(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記所定タイミングとして、前記検査部の検査結果が不良となったときに、前記第2ウィンドウを表示させることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
前記表示制御部は、前記所定タイミングとして、前記操作部が所定操作を受けたときに、前記第2ウィンドウを表示させることを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
前記表示制御部は、前記検査画像を前記第1ウィンドウに、前記注目画像を前記第2ウィンドウに表示させることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のX線検査装置。
前記表示制御部は、前記注目画像を前記第1ウィンドウに、前記検査画像を前記第2ウィンドウに表示させることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のX線検査装置。
前記表示制御部は、前記操作部への所定操作を受け、前記第2ウィンドウの表示位置を移動させることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のX線検査装置。
前記表示制御部は、前記第2ウィンドウが表示されている状態で、さらに前記所定のタイミングとなったときに、前記第2ウィンドウに表示される表示内容を更新することを特徴とする請求項4に記載のX線検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のX線検査装置は、検査画像表示部とは別の部位に異物情報表示エリアを確保する必要があるため、検査済の被検査物の総数等を表示していた他の部位を縮小したり、異物情報表示エリアを表示するために表示器の表示領域を拡大する必要があった。このため、視認性を損なったり表示器および装置全体の大型化を招いてしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、表示器の表示領域を拡大させたり視認性を低下させることなく、現在の検査画像を確認しつつ順次更新される検査画像のうちの1つを確認することができるX線検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るX線検査装置は、X線を照射し、被検査物を透過したX線を検出して得られた検査画像を用いて前記被検査物を検査する検査部と、前記検査画像を表示するための検査画像表示部を有する表示器と、前記表示器の表示内容を制御する表示制御部と、入力等の操作を行う操作部と、を備えるX線検査装置において、前記表示制御部は、前記表示器の前記検査画像表示部に第1ウィンドウを、前記第1ウィンドウに一部または全部が重なるように前記第1ウィンドウより小さい第2ウィンドウを表示させ、かつ、前記第1ウィンドウまたは前記第2ウィンドウの一方に現在の前記検査画像を順次更新しながら表示させるとともに、所定タイミングで前記第1ウィンドウまたは前記第2ウィンドウの他方に前記検査画像のうちの1つを注目画像として静止表示させることを特徴とする。
【0009】
この構成により、第1ウィンドウまたは第2ウィンドウの一方には現在の検査画像が順次更新されながら表示され、第1ウィンドウまたは第2ウィンドウの他方には所定タイミングで注目画像が静止表示されるので、現在の検査画像を確認しつつ注目画像を確認することができる。
【0010】
また、第1ウィンドウに一部または全部が重なるように第1ウィンドウより小さい第2ウィンドウが表示されるので、第2ウィンドウを表示するために表示器の表示領域を拡大したり視認性を損なうことがない。
【0011】
この結果、表示器の表示領域を拡大させたり視認性を低下させることなく、現在の検査画像を確認しつつ注目画像を確認することができる。
【0012】
また、本発明に係るX線検査装置において、前記表示制御部は、前記所定タイミングとして、前記検査部の検査結果が不良となったときに、前記第2ウィンドウを表示させることを特徴とする。
【0013】
この構成により、検査部の検査結果が不良となったときに第2ウィンドウが表示されるので、常に第2ウィンドウが第1ウィンドウに重ねて表示される場合と比較して、第1ウィンドウの視認性を向上させることができる。また、検査結果が不良となったときは、現在の検査画像と注目画像とを同時に確認することができる。
【0014】
また、本発明に係るX線検査装置において、前記表示制御部は、前記所定タイミングとして、前記操作部が所定操作を受けたときに、前記第2ウィンドウを表示させることを特徴とする。
【0015】
この構成により、ユーザは所定操作により第2ウィンドウを表示させることで、現在の検査画像と注目画像とを同時に確認することができる。
【0016】
また、本発明に係るX線検査装置において、前記表示制御部は、前記検査画像を前記第1ウィンドウに、前記注目画像を前記第2ウィンドウに表示させることを特徴とする。
【0017】
この構成により、第2ウィンドウよりも大きな第1ウィンドウにおいて現在の検査画像を良好に確認しつつ、第2ウィンドウにおいて注目画像を確認することができる。
【0018】
また、本発明に係るX線検査装置において、前記表示制御部は、前記注目画像を前記第1ウィンドウに、前記検査画像を前記第2ウィンドウに表示させることを特徴とする。
【0019】
この構成により、第2ウィンドウよりも大きな第1ウィンドウにおいて注目画像を良好に確認しつつ、第2ウィンドウにおいて現在の検査画像を確認することができる。
【0020】
また、本発明に係るX線検査装置において、前記表示制御部は、前記操作部への所定操作を受け、前記第2ウィンドウの表示位置を移動させることを特徴とする。
【0021】
この構成により、ユーザは所定操作により第2ウィンドウを表示させることで、第1ウィンドウへの第2ウィンドウの重なり具合を調整できるので、第1ウィンドウの検査画像が第2ウィンドウに遮られないようにすることができる。
【0022】
また、本発明に係るX線検査装置において、前記表示制御部は、前記第2ウィンドウが表示されている状態で、さらに前記所定タイミングとなったときに、前記第2ウィンドウに表示される表示内容を更新することを特徴とする。
【0023】
この構成により、第2ウィンドウの表示内容を所定タイミングの発生毎に更新することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、表示器の表示領域を拡大させたり視認性を低下させることなく、現在の検査画像を確認しつつ順次更新される検査画像のうちの1つを確認することができるX線検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、構成を説明する。
【0027】
図1において、X線検査装置1は、搬送部2と検査部3とを筐体4の内部に備えており、表示器41を筐体4の前面上部に備えている。
【0028】
搬送部2は、本発明の被検査物を構成する被検査物Wを、所定間隔をおいて順次搬送するものであり、搬送部2は、例えば、筐体4の内部で水平に配置されたベルトコンベアにより構成されている。
【0029】
搬送部2は、
図1に示す駆動モータ6の駆動により予め設定された搬送速度で搬入口7から搬入された被検査物Wを、搬出口8側(
図1中、X方向)に向けて搬送面としてのベルト面2a上を搬送させる。筐体4の内部において、ベルト面2a上を搬入口7から搬出口8まで貫通する空間は、搬送路21を形成する。
【0030】
検査部3は、順次搬送される被検査物Wに対し、搬送路21の途中の検査空間22においてX線を照射するとともに被検査物Wを透過するX線を検出するものであり、搬送路21の途中の検査空間22の上方に所定高さで離隔して配置されたX線発生器9と、搬送部2内にX線発生器9と対向して配置されたX線検出器10とを備えている。
【0031】
X線発生器9は、金属製の箱体11の内部に設けられた円筒状のX線管12を図示しない絶縁油に浸漬した構成を有しており、X線管12の陰極からの電子ビームを陽極のターゲットに照射させてX線を生成している。
【0032】
X線管12は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向(X方向)となるよう配置されている。X線管12により生成されたX線は、下方のX線検出器10に向けて、図示しないスリットにより略三角形状のスクリーン状となって搬送方向(X方向)を横切るように照射される。
【0033】
図2に示すように、X線発生器9から照射されるX線は、下方のX線検出器10に到達するようになっており、X線検出器10は、X線を検出するためのX線ラインセンサ51を備えている。X線ラインセンサ51は、図示しないシンチレータおよびフォトダイオードアレイを備えており、X線をシンチレータで光に変換し、この光をフォトダイオードアレイで電気信号に変換して透過画像(X線画像)を出力する。
【0034】
搬送路21内の天井部21aには、搬送方向(X方向)に沿って複数個所にX線遮蔽用の遮蔽カーテン16が吊り下げ配置されている。遮蔽カーテン16は、X線を遮蔽する鉛粉を混入したゴムシートをのれん状(上部が繋がっており下部が帯状に分割された状態)に加工したものから構成されており、遮蔽カーテン16は、検査空間22から搬送路21を介してX線が筐体4の外部に漏洩することを防止する。
【0035】
遮蔽カーテン16は、本実施形態では、搬入口7と検査空間22との間、および検査空間22と搬出口8との間にそれぞれ2枚ずつ設けられており、1つの遮蔽カーテン16が被検査物Wと接触して弾性変形して隙間が生じた場合でも、他の遮蔽カーテン16がX線を遮蔽するので、漏洩基準量を超えることなくX線の漏洩を防止できる。本実施形態のX線検査装置1は、搬送路21における遮蔽カーテン16により囲まれた内側の空間が検査空間22を構成している。
【0036】
X線検査装置1は、制御回路40と表示器41とを備えている。制御回路40は、X線検出器10からの透過画像が入力されるとともに被検査物W中の異物や欠陥の有無を検査するようになっている。
【0037】
図2において、制御回路40は、X線画像記憶部42、画像処理部43、判定部44、制御部46、表示制御部47および検査画像記憶部48を備えている。
【0038】
X線画像記憶部42は、X線検出器10から受け取ったX線画像を一時的に記憶する。画像処理部43は、X線画像記憶部42から読み出した透過画像に対して特徴抽出や異物強調のためのフィルタ処理等の画像処理を施し、画像処理済の画像を検査画像として出力する。
【0039】
判定部44は、画像処理部43によって画像処理済の検査画像と、検出リミット値表示部41dにより予め設定された検出リミット値とを比較し、この比較結果に基づいて被検査物Wの異物混入や欠陥の有無を判定している。そして、判定部44は、画像処理済の検査画像が検出リミット値を超えたときに、その被検査物Wが不良品であると判断する。
【0040】
検査画像記憶部48は、画像処理部43で作成された検査画像を記憶する。
【0041】
表示制御部47は、判定部44の良否判別結果、画像処理部43で作成された現在の検査画像、および検査画像記憶部48に記憶された過去の検査画像とに基づき、これら検査画像および良否判定結果を含む画像を、表示器41の画像表示領域41Aの検査画像表示部41hに表示させる。なお、所定タイミングの検査画像だけを一時記憶させるような場合には、検査画像記憶部48を表示制御部47に含めるように構成してもよい。
【0042】
表示器41は、タッチパネルとして構成されており、制御回路40による検査結果等を表示する表示部と、制御回路40への各種パラメータ等の設定のための入力等の操作を行う操作部とが一体的に設けられている。表示器41は、本発明における表示器および操作部を構成する。
【0043】
図3において、表示器41は、画像表示領域41Aを備えており、画像表示領域41Aは、品種番号表示部41aと、検査結果表示部41bと、検査内容表示部41cと、検出リミット値表示部41dと、スタートボタン41eと、ストップボタン41fと、表示モード切り換えボタン41gと、検査画像表示部41hと、動作状態表示部41iと、X線検査状態表示部41jと、設定調整ボタン41kと、生産管理ボタン41mと、動作確認ボタン41nとを備えている。
【0044】
品種番号表示部41aは、被検査物Wの品種(例えば、肉、魚、加工食品、医薬品)に応じて番号を設定するとともに、設定された品種に応じた番号を表示する。検査結果表示部41bは、被検査物Wの良否判定結果を「OK」や「NG」等の文字または記号で表示する。
【0045】
検査内容表示部41cは、被検査物Wの検査総数と検査総数に対する良品の総数と不良品の総数とを表示する。検出リミット値表示部41dにおいて、被検査物Wの品種や検出対象となる異物の種類等に応じて異なる複数の値(閾値)の設定が可能となっており、検出リミット値表示部41dが操作されることで、検出リミット値が適宜設定され、検出リミット値表示部41dには設定された検出リミット値が表示される。
【0046】
スタートボタン41eは、X線検査装置1の運転の開始を指示するときに操作され、ストップボタン41fは、X線検査装置1の運転の停止を指示するときに操作される。表示モード切り換えボタン41gは、検査画像表示部41hに表示される表示形態(表示モード)を選択するときに操作される。
【0047】
検査画像表示部41hは、被検査物Wの検査画像(
図4に示す検査画像Wk)に関する情報を表示する。動作状態表示部41iは、搬送部2およびX線発生器9の動作状態をアイコンで表示する。X線検査状態表示部41jは、X線検査を行っているか否かを「運転中」または「停止中」の何れかの文字で表示する。
【0048】
設定調整ボタン41kは、被検査物Wの品種の切り換え等の設定、検出リミット、画像処理部43で用いる検査アルゴリズム等のパラメータの設定および調整を行う設定調整画面を呼び出す。生産管理ボタン41mは、生産管理のための統計データ等を表示する生産管理画面を呼び出す。動作確認ボタン41nは、X線検査装置1の検出感度等を確認する動作確認画面を呼び出す。
【0049】
画像表示領域41Aにおいて、品種番号表示部41a、検査結果表示部41b、検査内容表示部41c、検出リミット値表示部41d、スタートボタン41eおよびストップボタン41fは、検査画像表示部41hに対して
図3中、右側の領域に設けられている。
【0050】
画像表示領域41Aにおいて、動作状態表示部41iおよびX線検査状態表示部41jは、検査画像表示部41hの上方に設けられており、表示モード切り換えボタン41g、設定調整ボタン41k、生産管理ボタン41mおよび動作確認ボタン41nは、検査画像表示部41hの下方に設けられている。
【0051】
ここで、検査画像表示部41hは、画像表示領域41Aにおいて最も表示面積の大きな矩形の表示部であり、第1ウィンドウ(
図3、
図4、
図5の第1ウィンドウ81を参照)を構成している。以下、検査画像表示部41hのことを第1ウィンドウと呼ぶ。
【0052】
次に、表示制御部47について詳しく説明する。表示制御部47が実行する表示モードは、第1ウィンドウに一部または全部が重なるように第1ウィンドウより小さい第2ウィンドウに表示される画像を基準とした、注目画像表示モードとカレント画像表示モードがある。
【0053】
注目画像表示モードとは、第1ウィンドウに表示中の現在の検査画像に対して、ユーザが指定操作を行った場合に、指定された検査画像が、後述する第2ウィンドウ(
図6、
図7の第2ウィンドウ82を参照)に注目画像として静止表示される表示モードである。この注目画像表示モードでは、第1ウィンドウには現在の検査画像が表示される。現在の検査画像は被検査物の検査に伴って被検査物毎に更新される。
【0054】
一方、カレント画像表示モードとは、第1ウィンドウに表示中の現在の検査画像に対して、ユーザが指定操作を行った場合に、指定された検査画像が注目画像として第1ウィンドウに静止表示され、現在の検査画像が第2ウィンドウに表示される表示モードである。
【0055】
表示制御部47は、ユーザにより表示器41の表示モード切り換えボタン41gが押されることで、注目画像表示モード、カレント画像表示モード、または何れもオフのモードに表示モードを切り換える。
【0056】
図3に示すように、被検査物Wの検査停止中においては、表示制御部47は、画像表示領域41Aに初期画面61を表示する。初期画面61において、検査画像表示部41h、検査結果表示部41bおよび検査内容表示部41cは空白となっている。この状態からスタートボタン41eが操作されることで、被検査物Wの検査が開始される。
【0057】
図4、
図5に示すように、被検査物Wの検査中は、画像表示領域41Aに検査中の検査画面62が表示される。被検査物Wの検査中は、表示制御部47は、被検査物Wの検査毎に、被検査物Wの総検査数、良品数、NG総数等の検査結果を更新し、更新された総検査数、良品数、NG総数等の検査結果をそれぞれ検査内容表示部41cに表示させる。
【0058】
注目画像表示モードおよびカレント画像表示モードの何れもオフの場合、表示制御部47は、第1ウィンドウ81を構成する検査画像表示部41hに、被検査物Wの検査画像Wkを表示させる。
【0059】
図4、
図5の被検査物Wの検査画像Wkは、パッケージPに4つの内容物N1〜N4が収容された状態を示している。また、
図5の検査画像Wkは、内容物N2、N3に異物71が混入された状態を示している。
【0060】
表示制御部47は、
図4に示すように、検査画像Wkに異物が含まれておらず判定部44の良否判定結果が良品であったときは、検査結果表示部41bに「OK」の文字を表示させる。また、表示制御部47は、
図5に示すように、検査画像Wkに異物71が含まれおり判定部44の良否判定結果が不良品であったときは、検査結果表示部41bに「NG」の文字を表示させるともに、検査画像表示部41hにおいて、検査画像Wkの上方に「NG」の文字を表示させる。
【0061】
注目画像表示モードまたはカレント画像表示モードの一方がオンの場合、表示制御部47は、
図5に示すように、表示器41の検査画像表示部41hに、第1ウィンドウ81の現在の検査画像Wkの近傍の位置(仮想のカーソルTで示す位置)に対して指定操作(タッチ操作による指定操作)が行われたタイミングで、
図6、
図7に示すように、第2ウィンドウ82を一部または全部が第1ウィンドウ81に重なるように表示させる。ここで、指定操作が行われたタイミングは、本発明における所定タイミングである。なお、指定操作の方法は、タッチ操作に限るものではなく、カーソルTを実際に表示させて、このカーソルTをマウス等のポインティングデバイスにより移動させる方法であってもよい。
【0062】
この第2ウィンドウ82は、第1ウィンドウ81より小さいウィンドウであり、その左側の領域が第1ウィンドウ81に重ねられている。第2ウィンドウ82の右側の領域は検出リミット値表示部41dに重ねられている。
【0063】
第2ウィンドウ82には閉じるボタン82aが表示されており、表示制御部47は、閉じるボタン82aがユーザによりタッチされた場合、第2ウィンドウ82を閉じる。また、第2ウィンドウ82はユーザによる移動操作により所望の位置に移動可能となっており、表示制御部47は、第2ウィンドウ82に対する移動操作に応じて、第2ウィンドウ82の位置を移動させる。すなわち、表示制御部47は、表示器41への所定操作としての移動操作を受け、第2ウィンドウ82の表示位置を移動させる。これにより、第1ウィンドウ81の検査画像Wkが第2ウィンドウ82に遮られることが防止される。また、第2ウィンドウ82はユーザによる操作により所望の大きさに拡大または縮小可能となっており、表示制御部47は、第2ウィンドウ82に対する操作に応じて、第2ウィンドウ82の大きさを拡大または縮小する。第2ウィンドウ82の大きさを拡大した場合は第2ウィンドウ82の視認性を向上でき、第2ウィンドウ82の大きさを縮小した場合は第1ウィンドウ81の検査画像Wkが第2ウィンドウ82に遮られないようにできる。
【0064】
注目画像表示モードがオンの場合、表示制御部47は、
図6に示すように、所定タイミングとして、指定操作を受けたときに、第2ウィンドウ82を表示させ、指定操作の対象となった検査画像Wkを注目画像として第2ウィンドウ82に静止表示させるとともに、現在の検査画像Wkを第1ウィンドウ81に表示させる。注目画像として第2ウィンドウ82に表示される画像は、検査画像のうちの1つである。
【0065】
カレント表示モードがオンの場合、表示制御部47は、
図7に示すように、所定タイミングとして、指定操作を受けたときに、第2ウィンドウ82を表示させ、現在の検査画像Wkを第2ウィンドウ82に表示させるとともに、指定操作の対象となった検査画像Wkを注目画像として第1ウィンドウ81に静止表示させる。
【0066】
ここで、注目画像表示モードまたはカレント画像表示モードの何れにおいても、現在の検査画像Wkは、被検査物W毎に更新されて変化する画像であり、指定操作で指定された時点の検査画像Wkは、指定操作時に生成された静止画である。また、指定操作で指定された検査画像Wkは、指定操作時点では現在の検査画像wkと同じであるが、指定操作後は過去の検査画像となる。
【0067】
第2ウィンドウ82を表示させる所定タイミングは、第1ウィンドウ81のみが表示されている状態で指定操作が行われたこととしている。第1ウィンドウ81のみが表示されている状態とは、例えば、第1ウィンドウ81の表示内容が空白ではなく第1ウィンドウ81に検査画像Wkが表示されている状態である。
【0068】
以下、注目画像表示モードがオンの場合、およびカレント画像表示モードがオンの場合の第1ウィンドウ81および第2ウィンドウ82の時系列変化の一例を説明する。
【0069】
図8(a)は、注目画像表示モードがオンの場合の第1ウィンドウ81および第2ウィンドウ82の表示内容と、良否判定結果とを示している。また、
図8(b)は、カレント画像表示モードがオンの場合の第1ウィンドウ81および第2ウィンドウ82の表示内容と、良否判定結果とを示している。
図8(a)、
図8(b)では、順次検査される被検査物Wを、被検査物W1〜W3として区別している。また、各被検査物Wに対応する検査画像Wkを検査画像Wk1〜Wk3として区別している。
【0070】
注目画像表示モードがオンの場合、
図8(a)に示すように、被検査物W1が検査され、第1ウィンドウ81に現在の検査画像Wk1が表示される。また、被検査物W1の良否判定結果が良品(OK)となる。このとき、第2ウィンドウ82は表示されていない。
【0071】
次に、被検査物W2が検査され、第1ウィンドウ81に現在の検査画像Wk2が表示される。また、被検査物W2の良否判定結果が不良品(NG)となる。このとき、ユーザにより現在の検査画像Wk2に対する指定操作が行われると、第2ウィンドウ82が表示され、第2ウィンドウ82には指定操作時点の検査画像Wk2が静止画で表示される。指定操作時点では、第2ウィンドウ82には、第1ウィンドウ81と同じ検査画像Wk2が表示される。
【0072】
次に、被検査物W3が検査され、第1ウィンドウ81に現在の検査画像Wk3が表示される。また、被検査物W3の良否判定結果が良品(OK)となる。第2ウィンドウ82には検査画像Wk2が継続して表示される。被検査物W3の検査時に第2ウィンドウ82に表示されている検査画像Wk2は過去の検査画像である。
【0073】
カレント画像表示モードがオンの場合、
図8(b)に示すように、被検査物W1が検査され、第1ウィンドウ81に現在の検査画像Wk1が表示される。また、被検査物W1の良否判定結果が良品(OK)となる。このとき、第2ウィンドウ82は表示されていない。
【0074】
次に、被検査物W2が検査され、第1ウィンドウ81に現在の検査画像Wk2が表示される。また、被検査物W2の良否判定結果が不良品(NG)となる。このとき、ユーザにより現在の検査画像Wk2に対する指定操作が行われると、第2ウィンドウ82が表示され、第2ウィンドウ82には現在の検査画像Wk2が表示される。また、第1ウィンドウ81には指定操作時点の検査画像Wk2が静止画で表示される。指定操作時点では、第1ウィンドウ81には、第2ウィンドウ82と同じ検査画像Wk2が表示される。
【0075】
次に、被検査物W3が検査され、第2ウィンドウ82に現在の検査画像Wk3が表示される。また、被検査物W3の良否判定結果が良品(OK)となる。第1ウィンドウ81には検査画像Wk2が継続して表示される。被検査物W3の検査時に第1ウィンドウ81に表示されている検査画像Wk2は過去の検査画像である。
【0076】
なお、
図8(a)、
図8(b)に示す表示例では、不良品判定された検査画像Wkに対してユーザが指定操作を行って第2ウィンドウ82を表示させているが、良品判定された検査画像Wkに対して指定操作を行われた場合も第2ウィンドウ82が表示される。この場合、良品判定された検査画像Wkが第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82に静止画として表示される。また、第2ウィンドウ82を常時表示するとともにユーザによる指定操作があるまで第2ウィンドウ82を空白にしておいてもよい。
【0077】
ここで、第2ウィンドウ82を表示させる所定タイミングは、第1ウィンドウ81の検査画像Wkに対して指定操作がされたタイミングだけなく、判定部44が不良品判定をしたタイミングとしてもよい。
【0078】
不良品判定のタイミングで第2ウィンドウ82を表示する場合、表示制御部47は、判定部44が不良品を判定したタイミングで第2ウィンドウ82を表示させるとともに、不良品を判定した時点の検査画像Wkを第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82に表示させる。
【0079】
例えば、表示制御部47は、判定部44による不良品判定があった場合、
図6と同様に、不良品を判定した時点の検査画像Wkを第2ウィンドウ82に表示させるとともに、現在の検査画像Wkを第1ウィンドウ81に表示させる。
【0080】
または、表示制御部47は、判定部44による不良品判定があった場合、
図7と同様に、不良品を判定した時点の検査画像Wkを第1ウィンドウ81に表示させるとともに、現在の検査画像Wkを第2ウィンドウ82に表示させる。
【0081】
また、第2ウィンドウ82が表示されている状態で第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82に静止表示した検査画像Wkは、次の指定操作または次の不良品判定があったときに、指定操作された検査画像Wkまたは不良品判定された検査画像Wkにそれぞれ更新される。なお、過去の検査画像Wkは、表示開始から所定時間の経過後に消去されるようにしてもよい。
【0082】
本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、表示器41の検査画像表示部41hに第1ウィンドウ81を、第1ウィンドウ81に一部または全部が重なるように第1ウィンドウ81より小さい第2ウィンドウ82を表示させ、かつ、第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82の一方に現在の検査画像Wkを順次更新しながら表示させるとともに、所定タイミングで第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82の他方に検査画像Wkのうちの1つを注目画像として静止表示させる。
【0083】
この構成により、第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82の一方には現在の検査画像Wkが順次更新されながら表示され、第1ウィンドウ81または第2ウィンドウ82の他方には所定タイミングで注目画像が静止表示されるので、現在の検査画像Wkを確認しつつ注目画像を確認することができる。
【0084】
また、第1ウィンドウ81に一部または全部が重なるように第1ウィンドウ81より小さい第2ウィンドウ82が表示されるので、第2ウィンドウ82を表示するために表示器41の表示領域を拡大したり視認性を損なうことがない。この結果、表示器41の表示領域を拡大させたり視認性を低下させることなく、現在の検査画像Wkを確認しつつ順次更新される検査画像Wkのうちの1つを注目画像として確認することができる。
【0085】
また、本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、所定タイミングとして、検査部3の検査結果が不良となったときに、第2ウィンドウ82を表示させる。
【0086】
この構成により、検査部3の検査結果が不良となったときに第2ウィンドウ82が表示されるので、常に第2ウィンドウ82が第1ウィンドウ81に重ねて表示される場合と比較して、第1ウィンドウ81の視認性を向上させることができる。また、検査結果が不良となったときは、現在の検査画像Wkと注目画像とを同時に確認することができる。
【0087】
また、本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、所定タイミングとして、表示器41が所定操作を受けたときに、第2ウィンドウ82を表示させる。
【0088】
この構成により、ユーザは所定操作により第2ウィンドウ82を表示させることで、現在の検査画像Wkと注目画像とを同時に確認することができる。
【0089】
また、本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、検査画像Wkを第1ウィンドウ81に、注目画像を第2ウィンドウ82に表示させる。
【0090】
この構成により、第2ウィンドウ82よりも大きな第1ウィンドウ81において現在の検査画像Wkを良好に確認しつつ、第2ウィンドウ82において注目画像を確認することができる。
【0091】
また、本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、注目画像を第1ウィンドウ81に、検査画像Wkを第2ウィンドウ82に表示させる。
【0092】
この構成により、第2ウィンドウ82よりも大きな第1ウィンドウ81において注目画像を良好に確認しつつ、第2ウィンドウ82において現在の検査画像Wkを確認することができる。
【0093】
また、本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、表示器41への所定操作を受け、第2ウィンドウ82の表示位置を移動させる。
【0094】
この構成により、ユーザは所定操作により第2ウィンドウ82を表示させることで、第1ウィンドウ81への第2ウィンドウ82の重なり具合を調整できるので、第1ウィンドウ81の検査画像Wkが第2ウィンドウ82に遮られないようにすることができる。
【0095】
また、本実施形態のX線検査装置1によれば、表示制御部47は、第2ウィンドウ82が表示されている状態で、さらに所定タイミングとなったときに、第2ウィンドウ82に表示される表示内容を更新する。
【0096】
この構成により、第2ウィンドウ82の表示内容を所定タイミングの発生毎に更新することができる。