電変換アレイ111は、画素アレイ部100に配置されたそれぞれの画素セル101に備えた構成要素の内、光電変換部とその周辺の複数のトランジスタとが、二次元のマトリクス状に複数配置された画素部の一部である。光電変換アレイ111は、第1の垂直駆動回路112から入力された駆動信号に応じて、入射してきた光を光電変換部によって電気信号に変換し、光電変換した電気信号を、第2の半導体基板12のメモリアレイ121に出力する。以下の説明においては、1つの画素セル101における光電変換部とその周辺の複数のトランジスタとの構成を、「光電変換回路1110」という。
【0046】
第1の垂直駆動回路112は、光電変換アレイ111内のそれぞれの光電変換回路1110を駆動し、各光電変換回路1110が入射した光を光電変換した電気信号をメモリアレイ121に出力させる。第1の垂直駆動回路112は、光電変換アレイ111内のそれぞれの光電変換回路1110を駆動するための駆動信号を生成する。そして、第1の垂直駆動回路112は、生成した駆動信号を光電変換アレイ111に配置されたそれぞれの光電変換回路1110に出力して、光電変換アレイ111内のそれぞれの光電変換回路1110を駆動する。このとき、第1の垂直駆動回路112は、光電変換アレイ111とメモリアレイ121とを接続した構成に応じて、光電変換アレイ111内のそれぞれの光電変換回路1110を駆動する。なお、第1の垂直駆動回路112におけるそれぞれの光電変換回路1110の駆動順番に関する説明は、後述する。
【0047】
メモリアレイ121は、画素アレイ部100に配置されたそれぞれの画素セル101に備えた構成要素の内、メモリ部とその周辺の複数のトランジスタとが、二次元のマトリクス状に複数配置された画素部の一部である。メモリアレイ121は、第2の垂直駆動回路122から入力された駆動信号に応じて、光電変換アレイ111内のそれぞれの光電変換回路1110から出力された電気信号を受け取り、メモリアレイ121に配置された対応するメモリ部に保持する。また、メモリアレイ121は、第2の垂直駆動回路122から入力された駆動信号に応じて、メモリ部に保持した電気信号を増幅し、増幅した電気信号を画素信号として列処理回路300に出力する。以下の説明においては、1つの画素セル101におけるメモリ部とその周辺の複数のトランジスタとの構成を、「メモリ回路1210」という。
【0048】
図3に示した固体撮像装置10の構成では、光電変換アレイ111とメモリアレイ121とによって、画素アレイ部100の機能を実現する。また、
図3に示した固体撮像装置10の構成では、光電変換回路1110とメモリ回路1210とによって、画素セル101の機能を実現する。
【0049】
第2の垂直駆動回路122は、メモリアレイ121内のそれぞれのメモリ回路1210を駆動し、第1の垂直駆動回路112による駆動に応じて光電変換アレイ111から出力された電気信号を、各メモリ回路1210に保持させる。また、第2の垂直駆動回路122は、メモリアレイ121内のそれぞれのメモリ回路1210を駆動し、各メモリ回路1210に保持した電気信号を画素信号として、垂直信号線102を介して列処理回路300に出力させる。第2の垂直駆動回路122は、メモリアレイ121内のそれぞれのメモリ回路1210を駆動するための駆動信号を生成する。そして、第2の垂直駆動回路122は、生成した駆動信号をメモリアレイ121に配置されたメモリ回路1210の行毎に順次出力して、メモリアレイ121内のそれぞれのメモリ回路1210を行毎に駆動する。
【0050】
図3に示した固体撮像装置10の構成では、第1の垂直駆動回路112と第2の垂直駆動回路122とによって、垂直駆動回路200の機能を実現する。このため、第1の垂直駆動回路112と第2の垂直駆動回路122とは、少なくとも、第1の垂直駆動回路112がそれぞれの光電変換回路1110を駆動して光電変換した電気信号を出力させるタイミングと、第2の垂直駆動回路122がそれぞれのメモリ回路1210を駆動して、メモリ回路1210に電気信号を保持させるタイミングとが同期している。
【0051】
列処理回路300は、第2の垂直駆動回路122による駆動に応じてメモリアレイ121から出力された画素信号に対して、メモリアレイ121に配置されたメモリ回路1210の列毎、つまり、画素アレイ部100に配置された画素セル101の列毎に予め定めた列処理を施す。そして、列処理回路300は、列処理後の画素信号を、第2の水平駆動回路124に出力する。
【0052】
第2の水平駆動回路124は、列処理回路300から出力された列処理後の画素信号を、メモリアレイ121に配置されたメモリ回路1210の列毎、つまり、画素アレイ部100に配置された画素セル101の列毎に順次、第1の水平駆動回路114に出力する。
【0053】
第1の水平駆動回路114は、第2の水平駆動回路124から順次出力された列処理後の画素信号を出力部500(不図示)に順次出力し、固体撮像装置10が出力するそれぞれの画素の電気信号として固体撮像装置10の外部に順次出力させる。
【0054】
図3に示した固体撮像装置10の構成では、第2の水平駆動回路124と第1の水平駆動回路114とによって、水平駆動回路400の機能を実現する。なお、第1の水平駆動回路114および第2の水平駆動回路124のそれぞれは、例えば、固体撮像装置10の製造工程において、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを積層する前に、それぞれの半導体基板を別々に試験するための機能を備えていてもよい。例えば、第1の水平駆動回路114は、光電変換アレイ111に配置された光電変換回路1110の列毎、つまり、画素アレイ部100に配置された画素セル101の列毎に、光電変換回路1110が出力した電気信号を順次、外部に出力させる機能を備えていてもよい。また、例えば、第2の水平駆動回路124は、メモリアレイ121に配置されたメモリ回路1210の列毎に、メモリ回路1210に保持している電気信号を順次、外部に出力させる機能を備えていてもよい。
【0055】
このように、固体撮像装置10は、それぞれの構成要素を、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに分けて形成する。そして、固体撮像装置10では、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とのそれぞれの半導体基板に形成されたそれぞれの構成要素を、対応するそれぞれの接続電極部によって電気的に接続する。
【0056】
なお、
図3に示した固体撮像装置10の構成では、垂直駆動回路200と水平駆動回路400とを、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに分けて形成した場合を示した。つまり、垂直駆動回路200を第1の垂直駆動回路112と第2の垂直駆動回路122とに分けてそれぞれの半導体基板に形成し、水平駆動回路400を第1の水平駆動回路114と第2の水平駆動回路124とに分けてそれぞれの半導体基板に形成した場合について説明した。しかし、垂直駆動回路200と水平駆動回路400とは、第1の半導体基板11または第2の半導体基板12のいずれか一方の半導体基板に形成してもよい。
【0057】
また、
図3に示した固体撮像装置10の構成では、画素アレイ部100に配置されたそれぞれの画素セル101に備えた全ての光電変換回路1110を第1の半導体基板11に形成し、全てのメモリ回路1210を第2の半導体基板12に形成した場合を示した。しかし、光電変換回路1110およびメモリ回路1210は、第1の半導体基板11または第2の半導体基板12のいずれか一方の半導体基板に形成する構成に限定されるものではなく、第1の半導体基板11および第2の半導体基板12の両方の半導体基板に分けて形成してもよい。
【0058】
また、
図3に示した固体撮像装置10の説明では、ワイヤーボンディングパッドが第1の半導体基板11に形成されている構成を説明した。しかし、ワイヤーボンディングパッドは、第1の半導体基板11に配置されるのみではなく、第2の半導体基板12にも形成されてもよい。
【0059】
次に、実施形態の固体撮像装置10の構造について説明する。
図4は、本発明の実施形態の固体撮像装置10の構造を示した断面図である。
図4には、
図3に示した固体撮像装置10の構成において、画素アレイ部100内の画素セル101が形成された領域の構造の一部を示している。つまり、
図4には、光電変換アレイ111に配置された光電変換回路1110と、メモリアレイ121に配置された対応するメモリ回路1210とを接続する構造を示している。なお、上述したように、固体撮像装置10は、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とが接合されているが、
図4に示した固体撮像装置10の構造では、それぞれの基板が接続層によって接合されている場合の一例を示している。
【0060】
第1の半導体基板11は、マイクロレンズ1101と、カラーフィルタ(色フィルタ)1102と、第1の半導体層1103と、第1の配線層1105とから構成される。第1の半導体基板11は、固体撮像装置10に入射された光線を電気信号に変換するための光電変換回路1110の回路要素(光電変換部とその周辺の複数のトランジスタ)が形成された、裏面照射型の固体撮像装置と同様の構成である。
【0061】
また、第2の半導体基板12は、第2の配線層1201と第2の半導体層1203とによって構成される。第2の半導体基板12には、固体撮像装置10において、光電変換回路1110から出力された電気信号を保持するためのメモリ回路1210の回路要素(メモリ部とその周辺の複数のトランジスタ)が形成されている。
【0062】
また、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とは、接続層13によって接合される。接続層13内には、第1の半導体基板11に形成された光電変換回路1110と、第2の半導体基板12に形成された対応するメモリ回路1210とを電気的に接続する接続電極部130が形成されている。
【0063】
マイクロレンズ1101は、固体撮像装置10に入射された光(光線)を集光する。マイクロレンズ1101は、固体撮像装置10に配置されたそれぞれの画素セル101、つまり、光電変換回路1110に備えた光電変換部に対応する位置に形成される。そして、マイクロレンズ1101は、入射された光線を、例えば、第1の半導体層1103に形成された光電変換部に集光する。
【0064】
カラーフィルタ1102は、固体撮像装置10に入射する光(光線)の分光透過特性を変えることによって、直下に形成されたそれぞれの画素セル101毎に、異なる波長帯域(色)の光線を入射させる。カラーフィルタ1102は、例えば、ベイヤ配列のカラーフィルタである。カラーフィルタ1102は、マイクロレンズ1101および画素セル101のそれぞれに対応する位置に形成される。なお、カラーフィルタ1102は、必要に応じて設ける。例えば、固体撮像装置10が、モノクロの画像を結像する固体撮像装置である場合には、カラーフィルタ1102を設ける必要はない。
【0065】
第1の半導体層1103は、光電変換回路1110の回路要素(光電変換部とその周辺の複数のトランジスタ)、または第1の半導体基板11内に配置されたそれぞれの構成要素(光電変換アレイ111、第1の垂直駆動回路112、および第1の水平駆動回路114)の回路要素を形成する半導体層である。
図4に示した固体撮像装置10の構成では、第1の半導体層1103内に、マイクロレンズ1101によって集光され、カラーフィルタ1102によって分光された波長帯域(色)の光(光線)を電気信号に変換する、光電変換回路1110の回路要素である光電変換部1104が形成されている場合を示している。
【0066】
なお、カラーフィルタ1102と第1の半導体層1103との間には、第1の半導体基板11に光(光線)が入射する面を平坦化する透明樹脂層や、隣接する画素セル101同士の間を遮光するために、格子状の金属材料で構成され、例えば、タングステンまたはアルミを主材料とし、密着層としてチタンやその窒化物を用いた複数の層で形成される遮光膜を形成してもよい。また、カラーフィルタ1102と第1の半導体層1103との間には、固体撮像装置10に入射された光(光線)の反射を低減するために、高誘電体材料によって形成され、例えば、酸化タンタル、酸化ハフニウム、窒化ケイ素を用いた単一の層または複数の層で、第1の半導体層1103に接する面に形成される反射防止膜を形成してもよい。このとき、反射防止膜は、入射された光線が予め定めた分光透過特性で分光された、異なる波長帯域(色)の光線が第1の半導体層1103に入射されるように形成される。
【0067】
第1の配線層1105は、光電変換回路1110の回路要素同士、または第1の半導体基板11内に配置されたそれぞれの構成要素同士を接続する金属配線が形成される層である。
図4に示した固体撮像装置10の構成では、第1の配線層1105内に、金属配線1106が形成されている場合を示している。この第1の配線層1105内に形成されたそれぞれの金属配線1106によって、第1の半導体基板11に配置されたそれぞれの構成要素を構成するそれぞれの回路要素同士が接続される。
【0068】
接続層13は、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを接合するための層である。接続層13は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などによって構成される。接続層13内には、第1の半導体基板11に配置されたそれぞれの構成要素を構成するそれぞれの回路要素と、第2の半導体基板12に配置されたそれぞれの構成要素を構成するそれぞれの回路要素とを電気的に接続するための接続電極部130が形成される。この接続電極部130を介して、第1の半導体層1103内に形成された光電変換部1104によって光電変換された電気信号が、第2の半導体基板12の第2の半導体層1203内に形成されたメモリ回路1210に出力(送信)される。
【0069】
第2の配線層1201は、メモリ回路1210の回路要素同士、または第2の半導体基板12内に配置されたそれぞれの構成要素(メモリアレイ121、第2の垂直駆動回路122、列処理回路300、および第2の水平駆動回路124)同士を接続する金属配線が形成される層である。
図4に示した固体撮像装置10の構成では、第2の配線層1201内に、金属配線1202が形成されている場合を示している。この第2の配線層1201内に形成されたそれぞれの金属配線1202によって、第2の半導体基板12に配置されたそれぞれの構成要素を構成するそれぞれの回路要素同士が接続される。
【0070】
第2の半導体層1203は、メモリ回路1210の回路要素(メモリ部とその周辺の複数のトランジスタ)、または第2の半導体基板12内に配置されたそれぞれの構成要素の回路要素を形成する半導体層である。
図4に示した固体撮像装置10の構成では、第2の半導体層1203内に、対応する光電変換回路1110に備えた光電変換部1104から接続電極部130を介して出力(送信)された電気信号を保持する、メモリ回路1210の回路要素であるメモリ部1204が形成されている場合を示している。
【0071】
次に、実施形態の固体撮像装置10において、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに分けて形成した画素アレイ部100のそれぞれの構成要素の接続および駆動方法について説明する。
図5は、本発明の実施形態の固体撮像装置10において第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに形成された構成要素を接続する構成の一例を示したブロック図である。
【0072】
固体撮像装置10では、画素アレイ部100内に配置された複数の画素セル101を1つの画素群とし、この画素群に含まれるそれぞれの画素セル101を第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに分けて形成する際に、画素群に含まれるそれぞれの画素セル101が同じ接続電極部を共有する。つまり、固体撮像装置10では、画素群に含まれるそれぞれの画素セル101を分けた複数の光電変換回路1110同士と複数のメモリ回路1210同士とが、1つの接続電極部を共有する。これにより、固体撮像装置10では、第1の半導体基板11に形成された光電変換回路1110から第2の半導体基板12に形成されたメモリ回路1210に出力する電気信号の経路を少なくする、つまり、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とを電気的に接続する接続電極部130の数を少なくすることができる。このことにより、固体撮像装置10では、接続電極部130が接続不良となってしまう確率を低減することができる。
【0073】
図5に示した一例では、画素アレイ部100に配置された4つの画素セル101を1つの画素群とし、それぞれの画素セル101を第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに分けて形成する4つの光電変換回路1110(光電変換回路1111〜光電変換回路1114)と4つのメモリ回路1210(メモリ回路1211〜メモリ回路1214)とが、1つの接続電極部130を共有している構成を示している。
図5に示した一例では、それぞれの光電変換回路1110とメモリ回路1210とを1対1で接続する場合に比べて、接続電極部130の数が1/4になる。これにより、固体撮像装置10では、接続電極部130が接続不良となってしまう確率を1/4に低減することができる。
【0074】
この構成のため、固体撮像装置10では、第1の半導体基板11に形成された4つの光電変換回路1110のそれぞれが出力する電気信号を、接続層13内に形成された共有する1つの接続電極部130を介して、第2の半導体基板12に形成された対応する4つのメモリ回路1210に順番に出力(送信)させる。
【0075】
そして、固体撮像装置10では、光電変換回路1110のそれぞれが出力する電気信号を対応するメモリ回路1210のそれぞれに順番に出力(送信)させるための構成として、画素アレイ部100内に、マルチプレクサ(MUX)104と、デマルチプレクサ(DMUX)105とを備えている。より具体的には、第1の半導体基板11内にマルチプレクサ104を備え、第2の半導体基板12内にデマルチプレクサ105を備えている。そして、固体撮像装置10では、第1の垂直駆動回路112が、光電変換回路1110を駆動すると共にマルチプレクサ104を制御し、第2の垂直駆動回路122が、メモリ回路1210を駆動すると共にデマルチプレクサ105を制御する。このとき、第1の垂直駆動回路112がマルチプレクサ104を制御するタイミングと、第2の垂直駆動回路122がデマルチプレクサ105を制御するタイミングとは同期している。
【0076】
より具体的には、
図5に示した一例では、光電変換回路1111がメモリ回路1211に対応し、光電変換回路1112がメモリ回路1212に対応し、光電変換回路1113がメモリ回路1213に対応し、光電変換回路1114がメモリ回路1214に対応している。つまり、
図5に示した一例では、光電変換回路1111とメモリ回路1211とによって1つの画素セル101が構成され、光電変換回路1112とメモリ回路1212とによって別の1つの画素セル101が構成され、光電変換回路1113とメモリ回路1213とによってさらに別の1つの画素セル101が構成され、光電変換回路1114とメモリ回路1214とによってさらに別の1つの画素セル101が構成されている。
【0077】
そして、最初に、第1の垂直駆動回路112は、光電変換回路1111と接続電極部130とが接続されるようにマルチプレクサ104を制御し、第2の垂直駆動回路122は、接続電極部130とメモリ回路1211とが接続されるようにデマルチプレクサ105を制御する。これにより、最初に、光電変換回路1111が出力する電気信号が、マルチプレクサ104と、接続電極部130と、デマルチプレクサ105とを介して、メモリ回路1211に出力(送信)される。続いて、第1の垂直駆動回路112は、光電変換回路1112と接続電極部130とが接続されるようにマルチプレクサ104を制御し、第2の垂直駆動回路122は、接続電極部130とメモリ回路1212とが接続されるようにデマルチプレクサ105を制御する。これにより、次に、光電変換回路1112が出力する電気信号が、マルチプレクサ104と、接続電極部130と、デマルチプレクサ105とを介して、メモリ回路1212に出力(送信)される。
【0078】
その後、同様に、第1の垂直駆動回路112は、光電変換回路1113または光電変換回路1114と、接続電極部130とが接続されるようにマルチプレクサ104を制御し、第2の垂直駆動回路122は、接続電極部130と、メモリ回路1213またはメモリ回路1214とが接続されるようにデマルチプレクサ105を制御する。これにより、同様に、光電変換回路1113が出力する電気信号がメモリ回路1213に、光電変換回路1114が出力する電気信号がメモリ回路1214に、順番に出力(送信)される。
【0079】
このように、固体撮像装置10では、画素アレイ部100内に配置された複数の画素セル101を構成する複数の光電変換回路1110と複数のメモリ回路1210とが、同じ接続電極部130を共有する。
【0080】
なお、
図5に示した一例では、画素アレイ部100に4つの画素セル101が配置され、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12とに分けて形成した4つの光電変換回路1110と4つのメモリ回路1210とが、1つの接続電極部130を共有する場合について説明した。しかし、1つの接続電極部130を共有する光電変換回路1110とメモリ回路1210との数は、
図5に示した一例、つまり、4つに限定されるものではなく、さらに多くの光電変換回路1110とメモリ回路1210とで、1つの接続電極部130を共有する構成にしてもよい。
【0081】
(第1の組み合わせ方法)
次に、実施形態の固体撮像装置10において1つの画素群に含まれる画素セル101の組み合わせについて説明する。固体撮像装置10では、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、列方向または行方向に隣接する画素セル101、つまり、同じ列方向または行方向に連続した同一色の画素セル101が同じ画素群に含まれないように、それぞれの画素群に含まれる画素セル101を組み合わせる。
【0082】
図6Aおよび
図6Bは、本発明の実施形態の固体撮像装置10において1つの画素群に含まれる画素セル101の第1の組み合わせ方法の一例を示した図である。
図6Aおよび
図6Bは、ベイヤ配列のカラーフィルタ1102が貼付されている固体撮像装置10を光が入射する側から見た場合において、4つの画素セル101で1つの画素群を構成するときの画素群内の画素セル101の組み合わせの一例を示している。
【0083】
なお、
図6Aおよび
図6Bに示した「Gr」、「R」、「Gb」、「B」は、ベイヤ配列のカラーフィルタ1102が分光する光(光線)の波長帯域を表し、「Gr」および「Gb」は、可視光における緑色の波長帯域を透過する分光透過特性のカラーフィルタ1102が貼付された画素セル101の位置を表している。同様に、「R」は、可視光における赤色の波長帯域を透過する分光透過特性のカラーフィルタ1102が貼付された画素セル101の位置を表し、「B」は、可視光における青色の波長帯域を透過する分光透過特性のカラーフィルタ1102が貼付された画素セル101の位置を表している。
【0084】
第1の組み合わせ方法は、画素アレイ部100内で同じ列または行に配置された2つの画素セル101を1つの画素組とし、この画素組内でそれぞれの画素セル101が並んだ方向において1つ飛ばしの位置にある複数の画素組を選択して1つの画素群として構成する組み合わせ方法である。
図6Aには、画素アレイ部100内で同じ列に配置された2つの画素セル101を1つの画素組とし、列方向に1つ飛ばしの位置にある2組の画素組を1つの画素群として構成する、つまり、画素アレイ部100内で同じ列に配置された4つの画素セル101を1つの画素群として構成するときの組み合わせ方法を示している。また、
図6Bには、画素アレイ部100内で同じ行に配置された2つの画素セル101を1つの画素組とし、行方向に1つ飛ばしの位置にある2組の画素組を1つの画素群として構成する、つまり、画素アレイ部100内で同じ行に配置された4つの画素セル101を1つの画素群として構成するときの組み合わせ方法を示している。
【0085】
まず、
図6Aを用いて、同じ列に配置された4つの画素セル101を1つの画素群として構成する場合について説明する。第1の組み合わせ方法において、画素アレイ部100の第2列に配置された4つの画素セル101を1つの画素群として構成する場合、
図6Aに示したように、まず、2行目のGb画素セル101と3行目のR画素セル101とを1つの画素組とし、6行目のGb画素セル101と7行目のR画素セル101とをもう1つの画素組としてそれぞれ組み合わせる。そして、それぞれの画素組を合わせて1つの画素群101aを構成する。この画素群101aの組み合わせは、上述したように、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、列方向または行方向に隣接する同一色の画素セル101が同じ画素群101aに含まれないようにした画素セル101の組み合わせである。
【0086】
このように組み合わせることによって、仮に、この画素群101aが共有する接続電極部130に接続不良が発生し、この画素群101aに含まれる画素セル101が欠陥画素となってしまった場合でも、他の画素群、つまり、異なる接続電極部130を共有する画素群に含まれる周辺の画素セル101の画素信号に基づいて、この画素群101aに含まれる画素セル101の画素信号を生成する(補間する)処理を行うことができる。すなわち、固体撮像装置10を搭載したカメラにおいて、破綻をきたすことなく画像を生成することができる。
【0087】
より具体的には、例えば、R画素セル101について考える。赤色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合、
図6Aに示した3行目のR画素セル101に隣接する画素セル101は、1行目のR画素セル101と5行目のR画素セル101である。仮に、3行目のR画素セル101が共有する接続電極部130に接続不良となり、3行目のR画素セル101が欠陥画素となってしまった場合でも、1行目のR画素セル101と5行目のR画素セル101とが欠陥画素でない場合には、これらの画素セル101の画素信号とに基づいて、3行目のR画素セル101の画素信号を生成する(補間する)ことができる。つまり、固体撮像装置10を搭載したカメラにおける欠陥画素補正の画像処理によって、1行目のR画素セル101の画素信号と5行目のR画素セル101の画素信号とから、欠陥画素となってしまった3行目のR画素セル101の画素信号を生成する(補間する)ことができる。同様に、3行目のR画素セル101と接続電極部130を共有する7行目のR画素セル101も、5行目のR画素セル101と9行目(不図示)のR画素セル101との画素信号とに基づいて、画素信号を生成する(補間する)ことができる。
【0088】
なお、上述した3行目のR画素セル101の画素信号の生成(補間)においては、例えば、赤色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に同じ行で隣接するR画素セル101、つまり、3行目で0列目(不図示)のR画素セル101と3行目で4列目のR画素セル101との画素信号を、欠陥画素補正の処理に用いてもよい。また、例えば、赤色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に斜め方向に隣接するR画素セル101、つまり、1行目で0列目(不図示)のR画素セル101、5行目で0列目(不図示)のR画素セル101、1行目で4列目のR画素セル101、および5行目で4列目のR画素セル101のそれぞれの画素信号を、欠陥画素補正の処理に用いてもよい。
【0089】
なお、ここでは、仮にいずれかの画素群が共有する接続電極部130が接続不良となって、この画素群に含まれる画素セル101が欠陥画素となってしまった場合に、固体撮像装置10を搭載したカメラ(撮像装置)が後に実行する欠陥画素補正の画像処理によって欠陥画素の画素信号を生成する(補間する)構成について説明した。しかし、欠陥画素補正の処理は、固体撮像装置10を搭載したカメラが行う構成に限定されるものではない。例えば、固体撮像装置10内に欠陥画素補正の処理を行う処理部を備え、この処理部で欠陥画素補正の処理を行った画素信号、つまり、補間した画素信号を外部に出力する固体撮像装置10を構成してもよい。なお、欠陥画素補正の処理は、列処理回路300や水平駆動回路400が行ってもよい。
【0090】
続いて、
図6Bを用いて、同じ行に配置された4つの画素セル101を1つの画素群として構成する場合について説明する。第1の組み合わせ方法において、画素アレイ部100の第2行に配置された4つの画素セル101を1つの画素群として構成する場合、
図6Bに示したように、まず、2列目のGb画素セル101と3列目のB画素セル101とを1つの画素組とし、6列目のGb画素セル101と7列目のB画素セル101とをもう1つの画素組としてそれぞれ組み合わせる。そして、それぞれの画素組を合わせて1つの画素群101bを構成する。この画素群101bの組み合わせも、
図6Aに示した組み合わせと同様に、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、列方向または行方向に隣接する同一色の画素セル101が同じ画素群101bに含まれないようにした画素セル101の組み合わせである。
【0091】
このように組み合わせることによって、仮に、この画素群101bが共有する接続電極部130に接続不良が発生し、この画素群101bに含まれる画素セル101が欠陥画素となってしまった場合でも、
図6Aに示した組み合わせと同様に、この画素群101bに含まれる画素セル101の画素信号を生成する(補間する)処理を行うことができる。より具体的には、例えば、仮に、3列目のB画素セル101が欠陥画素となってしまった場合でも、1列目のB画素セル101の画素信号と5列目のB画素セル101の画素信号とに基づいて、3列目のB画素セル101の画素信号を生成する(補間する)ことができる。同様に、3列目のB画素セル101と接続電極部130を共有する7列目のB画素セル101も、5列目のB画素セル101と9列目(不図示)のB画素セル101との画素信号とに基づいて、画素信号を生成する(補間する)ことができる。
【0092】
ここで、従来の固体撮像装置における欠陥画素補正について考える。従来の固体撮像装置において、
図6Aに示した2行目のGb画素セル101、3行目のR画素セル101、4行目のGb画素セル101、および5行目のR画素セル101を1つの画素群として組み合わせた場合、仮に、この画素群が共有する接続電極部130に接続不良となると、3行目のR画素セル101と5行目のR画素セル101とが同時に欠陥画素となってしまう。このため、従来の固体撮像装置では、欠陥画素補正の画像処理によっても3行目のR画素セル101や5行目のR画素セル101、つまり、赤色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、同じ2列目で隣接するR画素セル101の画素信号を生成する(補間する)ことができない。
【0093】
このように、固体撮像装置10では、画素アレイ部100内に配置された複数の画素セル101を、第1の組み合わせ方法によって、列方向および行方向に隣接した2つの画素セル101が複数含まれる画素組を同じ方向に1つ飛ばしに選択した複数の画素組に含まれる画素セル101同士、つまり、同じ列または行に配置された画素セル101同士で1つの画素群を構成する。これにより、固体撮像装置10では、いずれかの画素群が共有する接続電極部130に接続不良が発生してしまった場合でも、後に実行する欠陥画素補正の画像処理において欠陥画素となってしまった画素セル101の画素信号を容易に生成する(補間する)ことができる。これにより、固体撮像装置10を搭載した撮像装置では、画像を生成する処理が欠陥画素によって破綻をきたすことなく、画質の低下を抑えることができる。このため、固体撮像装置10は、不良品として扱われる確率を低減する、つまり、固体撮像装置10の不良率を低減することができる。このことにより、固体撮像装置10のコストを低減することができる。
【0094】
なお、固体撮像装置10が、カラーフィルタ1102が貼付されていない、モノクロの画像を結像する固体撮像装置である場合には、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101が、画素アレイ部100の一面に配置されるため、画素組を構成せずに、画素群を構成する。従って、モノクロの画像を結像する固体撮像装置の場合、第1の組み合わせ方法において1つの画素群を構成する同じ列または行に配置された複数の画素セル101は、同じ列または行において1つ飛ばしの位置に配置された画素セル101である。
【0095】
(第2の組み合わせ方法)
次に、実施形態の固体撮像装置10において1つの画素群に含まれる画素セル101の別の組み合わせについて説明する。
図7は、本発明の実施形態の固体撮像装置10において1つの画素群に含まれる画素セル101の第2の組み合わせ方法の一例を示した図である。
図7は、ベイヤ配列のカラーフィルタ1102が貼付されている固体撮像装置10を光が入射する側から見た場合において、8つの画素セル101で1つの画素群を構成するときの画素群内の画素セル101の組み合わせの一例を示している。なお、
図7に示した「Gr」、「R」、「Gb」、「B」も、
図6Aおよび
図6Bに示した第1の組み合わせ方法と同様である。
【0096】
第2の組み合わせ方法は、画素アレイ部100内で列方向および行方向に隣接した複数の画素セル101を1つの画素組とし、この画素組の配置において市松状に複数の画素組を選択して1つの画素群として構成する組み合わせ方法である。
図7には、画素アレイ部100内で列方向および行方向に隣接する4つの画素セル101を1つの画素組とし、2組の画素組を1つの画素群として構成する、つまり、8つの画素セル101を1つの画素群として構成するときの組み合わせ方法を示している。
【0097】
第2の組み合わせ方法において、画素アレイ部100に配置された8つの画素セル101を1つの画素群として構成する場合、
図7に示したように、まず、2列目2行目のGb画素セル101、2列目3行目のR画素セル101、3列目2行目のB画素セル101、および3列目3行目のGr画素セル101を1つの画素組101cとして組み合わせる。また、
図7に示したように、4列目4行目のGb画素セル101、4列目5行目のR画素セル101、5列目4行目のB画素セル101、および5列目5行目のGr画素セル101を1つの画素組101dとして組み合わせる。そして、画素組101cと画素組101dとを合わせて1つの画素群101eを構成する。この画素群101eの組み合わせも、上述したように、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、列方向または行方向に隣接する同一色の画素セル101が同じ画素群101eに含まれないようにした画素セル101の組み合わせである。
【0098】
例えば、赤色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合、画素群101eに含まれる2列目3行目のR画素セル101と4列目5行目のR画素セル101とは、同じ列方向または行方向に隣接した画素セル101ではなく、斜め方向に配置された画素セル101同士である。同様に、青色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合における3列目2行目のB画素セル101と5列目4行目のB画素セル101も、斜め方向に配置された画素セル101同士である。また、青色の行の緑色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合における2列目2行目のGb画素セル101と4列目4行目のGb画素セル101、赤色の行の緑色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合における3列目3行目のGr画素セル101と5列目5行目のGr画素セル101のそれぞれも、斜め方向に配置された画素セル101同士である。
【0099】
さらに、緑色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合においても、2列目2行目のGb画素セル101、3列目3行目のGr画素セル101、4列目4行目のGb画素セル101、および5列目5行目のGr画素セル101は、斜め方向に配置された画素セル101同士である。
【0100】
このように組み合わせることによって、仮に、この画素群101eが共有する接続電極部130に接続不良が発生し、この画素群101eに含まれる画素セル101が欠陥画素となってしまった場合でも、
図6Aおよび
図6Bに示した第1の組み合わせ方法と同様に、他の画素群に含まれる周辺の画素セル101の画素信号に基づいて、この画素群101eに含まれる画素セル101の画素信号を生成する(補間する)処理を行うことができる。そして、固体撮像装置10を搭載したカメラでは、破綻をきたすことなく画像を生成することができる。
【0101】
より具体的には、例えば、4列目5行目のR画素セル101が欠陥画素となってしまった場合には、4列目3行目のR画素セル101、2列目5行目のR画素セル101、4列目7行目のR画素セル101、および6列目5行目のR画素セル101のそれぞれの画素信号に基づいて、4列目5行目のR画素セル101の画素信号を生成する(補間する)ことができる。
【0102】
ここで、従来の固体撮像装置において、例えば、
図7に示した2行目の2列目〜5列目の4つの画素セル101と、3行目の2列目〜5列目の4つの画素セル101との8つの画素セル101を1つの画素群として組み合わせた場合を考える。この場合、仮に、この画素群が共有する接続電極部130に接続不良となると、この画素群に含まれる同じ行の同じ色の画素セル101(例えば、3行目の2列目のR画素セル101と4列目のR画素セル101)が同時に欠陥画素となってしまう。このため、従来の固体撮像装置では、欠陥画素補正の画像処理によっても3行目の2列目のR画素セル101や4列目のR画素セル101、つまり、赤色の波長帯域に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、同じ3行目で隣接するR画素セル101の画素信号を生成する(補間する)ことができない。
【0103】
このように、固体撮像装置10では、画素アレイ部100内に配置された複数の画素セル101を、第2の組み合わせ方法によって、列方向および行方向に隣接した画素セル101が複数含まれる画素組を市松状に選択した複数の画素組に含まれる画素セル101同士で1つの画素群を構成する。これにより、固体撮像装置10では、第1の組み合わせ方法と同様に、いずれかの画素群が共有する接続電極部130に接続不良が発生してしまった場合でも、欠陥画素となってしまった画素セル101の画素信号を容易に生成する(補間する)ことができる。これにより、固体撮像装置10では、第2の組み合わせ方法によっても不良率を低減し、固体撮像装置10のコストを低減することができる。
【0104】
なお、
図7に示した第2の組み合わせ方法では、画素組101cと画素組101dとを合わせて画素群101eを構成した場合について説明した。つまり、斜め方向に隣接する画素組を選択して1つの画素群を構成する場合について説明した。しかし、例えば、第2の組み合わせ方法に第1の組み合わせ方法の考え方を適用し、列方向または行方向に1つ飛ばしの位置に配置された画素組を選択して1つの画素群を構成してもよい。また、例えば、第2の組み合わせ方法と第1の組み合わせ方法とのそれぞれの考え方を適用し、列方向および行方向に1つ飛ばしの位置に配置されたそれぞれの画素組と、斜め方向に1つ飛ばしの位置に配置された画素組との4つの画素組を選択して1つの画素群を構成してもよい。
【0105】
なお、固体撮像装置10が、モノクロの画像を結像する固体撮像装置である場合、第2の組み合わせ方法においてそれぞれの画素組に含まれる複数の画素セル101は、同じ列または行において1つ飛ばしの位置に配置された画素セル101である。つまり、モノクロの画像を結像する固体撮像装置では、画素組に含まれる複数の画素セル101は、列方向、行方向、および斜め方向のそれぞれに1つ飛ばしの位置に配置された画素セル101である。
【0106】
実施形態によれば、入射された光線を電気信号に変換して出力する光電変換部を具備した画素セル(画素セル101)を二次元のマトリクス状に複数配置した画素部(画素アレイ部100)を複数の半導体基板に分けて形成し、複数の半導体基板を積層した構造の固体撮像装置であって、光電変換部を含む画素セル101の一部の回路要素である光電変換回路(光電変換回路1110)を二次元のマトリクス状に複数形成した第1の半導体基板(第1の半導体基板11)と、光電変換回路1110のそれぞれに対応し、光電変換部が出力した電気信号を保持し、電気信号に応じた画素信号を出力するメモリ部を含む画素セル101の他の一部の回路要素であるメモリ回路(メモリ回路1210)を二次元のマトリクス状に複数形成した第2の半導体基板(第2の半導体基板12)と、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12との間に形成され、光電変換回路1110の信号線と、メモリ回路1210の信号線とを電気的に接続する接続電極(接続電極部130)と、を備え、画素アレイ部100に配置されたそれぞれの画素セル101は、同一の波長帯域(色)の光線に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、同一の波長帯域に対応した隣接する画素セル101(同一色の画素セル101)が含まれないように組み合わされた複数の画素群(画素群101a、画素群101b、画素群101eなど)に分けられ、同一の画素群に含まれるそれぞれの画素セル101の光電変換回路1110(光電変換回路1111〜光電変換回路1114など)同士およびメモリ回路1210(メモリ回路1211〜メモリ回路1214など)同士で同じ接続電極部130を共有し、異なる画素群に含まれるそれぞれの画素セル101の光電変換回路1110の信号線とメモリ回路1210の信号線とは、異なる接続電極部130で接続される固体撮像装置(固体撮像装置10)が構成される。
【0107】
また、実施形態によれば、画素アレイ部100は、少なくとも3種類の波長帯域(色)に分光された光線のそれぞれの波長帯域(色)に対応する画素セル101が複数配置されており、画素群のそれぞれは、複数の画素セル101の内、少なくとも2種類の波長帯域(色)に対応する画素セル101が組となった画素組(画素組101c、画素組101dなど)が複数組み合わされて構成され、同一の画素群(画素群101e)として組み合わされた異なる画素組(画素組101cまたは画素組101d)に含まれる同一の波長帯域(色)に対応する画素セル101は、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、隣接する位置に配置されていない固体撮像装置10が構成される。
【0108】
また、実施形態によれば、画素アレイ部100は、赤色(R)の波長帯域(色)に対応する画素セル101(R画素セル101)と、緑色(GrおよびGb)の波長帯域(色)に対応する画素セル101(Gr画素セル101およびGb画素セル101)と、青色(B)の波長帯域(色)に対応する画素セル101(B画素セル101)とがベイヤ配列に配置されており、画素群(例えば、画素群101e)のそれぞれは、赤色(R)の波長帯域(色)に対応するR画素セル101、緑色(GrまたはGb)の波長帯域(色)に対応するGr画素セル101またはGb画素セル101、および青色(B)の波長帯域(色)に対応するB画素セル101の内、少なくとも2種類の画素セル101が組となった画素組(画素組101c、画素組101dなど)が複数組み合わされて構成され、同一の画素群(画素群101e)として組み合わされた異なる画素組(画素組101cまたは画素組101d)に含まれる同一の波長帯域(色)に対応する画素セル101は、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に、隣接する位置に配置されていない固体撮像装置10が構成される。
【0109】
また、実施形態によれば、画素アレイ部100は、可視光全体の波長帯域(色)に対応する画素セル101が複数配置されており、画素群のそれぞれは、複数の画素セル101の内、隣接する位置に配置されていない画素セル101が複数組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0110】
また、実施形態によれば、画素群は、画素部内の画素組の配置において市松状に配置された複数の画素組が組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0111】
また、実施形態によれば、画素群は、画素部内の画素組の配置において画素組に含まれる画素セルが並んだ方向に1つ飛ばしの位置に配置された複数の画素組が組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0112】
また、実施形態によれば、画素群(例えば、画素群101e)は、画素アレイ部100内の画素組の配置において市松状に配置された複数の画素組(画素組101cまたは画素組101d)が組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0113】
また、実施形態によれば、画素群(例えば、画素群101aまたは画素群101b)は、画素アレイ部100内の画素組の配置において画素組に含まれる画素セル101が並んだ方向に1つ飛ばしの位置に配置された複数の画素組が組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0114】
また、実施形態によれば、画素群は、画素アレイ部100内の画素セル101の配置において市松状に配置された複数の画素セル101が組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0115】
また、実施形態によれば、画素群は、画素アレイ部100内の画素セル101の配置において所定の方向に1つ飛ばしの位置に配置された複数の画素セル101が組み合わされて構成される固体撮像装置10が構成される。
【0116】
また、実施形態によれば、固体撮像装置10は、いずれかの画素群(画素群101a、画素群101b、または画素群101eなど)における接続電極部130の接続不良が発生した場合、この画素群に含まれるそれぞれの画素セル101が出力する画素信号を、接続不良が発生した接続電極部130と異なる接続電極部130で接続された他の画素群に含まれ、同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101を1つの面に配置したと考えた場合に隣接する位置に配置された同一の波長帯域(色)に対応した画素セル101が出力した画素信号で補間する固体撮像装置10が構成される。
【0117】
上記に述べたように、本発明の実施形態によれば、複数の半導体基板を積層した構成の固体撮像装置において、同一の波長帯域(色)に対応した画素セルを1つの面に配置したと考えた場合に、隣接する画素セル、つまり、連続した同一色の画素セルが同じ画素群に含まれないように、それぞれの画素群に含まれる画素セルを組み合わせる。そして、本発明の実施形態では、画素群に含まれるそれぞれの画素セルを第1の半導体基板と第2の半導体基板とに分けて形成する際に、この画素群に含まれるそれぞれの画素セルが同じ接続電極部を共有する。これにより、本発明の実施形態では、第1の半導体基板に形成された画素セルの構成要素と、第2の半導体基板に形成された同じ画素セルの構成要素を電気的に接続する接続電極部の数を少なくすることができる。このことにより、本発明の実施形態では、固体撮像装置における接続電極部が接続不良となってしまう確率を低減することができる。
【0118】
しかも、本発明の実施形態では、上述したように、それぞれの画素群に、連続した同一色の画素セルが含まれていない。このため、本発明の実施形態では、仮にいずれかの画素群が共有する接続電極部が接続不良となり、この画素群に含まれる画素セルが欠陥画素となってしまった場合でも、後に実行する欠陥画素補正の画像処理によって、異なる接続電極部を共有する画素群に含まれる画素セルの画素信号に基づいて、欠陥画素の画素信号を容易に生成する(補間する)ことができる。これにより、本発明の固体撮像装置を搭載した撮像装置では、画像を生成する処理が欠陥画素によって破綻をきたすことなく、生成する画像の欠陥画素による画質の低下を抑えることができる。このことにより、本発明の固体撮像装置は、不良品として扱われる確率(不良率)を低減することができる。
【0119】
これらのことにより、本発明の実施形態では、固体撮像装置のコストの低減を図ることができる。そして、本発明の実施形態では、固体撮像装置の高性能化、高機能化、および小型化と共に、信頼性の向上も図ることができる。
【0120】
なお、実施形態においては、仮にいずれかの画素群が共有する接続電極部130が接続不良となって、この画素群に含まれる画素セル101が欠陥画素となってしまった場合に、固体撮像装置10を搭載したカメラ(撮像装置)が後に実行する欠陥画素補正の画像処理によって欠陥画素の画素信号を生成する(補間する)構成について説明した。しかし、欠陥画素補正の処理は、固体撮像装置10を搭載したカメラが行う構成に限定されるものではない。例えば、固体撮像装置10内に欠陥画素補正の処理を行う処理部を備え、この処理部で欠陥画素補正の処理を行った画素信号、つまり、補間した画素信号を外部に出力する固体撮像装置10を構成してもよい。なお、欠陥画素補正の処理は、固体撮像装置10に備えた列処理回路300や水平駆動回路400が行ってもよい。
【0121】
また、実施形態においては、第1の半導体基板11と第2の半導体基板12との2枚の半導体基板を積層した固体撮像装置の構成について説明した。しかし、上述したように、固体撮像装置において積層する基板の枚数は2枚に限らず、さらに多くの枚数の基板を積層する構成であってもよい。
【0122】
また、実施形態においては、固体撮像装置にベイヤ配列のカラーフィルタが貼付されている場合を一例として説明した。つまり、実施形態においては、ベイヤ配列の固体撮像装置において、画素群に含まれる画素セルの組み合わせについて説明した。しかし、固体撮像装置に貼付されるカラーフィルタにおける色の配列や画素セルの配置は、上述したベイヤ配列のみに限定されるものではなく、他の配列(例えば、それぞれの画素セルが蜂の巣状に配置された、いわゆる、ハニカム配列)の固体撮像装置においても同様に、本発明の考え方を適用することができる。
【0123】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。