(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388839
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】冷却通路を有するスチールピストンおよびその構成方法
(51)【国際特許分類】
F02F 3/00 20060101AFI20180903BHJP
F02F 3/22 20060101ALI20180903BHJP
F02F 3/26 20060101ALI20180903BHJP
F16J 1/00 20060101ALI20180903BHJP
F16J 1/09 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
F02F3/00 301B
F02F3/00 L
F02F3/22 A
F02F3/26 C
F16J1/00
F16J1/09
【請求項の数】26
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-48098(P2015-48098)
(22)【出願日】2015年3月11日
(62)【分割の表示】特願2012-537208(P2012-537208)の分割
【原出願日】2010年11月3日
(65)【公開番号】特開2015-110952(P2015-110952A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年3月12日
【審判番号】不服2017-7637(P2017-7637/J1)
【審判請求日】2017年5月29日
(31)【優先権主張番号】61/258,956
(32)【優先日】2009年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/896,202
(32)【優先日】2010年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599058372
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムスカス,フローリン
(72)【発明者】
【氏名】マツオ,エドゥアルド・エイチ
【合議体】
【審判長】
冨岡 和人
【審判官】
水野 治彦
【審判官】
松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−270813(JP,A)
【文献】
特表2005−507042(JP,A)
【文献】
特開昭54−28949(JP,A)
【文献】
特開昭60−172771(JP,A)
【文献】
特公昭49−5121(JP,B1)
【文献】
実開昭61−187943(JP,U)
【文献】
特表2003−526755(JP,A)
【文献】
特表2007−524512(JP,A)
【文献】
実開昭59−137352(JP,U)
【文献】
特表2005−501197(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0075042(US,A1)
【文献】
実開昭60−26254(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0264376(US,A1)
【文献】
実開昭61−51454(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F3/00-3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のためのピストンであって、
最上面と、上側端接合面を有する上側環状側壁部分と、上接合面を有する上側環状外側壁とを有する頂部を備え、前記最上面は外径を有し、前記上側環状側壁部分と前記上側環状外側壁とは前記最上面から垂下し、さらに、
ピンボア軸に沿って互いに整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスと、下側端接合面を有する下側環状側壁部分と、下接合面を有する下側環状外側壁と、前記最上面の下に引込められた燃焼皿壁とを有する底部を備え、
前記下側端接合面は前記上側端接合面に内側溶接接合部において接合され、
前記上接合面は前記下接合面に外側溶接接合部において接合され、
環状冷却通路は、前記内側溶接接合部と前記外側溶接接合部との間に形成され、
前記燃焼皿壁は上側頂点と前記上側頂点の下にある下側頂点との間に延在する第1の床を含み、環状の谷部は前記上側頂点および前記下側頂点を取囲み、
前記第1の床の厚みは実質的に一定であり、
前記頂部及び前記底部は、前記ピストンの長手方向中心軸に沿って延在し、
前記頂部及び前記底部の少なくとも1つは、複数のリング溝を有するリングベルトを含み、
前記底部は、前記複数のリング溝の最下部の下方に追加の環状溝を含み、
前記1対のピンボアの各々の最上部は、前記追加の環状溝の最下部の上方にあり、
前記内側溶接接合部及び前記外側溶接接合部は、前記ピストンの前記長手方向中心軸を横断するように延在する1つの平面上にあり、
前記下側頂点は、実質的に前記1つの平面上にある、ピストン。
【請求項2】
前記底部は、前記1対のピンボスの両側に亘って互いに対向するように配置される1対のスカートパネルを有し、
前記追加の環状溝は、前記スカートパネルの上方にある、請求項1に記載のピストン。
【請求項3】
前記追加の環状溝は、前記スカートパネルに向けて径方向及び軸方向に傾斜する傾斜面を有する、請求項2に記載のピストン。
【請求項4】
前記スカートパネルは、前記外径の約2.0%から3.0%の間の範囲に亘る径方向に延在する壁厚みを有する、請求項2または請求項3に記載のピストン。
【請求項5】
前記スカートパネルの各々は、前記長手方向中心軸にほぼ平行に延在しかつ前記ピンボスに接合される両側部を有し、前記壁厚みは前記両側部の間において連続的に変化する、請求項4に記載のピストン。
【請求項6】
前記スカートパネルの各々は前記両側部の間に中央領域を有し、前記中央領域は、前記両側部における前記スカートパネルの前記壁厚みよりも約5%小さな前記壁厚みを有する、請求項5に記載のピストン。
【請求項7】
前記第1の床の前記厚みは、前記外径の約2.5%から4.0%である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項8】
圧縮高さは前記ピンボア軸と前記最上面との間に延在し、前記圧縮高さの前記外径に対する比は約38%から45%の間である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項9】
前記環状冷却通路は前記長手方向中心軸と非同心である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項10】
前記環状冷却通路は前記長手方向中心軸の周りで非対称である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項11】
前記環状冷却通路はオイル入口を有し、オイル偏向板は前記底部と一体として鋳造され、前記オイル偏向板は前記オイル入口を径方向に横切って延在して前記オイル入口を実質的に二股にする、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項12】
前記環状冷却通路は前記長手方向中心軸に対して起伏している、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項13】
前記環状冷却通路は第2の床を有し、前記第2の床は前記ピンボアの上方を滑らかに起伏する態様で高くなる、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項14】
内燃機関のためのピストンであって、
最上面と、上側端接合面を有する上側環状側壁部分と、上接合面を有する上側環状外側壁とを有する頂部を備え、前記上側環状側壁部分と前記上側環状外側壁とは前記最上面から垂下し、さらに、
ピンボア軸に沿って軸方向に整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスと、下側端接合面を有する下側環状側壁部分と、下接合面を有する下側環状外側壁とを有する底部を備え、
前記下側端接合面は前記上側端接合面に内側溶接接合部において接合され、
前記上接合面は前記下接合面に外側溶接接合部において接合され、
環状冷却通路は、前記内側溶接接合部と前記外側溶接接合部との間に形成され、
前記頂部及び前記底部は、前記ピストンの長手方向中心軸に沿って延在し、
前記頂部および前記底部は、外径を有するピストンヘッド領域を形成し、
前記内側溶接接合部及び前記外側溶接接合部は、前記ピストンの前記長手方向中心軸を横断するように延在する1つの平面上にあり、
前記ピストンは、前記頂部の前記最上面と前記ピンボア軸との間に延在する圧縮高さを備え、前記圧縮高さは前記外径の約38%から45%の間の範囲に亘る、ピストン。
【請求項15】
前記頂部及び前記底部の少なくとも1つは、複数のリング溝を有するリングベルトを含み、
前記底部は、前記複数のリング溝の最下部の下方に追加の環状溝を含み、
前記1対のピンボアの各々の最上部は、前記追加の環状溝の最下部の上方にある、請求項14に記載のピストン。
【請求項16】
前記底部は、前記1対のピンボスの両側に亘って互いに対向するように配置される1対のスカートパネルを有し、
前記追加の環状溝は、前記スカートパネルの上方にある、請求項15に記載のピストン。
【請求項17】
前記追加の環状溝は、前記スカートパネルに向けて径方向及び軸方向に傾斜する傾斜面を有する、請求項16に記載のピストン。
【請求項18】
前記スカートパネルは、前記外径の約2.0%から3.0%の間の範囲に亘る径方向に延在する壁厚みを有する、請求項16または請求項17に記載のピストン。
【請求項19】
前記スカートパネルの各々は、前記長手方向中心軸にほぼ平行に延在しかつ前記ピンボスに接合される両側部を有し、前記壁厚みは前記両側部の間において連続的に変化する、請求項18に記載のピストン。
【請求項20】
前記スカートパネルの各々は前記両側部の間に中央領域を有し、前記中央領域は、前記両側部における前記スカートパネルの前記壁厚みよりも約5%小さい前記壁厚みを有する、請求項19に記載のピストン。
【請求項21】
前記底部は燃焼皿壁を含み、
前記燃焼皿壁の第1の床は均一な厚みを有する、請求項14から請求項20のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項22】
前記環状冷却通路は前記長手方向中心軸と非同心である、請求項14から請求項21に記載のピストン。
【請求項23】
前記環状冷却通路は前記長手方向中心軸の周りで非対称である、請求項14から請求項22のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項24】
前記環状冷却通路はオイル入口を有し、オイル偏向板は前記底部と一体として鋳造され、前記オイル偏向板は前記オイル入口を径方向に横切って延在して前記オイル入口を実質的に二股にする、請求項14から請求項23のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項25】
前記環状冷却通路は前記長手方向中心軸に対して起伏している、請求項14から請求項24のいずれか一項に記載のピストン。
【請求項26】
前記環状冷却通路は前記底部によって設けられる第2の床を有し、前記第2の床は前記ピンボアの上方を滑らかに起伏する態様で高くなる、請求項14から請求項25のいずれか一項に記載のピストン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2009年11月6日に出願された米国仮出願連続番号第61/258,956号の利益を主張し、その全体がここに引用により援用される。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
この発明は一般的に内燃機関に関し、より特定的にはピストンおよびその構成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
エンジン製造者は、燃費の改良、オイル消費の低減、燃料系の改良、シリンダボア内の圧縮荷重の増大、ピストンを通して失われる熱の低減、摩擦損失の低減、エンジン重量の低減、およびエンジンのさらなる小型化を含むがそれらに限定されない、エンジンの効率および性能を改良するという増大する要求に遭遇している。これらの目標を達成するため、ピストンの大きさおよびそれらの圧縮高さを低減する必要がある。しかしながら、燃焼室内の圧縮荷重を増大させることが望ましい一方で、ピストンを作動可能限界前に維持することが依然として必要である。したがって、燃焼室内で圧縮荷重を増大することが望ましいものの、これらの「増大」によって、圧縮高さおよびしたがって全体的なエンジンの大きさを低減できる度合が限定されてしまうという兼ね合いが存在する。さらに、ピストンに加わる機械的および熱的荷重の増大がそれらがスチール製であることを要件とするために、エンジン重量を低減できる度合が損なわれてしまう。
【0004】
この発明に従って構成されるピストンは、開示を読み、本明細書中の図面を見れば当業者には明らかとなるように、公知のピストン構成の上記の欠点および他の欠点を解消する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従って構成されるピストンはスチールから構成され、これにより、ピストンに、近代的な高性能エンジンで見られるものなどのシリンダボア内の増大した圧縮荷重に耐える向上した強度および耐久性を与える。さらに、ピストンの新規の構成により、ピストンの圧縮高さ(CH)および重量を最小化することができ、これによりピストンが配備されるエンジンをより小型化および軽量化することができる。
【0006】
発明の1つの局面に従うと、最上面を有する頂部を含むピストンが構成され、環状の内側および外側上接合面が最上面から垂下している。ピストンはさらに、ピンボア軸に沿って互いと整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスを有し、かつ別個のそれぞれの内側および外側溶接接合部によって頂部の内側および外側上接合面に接合される1対の上向きに延在する環状の内側および外側下接合面を有する底部をさらに含み、環状冷却通路が上接合面と下接合面との間に横方向に形成されている。底部は最上面の下に引込められた燃焼皿壁を含み、燃焼皿壁は、上側頂点と、上側頂点を取囲む環状の谷部と、上側頂点の下にある下側頂点とを有する。頂部を底部に接合する内側溶接接合部は下側頂点と実質的に同一平面にあるため、ピストンの圧縮高さが最小化される。
【0007】
発明の別の局面に従うと、最上面を有する頂部を含むピストンが構成され、環状の内側および外側上接合面が最上面から垂下している。ピストンは、ピンボア軸に沿って互いと整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスを有し、かつ別個のそれぞれの内側および外側溶接接合部によって内側および外側上接合面に接合される1対の上向きに延在する環状の内側および外側下接合面を有する底部をさらに含み、環状冷却通路が上接合面と下接合面との間に横方向に延在する。底部は最上面の下に引込められた燃焼皿壁を有し、燃焼皿壁は、上側頂点と上側頂点の下にある下側頂点との間に延在する厚みを有し、環状の谷部が上側頂点と下側頂点とを取囲み、燃焼皿壁の厚みは実質的に一定である。
【0008】
発明の別の局面に従うと、最上面を有する頂部を含むピストンが構成され、環状の内側および外側上接合面が最上面から垂下している。ピストンはさらに、ピンボア軸に沿って軸方向に整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスを有し、かつ別個のそれぞれの内側および外側溶接接合部によって内側および外側上接合面に接合される1対の上向きに延在する環状の内側および外側下接合面を有する底部を含み、環状冷却通路が上接合面と下接合面との間に形成される。頂部および底部が外径を有するピストンヘッド領域を形成し、ピストンの圧縮高さは頂部の最上面とピンボア軸との間に延在する。圧縮高さはピストン外径の約38%から45%の間の範囲に亘る。
【0009】
発明の別の局面に従うと、内燃機関のためのピストンを構成する方法が提供される。方法は、最上面を有する頂部を形成するステップを含み、環状の内側および外側上接合面は最上面から垂下している。さらに、ピンボア軸に沿って互いと整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスを有し、かつピンボアから上向きに延在する1対の環状の内側および外側下接合面を有する底部を鋳造するステップを含み、燃焼皿壁は最上面から引込められる。上側頂点と、上側頂点を取囲む環状の谷部と、上側頂点の下にある下側頂点とを有する燃焼皿壁が形成される。方法はさらに、それぞれの内側および外側上接合面の間に別個の内側および外側溶接接合部を形成することによって頂部を底部に溶接するステップと、上接合面と下接合面との間に横方向に延在する環状冷却通路を形成するステップとをさらに含む。またさらに、燃焼皿の下側頂点と実質的に同一平面の関係で内側溶接接合部を形成するステップを含む。
【0010】
発明の別の局面に従うと、内燃機関のためのピストンを構成する方法は、最上面を有する頂部を形成するステップを含み、環状の内側および外側上接合面は最上面から垂下している。さらに、ピンボア軸に沿って互いと整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスを有し、かつ1対の上向きに延在する環状の内側および外側下接合面を有する底部を形成するステップを含み、燃焼皿壁は最上面の下に引込められる。燃焼皿壁は、上側頂点と上側頂点の下にある下側頂点とを有し、厚みが上側頂点と下側頂点との間に延在し、かつ上側頂点と下側頂点とを取囲む環状の谷部を有して形成される。方法はまたさらに、燃焼皿壁の厚みを実質的に一定に形成するステップを含む。
【0011】
発明のまた別の局面に従うと、内燃機関のためのピストンを構成する方法は、最上面を有する頂部を形成するステップを含み、環状の内側および外側上接合面は最上面から垂下している。さらに、ピンボア軸に沿って互いと整列される1対の横方向に間隔を空けられたピンボアを設ける1対のピンボスを有し、かつピンボアから上向きに延在する1対の環状の内側および外側下接合面を有する底部を形成するステップを含み、燃焼皿壁は最上面の下に引込められる。次に、それぞれの内側および外側上接合面の間に別個の内側および外側溶接接合部を形成することによって頂部を底部に溶接するステップを含み、環状冷却通路が上接合面と下接合面との間に延在し、さらに外径を有するピストンヘッド領域を形成するステップを含む。方法はさらに、溶接ステップを行なうと、頂部の最上面とピンボア軸との間に延在する圧縮高さを設けるステップを含み、圧縮高さはピストンヘッド領
域外径の約38%から45%の範囲に亘る。
【0012】
発明のこれらおよび他の局面、特徴、および利点は、現在好ましい実施形態のおよび最良モードの以下の詳細な説明、添付の請求項、および添付の図面と関連して考慮されるとより容易に認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】発明の1つの局面に従って構成されるピストンの部分断面斜視図である。
【
図3】ピストンの長手方向中心軸をほぼ通りかつそのピンボア軸を横断するようにとられた、
図1のピストンの断面側面図である。
【
図3A】
図3と同じ軸にほぼ沿ってとられた、
図1のピストンの底部の断面側面図である。
【
図4】ピンボア軸にほぼ沿ってとられた
図1のピストンの断面側面図である。
【
図4A】
図4と同じ軸にほぼ沿ってとられた、
図1のピストンの底部の断面側面図である。
【
図6】発明の別の局面に従って構成されるピストンの
図1と同様の図である。
【
図7】ピストンの長手方向中心軸をほぼ通りかつそのピンボア軸を横断するようにとられた、
図6のピストンの断面側面図である。
【
図7A】
図7と同じ軸にほぼ沿ってとられた、
図6のピストンの底部の断面側面図である。
【
図8】ピンボア軸にほぼ沿ってとられた、
図6のピストンの断面側面図である。
【
図8A】
図8と同じ軸にほぼ沿ってとられた、
図6のピストンの底部の断面側面図である。
【
図10】ピストンの長手方向中心軸をほぼ通りかつそのピンボア軸を横断するようにとられた、発明の別の局面に従って構成されるピストンの断面側面図である。
【
図11】ピンボア軸にほぼ沿ってとられた
図10のピストンの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
現在好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、
図1は、たとえば近代的な小型高性能車両エンジンなどの内燃機関のシリンダボアまたはチャンバ(図示せず)中の往復運動のための、発明の1つの現在好ましい実施形態に従って構成されるピストン10の部分断面斜視図を図示する。ピストン10はまず別個の部品として作製され、その後何らかの形態の溶接接合(すなわち、誘導溶接、摩擦溶接、ろう付け接合、電荷担体光線、レーザ、抵抗など)にわたってヘッド領域14内で互いに接合される少なくとも2つの別個の片からなる本体12を有する。2つの部品は底部16および頂部18を備える。本明細書中での「頂」、「底」、「上」、および「下」の参照は、使用の際にピストン10が往復する鉛直長手方向中心ピストン軸Aに沿って向けられるピストンに対するものである。これは便宜上のものであり、限定するものではない。なぜなら、ピストンはある角度または純粋に鉛直方向以外に設置されて動作し得ることが可能だからである。ピストン10の少なくとも底部16はインベストメント鋳造プロセスなどでスチールからニアネットシェイプに鋳造される。ピストン10の頂部18も底部16とは別個の片としてスチールから作製されてもよい。底部および頂部16、18を構成するのに用いられる材料(すなわちスチール合金)は、特定のエンジン適用例でのピストン10の要件に依存して、同じ(たとえばSAE4140グレード)であってもまたは異なってもよい。頂部は鋳造されてもよく、原料から機械加工さ
れてもよく、任意の数のプロセスで焼結され、鍛造され、または作られてもよい。スチールから構成される底部および頂部16、18は、ピストン10に、シリンダボア内の増大する圧縮荷重に耐える改良された強度および耐久性を与え、それらの新規の構成により、ピストン10の重量および圧縮高さ(CH)を最小限にし、これによりピストン10が配備されるエンジンはより低重量を達成しより小型化され得る。
【0015】
図1、
図3、および
図4に示されるように、ピストン10のヘッド領域14は、頂部壁20の最上燃焼面下に引込められる環状燃焼皿22を取囲む環状頂部壁20を有する。燃焼皿22は壁24によって境界確定され、壁24は、底面30とも称される下にあるクラウン下面と上面28との間に延在する均一または一定の厚みを有する中心に位置する薄い壁の底部または床26を含む。燃焼皿22の輪郭は上面28によって形成され、上面28は、ピストン10の中心軸Aに沿って同軸に位置し得るかまたは図
10−図
13に関連して以下にさらに論じるものなどのようなピストン中心軸Aに対して径方向にオフセットされ得る上側頂点または中心ピーク32を設けるように輪郭付けされて示される。燃焼皿壁24の輪郭は、ピーク32に関連して同心であるようにかつ燃焼皿24の最も低い部分を形成するように示される、ピーク32を取囲む環状の谷部34も設ける。床26の厚みはピストンヘッド外径の約2.5%から4.0%の範囲に亘って一定または実質的に一定であるので、底面30は燃焼皿上面28の輪郭に従うかまたは実質的に従う。このように、盛り上がった下側頂点またはピーク36は上側頂点32の直下にあるように形成されて、接続ロッド(図示せず)の、スモールエンドとも称されるリストピン端を収容する最大限利用可能な空間を設ける。これにより、接続ロッドのスモールエンドの大きさが増大して、往復の際にピストンに向上した誘導および安定性を与えることができる。
【0016】
図3Aおよび
図4Aに最もよく示されるように、ピストン10の底部16は、燃焼皿22の床26およびしたがってピーク32と谷部34との両者を含むように作製される。再び
図1、
図3、および
図4を参照して、燃焼皿22はさらに、谷部34に近い燃焼皿22の床26からヘッド領域14の頂部壁20へ上向きに延在しこれらを取囲む周囲の環状の直立した側壁38を含む。燃焼皿側壁38は一部をピストン10の底部16によっておよび一部を頂部18によって形成される。これにより、側壁38は、底部16によって設けられる下側側壁部分37(
図3Aおよび
図4A)と、頂部18によって設けられる上側側壁部分39(
図1、
図3、および
図4)とを含む。燃焼皿上側側壁部分39の最上領域は全体が頂部18によって形成される燃焼皿22の環状の径方向内向きに突出する縁またはリム40を設け、これにより燃焼皿22の側壁38は下部が切られて、ピストン10の頂部18に環状の内曲空洞42を設ける。環状の下側および上側側壁部分37、39は各々、ピストン10の構成において互いに溶接される下側および上側端接合面41、43をそれぞれ有する。下側端接合面41は、一例としておよび限定されずに、燃焼皿床26の下にあるピーク36と同一平面にまたは実質的に同一平面にあるものとして示され、これにより中心ピーク32は下側端接合面41の平面上方に延在する。
【0017】
ピストン10のヘッド領域14は、ピストン10の環状外側壁46中に形成される環状リングベルト44をさらに含む。外側壁46は頂部壁20から下向きに延在し、外側壁46の上側部分はピストン10の頂部18によって設けられ、外側壁の残余の底部分は底部16によって設けられる。外側壁46の上側部分は頂部壁20から環状の外側上接合面47へ垂下する一方で、外側壁46の下側部分は環状の外側下接合面49へ上向きに延在する。リングベルト44の上側部分はピストン10の頂部18内の外側壁46の上側部分の中に形成されるものとして示され、リングベルト44の下側部分はピストン10の底部16内の外側壁46の底部分の中に形成されるものとして示される。リングベルト40は、ピストンリング(図示せず)を通常の態様で受ける複数の外側環状リング溝45を有する。示されるリング溝45はピストンヘッド領域14の頂部壁20に隣接する最上リング溝を含み、最上リング溝は、頂部18と底部16との間で、その全体が頂部18内に形成
可能であるかまたはその全体が底部16内に形成可能であり、最上リング溝45はコンプレッションリング(図示せず)を受けるように設けられる。さらに、最上リング溝45下の1対の下側リング溝45が示され、1対の下側リング溝45は、中間ワイパーリングおよび最下方オイルリング(いずれも図示せず)を受けるなど、好ましくは底部16中に形成される。またさらに、底部(第4の)環状溝または凹部45′が最下方オイルリング溝45の下に形成され、環状凹部45′は主に重量低減特徴として「鋳放し」で形成される。
【0018】
ピストン10のヘッド領域14は、リングベルト44の下方端から中心軸Aに向けて径方向内向きに延在する環状底部壁48をさらに含む。底部壁48は全体が底部16の材料から形成される。底部壁48は、燃焼皿22の側壁38の径方向内向きに、燃焼皿22の床26の中へと遷移領域51に亘って径方向内向きに遷移する。
【0019】
ヘッド領域14の環状底部壁48は頂部壁20から中心軸Aに沿って軸方向に整列して間隔を空けられ、リングベルト44の外側壁46は内側燃焼皿側壁38から径方向外向きに間隔を空けられる。これにより、長手方向断面に示されるように、これらの壁48、20、46、38はピストンヘッド領域14内の実質的に囲い込まれた、周方向に連続したオイル通路50を結合する環状のトロイド形状の箱構造を形成する。オイル通路50の上側領域はピストン10の頂部18によって形成され、オイル通路50の下側領域はピストン10の底部16によって形成される。オイル通路50の、床48とも称される底部壁は、ピストン10の底に向けて開いている少なくとも1つの給油口または入口52で形成され、ピストン10が設置されるべきディーゼルエンジンの動作の際にオイルジェットからなどの供給源(図示せず)から冷却オイルの流れを導入するためのオイル通路50と直接に流体連通している。ピストンの底部12が鋳造(たとえばインベストメント鋳造)によって作製される場合、オイル入口52は、後で機械加工作業によって形成されるよりもむしろ「鋳込」特徴として形成されてもよい。底部壁48は、ピストン10の底部へ開いており、かつ動作の際通路50からエンジンのクランク室の中に戻るようにオイルを排出するためにオイル通路50と開放流体連通している少なくとも1つのオイル排出孔または出口54も含んでもよい。少なくとも1つのオイル排出孔54は同様に底部ピストン部16の「鋳込」特徴であってもよい。入口および出口
52、
54を底部16に直接に鋳造することによって、これらを形成する二次または下流プロセスを避けることが好ましいが、所望により機械加工または他のやり方でそれらを加工することもできる。さらに、底部壁48は、側壁38の少なくとも一部の下に径方向内向きに延在して燃焼皿22に対する冷却通路50内のオイルの冷却効果を最大限にするオイル通路50の環状内曲部分55を設ける環状下側切取り領域を設けるように、「鋳放し」で形成することができる。
【0020】
底部16はさらに頂部18から垂下するように構成される1対のピンボス56を含む。ピンボスは各々、スチール構成を考慮すると好ましくはブッシュのないピンボア58を有し、ピンボア58は中心長手方向軸Aを横断して延在するピンボア軸Bに沿って同軸に互いから間隔を空けられる。ピンボア58は各々、最上正接平面57と正接して延在する最上面と、最下方正接平面59と正接して延在する最下面とを有し、正接平面57、59は互いに平行にかつ中心軸Aを横断するように延在する。ピンボス56は、底部16と一体の材料片として形成され、およびしたがってピンボス56と一体の材料片として一体的に形成されるスカートパネル60とも称されるスカート部分に接合される。
【0021】
スカートパネル60は、それらの長手方向に延在する
両方の側
部61に沿って、窓を介して、支柱部分62とも称されるピンボス56に直接に接合され、これによりスカートパネル60はピンボス56の対向側面に亘って互いと正反対に配置される。開口部63を有する支柱部分62のうち1つ以上を形成することができ、開口部63は中心軸Aに沿ってほぼ長さ方向に延在する細長い弧状の楕円またはほぼピーナッツ形状の開口部として示される。開口部63は好ましくは底部16によって「鋳放し」で形成されるが、さらなる軽量化
のために、所望により、鋳造後にそれらを機械加工または加工することができる。
【0022】
スカートパネル60は中央領域65に亘ってそれぞれの側
部6
1の間に延在する凸状の外側面を有し、外側面はピストンがシリンダボアを通って往復運動する際にピストン10を所望の向きに維持するようにシリンダボアの壁と滑らかに嵌り合って協働するように輪郭付けされる。ピストンヘッド外径の約2.0%から3.0%の間の範囲に亘る厚みを有するスカートパネル60が構成される。
図5に最もよく示されるように、シリンダライナに対するスカート接触圧の向上したスカート剛性および均一性を与えるため、かつシリンダライナ内の往復の際のピストンの向上した誘導を与えるため、スカートパネル60の外側端縁61は中央領域65よりも僅かに分厚く、これによりスカートパネル60はそれぞれのスカートパネル60の一方
の側
部61から反対
の側
部61に延在する連続した壁厚み変化を有する。
両方の側
部61は同じまたは実質的に同じ厚みである一方で、中央領域65は
両方の側
部61に対して約5%減少した厚みを有する。このように、スカートパネルの外側面は一定のまたは実質的に一定の曲率半径を有する一方で、スカートパネル60の内側面は異なる曲率半径を有する。
【0023】
スカートパネル60は各々、それらの上側端で接合され、リングベルト44の下側部分と一体として形成され(たとえば鋳造)、スカート上側端と最下方リング溝45との間に環状の凹部45′が延在する。スカートパネル60は、リングベルト44から下向きにピンボア58の最下方正接平面59の下に間隔を空けられる底部または下方端64へ中心軸Aと長手方向にほぼ平行に延在する。ピンボス56のうち少なくとも1つは、製造の際に用いられる平らな基準面68を設けるように、ピンボス56の底部から下向きに突出する基準点パッド66で形成される。基準面60はスカートパネル60の下方端64と同一平面にある。
【0024】
ピストン10の別個に作られた頂部および底部18、16を統合する溶接接合部70は、底部16の径方向内側の環状下接合面41を頂部18の径方向内側の環状上接合面43に溶接すると、燃焼皿22の少なくとも側壁38を通って延在する。このように、溶接接合部70は、谷部34の上方ならびに燃焼皿22の中心ピーク32およびリム40の下方で、燃焼皿22に向けて開いている。溶接接合部70は、それ自体が燃焼皿22の谷部34の下に間隔を空けられる下方壁48によって形成されるオイル通路の最下方部分の上方に軸方向にも間隔を空けられる。
【0025】
燃焼皿側壁38を通って延在する溶接接合部70に加えて、溶接接合部72がヘッド領域14中の少なくとも1つの他の壁を通って延在する。図示されるように、溶接接合部72はピストン10の外側リングベルト44を通って延在してもよい。リングベルト溶接接合部72の場所はリングベルト44の長さに沿ったいずれの点であってもよい。図示されるように、リングベルト溶接接合部72は、燃焼室側壁38中の溶接接合部70と同じ、中心軸Aを横断するように延在する平面に存在してもよい。ピストン10の底部16はこのように、リングベルト44の径方向外側の上向きに面する予め接合された下接合面74を含んでもよく、頂部18はこのように、リングベルト40の径方向外側の下向きに面する予め接合された上接合面76を含んでもよい。関連付けられた下接合面および上接合面41、43;74、76は誘導溶接、摩擦溶接、抵抗溶接、電荷担体光線、電子ビーム溶接、ろう付け、はんだ付け、高温または低温拡散などの選択された接合プロセスによって統合されてもよい。
【0026】
ピストン10は、ピストンヘッド外径が約75mmから105mmの範囲に亘る、軽量で近代的な高性能車両ディーゼルエンジン適用例で用いられるように適合される。スチール製であるが、ピストン10は、その薄壁設計により、アルミニウムピストンおよびアルミニウムピストンアセンブリで用いられる関連の挿入ピンボアブッシングなどの質量を
考慮すると、そのアルミニウム対応物よりも軽くないとしても同程度の軽さである。スチールピストン10は、そのアルミニウム対応ピストン(すなわち20−30%より小さい)よりも、中心ピンボア軸Bと頂部壁20との間に延在する距離として規定される圧縮高さCHも大幅に小さくなっている。匹敵する重量およびより小さいCHにより、エンジンは、燃焼皿壁24
の下にあるピーク36と
ピンボア軸Bとの間に設けられる増大した利用可能な空間を考慮すると、より小さくされより小型化される、または接続ロッドがより長くなるとともにより拡大されたスモールエンドを有することができ、これにより動作の際ピストンに対する側面荷重を低減することができる。
【0027】
言及したように、スチールピストン10の圧縮高さCHは非常に短い。大型車両用ディーゼルエンジン適用例に典型的なオイル冷却通路を有する先行技術の2個組のピストンと比較して、ピンボス56およびしたがってそれらの関連のピンボア58はピストン本体12中でより高くなる(ピストンは軸方向により小型である)ことが認められるであろう。図示されるピストン10は、圧縮高さCH対ピストンヘッド領域外径の比が約40.9%である。さらに、ピンボア軸Bから燃焼皿側壁溶接接合部70までの距離が約27mmである。比較すると、同様の適用例用のアルミニウムピストンはCH対ピストンヘッド領域外径比が約20−30%だけより大きくなるであろう。
【0028】
発明の別の局面に従って構成されるピストン110を
図6に示し、同様の特徴を同定するのに、以上で用いたものと100だけ異なる同じ参照番号を用いる。
【0029】
頂部118に溶接された底部116を有するピストン110は以上で論じたピストン10と同様であるが、底部116と頂部118との間に形成されるオイル通路の底部分50′の構成の相違により圧縮高さCHをさらに小さくすることができる。特に、底部116内のオイル通路の底部分50′の構成が変更されるが、頂部118中のオイル通路の部分は同じままである。対称に連続した環状構成を有するオイル通路が形成されるよりもむしろ、底部116内のオイル通路の底部分50′は、起伏する床148(
図9)を有して作製される。床148は
図7および
図7Aに示されるようにスカートパネル160から径方向内向きに中心ピンボア軸Bを横切って正反対の領域に亘って同じまたは同様の深さを保持するが、床148は、
図8および
図8Aに示されるように横方向に間隔を空けられたピンボス156に亘って延在する領域では中心長手方向軸Aに対して滑らかに起伏する態様で高くなっている。このように、ピンボス156中に形成されるピンボア158は底部116内で軸方向に上向きに移動可能であり、これにより中心ピンボア軸Bを軸方向にピストン110の頂部壁120に近付けられる。したがって、中心ピンボア軸Bから頂部壁120に向けて測定されるCHがさらに低減されて、これによりエンジンをさらにより小型化することができる。
【0030】
図10−
図13に示されるように、発明の別の局面に従って構成されるピストン210が示され、同様の特徴を同定するのに、以上で用いたものと200だけ異なる同じ参照番号を用いる。
【0031】
頂部218に溶接された底部216を有するピストン210は以上で論じたピストン10と同様であるが、長手方向中心軸Aの周りに同心に構成された燃焼皿を有するよりもむしろ、燃焼皿222はピストン210の長手方向中心軸Aに対して径方向にオフセットされるため、燃焼皿222は長手方向中心軸Aに対して非同心である。このように、径方向にオフセットされた燃焼皿222に均一な冷却を与えるため、冷却通路250はピストン10の冷却通路50と比較して変更されている。ピストン10の頂部18と同様に、頂部218は、長手方向中心軸Aの周りで同心でありかつ環状に対称である冷却通路250の上側部分を含むが、底部216は長手方向中心軸Aに対して非同心に径方向にオフセットされかつ環状に非対称でもある冷却通路250の下方部を含む。非対称構成の理由は、
ピストン210の重量を低減するためであり、非同心構成の理由は燃焼皿222の壁224に対称に均一な一定の周方向厚みを与えるためである。このように、冷却は燃焼皿222の周りで均一にされる。
【0032】
冷却通路250に関して論じた相違点に加えて、
図10および
図12に示されるように、拡大された弧状のピーナッツ形状の構成を有する「鋳放し」オイル入口252が形作られる。これは面積が増大した標的を設け、これを通して、傾斜したオイルジェット(図示せず)がオイルを冷却通路250中に噴射することができる。拡大された大きさの開口部を有する入口252に加えて、底部216中にオイル偏向板78が「鋳放し」で設けられて、偏向板78の両側に噴射されたオイルを冷却通路250の両側を通って流れるように均一に偏向する。偏向板78はオイル入口252のほぼ中間点を径方向に横切って延在してオイル入口252を実質的に二股に分ける。偏向板78は形状がほぼ三角形であり、偏向板78の頂点79は入口252に隣接して下向きに面し、偏向板78の対向側面80は冷却通路250の中へ上向きに分かれている。このように、噴射されたオイルは対向する分かれる側面に向かって偏向されて、オイル入口252と正反対に「鋳放し」で形成されたオイル出口254へほぼ等しい容積で冷却通路250を通って流れる。このように、均一な厚みの非同心の壁224が均一に冷却され、ピストン210には低減された全体的な重量が与えられる。
【0033】
上記教示に照らして本発明の多数の修正例および変形例が可能であることが明らかである。したがって、添付の請求項の範囲内で、具体的に記載されたもの以外の態様で発明が実践されてもよいことが理解されるべきである。