(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部は、前記通信部の通信状態が良好である場合に画像形成データ逐次処理を実行すると判断し、前記通信部の通信状態が良好でない場合に画像形成データ一括処理を実行すると判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
前記判断部は、前記通信部が前記ネットワークの無線接続装置から受信する電波の受信強度と所定の閾値との比較結果に応じて、前記通信部の通信の状態が良好であるか否かを認識することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による画像形成装置の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0011】
(A−1)実施形態の構成
図2は、この実施形態の画像形成装置10の接続構成について示したブロック図である。また、
図1は、この実施形態の画像形成装置10の機能的構成について示したブロック図である。
【0012】
画像形成装置10は、MFP(複合機)として機能する装置である。画像形成装置10は、少なくともプリンタ、FAX、コピー、スキャナとして機能するMFPであるものとする。
【0013】
この実施形態において、画像形成装置10は、無線LANインタフェースを用いてネットワークNに接続しているものとする。情報処理装置20は、印刷ジョブの印刷データ(画像形成データ)を供給するクライアント(ユーザ端末)であり、ネットワークNを介して画像形成装置10に接続しているものとする。情報処理装置20は、例えば、図示しないプリンタドライバを備えており、当該プリンタドライバにより印刷ジョブの印刷データが生成・送信される。画像形成装置10は、情報処理装置20から受信した印刷ジョブの印刷データに従って印刷用紙(媒体)に印刷する処理を行う。印刷データの形式については限定されないものであるが、例えば、PDL(Page Description Language)等の種々の記述形式で記述されたデータを適用することができる。
【0014】
画像形成装置10は、ネットワークNに接続する際、ネットワークN上の無線アクセスポイント30を経由する。すなわち、画像形成装置10は、ネットワークN上の無線アクセスポイント30に直接無線接続(無線LANインタフェースを用いた接続)を行う。
【0015】
次に、画像形成装置10の内部構成について説明する。
【0016】
画像形成装置10は、制御部110、第1の記憶部としての一次記憶部120、第2の記憶部としての二次記憶部130、通信部としての無線通信部140、操作表示部150、スキャナ160、FAX通信部170、及び画像形成部180を有している。
【0017】
制御部110は、画像形成装置10上の各構成要素を制御する機能を担っており、例えばプロセッサ等により構成することができる。
【0018】
一次記憶部120及び二次記憶部130は、画像形成装置10上の各種データを記憶する記憶手段の機能を担っている。この実施形態では、一次記憶部120が揮発メモリ(例えば、DRAMやSRAM等)で構成され、二次記憶部130が不揮発メモリ(例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM等)で構成されているものとする。なお、画像形成装置10における記憶手段の構成は上述の構成に限定されるものではなく種々の構成を適用することができる。例えば、画像形成装置10において、不揮発メモリのみで記憶手段を構成するようにしてもよい。
【0019】
以上のように、この実施形態の画像形成装置10では、制御部110をプロセッサ、一次記憶部120及び二次記憶部130を記憶手段として、データ処理や各種制御処理等を行うためのコンピュータが構成されているものとする。画像形成装置10において、このコンピュータにより実行される具体的な制御処理については後述する。
【0020】
無線通信部140は、ネットワークNと接続するための通信インタフェース(無線LANインタフェース)である。無線通信部140に適用する通信仕様は限定されないものであるが、例えば、Wi−Fi(登録商標)に対応した無線LANインタフェース(例えば、IEEE 802.11シリーズに対応した無線LANインタフェース)を適用することができる。また、無線通信部140に対する設定は限定されないものであるが、ここでは、無線通信部140は、無線アクセスポイント30を介してネットワークNに接続(リンク)するように設定されているものとする。
【0021】
操作表示部150は、ユーザインタフェース(直接のユーザインタフェース)として機能するものである。操作表示部150は、ユーザに対する情報出力する機能と、ユーザからの操作入力を受付ける機能とに対応している。操作表示部150は、例えば、液晶ディスプレイとハードキーの組み合わせやタッチパネルディスプレイ等により構成することができる。
【0022】
スキャナ160は、原稿(原稿用紙)をスキャン(走査)して画像データ(スキャンデータ)を生成するものである。スキャナ160は、FAX送信用原稿のスキャンや、コピー用原稿のスキャン等を行う。
【0023】
FAX通信部170は、供給された画像データに基づく画像信号(FAX信号)を図示しない電話回線(例えば、公衆電話回線)を介して送信先に送信するものである。FAX通信部170は、例えば、スキャナ160で読み込まれた画像データに基づく画像信号(FAX信号)を送信する。
【0024】
画像形成部180は、供給された画像データ(ラスタライズされた画像データ)に基づく画像を印刷用紙(媒体)に印刷(画像形成)するものである。画像形成部180が対応する印刷方式(画像形成方式)は限定されないものであるが、この実施形態の画像形成部180には、電子写真式の印刷方式が適用されているものとして説明する。具体的には、画像形成部180は、ラスタライズされた画像データに基づくトナー像(現像剤像)を現像して印刷用紙に転写し、定着させる処理が行われる。画像形成部180における具体的な印刷処理構成については種々の電子写真式のプリンタ(例えば、種々のLEDプリンタやレーザープリンタ等)と同様の構成(プロセス)を適用することができるため詳しい処理については省略する。
【0025】
次に、画像形成装置10における上述のコンピュータ(制御部110、一次記憶部120、及び二次記憶部130により構成されるコンピュータ)上の詳細構成(機能的構成)について説明する。
【0026】
この実施形態では、一次記憶部120には、印刷データに基づいてラスタライズ等の処理を行う際の作業領域としてラスタライズ処理領域121が確保されている。また、この実施形態では、二次記憶部130には、受信した印刷データをスプール(保留)するためのスプール領域132、及び制御部110が実行するプログラムが記憶されるプログラムデータ記憶領域133が確保されている。さらに、この実施形態では、二次記憶部130には、後述する制御処理に利用するための電波強度規定値テーブル131が記憶されている。
【0027】
制御部110は、起動すると二次記憶部130のプログラムデータ記憶領域133から所定のプログラムのデータを読み込んで実行する。この実施形態において、制御部110は、少なくとも、
図1に図示する判定部111、画像処理部112、及び印刷データ受信処理部113に相当するプログラムデータを読み込んで実行するものとする。すなわち、制御部110は、上述の所定のプログラムを実行することにより、判定部111、画像処理部112、及び印刷データ受信処理部113として機能するものとする。このとき、制御部110は、プログラムを実行する際の作業領域(ワークメモリ)として、一次記憶部120や二次記憶部130を利用するようにしてもよい。また、この実施形態では、判定部111、画像処理部112、及び印刷データ受信処理部113はソフトウェア的に構成されるものとして説明するが、その一部又は全部の処理をハードウェア的に構成(例えば、専用チップや回路等により構成)するようにしてもよい。
【0028】
次に、制御部110を構成する各機能(各プログラム)の詳細について説明する。
【0029】
画像処理部112は、印刷データ受信処理部113が受信した印刷データについて、印刷ページ(印刷画像)ごとにラスタライズした画像データ(画像形成部180で印刷する際の画像データ)を生成する。そして、画像処理部112は、ラスタライズした画像データを生成するごとに、画像形成部180に当該画像データを供給して印刷させる。画像処理部112は、判定部111の判断結果に従って、無線通信部140が受信した印刷データについて受信途中でも逐次ラスタライズ処理を行い、ラスタライズが完了した画像データを画像処理部112に供給して印刷処理を開始させる処理(例えば、受信が完了したページから逐次印刷を行う処理、以下「印刷データ逐次処理」と呼ぶ)、又は無線通信部140が受信完了した印刷データ(全ページ分の印刷データの受信が完了した印刷データ)についてラスタライズ処理を行って画像処理部112に印刷処理を開始させる処理(以下、「印刷データ一括処理」と呼ぶ)を実行する。
【0030】
以上のように、画像形成装置10では、画像処理部112及び画像形成部180により受信した印刷データ(画像形成データ)をラスタライズ処理して画像形成(印刷用紙に印刷)する画像形成処理部が構成されている。
【0031】
印刷データ受信処理部113は、無線通信部140を介して受信した印刷データについて、判定部111の判断に従って処理するものである。印刷データ受信処理部113は、判定部111が印刷データ逐次処理を行うと判断した場合、無線通信部140が受信中の印刷データを一次記憶部120のラスタライズ処理領域121に蓄積させる。また、印刷データ受信処理部113は、判定部111が印刷データ一括処理を行うと判断した場合、無線通信部140が受信中の印刷データを二次記憶部130のスプール領域132に蓄積(スプール)させる処理を行う。
【0032】
判定部111は、無線通信部140が印刷データを受信する際に、その通信状態に応じて、通信状態が所定以上の品質(通信状態が良好)であるか所定より低い品質(通信状態が不良)であるかを認識する。この実施形態において、判定部111は、無線通信部140における無線電波の受信強度(無線アクセスポイント30から受信する電波の受信強度)が閾値以上の場合、通信状態が所定以上の品質(通信状態が良好)と認識し、受信強度が閾値より小さい場合通信状態が所定より低い品質(通信状態が不良)と認識するものとして説明する。
【0033】
そして、判定部111は、通信状態が所定以上の品質(通信状態が良好)と認識した場合、印刷データ逐次処理を行うと判断し、通信状態が所定より低い品質(通信状態が不良)と認識した場合、印刷データ一括処理を行うと判断する。そして、上述の通り、画像処理部112及び印刷データ受信処理部113は、判定部111の判断結果に従った処理を行う。
【0034】
この実施形態の無線通信部140では、データの送信元ごとに受信強度の測定が可能であるものとして説明する。具体的には、無線通信部140において、パケット(イーサネット(登録商標)フレーム)の送信元ごと(送信元のMACアドレスごと)に電波の受信強度が測定可能であるものとして説明する。無線通信部140において電波の受信強度を測定する構成については、例えば、種々の無線LANインタフェースと同様の構成を適用することができるため、詳しい説明は省略する。
【0035】
この実施形態では、判定部111は、通信状態を認識する閾値として、二次記憶部130に記憶されている電波強度規定値テーブル131の値を適用するものとする。
【0036】
図3は、電波強度規定値テーブル131の構成例について示した説明図である。
【0037】
図3に示すように、この実施形態の電波強度規定値テーブル131には、電波強度の規定値Tが記憶されている。
図3に示す電波強度の規定値Tは「−70dBm」となっている。なお、この実施形態では、電波強度の規定値Tの単位は、受信強度を表すことができれば、「dBm」に限定されないものである。
【0038】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の画像形成装置10の動作を説明する。
【0039】
図4は、画像形成装置1の制御部110で、印刷データを受信して印刷処理を行う際の動作について示したフローチャートである。
【0040】
まず、情報処理装置20から画像形成装置10に印刷要求(印刷ジョブの印刷データ受信の要求)が供給されたものとする(S101)。この印刷要求は、印刷データ受信処理部113により受付けられたものとする。そして、印刷データ受信処理部113は、情報処理装置20と通信し、印刷データ受信を開始するシーケンスを実行したものとする。
【0041】
印刷データ受信処理部113が印刷データの受信を開始すると、判定部111が、無線通信部140から現在の通信状態(電波受信強度の値)を取得する(S102)。
【0042】
そして、判定部111は、二次記憶部130の電波強度規定値テーブル131から、閾値として電波強度の規定値T(この実施形態では「−70dBm」)を読み込んで取得する(S103)。なお、判定部111は、予め電波強度の規定値Tを読み込んでおくようにしてもよい。
【0043】
次に、判定部111は、無線通信部140から取得した電波受信強度の値と、電波強度の規定値Tとの比較結果に基づいて通信状態を認識する(S104)。具体的には、判定部111は、無線通信部140から読込んだ電波受信強度の値が電波強度の規定値T以上の場合(電波受信強度が−70dBm以上の場合)には、現在の通信状態は良好であると認識し、そうでない場合(電波受信強度が−70dBmより低い場合)には現在の通信状態は不良であると認識する。
【0044】
判定部111は、現在の通信状態が良好と認識した場合、印刷データ逐次処理を行うと判断する。この場合、制御部110は、後述するステップS105から動作する。一方、判定部111は、現在の通信状態が不良と認識した場合、印刷データ一括処理を行うと判断する。この場合、制御部110は、後述するステップS110から動作する。
【0045】
上述のステップS104で、現在の通信状態が良好であり、印刷データ逐次処理を行うと判断された場合、印刷データ受信処理部113は、受信した印刷データをラスタライズ処理領域121に蓄積する。そして、画像処理部112は、逐次ラスタライズ処理領域121に、1ページ分の印刷データが蓄積されるごとに、当該1ページ分の印刷データについてラスタライズ処理を行って画像形成部180に印刷処理を実行させる(S105)。
【0046】
一方、上述のステップS104で、現在の通信状態が不良であり、印刷データ一括処理を行うと判断された場合、印刷データ受信処理部113は、全ページの印刷データを二次記憶部130のスプール領域132にスプール(蓄積)する。そして、二次記憶部130のスプール領域132に、全ページの印刷データのスプールが完了(印刷データ受信が完了)すると、画像処理部112は、スプールされた印刷データについてラスタライズ処理を実行(印刷データをラスタライズ処理領域121に展開して処理)し、画像形成部180に印刷処理を実行させる(S110)。
【0047】
上述のステップS105で、画像処理部112及び印刷データ受信処理部113により、印刷データ逐次処理が開始されると、判定部111は、上述のステップS101で開始された印刷データ受信が完了するまでの間、通信状態を監視する処理を行う(ステップS106〜S108)。そして、判定部111は、監視中に通信状態が不良な状態に遷移した場合(ステップS107で通信状態不良と判定された場合)、印刷データ逐次処理を中断し、印刷データ一括処理への切替えを判断する。そして、印刷データ受信処理部113及び画像処理部112は、以後情報処理装置20から受信する印刷データについて、印刷データ一括処理を行う(S109)。
【0048】
具体的には、印刷データ受信処理部113は、残りの印刷データ(以後に受信する印刷データ)について、全て二次記憶部130のスプール領域132にスプールする。そして、二次記憶部130のスプール領域132に、全ページの印刷データのスプールが完了(印刷データ受信が完了)すると、画像処理部112は、スプールされた印刷データについてラスタライズ処理を実行(印刷データをラスタライズ処理領域121に展開して処理)し、画像形成部180に印刷処理を実行させる。なお、ステップS109の処理により、印刷データ一括処理への切替えが実行された場合、制御部110は、印刷データの受信(スプール)が完了するまでの間、画像処理部112の占有の解除(リソースの解放)を行い、その他の機能(例えば、コピー機能やFAX機能)に係る印刷処理を実行可能な状態とする。
【0049】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0050】
この実施形態の画像形成装置10では、印刷データを受信する際に通信状態が不良な場合(電波の受信強度が規定値Tより低い場合)に印刷データ一括処理(当該印刷データを全てスプールした後に印刷を開始する処理)を行い、通信状態が良好な場合(電波の受信強度が規定値T以上の場合)に印刷データ逐次処理(印刷データの受信途中でも逐次印刷を行う処理)を行う。これにより、画像形成装置10では、通信状態が不良な場合には、長時間の画像形成部180の占有を防ぐため、印刷データ一括処理を行い、通信状態が良好な場合には、早期に印刷処理を開始するために印刷データ逐次処理を行う。このように、画像形成装置10では、通信状態に応じて、印刷データ逐次処理と印刷データ一括処理とを切替えることにより、効率的な印刷処理を行うことができる。
【0051】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0052】
(B−1)上記の実施形態において、判定部111は、無線通信部140が受信する電波(無線アクセスポイント30)の受信強度に基づいて通信状態が良好であるか否かを認識しているが、その他のパラメータを用いて通信状態を認識(通信状態の情報を取得)するようにしてもよい。例えば、画像形成装置10(判定部111)は、印刷データを受信する際のエラー率(無線アクセスポイント30から受信したパケットのエラー率)やデータ転送速度(通信速度、スループット)に基づいて、通信状態が良好であるか否かを認識するようにしてもよい。
【0053】
(B−2)上記の実施形態では、画像形成装置10は無線通信によりネットワークNに接続しているが、有線接続(例えば、有線LANインタフェースを用いた接続)を行うようにしてもよい。その場合、画像形成装置10は、例えばネットワークN上の図示しないレイヤ2スイッチやルータ(レイヤ3スイッチ)等にイーサネットケーブルを用いて接続するようにしてもよい。また、この場合、画像形成装置10は、例えば、エラー率(直接イーサネッツケーブルで接続するスイッチから受信したパケットのエラー率)やデータ転送速度に基づいて、通信状態が良好であるか否かを認識するようにしてもよい。
【0054】
また、画像形成装置10が、有線LANインタフェースを用いてネットワークNに接続する場合、例えば、LANの接続速度(例えば、オードネゴシエーションにより決定されるLANインタフェースの種類)も考慮して通信状態が良好であるか否かを認識するようにしてもよい。例えば、画像形成装置10が、10Base−T、100Base−TX、又は1000Base−Tのいずれかで接続可能(例えば、オートネゴシエーションによりメディアの決定が可能)な有線LANインタフェースを備えていた場合を想定する。この場合、判定部111は、例えば、100Base−TX、又は1000Base−Tで接続する場合には通信状態を良好と判定し、10Base−Tで接続する場合には通信状態が不良と判定するようにしてもよい。
【0055】
(B−3)上記の実施形態では、無線通信部140は1つの無線アクセスポイント30とのみ接続すると説明したが、複数の無線ノードと通信可能なネットワーク構成(例えば、マルチホップ無線ネットワークの構成)を適用してもよい。この場合、判定部111は、直接通信可能な無線ノードのうち、印刷データを受信する際に経由する無線ノードとの通信状態(例えば、電波の受信強度)に基づいて通信状態が良好であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0056】
(B−4)上記の実施形態では、判定部111は、現在の通信状態に基づいて印刷データ逐次処理を行うか印刷データ一括処理を行うかを判定しているが、過去の通信状態の履歴に基づいて判断するようにしてもよい。例えば、ユーザID又はユーザ端末(情報処理装置20)に係る識別子ごとに、通信状態の履歴(例えば、過去の印刷データ受信時の電波受信強度やデータ転送速度)を保持しておき、次に同じ識別子を用いた印刷データの印刷を行う際に、保持している通信状態の履歴に基づいて、印刷データ逐次処理を行うか印刷データ一括処理を行うかを判定するようにしてもよい。例えば、制御部110は、端末ごと(例えば、送信元のMACアドレス、IPアドレス、ホスト名ごと)に、過去に印刷データを受信した際のデータ転送速度(例えば、印刷データを受信開始から受信終了までの平均ビットレート)を保持しておくようにしてもよい。そして、判定部111は、端末から印刷データを受信する際に、当該端末に係る過去のデータ転送速度の値が閾値より低い場合、当該端末に係る通信状態を不良とみなし、過去のデータ転送速度が閾値以上の場合当該端末に係る通信状態を良好とみなすようにしてもよい。これにより、制御部110では、同じ端末について複数回印刷データを受信して印刷を行う際に、2回目以後の判断処理を高速に行うことができる。
【0057】
(B−5)上記の実施形態では、上述の
図4のステップS106〜S109に示すように、判定部111は、一端印刷データ逐次処理を決定した後、通信状態の監視を継続し、通信状態が不良に遷移した場合に印刷データ一括処理に切替えるものとして説明したが、これらの処理(一端印刷データ逐次処理を決定した後のステップS106〜S109の処理)については省略するようにしてもよい。すなわち、判定部111は、一端印刷データ逐次処理を決定した後、印刷データ一括処理に切替える処理を行わない構成としてもよい。
【0058】
(B−6)上記の実施形態では、本発明の画像形成装置をスキャナ、FAX、コピー及びプリンタの機能に対応するMFPであるものとして説明したが、本発明の画像形成装置ではプリンタ以外の機能の組合せについては限定されないものである。