特許第6388741号(P6388741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6388741
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】物品取出装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/44 20060101AFI20180903BHJP
   G07F 5/10 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   G07F11/44
   G07F5/10
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-49307(P2018-49307)
(22)【出願日】2018年3月16日
(62)【分割の表示】特願2017-155592(P2017-155592)の分割
【原出願日】2017年5月17日
【審査請求日】2018年3月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509280051
【氏名又は名称】株式会社益基樹脂
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 崇
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6090961(JP,B1)
【文献】 特開2005−196315(JP,A)
【文献】 特開平09−110177(JP,A)
【文献】 特開2016−184321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00−11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する複数の収納部と、
前記物品を取り出すために手動で回転操作されるハンドルと、
前記ハンドルの回転を検出するハンドル回転検出部と、
前記複数の収納部にそれぞれ設けられ、前記収納部に収納された前記物品を一個ずつ収容する複数の物品収容部が周方向に配設されてなる円板状のローターと、前記ローターの回転を検出するローター回転検出部と、前記ローターを回転するための電動モータと、前記物品収容部の周回軌道の一箇所に設けられた物品排出口とを有し、前記ローターの回転に伴って前記物品収容部のいずれかが前記物品排出口に一致するとき前記物品収容部に収容された前記物品を前記物品排出口から排出する物品排出機構と、
前記収納部から排出された前記物品を物品取出口まで搬送する、前記複数の収納部で共用される筒状の共通搬送路と、
前記ハンドルの回転操作に応じて前記ローターを回転させるとともに、前記ローターの回転に伴って前記複数の物品収容部のうちいずれかの前記物品収容部が前記物品排出口に一致した時に前記ローターの回転を停止させるために、前記ハンドル回転検出部の出力と前記ローター回転検出部の出力とに従って前記電動モータを制御する制御部とを具備することを特徴とする物品取出装置。
【請求項2】
前記物品排出口は前記収納部の下部側壁に開口され、
前記物品収容部は前記ローターの半径外側に向かって開口された略半長円形状を有し、
前記ローターの回転に伴って前記複数の物品収容部のうちいずれかの物品収容部の開口が前記物品排出口に一致する時、前記物品収容部に収容された前記物品が前記物品排出口から前記搬送路に略水平に排出されることを特徴とする請求項1記載の物品取出装置。
【請求項3】
前記物品の販売データを生成する販売データ生成部と、
前記販売データを外部に送信する送信部とをさらに備え、
前記制御部は、前記ハンドル回転検出部の出力に基づいて前記ハンドルが回転操作された回転角度が360度又は所定角度に達し、且つ前記ローター回転検出部の出力に基づいて前記複数の物品収容部のうちいずれかの物品収容部が前記物品排出口に一致するまで前記ローターが回転したときに、前記販売データを前記送信部から送信させることを特徴とする請求項1記載の物品取出装置。
【請求項4】
前記物品の販売データを生成する販売データ生成部と、
前記販売データを外部に送信する送信部と、
前記搬送路上の前記物品排出口と前記物品取出口との間に設けられた光学式センサとをさらに備え、
前記制御部は、前記ハンドル回転検出部の出力に基づいて前記ハンドルの回転角度が360度又は所定角度に達したこと前記ローター回転検出部の出力に基づいて前記いずれかの物品収容部が前記物品排出口に一致するまで前記ローターが回転したこと及び前記光学式センサの出力に基づいて前記物品が前記搬送路を通過したことを検知したときに、前記販売データを前記送信部から送信させることを特徴とする請求項1記載の物品取出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル入りの物品を1個ずつ取り出すための物品取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には球体のカプセル入りの玩具や文具等の様々な物品を販売するカプセル販売機(ここでは物品取出装置という)が知られている。物品取出装置では、物品Cを多数収納するためのストックケースの下部に、円板状のローターが配置される。ローターにはその周方向に沿って複数、例えば4つの円形の孔(物品収容部)が配列されている。この孔にはカプセルCが一つずつ収容される。ストックケースの底部には円形に一つの孔(物品排出孔)が開けられている。例えば購入者がローターに機構上に接続されたハンドルを手動で回すことによりローターが回転し、ローターの4つの物品収容部のいずれかがストックケースの底部の物品排出孔に一致したとき、カプセルCが物品排出孔を通過して物品取出部に落下する。購入者は物品取出部からカプセルCを取り出すことが可能となる。当該構造は特許文献1についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−149229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したカプセル販売機のような物品取出装置にあっては次のような問題があった。物品取出装置のストックケースには同種の物品が収納される。多品種の物品を販売するには複数の物品取出装置を横方向に配列し、また縦方向に積み重ねる必要があった。物品取出装置は、物品を収納するストックケースの他、それに付帯するローター、ハンドル等の排出機構、取出口及び清算機構等を個々に備えており、それなりの大きさは必要である。物品取出装置は店舗の余白スペースに設置する場合が多く、その設置スペースでは物品取出装置の設置数には制限があり、多品種販売には限界があった。また多品種販売では、在庫管理等が煩雑になる問題もあった。
【0005】
目的は、多品種販売に適した物品取出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る物品取出装置は、物品を収納する複数の収納部と、物品を取り出すために手動で回転操作されるハンドルと、ハンドルの回転を検出するハンドル回転検出部と、複数の収納部にそれぞれ設けられ、収納部に収納された物品を一個ずつ収容する複数の物品収容部が周方向に配設されてなる円板状のローターと、ローターの回転を検出するローター回転検出部と、ローターを回転するための電動モータと、物品収容部の周回軌道の一箇所に設けられた物品排出口とを有し、ローターの回転に伴って物品収容部のいずれかが物品排出口に一致するとき物品収容部に収容された物品を物品排出口から排出する物品排出機構と、収納部から排出された物品を物品取出口まで搬送する、複数の収納部で共用される筒状の共通搬送路と、ハンドルの回転操作に応じてローターを回転させるとともに、ローターの回転に伴って複数の物品収容部のうちいずれかの物品収容部が物品排出口に一致した時にローターの回転を停止させるために、ハンドル回転検出部の出力とローター回転検出部の出力とに従って電動モータを制御する制御部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本実施形態に係る物品取出装置及びサーバ装置を含む物品販売管理システムの全体構成を示す図である。
図2図2図1の物品取出装置の設置者、物品提供者の一例を示す図である。
図3図3図1の物品取出装置、共通搬送路及びその内部に設置されたラインセンサを示す図である。
図4図4図1のストックケースに装備される物品排出機構の分解図である。
図5図5図4のロータースイッチを押圧するローラー下面の押圧突起を示すローターの平面図である。
図6図6図5のAA断面図である。
図7図7図1の物品取出装置の構成を示すブロック図である。
図8図8図7のセンサ処理部による物品通過及びその個数を特定する処理に関する補足説明図である。
図9図9図1の物品取出装置の物品販売動作を示すフローチャートである。
図10図10図1の物品販売管理システムのデータフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に示すように物品販売管理システムにおいて、複数の物品取出装置10が公衆通信回線網100を介してサーバ装置20に接続される。各物品取出装置10は、複数、ここでは8個のストックケースユニット11を備える。サーバ装置20には、物品提供者(a),(b)がそれぞれ管理するパーソナルコンピュータやタブレット等の情報処理端末30、設置者(イ),(ロ)がそれぞれ管理するパーソナルコンピュータやタブレット等の情報処理端末40が公衆通信回線網100を介して接続される。
【0009】
なお、説明の便宜上、図2に例示するように2台の物品取出装置10がそれぞれ設置者(イ),(ロ)によりそれぞれが指定した場所に設置されるものとする。また2台の物品取出装置10の合計16個のストックケースユニット11に収納される物品は、例えば2人の物品提供者(a),(b)により提供される。例えば物品取出装置10(1),(2)のストックケースユニット11(A)―(D)には物品提供者(a)から提供された物品が収納される。物品取出装置10(1),(2)のストックケースユニット11(E)―(H)には物品提供者(b)から提供された物品が収納される。
【0010】
物品取出装置10は、それと同様のハンドル操作により商品を一つずつ販売するタイプの自動販売装置が備える様々な機能、つまり物品(商品)をストックする機能、購入者に購入商品を選択させる機能、価格を表示する機能、決済機能、商品を1個ずつ排出する機能、購入者がハンドル等の手動操作により排出機能を起動させるトリガ機能等を備えている。本実施形態に係る物品取出装置10の重要な概念は、上記複数の機能の分散と集中にあり、つまり複数のストックケースユニット11を装備し、複数のストックケースユニット11に各別に装備させて分散させる機能と、複数のストックケースユニット11には装備させずに、複数のストックケースユニット11で共用させる機能とを切り分けることにある。それにより物品取出装置10の全体コストを抑える事ができるだけでなく、物品取出装置10が装備するストックケースユニット11の台数を容易に増減する事が可能となり、さらにストックケースユニット11の小型化を実現して物品取出装置10が装備可能なストックケースユニット11の最大数を増加させることを実現している。本実施形態では、ストックケースユニット11が本質的に備える物品(商品)をストックする機能及び商品を1個ずつ排出する機能とともに、購入者に購入商品を選択させる機能、価格を表示する機能をストックケースユニット11に装備させ、一方、決済機能、購入者がハンドル等の手動操作により排出機能を起動させるトリガ機能に関しては複数のストックケースユニット11で共用させるものである。
【0011】
図3には本実施形態に係る物品取出装置を示している。支持台2には支柱部7が立設される。支柱部7には例えばその両側にそれぞれ4個ずつストックケースユニット11が支持される。ストックケースユニット11は支柱部7に対して着脱可能に支持される。設置場所のスペース上の制限等の様々な理由により支柱部7に取り付けるストックケースユニット11の数を変動させたい状況がある。この状況に対して柔軟に対処できる。そのために本実施形態はストックケースユニット11に個別に装備させる機能と、複数のストックケースユニット11に対して共用させる機能とを適切に分化させることを重要な特徴の一つとしている。
【0012】
ストックケースユニット11は、円筒形又は樽形に形成された典型的には透明なハウジング(ストックケース)12を有し、ストックケース12の内部に多数のカプセルC(物品)が収納される。ストックケース12の前面には、購入者がそのストックケース12に収納されている商品の購入を選択するための商品選択ボタン124と、そのストックケース12に収納されている商品の商品価格(単価)又はその商品に関する仕様や特徴等の属性情報を個別に表示するための個別単価表示部125とが装備される。各ストックケース12の底部にはカプセルCを1個ずつ排出するための物品排出機構(後述する)が配置される。
【0013】
支柱部7には共有搬送路4が挿設されている。共有搬送路4の最下位置には物品取出口5が開けられ、共有搬送路4の両側にはそれぞれ4つずつ取入口41が開けられている。取入口41にストックケースユニット11の物品排出機構の排出口が整合されている。支柱部7のフロントパネル7には、ストックケースユニット11から物品を排出させるトリガとなる手動操作部としてのハンドル6、電子決済のための電子マネーリーダライタ114、リセットボタン119が装備されている。これらハンドル6、電子決済のための電子マネーリーダライタ114、リセットボタン119及び合計金額表示部200は、複数のストックケースユニット11に対して共用される。
【0014】
いずれか一つ又は二以上任意の数の商品選択ボタン124が購入者により押され、決済が完了し、ハンドル6が手動で回転されたとき、その一つ又は二以上のボタン124に対応するストックケースユニット11の物品排出機構を動作させる電動アクチュエータが駆動し、それにより物品排出機構が動作して当該ストックケースユニット11に収納されている物品が排出され、共有搬送路4により物品取出口5まで搬送される。電動アクチュエータの動力源は典型的には電動モータであるが、ソレノイド等他の方式のものであってもよい。
【0015】
共有搬送路4内であって、最下の取入口41と物品取出口5との間にはラインセンサ(エリアセンサ)117が設置される。ラインセンサ117は投光素子71と受光素子73とを対とする複数の光学式センサ(光電センサ)を備える。複数の光学式センサは、共有搬送路4の中心軸(Z軸)に対して直交し、且つ共有搬送路4の左右の取入口41が対峙する共有搬送路4の幅方向(X軸方向)と平行に配列される。それにより例えば共有搬送路4を挟んで左右に並設される2個のストックケース20から2個のカプセルCがほぼ同時に排出され、共有搬送路4を並んで落下し、ラインセンサ117を通過する場合であっても、その通過個数を特定する事ができる。
【0016】
典型的には、2個のカプセルCが並んで落下した場合であっても共有搬送路4内で詰まる事態が起きる事が無いように、カプセルCの直径をDとして、共有搬送路4は、角筒形状であれば2・D×2・Dの内寸、又は円筒形状であれば2・Dの内径に構成される。またカプセルCの通過及び通過個数をその形状、典型的には球体形状から判定するその精度を確保するためにラインセンサ117の光軸ピッチは、好ましくはD/8に構成されている。
【0017】
図4乃至図6にはストックケース12に内蔵される物品排出機構を示している。物品排出機構は、有底筒状のストックケース12の底部141上に設置される。底部141には従来と異なりカプセルCを落下させるための落下孔が開口されず、その側壁の一部分にカプセルCよりやや大きい物品排出口143が開口されている。物品排出口143は共有搬送路4の取入口41に位置合わせされている。底部141には機構支持台31が固定され、この機構支持台31には軸方向を鉛直方向とする軸支部32を備える。この軸支部32には内歯を有する筒状の回転軸33が鉛直方向の軸廻りに回転自在に支持される。
【0018】
この回転軸33の内歯に歯車34が噛合され、この歯車34には電動モータ35の駆動軸が接続されている。モータ35は筒状の回転軸33に収容され、その収容構造と回転軸33の内歯とそれに噛合する歯車34の減速機構とは、装置自体の大幅な小型化、さらに後述するトレイ59の設置を可能にしている。
【0019】
回転軸33の上部には、回転軸33を覆うキャップ36が取り付けられる。キャップ36の上部には、ストックケース20内のカプセルCを撹拌する複数、ここでは3つの撹拌子80が取り付けられる。撹拌子80には典型的にはコイルバネが適用される。
【0020】
回転軸33にはそれと同軸的に円板形状のローター50が取付られ、このローター50の下面側にローター50と一体に回転する4組のスライダ60が配置される。スライダ60はローター50とともに回転する。各スライダ60は、ばね定数が同一の一対のトーションバーバネ154により半径外側に押し出す方向に付勢される。一対のトーションバーバネ154はローター50の円形板51の裏面に対称位置で軸支される。トーションバーバネ154は圧縮された状態でその一端が円形板51の突起にあてがわれ、他端はスライダ60の表面側部のバネ受け165に挿入される。なおトーションバーバネ154によりスライダ60が外側に向かって押し出されたとき、スライダ60の先端のレバー部材63がトーションバーバネ64に抗って外側に向かって回動する。
【0021】
スライダ60の裏面の回転軸側には円柱状の突起(カムフォロア)161が取り付けられている。カムフォロア161としては例えばベアリングが適用される。カムフォロア161はローター50の回転に伴って、台座30に固定されるレール170の内周面に沿って摺動する。レール170は円環形状に形成され、その一部分が開口されている。この開口部172の開口幅(開口角度)は物品排出口143の開口幅(開口角度)の略半分であり、開口部172の上流側の一端は物品排出口143の開口中心に揃えられている。レール170の開口部172の下流側の一端には直線又は緩やかな弓形状をなすガイドレール173が、レール170に対してその接線をなすよう連結される。
【0022】
カムフォロア161はトーションバーバネ154を圧縮した状態でレール170の内周壁面に押し付けられている。ローラー50の回転に伴ってカムフォロア161がレール170に沿って移動する間、スライダ60は最も回転中心に接近した定常位置(待機位置)に保持される。ローター50が回転してカムフォロア161がレール170の開口部172に達したとき、トーションバーバネ154は一気に開放され、スライダ60を半径外側に向かって勢いよく弾く。スライダ60の移動に伴ってその先端のレバー部材63がその格納位置から押出位置まで回動される。カプセルCはスライダ60の移動及びレバー部材63の回動により、ローター50の物品収容部52に収容されているカプセルCが略水平方向に勢いよく弾き出され、物品排出口143から外部に排出される。
【0023】
ローター50が回転すると、カムフォロア161はガイドレール173に当接し、ガイドレール173の内壁面を摺動し、それにより回転中心に徐々に接近する。そしてカムフォロア161はガイドレール173から円環形のレール170に帰還する。
【0024】
このような構造によると、バネ154の圧縮状態が一気に開放されてその瞬間的な反発力によりカプセルCを略水平方向に勢いよく弾き出す事ができる。それにより球体のカプセルCは勿論のこと、球体でない楕円球体等のカプセルCであっても、不測停止することなく、物品排出口143から確実に排出することが可能となり得る。
【0025】
ローター50の円形板51にはその円周方向に沿って分散して、半径外側に向かって開口する略半長円形状の複数、ここでは4つの物品収容部52が設けられる。円形板51の外周面は、底部141の内壁面に対し僅かな隙間をもって配置されている。物品収容部52は、カプセルCの外径より大きく形成されており、物品収容部52に収容されたカプセルCを回転方向に搬送する機能を有している。また、物品収容部52の中心軸は回転軸33の径方向に沿って形成されている。円形板51には各物品収容部52に沿ってスライダ60を案内するための直線ガイド53が設けられている。直線ガイド53は半径方向と平行に配置されている。スライダ60は、直線ガイド53によって物品収容部52の押出方向、つまり半径方向に往復動自在に取り付けられている。
【0026】
なおローター50の物品収容部52各々の下側にはカプセルCを受容するトレイ59が取り付けられている。トレイ59の底板は水平(ゼロ度)から10度までの範囲内の角度で外側に向かって下向きに傾斜した略水平の状態で保持される。トレイ59はカプセルCを受容した状態のままローター50とともに回転する。仮にトレイ59が存在しないとき、物品収容部52に収容されたカプセルCはローター50の回転とともにストックケース20の底板上を転動し、また摺動する。カプセルCは一対の半球体が嵌め合わされた球体をなし、一対の半球体が物品購買者の手に渡るまで分離して内部の物品が露出しないように、それらのつなぎ目はテープで貼り合わされる。そのため、トレイ59が設けられていない場合、カプセルCがストックケース20の底板上を転動し、また摺動することにより当該テープが剥がれ、また破損する恐れがある。トレイ59を設ける構造は、このような事態の回避を実現し得る。
【0027】
レール170の外周壁面には、押したときだけオンになるモーメンタリ型の押圧式ロータースイッチ57が設置される。典型的にはロータースイッチ57はガイドレール173の下流側に配置される。ローター50の円形板51の下面には4つの押下突起56がその円周方向に沿って等角(90度)を隔てて分散配置される。押下突起56の周回軌道上にロータースイッチ57の押圧部分が位置する。押下突起56とロータースイッチ57との互いの位置関係は、ローター50の物品収容部52が物品排出口143に一致してスライダ60の移動によりカプセルCが物品排出口143から外部に排出されるローター50の4つの角度各々でロータースイッチ57がオンするように設定されている。
【0028】
また、有底筒状のストックケース12の底部141には、物品収容部52のトレイ59を挟んで対峙し、且つその光軸が回転軸33の半径と略平行になるように投光素子145と受光素子147とからなる光学式センサ(図7、在庫センサ120)が設置される。典型的には在庫センサは、典型的には物品排出口143の直前の待機位置、つまり物品排出口143の位置より90度上流の位置に設置される。在庫センサの出力信号は物品収容部52のトレイ59にカプセルCに収容されているか否かにより変化する。従って在庫センサの出力信号によりストックケース12に少なくとも1つのカプセルCが在庫されているか否かを判定することができる。
【0029】
図7には本実施形態に係る物品取出装置10の機能ブロックを示している。物品取出装置10は、複数のストックケースユニット11とともに、全体の動作を制御する制御部111、制御/データバス110、リセットボタン119、ハンドル6、ハンドル6の回転を検出するためのハンドルエンコーダ116、公衆通信回線網100を介してサーバ装置20と通信する通信装置112、商品価格計算部122、決済処理部113、電子マネーリーダライタ114、ラインセンサ117、センサ処理部118、販売データ生成部115、商品販売確認処理部123を有する。
【0030】
これら制御部111、リセットボタン119、ハンドル6、ハンドルエンコーダ116、通信装置112、商品価格計算部122、決済処理部113、電子マネーリーダライタ114、ラインセンサ117、センサ処理部118、販売データ生成部115、商品販売確認処理部123及び合計金額表示部200は、複数のストックケースユニット11に対して個々に設けられるのではなく、物品取出装置10に単体で装備され、複数のストックケースユニット11に対して共用される。
【0031】
一方、ストックケースユニット11にはそれが本質的に備えるストックケース12、ローター50を回転するための電動モータ35、電動モータ35に駆動電力を供給するモータドライバ121、ロータースイッチ57の他に、商品選択ボタン124、単価表示部125及び在庫センサ120が装備される。
【0032】
制御部111はハンドル6の回転に同期してローター50を回転させるためにハンドルエンコーダ116の出力に基づいてモータドライバ121を制御する。典型的には制御部111はハンドル6が20度回転するごとにローター50を5度回転させるための単位電力をモータドライバ121から電動モータ35に供給することを指示する制御信号を出力する。
【0033】
ハンドルエンコーダ116はハンドル6の回転軸に係合されるロータリエンコーダで実装され、所定角度回転する毎にパルスを発生する。それによりハンドル6の回転角が検出される。商品価格計算部122は、例えば不揮発性メモリで構成され、商品の商品価格データを、各ストックケースユニット11の識別番号に関連付けて記憶する。商品価格は制御部111の制御のもと、対応するストックケースユニット11の単価表示部125に出力され、表示される。また商品価格計算部122は、ストックケースユニット11に収納された商品の仕様や特徴等の属性情報を、各ストックケースユニット11の識別番号に関連付けて記憶する。属性情報は制御部111の制御のもとストックケースユニット11の単価表示部125に出力され、商品価格と交互に又は商品価格と共に表示される。商品価格計算部122の商品価格データ及び属性情報は、サーバ装置20から通信装置112を介して受信した価格データ及び属性情報に随時更新される。
【0034】
購入者が単一の商品選択ボタン124を押圧操作したとき、制御部111はその単価を合計金額表示部200に表示させる。購入者が2以上の商品選択ボタン124を組み合わせて押圧操作したとき、制御部111はその合計金額を合計金額表示部200に表示させる。なお、物品取出装置10になんらかの不具合や故障が発生したとき、制御部111は不具合や故障状態を表すテキスト又はそのエラーコードを合計金額に代えて合計金額表示部200に表示する。
【0035】
決済処理部113は、電子マネーリーダライタ114を介して読み取った電子マネー情報にしたがって外部の決済サーバ装置と通信して商品価格計算部122で計算された商品価格の決済処理を実行する。なお、決済処理は電子マネー決済に限定されず、紙幣や硬貨による現金決済によるものであっても良いし、それらを併用するものであってもよい。その場合、紙幣識別機ユニット(紙幣ビルバリ)、電子式硬貨選別機を搭載(コインメック)が決済処理部113に接続される。
【0036】
センサ処理部118は、ラインセンサ117を駆動すると共にその出力を処理してその形状(球体)に基づいてカプセルCの通過及びその通過個数を特定する。図8にはその特定処理の一例を示している。ここでは投光素子71と受光素子73との間に障害物(カプセルC)が存在しないときの出力を“1”、投光素子71と受光素子73との間に障害物(カプセルC)が存在するときの出力を“0”と仮定すると、横軸をセンサ番号、縦軸を時間としたセンサ画像にはカプセルCの球体に応じた円形の陰影が生じる。図8(a)に示すように上下2つの取入口41から落下した2つのカプセルCがラインセンサ117を通過するとき、図8(b)に示すように離間した2つのカプセルCの陰影が現れる。図8(c)に示すように同じ高さで隣り合う2つの取入口41から落下した2つのカプセルCがラインセンサ117を通過するとき、図8(d)に示すように接触又は近接した状態で2つのカプセルCの陰影が現れる。センサ画像からカプセルCの陰影を抽出することによりたとえほぼ同時に落下したとしてもカプセルCの通過及びその通過個数を高精度に特定することができる。
【0037】
なお、ラインセンサ117に代えて、ストックケースユニット11の物品排出口143に個別に光学式センサを設けるようにしてもよい。この光学式センサによりカプセルCの通過(排出)をストックケースユニット11ごとに検出することができる。センサ処理部118は複数のストックケースユニット11に設けられた複数の光学式センサの出力を処理することにより、カプセルCの排出、そしてその排出個数を特定する事ができる。
【0038】
販売データ生成部115は、購入者が1又は複数の商品選択ボタン124を押圧操作し、その決済が完了したとき、物品取出装置10を識別する識別番号と、その物品取出装置10のストックケースユニット11を個々に識別する識別番号とを販売日時とともに含む物品の販売データを生成する。この販売データは通信装置112からサーバ装置20に送信されるものであるが、その送信は制御部111の制御により決済が完了して、商品販売確認処理部123で商品販売が最終的に確認されるまで待機される。決済が完了しているにも関わらず、商品販売確認処理部123で商品販売が最終的に確認されないときには、販売データは送信されず、決済が完了しているにも関わらず商品販売がされていない異状事態を表すエラーデータが制御部111から送信される。
【0039】
商品販売確認処理部123は、ハンドル6のハンドルエンコーダ116の出力(パルス数)に基づいてハンドル6が回転操作された回転角度が360度又はそれに近似する所定角度に達したことを判定し、ロータースイッチ57からオン信号が発生して複数の物品収容部52のうちいずれかの物品収容部52が物品排出口143に一致するまでローター50が回転したことを判定し、且つセンサ処理部118でカプセルCの通過を特定し、そして通過個数が決済した商品数と一致したときに、商品販売が最終的になされたことを確認する。制御部111は決済処理部113から決済完了信号を入力し、且つ商品販売確認処理部123から商品販売確認信号を入力したときに販売データ生成部115又は通信装置112に対して販売データの送信を許可又は指示する。
【0040】
図9には本実施形態に係る物品取出装置の物品販売動作手順を示している。購入者は希望する商品が収納されているストックケースユニット11の商品選択ボタン124を押圧する。購入者は希望する商品が複数あるとき、それら商品が収納されている2以上のストックケースユニット11の商品選択ボタン124を押圧する。制御部111は1又は複数の商品選択ボタン124の押圧操作を待機し(S11)、当該操作を検出したとき、その1又は複数の商品選択ボタン124が装備されている1又は複数のストックケースユニット11に収納されている物品の商品価格のデータを商品価格計算部122から受信し、その商品価格を単価表示部125に表示させる(S12)。
【0041】
制御部111は、購入者による商品選択ボタン124の押圧操作時刻から所定時間の経過を待機し、その待機期間内にリセットボタン119が押されたとき(S13,YES)、工程S11に戻り、商品選択ボタン124の押圧操作を待機する。制御部111は、待機期間内にリセットボタン119が押されず(S13,NO)、且つ在庫センサの出力に基づいてストックケース12に少なくとも一つのカプセルCの在庫があることを確認したとき、決済処理部113に対して決済処理の開始を指示する。
【0042】
ストックケース12にカプセルCの在庫が無いとき、制御部111は単価表示部125を消灯するとともに、商品選択ボタン124の操作を受け付けない。つまり商品選択が出来ない状態(販売停止)になる。また、ストックケース12に在庫が無いときは、制御部111は商品の在庫が無いことを表す信号(在庫切れ信号)を、そのストックケース12の識別番号及び物品取出装置10の識別番号と共に通信装置112からサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は物品取出装置10から在庫切れ信号を受信したとき、当該物品取出装置10の設置者端末40に在庫切れのアラート通知を、そのストックケース12の識別番号及び物品取出装置10の識別番号と共に送信する。それにより設置者は、在庫切れとなった物品取出装置10のストックケース12に商品を補充することができる。また、サーバ装置20は物品取出装置10から在庫切れ信号を受信したとき、在庫切れが発生したストックケース12の商品を提供している提供者の端末30に在庫切れのアラート通知を、そのストックケース12の識別番号及び物品取出装置10の識別番号と共に送信する。それにより物品提供者は、在庫切れとなった商品を設置者等に納品することができる。
【0043】
決済処理部113は、電子マネーリーダライタ114を介して読み取った電子マネー情報及び販売者情報にしたがって外部の決済業者の決済サーバ装置と通信して決済処理を実行し、正常に決済完了したとき決済完了通知を制御部111に送信し、正常に決済完了しなかったときは決済未完通知を制御部111に送信する。制御部111は、決済処理部113から決済完了通知を受信したとき(S14,YES)、次工程S15に移行し、商品選択ボタン124の押圧操作により選択された1又は複数のストックケースユニット11の物品排出機構のモータドライバ121に対して回転許可信号を出力する。
【0044】
モータドライバ121は、制御部111から回転許可信号を受けている期間、ハンドルエンコーダ116から受信したパルスの数が所定数に達するごとに電動モータ35に対して単位電力を供給する(S16)。典型的には、所定数はハンドル6が20度回転するに相当するパルス数に設定され、単位電力はローター50を5度回転させるために必要な電力に調整されている。従ってハンドル6の回転操作に同期してローター50が回転する。ハンドル6が360度回転するとき、ローター50は90度回転して、物品収容部52が物品排出口143に一致し、それによりに物品収容部52収容されているカプセルCが物品排出口143から取入口41を介して共通搬送路4に排出される。
【0045】
制御部111は、ハンドルエンコーダ116から受信したパルスの数が所定数に達するか否か判定し(S17)、ロータースイッチ57からのオン信号の受信を判定する(S18)。制御部111は、ハンドルエンコーダ116から受信したパルスの数が所定数に達し(S17、YES)、且つロータースイッチ57からオン信号を受信したとき(S18、YES)、モータドライバ121に対して回転禁止信号を出力し、または回転許可信号を停止する(S19)。ハンドル6の回転操作に対するローター50の同期回転は、ハンドル6が360度回転し、ローター50が90度回転するまで継続される。ハンドル6の回転角度が360度に達し、ローター50の回転角度が90度に達した時点でローター50の回転は停止する。
【0046】
排出されたカプセルCは共通搬送路4から物品取出口5に落下するとともにラインセンサ117を通過する。センサ処理部118は、例えば制御部111から回転禁止信号が出力された時点から2秒等の所定時間経過後までのラインセンサ117から出力される信号列(センサ画像)を処理してカプセルCを表す球体陰影を抽出し、カプセルCの通過及びその通過個数を特定するとともに、カプセルCの通過及びその通過個数を表すデータを制御部111に送信する(S20)。
【0047】
商品販売確認処理部123は、ハンドルエンコーダ116の出力に基づいてハンドル6が360度回転したこと、ロータースイッチ57の出力に基づいてローター50が90度回転したこと、センサ処理部118の出力からカプセルCが通過したこと、さらに商品の販売数と通過個数とが一致したこと、これら全ての要件が成立したときに(S21、YES)、商品販売確認信号を制御部111に送信する。制御部111は商品販売確認信号を受信したとき、販売データ生成部115で生成された販売データを通信装置112を介してサーバ装置20に送信させる(S22)。ハンドル6が360度回転し、且つローター50が90度回転したことは、カプセルCの排出動作が正常に完了し、カプセルCがストックケースユニット11から共通搬送路4に排出されたことを表している。また、カプセルCがラインセンサ117を通過し、商品の販売数と通過個数とが一致したことは、購入者が購入したカプセルCが購入者に正常に受け渡されたことを表している。
【0048】
ハンドル6が360度回転したこと、ローター50が90度回転したこと、カプセルCが通過したこと、さらに商品の販売数と通過個数とが一致したことのいずれか一つの要件が成立しなかったときには(S21、NO)、制御部111は商品販売確認信号を受信しない。制御部111は商品販売確認信号を受信しないときには販売データの送信を許可しない。そのとき制御部111は少なくとも一つの不成立要件を特定するコードを含むエラーデータを通信装置112を介してサーバ装置20に送信させる(S23)。サーバ装置20では、エラーデータから不成立要件を特定することができるので、それに応じた顧客対応やメンテナンス対応を手配する事ができる。
【0049】
制御部111は、メイン電源がオフ状態でない限り(S24、NO)、工程S11に戻り、商品選択ボタン124の押圧操作を待機する。メイン電源がオフ状態のとき(S24、YES)、当該処理を終了する。
【0050】
このように物品排出機構をモータ駆動化することで、ハンドル、カプセルCの搬送路等の構造体、また決済処理を複数のストックケースに対して共通化させることができ、物品取出装置全体のサイズを抑えながらストックケースの数を増加させて多品種販売環境に適応することができる。
【0051】
さらに物品排出機構をモータ駆動化する上で解決すべき「カプセルCの未排出」及び「カプセルCの誤排出」を、ハンドルが360度回転し、ローターが90度回転するまでローター回転を継続させ、その一方でハンドルの回転角度が360度に達し、ローターの回転角度が90度に達した時点でローターの回転を禁止させることで排除し、又は軽減することを担保している。
【0052】
また多品種販売環境では、物品取出装置ごとに設置者が相違し、さらにストックケース単位で物品提供者が異なる状況が想定される。それら多くの設置者や物品提供者に物品販売数のデータを提供することが必要となる状況に対して、物品取出装置の識別番号とともにストックケースを識別する識別番号を含めて販売データを生成することにより対応することができる。
【0053】
販売データは、ハンドル6が360度回転したこと、ローター50が90度回転したこと、カプセルCが共通搬送路を通過したこと、さらに商品の販売数と通過個数とが一致したことの全ての要件が成立したときに、物品取出装置からサーバ装置に送信されるので、サーバ装置ではその販売データの受信により、物品排出動作が正常に完了したこと、物品の販売が正常に完了したことを確認する事ができる。また上記いずれかの要件が不成立のときには販売データに代えて、不成立要件を特定するコードを含むエラーデータがサーバ装置に送信されるので、サーバ装置20では、エラーデータから不成立要件を特定することができ、それに応じた顧客対応やメンテナンス対応を手配する事ができ、非常に有用である。
【0054】
図10図1の物品販売管理システムのデータフローを示している。説明の便宜上、サーバ装置20には、それが管理対象としている2台の物品取出装置(自動販売機)10(1)、10(2)が公衆通信回線網100を介して接続されるものとする。2台の物品取出装置10はそれぞれ異なる設置者(イ),(ロ)によりそれぞれが指定した場所に設置される。設置者(イ),(ロ)はそれぞれ情報処理端末40を管理している。2台の物品取出装置10(1)、10(2)はそれぞれ合計8個のストックケースユニット11を装備しており、物品取出装置10(1)のストックケースユニット11(A)―(D)には物品提供者(a)から提供された物品が収納され、残りのストックケースユニット11(E)―(H)には物品提供者(b)から提供された物品が収納され、他の物品取出装置10(2)のストックケースユニット11(A)―(D)には物品提供者(a)から提供された物品が収納され、残りのストックケースユニット11(E)―(H)には物品提供者(b)から提供された物品が収納されているものとする。物品提供者(a)、(b)がそれぞれ管理している情報処理端末30も公衆通信回線網100を介してサーバ装置20に接続される。
【0055】
物品取出装置10(1)、10(2)で物品が販売される度に物品取出装置10(1)、10(2)からサーバ装置20に、物品取出装置10(1)、10(2)を個々に識別する識別番号(装置ID)と、販売した商品(カプセルC)を収納するストックケースユニット11を識別する識別番号(ストックケースID)と販売日時とを含む物品の販売データが送信される。サーバ装置20では物品取出装置10(1)、10(2)から受信した販売データを保存し、例えば一定周期でそれら販売データを設置者(イ)、(ロ)ごと、物品提供者(a)、(b)ごとに販売数を集計する。この集計処理により、物品取出装置10(1)の販売数、物品取出装置10(2)の販売数、物品取出装置10(1)のストックケースユニット11(A)―(D)と他の物品取出装置10(2)のストックケースユニット11(A)―(D)との販売数、物品取出装置10(1)のストックケースユニット11(E)―(H)と他の物品取出装置10(2)のストックケースユニット11(E)―(H)との販売数がそれぞれ求められる。
【0056】
集計処理により求められた物品取出装置10(1)の販売数のデータはサーバ装置20から設置者(イ)の端末20に送信され、物品取出装置10(S)の販売数のデータはサーバ装置20から設置者(ロ)の端末20に送信される。また物品取出装置10(1)のストックケースユニット11(A)―(D)と他の物品取出装置10(2)のストックケースユニット11(A)―(D)との販売数のデータはサーバ装置20から物品提供者(a)の端末30に送信される。物品取出装置10(1)のストックケースユニット11(E)―(H)と他の物品取出装置10(2)のストックケースユニット11(E)―(H)との販売数のデータはサーバ装置20から物品提供者(b)の端末30に送信される。
【0057】
このように複数の物品取出装置から収集した販売データから物品取出装置の設置者ごとに物品取出装置単位で販売数を集計し、また物品提供者ごとに収集ケース単位で販売数を集計し、それぞれの端末に送信する。従って複数の物品取出装置を複数の設置者がそれぞれ設置し、また多くの物品提供者が物品取出装置で物品を販売するような多品種販売環境に適応することができる。
【0058】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、様々な種類の物品取出装置に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
4…共通搬送路、6…ハンドル、10…物品取出装置、11…ストックケース、35…電動モータ、50…ローター、52…物品収容部、57…ロータースイッチ、111…制御部、116…ハンドルエンコーダ、143…物品排出口。
【要約】
【課題】目的は多品種販売に適した物品取出装置を提供することにある。
【解決手段】物品取出装置は、複数のストックケース12と、ハンドル6と、ハンドルの回転を検出するハンドルエンコーダ116と、物品排出機構とを有する。物品排出機構は、物品を一個ずつ収容する複数の物品収容部が周方向に配設された円板状のローターを有する。ローターにはその回転を検出するロータースイッチ57、ローターを回転するための電動モータ35とが係合される。ローターの回転に伴って物品収容部のいずれかが物品排出口に一致するとき物品が物品排出口から排出される。制御部111は、ハンドルエンコーダの出力とロータースイッチの出力とに従って電動モータを制御する。それによりハンドルの回転操作に応じてローターが回転される。いずれかの物品収容部が物品排出口に一致した時にローターの回転が停止される。
【選択図】 図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10