(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有機発光電気化学セル(OLEC)、および少なくとも一つの量子ドットを含む発光電気化学セル(QD−LEC)から選択される少なくとも一つの光源を備え、OLECまたはQD−LECはトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを含むこと、および、OLEC、QD−LECから選択される前記少なくとも一つの構成要素が、0.1フェムト秒〜100秒の持続時間を有するパルスで、ならびに、0.1〜1000ミリ秒の前記パルス間のパルス間隔遅延で、300nm〜1300nmの波長で光を発するように適合させられ、10J/cm2未満の全エネルギーフルエンスをもたらすことを特徴とする、細胞または細胞組織の処置デバイス。
OLEC、QD−LECから選択される前記少なくとも一つの構成要素が、細胞もしくは細胞組織の活性化、刺激、不活性化、消毒、脱毛、光線療法、体外処置もしくは体内処置、または細胞組織のリフティングのために適合させられていることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
OLEC、QD−LECから選択される前記少なくとも一つの構成要素が、多色性もしくは狭帯域の光、および/または黄色波長範囲の光、および/または赤外波長範囲の光を発するように適合させられていることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス。
OLEC、QD−LECから選択される前記少なくとも一つの構成要素が、黄色光と赤外線との有効放射電力比が4:1である多色性の光を発するように;および/または4mW/cm2の有効放射電力において590nmの黄色光および1mW/cm2の有効放射電力において850nmの赤外線を含む多色性の光を発するように適合させられていることを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
超音波源、細胞または細胞組織により受容される赤外放射の強度を低減するために適合させられたフィルター手段、波長または波長帯を選択するためのフィルター手段、および冷却手段から選択される少なくとも一つの構成要素を備えた請求項1〜4の何れか1項に記載のデバイス。
前記デバイスが、移動式デバイスであるか、もしくは患者に前記デバイスを取り付けるための取り付け手段を含むことを特徴とするか、または、前記デバイスが、移動式デバイスであり、および患者に前記デバイスを取り付けるための取り付け手段を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のデバイス。
前記局所用組成物が、天然に存在するクロロフィル含有化合物、カロチノイド含有化合物、フィコビリン化合物、インドシアニングリーン、メチレンブルー、ローズベンガル、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンF、レチンA(トレチノイン)、アダパレン、レチノール、ヒドロキノン、コウジ酸、成長因子、エキナセア、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、漂白剤、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、サリチル酸、抗酸化トリアド化合物、海藻誘導体、海水誘導体、藻類、抗酸化剤、フィトアントシアニン、植物栄養素、プランクトン、植物性製品、草本性製品、ホルモン、酵素、ミネラル、補因子、アンチエイジング物質、インスリン、ミノキシジル、リコピン、天然もしくは合成のメラニン、メタロプロテイナーゼ阻害剤、プロリン、ヒドロキシプロリン、麻酔剤、クロロフィル、バクテリオクロロフィル、銅クロロフィリン、葉緑体、カロチノイド、フィコビリン、ロドプシン、アントシアニン、オルニチンデカルボキシラーゼの阻害剤、血管内皮成長因子(VEGF)の阻害剤、ホスホリパーゼA2の阻害剤、S−アデノシルメチオニンの阻害剤、カンゾウ、リコカルコンA、ゲニステイン、大豆イソフラボン、フィトエストロゲン、これらの誘導体、類似体、相同体、およびサブコンポーネント、並びに前記細胞または細胞組織の誘導体、サブコンポーネント、免疫学的複合体、および抗体、並びにこれらの合成および天然の類似体、これらの組合せから選択される少なくとも一つの構成要素を含むことを特徴とする請求項7に記載のパーツのキット。
前記局所用発色団組成物が、300nm〜1300nmの間に少なくとも一つの吸収極大を有し、クロロフィル、ポルフィリン、およびこれらの組合せからなる群より選択される有効成分を含み、ここで前記有効成分は、少なくとも一つの金属−リガンド結合を有し、ここで前記金属−リガンド結合中の金属は、Fe、Mg、Cu、Al、反応性遷移金属、金属キレート、および抗体複合体からなる群より選択されることを特徴とする請求項7に記載のパーツのキット。
前記細胞または前記細胞組織の細胞が、植物細胞、動物細胞、ヒト細胞、哺乳類細胞、真核細胞、原核細胞、毛髪細胞、毛根細胞、皮膚細胞、粘膜細胞、および幹細胞から選択される少なくとも一つの構成要素であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のデバイス。
美容的処置;予防的処置;治療的処置;非侵襲性処置;細胞もしくは細胞組織の活性化、刺激、不活性化、消毒、脱毛、光線療法、光力学的療法、体外処置、体内処置;細胞組織のピーリングもしくはリフティング;または幹細胞の分化の活性化または阻害のための、請求項1〜6、および請求項11の何れか1項に記載のデバイス。
OLECまたはQD−LECが、ITO/PEDOT/中間層/EML/陰極からなる構造を有する、請求項1〜6、および請求項11〜14の何れか1項に記載のデバイス。
【発明の概要】
【0001】
本発明は、細胞および/または細胞組織の処置(treatment)デバイス、細胞および/または細胞組織の処置のためのパーツのキット、このようなデバイスまたはパーツのキットの使用、ならびに細胞および細胞組織の処置のための方法に関する。
【0002】
光線療法(光療法とも呼ばれる)は、広範な治療(therapeutic)疾患および/または美容に関わる(審美的とも呼ばれる)状態に用いることができる。光源としてLEDまたはレーザーの何れかを用いる光線療法は、すでに、たとえば、外傷(wound)、損傷、頚部痛、変形性関節炎、化学療法および放射線療法の副作用を処置するために用いられている。
【0003】
座瘡の処置または予防は、その状態の程度に応じて、治療と美容の両方の要素を有していてもよい。乾癬、アトピー性皮膚炎および他の疾患および/または状態についても、同じことが言える。多くの疾患および状態は、たとえば、患者の皮膚の目に見える状態の変化によって多くの場合示される、外見上の関連を伴う。多くの場合、これらの美容に関わる変化または審美的変化は、心理学的変容につながり、結果的に、少なくともある程度は、重大な疾患を生じ得る。
【0004】
一部の状態または疾患は、美容に関わる要素が重要視され得る。これらのいくつかは、アンチエイジング、抗しわ、座瘡および白斑の防止および/または治療から選択される。
時には、治療的要素もまた役割を果たし得る。
【0005】
美容と医療の両方において、皮膚が、照射される主な標的であるが、ヒトまたは動物の体の他の標的にもまた、光線療法を利用できる。これらの標的には、これらに限らないが、目、外傷、爪、および身体の内部が含まれる。光は、また、たとえば、外傷、飲料、食物の消毒を容易にする、または補助するためにも、用いることができる。
【0006】
光線療法の1つの作用は、ミトコンドリアにおける代謝の刺激である。特定の波長の光は、アデノシン三リン酸(ATP)の形の不可欠な細胞エネルギーの産出を担う酵素である、シトクロムcオキシダーゼを刺激する。ATPは、熱力学的に不利な生化学反応を駆動するための細胞エネルギー移動のために、また細胞エネルギー貯蔵体として、必要とされる。ATPは、また、加齢および細胞死(酸化ストレス)に導く他の生化学的分子(たとえば、反応性酸素化学種および一酸化窒素)を調節するために、シグナル分子としても働き得る。光線療法の後、細胞は、代謝の増加を示し、細胞は、より良く情報伝達を行い、より良い仕方でストレスの多い状態に耐える。
【0007】
このような原理は、医療治療および美容の用途、たとえば、外傷の治癒、結合組織の修復、組織の修復、組織の死の防止、炎症、痛み、急性損傷、慢性疾患、代謝異常、神経因性の痛みおよび季節性影響障害(seasonal effect disorders)の緩和に適用できる。
【0008】
光の利用の別の分野は、様々な癌の処置である。癌の治療では、光力学的療法(PDT)が重要な役割を果たす。PDTでは、光は、薬剤と連係して用いてもよい。これらの療法は、様々な皮膚および内部疾患の処置に用いることができる。PDTでは、光薬剤(photopharmaceutical)として知られる感光性治療薬剤が、処置されようとする身体の部分に、外部から、または内部から与えられる。次いで、その部分は、光薬剤を活性化するために、適切な振動数および強度の光に晒される。様々な光薬剤が、現在、入手可能である。たとえば、5−アミノレブリン酸塩酸塩(Crawford Pharmaceuticals)、メチルアミノレブリン酸(Metfix(登録商標)、Photocure)などの局所用剤がある。また、Photofin(登録商標)(Axcan)およびFoscan(登録商標)(Biolitech Ltd)を含めて、内部悪性腫瘍のために主に用いられる注入可能薬剤もある。多くの場合、薬剤は、感光性光薬剤に代謝される非活性型で適用される。
【0009】
光力学的療法において、光薬剤に光を供給するための主要な技法は、独立した光源からの適切な波長の光、たとえばレーザーまたはフィルターにかけられたアークランプを投射することである。これらの光源は、扱いにくく、高価であり、それゆえに、病院での使用にのみ適している。このため、患者にとっては不便であり、処置に大きな費用が掛かる。
1日当たりに満足のいく数の患者を処置するために(処置が費用効率の高いものであるために)、また、患者に過度に不便を感じさせることを避けるために、大きな光放射照度が求められる。
【0010】
今日まで、光線療法およびPDTでは、低コンプライアンスに繋がる、患者にとって不快な大きな光源の利用が主流を占めている。現在、用いられているデバイスの多くは、固定された状態でのみ適用可能であり、たとえば、病院または医者の診療所において、医療専門家の管理を必要とする。さらに、現在用いられている光源の多くは、その一部だけが照射されるべきであった場合でさえ、処置される対象の大きな部分を照射し、これは、望まれていない副作用をもたらす可能性がある。
【0011】
WO 98/46130およびUS 6096066は、光力学的療法に用いられるLEDアレイを開示している。それらの中に教示されている小さいLED光源は、一様でない光を患者に投射する。アレイの製造は、必要とされる多数の接続のために、複雑である。それらに示されているデバイスは、病院での処置のために考案されている。
【0012】
GB 2360461は、光(これは、次いで、光ファイバーを通して送られる)を生成するために通常の光力学的療法光源を用いる、可撓性のある衣類を開示している。このような光源は重いので、デバイスは、移動式でなく、病院での使用に限定される。
【0013】
US 5698866は、過駆動される無機LEDを用いる光源を開示している。得られる光出力は一様でない。ヒートシンク機構が必要とされ、このデバイスは、病院での処置にのみ適する。
【0014】
WO 93/21842は、無機LEDを用いる光源を開示している。運ぶことはできるが、このデバイスは、自宅での患者による移動式使用法には適さず、臨床処置が想定されている。
【0015】
US 6,283,956によれば、LEDは、毛髪の成長の減少、排除または刺激のために用いられる。
【0016】
前記分野における光の利用に対する不可欠な前提条件は、デバイスである。市販のシステムは、今日、大部分レーザーに基づいている。しかし、これらのシステムは、病院に配置される、すなわち、固定デバイスである。コストを削減し、利便性、さらには適応性を増すために、持ち運びでき、自宅で使用される技術が求められる。実際に、ある研究は、この方向に専念している。
【0017】
Rochesterらは、GB 24082092において、可撓性のある基板に形成された可撓性のある発光ダイオードを含む可撓性のある医療用光源、ならびに、それから得られる、血液特性(たとえば、CO、酸素、またはビリルビンのレベル)のモニターを対象とする診断デバイス、および病気の処置のための光線療法デバイスを開示した。
【0018】
Vogler KlausとKallert Heikoは、EP 01818077において、皮膚の処置のためのデバイスを開示した。このデバイスは、光源として、潜在的に可撓性のある有機発光ダイオード(OLED)を含む。このデバイスは、衣類またはプラスターにおいて一体化できる。
【0019】
Attiliら(Br.J.Dermatol.161(1)、170−173.2009)は、非黒色腫皮膚癌の処置において、着用できる低照射OLEDを用いる、移動式光力学的療法(PDT)の非盲検パイロット臨床試験を公表し、OLED−PDTが、軽量であるという付加的な利点を有するので、通常のPDTよりつらさが少なく、それゆえに、より便利な自宅でのPDTの可能性を有することを示唆した。
【0020】
Samuelらは、EP 1444008B1において、治療的および/または美容的処置に用いられる、移動式デバイスを開示したが、このデバイスは、OLEDを含み、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)が例として使用される。
【0021】
EP 1444008は、光力学的療法の処置のための、OLEDを含むデバイスを開示している。
【0022】
有機発光ダイオードは、本来的に可撓性があり、また、印刷技術、たとえばインクジェット印刷またはスクリーン印刷によって、大面積にコーティングできるという点で、それらの無機の対応物(発光ダイオード−LED)を凌ぐ多くの利点を有する。
【0023】
しかし、OLEDでは、活性金属、たとえば、BaおよびCaが、陰極として用いられる。その結果、OLEDは、保管と作動の両方において、長い寿命を確保するために、優れた封止(encapsulation)を必要とする。総合的に、それぞれが数十ナノメートルの多層構造体である、OLEDの製造は、依然として入り組んだ、高コストの仕事である。
【0024】
他方において、OLEDの1つの欠点は、有機エミッターの特質に起因する広い発光であり、これは、エネルギーの損失または望まれていない副作用をもたらす可能性がある。
OLEDの広い発光スペクトルは、光線療法の用途においてだけでなく、他の技術分野、たとえばディスプレイおよび照明用途においてもまた、望まれていない。たとえば、ディスプレイ用途では、有機エミッターは、通常、低い色純度を有する。
【0025】
OLEDにおける有機エミッターの別の欠点は、その限られた量子効率である。量子統計学によれば、励起子の生成確率がスピン依存性でなければ、OLEDでは、1つの1重項あたり3つの3重項が生成される。蛍光材料に基づくデバイスでの1重項励起子の生成確率は、たった25%である。このため、25%の内部量子効率という根本的な限界が、1重項エミッターにもっぱら基づくOLEDに課される。この限界は、燐光ドーパント(3重項エミッターとも呼ばれる)、通常、重金属を含有する錯体を組み入れることによって乗り越えることができ。これは、スピン−軌道カップリングを増し、1重項と3重項の両方の励起子を獲得できる。しかし、金属錯体は、合成が難しく、安定性の問題を有する。これまでのところ、安定な(濃い)青色3重項エミッターは、依然として、捉え難い。
さらに、有機材料の3重項レベルは、1重項レベルより、通常、少なくとも0.5eV高いので、大きなバンドギャップ(または、HOMO−LUMOギャップ)をそれ自体有する青色3重項エミッターは、隣接層におけるホスト材料および電荷輸送材料に極端に難しい要求を課すであろう。
【0026】
他方、別のクラスの発光材料、以下で記載される、いわゆる量子ドットまたは単分散ナノ結晶もまた、この数年間にかなりの注目を集めた。量子ドットの利点は、1)1重項有機エミッターの25%と比較して100%もの理論内部量子効率;2)一般的有機溶媒に可溶;3)発光波長が、コアサイズによって容易に調整できる;4)狭い発光スペクトル;5)無機材料の固有の安定性である。
【0027】
半導体材料を含む最初の単分散ナノ結晶(本明細書において、量子ドットまたはQDとも呼ばれる)は、CdE(E=S、Se、Te)に基づき、Bawendiによる、いわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)法(後に、Katariらにより変更を加えられた)を用い、製造された。QDの合成についての総説は、Murray、Norris、Bawendi、「Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE(E=sulfur、selen、tellurium)semiconductor nanocrystallites」、J.Am.Chem.Soc.115[19]、8706−8715、1993によって与えられている。主に報告されている量子ドットのキャップは、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)またはトリオクチルホスフィン(TOP)に基づいており、これらは、電子輸送特性を有すると想定されている。
【0028】
CdSe QDに基づく最初の発光ダイオードは、Alivisatosら、「Light emitting diodes made from cadmium selenide nanocrystals and a semiconducting polymer」、Nature(London)370[6488]、354−357、1994によって報告され、この場合、QDからなる多層が、PPV(ポリ(p−フェニレン−ビニレン))と電極との間に挟まれ、電圧を加えることによって赤色発光した。
Bulovicら、「Electroluminescence from single monolayers of nanocrystals in molecular organic devices」、Nature(London)420[6917]、800−803、2002は、2つの有機層の間に挟まれたCdSe QDの単一層の使用を記載する。
【0029】
Legerら(Abstract of the 64th Northwest Regional Meeting of the American Chemical
Society、Tacoma、WA、United States、June 28〜July 1、2009)は、有望な結果を有する、共役ポリマーおよび量子ドットを含む発光性電気化学セルを開示した。しかし、共役ポリマーは、溶液から容易にコーティングできたが、ポリマーOLED/OLECの性能は、蒸着による低分子(SM)OLEDに基づくOLEDのそれに、はるかに劣っている。さらに、共役ポリマーは、広がった共役のせいで、一般に、非常に低い3重項レベルを有する。緑色3重項OLEDのための共役ポリマーマトリックスは、これまで、報告または開示されていない。
【0030】
その結果、本発明の目的は、細胞および細胞組織の処置のための、改善された電子デバイスおよび方法を提供することである。
【0031】
一態様において、発光電気化学セル(OLEC)、少なくとも一つの量子ドットを含む発光電気化学セル(QD−LEC)、および少なくとも一つの量子ドットを含む有機発光デバイス(QD−OLED)から選択される少なくとも一つの光源を含む、細胞および/または細胞組織の処置デバイスが提供される。
【0032】
別の態様によれば、細胞および/または細胞組織の処置のためのパーツのキットは、先行する請求項の何れかのデバイスおよび局所用組成物または局所用発色団組成物を含む。
【0033】
更なる態様は、美容的処置;予防的処置;治療的処置;非侵襲性処置;細胞および/または細胞組織の活性化、刺激、不活性化、消毒、脱毛、光線療法、光力学的療法、体外処置、体内処置;細胞組織のピーリングおよび/またはリフティング;および/または幹細胞の分化の活性化または阻害のための、先行する請求項の何れかのデバイスまたはパーツのキットの使用を提供する。
【0034】
更なる態様において、有機発光電気化学セル(OLEC)、少なくとも一つの量子ドットを含む発光電気化学セル(QD−LEC)、および少なくとも一つの量子ドットを含む有機発光デバイス(QD−OLED)から選択される少なくとも一つの光源を含む、細胞および/または細胞組織の処置デバイスから発せられる光に、細胞または細胞組織を晒すことを含む、細胞および/または細胞組織の処置方法が、提供される。
【0035】
本発明は、その発光波長を正確に用途に合わせることができる、細胞および/または細胞組織の処置デバイスを提供する。このため、発光の色純度が向上する。さらに、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、高効率、ならびにスペクトルの紫外(UV)および/または赤外(IR)における低いエネルギー損失を有する。さらに、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、細胞および細胞組織の処置の様々な技術分野、たとえば、光線療法および/またはPDTにおいて、用いることができる。細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、容易に製造できる。細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、特に光線療法の用途に関して、使用者に優しく(user friendly)、これは、主に、その大きさ、潜在的なデバイスの可撓性、および適合可能な大きさ、形状、照射波長および照射強度に起因する。驚くべきことに、態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスを用いると、細胞および/または細胞組織の効果的で、標的指向性のある処置が可能になる。
【0036】
OLECは、Pei & Heeger、Science(1995)、269、1086−1088に最初に報告されたように、通常、2つの電極と、その間の電解質および蛍光化学種の混合物またはブレンドとを含む。OLECの基礎を成す技術は、OLEDまたはLEDのものとは異なる。OLEDとLEDの両方は、順方向バイアスおよび逆バイアスを有するダイオードである。OLECとは対照的に、OLEDとLEDの両方のI−V(電流−電圧)曲線は、非対称である。それらが半導体技術を体現するのに対して、OLECは、基本的に、電気化学、またはより正確には、電界セルである。OLEDにおける電荷輸送は、ホールと電子が、いわゆる励起子(すなわち、電子−ホール−対)を生成するまで、分子から分子へホールおよび電子が移動することにより起こる。電子とホールが再結合する時に、発光する。OLECでは、電圧を加えると、電解質が、陽極で酸化され、陰極で還元される。
【0037】
驚くべきことに、有機発光電気化学セル(OLEC)は、細胞および細胞組織の処置のための光源として使用できる。OLECは、それらの構造が非常に簡単であり、そのため、容易に製造される。曲がったまたは3次元表面を有するデバイスの製造は、このような表面をOLEDに製造することに比べて、OLECの場合に、複雑さが少ない。これは、層の均質性に関する要求の厳しさが、より低いという事実に起因する。このため、特に大量生産での製造コストが、OLEDのそれらに比べて、ずっと小さい。さらに、OLECは、空気に影響を受け易い電荷注入層または金属、たとえば、電子注入のためのBaまたはCsに頼らず、このことが、OLEDに比べて、それらの製造をさらに簡単にし、それらの費用効率を、より高める。これは、OLECの封止に対する要求の厳しさが、より低いことに起因する。
【0038】
分子カチオンおよびアニオンは、電場の下で拡散し、その間に発光性有機材料をドーピングし、終には、それらは、出会い、一緒になって、いわゆるp−n接合を形成する。さらに、励起子が、p−n接合において、発光性有機化合物上に生成される。励起子の放射減衰(radiative decay)により、発光が起こる。OLECの最初の論文および原理は、論文、Qibing Peiら、Science、1995、269、1086−1088を参照できる。OLECは、対称なI−V曲線を示し、低駆動電圧を有し、陰極として活性金属を必要としない。
【0039】
態様によれば、OLECは、2つの電極の間に、治療疾患および/または美容に関する状態の処置および/または予防のための組成物を含むことができ、この組成物は、少なくとも一種のイオン種および少なくとも一種の有機エレクトロルミネッセンス化合物(electroluminescent compound)を含むことを特徴とする。前記組成物は、蛍光エミッター材料、燐光エミッター材料、および発光性有機金属錯体から選択される少なくとも一種の有機エレクトロルミネッセンス化合物を含むことができる。さらに、イオン種は、カチオンまたはアニオンであり得る。
【0040】
態様によるQD−OLECは、2つの電極の間に、電解質および蛍光性化学種の混合物またはブレンド、たとえば、治療疾患および/または美容に関する状態の処置および/または予防のための前記組成物を含み、これは、少なくとも一つの量子ドットを含む。
【0041】
態様のOLECまたはQD−OLEcは、繊維の形(OLEFC、QD−OLEFCS)を有していてもよい。たとえば、OLEFCまたはQD−OLEFCSは、可撓性であるかまたは堅い繊維コアを含む。繊維コアは、外側の第1の電極;少なくとも一種の有機エレクトロルミネッセンス化合物と少なくとも一種のイオン種とを含み、前記第1の電極の外側表面上に位置する、発光層(EML);および、有機発光層の上に位置する放射透過性の第2の電極;を有していてもよい。さらに、繊維は、円形、卵形、もしくは多角形の横断面、またはこれらの組合せを有していてもよい。OLEFCまたはQD−OLEFCSは、蛍光エミッター材料、燐光エミッター材料、および発光性有機金属錯体から選択される少なくとも一種の有機エレクトロルミネッセンス化合物を含んでいてもよい。有機エレクトロルミネッセンス化合物は、少なくとも一種のホスト材料および少なくとも一種のエミッター材料を含んでいてもよく、ホスト材料は、好ましくは、アントラセン、ベンゾアントラセン、ケトン、カルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、デヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、これらの異性体および誘導体から選択される。さらに、OLEFCまたはQD−OLEFCは、ホール輸送材料(HTM)、ホール注入材料(HIM)、電子輸送材料(ETM)、および電子注入材料(EIM)から選択される少なくとも一種の更なる機能性材料、ならびに/または少なくとも一種のイオン性遷移金属錯体(iTCM)を含んでいてもよい。
【0042】
量子ドットは、有機機能性材料、たとえば、エミッター、ホスト材料、ホール輸送材料、ホール注入材料、電子輸送材料、および電子注入材料と一緒に、OLECおよびOLEDに用いることができる。量子ドットは、容易に製造でき、有機蛍光または燐光化合物とは対照的に、狭い発光スペクトルを有する。それらは、量子ドットの発光極大を決める大きさに関して、用途に合わせることができる。高い光ルミネッセンス効率も、量子ドットによって得ることができる。さらに、それらの発光強度は、用いられるそれらの濃度によって、用途に合わせることができる。さらに、量子ドットは、多くの溶媒に可溶である、または一般的な有機溶媒に容易に可溶化できるので、多方面の加工方法、特に印刷法、たとえば、スクリーン印刷、オフセット印刷、およびインクジェット印刷が可能となる。
【0043】
驚くべきことに、それぞれ「少なくとも一つの量子ドット」を含む、LECおよび/またはOLEDは、細胞および細胞組織の処置のための光源として使用できる。態様の細胞および細胞組織の処置デバイスは、「少なくとも一つの量子ドット」を含む発光電気化学セル(QD−LEC)を含んでいてもよい。別の態様において、態様の細胞および細胞組織の処置デバイスは、「少なくとも一つの量子ドット」を含む有機発光デバイス(QD−OLED)を含んでいてもよい。態様のOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、ホスト材料、蛍光エミッター、燐光エミッター、ホール輸送材料(HTM)、ホール注入材料(HIM)、電子輸送材料(ETM)、および電子注入材料(EIM)から選択される、少なくとも一種のイオン性化合物および/または少なくとも一種の低分子(small)有機機能性材料をさらに含んでいてもよい。
【0044】
一般に、量子ドットは、その励起子が、3つの全ての空間次元において限定された半導体である。結果的に、それらは、バルク半導体の特性と離散的な分子の特性との間である特性を有する。たとえば、化学的方法による、もしくはイオン注入によって、または最新式のリソグラフィー技術によって製造されるナノデバイスにおいて、量子ドット構造体を製造するいくつかの方法が存在する。本発明での量子ドットは、コロイド半導体ナノ結晶(コロイド量子ドット、またはナノドットもしくはナノ結晶としても知られる)を表し、これらは、化学的方法によって製造される。
【0045】
半導体材料を含む最初の単分散コロイド量子ドットは、CdE(E=S、Se、Te)に基づき、Bawendiによる、いわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)法(後に、Katariらにより変更を加えられた)を用い、製造された。QDの合成についての総説は、Murray、Norris、Bawendi、「Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE(E=sulfur、selen、tellurium)semiconductor nanocrystallites」、J.Am.Chem.Soc.115[19]、8706−8715、1993によって与えられている。当業者に知られている任意の方法を、QDを生成するために用いることができるが、好ましくは、無機QDを制御して成長させる溶液相コロイド法が用いられる。前記コロイド法は、たとえば、Alivisatos,A.P.、「Semiconductor clusters,nanocrystals,and quantum dots」、Science
271:933(1996);X.Peng、M.Schlamp、A.Kadavanich、A.P.Alivisatos、「Epitaxial growth of
highly luminescent CdSe/CdS Core/Shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility」、J.Am.Chem.Soc.30:7019−7029(1997);および、C.B.Murray、D.J.Norris、M.G.Bawendi、「Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE(E=sulfur、selenium、tellurium)semiconductor nanocrystallites」、J.Am.Chem.Soc.115:8706(1993)に開示されている。これらの方法は、クリーンルームおよび高価な製造設備を必要とせず、低コストの加工を可能にする。これらの方法では、高温で熱分解を受ける金属前駆体が、有機界面活性剤分子の高温溶液に、素早く注入される。これらの前駆体は、高温で壊れ、反応して、ナノ結晶の核を生成する。この初期核生成段階の後、成長している結晶にモノマーを添加することによって、成長段階が始まる。こうして、結晶性ナノ粒子が、それらの表面をコーティングする有機界面活性剤分子を含む溶液中で得られる。
【0046】
これらの方法において、合成は、数秒に渡って起こる初期の核形成事象と、その後の数分間の高温での結晶成長として行われる。パラメータ、たとえば、温度、存在する界面活性剤のタイプ、前駆体材料、および界面活性剤とモノマーとの比は、反応の特質および進行を変えるために変更を加えることができる。温度は、核形成事象の構造に関わる段階、前駆体の分解速度、および成長速度を制御する。有機界面活性剤分子は、溶解性とナノ結晶の形状の制御との両方に影響する。界面活性剤とモノマーとの比、界面活性剤相互、モノマー相互の比、およびモノマーの個々の濃度は、成長動力学(kinetics)に強く影響する。
【0047】
OLEDにおいて見出される典型的な層の順序は、たとえば、次の通りである:
− 任意選択で、第1基板、
− 陽極層、
− 任意選択で、ホール注入層(HIL)、
− 任意選択で、ホール輸送層(HTL)および/または電子ブロッキング層(EBL)、
− 発光または活性層(これは、電気的または光学的励起で、励起子を生成する)、
− 任意選択で、電子輸送層(ETL)および/またはホールブロッキング層(HBL)、
− 任意選択で、電子注入層(EIL)、
− 陰極層、
− 任意選択で、第2基板。
【0048】
前記の層構造の順序は、一例である。他の順序が可能である。
【0049】
態様によるQD−OLEDは、陰極、陽極、発光層を含む電子デバイスであってよいが、ここで、発光層は、「少なくとも一つの量子ドット」および少なくとも一種の有機ホスト材料を含む。
【0050】
QD−OLEDにおいては、量子ドットの高い内部量子効率(100%の理論的最大値)を可能にするために、励起子が、有機ホスト上でではなく、量子ドット上で直接生成されることが非常に望ましい。QD−OLEDの態様によれば、これは、前記量子ドットのイオン化ポテンシャル(価電子帯またはVB)が、有機ホストのHOMOより、少なくとも0.3eV高いか、または、量子ドットの電子親和力(伝導帯またはCB)が、有機ホストのLUMOより、少なくとも0.3eV低いかの何れかである、活性層または発光層を用いることによって実現できる。有機ホストは、好ましくは、量子ドットより大きなバンドギャップを有する。
【0051】
態様のQD−OLEDにおけるQDの濃度は、0.5〜20vol%、好ましくは1〜15vol%、非常に好ましくは2〜10vol%、最も好ましくは2〜5vol%であってよい。最も好ましい態様において、量子ドットの濃度は、それが、有機ホストにおけるホールトラップまたは電子トラップとして働くように調節される。好ましい一態様において、量子ドットは、有機ホストのLUMOより、少なくとも0.3eV、より好ましくは0.4eV、非常に好ましくは0.5eV低い電子親和力を有する。この態様において、量子ドットは、電子トラップまたは深い電子トラップとして働く。
【0052】
QD−OLEDの態様では、入手可能な標準的量子ドットを用いることが望ましく、これらは、通常、前記のように、深いHOMOおよび深いLUMOを有する。適切な有機ホストは、また、深いHOMOもしくは深いLUMOの何れかまたは両方を有するべきである。好ましい一態様において、有機ホストは、−3.0eVより低い、より好ましくは−3.5eVより低い、特に好ましくは−4.0eVより低いLUMOを有する。別の好ましい態様において、有機ホストは、−5.7eVより低い、より好ましくは−6.0eVより低い、特に好ましくは−6.2eVより低いHOMOを有する。
【0053】
深いHOMOまたは深いLUMOの有機ホストは、強い電子吸引基を含む化合物から選択でき、これらの基は、好ましくは、ハロゲン、ニトリル、カルボニルおよびニトロ基、たとえば、−F、−CN、−CO、および−NO
2から選択できる。深いHOMOまたは深いLUMOの有機ホストは、低分子、オリゴマー、ポリマーおよびデンドリマー、またはこれらの組合せから選択できる。
【0054】
好ましくは、ホール注入層または電荷生成層は、透明である、たとえば、取り出し(outcoupling)光または入射光に対して透明である。
【0055】
態様に適するホール注入層または電荷生成層は、たとえば、US 7564182およびUS 2006/0240277A1に開示されている、タンデムOLEDのための電荷生成層または中間コネクター層から選択できる。
【0056】
一態様によれば、QD−OLEDにおいて、ホール注入層または電荷生成層は、1種以上の遷移金属酸化物から選択される、または1種以上の遷移金属酸化物を含む。更なる態様において、ホール注入層は、好ましくは、酸化バナジウム(VO
x)、酸化モリブデン(MoO
x)、酸化ルテニウム(RuO
x)および酸化タングステン(WO
x)から選択される、または含む。
【0057】
態様において、電荷生成層は、有機または無機化合物を含む、単一層である。好ましくは、電荷生成層は、無機層であり、これは、その上に、発光層が、溶液からコーティングされることを可能にしてもよい。適切な無機の電荷生成材料は、遷移金属酸化物(TMO)から選択できる。特に好ましいTMOは、5.6eV以上の仕事関数を有するもの、たとえば、酸化バナジウム(VO
x)、酸化モリブデン(MoO
x)、酸化ルテニウム(RuO
x)および酸化タングステン(WO
x)である。OLEDにおけるホール注入層としてのVO
x、MoO
x、RuO
xの使用については、Tokitoらによって、J.Phys.D:Appl.Phys.29(1996)2750に報告されているものが参照できる。また、ホール注入層としての酸化タングステン(WO
x)は、たとえば、Hopingらによって、Appl.Phys.Lett.92、213306(2008)に報告された。遷移金属酸化物の仕事関数は、ケルヴィン−プローブ測定によって求めることができ、たとえば、WO
3は、Appl.Phys.Lett.91、113506(2007)に報告されているように、6.4eV、また、MoO
3は、Appl.Phys.Lett.95、123301(2009)に報告されているように、6.7eVの仕事関数を有する。
【0058】
無機電荷生成層を含む好ましいQD−OLEDの構造は、次の層構造を有する:基板/陽極/ホール注入層(HIL)または電荷生成層(CGL)/発光層(EML)/陰極。
任意選択で、また好ましくは、前記デバイスは、EMLと陰極との間に、さらに、電子輸送層および/またはバッファー層を含んでいてもよく、これらは、陰極によるクエンチングを低減してもよい。
【0059】
適切な更なる電荷生成材料は、5.6eV以上の電子親和力を有する有機化合物から選択できる。適切な有機電荷生成材料は、有機p−ドーパントから選択でき、これらは、OLEDにおけるp−ドーピングに用いられる。n−およびp−ドーピングの一般原理、およびそれに関連する材料については、Chem.Rev.、2007、107(4)、1233−1271を参照されたい。適切な有機p−ドーパントは、これらに限定されないが、たとえば、下記のp−ドーパントから選択される。適切な更なる電荷生成層は、光感受性の、特に、IR−感受性の電荷生成層であり得る。
【0060】
有機電荷生成層を含む好ましいQD−OLEDの構造は、次の層構造を有する:基板/陰極/EML/HILまたはCGL/陽極。
【0061】
任意選択で、または好ましくは、態様のQD−OLEDは、EMLと陰極との間に、電子輸送層および/またはバッファー層をさらに含んでいてもよく、これらは、陰極によるクエンチングを低減してもよい。これは、有機p−ドーパントが、通常、熱真空蒸着によって堆積され得るためである。
【0062】
他の態様によれば、QD−OLEDは、陰極、陽極、発光層を含む電子デバイスであってもよいが、ここで、発光層は、1種以上の量子ドットおよび少なくとも一種の有機エミッター(これは、低分子エミッター、低分子1重項エミッターおよび3重項エミッターから選択される)を含む組成物を含む。前記の1種以上の量子ドットの少なくとも一種の発光波長は、有機エミッターの発光波長より長くてもよい。さらに、前記の「少なくとも一つの量子ドット」は、450〜900nmの範囲の波長に少なくとも一つの吸収強度最大値を有していてもよく;および/または、有機エミッターが、450〜900nmの範囲の波長に少なくとも一つの吸収強度最大値を有していてもよい。「少なくとも一つの量子ドット」と有機エミッターとの比は、体積で、1:2〜2:1、好ましくは、体積で、0.01:1〜0.2:1であってよい。
【0063】
本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスに使用される、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、望まれる効果を実現するために必要とされるだけ多くの量子ドットを含むことができる。好ましくは、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、100種未満、特に好ましくは70種未満、特に非常に好ましくは40種未満の異なる量子ドットを含む。好ましい更なる態様において、前記アレイは、20種未満の異なるタイプの量子ドットを含む。
【0064】
さらに別の態様において、本発明によるQD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種の量子ドットを含む。好ましいのは、1種の量子ドットを含むQD−LECおよび/またはQD−OLEDである。
【0065】
本発明によるQD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、それぞれが、LECおよび/またはOLEDの発光層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも0.5wt%、特に非常に好ましくは少なくとも3wt%の濃度で量子ドット(複数可)を含む。一態様において、本発明によるQD−LECおよび/またはQD−OLEDは、15種未満、好ましくは10種未満、特に好ましくは7種未満、特に非常に好ましくは5種未満の低分子有機機能性材料(複数可)を含む。
【0066】
本発明によれば、低分子有機機能性材料、たとえば、低分子エミッターまたは低分子1重項エミッターは、有機エレクトロニクスの分野において一般的に用いられ、当業者によく知られている材料である。低分子有機機能性材料を集めた好ましい列挙は、EP 09015222.4およびEP 10002558.4に開示されている。低分子有機機能性材料という用語は、望まれるホスト、発光、ホール注入、ホール輸送、電子注入および/または電子輸送の特性を有する低分子を表す。
【0067】
本発明による低分子は、ポリマー、オリゴマー、デンドリマー、またはブレンドでない分子である。特に、低分子には、繰返し構造がない。低分子の分子量は、通常、少数の繰返し単位を有するポリマー、オリゴマーまたはこれら未満の範囲にある。低分子の分子量は、好ましくは、4000g/mol未満、特に好ましくは3000g/mol未満、特に非常に好ましくは2000g/mol未満であってよい。
【0068】
ポリマーは、10〜10000、特に好ましくは20〜5000、特に非常に好ましくは50〜2000個の繰返し単位を有していてよい。オリゴマーは、2〜9個の繰返し単位を有していてよい。ポリマーおよびオリゴマーの分枝度(branching index)は、0(分枝のない線状ポリマー)〜1(完全に分枝したデンドリマー)である。本明細書で用いられる場合、デンドリマーという用語は、M.Fischerら、Angew.Chem.、Int.Ed.1999、38、885に従って定義される。
【0069】
ポリマーの分子量(Mw)は、好ましくは、約10000〜約2000000g/molの範囲、特に好ましくは、約100000〜約1500000g/molの範囲、特に非常に好ましくは、約200000〜約1000000g/molの範囲にあってよい。
Mwの決定は、たとえば、ポリスチレンを内部標準とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いることによって、当業者に知られている標準的な技法に従って実施できる。
【0070】
ブレンドは、少なくとも一種のポリマー、デンドリマー、またはオリゴマー成分を含む混合物であってよい。
【0071】
ホスト、ホスト材料またはマトリックス材料という用語は、エミッターに比べて大きなエネルギーギャプを有し、電子もしくはホール輸送特性の何れかまたは両方を有する材料を表す。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスの、たとえば、1重項OLEDの場合には、エミッターの吸収スペクトルが、エネルギー移動を保証するために、ホストの光ルミネッセンススペクトルと本質的に重なることが非常に望まれる。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスのQD−LECは、少なくとも一種の低分子ホストを含んでいてよい。基本的に、どのような低分子ホストまたはマトリックス材料も、本発明により使用できる。
【0072】
エミッターという用語は、光学的または電子的に励起子エネルギーを受け取ると、放射減衰をして発光する材料を表す。基本的には、2つのクラスのエミッター、蛍光エミッターおよび燐光エミッターが存在する。蛍光エミッターという用語は、励起1重項状態からその基底状態へ、放射遷移をする材料または化合物に関する。このため、蛍光エミッターはまた、1重項エミッターとも呼ばれることがある。燐光エミッターという用語は、遷移金属(これらは、また、希土類金属、ランタニドおよびアクチニドも含む)を含むルミネッセンス材料または化合物に関する。燐光エミッターは、主に、スピン禁制遷移(たとえば、励起3重項または5重項状態からの遷移)が起こることによって発光する。しかし、燐光エミッターによる発光の一定部分は、また、1重項状態からの発光遷移によって引き起こされてもよい。
【0073】
本明細書で用いられる場合、ドーパントという用語もまた、エミッターまたはエミッター材料という用語に対して用いられる。基本的に、任意の低分子発光化合物を、本発明に従って使用できる。
【0074】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、ホール輸送材料(HTM)から選択される少なくとも一種の低分子有機機能性材料を含んでいてよい。
HTMは、ホール注入材料または陽極から注入されるホール(すなわち、正電荷)を輸送できる材料または単位であることに特徴がある。
【0075】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種のHTM(複数可)を含んでいてよい。好ましいのは、1種のHTMを含むQD−LECである。
【0076】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、それぞれが、ホール輸送層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも2wt%、特に非常に好ましくは少なくとも10wt%の濃度のHTM(複数可)を含む。
【0077】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、ホール注入材料(HIM)から選択される少なくとも一種の低分子有機機能性材料を含んでいてよい。
HIMは、陽極からホール(すなわち、正電荷)が注入されることを容易にすることができる材料または単位を表す。
【0078】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種のHIM(複数可)を含む。
好ましいのは、1種のHIMを含むQD−LECである。
【0079】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、それぞれが、ホール注入層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも0.5wt%、特に非常に好ましくは少なくとも3wt%の濃度のHIM(複数可)を含む。
【0080】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、電子輸送材料(ETM)から選択される少なくとも一種の低分子有機機能性材料を含んでいてよい。ETMは、EIMまたは陰極から注入される電子(すなわち、負電荷)を輸送できる材料を表す。
【0081】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種のETM(複数可)を含む。
好ましいのは、1種のETMを含むQD−LECである。
【0082】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、それぞれが、電子輸送層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも2wt%、特に非常に好ましくは少なくとも10wt%の濃度のETM(複数可)を含む。
【0083】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、電子注入材料(EIM)から選択される少なくとも一種の低分子有機機能性材料を含んでいてよい。EIMは、電子(すなわち、負電荷)が陰極から有機層へ注入されることを容易にすることができる材料を表す。
【0084】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種のEIM(複数可)を含む。
好ましいのは、1種のEIMを含むQD−LECである。
【0085】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、それぞれが、電子注入層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも0.5wt%、特に非常に好ましくは少なくとも3wt%の濃度のEIM(複数可)を含む。
【0086】
いくつかの態様において、OLEC、QD−LEC、QD−OLEDから選択される少なくとも一つの構成要素が、細胞および/または細胞組織の活性化、刺激、不活性化、消毒、脱毛、光線療法、体外処置、および/または体内処置、および/または細胞組織のリフティングのために適合させられている。
【0087】
さらに、ある態様では、OLEC、QD−LEC、QD−OLEDから選択される少なくとも一つの構成要素が、多色性および/または狭帯域の光、および/または黄色波長範囲の光、および/または赤外波長範囲の光を発するように適合させられており;および/または前記細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、連続波および/またはパルスのデバイスである。
【0088】
ある態様では、OLEC、QD−LEC、QD−OLEDから選択される少なくとも一つの構成要素が、黄色光と赤外線との有効放射電力比が約4:1である多色性の光を発するように適合させられている。たとえば、OLEC、QD−LEC、QD−OLEDから選択される少なくとも一つの構成要素は、約4mW/cm
2の有効放射電力において約590nmの黄色光および約1mW/cm
2の有効放射電力において約850nmの赤外線を含む多色性の光を発するように適合させられている。
【0089】
OLEC、QD−LEC、QD−OLEDから選択される少なくとも一つの構成要素は、約300nm〜約1300nmの波長で、および/または10J/cm
2未満の全エネルギーフルエンスで、および/または約0.1フェムト秒〜約100秒の持続時間を有するパルスで、および/または約0.1〜約1000ミリ秒の前記パルス間のパルス間隔遅延で、光を発するように適合させられていてよい。
【0090】
細胞および/または細胞の処置デバイスの態様は、発光ダイオード、レーザー、蛍光源、発光ポリマー、キセノンアークランプ、ハロゲン化金属ランプ、フィラメント光源、強力パルス光源、硫黄ランプ、およびこれらの組合せから選択される少なくとも一つの更なる光源を含んでいてよいが、ここで、前記の少なくとも一つの更なる光源は、約400nm〜約1600nmの波長で光を発するように適合させられている。
【0091】
さらに、細胞および/または細胞の処置デバイスの態様は、超音波源、細胞および/または細胞組織により受容される赤外放射の強度を低減するために適合させられたフィルター手段、波長または波長帯を選択するためのフィルター手段、および冷却手段から選択される少なくとも一つの構成要素を含んでいてよい。
【0092】
先行する請求項の何れかのデバイスであり、ここで、そのデバイスは、移動式デバイスであり、および/または患者にデバイスを取り付けるための取り付け手段を含む。
【0093】
基本的に、当業者に知られている任意の低分子EIMを、本発明に従って用いることができる。本明細書において別の箇所で挙げられているEIMに付け加えて、適切なEIMは、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体、複素環式有機化合物、フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロン、アントラキノンジエチレン−ジアミン、これらの異性体および誘導体から選択される少なくとも一種の有機化合物を含み、本発明により用いることができる。
【0094】
8 ヒドロキシキノリンの金属錯体、たとえば、Alq
3およびGaq
3は、EIMとして用いることができる。陰極に対する界面での、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、たとえば、Li、Cs、CaまたはMgによる還元性ドーピングは、利点がある。Csを含む組合せ、たとえば、CsおよびNa、CsおよびK、CsおよびRb、またはCs、NaおよびKが好ましい。
【0095】
複素環式有機化合物、たとえば、1,10−フェナントロリン誘導体、ベンゾイミダゾール、チオピランジオキシド、オキサゾール、トリアゾール、イミダゾールまたはオキサジアゾールも、同様に適切である。窒素を含む適切な5員環の例は、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、およびUS 2008/0102311 A1に開示されている化合物である。
【0096】
好ましいEIMは、式(1)〜(3)を有する化合物から選択され、これらは、置換されていても、無置換であってもよい。
【化1】
【0097】
有機化合物、たとえば、フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロンおよびアントラキノンジエチレンジアミンもまた用いることができ、たとえば、次の式のものがある。
【化2】
【0098】
基本的に、当業者に知られている任意のETMを、本発明に従って用いることができる。本明細書において別の箇所で挙げられているETMに付け加えて、適切なETMは、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンゾアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンゾイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシド、フェナジン、フェナントロリン、トリアリールボラン、これらの異性体および誘導体からなる群から選択される。
【0099】
適切な更なるETMは、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンゾアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンゾイミダゾール トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシド、フェナジン、フェナントロリン、およびトリアリールボランから選択される。
【0100】
電子輸送層に適する更なるETMは、8 ヒドロキシキノリンの金属キレート(たとえば、Liq、Alq
3、Gaq
3、Mgq
2、Znq
2、Inq
3、Zrq
4)、Balq、4
アザフェナントレン−5−オール/Be錯体(US 5529853 A;たとえば、式(6))、ブタジエン誘導体(US 4356429)、複素環式光学増白剤(optical brightener)(US 4539507)、ベンゾアゾール、たとえば、1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)(US 5766779、式(7))、1,3,5−トリアジン、ピレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、スピロビフルオレン、デンドリマー、テトラセン、たとえば、ルブレン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体(JP 2003/115387、JP 2004/311184、JP 2001/267080、WO 2002/043449)、シラシル(silacyl)−シクロペンタジエン誘導体(EP 1480280、EP 1478032、EP 1469533)、ピリジン誘導体(JP 2004/200162 Kodak)、フェナントロリン、たとえば、BCPおよびBphen、さらに、ビフェニルもしくは他の芳香族基を通じて結合した多数のフェナントロリン(US 2007/0252517 A1)またはアントラセンに結合したフェナントロリン(US 2007/0122656 A1、たとえば、式(8)および(9))、1,3,4−オキサジアゾール、たとえば式(10)、トリアゾール、たとえば式(11)、トリアリールボラン、たとえば、Siもまた含むもの、ベンゾイミダゾール誘導体および他のN複素環式化合物(参照、US 2007/0273272 A1)、シラシクロペンタジエン誘導体、ボラン誘導体、Gaオキシノイド錯体から選択される。
【0101】
2,9,10−置換アントラセン(1−または2−ナフチルおよび4−または3−ビフェニルを有する)あるいは、2つのアントラセン単位を含む分子(US 2008/0193796 A1)が好ましい。
【化3】
【0102】
同様に、たとえば、US 6878469 B2、US 2006/147747 A、およびEP 1551206 A1に開示されている、アントラセン−ベンゾイミダゾール誘導体、たとえば、式(12)〜(14)の化合物も好ましい。
【化4】
【0103】
本明細書において別の箇所で挙げられているHIMに付け加えて、適切なHIMは、フェニレンジアミン誘導体(US 3615404)、アリールアミン誘導体(US 3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US 3526501)、スチリルアントラセン誘導体(JP昭和54(1979)110837)、ヒドラゾン誘導体(US 3717462)、アシルヒドラゾン、スチルベン誘導体、(JP昭和61(1986)210363)、シラザン誘導体(US 4950950)、ポリシラン化合物(JP平成2(1990)204996)、PVK、ポルフィリン化合物(JP昭和63(1988)2956965、US 4720432)、芳香族第3級アミンおよびスチリルアミン(US 4127412)、ベンジジン型のトリフェニルアミン、スチリルアミン型のトリフェニルアミン、およびジアミン型のトリフェニルアミンである。アリールアミンデンドリマーもまた用いることができ(JP平成8(1996)193191)、同様にフタロシアニン誘導体も用いることができ、ナフタロシアニン誘導体、またはブタジエン誘導体もまた適切である。
【0104】
好ましくは、HIMは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンおよびこれらの誘導体を含めて、モノマーの有機化合物から選択される。
【0105】
第3級芳香族アミン(US 2008/0102311 A1)、たとえば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−トリル)ベンジジン(=4,4’−ビス[N−3−メチルフェニル]−N−フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)(US 5061569)、N,N’−ビス(N,N’−ジフェニル−4−アミノフェニル)−N,N−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(TPD 232)および4,4’,4’’−トリス[3−メチルフェニル)フェニルアミノ]−トリフェニルアミン(MTDATA)(JP平成4(1992)308688)またはフタロシアニン誘導体(たとえば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、CllnPc、ClSnPc、Cl
2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc)が特に好ましい。
【0106】
式(15)(TPD 232)、(16)、(17)、および(18)の次のトリアリールアミン化合物(これらは、また、置換されていてもよい)、ならびに、US 7399537 B2、US 2006/0061265 A1、EP 1661888 A1、およびJP 08292586 Aに開示されている更なる化合物が特に好ましい。ホール注入材料として適切である更なる化合物が、EP 0891121 A1およびEP
1029909 A1に開示されている。ホール注入層一般は、US 2004/0174116に記載されている。
【化5】
【0107】
基本的に、当業者に知られている任意のHTMを、本発明による態様において用いることができる。本発明において別の箇所で挙げられているHTMに付け加えて、HTMは、好ましくは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリン、これらの異性体および誘導体から選択される。HTMは、特に好ましくは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、およびポルフィリンから選択される。
【0108】
ホール輸送に適する低分子材料は、フェニレンジアミン誘導体(US 3615404)、アリールアミン誘導体(US 3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US
3526501)、スチリルアントラセン誘導体(JP A 56−46234)、多環芳香族化合物(EP 1009041)、ポリアリールアルカン誘導体(US 3615402)、フルオレノン誘導体(JP A 54−110837)、ヒドラゾン誘導体(US 3717462)、スチルベン誘導体(JP A 61−210363)、シラザン誘導体(US 4950950)、ポリシラン(JP A 2−204996)、アニリンコポリマー(JP A 2−282263)、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、PVK、ポリピロール、ポリアニリンおよび更なるコポリマー、ポルフィリン化合物(JP A 63−2956965)、芳香族ジメチリデン型化合物、カルバゾール化合物、たとえば、CDBP、CBP、mCP、芳香族第3級アミンおよびスチリルアミン化合物(US 4127412)、ならびに、モノマーのトリアリールアミン(US 3180730)である。
【0109】
少なくとも2つの第3級アミン単位を含む芳香族第3級アミン(US 4720432およびUS 5061569)、たとえば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)(US 5061569)またはMTDATA(JP A 4−308688)、N,N,N’,N’−テトラ(4−ビフェニル)ジアミノビフェニレン(TBDB)、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−3−フェニルプロパン(TAPPP)、1,4−ビス[2−[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン(BDTAPVB)、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル(TTB)、TPD、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クアテルフェニル、同様に、カルバゾール単位を含む第3級アミン、たとえば、4(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゼンアミン(TCTA)が好ましい。同様に、US 2007/0092755 A1による、ヘキサアザトリフェニレン化合物も好ましい。
【0110】
式(19)から(24)の次のトリアリールアミン化合物が特に好ましく、これらは、また、置換されていてもよく、EP 1162193 A1、EP 650955 A1、Synth.Metals 1997、91(1−3)、209、DE 19646119 A1、WO 2006/122630 A1、EP 1860097 A1、EP
1834945 A1、JP 08053397 A、US 6251531 B1、およびWO 2009/041635に開示されている。
【化6】
【0111】
態様に含まれるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種のホスト材料(複数可)を含んでいてよい。好ましいのは、1種のホスト材料を含むQD−LECである。2種以上のホスト材料が含められる場合、追加のホスト材料に、コ−ホスト(co-host)という用語がしばしば用いられる。
【0112】
たとえば態様の蛍光エミッターなどの態様に適する好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンゾアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、デヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、およびこれらの誘導体から選択される。
【0113】
蛍光エミッターにとって特に好ましいホスト材料は、オリゴアリーレン(たとえば、EP 676461による2,2’,7,7’−テトラフェニルスピロビフルオレン、またはジナフチルアントラセン)、特に、縮合芳香族基、たとえば、フェナントレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレン、スピロフルオレン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、デカシクレン、ルブレンを含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(たとえば、EP 676461による4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)−1,1’−ビフェニル(DPVBi)または4,4−ビス−2,2−ジフェニルビニル−1,1−スピロビフェニル(スピロ−DPVBi))、多脚金属錯体(たとえば、WO 2004/081017による)、特に、8 ヒドロキシキノリンの金属錯体、たとえば、アルミニウム(III)トリス(8−ヒドロキシキノリン)(アルミニウムキノレート、Alq
3)またはビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノリノラト)アルミニウム、また、イミダゾールキレートとの金属錯体(US 2007/0092753 A1)およびキノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、ホール伝導性化合物(たとえば、WO 2004/058911による)、電子伝導性化合物、特に、ケトン、ホスフォンオキシド、スルホキシドなど(たとえば、WO 2005/084081およびWO 2005/084082による)、アトロプ異性体(たとえば、WO 2006/048268による)、ボロン酸誘導体(たとえば、WO 2006/117052による)、あるいはベンゾアントラセン(たとえば、DE 102007024850)のクラスから選択される。特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセン、ベンゾアントラセンおよび/またはピレンを含むオリゴアリーレン、あるいはこれらの化合物のアトロプ異性体、ケトン、ホスフィンオキシド、ならびにスルホキシドのクラスから選択される。特に非常に好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンゾアントラセンおよび/またはピレンを含むオリゴアリーレン、あるいはこれらの化合物のアトロプ異性体のクラスから選択される。本発明の目的では、オリゴアリーレンは、少なくとも3つのアリールまたはアリーレン基が互いに結合した化合物を意味すると理解されているものとする。
【0114】
蛍光エミッターにとって好ましい更なるホスト材料は、特に、式(25)の化合物から選択される。
【0115】
Ar
4−(Ar
5)
p−Ar
6 式(25)
式中、
Ar
4、Ar
5、Ar
6は、出現する毎に、同じかまたは異なり、5〜30個の芳香族環原子を有するアリールまたはヘテロアリール基であり、これは、1つ以上のラジカルによって置換されていてもよく、
pは、1、2、または3であり、
Ar
4、Ar
5およびAr
6におけるπ−電子の合計は、p=1の場合、少なくとも30個であり、p=2の場合、少なくとも36個であり、p=3の場合、少なくとも42個である。
【0116】
式(25)のホスト材料において、基Ar
5がアントラセン(これは、1つ以上のラジカルR
1によって置換されていてもよい)を表し、9および10位に、基Ar
4およびAr
6が結合していることが、特に好ましい。特に非常に好ましくは、基Ar
4および/またはAr
6の少なくとも一つは、1−もしくは2−ナフチル、2−、3−もしくは9−フェナントレニル、または2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾアントラセニルから選択される縮合アリール基であり、これらの各々は、1つ以上のラジカルR
1によって置換されていてもよい。アントラセン系化合物は、US 2007/0092753 A1およびUS 2007/0252517 A1に記載されており、たとえば、2−(4−メチルフェニル)−9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン、9−(2−ナフチル)−10−(1,1’−ビフェニル)アントラセンおよび9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、および1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼンである。2つのアントラセン単位を含むホスト材料(US
2008/0193796 A1)、たとえば、10,10’−ビス[1,1’,4’,1’’]テルフェニル−2−イル−9,9’−ビスアントラセニルもまた好ましい。
【0117】
好ましい更なるホスト材料は、アリールアミン、スチリルアミン、フルオレセイン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、シクロペンタジエン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾオキサゾリン、オキサゾン、ピリジン、ピラジン、イミン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール(US 2007/0092753 A1)の誘導体、たとえば、2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール]、アルダジン、スチルベン、スチリルアリーレンの誘導体、たとえば、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、およびスチリルアリーレン誘導体(US 5121029)、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ジケトピロロピロール、ポリメチン、メロシアニン、アクリドン、キナクリドン、ケイ皮酸エステル、および蛍光染料である。
【0118】
アリールアミンおよびスチリルアミンの誘導体、たとえば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ビフェニル(TNB)が、特に好ましい。
【0119】
蛍光エミッターのためのホストとして好ましい、オリゴアリーレンを有する化合物は、たとえば、US 2003/0027016 A1、US 7326371 B2、US
2006/043858 A、US 7326371 B2、US 2003/0027016 A1、WO 2007/114358、WO 2008/145239、JP
3148176 B2、EP 1009044、US 2004/018383、WO
2005/061656 A1、EP 0681019B1、WO 2004/013073A1、US 5077142、WO 2007/065678、およびUS 2007/0205412 A1に開示されている化合物である。特に好ましいオリゴアリーレン系化合物は、式(26)〜(32)を有する化合物である。
【化7】
【0120】
蛍光エミッターのための更なるホスト材料は、スピロビフルオレンおよびその誘導体、たとえば、EP 0676461に開示されているスピロ−DPVBi、およびUS 6562485に開示されているインデノフルオレンから選択できる。
【0121】
燐光エミッターのための好ましいホスト材料、すなわち、マトリックス材料は、ケトン、カルバゾール、インドロカルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナトレン(phenathrene)、デヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾールおよびこれらの誘導体から選択される。いくつかの好ましい誘導体が、以下でより詳細に記載される。
【0122】
燐光エミッターが用いられる場合、ホスト材料は、蛍光エミッターのために用いられるホスト材料に比べて、かなり異なる特徴を満たさなければならない。燐光エミッターのために用いられるホスト材料は、エミッターの3重項レベルに比べて、エネルギーにおいて、より高い3重項レベルを有することが必要である。ホスト材料は、電子もしくはホールの何れか、またはこれらの両方を輸送できる。さらに、エミッターは、1重項−3重項の混合を十分に容易にするために、大きなスピン−軌道カップリング定数を有すると仮定される。これは、金属錯体を用いることによって可能になり得る。
【0123】
好ましいマトリックス材料は、N,N−ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、カルバゾール誘導体(たとえば、WO 2005/039246、US 2005/0069729、JP 2004/288381、EP 1205527もしくはDE 102007002714による)、アザカルバゾール(たとえば、EP 1617710、EP
1617711、EP 1731584、JP 2005/347160による)、ケトン(たとえば、WO 2004/093207による)、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン(たとえば、WO 2005/003253による)、オリゴフェニレン、芳香族アミン(たとえば、US 2005/0069729による)、双極性マトリックス材料(たとえば、WO 2007/137725による)、シラン(たとえば、WO 2005/111172による)、9,9−ジアリールフルオレン誘導体(たとえば、DE 102008017591による)、アザボロールまたはボロン酸エステル(たとえば、WO 2006/117052による)、トリアゾール誘導体、オキサゾールおよびオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フェニレンジアミン誘導体、第3級芳香族アミン、スチリルアミン、インドール、アントロン誘導体、フルオレノン誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、カルボジイミド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、フタロシアニン誘導体、8 ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、たとえば、Alq
3、(これらの8 ヒドロキシキノリン錯体は、また、トリアリールアミノフェノールリガンドを含んでいてもよい(US 2007/0134514 A1))、リガンドとして金属フタロシアニン、ベンゾオキサゾールもしくはベンゾチアゾールを有する様々な金属錯体−ポリシラン化合物、ホール伝導性ポリマー、たとえば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、アニリンコポリマー、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体である。
【0124】
特に好ましい更なるマトリックス材料は、たとえば、DE 102009023155.2、EP 0906947B1、EP 0908787B1、EP 906948B1、WO 2008/056746A1、WO 2007/063754A1、WO 2008/146839A1、およびWO 2008/149691A1に開示されている、インドロカルバゾールおよびそれらの誘導体(たとえば、式(33)〜(39))を含む化合物から選択される。
【化8】
【0125】
好ましいカルバゾール誘導体の例は、1,3−N,N−ジカルバゾールベンゼン(=9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール)(mCP)、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、1,3−ビス(N,N’−ゾカルバゾ−ル)ベンゼン(=1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン)、PVK(ポリビニルカルバゾール)、3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル、および式(40)〜(44)の化合物である。
【化9】
【0126】
好ましいSiテトラアリール化合物は、たとえば、(US 2004/0209115、US 2004/0209116、US 2007/0087219 A1、US 2007/0087219 A1)式(45)〜(59)の化合物である。
【化10】
【0127】
燐光ドーパントにとって特に好ましいマトリックスは、式(51)の化合物である(EP 652273 B1)。
【化11】
【0128】
燐光ドーパントにとって特に好ましい更なるマトリックス材料は、一般式(52)の化合物から選択される(EP 1923448A1)。
【0129】
[M(L)
2]
n 式(52)
式中、M、L、およびnは、前記文献と同じ定義である。好ましくは、MはZnであり、Lはキノリネートであり、nは、2、3または4である。特に非常に好ましいのは、[Znq
2]
2、[Znq
2]
3、および[Znq
2]
4である。
【0130】
金属オキシノイド錯体から選択されるコ−ホストが好ましく、リチウムキノレート(Liq)またはAlq
3が特に好ましい。
【0131】
好ましい態様において、前記QD−LEDおよび/またはQD−OLEDは、少なくとも一種の低分子有機蛍光エミッターを含む。したがって、本発明は、また、少なくとも一種の低分子有機機能性材料が蛍光エミッターから選択されることを特徴とする、QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む、前記細胞および/または細胞の処置デバイスにも関する。
【0132】
基本的に、当業者に知られている任意の蛍光エミッターを、本発明の目的に用いることができる。一般に、エミッター化合物は、広がった共役π−電子系を有する傾向がある。
多くの例、たとえば、JP 2913116BおよびWO 2001/021729 A1に開示されているスチリルアミン誘導体、ならびに、WO 2008/006449およびWO 2007/140847に開示されているインデノフルオレン誘導体が、公開されている。
【0133】
青色蛍光エミッターは、好ましくは、多環芳香族化合物、たとえば、9,10−ジ(2−ナフチルアントラセン)および他のアントラセン誘導体、テトラセン、キサンテン、ペリレンの誘導体、たとえば、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、フェニレン、たとえば、4,4’−(ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、フルオレン、アリールピレン(US 2006/0222886)、アリーレンビニレン(US 5121029、US 5130603)、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンの誘導体、たとえば、N,N’−ジメチルキナクリドン(DMQA)、ジシアノメチレンピラン、たとえば、4(ジシアノエチレン)−6−(4−ジメチルアミノスチリル−2−メチル)−4H−ピラン(DCM)、チオピラン、ポリメチン、ピリリウムおよびチアピリリウム塩、ペリフランテン、インデノペリレン、ビス(アジニル)イミン−ホウ素化合物(US 2007/0092753 A1)、ビス(アジニル)メテン化合物、ならびにカルボスチリル化合物である。
【0134】
好ましい更なる青色蛍光エミッターは、C.H.Chenら:「Recent developments in organic electroluminescent materials」、Macromol.Symp.125、(1997)、1−48、および「Recent progress of molecular organic electroluminescent materials and devices」、Mat.Sci.and Eng.R、39(2002)、143−222に記載されている。
【0135】
本発明による好ましい蛍光ドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテルおよびアリールアミンのクラスから選択される。
【0136】
モノスチリルアミンは、1つの置換または無置換スチリル基、および少なくとも一つの、好ましくは芳香族の、アミンを含む化合物を意味すると見なされている。ジスチリルアミンは、2つの置換または無置換スチリル基、および少なくとも一つの、好ましくは芳香族の、アミンを含む化合物を意味すると見なされている。トリスチリルアミンは、3つの置換または無置換スチリル基、および少なくとも一つの、好ましくは芳香族の、アミンを含む化合物を意味すると見なされている。テトラスチリルアミンは、4つの置換または無置換スチリル基、および少なくとも一つの、好ましくは芳香族の、アミンを含む化合物を意味すると見なされている。スチリル基は、特に好ましくはスチルベンであり、これは、また、さらに置換されていてもよい。対応するホスフィンおよびエーテルは、アミンと同様に定義される。本発明の目的では、アリールアミンまたは芳香族アミンは、窒素に直接結合した、3つの置換もしくは無置換芳香族またはヘテロ芳香族環系を含む化合物を意味すると見なされている。これらの芳香族またはヘテロ芳香族環系の少なくとも一つは、好ましくは少なくとも14個の芳香族環原子を有する、好ましくは縮合環系である。これらの好ましい例は、芳香族アントラセン−アミン、芳香族アントラセン−ジアミン、芳香族ピレン−アミン、芳香族ピレン−ジアミン、芳香族クリセン−アミンおよび芳香族クリセン−ジアミンである。芳香族アントラセン−アミンは、1つのジアリールアミノ基が、好ましくは9位で、アントラセン基に直接結合している化合物を意味すると見なされている。芳香族アントラセン−ジアミンは、2つのジアリールアミノ基が、好ましくは9,10位で、アントラセン基に直接結合している化合物を意味すると見なされている。芳香族ピレン−アミン、ピレン−ジアミン、クリセン−アミン、およびクリセン−ジアミンは、これらと同様に定義され、この場合、ピレン上のジアリールアミノ基は、好ましくは、1位で、または1,6位で結合している。
【0137】
好ましい更なる蛍光ドーパントは、たとえばWO 2006/122630による、インデノフルオレン−アミンおよびインデノフルオレン−ジアミン、たとえばWO 2008/006449による、ベンゾインデノフルオレン−アミンおよびベンゾインデノフルオレン−ジアミン、ならびに、たとえばWO 2007/140847による、ジベンゾインデノフルオレン−アミンおよびジベンゾインデノフルオレン−ジアミンから選択される。
【0138】
スチリルアミンのクラスからのドーパントの例は、置換または無置換トリスチルベン−アミン、または、WO 2006/000388、WO 2006/058737、WO
2006/000389、WO 2007/065549、およびWO 2007/115610に記載されているドーパントである。ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体は、US 5121029に記載されている。更なるスチリルアミンは、US 2007/0122656 A1に見出される。
【0139】
特に好ましいスチリルアミンドーパントおよびトリアリールアミンドーパントは、US
7250532 B2、DE 102005058557 A1、CN 1583691 A、JP 08053397 A、US 6251531 B1、およびUS 2006/210830 Aに開示されている、式(53)〜(58)の化合物である。
【化12】
【0140】
好ましい更なる蛍光ドーパントは、EP 1957606 A1、およびUS 2008/0113101 A1に開示されている、トリアリールアミンの群から選択される。
【0141】
好ましい更なる蛍光ドーパントは、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、ペリフランテン、インデノペリレン、フェナントレン、ペリレン(US 2007/0252517 A1)、ピレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、ルブレン、クマリン(US 4769292、US 6020078、US 2007/0252517 A1)、ピラン、オキサゾン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピラジン、ケイ皮酸エステル、ジケトピロロピロール、アクリドンおよびキナクリドン(US 2007/0252517 A1)の誘導体から選択される。
【0142】
アントラセン化合物の中で、9,10−置換アントラセン、たとえば、9,10−ジフェニルアントラセンおよび9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセンが特に好ましい。1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼンもまた好ましいドーパントである。
【0143】
態様のOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは蛍光エミッター(複数可)を含む。好ましいのは、1種のEIMを含むQD−LECである。本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、蛍光エミッターを、発光層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも0.5wt%、特に非常に好ましくは少なくとも3wt%の濃度で含む。
【0144】
好ましい態様において、前記のOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、少なくとも一種の低分子有機燐光エミッターを含む。したがって、本発明は、また、少なくとも一種の低分子有機機能性材料が燐光エミッターから選択されることを特徴とする、QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む、前記細胞および/または細胞の処置デバイスにも関する。
【0145】
基本的に、当業者に知られている任意の燐光エミッターを、本発明の目的に用いることができる。いくつかの態様では、前記の少なくとも一種の低分子有機機能性材料は、燐光エミッターから選択される。
【0146】
燐光エミッターの例は、出願WO 00/70655、WO 01/41512、WO
02/02714、WO 02/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614およびWO 2005/033244に開示されている。
一般に、先行技術により用いられ、有機エレクトロルミネッセンスの分野の当業者に知られている全ての燐光錯体が適切である。
【0147】
燐光エミッターは、好ましくは式M(L)
zを有する、金属錯体であってよい、式中、Mは金属原子であり、Lは、出現する毎に互いに独立に、1つ、2つまたはこれを超える位置によりMに結合または配位した有機リガンドであり、zは、1以上の整数、好ましくは、1、2、3、4、5もしくは6であり、任意選択で、これらの基は、好ましくはリガンドLを通じて、1つ以上の、好ましくは1つ、2つまたは3つの位置により、ポリマーに連結している。
【0148】
Mは、特に、遷移金属から選択され、好ましくはVIII族の遷移金属、またはランタノイド、またはアクチニドから選択され、特に好ましくは、Rh、Os、Ir、Pt、Pd、Au、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Re、Cu、Zn、W、Mo、Pd、Ag、またはRuから選択され、特に非常に好ましくは、Os、Ir、Ru、Rh、Re、Pd、またはPtから選択される金属原子である。Mはまた、Znであってもよい。
【0149】
好ましいリガンドは、2 フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2(2−チエニル)ピリジン誘導体、2(1−ナフチル)ピリジン誘導体または2 フェニルキノリン誘導体である。これらの全ての化合物は、たとえば、青色では、フルオロ−またはトリフルオロメチル置換基によって、置換されていてもよい。補助リガンドは、好ましくは、アセチルアセトネートまたはピクリン酸である。
【0150】
特に、PtまたはPdと、US 2007/0087219 A1に開示されている式(59)(式中、R
1〜R
14、およびZ
1〜Z
5は、その文献に定義されている通りである)の4座リガンドとの錯体、拡張された環系を有するPtポルフィリン錯体(US 2009/0061681 A1)、ならびにIr錯体、たとえば、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン−Pt(II)、テトラフェニル−Pt(II)−テトラベンゾポルフィリン(US 2009/0061681 A1)、シス−ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)Pt(II)、シス−ビス(2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’)Pt(II)、シス−ビス(2−(2’−チエニル)キノリナト−N,C5’)Pt(II)、(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)Pt(II)アセチルアセトネート、またはトリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)Ir(III)(Ir(ppy)
3、緑色)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2)Ir(III)アセチルアセトネート(Ir(ppy)
2アセチルアセトネート、緑色、US 2001/0053462 A1、Baldo、Thompsonら、Nature 403、(2000)、750−753)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’)イリジウム(III)アセチルアセトネート、ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)ピコリネート(Firpic、青色)、ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)Ir(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート、トリス(2−(ビフェニル−3−イル)−4−tert−ブチルピリジン)イリジウム(III)、(ppz)
2Ir(5phdpym)(US 2009/0061681
A1)、(45ooppz)
2Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、2 フェニルピリジン−Ir錯体の誘導体、たとえば、イリジウム(III)ビス(2−フェニルキノリル−N,C2’)アセチルアセトナート(PQIr)、トリス(2−フェニルイソキノリナト−N,C)Ir(III)(赤色)、ビス(2−(2’−ベンゾ[4,5−a]チエニル)ピリジナト−N,C3)Irアセチルアセトネート([Btp
2Ir(acac)]、赤色、Adachiら、Appl.Phys.Lett.78(2001)、1622−1624)が、適切である。
【化13】
【0151】
やはり適切であるのは、3価ランタニド、たとえば、Tb
3+およびEu
3+の錯体(J.Kidoら、Appl.Phys.Lett.65(1994)、2124、Kidoら、Chem.Lett.657、1990、US 2007/0252517 A1)、または、Pt(II)、Ir(I)、Rh(I)とマレオニトリルジチオレートとの燐光錯体(Johnsonら、JACS 105、1983、1795)、Re(I)トリカルボニルジイミン錯体(とりわけ、Wrighton、JACS 96、1974、998)、Os(II)とシアノリガンドおよびビピリジルまたはフェナントロリンリガンドとの錯体(Maら、Synth.Metals 94、1998、245)、あるいは、Alq
3である。
【0152】
3座リガンドを有する更なる燐光エミッターが、US 6824895およびUS 7029766に記載されている。赤色発光燐光錯体は、US 6835469およびUS
6830828に挙げられている。
【0153】
特に好ましい燐光ドーパントは、たとえばUS 2001/0053462 A1に開示されている、式(60)を有する化合物、および更なる化合物である。
【0154】
特に好ましい燐光ドーパントは、たとえばWO 2007/095118 A1に開示されている、式(61)を有する化合物、および更なる化合物である。
【化14】
【0155】
更なる誘導体が、US 7378162 B2、US 6835469 B2、およびJP 2003/253145 Aに記載されている。
【0156】
有機金属錯体から選択される有機エレクトロルミネッセンス化合物が特に好ましい。
【0157】
エレクトロルミネッセンス化合物という用語は、電圧を加えることによってエネルギーを受け取ると、放射減衰して発光する材料を表す。
【0158】
本明細書において他の箇所で挙げられている金属錯体に付け加えて、本発明での適切な金属錯体は、遷移金属から選択され得るが、希土類元素、ランタニドおよびアクチニドもまた本発明の主題である。好ましくは、金属は、Ir、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、Pd、またはAgから選択される。
【0159】
好ましい態様において、低分子有機機能性材料は、紫外(UV)領域に発光する。適切なUVエミッター材料は、小さなπ共役系を有し、最高被占分子軌道(HOMO)と最低空分子軌道(LUMO)との間のワイドギャップ部分を含む有機化合物から選択できる。
このようなUVエミッターは、好ましくは、カルバゾール、インデノカルバゾール、インドロカルバゾール、シラン、フルオレン、トリアジン、チオフェン、ジベンゾチオフェン、フラン、ジベンゾフラン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、アミン、トリアリールアミンおよびこれらの誘導体が含まれる、低分子化合物から選択され得る。
【0160】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、4種、好ましくは3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは蛍光エミッター(複数可)を含む。1種のEIMを含むQD−LECが好ましい。
【0161】
本発明によるOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、好ましくは、蛍光エミッターを、発光層の全量に対して、少なくとも0.1wt%、特に好ましくは少なくとも0.5wt%、特に非常に好ましくは少なくとも3wt%の濃度で含む。
【0162】
一態様において、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスのQD−LECは、
(1)第1の電極;
(2)第2の電極;
(3)第1の電極と第2の電極の間に置かれ、「少なくとも一つの量子ドット」、少なくとも一種のイオン性化合物および少なくとも一種の低分子有機機能性材料を含む発光層(EML);
を含む。
【0163】
本出願内の他の箇所で概略が示されているように、OLEC(本明細書では、LECとも呼ばれている)、QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、光線療法およびPDTにおける利用に特に適している。
それらは、構造および製造に関してかなり簡単であり、これは、製造コストを低下させる。OLEC、特にQD−LECの更なる利点は、本発明内ですでに論じられた。OLECまたはQD−LECは、好ましくは、少なくとも2つの電極、特に好ましくは2つの電極、陰極および陽極を含む。2つの電極は、EMLを介して結び付けられる。
【0164】
OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDに用いられる電極に好ましい材料は、金属、特に好ましくは、Al、Cu、Au、Ag、Mg、Fe、Co、Ni、Mn、Zn、Cr、V、Pd、Pt、Ga、Inおよびこれらの合金から、導電性酸化物、たとえば、ITO、AZO、ZnO、ならびに、たとえば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSSH)、ポリアニリン(PANI)を含めて、導電性有機薄膜(thin film)から選択される。適切な更なる導電性ポリマーは、たとえば、Michael S.Freund&Bhavana Deore編、「Self−Doped Conducting Polymers」、John Willey&Sons,Ltd.、2007の総説に見出され得る。
【0165】
好ましくは、OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、可撓性のある基板に製造される。適切な基板は、好ましくは、ポリマーまたはプラスチックに基づく膜または箔(foil)から選択される。ポリマーまたはプラスチックに対する主な選択規準は、1)衛生上の特性、および2)ガラス転移温度である。ポリマーのガラス転移温度(T
g)は、一般的なハンドブック、たとえば、「Polymer Handbook」、J.Brandrup、E.H.Immergut、E.A.Grulke編、John Willey&Sons、Inc.、1999、VI/193−VI/276に見出すことができる。好ましくは、ポリマーのT
gは、100℃を超え、特に好ましくは150℃を超え、特に非常に好ましくは180℃を超える。非常に好ましい基板は、たとえば、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)およびポリ(エチレン 2,6−ナフタレート)(PEN)である。
【0166】
酸素および湿気により引き起こされる劣化を避けるために、また、デバイス内の活性材料、たとえば、イオン性化合物および有機エレクトロルミネッセンス化合物が、処置される対象と接触することを防ぐために、前記デバイスの適切な封止が、治療処置および美容に関する状態における利用のために、前もって必要である。
【0167】
本発明によるデバイスの封止に適する多くの技術が存在する。通常、有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽電池、有機色素増感(dye-sensitized)太陽電池、有機電界効果トランジスター(OFET)、薄膜バッテリー、微小電気機械システム(MEMS)および電子ペーパーのために開発された封止技術の全てが、本発明によるデバイスを封止するために適用できる。
【0168】
好ましい態様において、本発明のデバイスは、薄膜封止を用いて封止される。通常、薄膜封止は、無機物/有機物スタックの複数の交互層からなり、無機物層は、適切なバリア性能を実現するために、有機層は、無機層の不可避な欠点を除くために、用いられる。無機層に用いられる材料は、金属、金属酸化物または混合酸化物、たとえば、Ag、SiO
x、SiN
x、AlO
x、ZrO
x、ZnO
x、HfO
x、TiO
x、および酸化インジウムスズなどから選択できる。いくつかの例は、Graff,G.L.ら(J.Appl.Phys.2004、96、1840)に報告された、真空堆積によるアクリレートポリマー/AlO
xの交互多層、Young Gu Leeら(Org.Electron.2009、10、1352、およびDig.Tech.Pap.−Soc.Inf.Disp.Int.Symp.2008、39、2011)に報告された、Al
2O
3/ポリウレア層、Han,Jin Wooら(Jpn.J.Appl.Phys.、Part1 2006、45、9203)に報告された、PET基板上のSiON/SiO
2/パリレン、および、Wang,Li Duoら(Chin.Phys.Lett.2005、22、2684)に報告された、ポリアクリレート(20μm)−Ag(200nm)である。
【0169】
最先端の堆積技術、たとえば、原子層堆積(ALD)、プラズマ支援パルスレーザー堆積(PAPLD)およびプラズマ支援化学気相堆積(PECVD)を用いることによって、無機層における欠陥は著しく減らすことができるので、全ての無機層を用いることができ、たとえば、Chang,Chih Yuら(Org.Electron.2009、10、1300)により報告された、ALDによるAl
2O
3/HfO
2ナノ積層膜、および、Li,C.Y.ら(IEEE Electron.Compon.Technol.Conf.2008、58th、1819)により報告されたSiN
x/SiO
x層、Shimooka,Y.ら(IEEE Electron.Compon.Technol.Conf.2008、58th、824)による(PECVD SiO)/ポリ−ベンゾ−オキサゾール(PBO)、Meyer,J.ら(Appl.Phys.Lett.2009、94、233305/1)によるAl
2O
3/ZrO
2のナノ積層交互層、および、Gorrn,Patrickら(J.Phys.Chem.2009、113、11126)により報告された、PAPLDによるAl
2O
3/ZrO
2のナノ積層体、および、Weidner,W.K.ら(Annu.Tech.Conf.Proc−Soc.Vac.Coaters 2005、48th、158)により報告された、PECVDによるSiC層、Lifka,H.ら(Dig.Tech.Pap.−Soc.Inf.Disp.Int.Symp.2004、35、1384)により報告された、PECVDによる窒化ケイ素−酸化ケイ素−窒化ケイ素 酸化ケイ素−窒化ケイ素(NONON)多層スタック、および、Park,Sang−Hee Koら(ETRI Journal 2005、545)によって報告されたポリエーテルスルホン(PES)/ALD AlOxを用いることができる。CVDおよびALDによる薄膜封止についての総説は、Stoldt,Conrad Rら(J.Phys.D:Appl.Phys.2006、39、163)によって提供されている。
【0170】
更なる単一層封止もまた、開発された。単一バリア層の例は、Granstrom,J.ら(Appl.Phys.Lett.2008、93、193304/1)により報告された、パーフルオロ化ポリマー(Cytop)(これは、OLEDに容易にスピンコートできる)、および、Huang,L.T.ら(Thin Solif Films 2009、517、4207)により報告された、反応性高周波(RF)マグネトロンスパッタリングを用いることによる、オキシ窒化アルミニウム(AlO
xN
y)からなる単一層、Rusu,Cristinaら(J.Microelectromech.Syst.2003、12、816)により報告された、PECVDによるポリ−SiGe単一層である。
【0171】
封止のための材料および方法についての更なる詳細は、たとえば、WO 2009/089417、WO 2009/089417、WO 2009/042154、WO 2009/042052、US 2009/081356、US 2009/079328、WO 2008/140313、WO 2008/012460、EP 1868256、KR 2006/084743、KR 2005/023685、US 2005/179379、US 2005/023974、KR 2003/089749、US 2004/170927、US 2004/024105、WO 2003/070625、およびWO 2001/082390に開示されている。
【0172】
別の好ましい態様において、本発明のデバイスは、硬化性樹脂を、キャップ(cap)と一緒に用いることによって封止され、この場合、キャップは、少なくとも発光部分を被覆し、硬化性樹脂は、基板とキャップの間に付けられる。キャップ材料は、板または箔の形態の金属およびプラスチック、ならびにガラスキャップから選択できる。好ましくは、キャップは可撓性があり、これは、好ましくは、金属箔、プラスチック箔または金属で被覆されたプラスチック箔から選択される。金属は、Al、Cu、Fe、Ag、Au、Niから選択でき、Alが特に好ましい。プラスチックに対する選択規準は、1)衛生上の性質、2)ガラス転移温度(T
g)であり、後者は、十分に高いことを前提としている。ポリマーのT
gは、適切なハンドブック、たとえば、「Polymer Handbook」、J.Brandrup、E.H.Immergut、E.A.Grulke編、John Willey&Sons、Inc.、1999、VI/193−VI/276に見出すことができる。好ましくは、キャップ材料に適するポリマーは、60℃を超え、好ましくは70℃を超え、特に好ましくは100℃を超え、特に非常に好ましくは120℃を超えるT
gを有する。本発明において用いられるキャップは、ポリ(エチレン 2,6−ナフタレート)(PEN)である。
【0173】
適切な樹脂は、熱硬化またはUV−硬化性であり得る。好ましくは、樹脂は、UV−硬化性であり、任意選択で、加熱により補助または促進されてもよい。典型的な樹脂は、エポキシ系樹脂であり、これは、たとえば、Nagase&Co.,LTD.、およびDELO Industrie Klebstoffeから市販されている。樹脂は、発光部分の全面に、または発光部分が下層にない端部にだけ付けられ得る。
【0174】
OLECおよびQD−LECは、電荷輸送が、OLEDにおいて認められる電子およびホールの純粋な輸送よりもむしろ、荷電化学種の輸送により行われることに特徴がある。
このように、OLECおよびQD−LECは、通常、イオン種を含む。
【0175】
本発明によるOLECおよび/またはQD−LECに適する、典型的なイオン種(イオン性材料とも呼ばれる)は、一般式K
+A
-を有し、式中、K
+およびA
-は、それぞれ、カチオンおよびアニオンを表す。
【0176】
好ましくは、イオン性材料は、有機発光材料と同じ溶媒に可溶である。これは、前記エミッター材料(複数可)およびイオン性材料(複数可)を含む混合物の調製を容易にする。通常、有機発光材料は、一般的な有機溶媒、たとえば、トルエン、アニソール、クロロホルムに可溶である。
【0177】
好ましくは、前記イオン性材料は、室温で固体であり、特に好ましくは、前記イオン性材料は、室温で固体であって、30〜37℃で軟化する。
【0178】
前記カチオンは、有機または無機であり得る。適切な無機カチオンK
+は、たとえば、K
+(カリウム)およびNa
+から選択できる。適切な有機カチオンK
+は、式(62)〜(66)に示されているアンモニウム−、ホスホニウム、チオウロニウム−、グアニジニウムカチオン、または式(67)〜(94)に示されている複素環式カチオンから選択され得る。
【化15】
【0179】
式中、
R
1〜R
6は、互いに独立に、1〜20個のC原子を有する線状もしくは超分枝アルキル残基、2〜20個のC原子および1つ以上の非共役2重結合を有する線状もしくは超分枝アルケニル残基、2〜20個のC原子および1つ以上の非共役3重結合を有する線状もしくは超分枝アルキニル残基、3〜7個のC原子を有する飽和、部分飽和もしくは完全飽和シクロアルキル(これは、1〜6個のC原子を有するアルキル基によりさらに置換されていてもよい)から選択でき、ここで、1つ以上の置換基Rは、ハロゲン、特に、−Fおよび/または−Clにより部分的もしくは完全に置換されていてもよい、あるいは、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’
2、−SO
2NR’
2、−SO
2OH、−SO
2X、−NO
2により部分的に置換されていてもよく、R
1〜R
6の非隣接、非α−炭素原子の1個または2個は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−N
+R’
2-、−C(O)NR’−、−SO
2NR’−、および−P(O)R’−から選択される基により置換されていてもよく、式中、R’=H、無置換または−Fにより部分的もしくは完全に置換されたC
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
7−シクロアルキル、無置換もしくは置換フェニルであり、またX=ハロゲンである。
【0180】
式(62)において、R
1〜R
4はHであってもよいが、但し、残基R
1〜R
4の少なくとも一つはHでない。式(63)において、R
1〜R
4は、HおよびNR’
2(R’は、上記と同じ定義である)であり得る。式(64)において、R
1〜R
5はHであり得る。式(65)において、R
1〜R
6は、H、CN、およびNR’
2(R’は、上記と同じ定義である)であり得る。
【化16】
【化17】
【0181】
式中、置換基R
1’〜R
4’は、互いに独立に、H、CN、1〜20個のC原子を有する線状および分枝アルキル残基、2〜20個のC原子および1つ以上の非共役2重結合を有する線状および分枝アルケニル残基、2〜20個のC原子および1つ以上の非共役3重結合を有する線状および分枝アルキニル残基、3〜7個のC原子を有する部分もしくは完全不飽和シクロアルキル残基(これは、1〜6個のC原子を有するアルキル残基により置換されていてもよい)、飽和および部分もしくは完全不飽和ヘテロアリール、ヘテロアリール−C
1−C
6−アルキル、または、アルキル−C
1−C
6−アルキルから選択され、置換基R
1’、R
2’、R
3’および/またはR
4’は、一緒に環を形成していてもよく、置換基R
1’〜R
4’の1つ以上は、ハロゲン、特に、−Fおよび/または−Cl、ならびに、−OR’、−CN、−C(O)OH、−、C(O)NR’
2、−SO
2NR’
2、−C(O)X、−SO
2OH、−SO
2X、−NO
2により部分的もしくは完全に置換されていてもよく、置換基R
1’およびR
4’は、ハロゲンにより同時には置換されておらず、置換基R
1’およびR
2’の1個または2個の炭素原子(これらは、隣接していない、またはヘテロ原子に結合している)は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−N
+R’
2−、−C(O)NR’−、−SO
2NR’−、および−P(O)R’−から選択される基によって置換されていてもよく、式中、R’=H、無置換または−Fにより部分的もしくは完全に置換された1〜6個のC原子を有するアルキル、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、無置換もしくは置換フェニルであり、またX=ハロゲンである。
【0182】
−OR’、−NR’
2、−C(O)OH、−C(O)NR’
2、−SO
2NR’
2)−SO
2OH、−SO
2X、および−NO
2から選択されるR
2’が好ましい。
【0183】
好ましい更なるイオン性材料が、たとえばUS 2007/0262694 A1に開示されている。
【0184】
特に好ましい更なるイオン性材料は、式(95)によって表される構造を有するカチオンを含む。それらには、N,N,N−トリメチルブチルアンモニウムイオン、N−エチル−N,N−ジメチル−プロピルアンモニウムイオン、N−エチル−N,N−ジメチルブチルアンモニウムイオン、N,N,−ジメチル−N−プロピルブチルアンモニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N,N−ジメチルエチルアンモニウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウムイオン、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−sec−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−(2−エトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムイオン、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−sec−ブチル−N−メチルピペリジニウムイオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピペリジニウムイオン、およびN−(2−エトキシエチル)−N−メチルピペリジニウムイオンが含まれる。
【化18】
【0185】
特に非常に好ましいのは、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムである。
【0186】
特に好ましいイオン性材料は、メチルトリオクチルアンモニウムトリフルオロメタン−スルホネート(MATS)、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムオクチルサルフェート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムオクチルサルフェート、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリへキシル(テトラデシル)ホスホニウムビス(1,2−ベゼン(bezene)ジオラト(2−)−O,O’)ボレート、およびN,N,N’,N’,N’,N’−ペンタメチル−N’−プロピルグアニジニウムトリフルオロメタンスルホネートからなるイオン性化合物の群から選択される化合物であり、これらは、一般的な有機溶媒、たとえば、トルエン、アニソール、およびクロロホルムに可溶である。
【0187】
好ましい更なるカチオンは、一般式(96)〜(101)の1つの化合物から選択される。
【化19】
【0188】
式中、R
1〜R
4は、式(62)、(63)、および(67)における定義と同じであり、R
1’およびR
4’は、式(68)、(82)、および(77)における定義と同じである。
【0189】
態様のOLECおよび/またはQD−LECに適する、好ましい更なるイオン性材料は、K
+またはA
-の1つが、ポリマー骨格に共有結合している化合物である。
【0190】
態様のOLECおよび/またはQD−LECに適する、好ましい更なるイオン性材料は、K
+またはA
-の1つが、発光性有機材料である化合物から選択され、これらの発光性有機材料は、本発明内で別の箇所に記載されている低分子およびポリマーの発光材料から選択され得る。
【0191】
適切なアニオンA
-は、[HSO
4]
-、[SO
4]
2-、[NO
3]
-、[BF
4]
-、[(R
F)BF3]
-、[(R
F)
2BF
2]
-、[(R
F)
3BF]
-、[(R
F)
4B]
-、[B(CN)
4]
-、[PO
4]
3-、[HPO
4]
2-、[H
2PO
4]
-、[アルキル−OPO
3]
2-、[(アルキル−O)
2PO
2]
-、[アルキル−PO
3]
2-、[R
FPO
3]
2-、[(アルキル)
2PO
2]
-、[(R
F)
2PO
2]
-、[R
FSO
3]
-、[HOSO
2(CF
2)
nSO
2O]
-、[OSO
2(CF
2)
nSO
2O]
2-、[アルキル−SO
3]
-、[HOSO
2(CH
2)
nSO
2O]
-、[OSO
2(CH
2)
nSO
2O]
2-、[アルキル−OSO
3]
-、[アルキル−C(O)O]
-、[HO(O)C(CH
2)
nC(O)O]
-、[R
FC(O)O]
-、[HO(O)C(CF
2)
nC(O)O]
-、[O(O)C(CF
2)
nC(O)O]
2-、[(R
FSO
2)
2N]
-、[(FSO
2)
2N]
-、[((R
F)
2P(O))
2N]
-、[(R
FSO
2)
3C]
-、[(FSO
2)
3C]
-、Cl
-および/またはBr
-から選択できる。
【0192】
式中、
n=1〜8であり、
R
Fは、式(C
mF
2m-x+1H
x)のフッ素化アルキル(m=1〜12、x=0〜7であり、m=1では、x=0〜2である)、および/またはフッ素化(さらに、パーフルオロ化)アリールもしくはアルキル−アリールである。
【0193】
前記のアルキル基は、1〜20個のC原子、好ましくは1〜14個のC原子、特に好ましくは1〜4個のC原子を有する線状または超分枝アルキル基から選択され得る。好ましくは、R
Fは、CF
3、C
2F
5、C
3F
7またはC
4F
9を意味する。
【0194】
好ましいアニオンは、PF
6-、[PF
3(C
2F
5)
3]
-、[PF
3(CF
3)
3]
-、BF
4-、[BF
2(CF
3)
2]
-、[BF
2(C
2F
5)
2]
-、[BF
3(CF
3)]
-、[BF
3(C
2F
5)]
-、[B(COOCOO)
2-(BOB
-)、CF
3SO
3-(Tf
-)、C
4F
9SO
3(Nf
-)、[(CF
3SO
2)
2N]
-(TFSI
-)、[(C
2F
5SO
2)
2N]
-(BETI
-)、[(CF
3SO
2)(C
4F
9SO
2)N]
-、[(CN)
2N]
-(DCA
-)、[CF
3SO
2]
3C]
-、および[(CN)
3C]
-から選択される。
【0195】
本発明によるOLECおよび/またはQD−LECに適する、好ましい更なるイオン性材料は、式(K
n+)
a(A
m-)
bを有する化合物から選択され、式中、n、m、a、およびbは、1〜3の整数であり、n×a−m×b=0であり、K
n+またはA
m-の1つは、発光性有機材料であり、これは、本発明内で別の箇所に概略が示されている、低分子またはポリマーのエミッターの群を含む化合物から選択され得る。好ましくは、n、m、a、bは1である。
【0196】
好ましい態様において、(K
n+)
a(A
m-)
bの形の前記化合物において、K
n+またはA
m-の1つは、発光性金属錯体であり、特に好ましくは、K
n+が発光性金属錯体であり、この場合、金属は、遷移金属、好ましくは、VIII族元素、ランタニド、およびアクチニドの金属から選択でき、特に好ましくは、Rh、Os、Ir、Pt、Au、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Re、Cu、W、Mo、Pd、Ag、Ruから選択でき、特に非常に好ましくは、Ru、Os、Ir、Reから選択され得る。K
n+の非限定的例のいくつかは、[Ir(ppy)
2(bpy)]
+、[Ir(ppy)
2(dpp)]
+、[Ir(ppy)
2(phen)]
+、[Ru(bpy)
3]
2+、[Os(bpy)
2L)]
2+(L=シス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン)である。
【0197】
本発明の更なる態様において、前記OLECおよび/またはQD−LECは、式(K
n+)
a(A
m-)
bを有する化合物を含み、ここで、K
n+またはA
m-の1つは、発光性1重項エミッターであり、特に好ましくはK
n+が発光性1重項エミッターである。この種の化合物は、荷電レーザー染料、たとえば、p−クアテルフェニル−4,4’’’−ジスルホン酸二ナトリウム塩(ポリフェニル 1)、p−クアテルフェニル−4,4’’’−ジスルホン酸二カリウム塩(ポリフェニル 2)、2−(4−ビフェニルイル)−6−フェニルベンゾオキサゾテトラスルホン酸カリウム塩(フラン 2)、[1,1’−ビフェニル]−4−スルホン酸,4’,4’’−1,2−エテン−ジイルビス−,二カリウム塩、(スチルベン 1)、2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)−ビス−ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩(スチルベン 3)、ベンゾフラン,2,2’−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル−ビス−テトラスルホン酸(四ナトリウム塩)(フラン 1)、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−ピリジルメチルヨージド(DASPI)、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−ベンゾチアゾリルエチルヨージド(DASBTI)、3,3’−ジエチルオキサカルボシアニンヨージド(DOCI)、4,4−ジフルオロ−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン 1,3,5,7,8−ペンタメチルピロメテンジフルオロボレート錯体(ピロメテン 546)、3,3’−ジメチル−9−エチルチアカルボシアニンヨージド(DMETCI)、二ナトリウム−1,3,5,7,8−ペンタメチルピロメテン−2,6−ジスルホネート−ジフルオロボレート錯体(ピロメテン 556)、4,4−ジフルオロ−2,6−ジエチル−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン 2,6−ジエチル−1,3,5,7,8−ペンタメチルピロメテンジフルオロボレート錯体(ピロメテン 567)、o−(6−アミノ−3−イミノ−3H−キサンテン−9−イル)−安息香酸(ローダミン 110)、安息香酸,2−[6−(エチルアミノ)−3−(エチルイミノ)−2,7−ジメチル−3H−キサンテン−9−イル],過塩素酸塩(ローダミン 19)、4,4−ジフルオロ−2,6−ジ−n−ブチル−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン 2,6−ジ−n−ブチル−1,3,5,7,8−ペンタメチルピロメテンジフルオロボレート錯体(ピロメテン 580)、安息香酸、および、2−[6−(エチルアミノ)−3−(エチルイミノ)−2,7−ジメチル−3H−キサンテン−9−イル]−エチルエステル,一塩酸塩(ローダミン 6G)から選択でき、これらは、Lambda Physik AG(ゲッチンゲン、ドイツ)から市販されている。
【0198】
本発明の別の主題は、式(K
n+)
a(A
m-)
bの少なくとも一種の化合物を含み、K
n+またはA
m-の1つが発光性1重項エミッターであることを特徴とする前記QD−LECである。
【0199】
非常に好ましくは、K
n+が発光性1重項エミッターである。K
n+は、好ましくは、上記で定められた群から選択される。
【0200】
好ましくは、本発明の発光デバイスは、エレクトロルミネッセンスデバイスである。3種、特に好ましくは2種、特に非常に好ましくは1種の、前記式(K
n+)
a(A
m-)
bの化合物を含む前記QD−LECが好ましい。
【0201】
実際に、前記イオン種が、それ自体、発光材料である場合、それは、本明細書において定義された有機機能性材料と見なされる。この場合、前記OLECおよび/またはQD−LECには、更なる低分子機能性材料は、不要であり得る。
【0202】
基本的に、当業者に知られている任意の量子ドット(QD)を、本発明によるQD−LECおよび/またはQD−OLEDに用いることができる。
【0203】
300〜2000nm、好ましくは350〜1500nmの範囲に発光強度極大を有する量子ドットが好ましい。発光波長は、適切な有機半導体を選択すること、および/または、適切な量子ドットを選択すること、および/または、量子ドットの大きさ(これについて言えば、合成によって正確に用途に合わせることができる)によって容易に調節できる。発光強度も、また、前記QD−LECおよび/またはQD−OLEDに用いられる特定の大きさの量子ドットの濃度によって適合させることができる。
【0204】
好ましくは、本発明によるQD−LECおよび/またはQD−OLEDは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族の半導体、好ましくは、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、およびこれらの組合せから選択される量子ドットを含む。
【0205】
量子ドットに組み入れることができる、適切な半導体材料は、II−VI族元素、たとえば、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnO、ZnS、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、およびこれらの合金、たとえば、CdZnSe;III−V族元素、たとえば、InAs、InP、GaAs、GaP、InN、GaN、InSb、GaSb、AlP、AlAs、AlSb、およびこれらの合金、たとえば、InAsP、CdSeTe、ZnCdSe、InGaAs;IV−VI族元素、たとえば、PbSe、PbTe、PbS、およびこれらの合金;III−VI族元素、たとえば、InSe、InTe、InS、GaSe、および合金、たとえば、InGaSe、InSeS;IV族元素の半導体、たとえば、SiおよびGe、これらの合金、ならびに複合構造体としてのこれらの組合せから選択される。
【0206】
適切な更なる半導体材料には、米国特許出願第10/796832号に開示されているものが含まれ、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族の半導体を含めて、任意のタイプの半導体が含まれる。適切な半導体材料には、これらに限らないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドが含まれる)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlS、AlSb、BaS、BaSe、BaTe、CaS、CaSe、CaTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si
3N
4、Ge
3N
4、Al
2O
3、(Al、Ga、In)
2(S、Se、Te)
3、Al
2CO、および2種以上のこのような半導体の適切な組合せが含まれる。
【0207】
好ましくは、量子ドットは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族の半導体から、特に好ましくは、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、およびこれらの組合せから選択される。
【0208】
いくつかの態様では、量子ドットは、p型ドーパントまたはn型ドーパントからなる群からのドーパントを含んでいてよい。ドーピングされた量子ドットの特性および合成は、「n−type colloidal semiconductor nanocrystals」、Moonsub Shim&Philippe Guyot−Sionnest、Nature vol407(2000) p981、および「Doped Nanocrystals」、Norrisら、Science、319(2008)、p1776を参照できる。本発明での量子ドットは、また、II−VI、またはIII−Vの半導体も含み得る。II−VI、またはIII−Vの半導体ナノ結晶の例には、周期表のII族からの元素、たとえば、Zn、CdおよびHgと、VI族からの任意の元素、たとえば、S、Se、Te、Poとの任意の組合せ;ならびに、周期表のIII族からの元素、たとえば、B、Al、Ga、In、およびTlと、V族からの任意の元素、たとえば、N、P、As、SbおよびBiとの任意の組合せ;が含まれる。
【0209】
量子ドットにおいて、光ルミネッセンスおよびエレクトロルミネッセンスは、ナノ結晶のバンドエッジ状態から生じる。ナノ結晶からの放射バンドエッジ発光は、X.Pengら、J.Am.Chem.Soc.Vol119:7019−7029(1997)によって報告されたように、表面電子状態に由来する非放射減衰チャネルと競合する。このため、表面欠陥、たとえばダングリングボンド(dangling bond)の存在は、非放射再結合中心を提供し、より低い発光効率をもたらす。表面トラップ状態を不動態化し、除去する効率的な方法は、X.Pengら、J.Am.Chem.Soc.Vol119:7019−7029(1997)に開示されているように、ナノ結晶の表面に無機シェル材料をエピタキシャル成長させることである。シェル材料は、電子準位が、コア材料との関係でタイプIである(たとえば、電子およびホールをコアに局在化させる可能性のあるステップをもたらす、より大きなバンドギャップを有する)ように選択され得る。結果的に、非放射再結合の確率を下げることができる。
【0210】
コア−シェル構造体は、シェル材料を含む有機金属前駆体を、コアナノ結晶含む反応混合物に加えることによって得られる。この場合、その後に成長が起こる核形成事象というよりはむしろ、コアが核として働き、シェルは、それらの表面から成長する。反応温度は、コア表面へのシェル材料モノマーの付加を容易にし、同時に、シェル材料のナノ結晶の独自の核形成を防ぐために、低く保たれる。反応混合物における界面活性剤は、シェル材料の制御された成長を導き、溶解性を保証するために存在する。エピタキシャル成長した一様なシェルが、2つの材料の間の格子不整合が低い場合に、得られる。さらに、球状の形が、大きな曲率半径による界面歪みエネルギーを最小限にするように作用し、これによって、ナノ結晶系の光学的特性を下落させる転位の形成を防ぐ。
【0211】
好ましい態様において、ZnSが、当業者によく知られた合成方法を用い、シェル材料として使用できる。
【0212】
特に好ましい態様において、本発明での量子ドットは、II−VI族の半導体、これらの合金から選択される半導体材料、およびこれらから製造されるコア/シェル構造体を含む。更なる態様において、II−VI族半導体は、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、これらの合金、これらの組合せ、およびこれらのコア/シェル構造体、コア多層シェル構造体である。
【0213】
いくつかの態様では、本発明での量子ドットは、それらの表面に、接合した(conjugated)、協働する(cooperated)、結合した、または結び付いた、更なるリガンドを含む。
適切なリガンドには、US 10/656910およびUS 60/578236に開示されているものを含めて、当業者に知られている任意のグループが含まれる。このようなリガンドの使用により、量子ドットの、様々な溶媒およびマトリックス材料(ポリマーが含まれる)に組み入れられる能力を高めることができる。好ましい更なるリガンドは、US 2007/0034833A1に開示されている、「ヘッド−本体−テイル」構造を有するものであり、この場合、さらに好ましくは、「本体」は、US 20050109989A1に開示されているように、電子またはホール輸送機能を有する。
【0214】
量子ドットという用語は、大きさが実質的に単分散であるナノ結晶を表す。量子ドットは、約500nm未満で、下は約1nm未満の程度までの寸法を有する、少なくとも一つの部分または特性寸法を有する。単分散という用語は、大きさの分布が、言われている値の±10%以内にあること、たとえば、直径が100nmの単分散ナノ結晶は、90nm以上〜110nm以下の大きさの範囲を含むことを意味する。
【0215】
QD、特にコア−シェルQDの限定された大きさのせいで、それらは、それらのバルクの対応物に比べて、特有の光学的特性を示す。発光スペクトルは、単一のガウス形ピークによって形が定められるが、これは、バンドエッジルミネッセンスが引き起こす。発光ピークの位置は、量子閉じ込め効果の直接の結果として、コア粒子の大きさによって決められる。電子的および光学的特性は、Al.L.EfrosおよびM.Rosen、Annu.Rev.Mater.Sci.2000.30:475−521に論じられている。
さらに、発光強度は、上記で概略が示されたように、前記QD−LECに用いられる濃度により、用途に合わせることができる。
【0216】
本発明によるOLECおよび/またはQD−LECは、本発明内で別の箇所に概略が示されているように、少なくとも一種のイオン種を含む。好ましくは、この少なくとも一種のイオン種は、イオン性遷移金属錯体(iTMC)から選択される。
【0217】
典型的な1つのiTMC材料が、たとえば、Rudmannら、J.Am.Chem.Soc.2002、124、4918−4921、および、Rotheら、Adv.Func.Mater.2009、19、2038−2044によって報告されている。発光層(EML)におけるiTMCの濃度は、発光層に対して、1〜50wt%、好ましくは5〜30wt%、特に好ましくは10〜30w%。特に非常に好ましくは10〜20wt%であり得る。
【0218】
前記OLECおよび/またはQD−LECは、好ましくは、更なるイオン伝導性材料、および/または中性マトリックス材料を含み、これらは、層の全量に対して、1〜90wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは20〜70wt%、特に非常に好ましくは30〜70wt%の濃度を有し得る。
【0219】
態様において、本発明によるQD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む、細胞および/または細胞の処置デバイスは、QDを含み、これは、それ自体、イオン性化合物である。
【0220】
適切なイオン性QDは、少なくとも一種のイオン性リガンド(または、キャップ)を含むQDから選択される。この態様での適切なリガンドは、好ましくは、一般式(102)および(103)に従って選択できる。
【0221】
[K
+][A
-−B−D] 式(102)
[A
+][K
-−B−D] 式(103)
式中、Dは、アンカー基であり、これは、QD表面に固定され、たとえば、チオール基であり;Bは、簡単な結合(simple bond)またはスペーサーであり、好ましくは、アルキル、アルコキシ基から選択され;K
+/-およびA
-/+は、上記のカチオンおよびアニオンを表す。
【0222】
式(102)または(103)に従う少なくとも一種のイオン性リガンドを含む量子ドットは、たとえば、Denis Dorokhinら(Nanotechnology 2010、21、285703)に報告されたリガンド交換によって合成できる。リガンドは、たとえば、次の式(104)を有する。
【化20】
【0223】
リガンド交換は、トリオクチル−ホスフィンオキシド(TOPO)でコーティングされたコア−シェルCdSe/ZnSのQDのトルエン溶液と、式(104)を有するリガンドのトルエン溶液とを、窒素流の下で、たとえば40℃での加熱の助けにより、混合することによって達成できる。反応時間を制御することによって、TOPOと式(104)のアニオンとの間のリガンド交換の様々な度合いを得ることができる。好ましい態様において、部分的にのみ交換が望まれ、その結果、反応時間は、好ましくは短く、たとえば、24時間より短い。
【0224】
発光層(EML)が、少なくとも一種のイオン性量子ドットと、ホスト材料、蛍光エミッター、燐光エミッター、ホール輸送材料(HTM)、ホール注入材料(HIM)、電子輸送材料(ETM)、および電子注入材料(EIM)から選択される少なくとも一種の低分子有機機能性分子とを含むことを特徴とする、QD−LECおよび/またはQD−OLEDが好ましい。低分子有機機能性材料は、電気的に中性であり、本発明内で別の箇所に概略が示されているものと同じである。
【0225】
ELMが、2種、特に非常に好ましくは1種のイオン性量子ドット(複数可)を含む前記QD−LECが特に好ましい。
【0226】
さらに別の好ましい態様において、QD−LECおよび/またはQD−OLEDのELMは、1種のイオン性量子ドットと、ホストおよび/または燐光エミッターから選択される1種の低分子有機機能性材料とを含む。EMLにおける前記成分の濃度は、量子ドットが、1〜20wt%、ホストが、5〜98wt%、燐光エミッターが、1〜20wt%であり得る。
【0227】
好ましい更なる一態様において、QD−LECおよび/またはQD−OLEDのEMLは、1種のイオン性量子ドットと、ホストおよび/または蛍光エミッターから選択される1種の低分子有機機能性材料とを含む。EMLにおける前記成分の濃度は、量子ドットが、1〜20wt%、ホストが、5〜98wt%、蛍光エミッターが、1〜20wt%であり得る。
【0228】
QD−LECおよび/またはQD−OLEDのEMLは、更なる有機機能性材料を含んでいてもよく、これらは、低分子またはポリマーであり得る。
【0229】
態様において用いられるイオン性量子ドットは、式(102)または(103)に従う少なくとも一種のイオン性リガンドを含んでいてもよい。
【0230】
本発明は、さらに、態様による細胞および/または細胞の処置デバイスのOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDに用いられる混合物に関し、これは、「少なくとも一つの量子ドット」および/または少なくとも一種のイオン性化合物および/または少なくとも低分子有機機能性材料を含む。
【0231】
QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む好ましい態様において、前記混合物は、少なくとも一種のQD、少なくとも一種のイオン性化合物、少なくとも一種のホスト材料および少なくとも一種のエミッター(これは、燐光エミッターまたは蛍光エミッターから選択され得る)を含む。
【0232】
QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む別の好ましい態様において、前記混合物は、少なくとも一種のイオン性QD、少なくとも一種のホスト材料および少なくとも一種のエミッター(これは、燐光エミッターまたは蛍光エミッターから選択され得る)を含む。さらに別の好ましい態様において、前記混合物は、少なくとも一種のQD、少なくとも一種のホスト材料および少なくとも一種のイオン性エミッター(これは、燐光エミッターまたは蛍光エミッターから選択され得る)を含む。好ましくは、前記イオン性エミッターは、iTMCから選択される。
【0233】
QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含む好ましい更なる態様において、前記混合物は、少なくとも一種のイオン伝導性材料を含み、これは、たとえば、Li
+に対するポリエチレンオキシド(PEO)から選択できる。
【0234】
前記混合物は、さらに、他の有機機能性材料を含んでいてもよく、これは、低分子またはポリマーまたはオリゴマーまたはデンドリマーの形であってよく、ホスト、エミッター、HIM、HTM、ETM、EIM、および金属錯体から選択され得る。
【0235】
何れかの態様による前記混合物において、QDは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族の半導体から選択される少なくとも一種の構成要素、好ましくは、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、およびこのような半導体の2種以上の適切な組合せ、ならびに/または、これらのコア/シェル、コア多層シェルの構造を有する構成要素を含んでいてもよい。
【0236】
何れかの態様による混合物は、QDの濃度が、好ましくは0.5〜30wt%、特に好ましくは1〜20wt%、特に非常に好ましくは5〜15wt%から選択されることに特徴があってもよい。
【0237】
何れかの態様による混合物は、少なくとも一種の更なるエミッターを含んでいてもよい。態様による混合物において、量子ドットの発光スペクトルは、この更なるエミッターの吸収と重なっていてもよい。これにより、フェルスターのエネルギー移動が実現できる。
何れかの態様による混合物において、更なるエミッターは、有機化合物または他の量子ドットから選択できる。
【0238】
更なる態様によれば、細胞/細胞組織の処置デバイスは、本明細書に記載の混合物または本明細書に記載の量子ドットを含む電子デバイスとしての、OLEC、QD−LECおよび/またはQD−LECを含む。電子デバイスは、1つの陽極、1つの陰極、および陽極と陰極の間に機能層を、少なくとも含んでいてもよいが、ここで、機能層は、前記混合物または量子ドットを含む。
【0239】
本発明の別の態様は、細胞および/または細胞の処置デバイスにおいて用いられる配合物、好ましくは溶液に関し、この配合物は、本明細書に記載の混合物または量子ドット、および1種以上の有機溶媒を含む。
【0240】
適切で好ましい有機溶媒の例には、限定ではなく、ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダンおよび/またはこれらの混合物が含まれる。溶液における前記混合物の濃度は、好ましくは0.1〜10wt%、特に好ましくは0.5〜5wt%である。任意選択で、溶液はまた、WO 2005/055248 A1に記載されているように、レオロジー特性を調節するために、1種以上のバインダーも含む。
【0241】
適切な混合およびエージングの後、溶液は、次の分類の1つとして評価される:完全溶液、境界線上の溶液、または不溶解物。溶解性と不溶解性を分ける、溶解度パラメータ−水素結合の限界値の輪郭を描くために、等高線が引かれる。溶解性領域内に入る「完全」溶媒は、たとえば、「Crowley,J.D.、Teague,G.S.JrおよびLowe,J.W.Jr.、Journal of Paint Technology、38、No 496、296(1966)」に公表された文献値から選択できる。溶媒ブレンドもまた用いられてもよく、「Solvents、W.H.Ellis、Federation of Societies for Coatings Technology、9−10、1986」に記載されているように、同定できる。このような手順は、混合物を溶かし得る、「非」溶媒のブレンドに導き得るが、少なくとも一種の真の溶媒をブレンド中に有することが望ましい。
【0242】
態様において用いられる配合物の別の好ましい形態は、エマルジョン、非常に好ましくはミニ(mini)エマルジョンであり、これは、1つの相の安定なナノ液滴が、第2の連続相に分散している、特別に配合されたヘテロ相(heterophase)系である。態様はミニエマルジョンに関し、ミニエマルジョンにおいては、混合物の様々な成分が、同じ相、または異なる相の何れかに見出される。好ましい分布は次の通りである:
1)QDおよび有機機能性材料の大部分または全ては、ナノ液滴(不連続層)に、イオン性化合物の大部分または全ては、連続相に;
2)有機機能性材料の大部分または全ては、ナノ液滴(不連続層)に、QDおよびイオン性化合物の大部分または全ては、連続相に。
【0243】
連続相が極性相であるミニエマルジョンと、連続相が非極性相である逆相ミニエマルジョンの両方が、本発明において用いられ得る。好ましい形態は、ミニエマルジョンである。エマルジョンの動力学的安定性を増すために、界面活性剤(複数可)が添加されてもよい。2つの相のための溶媒と界面活性剤との選択、および安定なミニエマルジョンを製造するための加工法は、当業者によく知られており、様々な出版物、たとえば、Landfesterら(Annu.Rev.Mater.Res.2006、36、231)が参照される。
【0244】
電子または光電子デバイスにおいて薄い層として用いられるように、本発明のそれらの混合物または配合物は、適切な何れかの方法によって堆積されてもよい。デバイス、たとえば発光デバイスの液体コーティングは、真空堆積法より望ましい。溶液堆積法が特に好ましい。好ましい堆積法には、限定ではないが、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ロール印刷、リバースロール印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ウェブ(web)印刷、スプレーコーティング、ブラシ(brush)コーティングまたはパッド印刷、およびスロットダイコーティングが含まれる。インクジェット印刷が、高解像度ディスプレイが製造されるので、特に好ましい。
【0245】
本発明での選択された溶液は、インクジェット印刷またはマイクロディスペンシング(microdispensing)によって、予め製造されたデバイス基板に塗布されてよい。好ましくは、工業用圧電印刷ヘッド、たとえば、これらに限らないが、Aprion、Hitachi−Koki、InkJet Technology、On Target Technology、Picojet、Spectra、Trident、Xaarにより供給されるものが、基板に有機半導体層を塗布するために使用されてよい。さらに、準工業用ヘッド、たとえば、Brother、Epson、Konica、Seiko Instruments Toshiba TECによって製造されるもの、またはシングルノズルのマイクロディスペンサ、たとえば、MicrodropおよびMicrofabによって製造されるものが使用されてよい。
【0246】
インクジェット印刷またはマイクロディスペンシングによって塗布されるように、本発明での混合物は、最初に、適切な溶媒に溶かされるべきである。溶媒は、上記の必要条件を満たさなければならず、選ばれた印刷ヘッドに有害な影響を及ぼしてはならない。さらに、溶媒は、印刷ヘッド内部での溶液の乾固により生じる作業上の問題を防ぐために、100℃を超え、好ましくは140℃を超え、より好ましくは150℃を超える沸点を有するべきである。上記の溶媒の他に、適切な溶媒には、置換および無置換キシレン誘導体、ジ−C
1-2−アルキルホルムアミド、置換および無置換アニソール、および他のフェノール−エーテル誘導体、置換複素環、たとえば、置換されたピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジノン、置換および無置換N,N−ジ−C
1-2−アルキルアニリン、ならびに他のフッ素化または塩素化芳香族が含まれる。
【0247】
インクジェット印刷によって態様の混合物を堆積させるための好ましい溶媒には、ベンゼン誘導体が含まれ、これは、1つ以上の置換基により置換されたベンゼン環を有し、ここで、この1つ以上の置換基の中の炭素原子の全数は、少なくとも3個である。たとえば、ベンゼン誘導体は、プロピル基または3つのメチル基により置換されていてもよく、何れの場合においても、全部で少なくとも3個の炭素原子が存在する。このような溶媒は、ポリマーと共に溶媒を含むインクジェット流体を生成することを可能にし、これは、スプレーの間のジェットの詰まりおよび成分の分離を減らし、防ぐ。溶媒(複数可)には、次の例のリストから選択されるものが含まれていてもよい:ドデシルベンゼン、1−メチル−4−tert−ブチルベンゼン、テルピネオール リモネン、イソズレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼン。溶媒は、溶媒混合物、すなわち、2種以上の溶媒の組合せであってもよく、各溶媒は、好ましくは、100℃を超え、より好ましくは140℃を超える沸点を有する。このような溶媒(複数可)はまた、堆積した層における膜形成を促進し、層における欠陥を減らす。
【0248】
インクジェット流体(すなわち、溶媒、バインダーおよび前記混合物の混合物)は、20℃で、好ましくは、1〜100mPa・s、特に好ましくは1〜50mPa・s、特に非常に好ましくは1〜30mPa・sの粘度を有する。
【0249】
本発明による態様の混合物または配合物は、たとえば、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水性剤、接着剤、流動向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤(これは、反応性または非反応性であってよい)、補助剤、着色剤、染料または顔料、増感剤(sensitizer)、安定剤、または阻害剤などの更なる成分をさらに1種以上含み得る。
【0250】
態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、いかなる形状を有していてもよく、堅いまたは可撓性であり得る。デバイスは、何らかの形のエネルギー供給源を必要とする。エネルギー供給源は、デバイスに直接結び付いていても、または、たとえばケーブルによって引き離されていてもよい。処置される対象にとって快適であり、全体として自己充足的な持ち運びできるユニットをなすデバイスを提供するために、バッテリー、特に印刷できるバッテリーが、デバイスに取り付けられてもよい。こうして、照射は、処置される対象を煩わせることなく、その習慣または日常生活の中で、どのような時でも、どのような場所でも行われてよい。本発明によるデバイスの自宅での使用は、特に好ましい。
デバイスは、接着剤付きで、脱着可能であってよい。それは、身体の平らな、または平らでない部分に沿わせることができる、あるいは埋め込み可能なプローブであってもよい。
【0251】
デバイスは、インタラクティブステアリングユニットを含んでいてもよい。このステアリングユニットにより、連続照明からパルス照明へ切り替えることができる。それにより、また、照射強度および/または放出される波長を正確に適合させることができる。ステアリングユニットは、デバイスに直接結び付いていてもよい。それは、また、常置のまたは一時的な連結具によって離されていてもよい。デバイスは、使い捨てであってもよく、病院内または病院の外での使用に適している。
【0252】
どんな場合でも、本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、携帯用軽量デバイスとして適している。しかし、固定デバイスもまた製造できる。デバイスは、移動式処置、すなわち、対象が自由に動き回ることができる処置を可能にするのに十分に、持ち運び可能である。それは、後で、ヒトの対象自身が決める時間に、取り外すことができるので、処置は、ほとんどどこででも、またいつでも行われ得る。これにより、結果として、より便利に、より低コストになる(病院における外来患者または入院患者の入院の何れも避けることによる)。
【0253】
PDTの場合には、処置は、多くの場合、痛みを伴う。本発明による移動式の細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、曝露が、より長時間、行われ得るので、より弱い光のレベルで用いることができる。これは、病院で用いられる通常の光源からの大きな放射強度によって、一部の患者に引き起こされる痛みの問題を克服する。さらに、より小さな放射強度は、光薬剤の光漂白(photobleaching)の度合いの低下のせいで、PDTにおいては、より有効である。
【0254】
細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、たとえば局所用組成物としての、光化学および/または光薬剤製剤と共に提供されてもよい。これは、ゲル、軟膏またはクリームの形態であってよい。代わりに、または、その上に、デバイスは、光薬剤が染み込んだ薄膜と共に提供されてもよい。通常、光薬剤製剤は、光源と接触する層として提供される。光薬剤製剤が、刺激光の振動数に対して透明である、または十分に透光性であれば、得られるデバイスは、患者に光薬剤を適用する別個のステップなしに、容易に適用できる。
光を散乱すると思われるクリームは、それにもかかわらず、光源が点燈される前にそれらが吸収される場合、使用されてもよい。光薬剤層は、引き剥がせる剥離媒体、たとえば、裏面シリコーン付きシートによって覆われてもよい。光薬剤製剤は、in vivoで活性化合物に代謝される不活性化合物を含んでいてもよい。光薬剤の送達は、イオン導入法によって支援され得る。有機発光半導体からの光出力は、パルス状であってもよく、電子制御回路またはマイクロプロセッサが、このパルス発生および/またはデバイス機能の他の局面、たとえば、処置される部分の曝露時間および発光強度を制御するために備えられてもよい。パルスのデバイスは、光化学および/または光薬剤物質(これは、光漂白性である、または光漂白性である化学種にin vivoで代謝される)の製剤と共に提供されてよい。
【0255】
細胞および/または細胞組織の処置デバイスの出力は、一連のパルスの形を取ってよいが、好ましくは、この場合、パルスの持続時間は、引き続くパルスの間の間隔と実質的に同じである。パルスの連なりの周期は、前記物質の光漂白特性に応じて、たとえば、20ms〜2000sの範囲にあってよい。好ましくは、デバイスが患者に取り付けられることを可能にするために、取付け手段は、接着性表面を含む。
【0256】
好ましくは、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、移動式であり、光化学および/または光薬剤製剤と共に提供される。製剤およびその送達の好ましい特徴は、上記の通りである。特に、光化学および/または光薬剤は、光漂白性であってもよい、またはin vivoで光漂白性の化学種に代謝されてもよい。
【0257】
細胞および/または細胞組織の処置デバイスを活性化および不活性化させるための手段は、デバイス機能の他の局面、たとえば処置される部分の曝露時間(複数可)および発光強度を制御してもよい。この制御手段は、有利には、本発明の第1の局面によるデバイスによって生成されるパルスの連なりの好ましい特徴の何れか1つ以上を有するパルスの連なりを放出する光源を覆うように、操作可能であってよい。本発明による適切な細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、スリーブ、巻き布、パッド、プラスター、埋め込み可能プローブ、経鼻胃管、胸腔排液管、ステント、布状デバイス、毛布、寝袋、口腔内の1本以上の歯に合うデバイス、およびパッチから選択される何れかの構成要素として形作られてもよいし、または、そのような構成要素に含められてもよい。
【0258】
細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、食道内で用いられるステント、たとえば、1.25〜2.25cmの半径で、たとえば10〜12cmの長さのチューブとして使用されてもよい。
【0259】
細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、たとえば新生児の黄疸を処置するための、毛布または寝袋であってもよい。現在、黄疸を患う新生児は、彼らの両親から引き離され、インキュベータ内で目隠しされ照明される。これは、新生児と両親の両方にとって、不快な状況を示す。さらに、新生児は、体温を、成人ができると同じ様に容易には調節できず、インキュベータ内の過熱は、重大な問題である。可撓性のある毛布および寝袋は、これらの問題なしに、新生児を処置する方法を提供する。毛布または寝袋によって覆われた新生児は、両親の腕の中で横たわっている間に、照射され得るし、新生児の身体の過熱は、従来の療法に比べて、重大ではない。これは、本発明によるデバイスが、より少ない電力を必要とし、そのため、より少ない熱を発生するという事実に起因する。
【0260】
乾癬患者では、しばしば、身体の襞に、プラークが見出される。通常の光線療法は、光源によって放出される光が、身体の襞におけるプラークに達しないという事実に起因する問題を示す。OLEDは、理論上、身体の襞における乾癬の皮膚に直接接触する光源を考案する格好の機会をもたらす。上記で概略が示されたように、曲がった表面は、OLEDを製造する時に、技術的困難を示す。しかし、この問題は、OLECおよび/またはQD−LECにより解決できる。OLECおよび/またはQD−LECは、身体の襞に見出される乾癬ならびに他の疾患および/または状態を処置するために、身体の襞にぴったりと合うように設計できる。
【0261】
細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、それ自体、処置の間に、制御された仕方で放出される治療薬剤を含んでいてもよい。
【0262】
好ましくは、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、上記のイオン性プラスチック材料を含み、これは、25〜45℃の範囲のガラス転移温度T
gまたは融点を有する。こうして、デバイスは、皮膚に取り付けられた時に、皮膚により良く接触するように、軟化し得る。
【0263】
好ましい更なる態様において、本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、移動式デバイスである。
【0264】
本発明はまた、患者にデバイスを取り付けるための取付け手段を含むことを特徴とする細胞および/または細胞組織の処置デバイスにも関する。
【0265】
デバイスは、接着剤付きであってもよいし、または、補助材料、たとえば接着剤ストリップの作用の面で、一時的に固定されてもよい。前記デバイスは、プラスター、巻き布、毛布、寝袋、スリーブ、埋め込み可能プローブ、経鼻胃管、胸腔排液管、パッド、ステント、およびパッチであることができることを特徴とする。デバイスの形態および形状は、個々の処置での必要性、および処置される対象の体格に合わせることができる。
【0266】
本発明はまた、電力供給ユニット、または外部電力供給源へのインターフェースを含むことを特徴とする、本発明によるデバイスにも関する。上記で概略が示されたように、電力供給源は、デバイスに直接取り付けることができる。これにより、たとえば、処置される対象を煩わせることなく、衣類の下で使用できる、極薄デバイスを考案することが可能になる。電力供給源はまた、電力を供給するために、何らかの可能な仕方で、デバイスに連結される、もっと離れたユニットであってもよい。
【0267】
本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、対象の部分を照らそうとするものである。デバイスは、動物およびヒトにおける、治療および/または美容に関わる疾患および状態の処置および/または予防に用いられることを特徴とする。
【0268】
本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、前記処置および/または予防を一定の範囲に生じる電磁放射を放出し、いくつかの態様では、LEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、少なくとも0.5cm
2の広さを有する。LEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、連続または不連続であり得る。LEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDならびにその照明部分は、処置に適する任意の形状を取ることができる。これは、特に治療状態において、対象の、処置が必要でない部分の照射による副作用を防ぐことができる。
【0269】
好ましい更なる態様において、本発明の細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、0.5cm
2〜100000cm
2、特に好ましくは0.5cm
2〜5000cm
2の広さを有する。
【0270】
本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、医療および/または美容に関する状態を処置するために使用できる。ここでは、任意の治療戦略が含められる、すなわち、光による対象の処置は、他の処置手法と組み合わせて、または組み合わせないで、実施され得る。たとえば、処置は、1つ以上の本発明の細胞および/または細胞組織の処置デバイスにおける、1つ以上の波長で実施され得る。さらに、前記のOLEC、QD−LEC、および/またはQD−OLEDに加えて、別の技術を用いる更なる光源、たとえば、LED、OLED,およびレーザーが、処置に使用され得る。さらに、前記細胞および細胞組織の処置デバイスによる処置は、薬剤および美容製品を用いる既知のどのような処置戦略とも組み合わせることができる。別の態様において、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、医療用組成物と組み合わせて使用されてもよい。
【0271】
それゆえに、本発明はまた、先行する請求項の何れかに記載のデバイスおよび局所用組成物または局所用発色団組成物を含む、細胞および/または細胞組織の処置のためのパーツのキットにも関する。
【0272】
態様によるパーツのキットにおいて、局所用組成物または局所用発色団組成物は、媒体にカプセル化またはマイクロカプセル化されてもよい。これにより、前記組成物は、標的指向性のある仕方で、処置される1つまたは複数の細胞に輸送されてもよい。
【0273】
さらに、局所用組成物は、天然に存在するクロロフィル含有化合物、カロチノイド(carotenoid)含有化合物、フィコビリン化合物、インドシアニングリーン、メチレンブルー、ローズベンガル、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンF、レチンA(トレチノイン)、アダパレン、レチノール、ヒドロキノン、コウジ酸、成長因子、エキナセア、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、漂白剤、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、サリチル酸、抗酸化トリアド化合物、海藻誘導体、海水誘導体、藻類、抗酸化剤、フィトアントシアニン、植物栄養素、プランクトン、植物性製品、草本性製品、ホルモン、酵素、ミネラル、補因子、アンチエイジング物質、インスリン、ミノキシジル、リコピン、天然もしくは合成のメラニン、メタロプロテイナーゼ阻害剤、プロリン、ヒドロキシプロリン、麻酔剤、クロロフィル、バクテリオクロロフィル、銅クロロフィリン、葉緑体、カロチノイド、フィコビリン、ロドプシン、アントシアニン、オルニチンデカルボキシラーゼの阻害剤、血管内皮成長因子(VEGF)の阻害剤、ホスホリパーゼA2の阻害剤、S−アデノシルメチオニンの阻害剤、カンゾウ、リコカルコン(licochalone)A、ゲニステイン(genestein)、大豆イソフラボン、フィトエストロゲン、これらの誘導体、類似体、相同体、およびサブコンポーネント、ならびに前記細胞または細胞組織の誘導体、サブコンポーネント、免疫学的複合体、および抗体、ならびにこれらの合成および天然の類似体、これらの組合せから選択される少なくとも一つの構成要素を含んでいてもよい。
【0274】
前記局所用発色団組成物は、300nm〜1300nmに少なくとも一つの吸収極大を有し、クロロフィル、ポルフィリン、およびこれらの組合せからなる群より選択される有効成分を含んでいてもよい。この有効成分は、少なくとも一つの金属−リガンド結合を有し、ここで、金属−リガンド結合中の金属は、Fe、Mg、Cu、Al、反応性遷移金属、金属キレート、および抗体複合体からなる群より選択される。
【0275】
何れかの態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスあるいはパーツのキットは、植物細胞、動物細胞、ヒト細胞、哺乳類細胞、真核細胞、原核細胞、毛髪細胞、毛根細胞、皮膚細胞、粘膜細胞、および幹細胞から選択される少なくとも一つの構成要素を処置するために使用されてもよい。何れかの態様のデバイスまたはパーツのキットは、美容的処置;予防的処置;治療的処置;非侵襲性処置;細胞および/または細胞組織の活性化、刺激、不活性化、消毒、脱毛、光線療法、光力学的療法、体外処置、体内処置;細胞組織のピーリングおよび/またはリフティング;および/または幹細胞の分化の活性化または阻害のために、使用されてもよい。
【0276】
たとえば、毛髪成長の低下、排除または刺激が実現され得る。このような処置は、毛髪の一部または全ての、ヒトまたは哺乳類の皮膚の周辺組織または支持組織の活性の一時的または永続的刺激を生じるための、毛包、毛球、毛隆起、幹細胞、腺および導管の活性、ならびに周辺組織のフォトモデュレーションを含んでいてもよい。この方法は、通常、すぐ近くの皮膚組織に、永続的な傷害または損傷を、ほとんどまたは全く生じない。主に、毛髪およびじかに接する周辺の組織だけが影響を受ける。
【0277】
別の態様において、態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、皮脂腺の活性を阻害し、座瘡菌を除去するために、皮脂腺および周辺の組織を、フォトモデュレーション促進剤としての局所用組成物または局所用発色団組成物、たとえば、CuクロロフィルンNaおよびカロチノイドにより処置すること、および、次いで、標的組織を、細胞および/または細胞組織の処置デバイスからの約450nmの光に晒すことによる、座瘡および座瘡瘢痕の防止のために使用されてもよい。この作用は、酵素ピーリング、マイクロダーマブレーション(microderm abrasion)、または超音波を含む手法の使用により、皮脂腺および周辺組織への局所用組成物の浸透を促進することによって支援され得る。たとえば、天然に存在する自然の発色団が、皮脂腺の近くの皮膚、もしくは皮脂腺に直接、塗布される、また/または、皮脂腺の組織に与えられてもよい。次いで、このフォトモデュレーション促進剤が、座瘡菌の数を減少させるのに適する少なくとも一つの主要な発光波長を含む、細胞および/または細胞組織の処置デバイスからの電磁放射に晒される。
【0278】
別の例において、態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、毛髪の生える哺乳類の皮膚に選択的な損傷を生じるために、たとえば脱毛のために、使用されてもよい。局所用作用剤が用いられ、その作用剤は、態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスからの電磁放射の第1の波長を吸収することを可能にする電磁放射吸収特性を有する。局所用作用剤は皮膚に塗布され、その結果、その作用剤は、皮膚に浸透し、毛幹、毛包、毛球または毛導管に結び付く、または物理的に組み入れられた状態になる。作用剤は、電磁放射の第1の波長に晒され、電磁放射の第1の波長を吸収し、これにより、処置される皮膚領域が脱毛される。作用剤は、約1ミクロンの平均直径を有していてよい。作用剤は、さらに、マイクロカプセル化媒体にカプセル化されてもよく、これは、約1ミクロンの平均直径を有していてよい。その皮膚領域は、さらに、外部酵素、超音波により処置されてもよい。局所用作用剤は、クロロフィル(これは、カプセル化されていてもよい)を含んでいてもよい。
【0279】
光線療法が、化合物、たとえば薬剤および/または美容製品による処置と組み合わせられる場合、光は、化合物の(光)化学反応または活性化を開始させるために用いることができ、これは、光力学的療法(PDT)と呼ばれる。本発明での光線療法は、また、光化学反応または活性化を開始させることなく、化合物と結び付けて用いることもできる。治療疾患の処置の有効性および安全性に対する相乗効果が、光療法と薬剤および/または美容製品との両方による逐次、並行、および重複処置から生じ得る。たとえば、薬剤(複数可)または美容用化合物(複数可)が、最初に、特定の期間、投与され、その後、本発明による細胞および/または細胞組織の処置デバイスを用いる光線療法が適用され得る。薬剤、その光反応性、患者の個々の事情、および具体的な疾患または状態に応じて、2つの処置の間の時間間隔もまた変わってもよい。2つの処置は、また、部分的にかまたは完全にかの何れかで、時間的に重複してもよい。的確な処置戦略は、個々の事情および疾患または状態の重症度に応じて決まるであろう。
【0280】
併用療法は、相乗効果を有し得るし、従来の処置戦略の副作用(たとえば、テトラサイクリンの副作用)を減らすことができる。これは、少なくともある程度は、本明細書に概略が示されている併用手法に従う場合、必要とされる薬剤用量がより少なくなり得るという事実に起因する。
【0281】
処置は、前記のOLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDの放射への、対象の何らかの曝露である。処置は、対象と、OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDを含むデバイスとの間の直接接触によって、またはそれらの間の直接接触なしに、実施されてもよい。処置は、対象の外側または内側であってもよい。対象の外側の処置は、たとえば、皮膚、外傷、目、歯肉、粘膜、舌、毛髪、爪床、および爪の処置であってもよい。対象の内側の処置は、たとえば、血管、心臓、胸部、肺、または対象の他の任意の臓器であってもよい。対象の内側への適用の大部分では、特別なデバイスが必要とされる。このような例の1つは、本発明による細胞および細胞組織の処置デバイスを含むステントであってもよい。対象は、好ましくは、ヒトまたは動物であってもよい。美容という用語は、また、審美的適用を含む。
【0282】
OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDならびに/あるいはデバイスによって放出される光の波長は、OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDの適切な構成要素の選択によって、正確に、用途に合わせることができる。これは、上記で概略が示されたように、量子ドットの特定のデザイン、ならびに様々なエミッターまたはカラーフィルターおよびカラーコンバーターの使用を含む。OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDの用途に応じて、それぞれの治療的または美容的処置は、多かれ少なかれ限定された、放出される波長または波長スペクトルを必要とする。
【0283】
好ましくは、OLEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDは、200〜1000nm、好ましくは300〜1000nm、特に好ましくは300〜950nm、特に非常に好ましくは400〜900nmの範囲で、発光する、および/または照射する。
【0284】
上記で概略が示されたように、光線療法の1つの作用は、ミトコンドリアにおける代謝の刺激である。光線療法の後、細胞は、代謝の増加を示し、細胞は、より良く情報伝達を行い、よりよい仕方でストレスの多い状態に耐える。
【0285】
細胞および/または細胞の処置デバイスは、細胞刺激のために用いることができる。細胞刺激のために好ましい波長または波長範囲は、600〜900nm、特に好ましくは620〜880nm、特に非常に好ましくは650〜870nmの範囲にある。細胞刺激のために特に好ましい波長の例は、683.7、667.5、772.3、750.7、846、および812.5nmである。
【0286】
本発明は、また、本明細書に記載の何れかの態様の細胞および/または細胞組織の処置デバイスから放出される光に、細胞または細胞組織を晒すことを含む、細胞および/または細胞組織の処置のための方法にも関する。上記のように、細胞および/または細胞組織の処置デバイスは、有機発光電気化学セル(OLEC)、「少なくとも一つの量子ドット」を含む発光電気化学セル(QD−LEC)、および「少なくとも一つの量子ドット」を含む有機発光デバイス(QD−OLED)から選択される少なくとも一つの光源を含む。
【0287】
本発明による方法のいくつかの態様において、細胞または細胞組織を光に晒すステップは、多色性および/または狭帯域の光および/または黄色波長範囲の光および/または赤外波長範囲の光を発することを含む。
【0288】
たとえば、細胞または細胞組織を光に晒すステップは、黄色光と赤外線との有効放射電力比が約4:1である多色性の光を発することを含む。特に、細胞または細胞組織を光に晒すステップは、約4mW/cm
2の有効放射電力において約590nmの黄色光、および約1mW/cm
2の有効放射電力において約850nmの赤外線を含む多色性の光を発することを含み得る。
【0289】
態様の方法において、光は、OLEC、QD−LEC、QD−OLEDから選択される少なくとも一つの構成要素から、約300nm〜約1300nmの波長で、および/または10J/cm
2未満の全エネルギーフルエンスで、発せられてもよい。
【0290】
いくつかの態様では、前記方法は、哺乳動物の組織における、コラーゲン、線維芽細胞、および線維芽細胞由来細胞のレベルの処置のためである。この態様は、前記組織を、約300nm〜1600nmの主要な発光波長を有する、細胞および/または細胞組織の処置デバイスからの光に、約10秒〜約24時間、晒すことを含み、ここで、前記組織により受容されるエネルギーフルエンスは、約10J/cm
2未満である。
【0291】
この方法では、光は、パルス状に、たとえば、約0.1フェムト秒〜約100秒の持続時間を有するパルスで、放出されてもよい。前記パルス間のパルス間隔遅延は、約0.1〜約1000ミリ秒である。たとえば、しわの削減は、細胞および/または細胞組織のパルス処置デバイスを用い、皮膚組織を、250ミリ秒のパルス、100ミリ秒のパルス間隔遅延を有する光に、100回繰返して晒し、結果的に全エネルギーフルエンスを70.0mJ/cm
2とすることによって、実施できる。光源は、574nmに主要発光波長を有していてもよい。
【0292】
態様の方法は、発光ダイオード、レーザー、蛍光源、発光ポリマー、キセノンアークランプ、ハロゲン化金属ランプ、フィラメント光源、強力パルス光源、硫黄ランプ、およびこれらの組合せから選択される更なる光源から光を発することを含んでいてもよく、ここで、少なくとも一つの更なる光源は、約400nm〜約1600nmの波長で光を発するように適合させられている。さらに、細胞または細胞組織は、超音波に晒されてもよい。
細胞および/または細胞組織により受容される赤外放射の強度は、低減されてもよい。さらに、波長または波長帯を選択するために、発せられた光はフィルターにかけられてもよい。さらに、細胞または細胞組織は、たとえば、処置の前、その間、またはその後で、冷却され得る。
【0293】
前記方法の一態様において、局所用組成物または局所用発色団組成物が、細胞または細胞組織を光に晒す前、その間、またはその後で、細胞または細胞組織に適用されてもよい。局所用組成物または局所用発色団組成物の例は、上で記載されている。
【0294】
態様の方法は、美容的処置;予防的処置;治療的処置;非侵襲性処置;細胞および/または細胞組織の活性化、刺激、不活性化、消毒、脱毛、光線療法、光力学的療法、体外処置、体内処置;細胞組織のピーリングまたはリフティング;および/または幹細胞の分化の活性化または阻害のために、用いられてもよい。細胞または細胞組織の細胞は、植物細胞、動物細胞、ヒト細胞、哺乳類細胞、真核細胞、原核細胞、毛髪細胞、毛根細胞、皮膚細胞、粘膜細胞、および幹細胞から選択される少なくとも一つの構成要素であってもよい。
【0295】
前記方法のいくつかの態様において、処置は、手術または治療によるヒトまたは動物の体の処置でなく、および/またはヒトまたは動物の体に対して実施されない。
【0296】
光線療法によって取り組むことができる、どのような治療疾患および/または美容に関わる状態も、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスならびに前記デバイスにより処置できる。これらの疾患および/または状態には、たとえば、皮膚の加齢、セルライト、拡張毛穴、油性肌、毛包炎、前癌性日光角化症、皮膚病巣(lesion)、加齢、しわおよび日光損傷皮膚、カラスの足跡、皮膚潰瘍(糖尿病性、圧迫性、静脈鬱血性)、酒さ病巣、セルライトを含めて、皮膚疾患、および皮膚に関連する状態;皮脂腺および周辺組織のフォトモデュレーション;しわの削減、座瘡瘢痕および座瘡細菌、炎症、痛み、外傷、心理学的および神経学的関連疾患および状態、浮腫(edema)、ページェット病、原発性および転移性腫瘍、結合組織疾患、哺乳類の組織におけるコラーゲン、線維芽細胞および線維芽細胞由来細胞のレベルの操作、網膜の照明、新生、新生血管および肥大による疾患、炎症およびアレルギー反応、エクリン(汗)またはアポクリン腺による発汗、汗をかくこと、および多汗、黄疸、白斑、眼内新生血管疾患、神経性過食症、ヘルペス、季節性情動障害、気分(mood)、睡眠障害、皮膚癌、クリグラーナジャール症候群、アトピー性皮膚炎、糖尿病性皮膚潰瘍、圧迫潰瘍、膀胱感染症、筋肉痛の緩和、痛み、関節の硬直、細菌の減少、歯肉炎、歯の白色化、歯および口腔内組織の処置、外傷の治癒が含まれる。
【0297】
美容に関わる状態は、好ましくは、座瘡、皮膚の若返りおよび皮膚のしわ、セルライト、ならびに白斑から選択される。多くの治療処置は、また、美容の要素も有する。たとえば、乾癬は、軽度(mild)、軽度〜中度、中度、中度〜重度、および重度であり得る。これらの分類の何れも、美容の要素を有し、この要素は、冒された患者の過酷な心理学的問題の原因であり得る。
【0298】
好ましくは、細胞および/または細胞の処置デバイスは、ヒトおよび/または動物の処置および/または予防のために用いられる。好ましくは、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、ヒトの処置および/または予防のために用いられる。
【0299】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによる照射によって処置されるのに適する更なる対象は、植物、微生物、細菌、真菌、および液体である。微生物には、これらに限らないが、原核生物、たとえば細菌および古細菌、真核生物、たとえば原生生物、動物、真菌および植物が含まれる。好ましい液体は、飲料、特に好ましくは、水である。
【0300】
本明細書で用いられる場合、皮膚は、毛髪、鱗、羽毛および爪を含めて、外皮系の最大の器官として定義される。皮膚という用語は、また、舌、粘膜および歯肉を含む。
【0301】
すでに記載されたように、基本的に、光線療法によって取り組むことのできるいかなる治療および美容に関わる状態も、本発明によって包含される。治療および美容という用語の間の区別は、上記で概略が示されたように、個々の事情、状態の重症度および医師の評価に依存する。本発明において概略を示したように、多くの治療を要する状態は、治療疾患の重症度とは無関係に、美容に関わる効果に結び付いている。
【0302】
皮膚疾患および皮膚に関連する状態には、これらに限らないが、座瘡様発疹、自己炎症性皮膚疾患または状態、慢性水疱、粘膜の状態、皮膚付属器の状態、皮下脂肪の状態、結合組織の疾患、真皮の線維および弾性組織、真皮および皮下の成長の異常、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹、膿疱性皮膚炎、脂漏性皮膚炎および湿疹、色素沈着障害、薬疹、内分泌関連疾患および状態、表皮母斑疾患および状態、新生物、嚢胞、紅斑、遺伝性皮膚症、感染症に関連する疾患および状態、細菌に関連する疾患および状態、マイコバクテリウムに関連する疾患および状態、真菌症に関連する疾患および状態、寄生虫侵入、刺創および咬傷、ウイルスに関連する疾患および状態、苔癬型発疹、リンパに関連する疾患および状態、メラニン細胞性母斑および新生物、単球およびマクロファージに関連する疾患および状態、ムチン症、神経皮膚非伝染性免疫不全に関連する疾患および状態、栄養摂取に関連する疾患および状態、丘疹鱗屑過角化症に関連する疾患および状態、掻痒に関連する疾患および状態、乾癬(軽度、軽度〜重度、および重度)、反応性好中球疾患および状態、抵抗性(recalcitrant)掌蹠発疹、代謝異常から生じる疾患および状態、物理的要因により生じる疾患および状態、じんましんおよび血管浮腫、導管に関連する疾患および状態、歯周炎または歯肉の他の疾患および状態が含まれる。
【0303】
皮膚に関連する疾患および状態には、また、皮膚腫瘍、前癌性腫瘍、悪性腫瘍、細胞癌、2次転移、放射線皮膚炎および角化症も含まれる。
【0304】
外傷の治癒は、また、皮膚疾患および皮膚に関連する状態に指定され得る。これによって、外傷の治癒は、処置される対象の外側表面で、その内部で、皮膚、目、爪または爪床、対象の口腔内の表面の何れかで、また粘膜、歯肉、導管系の上皮の表面あるいは対象の身体の他の部分で、起こり得る。
【0305】
座瘡、乾癬、湿疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アトピー性湿疹、浮腫、白斑、皮膚の加齢、皮膚、しわ、皮膚の脱感作(desensibilization)、ボーエン病、腫瘍、前癌性腫瘍、悪性腫瘍、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、2次転移、皮膚T細胞リンパ腫、日光角化症、ヒ素角化症、放射線皮膚炎、皮膚の赤み、にきび、およびセルライトから選択される皮膚疾患および/または美容に関わる皮膚の状態の処置および/または予防および/または診断が好ましい。
【0306】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、スキンケアおよびスキンリペアのために、たとえば、光プラスター(light plaster)として、美容に使用され得る。
前記LEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDならびに/あるいはデバイスによって放出される波長または波長範囲は、400〜800nm、好ましくは450〜750nm、特に好ましくは500〜700nm、特に非常に好ましくは580〜640nmの範囲にある。
【0307】
好ましい皮膚疾患および皮膚に関連する状態は、座瘡、乾癬、湿疹、浮腫、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、白斑、ボーエン病、腫瘍、前癌性腫瘍、悪性腫瘍、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、2次転移、皮膚T細胞リンパ腫、日光角化症、ヒ素角化症、放射線皮膚炎、およびセルライトから選択される。
【0308】
好ましい更なる皮膚疾患および皮膚に関連する状態は、乾癬、多形日光疹、日光じんましん、光線性類細網症、アトピー性湿疹、白斑、掻痒、扁平苔癬、初期皮膚T細胞リンパ腫、皮膚描記症、および苔癬状粃糠疹から選択される。好ましくは、これらの疾患および状態は、200〜500nm、特に好ましくは250〜400nm、特に非常に好ましくは270〜350nmの波長または波長範囲を有する光により処置される。
【0309】
細胞および/または細胞の処置デバイスは、PUVA療法に使用され得る。PUVA療法は、ソラレン(7H−フロ[3,2−g]クロメン−7−オン)およびその誘導体を、UV−A光と共に治療に適用することに由来する。PUVAは、過剰増殖状態によって特徴付けられる皮膚疾患の処置のために用いることができる。ソラレンは、一つのファミリーの天然産物の親化合物である。それは、構造的にクマリンに関連しており、好ましくは、乾癬、湿疹、白斑、菌状息肉症、皮膚T細胞リンパ腫、および他の自己免疫疾患の処置のために使用され得る。PUVAにより、アトピー性湿疹、扁平苔癬、色素じんましん、多形日光疹、および円形脱毛症もまた処置できる。
【0310】
ソラレンは、経口投与されるか、または皮膚に局所投与され得る。好ましい化合物は、ソラレン、8−メトキシソラレン(8−MOP)、5−メトキシソラレン(5−MOP)、および4,5’,8−トリメチルソラレン(TMP)である。8−MOPの経口投与の後、患者は、UV−Aに対して、従ってまた光線化学療法処置に対して、徐々に、よく反応するようになる。患者は、薬剤の摂取後、2〜3時間、最もよく反応し、この期間の間に、照射が実施される。白斑の場合には、ソラレンの代わりに、ケーリンを用いることができる。光とケーリンを組み合わせた処置は、しばしば、KUVAと呼ばれる。
【0311】
本発明の細胞および/または細胞の処置デバイスは、また、フォトフェレーシスにも用いることができる。フォトフェレーシスは、末梢血液が、体外流システムにおいて、5−MOPを光活性化するために晒されるプロセスであり、異常Tリンパ球によって引き起こされる障害のための処置を示す。それは、進行期の皮膚T細胞リンパ腫、尋常性天疱瘡および進行性全身性硬化症(強皮症)のための治療法である。それは、自己免疫疾患を処置するために用いることができる。処置され得る更なる疾患には、多発性硬化症、臓器移植拒絶反応、関節リウマチ、およびAIDSが含まれる。
【0312】
本発明は、特に、座瘡様発疹の処置のための細胞および/または細胞の処置デバイスに関する。座瘡様発疹という用語は、尋常性座瘡、酒さ、毛包炎、および口周囲皮膚炎を含む一群の皮膚病を表す。座瘡様発疹は、一般的に言えば、毛包皮脂腺単位における変化によって引き起こされ、夏期座瘡(マヨルカ座瘡)、凝塊性座瘡、化粧剤性座瘡、電撃性座瘡(急性発熱性潰瘍性座瘡)、ケロイド性座瘡(頂部ケロイド性座瘡、頭部乳頭状皮膚炎、ケロイド性毛包炎、頭部ケロイド性毛包炎、頂部ケロイド座瘡)、機械性座瘡、薬物性座瘡、粟粒性壊死性座瘡(痘瘡状座瘡)、尋常性座瘡、顔面浮腫を伴う座瘡(充実性顔面浮腫)、座瘡様発疹、眼瞼腫瘤、赤色毛細血管拡張性酒さ(erythrotelangiectatic rosacea、erthemaotelangiectatic rosacea)、表皮剥離(excoriated)座瘡(少女表皮剥離座瘡、ほじる人の座瘡)、腺性酒さ、顎腫瘤(gnathophyma)、グラム陰性酒さ、肉芽腫顔面皮膚炎、肉芽腫口周囲皮膚炎、ハロゲン座瘡、化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurativa、acne inversa、ベルヌーイ疾患)、特発性顔面無菌性肉芽腫、小児座瘡、狼瘡性酒さ(肉芽腫酒さ、斑丘疹状結核疹、Lewandowskyの酒さ状結核疹)、顔面播種状粟粒性狼瘡、額腫瘤(metophyma)、新生児座瘡(neonatal acne、acne infantum、acne neonatorum)、職業性座瘡、目酒さ(ophthalmic rosacea、ocular rosacea、ophthalmorosacea)、耳腫瘤、酒さの持続性浮腫(慢性上部顔面紅斑浮腫、モルビアン(Morbihan)病、酒さ様リンパ浮腫)、ポマード座瘡、丘疹膿疱性酒さ、膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎(頭皮の解離性蜂窩織炎、解離性毛嚢炎、perifolliculitis capitis abscedens et suffodiens of Hoffman)、口周囲皮膚炎、眼窩周囲皮膚炎(目周囲皮膚炎)、顔面膿皮症(電撃性酒さ)、鼻腫瘤、酒さ(酒さ様座瘡)、集簇性座瘡、電撃性酒さ、SAPHO症候群、ステロイド酒さ、熱帯座瘡から選択される。
【0313】
尋常性座瘡(一般に、座瘡と呼ばれる)は、アンドロゲンの刺激による、毛包皮脂腺単位(毛包とその付随する皮脂腺からなる構造体)における変化によって引き起こされる、よく起こる皮膚の状態である。それは、非炎症性毛包性丘疹または面皰によって、また、そのより重い状態では、炎症性丘疹、膿疱、および結節によって、特徴付けられる。尋常性座瘡は、最も密集した脂肪分泌性毛包を有する皮膚の部分に影響を及ぼす;これらの部分には、顔、胸部の上側部分、および背中が含まれる。重い座瘡は炎症性であるが、座瘡はまた、非炎症性の状態でも現れ得る。座瘡による病巣は、一般に、ニキビ、ブレミッシュ(blemish)、スポット、ジット(zit)、または単にアクネと呼ばれる。
【0314】
座瘡は、最も一般的には、青年期に現れ、89%を超えるティーンエージャーに影響を及ぼし、しばしば、成人期まで続く。青年期において、座瘡は、通常、男性ホルモンの増加によって引き起こされ、どちらの性別の人も、思春期の間、このホルモンを生じる。ほとんどの人の場合、座瘡は、時が経つと徐々に減り、20歳台の初期に達した後、消え去る傾向にある−または、少なくとも減少する。しかし、完全に消え去るのにどれだけ長くかかるかを予想する方法はなく、一部の人は、30代、40代まで、またそれ以上、この状態をかなり持ち越す。
【0315】
顔および首上部は、最も一般的に冒されるが、胸、背中および肩もまた、座瘡を有し得る。上腕もまた座瘡を有し得るが、そこに見出される病巣は、多くの場合、毛孔性角化症である。典型的な座瘡病巣は、面皰、炎症性丘疹、膿疱、および結節である。大きな結節の中には、嚢胞と呼ばれるものがあり、結節性嚢胞性という用語が、炎症性座瘡の重い場合を表すために用いられている。
【0316】
瘢痕以外に、その主な影響は、心理学的で、たとえば、自尊心の低下、また、ある場合には、鬱病または自殺である。通常、座瘡は、人が、最も社会的に不安定である傾向をすでに有している時である青年期の間に現れる。そのため、個人に対する全体的な影響を小さくするために、初期の積極的な処置が、一部の人々によって支持されている。
【0317】
光への曝露が、座瘡の処置として用いられ得る。週に2回用いると、約64%だけ、座瘡の病巣の数を減らせることが示され、毎日用いられると、より一層効果的である。そのメカニズムは、420nmおよびより短い波長の光によって照射された時に、P.アクネス内で産出されたポルフィリン(コプロポルフィリンIII)が、フリーラジカルを生成することにあると思われる。特に、数日間に渡って適用された場合、これらのフリーラジカルは、最終的に、細菌を殺す。ポルフィリンは、別の状況では、皮膚に存在せず、UV光は用いられないので、それは、安全であると思われる。
【0318】
前記処置は、紫色/青色光と赤色可視光(たとえば、660nm)を混ぜて用いると、より一層うまくいくようであり、3ヶ月間、毎日処置した後、80%の患者で、病巣の76%が削減されるという結果が得られる;全体としての除去は、過酸化ベンゾイルと同等またはより良好であった。他のほとんどの処置と異なり、望ましくない副作用は、たとえあったとしても、通常、ほとんど見出されず、処置に対する細菌の耐性の発達は、極めて起こりそうでないように思われる。処置の後、除去は、局所用または経口抗生物質処置で典型的であるよりも、長く存続し得る;数か月もまれではない。さらに、皮膚専門医による基礎科学および臨床研究は、強い青色/紫色光(405〜425nm)は、4週間の治療で、特に、P.アクネスが、デルタ−アミノレブリン酸(ALA)(これは、ポルフィリンの産出を増加させる)で前処置された場合、炎症性座瘡病巣の数を60〜70%減らすことができるという証拠を示した。
【0319】
したがって、本発明は、また、細胞および/または細胞の処置デバイスと、治療疾患および/または美容に関わる状態の処置のために有効な薬剤または有効な成分との組合せにも関する。特に、本発明は、細胞および/または細胞の処置デバイスと、座瘡の処置のために用いられる薬剤とを組み合わせた使用に関する。薬剤は、座瘡を処置するために通常用いられる薬剤の何れか、たとえば、抗生物質(局所用および/または経口)、ホルモン治療薬、局所用レチノイド、局所用滅菌剤、硫黄から選択され得る。適切な局所用滅菌剤は、たとえば、過酸化ベンゾイル、トリクロサン、およびクロルヘキシジングルコン酸塩である。適切な局所用抗生物質は、たとえば、エリスロマイシン、クリンダマイシン、およびテトラサイクリンである。適切な経口抗生物質は、たとえば、エリスロマイシン、テトラサイクリン抗生物質(たとえば、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、またはリメサイクリン)、トリメトプリム、およびミノサイクリンである。
【0320】
適切なホルモンは、たとえば、エストロゲン、プロゲストーゲン、エストロゲンとプロゲストーゲンの組合せ、シプロテロン、エストロゲン、シプロテロンとエストロゲンの組合せ、ドロスピレノン、スピロノラクトン、およびコルチゾンから選択される。適切な経口レチノイドは、たとえば、ビタミンA誘導体、たとえば、イソトレチノイン(たとえば、アキュテイン、アムネスティーム、ソトレット、クララビス、クラルス)である。適切な局所用レチノイドは、たとえば、トレチノイン(たとえば、レチン−A)、アダパレン(たとえば、ディフェリン)、タザロテン(たとえば、タゾラック)、イソトレチノイン、およびレチノールである。適切な更なる薬剤は、たとえば、抗炎症薬から選択される。
【0321】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、また、座瘡を処置または防止するために、皮膚擦傷法と組み合わせて用いられてもよい。皮膚擦傷法は、皮膚の表面が、擦ること(やすり掛け)によって除去される美容医療手法である。
【0322】
本発明により、いかなる治療戦略も含められる。たとえば、薬剤が、最初に、特定の期間、投与され、その後、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスを用いる光線療法が適用されてもよい。薬剤、その光反応性、対象の個々の事情、および具体的な疾患または状態に応じて、2つの処置の間の時間間隔もまた変わってもよい。2つの処置は、また、部分的にかまたは完全にかの何れかで、時間的に重なってもよい。的確な処置戦略は、個々の事情および疾患または状態の重症度に応じて決まるであろう。
【0323】
併用療法は、相乗効果を有し得、従来の処置戦略の副作用(たとえば、テトラサイクリンの副作用)を減らし得る。これは、本明細書に概略が示されている併用手法に従う場合、必要とされる薬剤用量がより少なくなり得るという事実に起因する。
【0324】
面皰(吹き出物(blackhead)とも呼ばれる)も、また、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスを用いる光線療法によって処置され得る。面皰は、皮膚の上の黄色もしくは黒っぽい隆起または角栓(plug)である。実際には、それは、ある種の尋常性座瘡である。面皰は、皮脂腺の導管に溜まった余分な油状物によって引き起こされる。これらの隆起に見出される物質は、大部分、ケラチンおよび変性した皮脂(これは、酸化されるにつれて、黒くなる)からなる。塞がれた毛包(ここに、吹き出物がしばしば現れる)は、光を不規則に反射して、面皰を示す。この理由で、塞いでいるものは、孔から抜き取られた時に、必ずしも黒くは見えないかもしれないが、そのメラニン含有量の結果として、一層、黄色〜茶色を有し得る。
【0325】
対照的に、いわゆる稗粒腫(これは、閉鎖面皰とも呼ばれる)は、同じ物質(皮脂)でいっぱいに塞がれた毛包であるが、皮膚表面に非常に小さい開口部を有する。空気は、毛包に到達できないので、前記物質は酸化されず、白色のままである。
【0326】
座瘡の処置のために用いられる、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、好ましくは、350〜900nm、好ましくは380〜850nm、特に好ましくは400〜850nm、特に非常に好ましくは400〜800nmの範囲の光を放出する少なくとも一種の有機エレクトロルミネッセンス化合物を含む。
【0327】
座瘡の処置にとって特に好ましい更なる光は、青色の光である。座瘡の処置に好ましい青色発光波長は、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429および430nmである。たとえば、414および415nmは、P.アクネス細菌を殺し、存在するブレミッシュを治し、また、更なる発生を防ぐために、特に適している。
【0328】
座瘡を処置するための光線療法の適用についての研究は、様々な波長または波長範囲の組合せが、座瘡を効率的に処置するのに特に適していることを明らかにした。その結果、座瘡を処置するために特に好ましいのは、赤色光と青色光の組合せである。前記赤色光は、好ましくは590〜750nm、特に好ましくは600〜720nm、特に非常に好ましくは620〜700nmの範囲から選択される。座瘡の処置にとって好ましい2つの更なる波長は、633および660nmである。青色光は、上記の波長から選択され得る。
【0329】
面飽の場合には、500nmの波長を有する光、または500〜700nmの範囲の光を放出する発光化合物を含む、LEC、QD−LECおよび/またはQD−OLEDが、特に好ましい。
【0330】
セルライトは、大部分の女性に起こると言われる状態を表し、下肢、腹部および骨盤部分の皮膚が、さざ波がたったようになる。セルライトの原因は、よく理解されておらず、一方の性に限られる二形性皮膚構造、結合組織の構造の変化、管の変化および炎症性過程などの、代謝ならびに生理機能における変化を含み得る。いくつかの治療法が、セルライトを防止または処置するために適用される。熱および血流の増加が、2つの一般的な方法である。したがって、光療法は、セルライトを患う人に有益であると考えられる。本発明によるデバイスは、セルライトの処置および/または予防に適している。PDTもまた、セルライトの処置および/または予防に適している。
【0331】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、セルライトの処置および/または予防のための波長は、400〜1000nmの範囲にあり、好ましくは400〜900nm、特に好ましくは450〜900nm、特に非常に好ましくは500〜850nmの範囲にある。より一般的な用語である皮膚の加齢は、しわの生成と色素沈着過剰の両方を表す。内因性および外因性の要素の皮膚への影響から生じるヒトの皮膚の加齢の徴候は、しわおよび細かいしわの出現によって、しおれた外観を、色素沈着による汚損の出現と共に進展させる皮膚の黄色化によって、通常、結果的に角質層および表皮が厚くなり、真皮が薄くなる、皮膚の厚さの変化によって、弾性、しなやかさ、および張りの低下を引き起こす、エラスチンおよびコラーゲン線維の秩序の崩壊によって、また、毛細血管拡張症の出現によって、特徴付けられる。
【0332】
より詳細には、これらの徴候のいくつかは、内因性または生理学的な加齢、すなわち、年齢に伴う「正常な」加齢に関連しているのに対して、他は、外因性の加齢、すなわち、一般に環境によって引き起こされる加齢に、より特有である;より詳細には、このような加齢は、日光に晒されることに起因する、光−加齢である。皮膚の加齢を引き起こす他の要因は、大気汚染、外傷、感染症、外傷性傷害(traumatism)、酸素欠乏、喫煙、ホルモンの状態、神経ペプチド、電磁場、重力、生活様式(たとえば、アルコールの過度の消費)、繰り返される顔の表情、寝相、および精神的ストレスである。
【0333】
内因性の加齢のせいで起こる皮膚の変化は、内部に生じる要因に関連する、遺伝的にプログラムされた継起の結果である。この内因性加齢は、特に、皮膚細胞の再生の鈍化を引き起こし、本質的には、これは、臨床損傷、たとえば皮下脂肪組織の縮小の出現、および細かいしわまたは小じわの出現に、および組織病理学的変化(たとえば、弾性線維の数および厚さの増加、弾性組織膜からの縦方向線維の減少、およびこの弾性組織の細胞内の大きく不揃いな線維芽細胞の存在)に、反映される。
【0334】
対照的に、外因性の加齢は、臨床損傷、たとえば太いしわ、および弛んで日に焼けた皮膚の形成、ならびに、組織病理学的変化、たとえば真皮上部における弾性物質の過度の蓄積およびコラーゲン線維の変質を生じる。
【0335】
皮膚の加齢の原因となる別の生物学的および分子メカニズムが存在し、このプロセスは、現在、完全には理解されていない。しかし、皮膚の加齢の内因性と外因性の両方の要素が、共通のメカニズムを共有していることが確認された[P.U.Giacomoniら、Biogerontology 2004、2、219−229]。細胞接着分子の発現が循環する免疫細胞の補充および遊出を引き起こし、これが、コラゲナーゼ、ミエロペルオキシダーゼおよび反応性酸素化学種を分泌することによって細胞外マトリックス(ECM)を消化するので、これらの要因は、皮膚の加齢を生じる、皮膚における損傷の蓄積に導くプロセスの引き金となる。
【0336】
これらの溶解プロセスの活性化が、これらの常在性細胞のランダムな損傷を引き起こし、これらが、次には、プロスタグランジンおよびロイコトリエンを分泌する。これらのシグナル分子は、オータコイドヒスタミンおよびサイトカインTNFαを放出する、常在性肥満細胞の脱顆粒を誘発するので、隣接する毛細血管の内側を覆う内皮細胞(p−セレクチンを放出する)、ならびに細胞接着分子、たとえばE−セレクチンおよびICAM−1の合成を活性化する。これにより、自己継続されるミクロ−炎症サイクルは終わり、このサイクルが、結果的に、ECM損傷の蓄積、すなわち、皮膚の加齢を生じる。
【0337】
皮膚の加齢の処置または予防のための新規な戦略が、美容および治療に強く求められている。とりわけ皮膚の加齢の防止または処置を意図する、様々な美容および治療組成物(スキンケア用を含めて)が知られている。レチノイン酸およびその誘導体は、特に、US
4603146において、スキンケア組成物、美容組成物、または皮膚科学的組成物における、アンチエイジング剤として記載されている。ヒドロキシ酸、たとえば乳酸、グリコール酸あるいはクエン酸もまた、この同じ用途で知られており、これらの酸は、多くの特許および出版物(たとえば、EP−A−413528)に記載されており、市販の多数のスキンケア組成物、美容組成物、または皮膚科学的組成物に導入されている。芳香族オルトヒドロキシ酸、たとえばサリチル酸もまた提案されている(たとえば、WO 93/10756およびWO 93/10755)。
【0338】
これらの化合物の全ては、落屑によって、すなわち、角質層の表面で死んだ細胞の除去によって、皮膚の加齢に対して作用する。この落屑は、また、表皮剥離性とも呼ばれる。
しかし、これらの化合物は、また、ヒリヒリすること、および赤くなることからなる副作用を有し、使用者はこれらを不快であると感じる。こうして、知られている化合物と少なくとも同じように有効であるが、それらの欠点を示さない、アンチエイジング戦略が求められている。皮膚の加齢を処置または防止するための確立された戦略と異なり、セレクチンの機能を調整することは、非常に初期の段階でミクロ−炎症カスケードに介入する新規な考え方であり、本発明に従って内因性および外因性の皮膚加齢を処置および防止することは、他の戦略で知られている欠点を有さない戦略を示す。
【0339】
光線療法は、皮膚の加齢を処置する新しい方法を提供する。こうして、本発明の別の主題は、皮膚の加齢の処置および/または予防のための、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスの使用である。これは、本発明が、とりわけ、皮膚の若返りのための、またしわの生成を減らす、または防止するための、解決策を提供することを意味する。
【0340】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、皮膚加齢の処置のための波長は、400〜950nmの範囲にある。好ましくは、その波長は、550〜900nm、特に好ましくは550〜860nmの範囲にある。
【0341】
本発明の細胞および/または細胞の処置デバイスはまた、本発明の他の態様にも適用される様々な波長または波長範囲の光も放出し得る。
【0342】
本発明の別の好ましい態様において、皮膚加齢の処置に用いられる細胞および/または細胞の処置デバイスは、600nm〜650nmの範囲、特に好ましくは620nm〜650nmの範囲の光を放出する。
【0343】
皮膚加齢の処置および/または防止のために用いられる、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、350〜950nm、好ましくは380〜900nm、特に好ましくは400〜900nmの範囲の光を放出する好ましくは少なくとも一種の有機エレクトロルミネッセンス化合物を含む。
【0344】
皮膚加齢の処置および/または予防のために特に好ましい更なる光は、青色光である。
皮膚加齢の処置および/または予防のために好ましい青色発光波長は、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、および430nmである。たとえば、415nmは、特に適している。
【0345】
皮膚加齢の処置および/または予防のために特に好ましい更なる光は、400〜900nmの波長を有する。
【0346】
皮膚の若返りも、また、830nm、またはこの値の僅かに下もしくは上の波長の光により実現され得る。したがって、700nm〜1000nm、好ましくは750nm〜900nm、特に好ましくは750nm〜860nm、特に非常に好ましくは800〜850nmの範囲の光を放出する、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスもまた、本発明の主題である。
【0347】
対象の皮膚の赤みは、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって処置できる。本発明によるデバイスによって放出される、赤みの処置および/または予防のための波長は、460〜660nmの範囲にある。この波長は、好ましくは500〜620nm、特に好ましくは540〜580nmの範囲にある。この目的のための特に好ましい1つの波長は、560nmである。
【0348】
対象の皮膚炎は、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって処置され得る。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、皮膚炎の処置および/または予防のための波長は、470〜670nmの範囲にある。この波長は、好ましくは490〜650nm、特に好ましくは530〜610nmの範囲にある。この目的のための特に好ましい2つの波長は、550nmおよび590nmである。
【0349】
対象のアトピー性湿疹は、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって処置され得る。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、アトピー性湿疹の処置および/または予防のための波長は、470〜670nmの範囲にある。この波長は、好ましくは490〜650nm、特に好ましくは530〜610nmの範囲にある。この目的にとって特に好ましい1つの波長は、320nmである。
【0350】
乾癬は、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって処置され得る。
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、乾癬の処置および/または予防のための波長は、240〜500nmの範囲にある。この波長は、好ましくは290〜400nm、特に好ましくは300〜330nmの範囲にある。この目的にとって特に好ましい2つの波長は、311および320nmである。
【0351】
白斑は、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって処置され得る。
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、白斑の処置および/または予防のための波長は、240〜500nmの範囲にある。この波長は、好ましくは290〜400nm、特に好ましくは300〜330nmの範囲にある。この目的のために特に好ましい1つの波長は、311nmである。
【0352】
標的を定めた光線療法は、健康な皮膚の曝露を最低限にしながら、特定の皮膚病に対する、治療のための紫外線の照射を可能にした。特に、紫外B領域内の308nmの波長の光は、白斑;乾癬;ならびに白斑、たとえば傷跡、白色線条(striae alba)およびCO
2レーザー表面再生後に伴うものを含めて、多くの皮膚病に対して、特に有効であることが示された。
【0353】
本発明の細胞および/または細胞の処置デバイスは、また、浮腫の処置にも使用できる。浮腫は、以前は水腫(dropsyまたはhydropsy)としても知られ、皮膚の下の、あるいは身体の1つ以上の空洞における、流体の異常な蓄積である。一般に、細胞間の流体の量は、流体のホメオスタシスのバランスによって決められ、間質への流体の分泌の増加、またはこの流体の除去の障害が、浮腫を引き起こし得る。5つの要因が浮腫の生成に寄与し得る:(1)それは、血管内の静水圧の増加によってもしくは膠質浸透圧の低下によって、または(2)炎症におけるような、血管壁透過性の増大によって、または(4)リンパ管を通じての流体クリアランスの妨害によって、または(5)組織自体の保水性の変化によって、促進され得る。静水圧の上昇は、多くの場合、腎臓による水およびナトリウムの停留を反映している。
【0354】
浮腫の処置に用いられる本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、好ましくは、760〜940nm、好ましくは780〜920nm、特に好ましくは800〜900nm、特に非常に好ましくは820〜880nmの範囲にある光を放出する。浮腫の処置のための特に好ましい更なる発光波長の1つは、850nmである。
【0355】
本発明の別の主題は、感染症、ならびに炎症性、神経学的、および心理学的疾患および/または状態の処置および/または予防のための、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスに関する。
【0356】
多くの炎症性疾患、障害、および状態が、光線療法により処置できる。炎症性障害の処置および/または予防のための、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスもまた、本発明の主題である。炎症性疾患および状態は、広範な徴候を包含する。炎症に一見関係しない多くの疾患または状態が、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスにより処置できる、炎症の要素を有する。本発明において挙げられている皮膚疾患および状態は全て、炎症の要素、たとえば、座瘡、乾癬、アトピー性皮膚炎、湿疹を有する。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスにより処置できる、更なる炎症性疾患および状態の非限定的選択は、関節炎、炎症性腸疾患、歯肉の炎症、粘膜の炎症、爪床の炎症、動脈硬化、および脈管系の炎症である。
【0357】
炎症の処置および/または予防のために好ましい波長は、350〜900nm、特に好ましくは380〜900nm、特に非常に好ましくは400〜860nmの範囲にある。
炎症の処置および/または予防のために好ましい更なる波長は、405、420、および850nmである。
【0358】
前記細胞および/または細胞の処置デバイスは、感染症の処置および/または予防のために使用され得る。感染症は、細菌およびウイルスによって引き起こされ得る。光は、感染症に、いくつかの好ましい作用を有する。光は、たとえば、本発明内で別の箇所に概略が示されているように、組織の刺激を通じて、抗炎症作用を有する。
【0359】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによる光線療法は、外傷を処置するための用途で有益である。外傷の治癒は、多くの場合、炎症と関連している。したがって、炎症の処置および/または予防の場合に概略が示されたものと同じ波長および波長範囲が適用できる。光線療法による外傷の処置は、また、傷跡の生成を防止する。外傷および/または傷跡の処置および/または予防に特に好ましい波長は、600〜950nm、特に非常に好ましくは650〜900nmの範囲にある。外傷および/または傷跡の処置および/または予防に好ましい更なる波長は、660、720、および880nmである。
【0360】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスにより効率よく処置され得る他の感染症は、細菌によって引き起こされる。
【0361】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスにより効率よく処置され得る更なる感染症は、ウイルスによって引き起こされる。本発明の好ましい態様は、特に、サイトメガロウイルス(CMV)、脳脊髄心筋炎ウイルス(EMCV)、ポリオウイルス、インフルエンカ(influenca)ウイルス、パラインフルエンザ呼吸器インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、F型肝炎ウイルス(HFV)、G型肝炎ウイルス(HGV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−I)、ヒト免疫不全ウイルス2型(HIV−2)、帯状疱疹ウイルス、単純疱疹ウイルス、特に、単純疱疹ウイルス1型(HSV−I)、単純疱疹ウイルス2型(HSV−2)、または、ヒトヘルペスウイルス1、2、3、4、7、もしくは8、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)、ロータウイルス、乳頭腫ウイルス、およびヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、特に、1、2、3、4、5、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19〜29、31、32、34、36〜38、46〜50、56、もしくは58型のHPVによって引き起こされるウイルス感染症の処置および/または予防のための、前記細胞および/または細胞の処置デバイスの使用である。
【0362】
特に、ウイルス性皮膚疾患および/または腫瘍障害、たとえば、生殖器疣、乳頭腫ウイルスによって引き起こされる皮膚および/または粘膜の良性腫瘍、特に、足底疣贅、尋常性疣贅、青年性扁平疣贅、疣贅状表皮発育異常症、尖圭疣贅、扁平疣贅、ボーエン病様丘疹症、喉頭および口腔粘膜上の乳頭腫、局所性上皮過形成、口唇ヘルペス、水疱瘡および帯状疱疹は、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスにより処置され得る。
【0363】
本発明の特に好ましい態様において、細胞および/または細胞の処置デバイスは、疣の処置および/または予防のために使用され得る。パルス光療法は、本発明によるデバイスにより疣を処置するための1つの方法であり得る。
【0364】
神経学的または心理学的疾患および/または状態の処置および/または予防のための、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスの態様も、また、本発明の主題である。
【0365】
本発明による好ましい神経学的疾患は、パーキンソン病(MB)である。光が一定レベルの強度に達すると、それが、ドーパミンの産出を制限するメラトニンを抑制する。メラトニンを制限すると、脳におけるドーパミンの産出および使用が、より良好になると考えられる。明るい光による治療を含む、MB患者での光療法の最近の事例研究は、好ましい結果を示し、たった90分間晒されただけなのに、大部分の患者における動作緩慢および固縮が著しく改善された。
【0366】
本発明による好ましい更なる神経学的および心理学的疾患および/または状態は、気分および睡眠に関連する。光は、多くの状況において、気分に有益であることがよく知られている。光線療法は、また、鬱病、季節性情動障害(SAD)、非季節性鬱病、概日リズム睡眠障害(慢性概日リズム睡眠障害(CRSD)、状況性CRSD)を処置するためにも用いられ得る。
【0367】
米国国立医学図書館は、一部の人々が、季節が変わると、深刻な気分の変化を体験することを指摘している。彼らは、過度に長く眠り、ほとんど活力を有さず、また、甘いものおよびデンプンを含む食物を要求することがある。彼らは、また、気分がめいることがある。症状は重いこともあるが、彼らは、通常、回復する。夏における異常は、しばしば、逆季節性情動障害と呼ばれ、また強い不安も含み得る。米国における1.5%〜9%の成人がSADを体験していると見積もられている。
【0368】
明るい光による光療法、抗鬱剤による薬物療法、認知−行動療法、イオン化空気投与、およびホルモンのメラトニンの慎重に時期を見計らった補充を含めて、標準的な(冬季に起こる)季節性情動障害に対する様々な処置がある。
【0369】
細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、これらの神経学的および心理学的疾患および/または状態の処置および/または予防のための波長は、350〜600nmの範囲にある。その波長は、好ましくは400〜550nm、特に好ましくは440〜500nmの範囲にある。この目的にとって特に好ましい2つの波長は、460および480nmである。
【0370】
本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、また、痛みの処置および/または予防のために使用し得る。光線療法による痛みの緩和は、よく知られている。次の状態は、光線療法により、うまく処置され得る痛みを生じる:手根管症候群、慢性創傷、上顆炎症、頭痛、偏頭痛、足底筋膜炎、腱炎および滑液嚢包炎、頸部痛、背部痛、筋肉痛、3叉神経痛、ならびに鞭打ち関連損傷。
【0371】
好ましくは、筋肉痛は、赤色または赤外線を放出する、細胞および/または細胞の処置デバイスにより処置される。
【0372】
円形脱毛症は、ヒトを襲う異常であり、体毛が、身体の一部または全ての部分から、通常は頭皮から、失われる。それは、特に第1段階において、頭皮に禿げたスポットを生じるので、スポットボールドネス(spot baldness)と呼ばれることがある。1〜2%の事例において、その状態は、全頭皮(全頭部脱毛症)に、または全表皮(全身性脱毛症)に広がり得る。円形脱毛症に似ていて、類似の原因を有する異常は、また、他の種でも起こる。
【0373】
円形脱毛症(自己免疫による脱毛)は、本発明によるデバイスにより処置され得る。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、円形脱毛症の処置および/または予防のための波長は、240〜500nmの範囲にある。その波長は、好ましくは290〜400nm、特に好ましくは300〜330nmの範囲にある。この目的にとって特に好ましい1つの波長は、311nmである。
【0374】
細胞および/または細胞の処置デバイスの態様は、また、飲料および食物の消毒および/または滅菌および/または保存のために用いることもできる。
【0375】
消毒および/または滅菌および/または保存のための光の使用はよく知られている。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、この目的のために用いることができる。これによって、任意の種類の消毒および/または滅菌および/または保存を意味し、限定ではないが、外傷、食物、ならびに固体および液体の物、たとえば、美容製品、医療デバイス、手術および飲料に用いられるデバイスの消毒を含む。
【0376】
飲料、好ましくは水、特に好ましくは飲用水の消毒および/または滅菌および/または保存のために細胞および/または細胞の処置デバイスを使用することが好ましい。汚染された水は、世界中に多くの感染症を引き起こし、多くの場合、人の重い疾患または死を招く。
【0377】
市販品供給業者の水フィルターシステムは、イオン交換技術を利用している。しかし、フィルターは、しばしば、微生物により汚染されがちであり、次には、これは、微生物により汚染された水を生じる。1つの解決策は、毒物学的観点からは問題のある銀塩を加えることである。本発明の細胞および/または細胞の処置デバイスは、この問題に対する解決策を提供する。それらは、微生物汚染の度合いの低い水を提供するために、安全で効率的で、低コストの方法を提供するように、水フィルターシステムに組み込まれて使用され得る。細胞および/または細胞の処置デバイスは、濾過の前もしくは後の水、またはフィルターカートリッジ自体の両方を照射し得る。好ましくは、細胞および/または細胞の処置デバイスは、フィルターカートリッジとすでに濾過された水の両方を照射する。
【0378】
上記で概略が示された、水の消毒および/または滅菌および/または保存の手順は、基本的に、他のいかなる液体にも、特に飲料にも同様に、適用できる。
【0379】
したがって、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスは、ヒトおよび動物のための飲料および食物の消毒および/または保存のために使用できる。本発明による消毒および/または滅菌および/または保存のための波長は、200〜600nm、好ましくは250〜500nm、特に非常に好ましくは280〜450nmの範囲にある。
【0380】
別の態様において、本発明は、光力学的療法(PDT)に利用するための前記細胞および/または細胞の処置デバイスに関する。
【0381】
本発明によるPDTに必要とされる波長は、300〜700nm、好ましくは400〜700nm、特に非常に好ましくは500〜700nmの範囲にある。好ましい更なる4つの波長は、595、600、630、および660nmである。
【0382】
PDTとして知られているいかなる療法も、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイス、ならびにそれらを含むデバイスを用い、処置できる。特に、本発明内に概略が示されているPDTは、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスにより処置できる。正常組織におけるよりも多量に腫瘍組織に集まる、多環状炭化水素型化学構造を有する染料の特性がよく知られている。これらの染料には、アクリジン、キサンテン、ソラレン、およびポルフィリンが含まれる。最後の染料、特に、ヘマトポルフィリン(Hp)およびその化学的誘導体のいくつか(たとえば、HpD、ここで、HpDはHp誘導体の混合物である)は、優れた腫瘍局在化特性を有し、これらの特性は、薬剤の全身投与の後の予め決められた時点での赤色光の照射による腫瘍の光線療法処置の基礎である。
【0383】
PDTに用いられる薬剤は、好ましくは、アミノレブリン酸/アミノレブリン酸メチル、エファプロキシラルポルフィリン誘導体(ポルフィマーナトリウム、タラポルフィン、テモポルフィン、ベルテポルフィン)から選択される。
【0384】
更なる態様において、本発明は、黄疸およびクリグラーナジャール症候群、好ましくは黄疸の処置および/または予防のための、前記細胞および/または細胞の処置デバイスに関する。
【0385】
黄疸(jaundice)(icterusとしても知られる)は、皮膚、強膜上の結膜(目の白い部分)、および他の粘膜の帯黄変色である。この変色は、高ビリルビン血症(血液中のビリルビンレベルの上昇)によって引き起こされる。次いで、この高ビリルビン血症は、細胞外液におけるビリルビンレベルの上昇を引き起こす。黄疸は、3つのグループ、肝前性(溶血性)黄疸、肝性(肝細胞性)黄疸、および肝後性(閉塞性)黄疸に分類される。
【0386】
肝前性黄疸は、溶血(すなわち、赤血球の破壊)の速度の上昇を引き起こすいかなるものによっても引き起こされる。熱帯の国では、この様にして、マラリアが黄疸を引き起こすことがある。特定の遺伝疾患、たとえば、鎌状赤血球性貧血、球状血球症、およびグルコース 6−リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症は、赤血球溶解を増加させ得るので、溶血性黄疸に至り得る。一般に、腎臓の疾患、たとえば、溶血性尿毒症症候群もまた、着色に導き得る。ビリルビン代謝における欠陥も、また、黄疸として表れる。黄疸は、通常、高熱を伴って発症する。鼠咬症(レプトスピラ病)もまた黄疸を引き起こし得る。
【0387】
肝性黄疸の原因には、急性肝炎、肝毒性およびアルコール性肝疾患が含まれ、これらによって、細胞の壊死が、ビリルビンを代謝し、また排出する肝臓の能力を低下させるので、血液中に蓄積される。一般的でない原因には、原発性胆汁性肝硬変、ジルベール症候群(軽い黄疸を生じ得る、ビリルビン代謝の遺伝疾患、これは、人口の約5%に見出される)、クリグラーナジャール症候群、転移性癌およびニーマンピック病C型が含まれる。新生児黄疸として知られる、新生児に見られる黄疸は一般的であり、ビリルビンの抱合および排出のための肝構造が、約2週齢まで、十分に成熟しないので、ほとんど全ての新生児に起こる。
【0388】
肝後性黄疸は、また閉塞性黄疸とも呼ばれ、胆管系における胆汁の排出に対する遮断によって引き起こされる。最も一般的な原因は、総胆管における胆石、および膵臓頭部における膵臓癌である。また、「肝吸虫」として知られる一群の寄生虫は、総胆管に生息することがあり、閉塞性黄疸を引き起こし得る。他の原因には、総胆管の狭窄、胆管閉鎖、導管癌、膵炎および膵仮性嚢胞が含まれる。閉塞性黄疸のまれな原因は、ミリッチー症候群である。
【0389】
黄疸、特に新生児黄疸は、処置されなければ、または適切に処置されなければ、重大な医学的帰結に至り得る。ビリルビンの濃度の増加は、核黄疸として知られる、脳を損傷する病態を生じ、生涯に渡る重大な身体障害に至り得る;この病態は、近年、新生児高ビリルビン血症の不十分な発見および処置のせいで発生していると懸念されている。初期の処置は、多くの場合、新生児を、多かれ少なかれ隔離されたインキュベータ内で、集中的な光線療法に晒すことからなる。この療法は、多くの場合、新生児と両親の両方にとって精神的または心理学的に困難な状況を示す。本発明によるデバイスは、毛布などの、可撓性のある移動性デバイスを提供するために用いることができる。こうして、新生児は、その両親の腕の中で横たわった状態で、処置できる。従来の治療法は、また、新生児の過熱に至り易いが、これも、また、本発明の細胞および/または細胞の処置デバイスならびにそれらを含むデバイスにより、かなり下げられ得る。
【0390】
好ましくは、本発明は、新生児黄疸の処置のための、細胞および/または細胞の処置デバイスの使用に関する。
【0391】
対象の黄疸は、本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって処置できる。本発明による細胞および/または細胞の処置デバイスによって放出される、黄疸の処置および/または予防のための波長は、300〜700nmの範囲にある。この波長は、好ましくは350〜600nm、特に好ましくは370〜580nmの範囲にある。好ましい更なる波長は、400〜550nmの範囲にある。特に好ましい波長は、410〜470の範囲にある。この目的にとって好ましい特定の2つの波長は、450および466nmである。
【0392】
別の態様において、本発明は、治療疾患および/または美容に関する状態の処置および/または予防のためのデバイスを作るするための、細胞および/または細胞の処置デバイスの使用に関する。治療疾患および状態は、本発明において別の箇所に記載されたものと同じである。
【0393】
本発明の前述の態様に対する変形が、やはり本発明の範囲内にありながら、成され得ることが理解されるであろう。本明細書において開示されたそれぞれの特徴は、特に断りのない限り、同じ、等価な、または類似の目的に役立つ別の特徴によって置きかえられてもよい。こうして、特に断りのない限り、開示されている特徴の各々は、包括的な一組の等価なまたは類似の特徴の一例にすぎない。
【0394】
本明細書に開示されている特徴の全ては、少なくともいくつかのこのような特徴および/またはステップが相互に矛盾する場合の組合せを除いて、任意の組合せで、組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組合せで、用いられてもよい。同様に、必須でない組合せにおいて記載された特徴は、別々に用いられてもよい(組合せにおいてではなく)。
【0395】
上記の特徴(特に、好ましい態様の)の多くは、本発明の態様の単なる一部としてのみならず、それら自体のみで発明である。現在特許請求される発明の何れかに加えて、または代わりに、これらの特徴に、独立した保護が求め得る。
【0396】
ここで開示された教示は、要約し、開示されている他の例と組み合わせ得る。
【0397】
本発明の他の特徴は、以下の例示的態様および図の説明の過程で明らかになるであろう。以下の例示的態様および図は、本発明の例示として記載されており、本発明を限定するものではない。