特許第6388740号(P6388740)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6388740成型体の製造方法、炭化物の製造方法、及び成型体の製造システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6388740
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】成型体の製造方法、炭化物の製造方法、及び成型体の製造システム
(51)【国際特許分類】
   C10L 5/44 20060101AFI20180903BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   C10L5/44
   B09B3/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-47191(P2018-47191)
(22)【出願日】2018年3月14日
【審査請求日】2018年3月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】石田 吉浩
(72)【発明者】
【氏名】永田 俊美
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏和
(72)【発明者】
【氏名】清藤 哲生
(72)【発明者】
【氏名】納口 恭太朗
(72)【発明者】
【氏名】西本 薫
(72)【発明者】
【氏名】道上 掌
(72)【発明者】
【氏名】小崎 敬也
(72)【発明者】
【氏名】樽角 拓実
(72)【発明者】
【氏名】柏原 友
(72)【発明者】
【氏名】松田 健志
(72)【発明者】
【氏名】井石 拓哉
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−359898(JP,A)
【文献】 特開2008−189511(JP,A)
【文献】 特開2003−117585(JP,A)
【文献】 特開2012−095587(JP,A)
【文献】 特開2012−046729(JP,A)
【文献】 特開2015−129235(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0297885(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00、5/00
C10L 5/44
C10B 53/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状バイオマス原料の集積物に、前記集積物の下方に位置するガス供給手段から前記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込みながら前記繊維状バイオマス原料に含まれる油分の少なくとも一部を分解する第一工程と、
油分の少なくとも一部が分解された前記繊維状バイオマスを粉砕して粉砕物を得る第二工程と、
前記粉砕物を押出成型して成型体を得る第三工程と、を含む、成型体の製造方法。
【請求項2】
前記第一工程は、前記集積物の温度を60℃以上に保つ期間と、40℃以下に保つ期間とを有する、請求項1に記載の成型体の製造方法。
【請求項3】
前記繊維状バイオマス原料が種子を含む、請求項1又は2に記載の成型体の製造方法。
【請求項4】
前記繊維状バイオマス原料における前記種子の含有率が、前記繊維状バイオマス原料の全質量を基準として、乾燥質量で5質量%以下である、請求項3に記載の成型体の製造方法。
【請求項5】
前記粉砕物に含まれる油分が、前記粉砕物の全質量を基準として、乾燥質量で2.5質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成型体の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の成型体の製造方法により製造される成型体を炭化させ炭化物を得る工程を含む、炭化物の製造方法。
【請求項7】
繊維状バイオマス原料の集積物を貯蔵する貯蔵ヤードと、前記集積物の下方から前記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込むガス供給手段と、を有する油分分解部、
油分の少なくとも一部が分解された前記繊維状バイオマスを粉砕して粉砕物を生成する粉砕部、及び、
前記粉砕物を押出成型して成型体を得る押出成型部、を備える、成型体の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型体の製造方法、炭化物の製造方法、及び成型体の製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般廃棄物及び産業廃棄物等の廃棄物を廃棄物ガス化溶融炉等で溶融処理し、スラグ及びメタル等として回収して再資源化する方法が知られている。当該廃棄物ガス化溶融炉では、化石燃料である石炭を原料としたコークスを燃料として使用するが、天然資源保全及び温室効果ガス排出抑制等の観点から、コークスの使用量を削減するニーズが高まっている。
【0003】
そこで、燃焼時に発生するCOをゼロとみなせるカーボンフリーの考え方に基づいて、コークスの代替物を、バイオマス由来の原料を用いて製造される燃料とすることが検討されており、バイオマス由来の原料を用いる当該燃料の製造方法も検討されている。例えば、特許文献1には、パームオイルの製造過程で発生するパームヤシ空果房からなる繊維状バイオマスを原料とする炭化物の製造方法が開示されている。当該炭化物の製造方法においては、パームヤシ空果房からなる繊維状バイオマスを乾燥及び粉砕することで粒度が調整された粉砕物を調製し、この粉砕物を加熱及び加圧することによって筒状の成型物に成型し、得られる成型物を乾留することで炭化物を製造している。
【0004】
特許文献1においては、成型に際してスクリュー式押出成型機が使用されている。成型の際には、当該押出成型機が備えるヒーターによって原料に熱を加えて原料に含まれるリグニンを軟化し、押出成型機からの圧力によって圧縮して、高密度な成型物を得ている。得られる成型物の密度が高いほど、当該成型物を乾留して得られる炭化物の強度も高くなり、廃棄物ガス化溶融炉で使用する石炭由来コークスの代替物として有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−129235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、十分な熱をバイオマス由来の原料に供給できるようにヒーターの温度を設定しても、押出成型機の内部で原料中のリグニンの軟化が思うように進まず、成型が十分に行えない場合があった。これに対して、ヒーターの設定温度を上昇させる対応も考えられるが、原料の熱分解及びガス化が進行してしまい、十分な密度を有する成型体を得ることが困難となる場合があった。密度の低い成型体を炭化して得られる炭化物は強度が不足し、廃棄物ガス化溶融炉で使用する石炭由来コークスの代替物として用いるには改善の余地がある。
【0007】
そこで、本発明は、繊維状バイオマスを原料として成型体を製造する際に、十分な密度を有する成型体を製造することが可能な成型体の製造方法、及び成型体の製造システムを提供することを目的とする。本発明はまた、十分な強度を有する炭化物を製造可能な炭化物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は一つの側面において、繊維状バイオマス原料の集積物に、上記集積物の下方に位置するガス供給手段から上記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込みながら上記繊維状バイオマス原料に含まれる油分の少なくとも一部を分解する第一工程と、油分の少なくとも一部が分解された上記繊維状バイオマスを粉砕して粉砕物を得る第二工程と、上記粉砕物を押出成型して成型体を得る第三工程と、を含む、成型体の製造方法を提供する。
【0009】
本発明者らが上記課題を解決するために鋭意検討した結果、成型時に原料同士及び原料と押出成型機との間で生じる摩擦によって摩擦熱が発生し、原料内部から生じるこの摩擦熱もリグニンの軟化に寄与していること、並びに繊維状バイオマス原料中に含まれる油分が多い場合、上記の摩擦力が小さくなり、摩擦熱の発生量が減ることで、リグニンの軟化が不十分となることを見出した。そして、バイオマス原料は生物由来であることからその性状にばらつきがあり、繊維状バイオマス原料として入手した際の油分量が一定ではなく、押出成型機のヒーターを同じ設定温度としても、十分な密度を有する成型体を製造できる場合とそうでない場合とが生じうることが判明した。
【0010】
上記成型体の製造方法では、繊維状バイオマス原料の集積物の内部にまで十分に酸素を供給することで、繊維状バイオマス原料の表面に存在する油分分解菌を活性化させ、繊維状バイオマス原料に含まれる油分の少なくとも一部を分解させている。そして、繊維状バイオマス原料に含まれる油分を低減したうえで、押出成型時の圧力が均一にかかるように繊維状バイオマス原料の繊維を粉砕して押出成型している。油分を低減することで、バイオマス由来の原料の摩擦による摩擦熱が発生しやすい状況になり、原料に含まれるリグニンを十分に軟化させることが可能となっている。このように摩擦熱を利用してリグニンを軟化させるとともに摩擦力を確保して原料を圧縮し、十分な密度を有する成型体を製造することができる。
【0011】
上記第一工程は、上記集積物の温度を60℃以上に保つ期間と、40℃以下に保つ期間とを有してもよい。繊維状バイオマス原料を60℃以上の状態に一定期間保つことで、繊維状バイオマスの繊維内部に含まれる油分を軟化させることができ、原料の表面へと染み出しやすくできる。油分分解菌は、通常、繊維状バイオマス原料の表面に存在することから、原料の表面及びその近傍に存在する油分から分解が進行する。第一工程における集積物の温度を上記のように制御することで、繊維状バイオマス原料に含まれる油分を原料の内部よりも表面及びその近傍に移動させたうえで、油分分解菌を活性化させることができる。これによって、油分分解菌による油分分解を促進することができ、第一工程に要する時間を短縮することが可能となる。
【0012】
上記繊維状バイオマス原料における種子の含有率が、上記繊維状バイオマス原料の全質量を基準として、乾燥質量で5質量%以下であってもよい。繊維状バイオマス原料に含有される種子には油分が多く含まれていることから、繊維状バイオマス原料が種子を含む場合には、種子を分離除去することで、後に得られる粉砕物中に含まれる油分をより低減することが可能となる。
【0013】
上記粉砕物に含まれる油分が、上記粉砕物の全質量を基準として、乾燥質量で2.5質量%以下であってもよい。粉砕物に含まれる油分が2.5質量%以下であると、成型時の摩擦熱の発生をより十分なものとすることができ、より高い密度の成型体を製造することができる。
【0014】
本発明は別の側面において、上述の成型体の製造方法により製造される成型体を炭化させ炭化物を得る工程を含む、炭化物の製造方法を提供する。
【0015】
上記炭化物の製造方法は、上述の成型体の製造方法によって製造される高密度の成型体を用いることから、十分な強度を有する炭化物を得ることができる。かかる炭化物は、廃棄物ガス化溶融炉における石炭を原料としたコークスの代替品として有用である。
【0016】
本発明は別の側面において、繊維状バイオマス原料の集積物を貯蔵する貯蔵ヤードと、上記集積物の下方から上記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込むガス供給手段と、を有する油分分解部、油分の少なくとも一部が分解された上記繊維状バイオマスを粉砕して粉砕物を生成する粉砕部、及び上記粉砕物を押出成型して成型体を得る押出成型部、を備える、成型体の製造システムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、繊維状バイオマス原料を用いて成型体を製造する際に、十分な密度を有する成型体を製造することが可能な成型体の製造方法、及び成型体の製造システムを提供することができる。本発明によればまた、十分な強度を有する炭化物を製造可能な炭化物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、成型体及び炭化物の製造方法の一例を示すフロー図である。
図2図2は、繊維状バイオマス原料の集積物を貯蔵する貯蔵場又は貯蔵ヤードにおけるガス供給手段を有する床の一例を示す上面図である。
図3図3は、図2のIII−III線に沿って切断したときの断面構造の一部を示す模式図である。
図4図4は、スクリュー式押出成型機の一例を示す模式図である。
図5図5は、成型体の製造システムの一例を示す模式図である。
図6図6は、油分分解菌の増殖性能及び油分分解性能の温度依存性を示すグラフである。
図7図7は、実施例2及び比較例2における保管日数と油分含有量の関係を示すグラフである。
図8図8は、実施例3及び4における保管日数と油分含有量の関係を示すグラフである。
図9図9は、実施例5〜8における保管日数と油分含有量の関係を示すグラフである。
図10図10は、実施例9における粉砕物中の油分含有量と成型体の密度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、場合により図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いる。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
【0020】
成型体の製造方法の一実施形態は、繊維状バイオマス原料の集積物に、上記集積物の下方に位置するガス供給手段から上記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込みながら上記繊維状バイオマス原料に含まれる油分の少なくとも一部を分解する第一工程と、油分の少なくとも一部が分解された上記繊維状バイオマス原料を粉砕して粉砕物を得る第二工程と、上記粉砕物を押出成型して成型体を得る第三工程と、を含む。上記成型体の製造方法により製造される成型体は、十分に高い密度を有しており、例えば、シャフト式の廃棄物ガス化溶融炉等の溶融炉において使用される石炭を原料とするコークスの代替物として適している。また炭化物の製造方法の一実施形態は、上記成型体の製造方法が含む工程に加えて、成型体を炭化する工程を更に含む。
【0021】
図1は、上記実施形態に係る成型体及び炭化物の製造方法の一例を示すフロー図である。図1に示すように、成型体の製造方法は、油分分解工程S1(第一工程)、破砕工程S2、種子除去工程S3、乾燥工程S4、破砕工程S5(第二工程)、及び成型工程S6(第三工程)を含む。また図1に示すように炭化物の製造方法は、上記S1〜S6の各工程に加えて、炭化工程S7を含む。
【0022】
油分分解工程S1は、繊維状バイオマス原料に含まれる油分の少なくとも一部を、油分分解菌を利用して分解する工程である(第一工程)。ここで、繊維状バイオマス原料としては、例えば、パームオイルの製造過程で発生するパームヤシ空果房が挙げられる。繊維状バイオマス原料は、好ましくはパームヤシ空果房からなる。繊維状バイオマス原料は種子を含んでいてもよい。繊維状バイオマス原料が種子を含む場合、種子の含有率は、繊維状バイオマス原料の全質量を基準として、乾燥質量で好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以下である。また繊維状バイオマス原料の集積物とは、例えば、上記繊維状バイオマス原料が貯蔵場等に積み上げられたものが該当する。
【0023】
油分分解工程S1では、油分分解菌を活性化させるために、ガス供給手段から酸素を含むガスを繊維状バイオマス原料の集積物の内部に吹き込む。図2は、繊維状バイオマス原料の集積物を貯蔵する貯蔵場又は貯蔵ヤードにおけるガス供給手段を有する床の一例を示す上面図である。図3は、図2のIII−III線に沿って切断したときの断面構造の一部を示す模式図である。図2及び図3に示すように、貯蔵場又は貯蔵ヤードの床10には複数の凹部4(例えば、溝)が設けられており、ガスを供給するためのガス導入管2が床10に設けられた凹部4のそれぞれに収容されている。図3に示されるようにガス導入管2(例えば、パイプ)には、凹部4の底面に向かってガスを放出するためのガス供給口2a(例えば、孔)が複数設けられている。ガス供給口2aから供給されるガスが凹部4の底面に向かって吐出されるようにガス供給口2aが形成されていることによって、集積物へより均一にガスを供給することが可能となっている。
【0024】
図3に示す態様においては、凹部4とガス導入管2との間の空間を埋めるように複数の固形物6が充填されている。固形物6は、貯蔵場又は貯蔵ヤード上に貯蔵される繊維状バイオマス原料の集積物が凹部4に侵入し、ガス導入管2のガス供給口2aを塞ぎガス供給が断たれることを抑制している。固形物6の素材は、繊維状バイオマス原料よりも比重の大きなものであることが好ましく、例えば、砕石等であってよい。
【0025】
油分分解菌を活性化させるためのガスは、酸素を含むものであればよく、例えば、空気であってよい。上記ガスの供給量は、例えば、集積物の乾燥質量1トンに対して1時間当り50〜100mのガスが供給されるように調整してもよい。また、油分分解菌を活性化させるため、繊維状バイオマス原料の集積物の温度は、例えば、25℃以上、又は30℃以上であってよい。繊維状バイオマス原料の集積物の温度は、一定となるように調整してもよく、変動させてもよい。油分分解工程S1は集積物の温度を、好ましくは60℃以上に保つ期間と、40℃以下に保つ期間とを有し、より好ましくは60〜70℃の温度に保つ期間と、30〜40℃の温度に保つ期間とを有する。
【0026】
繊維状バイオマス原料の集積物の温度は、ガス供給手段からのガス供給量、及び集積物の機械撹拌(例えば、重機による撹拌)等によって調整することができる。例えば、ガスの供給量を増加させると集積物の温度は低下し、逆にガスの供給量を低下させると、油分分解菌以外の菌が繊維状バイオマス原料の表面に存在する易分解性物質を分解する際の熱及び油分分解菌が油分を分解する際の熱等によって集積物の温度は上昇する。集積物の温度は、例えば、熱電対等を利用して測定することができる。
【0027】
繊維状バイオマス原料を60℃以上の状態で一定期間保つことで、原料の内部に含まれている油分が軟化して原料の表面へと染み出しやすくなる。つまり、繊維状バイオマス原料を60℃以上の状態で一定期間保つことで、繊維状バイオマス原料(特に、繊維状バイオマス)に含まれる油分を、繊維状バイオマスの内部よりも表面及びその近傍に濃縮することができる。油分分解菌は、通常、繊維状バイオマス原料の表面に存在することから、原料の表面及びその近傍に存在する油分から分解が進行する。また、油分分解菌以外の菌のうち比較的高温域で活性化される菌によって繊維状バイオマス原料の表面に存在する易分解性物質が分解され、油分分解菌が油分を分解しやすい環境とすることができる。油分分解工程S1において、集積物の温度を60℃以上に保つ期間を設けることで、油分分解に要する時間を短縮することもできる。油分分解工程S1に要する時間は、例えば、1〜14日間、又は1〜8日間とすることができる。
【0028】
油分分解菌は、繊維状バイオマス原料(例えば、パームヤシ空果房)の表面に元々存在している菌を利用してもよく、又は外部から添加してもよい。油分分解菌を外部から添加する方法は、例えば、噴霧等が挙げられる。より具体的には、市販されている油分分解菌、又は繊維状バイオマス原料から採取した油分分解菌を別途培養させ増殖させた後に、繊維状バイオマス原料の集積物に噴霧して添加してもよい。
【0029】
油分分解菌としては、例えば、酵母及びバチルス等を挙げることができる。酵母としては、例えば、クリプトコッカス属、カンジダ属、トリコスポロン属、及びマイクロコッカス属等が挙げられる。バチルスとしては、例えば、枯草菌等が挙げられる。その他の油分分解菌としては、例えば、コリネバクテリウム属、及びコクリア属などが挙げられる。油分分解菌は、好ましくはバチルス属及びコクリア属からなる群より選択される1種以上を含む。バチルス属は環境耐性に優れ、コクリア属は30〜40℃での油分分解性能に優れる。
【0030】
破砕工程S2は、油分分解工程S1において油分の少なくとも一部が分解された繊維状バイオマス原料を破砕して破砕物を得る工程である。繊維状バイオマス原料を破砕することで、後述する種子除去工程S3における種子除去の効率及び乾燥工程S4における乾燥の効率をより向上させることができる。繊維状バイオマス原料の破砕は、例えば、破砕機等を用いて行うことができる。
【0031】
破砕工程S2において、得られる破砕後の繊維状バイオマス原料(以下、破砕物ともいう)のサイズは、好ましくは200mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。破砕物のサイズは、10mm超又は20mm以上であってよい。
【0032】
種子除去工程S3は、破砕工程S2で得られる破砕物中の種子の少なくとも一部を除去する工程である。繊維状バイオマス原料が種子を含む場合には、種子除去工程S3において種子の少なくとも一部を除去してもよい。破砕物中の種子の含有率は、破砕物の全質量を基準として、乾燥質量で好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以下である。破砕物に含まれる種子の含有量を上記範囲とすることによって、後述する粉砕工程S5で得られる粉砕物に含まれる油分をより低減することができる。繊維状バイオマス原料が種子を含まない場合には、種子除去工程S3を省略して、乾燥工程S5を行ってもよい。
【0033】
乾燥工程S5は、種子除去工程S3で得られる破砕物、又は繊維状バイオマス原料が種子を含まない場合には、破砕工程S2により得られる破砕物を乾燥させる工程である。乾燥後の破砕物の含水率は、破砕物全質量を基準として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。乾燥後の破砕物の含水率を上記範囲内とすることで、後述する成型工程S6において、成型時に発生する熱で当該水分が気化及び膨張することによって成型体に亀裂等が発生することを抑制することができる。破砕物の含水率は、加熱乾燥式水分計又は電気抵抗式水分計等を用いて決定することができる。
【0034】
乾燥工程における乾燥方法は、自然乾燥でもよく、乾燥設備を使用して強制的に乾燥させてもよい。乾燥設備としては、気流乾燥器等を使用することができる。乾燥温度は、100℃以上であってよく、好ましくは120℃以上であってよい。乾燥温度は、350℃以下、又は300℃以下であってよい。乾燥工程の時間は、乾燥温度等に応じて適宜選択することができる。
【0035】
粉砕工程S6は、乾燥工程S5を経て乾燥された破砕物を更に粉砕して粉砕物を得る工程である(第二工程)。粉砕工程S6において得られる粉砕物のサイズは、例えば、10mm以下であってよく、好ましくは1mm以下である。粉砕物のサイズが上記範囲であると加圧による成型がより容易なものとなる。
【0036】
粉砕物に含まれる油分は、粉砕物の全質量を基準として乾燥質量で、好ましくは2.5質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下であり、更に好ましくは1.5質量%以下である。粉砕物に含まれる油分の量を上記範囲内とすることで、成型時の摩擦熱の発生量を向上させることができ、続く成型工程S7において、より高い密度の成型体を製造することができる。
【0037】
成型工程S7は、粉砕工程S6において得られる粉砕物を押出成型して成型体を得る工程である(第三工程)。成型には、例えば、スクリュー式押出成型機を用いることができる。図4は、スクリュー式押出成型機の一例を示す模式図である。スクリュー式押出成型機30は、粉砕物を貯留する原料貯留部31と、空洞部321を有するダイス32と、ダイス32を加熱するヒーター34と、を備える。原料貯留部31の上部には、粉砕物を落下供給するための原料供給口35が設けられている。原料供給口35の下方であって、原料貯留部31内に収容されたスクリュー33は、第1スクリュー331と、第1スクリュー331による原料搬送方向(図4のX軸方向)の下流側に形成され、第1スクリュー331よりもスクリュー羽根の外径が小さい第2スクリュー332と、第2スクリュー332の下流側に形成された抵抗部36と、を有する。
【0038】
成型工程S7は、ヒーター34によってダイス32を加熱しながら行ってもよい。ヒーター34の設定温度は、好ましくは150℃以上であり、より好ましくは200℃以上である。設定温度を150℃以上とすることで、スクリュー式押出成型機内部における粉砕物の摩擦によって生じる摩擦熱と合わせて、粉砕物中のリグニンの軟化をより促進させることができる。粉砕物中のリグニンを軟化させるによって、より密度の高い成型体を得ることができる。結果として後述する炭化工程S8において、より十分な強度を有する炭化物を製造することができる。ヒーター34による設定温度は、250℃以下であってよい。設定温度が250℃以下であると、粉砕物の熱分解等が生じることをより十分に抑制することができる。
【0039】
成型体の形状は、例えば、ブリケット、及びペレット等であってよい。成型体の形状は、後述する炭化物の製造における炭化処理、及び得られる炭化物の燃焼に適していることから筒状のブリケットであることが好ましい。
【0040】
上記成型体の製造方法では、繊維状バイオマス原料の油分分解工程S1、破砕工程S2、種子除去工程S3、乾燥工程S4、粉砕工程S5及び成型工程S6がこの順で含まれるが、各工程はこの順序に限られるものではなく、S1〜S4は適宜順序を変更してもよい。例えば、破砕工程S2及び種子除去工程S3を先に行い、その後に油分分解工程S1を行うような順番とすることができる。
【0041】
炭化工程S7は、上述の成型体の製造方法で得られる成型体を炭化して炭化物を得る工程である。成型体の炭化処理としては、例えば、乾留炉内で乾留する方法を挙げることができる。乾留温度は、例えば、600〜1200℃である。乾留温度を上記範囲とすることにより、ガス化溶融炉で使用される石炭に由来するコークスの性状により近い炭化物を得ることができる。
【0042】
溶融炉で用いられるコークスは、コークスの圧潰強度が高いことが好ましい。このようなコークスの代替品としての炭化物を得る観点からは、上述の成型体の密度1.28kg/L以上であることが好ましい。成型体の密度を上記範囲とすることで、十分な強度を有する炭化物を与えることができ、得られる炭化物は十分な圧潰強度を持ち得る。成型体の密度は、粉砕物の油分含有量を低減することによって調整することができ、例えば、粉砕物の油分含有量を乾燥重量で2.5質量%以下とすることで成型体の密度を上昇させることができる。ここで、圧潰強度とは、炭化物を1000℃の空気中に30分間暴露した後に室温まで放冷し、放冷後の炭化物をプレス機にかけ炭化物が崩壊した際のプレス機で炭化物に加えた荷重(N)を示す。圧潰強度測定の際には、中空筒状の炭化物の長さを50mmに切断したものをサンプルとする。また、1000℃の空気中に30分間暴露するとの条件は、廃棄物溶融炉内の温度条件を考慮して設定される。
【0043】
成型体の製造システムの一実施形態は、繊維状バイオマス原料を貯蔵する貯蔵ヤードと、上記繊維状バイオマス原料の集積物の下方から上記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込むガス供給手段と、を有する油分分解部、油分の少なくとも一部が分解された上記繊維状バイオマス原料を粉砕して粉砕物を生成する粉砕部、及び上記粉砕物を押出成型して成型体を得る押出成型部、を備える。
【0044】
図5は、成型体の製造システムの一例を示す模式図である。図5に示すように、成型体の製造システム100は、油分分解部P1、破砕部P2、種子除去部P3、乾燥部P4、粉砕部P5及び押出成型部P6を備える。成型体の製造システムにおける各部P1〜P6は、上述の成型体の製造方法における各工程S1〜S6に対応する操作が行われる部分となっている。
【0045】
上記成型体の製造システムを用いて、上述の成型体の製造方法を実施してもよい。したがって、本実施形態の成型体の製造システムは上述の成型体の製造方法についての説明内容を適用することができる。また逆に、本実施形態の成型体の製造システムについての説明内容は上述の成型体の製造方法に適用することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
以下、実施例及び比較例を参照して本発明の内容をより詳細に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0048】
以下の実施例において使用するパームヤシ空果房の表面に元々存在していた油分分解菌を調査した。調査の結果存在が確認された油分分解菌を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1の油分分解菌をシャーレ上で培養した。培養の結果、増殖性能が高かった油分分解菌、Candida peliculosa、Kocuria varians/rosea及びBacillus licheniformisの3種を選定した。選定された油分分解菌を用いて、油分分解菌の増殖性能、及び油分分解の性能に対する温度の影響を評価した。結果を図6に示す。
【0051】
図6は、油分分解菌の増殖性能と油分分解性能の温度依存性を示すグラフである。図6に示されるとおりCandida peliculosa及びKocuria varians/roseaは30〜40℃において増殖性能及び油分分解性能が高いことが確認された。また、Bacillus licheniformisは30〜60℃において増殖性能が高いものの、油分の分解性能と温度との相関は高くないことが確認された。以上から、増殖性能が高く、パームヤシ空果房からなる繊維状バイオマス原料に含まれる油分を分解させるために有力と考えられる上記3種の油分分解菌の活性を高めるためには、集積物の温度が、30〜40℃程度となるように制御することが望ましいことが確認された。
【0052】
(実施例1)
種子を含まないパームヤシ空果房(初期の油分含有量:乾燥重量で6.0質量%、初期質量:約20トン)を図2及び図3に示すような床を有する貯蔵ヤードに集積した。貯蔵ヤードの床に形成された溝に収容され、砕石で固定された配管から、パームヤシ空果房の集積物の内部へと空気を供給した(通気あり)。空気の供給量は、集積物の乾燥質量1トンに対して1時間当り50〜100mの空気が供給されるように調整した。空気の供給を8日間続けた。2日間が経過する毎に集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングし粉砕して粉砕物を得た。粉砕物に含まれる油分量を測定した。結果を表2に示す。粉砕物に含まれる油分はJIS K0102:2013のヘキサン抽出物質の測定方法に沿って決定した。
【0053】
(比較例1)
貯蔵ヤードの床からの空気の供給をしなかった(通気なし)こと以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
(実施例2)
種子を含まないパームヤシ空果房(初期の油分含有量:乾燥質量で3.62質量%、初期質量:約20トン)を図2及び図3に示すような床を有する貯蔵ヤードに集積した。空気の供給量は、集積物の乾燥質量1トンに対して1時間当り50〜100mの空気が供給されるように調整した。空気の供給を6日間続けた。毎日、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングし粉砕して粉砕物を得た。粉砕物に含まれる油分量を測定した。結果を表3及び図8に示す。
【0056】
(比較例2)
貯蔵ヤードの床からの空気の供給をせずに(通気なし)、1日間に1回、貯蔵ヤードに集積されたパームヤシ空果房(初期の油分含有量:乾燥質量で4.17質量%、初期質量:約20トン)の集積物を重機による撹拌を行ったこと以外は、実施例2と同様にして実験を行った。なお、比較例2は保管日数が16日間になるまで実験を継続した。1日に1回、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングし粉砕して粉砕物を得た。粉砕物に含まれる油分量を測定した。結果を表3及び図7に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
(実施例3)
種子を含まないパームヤシ空果房(初期の油分含有量:乾燥質量で3.53質量%、初期質量:約30トン)を貯蔵ヤードに集積し、実施例1と同様の実験を行った。空気の供給を5日間続けた。毎日、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングし粉砕して粉砕物を得た。粉砕物に含まれる油分量を測定した。測定された油分量と初期の油分含有量から残留油分の割合を算出した。結果を表4及び図8に示す。
【0059】
(実施例4)
種子を含まないパームヤシ空果房(初期の油分含有量:乾燥質量で4.17質量%、初期質量:約30トン)を貯蔵ヤードに集積し、保管開始から24時間は床からの空気の供給をせず、24時間経過したところで、貯蔵ヤードの床から空気の供給を開始した(通気あり)。保管開始から集積物内部の温度が上昇し、保管開始から24時間後には、68℃となっていることを確認した。また、空気の供給を開始した後、集積物内部の温度は、37℃となった。空気の供給量は、集積物の乾燥質量1トンに対して1時間当り50〜100mの空気が供給されるように調整した。空気の供給を6日間続けた(貯蔵ヤードに集積してから保管日数は7日間)。毎日、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングし粉砕して粉砕物を得た。粉砕物に含まれる油分量を測定した。測定された油分量と初期の油分含有量から残留油分の割合を算出した。通気開始後の保管日数と残留油分の関係を示す結果を表4及び図8に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
(実施例5〜8)
パームヤシ空果房(種子含有率:乾燥質量で3.8質量%、初期の油分含有量:乾燥重量で4.0質量%、初期質量:2トン)を貯蔵ヤードに集積した。貯蔵ヤードにて、貯蔵中に空気を供給することでパームヤシ空果房に含まれる油分の少なくとも一部を分解した。貯蔵中、3日目、4日目、5日目及び7日目に、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングし、繊維状バイオマスのみを取出し粉砕して、粉砕物を得た。また、7日間経過した後、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングして、種子と、繊維状バイオマスとに一旦分離した、種子と繊維状バイオマスとを再度混合して、種子含有率が、7.5質量%(実施例6)、5.0質量%(実施例7)、及び2.5質量%(実施例8)のサンプルをそれぞれ500kgずつ調製した。得られた各サンプルを粉砕して、粉砕物を得た。得られた粉砕物に含まれる油分を測定した。得られた粉砕物に含まれる油分を測定した。保管日数と粉砕物中の油分含有量の関係を示す結果を表5及び図9に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
(実施例9)
実施例5と同様にパームヤシ空果房を貯蔵ヤードに集積し、貯蔵中に空気を供給しながら、7日間貯蔵することでパームヤシ空果房に含まれる油分の少なくとも一部を分解した。7日間経過後、集積物の内部からパームヤシ空果房をサンプリングして、種子と、繊維状バイオマスとに一旦分離した。一旦分離した種子と繊維状バイオマスとを再度混合して、種子含有率を調整し、得られたサンプルを粉砕し、粉砕物を得て油分量を決定した。粉砕物に含まれる油分の含有量が、乾燥質量で3.9質量%、3.6質量%、2.2質量%、2.1質量%、及び1.8質量%であった粉砕物を選択して、それぞれ押出成型することで成型体を得た。得られた成型体の密度を測定した。結果を表6及び図10に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
図10は、実施例における粉砕物中の油分含有量と成型体の密度の関係を示すグラフである。表5及び図10に示す結果から、パームヤシ空果房からなる繊維状バイオマス原料に含まれる油分の含有量を低減することによって、得られる成型体の密度を向上させることができた。また、高密度の成型体を得ることができることから、この成型体を炭化することで十分な強度を有する炭化物を得ることもできる。
【符号の説明】
【0066】
2…ガス導入管、4…凹部、6…固形物、10…床、30…スクリュー式押出成型機、31…原料貯留部、32…ダイス、33…スクリュー、34…ヒーター、35…原料供給口、36…抵抗部、100…製造システム、321…空洞部、331…第1スクリュー、332…第2スクリュー。
【要約】
【課題】繊維状バイオマス原料を用いて成型体及び炭化物を製造する際に、成型固化が十分に進行し、硬度に優れる成型体及び炭化物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】繊維状バイオマス原料の集積物に、上記集積物の下方に位置するガス供給手段から上記集積物の内部に酸素を含むガスを吹き込みながら上記繊維状バイオマス原料に含まれる油分の少なくとも一部を分解する第一工程と、油分の少なくとも一部が分解された上記繊維状バイオマスを粉砕して粉砕物を得る第二工程と、上記粉砕物を押出成型して成型体を得る第三工程と、を含む、成型体の製造方法を提供する。
【選択図】なし
図1
図2
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