【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Ericsson, Huawei, HiSilicon, IAESI, LG, Nokia, NSN, Qu,"Review of Regulatory Requirements for Unlicensed Spectrum",3GPP TSG-RAN #63 RP-140054,2014年 2月25日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_63/docs/RP-140054.zip
【文献】
Broadcom Corporation, Cisco Systems, Microsoft Corporation, ETRI, MediaTek Inc., Marvell, Ruckus Wir,"On LTE in Unlicensed Spectrum",3GPP TSG-RAN Meeting #62 RP-132008,2013年12月 3日,URL,http://www.3gpp.org/FTP/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_62/Docs/RP-132008.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信部は、前記検出結果により非ライセンスバンドでUL信号の送信を行わない場合、当該非ライセンスバンドでUL信号を送信する予定であった送信タイミングで前記検出結果に関する情報を送信することを特徴とする請求項2又は3に記載のユーザ端末。
前記制御部は、上位レイヤシグナリング、又は非ライセンスバンドで送信されるULグラントで指示される情報に基づいて、ライセンスバンドの所定の上り制御チャネルリソース(PUCCHリソース)に前記検出結果に関する情報を割当てることを特徴とする請求項5に記載のユーザ端末。
前記送信部は、前記検出結果により非ライセンスバンドでUL信号の送信を行わない場合、当該非ライセンスバンドでUL信号を送信する予定であった送信タイミングにおいてライセンスバンドの上り共有チャネル(PUSCH)の割当てがある場合に、当該上り共有チャネルに前記検出結果に関する情報を多重して送信することを特徴とする請求項5に記載のユーザ端末。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施の形態で適用可能な無線通信システム(LTE−U)の運用形態を示している。
図1Aは、ライセンスバンドと非ライセンスバンドを用いて、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)を適用する場合を示している。
【0014】
キャリアアグリゲーション(CA)は、複数のコンポーネントキャリア(CC、キャリア、セル等ともいう)を統合して広帯域化することをいう。各CCは、例えば、最大20MHzの帯域幅を有し、最大5つのCCを統合する場合には最大100MHzの広帯域が実現される。
【0015】
CAが適用される場合、1つの無線基地局のスケジューラが複数のCCのスケジューリングを制御する。このことから、CAは基地局内CA(intra-eNB CA)と呼ばれてもよい。また、
図1Aにおいて、非ライセンスバンドを付加下りリンク(SDL:Supplemental Downlink)として利用することも可能である。付加下りリンクとは、DL伝送専用に用いるキャリア(バンド)を指す。
【0016】
本実施の形態では、
図1Bに示すように、ライセンスバンドのDL信号と非ライセンスバンドのDL信号を、一つの送信ポイント(例えば、無線基地局)から送信することができる(Co-located CA)。この場合、LTE−U基地局は、ライセンスバンドと非ライセンスバンドを利用してユーザ端末と通信を行うことができる。
【0017】
あるいは、
図1Cに示すように、ライセンスバンドのDL信号と非ライセンスバンドのDL信号を、それぞれ異なる送信ポイントから送信することも可能である(Non-Co-located CA)。この場合、一方のDL信号(例えば、ライセンスバンドのDL信号)を無線基地局から送信し、他方のDL信号(例えば、非ライセンスバンドのDL信号)を当該無線基地局に接続するRRH(Remote Radio Head)等から送信することができる。この場合、ライセンスバンドを利用する送信ポイントと非ライセンスバンドを利用する送信ポイントは、バックホールリンク(例えば、光ファイバ等)で接続された構成とすることができる。
【0018】
また、
図1に示すように、LTE−Uの運用においてライセンスバンドのLTE(Licensed LTE)があることを前提とした非ライセンスLTE(LTE-Unlicensed)をLAA(Licensed-Assisted Access)とも呼ぶ。ライセンスLTEと非ライセンスLTEが連携してユーザ端末と通信する場合、非ライセンスバンドの通信に関する情報を、ライセンスバンドを利用してユーザ端末に通知することができる。
【0019】
また、上記
図1に示す運用形態では、例えば、ライセンスバンドCCをプライマリセル(PCell)、非ライセンスバンドCCをセカンダリセル(SCell)として利用することができる。ここで、プライマリセル(PCell)とは、CAを行う場合にRRC接続やハンドオーバを管理するセルであり、端末からのデータやフィードバック信号を受信するためにUL伝送も必要となるセルである。CAを行う場合、プライマリセルは上下リンクともに常に設定される。セカンダリセル(SCell)とは、CAを適用する際にプライマリセルに加えて設定する他のセルである。セカンダリセルは下りリンクだけ設定することもできるし、上下リンクを同時に設定することもできる。
【0020】
ところで、非ライセンスバンドは、ライセンスバンドと異なり特定の通信事業者(オペレータ)のみの使用に限られない。一般的に、異なるオペレータ間で、他のオペレータのセルプランニング(セル配置)を制御することは困難である。さらに、非ライセンスバンドでは、ライセンスバンドでサービスを提供しているオペレータ以外の非オペレータ(例えば、個人や無線通信事業者としての免許を付与されていない企業人など)がLTE−U基地局を設置することも考えられる。
【0021】
また、異なるオペレータや非オペレータが運用するLTE−U基地局やWi−Fi間では、同期、協調及び/又は連携等がなされずに運用されることも想定される。かかる場合、異なるオペレータのLTE−UやWi−Fiシステムが同一周波数又は隣接周波数を使用する可能性があるため、相互干渉が大きな課題となる。
【0022】
そのため、非ライセンスバンドでは、他のシステムとの干渉を抑制するために、LBT(Listen Before Talk)メカニズムに基づく送信制御(送信の停止、送信タイミング制御等)を採用することが考えられる。ここで、LBTメカニズムとは、DL信号を送信する前にリスニング(LBT)を実行して、他のアクセスポイントから送信されるDL信号の検出/測定を行う動作を指す。各送信ポイントは検出結果(LBT結果)に応じて送信制御(例えば、送信停止等)を行う。
【0023】
Wi−Fiシステムでは、既にLBTメカニズムに基づく送信制御が導入されている。具体的にWi−Fiシステムでは、DL送信を行う前に送信予定の周波数でリスニング(LBT)を実行する(
図2参照)。リスニングの結果、干渉となる他の通信システム(他オペレータLTE−U、Wi−Fi等)の信号が検出された場合(干渉検出)には信号送信を中止し、一定期間経過後に再度LBTを行う(LBT+ランダムバックオフ)。また、リスニングの結果、干渉となる他の通信システムの信号が検出されない場合(非干渉検出)には信号送信を行う。なお、LBTは所定周期(例えば、数ms)毎に行うことができる。
【0024】
そこで、LTE−UシステムにおいてもWi−Fiシステムと同様に、LBTメカニズムに基づく送信制御(LBT+ランダムバックオフ)を行うことが考えられる(
図3参照)。DLにおいては、無線基地局が非ライセンスバンドでDL信号(例えば、PDCCH信号やPDSCH信号)を送信する前にLBTを実行し、当該LBT結果に応じてDL送信を制御する。また、ULにおいては、ユーザ端末が非ライセンスバンドでUL信号(例えば、PUSCH信号)を送信する前にLTBを実行し、当該リスニング結果に応じてUL送信を制御することが考えられる。
【0025】
なお、
図3の下りリンクでは、無線基地局が非ライセンスバンドで実施した2回のLBT結果が干渉非検出(送信好適)であり、DL信号(例えば、PDCCH信号)を送信する場合を示している。また、
図3の上りリンクでは、ユーザ端末が非ライセンスバンドで実施した1回目のLTB結果が干渉検出(送信不適)であり、UL信号(例えば、PUSCH信号)の送信を停止する場合、2回目のLTB結果が干渉非検出(送信好適)であり、UL信号(例えば、PUSCH信号)の送信を行う場合を示している。
【0026】
しかし、LTEシステムでは、ユーザ端末は無線基地局からの下り制御情報(DCI)に含まれるUL送信指示(ULグラント)に基づいてUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信を行う。具体的に、ユーザ端末は、無線基地局から送信される下り制御信号(UL グラント)を受信した場合、所定期間(例えば、4ms)後のサブフレームでULデータ信号の送信を行う。この点において、端末が自発的に送信を行うWi−Fiシステム(Random accessベース)のUL送信動作と異なっている。
【0027】
そのため、LTE−Uの非ライセンスバンド(LAA)でLBTをサポートする場合、ユーザ端末は、下り制御信号を受信してULグラントを検出したら、所定期間後にLBTを行い、LBT結果が干渉非検出(以下、「送信好適」とも記す)である場合にULデータ信号を送信する。一方、ユーザ端末は、LBTの結果が干渉検出(以下、「送信不適」とも記す)である場合にULデータ信号の送信を中止する。この場合、ユーザ端末側でULグラントを正常に受信できても、ULデータ信号の送信を行わない場合が生じる。
【0028】
既存のLTEシステムにおいて、無線基地局は、UL送信を指示したユーザ端末からULデータ信号が送信されない場合、ユーザ端末がULグラントを検出できず、ULデータ信号(PUSCH信号)を送信しない(DTX)と認識する。DTXは、通信品質が悪い場合を示しており、無線基地局は「NACK」と等価であると判断して、適応制御を行って品質を確保する。
【0029】
一方で、上記
図3に示したように、非ライセンスバンドにおいてユーザ端末がLBT結果に応じて送信制御を行う場合、無線基地局はユーザ端末側でULグラントが正常に受信された場合であっても「DTX」と認識するおそれがある。つまり、LTE−UのUL伝送でLBTをサポートする場合、DTXとして、ユーザ端末が下り制御情報(ULグラント)を受信ミスした場合(
図4A参照)と、下り制御情報を正確に受信したがLBT結果が“送信不適”である場合(
図4B参照)の2種類の種別がある。
【0030】
図4Aに示すDTXは、従来と同様にユーザ端末のULグラントの受信ミスに起因するものであるため、無線基地局は適応制御を行って品質を確保するように制御する。一方で、
図4Bに示すDTXは、ユーザ端末はULグラントを検出できているため、無線基地局は、適応制御を行う必要はなく、
図4Aに示すDTXの場合とは異なる制御(例えば、利用する周波数変更等)を行うことが望ましい。
【0031】
そこで、本発明者等は、無線基地局が、ユーザ端末が実施するLBTの結果に基づいてUL送信制御を行うことにより、ユーザ端末がDTX状態であると判断した場合であっても不要な適応制御を抑制することを見出した。また、本発明者等は、LAAでは、ユーザ端末が非ライセンスバンドセルを用いる際に、LBTを行わないライセンスバンドセルと接続している点に着目した。つまり、ユーザ端末は、LBT結果が“送信不適”であり、非ライセンスバンドでUL送信を停止する場合であってもライセンスバンドではUL信号の送信が可能である点に着目し、LBT結果に関する情報をライセンスバンドを用いて無線基地局に報告することを着想した。
【0032】
これにより、LTE−UのUL伝送においてLBTをサポートする場合であっても、無線基地局側において、UL送信指示をしたユーザ端末からUL送信が行われなかった原因(DTXの種別)を正確に把握することが可能となる。その結果、無線基地局はユーザ端末に対して適切なUL送信制御を行うことができる。
【0033】
また、ユーザ端末から報告するLBT結果は、ライセンスバンドの物理チャネル、参照信号、MAC CE、又はメジャメント報告の一部として無線基地局に報告することができる。また、ユーザ端末から無線基地局に報告するLBT結果は、送信不適の場合のみ報告してもよいし、送信好適の場合と送信不適の場合についてそれぞれ報告してもよい。
【0034】
以下に本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
(第1の態様)
第1の態様では、非ライセンスバンドにおいてユーザ端末が実施したLBT結果をライセンスバンドの物理チャネル、参照信号等を利用して報告する場合を説明する(
図5参照)。
【0036】
図5に示すように、ユーザ端末が、非ライセンスバンドにおいて下り制御情報(ULグラント)を適切に受信した場合、ULデータ信号を送信する前にLBTを行う。LBT結果が“送信好適”である場合、ユーザ端末はULグラントの指示に基づいてULデータ信号を送信する。一方で、LBT結果が“送信不適”である場合には、ユーザ端末はULデータ信号の送信は行わず、当該LBT結果(送信不適)に関する情報をライセンスバンドの物理チャネル、参照信号等を用いて無線基地局に送信する。
【0037】
物理チャネルとしては、上り制御チャネル(PUCCH)、ランダムアクセスチャネル(PRACH)、上り共有チャネル(PUSCH)等が利用でき、参照信号としては、上り測定用参照信号(SRS)、チャネル状態測定用参照信号(CSI)等を利用できる。
【0038】
ユーザ端末が実施したLBT結果の報告にPUCCH、PRACH又はSRS等の物理リソースを利用する場合、LBT結果が“送信好適”又は“送信不適”であることを1ビット又は2ビット情報として報告することができる。この場合、ユーザ端末は、LBT後の所定タイミング(所定のサブフレーム)でLBT結果に関する情報を送信する。
【0039】
なお、ユーザ端末がLBT結果報告用にPUCCH、PRACH又はSRS等の物理リソースを利用する場合、当該物理リソースは、無線基地局から上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)を用いてユーザ端末に通知する。あるいは、無線基地局から非ライセンスバンドにおけるPUSCHのULグラントを利用してユーザ端末に指示することができる。
【0040】
また、ユーザ端末がLBT結果の報告にライセンスバンドにおける周期的CSI(periodic CSI)の物理リソースを利用する場合、CSIリソースの一部の情報をLBT結果で置き換えることができる。また、ユーザ端末は、LBT後の所定タイミング(例えば、4ms後のサブフレーム)で送信される周期的CSIを用いて報告を行う。CSIのペイロードサイズによっては、より詳細なLBT結果の報告が可能となる。
【0041】
また、ユーザ端末がLBT結果の報告にPUSCHの物理リソースを利用する場合、非ライセンスバンド(LAA)のULグラントで指示されるUL送信タイミングと同一タイミングのライセンスバンドのPUSCHに多重する。当該タイミングにおいて、ライセンスバンドのPUSCH送信が指示(ULグラント)されていない場合には、ユーザ端末はLBT結果を報告しない構成としてもよい。以下に、LBT結果をPUCCH、SRS、PUSCHを利用して報告する場合について、さらに詳細に説明する。
【0042】
<PUCCH>
ユーザ端末が、非ライセンスバンドのLBT結果をライセンスバンドのPUCCHを利用して送信する場合、所定のタイミングでLBT結果をフィードバックする。例えば、LBT結果が“送信不適”である場合、ユーザ端末は、本来LBT結果が“送信好適”である場合に非ライセンスバンドで送信する予定であったサブフレームタイミング(例えば、4ms後のサブフレーム)で、ライセンスバンドのPUCCHを用いてLBT結果を送信する。
【0043】
つまり、本実施の形態では、ULグラントを適切に受信したユーザ端末は、LBT結果が“送信好適”である場合に非ライセンスバンドを用いてULデータを送信し、LBT結果が“送信不適”である場合に非ライセンスバンドにおけるULデータの送信を停止すると共に、ライセンスバンドを用いてLBT結果を報告する。
【0044】
通常、無線基地局は、ULグラントを送信したユーザ端末からULデータ信号の送信がない場合には“DTX”と判断する。しかし、本実施の形態では、無線基地局は、LBT結果が含まれるライセンスバンドのPUCCHを検出することにより、ULの非ライセンスバンドが“送信不適”であると判断することができる。これにより、無線基地局は、非ライセンスバンドにおけるユーザ端末の送信好適/送信不適を正確に把握して、UL信号のスケジューリングを適切に行うことが可能となる。
【0045】
また、LBT結果が“送信不適”である場合のPUCCH送信のタイミングを、非ライセンスバンドのUL送信タイミング(ULグラント指示)と同一にすることにより、スケジューリング制御の複雑化を抑制することができる。また、非ライセンスバンドのUL送信タイミングでライセンスバンドも送信するため、送受信を同時に行うことができないHalf−duplex端末に対しても同様の仕組み(UL送信メカニズム)を適用することが可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態は、上りリンク(UL)と下りリンク(DL)を周波数で分割する周波数分割複信(FDD)と、上りリンクと下りリンクを時間で分割する時間分割複信(TDD)の双方に適用することができる。
【0047】
例えば、ライセンスバンドがFDDセル、非ライセンスバンド(LAA)がTDDセルとして設定され、ユーザ端末が非ライセンスバンドのLBT結果(例えば、送信不適)をライセンスバンドで送信する場合を想定する。この場合、無線基地局は、ユーザ端末に対して非ライセンスバンドのTDDで利用するUL/DL構成を設定(Configure)する。ユーザ端末は、TDDのUL/DL構成のULサブフレーム(PUSCH送信タイミング)に基づいて、ライセンスバンド(FDD)で送信するLBT結果の送信タイミングを制御することができる。
【0048】
つまり、LBT結果が“送信不適”である場合、ユーザ端末は、本来LBT結果が“送信好適”である場合に非ライセンスバンド(TDD)のULサブフレームで送信する予定であったサブフレームタイミングで、ライセンスバンド(FDD)のPUCCHを用いてLBT結果を送信する。なお、非ライセンスバンド(TDD)のULサブフレームで送信する予定であったサブフレームタイミングは、ユーザ端末に設定されるUL/DL構成毎に決定される。
【0049】
図6は、本実施の形態で利用可能なUL/DL構成を示している。例えば、ユーザ端末にUL/DL構成2が設定される場合を想定する。この場合、サブフレーム3で非ライセンスバンドを介して送信されるULグラントで指示されるPUSCH信号の送信は、サブフレーム7で行う。同様に、サブフレーム8で送信されるULグラントで指示されるPUSCH信号の送信はサブフレーム2で行う。
【0050】
そのため、ユーザ端末が非ライセンスバンドのLBT結果をライセンスバンドのPUCCHで報告する場合、非ライセンスバンドでULデータ信号を送信する予定であったタイミングと同じタイミングで行う。例えば、ユーザ端末は、非ライセンスバンドにおいてサブフレーム3で送信されるULグラントで指示されたULデータ信号のLBT結果(送信不適)に関する情報を、サブフレーム7のライセンスバンドのPUCCHで行う。これにより、スケジューリング制御の複雑化を抑制することができる。
【0051】
ところで、上述したように、ライセンスバンドのPUCCHを利用してLBT結果を送信する場合、当該LBT結果を割当てるPUCCHリソースをどのように決定するかが問題となる。そこで、本実施の形態では、LBT結果報告用PUCCHリソースを、非ライセンスバンドのPUSCH送信を指示するULグラントを用いてユーザ端末に指示することができる(
図7参照)。例えば、ユーザ端末は、非ライセンスバンドのULグラントに含まれる情報ビットを用いてLBT結果報告用のライセンスバンドPUCCHリソースを特定する。又は、ユーザ端末は、非ライセンスバンドのULグラントの検出で得られる情報(リソース番号、アグリゲーションレベル(Aggregation level)等)を用いてLBT結果報告用のライセンスバンドPUCCHリソースを特定してもよい。
【0052】
つまり、ユーザ端末は、LBT結果が“送信好適”である場合、非ライセンスバンドのPUSCH割当て情報に基づいて、非ライセンスバンドのPUSCHにULデータ信号を割当てる。一方で、LBT結果が“送信不適”である場合、非ライセンスバンドのULグラントを利用して、ライセンスバンドのPUCCHにLBT結果に関する情報を割当てる。
【0053】
このように、LBT結果を割当てるライセンスバンドのPUCCHリソースを、非ライセンスバンドの下り制御情報(例えば、ULグラント)に含まれる情報を利用して決定することにより、LBT結果報告用のPUCCHを動的にスケジューリングすることができる。
【0054】
あるいは、LBT報告用PUCCHリソースをあらかじめ上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)を用いてユーザ端末に通知してもよい。この場合、ユーザ端末は、スケジューリング要求(Scheduling Request)やCSI報告と同様に、RRCシグナリングで設定される周期リソースを用いてLBT結果を報告する。例えば、ユーザ端末は、周期的CSI報告用の一部のビットを、LBT結果報告用のビットとして利用してもよい。あるいは、ライセンスバンドのPUCCHに新たにLBT結果報告用のリソースを追加してもよい。
【0055】
このように、LBT結果報告用のPUCCHリソースを上位レイヤシグナリングを用いてユーザ端末に通知することにより、ULグラントのペイロードサイズが増加することを抑制することができる。また、ULグラントのリソース制約が生じることを抑制してPUCCHリソースの割当てが可能となる。
【0056】
<SRS>
ユーザ端末は、LBT結果報告をライセンスバンドのSRSを用いて行うことも可能である(
図8参照)。例えば、非ライセンスバンドにおけるLBT結果が“送信不適”である場合、ライセンスバンドの所定リソースでSRSを送信する。LBT結果報告にSRSを利用することにより、PUCCHを利用する場合と比較して低オーバーヘッドでLBT結果報告が可能となる。
【0057】
また、本実施の形態では、ULデータ信号(PUSCH信号)の送信を指示するULグラントに含まれる非周期SRS(A−SRS)トリガビットを利用して、LBT結果の報告を制御してもよい。
【0058】
無線基地局から非ライセンスバンドで送信されるULグラント(例えば、DCIフォーマット0、4)には、ユーザ端末にSRSを送信させるためのA−SRSのトリガビットが含まれている。通常、A−SRSトリガビットはPUSCHと同じ周波数帯でのSRSをトリガする。つまり、非ライセンスバンドのULグラントには、非ライセンスバンドのSRSの送信をトリガする。
【0059】
本実施の形態では、非ライセンスバンドのULグラントに含まれるA−SRSトリガを利用して、LBT結果に応じてSRSの送信周波数帯を変更する(
図8参照)。例えば、ユーザ端末が非ライセンスバンドで送信されたULグラントを適切に受信し、LBT結果が“送信好適”の場合、ユーザ端末は非ライセンスバンドでSRSを送信する(通常のSRS動作)。
【0060】
一方で、ユーザ端末が非ライセンスバンドで送信されたULグラントを適切に受信し、LBT結果が“送信不適”の場合、ユーザ端末はライセンスバンドでSRSを送信する(LBT結果報告)。無線基地局は、非ライセンスバンドでA−SRSをトリガした際に、ライセンスバンドでSRSを受信した場合に、ユーザ端末のLBT結果が“送信不適”であると認識することができる。
【0061】
なお、ライセンスバンドのSRSリソースや非ライセンスバンドのSRSリソースは、あらかじめ上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング等)を用いてユーザ端末に通知することができる。
【0062】
このように、A−SRSトリガを利用して、LBT結果に応じてSRSの送信周波数帯を変更することにより、非ライセンスバンドが“送信好適”な場合はSRSを非ライセンスバンドの参照信号(Sounding信号)として利用できる。一方、非ライセンスバンドが“送信不適”な場合はSRSをLBT結果報告用の信号として用いることができるため、SRSの送信を有効活用することが可能となる。また、LBT結果報告用のSRSトリガとして、既存のULグラントの情報ビットを再利用するため、ペイロードサイズの増加を抑制することができる。
【0063】
<PUSCH>
ユーザ端末は、LBT結果報告をライセンスバンドのPUSCHを用いて行うこともできる。例えば、ユーザ端末は、LBT結果の報告タイミングでライセンスバンドのPUSCHが割当てられている場合、当該ライセンスバンドのPUSCHにLBT結果を多重して送信する。一方で、LBT結果の報告タイミングでライセンスバンドのPUSCHが割当てられていない場合、LBT結果報告を行わない構成とすることができる。
【0064】
なお、LBT結果の報告タイミングとしては、上述したように、LBT結果が“送信好適”である場合に非ライセンスバンドで送信する予定であったサブフレームタイミングとすることができる。
【0065】
このように、ライセンスバンドのPUSCHを利用してLBT結果を送信することにより、LBT結果報告のために新たな個別リソースを必要としないため、リソース使用効率の低下を抑制することができる。また、無線基地局は、LBT結果報告用のリソース設定のためにスケジューリング割当て処理を不要とすることができる。
【0066】
また、無線基地局がユーザ端末にLBT結果を報告させたい場合には、ライセンスバンドと非ライセンスバンドのULデータ信号の送信指示(ULグラント)を同一タイミングで設定すればよい。これにより、非ライセンスバンドのLBT結果が“送信不適”である場合に、ユーザ端末は、ライセンスバンドのPUSCHを利用してLBT結果を報告することができる。
【0067】
(第2の態様)
第2の態様では、非ライセンスバンドにおいてユーザ端末が実施したLBT結果(例えば、送信不適)をMAC制御要素(MAC CE:Medium Access Control Control Element)を利用して報告する場合を説明する。MAC制御要素は、MACレイヤでの制御に用いられる制御情報である。
【0068】
ユーザ端末は、LBT結果が“送信不適”である場合、所定のタイミングでライセンスバンドのMAC CEを利用してLBT結果を送信する。例えば、ユーザ端末は、LBT結果の報告タイミングでライセンスバンドのPUSCHが割当てられている場合、当該ライセンスバンドのPUSCH送信時に、LBT結果をMAC CEに多重して送信する。一方で、LBT結果の報告タイミングでライセンスバンドのPUSCHが割当てられていない場合、当該報告タイミングではLBT結果をMAC CEに多重しない構成とすることができる。
【0069】
なお、LBT結果の報告タイミングとしては、上述したように、LBT結果が“送信好適”である場合に非ライセンスバンドで送信する予定であったサブフレームタイミングとすることができる。また、既存のLTEのパワーヘッドルーム報告(PHR:Power Headroom Report)と同様に、タイマに基づいてLBT結果報告トリガを定めてもよい。
【0070】
このように、LBT結果を所定のタイミングでMAC CEに多重して送信することにより、LBT結果報告のために新たな個別リソースを必要としないため、リソース使用効率の低下を抑制することができる。また、無線基地局は、LBT結果報告用のリソース設定のためにスケジューリング割当て処理を不要とすることができる。
【0071】
また、無線基地局がユーザ端末にLBT結果を報告させたい場合には、ライセンスバンドと非ライセンスバンドのULデータ信号の送信指示(ULグラント)を同一タイミングで設定すればよい。さらに、ユーザ端末は、LBT結果(例えば、送信不適)に関する情報をMACヘッダで報告するため、上りデータのペイロードを圧迫することを抑制することができる。
【0072】
なお、MAC CEによるLBT結果報告では、1度の結果送信で、過去複数回分のLBT結果を報告してもよい。このようにすることで、無線基地局側は、直近のLBT結果に加え、過去の平均的なLBT結果を知ることができるため、ユーザ端末の環境や干渉状態も把握することができる。
【0073】
(第3の態様)
第3の態様では、非ライセンスバンドにおいてユーザ端末が実施したLBT結果を、ライセンスバンドのPUSCHを用いてメジャメントレポート(Measurement report)として報告する場合を説明する。この場合、ユーザ端末は、LBT結果(送信好適/送信不適)だけでなく、他の通信システム(例えば、Wi−Fi、他のオペレータLTE−U)の非ライセンスバンドの信号の有無等をあわせて報告してもよい。
【0074】
具体的には、ユーザ端末は、ライセンスバンドのPUSCHを用いたメジャメントレポートとして、LBT結果に加えて、各LBTタイミングにおける受信電力情報を報告することができる。LBTタイミングにおける受信電力情報としては、LTE信号の受信電力の平均値、他セルからのRSRPの合計電力、及び/又は送受信電力の平均値(RSSI)等が挙げられる。
【0075】
メジャメントレポートを利用することにより、無線基地局は、ある程度の期間(数百msオーダー)における周波数チャネルの使用状況を把握して、非ライセンスバンドにおけるDL/UL送信割当ての有無を判断することができる。例えば、無線基地局は、ユーザ端末から報告されるメジャメントレポートに基づいて、非ライセンスバンドにおけるトラフィック量が多い場合には、非ライセンスバンドにおけるDL/UL送信割当てを停止、又は周波数を切り替えて行うことができる。
【0076】
また、非ライセンスバンドにおいて、LTE信号の干渉が支配的でLBT結果が“送信不適”である場合、ユーザ端末側の非ライセンスバンドにおける送信条件を緩和して、送信可能な状態に設定することも可能である。これは、LTEシステムは、受信機機能の観点でWi−Fi等の他の通信システムより優れているためである。
【0077】
なお、メジャメントレポートとしてLBT結果を報告する場合、1度の結果送信で、過去複数回分のLBT結果を平均して報告してもよい。このようにすることで、無線基地局側は、過去の平均的なLBT結果を知ることができるため、ユーザ端末の環境や干渉状態も把握することができる。
【0078】
(第4の態様)
ユーザ端末にUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信指示を制御する下り制御信号(ULグラント)には、UL送信電力を制御するTPCコマンドが含まれている。通常、ライセンスバンドにおいてユーザ端末がULグラントを正しく受信した場合には、ユーザ端末は、ULグラントに含まれるTPCコマンドをUL信号の送信電力に反映させる。
【0079】
一方で、上述したように、非ライセンスバンド(LAA)では、ユーザ端末がULグラントを正しく受信した場合であっても、UL信号(例えば、PUSCH信号)を送信しないケース(LBT結果が“送信不適”の場合)が生じる。また、ユーザ端末は、ULグラントで通知されるTPCコマンドは累積して制御する。そのため、非ライセンスバンドで送信されるULグラントのTPCコマンドを非ライセンスバンドのPUSCHの送信電力制御に反映させていくと、LBT結果が“送信好適”となった場合の送信電力が過剰となるおそれがある。
【0080】
例えば、
図9に示すように、ユーザ端末が非ライセンスバンドにおいて、ULグラントを正しく受信してTPCコマンドに基づいてUL送信電力制御を行うが、LBT結果によりUL送信を行わない場合を想定する。かかる場合、ユーザ端末は、次に実施するLBT結果が“送信好適”である場合、ULグラント2個分のTPCコマンドが反映され、過剰な電力で送信を行うおそれがある。
【0081】
そこで、本実施の形態では、非ライセンスバンドにおけるLBT結果とULグラントに含まれるTPCコマンドの適用を対応付けて制御する。具体的には、
図10に示すように、ユーザ端末が非ライセンスバンドにおいて、ULグラントは受信出来たがLBTの結果が“送信不適”である場合、当該ULグラントに含まれるTPCコマンドはUL信号の送信電力に反映せず、破棄する(累積しない)。つまり、ユーザ端末は、ULグラントを受信でき、且つLBTの結果が“送信良好”である場合のみ、TPCコマンドを送信電力に反映する(TPCコマンドを累積する)。
【0082】
このように、非ライセンスバンドにおけるLBT結果とULグラントに含まれるTPCコマンドの適用を対応付けて制御することにより、LBTの結果に関わらず非ライセンスバンドにおいて適切にUL送信電力を制御することが可能となる。
【0083】
(無線通信システムの構成)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記第1の態様〜第4の態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記第1の態様〜第4の態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
【0084】
図11は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。なお、
図11に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域幅を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)を適用することができる。また、
図11に示す無線通信システムは、ライセンスバンド及び非ライセンスバンドを利用することができる。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれても良い。
【0085】
図11に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。例えば、マクロセルC1をライセンスバンドで利用し、スモールセルC2を非ライセンスバンド(LTE−U)で利用する形態が考えられる。
【0086】
あるいは、無線基地局11がライセンスバンド及び非ライセンスバンドを利用する形態であってもよい。この場合、無線基地局11が形成するライセンスバンドのセルと非ライセンスバンドのセルのサイズが異なっていてもよい。
【0087】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CAにより同時に使用することが想定される。例えば、無線基地局11からユーザ端末20に対して、無線基地局12(例えば、LTE−U基地局)に関するアシスト情報を送信することができる。
【0088】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrier等と呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz等)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12(又は、無線基地局12間)間は、有線接続(Optical fiber、X2インタフェース等)又は無線接続した構成とすることができる。
【0089】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0090】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、eNodeB、マクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、RRH(Remote Radio Head)、マイクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
【0091】
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0092】
ここで、
図11に示す無線通信システムで用いられる通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH、拡張PDCCH)とを有する。PDSCHにより、ユーザデータ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。また、拡張PDCCH(EPDCCH)により、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報等が伝送されてもよい。このEPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重される。
【0093】
上りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI)、送達確認信号(ACK/NACK)等が伝送される。
【0094】
図12は、本実施の形態に係る無線基地局10(無線基地局11及び12を含む)の全体構成図である。無線基地局10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103(送信部/受信部)と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インタフェース106とを備えている。
【0095】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インタフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0096】
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下りリンクの制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0097】
また、ベースバンド信号処理部104は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報等)により、ユーザ端末20に対して、当該セルにおける通信のための制御情報(システム情報)を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅等が含まれる。
【0098】
また、無線基地局10からユーザ端末に対して、非ライセンスバンドのLBT結果を割当てるための無線リソース(例えば、PUCCHリソース等)に関する情報を送信してもよい。
【0099】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
【0100】
一方、上りリンクによりユーザ端末20から無線基地局10に送信されるデータについては、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
【0101】
ベースバンド信号処理部104では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インタフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0102】
図13は、本実施の形態に係る無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104の主な機能構成図である。なお、
図13では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0103】
図13に示すように、無線基地局10は、制御部301(スケジューラ)と、制御情報生成部302と、データ信号生成部303と、マッピング部304と、UL信号受信処理部305と、を有している。
【0104】
制御部301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又は拡張PDCCH(EPDCCH)で伝送される下り制御信号(ULグラント、DL割当て)のスケジューリングを制御する。また、システム情報、同期信号、CRS、CSI−RS等の下り参照信号等のスケジューリングの制御も行う。
【0105】
例えば、制御部301は、非ライセンスバンド及び/又はライセンスバンドにおけるユーザ端末のUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信を制御し、ULグラントの生成を制御情報生成部302に指示する。また、制御部301は、UL送信指示を行ったユーザ端末から送信されるUL信号の受信有無に基づいて、UL信号の送信制御(適応制御)を行う。この際、制御部301は、ユーザ端末からライセンスバンドを用いて送信される非ライセンスバンドのLBT結果も考慮して、UL信号の送信制御(例えば、適応制御等)を行う。
【0106】
制御情報生成部302は、制御部301からの指示に基づいて制御情報を生成する。例えば、制御情報生成部302は、ユーザ端末にULデータ信号の送信を指示するULグラント(例えば、DCIフォーマット0、4)を生成する。ULグラントには、非周期SRSトリガビット等を含めることができる。
【0107】
データ信号生成部303は、下りデータ信号(PDSCH信号)を生成する。また、マッピング部304は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号のマッピングを制御する。
【0108】
UL信号受信処理部305は、ユーザ端末から送信されるUL信号に対して受信処理(例えば、複合、復調等)を行う。UL信号受信処理部305は、ライセンスバンドを用いてユーザ端末から送信されるLBT結果(例えば、送信不適)を検出した場合には、制御部301へ出力する。
【0109】
図14は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203(送信部/受信部)と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205とを備えている。
【0110】
下りリンクのデータについては、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部204でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御(HARQ−ACK)の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0111】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(HARQ−ACK)の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。
【0112】
図15は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204の主な機能構成図である。なお、
図15においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0113】
図15に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、検出部401と、DL信号受信処理部402と、UL送信制御部403(制御部)と、制御信号生成部404と、データ信号生成部405と、参照信号生成部406と、マッピング部407と、を有している。
【0114】
検出部401は、非ライセンスバンドにおいて他の送信ポイント(AP)から送信される信号の検出(LBT)を行う。具体的には、検出部401は、所定タイミング(例えば、LBTを実施するタイミング)で他の送信ポイントからの信号の検出/測定を行い、当該検出/測定動作の結果をUL送信制御部403に出力する。この際、検出部401は、検出した信号の電力レベルが所定の閾値以上となる場合に限ってUL送信制御部403に通知してもよい。
【0115】
DL信号受信処理部402は、ライセンスバンド又は非ライセンスバンドで送信されるDL信号に対する受信処理(復号、復調等)を行う。例えば、DL信号受信処理部402は、下り制御信号(例えば、DCIフォーマット0、4)に含まれるULグラントを取得してUL送信制御部403に出力する。
【0116】
UL送信制御部403は、ライセンスバンドと非ライセンスバンドにおいて、無線基地局に対するUL信号(ULデータ信号、UL制御信号、参照信号等)の送信を制御する。また、UL送信制御部403は、検出部401からの検出結果(LBT結果)に基づいて、非ライセンスバンドにおける送信を制御する。つまり、UL送信制御部403は、無線基地局から送信されるUL送信指示(ULグラント)と、検出部401からの検出結果(LBT結果)を考慮して、非ライセンスバンドにおけるUL信号の送信を制御する。
【0117】
また、UL送信制御部403は、検出部401からの検出結果(LBT結果)に関する情報(例えば、送信不適)をライセンスバンドを用いて無線基地局に報告するように制御する。この際、UL送信制御部403は、非ライセンスバンドのLBT結果が“送信不適”の場合、当該非ライセンスバンドでUL信号を送信する予定であった送信タイミングでLBT結果に関する情報を送受信部203から送信するように制御する。
【0118】
また、UL送信制御部403は、LBT結果をライセンスバンドのPUCCHを用いて送信する場合、上位レイヤシグナリング、又は非ライセンスバンドで送信されるULグラントで指示される情報に基づいて、LBT結果を割当てるPUCCHリソースを決定し、マッピング部407に通知する。
【0119】
また、UL送信制御部403は、LBT結果が“送信不適”の場合、非ライセンスバンドにおけるULグラントに含まれる非周期SRSトリガに基づいて、ライセンスバンドでSRSを送信するように制御する。
【0120】
また、UL送信制御部403は、LBT結果が“送信不適”の場合、当該非ライセンスバンドでUL信号を送信する予定であった送信タイミングにおいてライセンスバンドのPUSCHの割当てがある場合に、当該PUSCHにLBT結果を多重して送信するように制御する。
【0121】
また、UL送信制御部403は、LBT結果に関する情報をMAC CE又はメジャメントレポートを用いて送信するように制御してもよい。この際、UL送信制御部403は、1度の結果送信で、過去複数回分のLBT結果を報告してもよい。これにより、無線基地局10は、直近のLBT結果に加え、過去の平均的なLBT結果を知ることができるため、ユーザ端末20の環境や干渉状態も把握することができる。
【0122】
制御信号生成部404は、UL制御信号(PUCCH信号)を生成する。また、制御信号生成部404は、UL送信制御部403からの指示に基づいて、非ライセンスバンドのLBT結果をPUCCH信号に含めて生成することができる。
【0123】
データ信号生成部405は、無線基地局から送信されるULグラントに基づいて、ULデータ信号(PUSCH信号)を生成する。また、データ信号生成部405は、UL送信制御部403からの指示に基づいて、非ライセンスバンドのLBT結果をPUSCH信号に含めて生成することができる。
【0124】
参照信号生成部406は、UL参照信号(SRS、CSI等)を生成する。また、参照信号生成部406は、UL送信制御部403からの指示に基づいて、非ライセンスバンドのLBT結果をUL参照信号に含めて生成することができる。
【0125】
マッピング部407は、UL送信制御部403からの指示に基づいて、UL信号のマッピングを行う。また、マッピング部407は、非ライセンスバンドにおけるLBT結果が“送信不適”である場合、当該LBT結果に関する情報をライセンスバンドの無線リソースに割当てる。
【0126】
また、ユーザ端末20は、非ライセンスバンドのLBT結果に基づいて、非ライセンスバンドのUL送信指示に含まれる電力制御コマンドの適用有無を制御する電力制御部を有していてもよい。
【0127】
以上のように、本実施の形態では、LTE−UのUL伝送においてLBTをサポートする場合、ユーザ端末から非ライセンスバンドのLBT結果をライセンスバンドを用いて無線基地局に通知する。これにより、無線基地局側において、UL送信指示をしたユーザ端末からUL送信が行われなかった原因(DTXの種別)を正確に把握することが可能となる。その結果、無線基地局はユーザ端末に対して適切なUL送信制御を行うことができる。
【0128】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。例えば、上述した複数の態様を適宜組み合わせて適用することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。