(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
組成物の総質量に対して5質量%以下の、チタン、チタン合金、酸化チタン、チタン石、アルミニウム、アルミニウム合金、炭酸アルミニウム、ドウソナイト、ニッケルチタン合金、ジルコニウムおよびジルコニウム合金からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化カルシウム、炭化チタン、炭化バナジウム、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ニッケル、炭化ハフニウムおよび炭化タングステンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載のフラックス組成物。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は多層粉末を使用したクラッド法を説明する。
【
図2】
図2は混合層粉末を使用したクラッド法を説明する。
【
図3】
図3はコアードフィラーワイヤおよびエネルギービームを使用したクラッド法を説明する。
【
図4】
図4は様々な超合金の相対的な溶接性を説明する従来技術のチャートである。
【0014】
本発明の詳細な説明
本発明者らは、フラックス材料、および最も溶接が困難な超合金材料および他の合金材料をうまく接合および/または補修するために使用できる材料の接合方法を開発した。本発明の方法の実施態様は有利には、レーザー溶融および再凝固工程の間、粉末化されたフラックス材料を超合金基材上に施与する。粉末化されたフラックス材料は、ビームのエネルギー伝送および選択的な捕捉、不純物の浄化、雰囲気のシールド、ビードの形成、冷却温度の制御および合金の添加を提供して、超合金材料の割れのない接合を、高温のホットボックス溶接の必要性またはチルプレートの使用または不活性なシールドガスもしくは真空条件の使用なく実施するために効果的である。
【0015】
図1は、超合金材料のクラッドの層10を周囲の室温で、基材12を予熱することなく、またはチルプレートを使用することなく、超合金基材12上に堆積する方法を説明する。基材12はガスタービンエンジンのブレードの一部を形成でき、例えば、クラッド法はいくつかの実施態様において補修手順の一部であってよい。粒状化された粉末14の層が基材12上に予め配置され、且つレーザービーム16が粉末14の層を横切って粉末を溶融し、スラグ18の層によって被覆されたクラッド10の層を形成する。クラッド10およびスラグ18は、粉末化されたフラックス材料22の層によって被覆された粉末化された超合金材料20の層を含む粉末14の層から形成される。
【0016】
フラックス材料22および生じるスラグの層18は、超合金クラッド10および下にある超合金基材12の割れを防ぐために有益な多数の機能を提供する。第一に、それらは溶融材料および凝固した(しかしまだ熱い)クラッド材料10の領域の両方を、レーザービーム16の下流領域の雰囲気からシールドするために機能する。前記スラグは表面に浮かび、溶融または熱い金属を雰囲気から分離し、且つ前記フラックスはいくつかの実施態様においてシールドガスを生成するように配合されてよく、そのことにより、高価な不活性ガスの使用が回避または最小化される。第二に、スラグ18は、凝固された材料をゆっくり且つ均等に冷却させるブランケットとして作用し、そのことにより溶接後の再加熱またはひずみ時効割れに寄与し得る残留応力が低減される。堆積物上および堆積物に隣接する前述のスラグのブランケッティングは、さらに、基材に垂直な熱伝導を強化し、そのことにより基材に垂直に延伸する粒を形成できる方向性のある凝固を促進する。第三に、スラグ18は、溶融金属の池を、それが所望の高さ/幅=1/3の比の近くに保つように成形且つ支持することを補助する。前述のスラグの形状制御および金属の支持により、さらに、金属を単独で凝固させることによって必然的に生じる凝固応力が低減される。第四に、フラックス材料22は、溶接凝固割れに寄与する微量の不純物、例えば硫黄およびリンを除去するための浄化作用を提供する。前述の浄化は金属粉末の脱酸を含むことがある。これは、フラックス粉末が金属粉末と密に接しているので、この機能を達成することにおいて特に効果的である。さらに、フラックス材料22はレーザーのエネルギーを伝送して、金属粉末および下にある基材の加熱を容易にしなければならない。それはレーザービーム16をより効果的に熱エネルギーに変換するためのエネルギーの吸収および捕捉機能も提供でき、従って、熱入力の正確な制御、例えば1〜2%以内、およびその結果である工程の間の材料温度の厳重な制御を容易にする。さらに、前記フラックスを、加工の間に揮発されるまたは反応される元素の損失を補償するように、または元素が堆積物に積極的に寄与するように(そうでなければ金属粉末自体によって供給される)、配合することができる。総合して、それらの機能性は、今までホットボックス法を用いてまたはチルプレートを使用してのみ溶接またはクラッド加工できると考えられてきた材料について、超合金基材上に室温で割れのない超合金クラッドの堆積物を生成する。
【0017】
本発明者らは、市販のフラックス、例えばLincolnweld P2007、Bohler Soudokay NiCrW−412、ESAB OK 10.16または10.90、Special Metals NT100、Oerlikon OP76、Bavaria WP 380、Sandvik 50SW、59SまたはSAS1およびAvesta 805の名称で販売されているものを、レーザーエネルギーを用いた超合金材料の加工の際に使用できるが、最適な結果は達成されないことを見出した。前述の市販のフラックスを用いることの欠点を考慮し、本発明者らは以下を見出した:
(1) 前述の公知のフラックスは典型的にはそれらの電気的特性(例えばアーク安定性、導電性)をもたらすように考えて配合され、なぜなら、それらは電気的エネルギーを必要とする加熱工程において使用されるからである。前述の考慮事項はハイブリッドレーザーおよびアーク加工については有効な要因であり得るのだが、フラックス材料の電気的特性は、レーザーエネルギーのみの施与を必要とする加工に対して関係する考慮事項ではない。
【0018】
(2) 前述の公知のフラックスはまた、光学的なレーザービームの捕捉および伝送を強化する、またはレーザーエネルギーが効率的に基材に到達することを妨害しかねないプラズマの形成を防止もしくは低減するようには配合されていない。
【0019】
(3) 前述の公知のフラックスはまた、ソリッドワイヤ、コアードワイヤまたはストリップ電極と共に使用される。その結果、前述の公知のフラックスは一般に、前述のソリッドフィラーの金属の形態を用いた加工を強化するための成分を含むように配合される。例えば、被覆された電極は多くの場合、フラックスミックスを得るための特定の成分(例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、糖、デキストロース)、およびワイヤおよびその上の付属物における押出適性を強化するための追加的な成分(例えばグリセリン、カオリン、タルク、マイカ)を必要とする。作業の間の損傷に対して耐性がある平滑で割れのない電極の被覆を確実にする前述の成分は重要ではなく、且つ、実際のところ、レーザー加工の間には有害であり得る(例えば望ましくない汚染物質の放出)。他の例として、フラックスコアードワイヤは、コアの容積に適合するために非常に微細なメッシュのフラックス成分を有さなければならない。前述の微細な微粒子もレーザー加工のためには必要ではなく、且つ実際のところ、前述の微細な粉末は、加工の点に供給するために予め配置することが困難であるという点で有害であり得る。その結果、ソリッドフィラー金属を用いたアーク溶融加工のためには必須である多くの成分またはメッシュの制約はレーザー加工には関係せず、前記レーザー工程において粉末はほとんどの場合、光のエネルギーを捕獲する固有の能力ゆえに、フィラーの好ましい形態である。
【0020】
(4) 前述の公知のフラックスは、不所望の元素(いわゆる「トランプ」元素)、例えば硫黄、リン、ホウ素、鉛およびビスマスを掃去できる成分も含む。超合金は通常の鍛錬用ニッケル基合金よりも遙かに凝固割れしやすいので、レーザー加工のために配合されるフラックスは、かかるトランプ元素の全てまたは多くを凝固工程から除去するために、公知のフラックスに対して富化および/または改質されなければならないことがある。例は、硫黄およびリン含有率を効率的に低減するためのマンガン、マグネシウムおよびカルシウムを有する化合物の富化を含む。他方で、トランプ元素であるホウ素は従来のフラックスによって多少は制御され得るのだが、超合金加工では限定的な制御が適するに過ぎず、なぜなら、ホウ素は粒界の補強のために必須だからである。
【0021】
(5) 前述の公知のフラックスは、加工の間、金属元素の損失を補償するために、または堆積物のさらなる合金化のために、特定の鉄系金属添加剤も含有することがある。前述の市販のフラックスは、鉄を含有する鍛錬用ニッケル基合金のために配合されており、前述の鉄系金属添加剤は多くの非鉄ニッケル基超合金のためには適していないことがある。従って、非鉄超合金材料(例えばIN 738、IN 939、CM 247、PWA 1484、Rene Alloys 80、N4、5および6)を必要とする特定の用途、例えばタービンブレードおよび翼の製造および補修において、それらの鉄系金属添加剤は適していないことがある。
【0022】
上記の所見に基づき、以下の考慮事項が本開示でのフラックス材料に関し、超合金材料のレーザー溶接、補修および製造への適用可能性が見出される。それらの考慮事項のいくつかは、他の溶接が困難な合金(例えばODS合金、チタン基合金等)を必要とする用途にも関わることがある。
【0023】
第一に、電気的な考慮事項に関して、二酸化チタンは多くの場合、アークの安定化のために使用される。少なくとも2つの上述の市販のフラックスは二酸化チタンを含む。レーザー加工のために提案されたフラックスは、前述の安定化は必要としない。従って、二酸化チタン、および電気特性に作用するために公知のフラックス材料中で用いられる他の剤(例えばケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ルチルおよびチタン酸カリウム)を、本願のフラックス材料から除外することができる。いくつかの例において、電気特性に作用する剤(例えば二酸化チタン)は、他の目的、例えばスラグ形成または元素の添加のために含まれることがある。しかしながら、それらの例において、前述の剤の割合は、電気的特性を補強するために適しているとして知られる割合とは著しく異なる。
【0024】
他のアーク安定剤は、低い解離エネルギーおよびイオン化ポテンシャルを有する化合物(例えばK
2O、Na
2OおよびLi
2O)を含む。前述の化合物は多くの場合、解離されて光学的な「プラズマ」(レーザーエネルギーが吸収され加工位置に伝送されることを防ぐ)を形成する傾向ゆえに、本開示のフラックス材料にあまり良く適していない。前述の安定剤およびプラズマ発生剤を、レーザー加工のためにここで開示されるフラックス材料からは除外できる。いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は、実質的な量のK
2O、Na
2OおよびLi
2Oを含有せず、それは、(個々または全体で)0.5質量%未満のそれらの化合物しか含有しないことを意味する。いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は、本質的にK
2O、Na
2OおよびLi
2Oを含有せず、それは、(個々または全体で)0.1質量%未満のそれらの化合物しか含有しないことを意味する。
【0025】
フッ化物を有するフラックスを用いる従来の溶接加工において、フッ化物が異常なアークを生成することがあることも知られている。レーザー加工においてアークが必要とされないので、本開示のフラックス材料中では、レーザー加工にとって重要な粘度および掃去作用を制御するためにフッ化物が(比較的豊富な割合でも)含まれることができる。
【0026】
第二に、本開示のフラックス材料は、レーザーエネルギーを加工物に送達することを妨害し得る副生成物(即ち、光および煙)の生成を回避するように配合される。可燃性(特に有機)材料、例えば炭化水素は、前述の不所望の副生成物をもたらすので、本開示のフラックス材料においては回避されることがある。工程条件を変更して、加工点付近で真空または十字流作用を使用して生成された煙を除去してもよい。
【0027】
第三に、サブマージアーク溶接およびエレクトロスラグ溶接について公知のフラックス材料が比較的粗いメッシュサイズを有する一方で、本開示のいくつかの実施態様におけるフラックス材料は、粉末化されたフィラー材料を用いたレーザー加工に合わせるためにより小さな粒径を有する。粗いフラックス材料はワイヤのフィラーまたはストリップの寸法について、うまく作用することが知られている。これに対し、(優れた光捕捉効率により)レーザー加工のために使用できる粉末化されたフィラー金属は、典型的には微細な粉末の形態であり、且つ市販のフラックスよりも遙かに高い密度である。従って、フラックスを用いたレーザークラッディングは、矛盾したサイズおよび密度の粉末を組み合わせることに伴う潜在的な問題に取り組むことができる。
【0028】
特に、
図2は、超合金材料のクラッド層30が、超合金基材32(この実施例では複数の柱状粒34を有する方向性をもって凝固された材料として示される)上に堆積されている他の実施態様を示す。この実施態様において、粉末36の層が予め配置されるか、または基材32の表面上に粉末化された合金材料38と粉末化されたフラックス材料40との両方の混合物を含む均質な層として供給される。粉末36の層は、いくつかの実施態様においては、公知の選択的レーザー溶融および焼結工程の際に典型的な1ミリメートルの何分の一というよりむしろ、1〜数ミリメートルの厚さであってよい。他の実施態様は、厚さ5mm〜15mmの粉末層36またはフラックス層22を含んでよいか、またはフラックス材料の量は、スラグ18、46の層の厚さが0.5mm〜5mmの範囲であるように選択される。
【0029】
市販の粉末化された先行技術のフラックス材料は、典型的には0.5〜2mm(500〜2000ミクロン)の範囲の粒径を有する。レーザークラッディングのために典型的に使用される粉末化された合金材料は、0.02〜0.04mmまたは0.02〜0.08mm(または22〜88ミクロン)の範囲またはその中の他のサブレンジの粒径を有することができる。粒径におけるこの違いは、材料が別々の層を形成している
図1の実施態様においてうまく作用し得る。しかしながら、
図2の実施態様においては、粉末化された合金材料38および粉末化されたフラックス材料40について、部分的または完全に互いに重なる(同じメッシュ範囲の)メッシュサイズ範囲を有して、粉末の混合および供給を容易にし、且つ溶融工程の間に改善されたフラックス被覆率を提供することが有利であり得る。市販のサイズよりも小さく、例えば、予め配置される粉末用には105〜841ミクロンの範囲のサイズ(−20/+150タイラーメッシュ)に、および供給される粉末用には105ミクロン未満のサイズ(−150タイラーメッシュ)に破砕されたフラックス材料を使用して試験が実施され、満足な結果を有した。フラックス対合金粉末の最適な体積比は、1:1のオーダーであるが、3:2から2:3までの範囲が実証されている。
【0030】
粉末化された金属がフラックスと混合される場合、良好な混合を確実にするようにサイズを最適化することが重要であることがある。本発明者らは、混合用途のために、市販のフラックスをまず破砕する必要があることを見出し且つここで教示する。新たに製造されたフラックスについて、メッシュの範囲は粉末化された金属のメッシュ範囲と重なるべきである。粉末化された金属が構成要素としてのフラックス(凝塊粒子)を用いて作られる場合、前述のメッシュの考慮事項は重要ではない。粉末金属およびフラックスが供給される場合、フラックスは金属粉末のメッシュ範囲と接近して合致して、良好な供給を確実にする必要がある。フラックスがワイヤのコアに含められる場合、それは前述のフラックスコアードワイヤ製造のためのメッシュの要請に見合わなければならない。
【0031】
第四に、特定の元素は、ニッケル基合金を溶接する際に悪い意味で問題である。例えば、意図せずに添加される(「トランプ」元素)は、硫黄、リン、鉛およびビスマスを含む。さらには、トランプ元素ではないがホウ素は、場合によってはクリープおよび破断強さを改善し且つ粒界を精錬するために添加される。それらの元素の全て(および場合により、ケイ素、炭素、酸素および窒素を含む他の超合金構成要素との組み合わせ)は、凝固割れ(および高温割れまたは液化割れ)と関連し得る。おそらく、真っ先に問題になる元素は硫黄である。硫黄は、凝固の最後の位置で低融点の共融相(例えばNi
3S
2)を形成することによって前述の割れを引き起こす。前述の低融点の膜は凝固の間の収縮応力に耐えることができないので、割れが生じる。マンガンを有する化合物、例えばMnOによって硫黄を掃去できる。カルシウムおよびマグネシウム試薬も、ニッケル基合金の真空誘導溶融の間に硫黄を低減することが知られている。CaSおよびMgSをスラグとして除去できる。Mgも硫化物の形状を変え、且つ粒界の硫化物膜を排除することができる。CaF
2−CaO−Al
2O
3混合物も、硫黄を低減するために使用できる。セリウムも、安定な酸硫化セリウム(例えばCe
2O
2S、CeS、Ce
2S
3、Ce
3S
4)を生成することにより硫黄(および酸素)を低減することが知られている。CaF
2、CaO、CaおよびCeO
2は、(例えばエレクトロスラグ再溶融において)前述の硫黄のスラグ除去について認識された化合物である。
【0032】
いくつかの実施態様において、レーザー加工のためのフラックスは前述の化合物で富化されており、且つより特定には、該フラックスはカルシウム、マグネシウムおよびマンガンの炭酸塩(CaCO
3、MgCO
3およびMnCO
3)および酸化物(CaO、MgO、MnO、MnO
2)を高められた濃度で、超合金レーザー加工のために使用できる。本発明者らの知る限り、ニッケル基溶接フラックスの主な製造業者の1つだけがカルシウムの炭酸塩を使用している。本教示は、30質量%までの濃度で3つの炭酸塩(Ca、MgおよびMn)の全ての混合物を使用する実施態様を提案する。カルシウム、マグネシウムおよびマンガンは、偏折し且つスラグと共に除去されることによって上述の硫黄の浄化(除去)に寄与する。炭酸塩化合物も、一酸化炭素および二酸化炭素ガスを形成してシールド機能を強化する傾向がある。これは重要であり、なぜなら、該加工は視覚的にサブマージされておらず、および前述の炭酸塩によりいくつかの追加的なシールド機能が加工を改善できるからである。フッ化カルシウムおよびカルシウム、マグネシウムおよびマンガンの酸化物も硫黄の掃去のために有益であり、且つ多くの場合、約30質量パーセントまでの高められた水準で含まれる。
【0033】
問題となる他の元素は、リンであり、それは低融点のリン化物の形成によって凝固割れを促進しかねない。シリカ、CaF
2および他の酸化物、例えばCaO、CaCO
3およびFeOを含めることによってリンを制御して、熱力学を制御し且つリンをスラグに偏折させて再度入ることがないようにすることができる。
【0034】
ホウ素は、潜在的に問題があるのだが、レーザー加工のための本フラックスの実施態様においては制御または除去され得ない。その理由は、ホウ素は上述の利点を有し、且つたとえ限定された量でも含むことが有益であり得るからである。
【0035】
第五に、鉄系金属の添加剤は、多くの非鉄超合金材料との不適合性ゆえに、レーザー加工のための本フラックスに添加されるべきであるとは提案されない。いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は、実質的な量の鉄を含有せず、それは0.5質量%未満の鉄しか含有しないことを意味する。いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は、本質的に鉄を含有せず、それは0.1質量%未満の元素の鉄しか含有しないことを意味する。
【0036】
本発明者らは、粉末化された超合金材料のレーザー加熱堆積の間に、おそらく酸素との反応および引き続く揮発またはスラグと共に除去されることに起因して、ある量のチタンが失われることがあり、且つ堆積された材料のチタン含有率は、元の粉末化された超合金材料のチタン含有率未満であり得ると認識している。本開示は、フラックス材料を介して追加的なチタンを溶融物に提供し、この損失を補償することを可能にする。アークの安定化のためには必要ではないが(上記参照)、TiO
2(例えばブルカイト)または他のチタン含有化合物を、この合金の補償を達成するために本フラックスの構成要素として含めることができる。代替的なチタン源は、チタン石(CaTiSiO
5)(TiO
2の鉱物源であり且つ同時にカルシウムがリンまたは硫黄を低減することを助けることに寄与する)、およびニッケルチタン合金(例えば形状記憶合金であるニチノール)を含むことができる。最も特定には、フラックス材料中のチタンの含有率は、超合金組成物におけるチタンの量に応じる。例えば、フラックスは、2質量%までのチタンを有する堆積されたまたは基材の超合金材料用には約1質量%のチタンを、または2〜4質量%のチタンを有する超合金材料用には約2質量%のチタンを、または4〜6質量%のチタンを有する超合金材料用には約3質量%のチタンを含有できる。
【0037】
多くの先行技術のフラックスは、中性であるべきであり且つ堆積物の組成に追加するまたはそこから減じることもすべきでないと主張する。SAWフラックスは、これに関して特に有用であることができ、なぜなら、アークがフラックスの下に埋まっており、且つ危険な六価クロムを含む多くの成分が実質的に周囲の環境に放出されないからである。これに対し、本発明者らは、フラックス材料がレーザーのエネルギーを用いて加工される場合、フラックス床の上部の付近およびその上で実質的な反応および光学的な発光が生じ、そのことによりフラックスの外にガスを移送することが容易になることを見出した。クラッディングの際にアルミニウムの元素が損失する場合には(実質的なアルミナ含有フラックスを使用しても)、アルミニウムについての追加的な補償が必要となり得る。特に、市販のフラックス配合物においてはスラグを形成し且つスラグの分離性を強化するためにアルミナが使用される一方で、それは堆積された材料中にアルミニウムを効果的に運び込む(vector)ことはできない。
【0038】
アルミニウムは超合金材料の強度および酸化耐性にとって重要であるため、アルミナの損失は問題である。革新的にも、本発明の実施態様はアルミニウムを炭酸アルミニウムAl
2(CO
3)
3の形態で含む。炭酸アルミニウムは不安定であり、且つ特定の条件下で分解して二酸化炭素CO
2および水酸化アルミニウムAl(OH)
3を生成できる。本発明者らは、レーザー加工用のフラックス中で使用される場合、炭酸アルミニウムはレーザーの相互作用ゆえに解離し、且つ解離の位置で一酸化炭素および二酸化炭素と共に元素のアルミニウムを生成することに気付いた。有利にも、そのようにして元素のアルミニウムが使用可能になり、堆積されたアルミニウムの上述の損失を補償し、且つ前記のガスが元素のアルミニウムの酸化を防ぎ、且つ溶融された金属を雰囲気の酸化および窒化から全体的にシールドすることをもたらす。
【0039】
本開示のフラックス材料において使用するためのアルミニウムの代替的な源は、炭酸ナトリウムアルミニウム水酸化物NaAlCO
3(OH)
2で構成されるドウソナイトとして公知の鉱物である。ドウソナイトのレーザー分解は、元素のアルミニウム、一酸化炭素および二酸化炭素だけでなく水素も形成し、それが有益な還元性雰囲気を創出する。
【0040】
以下の合金分類群は、挙げられる量のアルミニウムおよびチタンを含有する:
【0041】
ここでの教示は、Al
2(CO
3)
2、NaAlCO
3(OH)
2およびさらには純粋なアルミニウム箔(または互換性のあるアルミニウム合金)の組み合わせを使用して、上記A群にアルミニウムを添加することを提案する。A0/2群において、フラックスの質量パーセントの少なくとも1%のアルミニウムが必要とされることが予測される。A2/4においては少なくとも2%が予測され、且つA4/6においては少なくとも3%が予測される。
【0042】
ここでの教示は、TiO
2、CaTiSiO
5およびさらには純粋なチタン箔(または互換性のあるチタン合金)の組み合わせを使用して、上記T群にチタンを添加することも提案する。T0/2群において、フラックスの質量パーセントの少なくとも1%のチタンが必要とされることが予測される。T2/4においては少なくとも2%が予測され、且つT4/6においては少なくとも3%が予測される。
【0043】
所定の合金は、A類とT類との両方を有することができ、両方の場合には各々の類と関連した添加剤を使用して取り組まれなければならない。市販の合金を含む区分けの例をいくつかの例は以下のとおりである:
【0044】
元素を添加する機能とシールド機能との組み合わせについて、他の化合物が、フラックスにおいて有益であることがある。例えば、コバルト、ニッケルおよびランタンの炭酸塩は、炭酸塩のシールドと共に、元素のコバルト、ニッケルおよびランタンをそれぞれ添加するために使用できる。さらには、例えば炭酸マンガンを含ませて、硫黄の掃去のためのマンガンおよびシールドのための炭酸塩を添加することにより、掃去とシールド機能とを組み合わせることができる。他の有用な化合物は、炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化カルシウム、炭化チタン、炭化バナジウム、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ニッケル、炭化ハフニウム、炭化タングステン、炭酸ニッケルおよびチタンアルミナイドを含み、前記は解離の際に元素の金属および所望の炭化物を添加することができる、且つ/または炭素と酸素が反応して一酸化炭素および二酸化炭素シールドを生成する。
【0045】
スラグの流動性、形成および分離性を目的とする本発明のフラックス中の他の構成要素は、提案されたフラックスおよび他にはレーザー加工用の特別なフラックスにおける市販のフラックス中に含有される構成要素に相応し得る。例えば、特定のフッ化物、ケイ酸塩、アルミン酸塩およびチタン酸塩を含ませて、スラグが粘性であり、ベース金属の融点未満の融点を有し、ベース金属の密度未満の密度を有し、且つ冷却に際して堆積物から容易に分離されることを確実にすることができる。
【0046】
本開示のフラックス材料を、以下の成分の少なくとも1つを含有するように配合できる: (i) 光学的に伝送性の構成要素、(ii) 粘度/流動性強化剤、(iii) シールド剤、(iv) 掃去剤、および(v) ベクトリング剤(vectoring agent)。
【0047】
光学的に伝送性の構成要素は、金属酸化物、金属塩および金属ケイ酸塩、例えばアルミナ(Al
2O
3)、シリカ(SiO
2)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ケイ酸ナトリウム(Na
2SiO
3)、ケイ酸カリウム(K
2SiO
3)、および(例えばNdYagおよびYtファイバレーザーから生成された)レーザーのエネルギーを光学的に伝送できる他の化合物を含む。粘度/流動性強化剤は、金属フッ化物、例えばフッ化カルシウム(CaF
2)、氷晶石(Na
3AlF
6)、および溶接用途において粘度および/または流動性を強化することが知られている他の剤(例えばCaO、MgO、Na
2O、K
2Oを用いた粘度の低減、およびAl
2O
3およびTiO
2を用いた粘度の上昇)を含む。シールド剤は、金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸アルミニウム(Al
2(CO
3)
3)、ドウソナイト(NaAl(CO
3)(OH)
2)、ドロマイト(CaMg(CO
3)
2)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、炭酸マンガン(MnCO
3)、炭酸コバルト(CoCO
3)、炭酸ニッケル(NiCO
3)、炭酸ランタン(La
2(CO
3)
3)、およびシールドおよび/または還元ガスを形成することが知られた他の剤(例えばCO、CO
2、H
2)を含む。掃去剤は、金属酸化物およびフッ化物、例えば酸化カルシウム(CaO)、フッ化カルシウム(CaF
2)、酸化鉄(FeO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化マンガン(MnO、MnO
2)、酸化ニオブ(NbO、NbO
2、Nb
2O
5)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、および有害な元素、例えば硫黄およびリンと反応して低密度の副生成物を形成し生じるスラグ層中に「浮かぶ」ことが予測される公知の剤を含む。ベクトリング剤は、チタン、ジルコニウム、ホウ素およびアルミニウム含有化合物、およびチタン合金(Ti)、酸化チタン(TiO
2)、チタン石(CaTiSiO
5)、アルミニウム合金(Al)、炭酸アルミニウム(Al
2(CO
3)
3)、ドウソナイト(NaAl(CO
3)(OH)
2)、ホウ酸塩鉱物(例えば、ケルナイト、ホウ砂、曹灰硼鉱、灰硼石)、ニッケルチタン合金(例えばニチノール)、ニオブ酸化物(NbO、NbO
2、Nb
2O
5)などの材料、および溶融金属に元素を補充するために使用される他の金属含有化合物および材料を含む。
【0048】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
5〜60質量%の光学的に伝送性の単数または複数の構成要素
10〜70質量%の単数または複数の粘度/流動性強化剤
0〜40質量%の単数または複数のシールド剤
5〜30質量%の単数または複数の掃去剤
0〜7質量%の単数または複数のベクトリング剤。
【0049】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
20〜40質量%の光学的に伝送性の単数または複数の構成要素
15〜35質量%の単数または複数の粘度/流動性強化剤
5〜25質量%の単数または複数のシールド剤
10〜25質量%の単数または複数の掃去剤
0〜5質量%の単数または複数のベクトリング剤。
【0050】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
5〜60質量%の単数または複数の金属酸化物
10〜70質量%の単数または複数の金属フッ化物
5〜40質量%の単数または複数の金属ケイ酸塩
0〜40質量%の単数または複数の金属炭酸塩。
【0051】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
5〜40質量%のAl
2O
3、SiO
2および/またはZrO
2
10〜50質量%の単数または複数の金属フッ化物
5〜40質量%の単数または複数の金属ケイ酸塩
0〜40質量%の単数または複数の金属炭酸塩
15〜30質量%の単数または複数の他の金属酸化物。
【0052】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
【0053】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
【0054】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
【0055】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は以下を含む:
【0056】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料はジルコニア(ZrO
2)および少なくとも1つの金属ケイ酸塩、金属フッ化物、金属炭酸塩、金属酸化物(ジルコニア以外)、またはそれらの混合物を含む。前述の場合において、ジルコニアの含有率は多くの場合、約7.5質量%より大きく、且つ多くの場合約25質量%未満である。他の場合において、ジルコニアの含有率は約10質量%より大きく、且つ20質量%未満である。さらに他の場合において、ジルコニアの含有率は約3.5質量%より大きく、且つ約15質量%未満である。さらに他の場合において、ジルコニアの含有率は約8質量%〜約12質量%である。
【0057】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は金属炭化物、および少なくとも1つの金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属フッ化物、金属炭酸塩、またはそれらの混合物を含む。前述の場合、金属炭化物の含有率は、約10質量%未満である。他の場合において、金属炭化物の含有率は約0.001質量%以上、且つ約5質量%未満である。さらに他の場合において、金属炭化物の含有率は約0.01質量%より大きく、且つ約2質量%未満である。さらに他の場合において、金属炭化物の含有率は約0.1質量%〜約3質量%である。
【0058】
いくつかの実施態様において、本開示のフラックス材料は少なくとも2つの金属炭酸塩、および少なくとも1つの金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属フッ化物、またはそれらの混合物を含む。例えば、いくつかの例において、フラックス材料は炭酸カルシウム(リンの制御用)、および少なくとも1つの炭酸マグネシウムおよび炭酸マンガン(硫黄の制御用)を含む。他の場合において、フラックス材料は炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸マンガンを含む。いくつかのフラックス材料は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸マンガンの3成分の混合物を含み、前記3成分の混合物の割合はフラックス材料の総質量に対して30質量%以下である。前述の炭酸塩の(2成分または3成分の)組み合わせは、複合的なトランプ元素を最も効果的に掃去することにおいて有益である。
【0059】
上記で挙げられた質量パーセント(%)は、フラックス材料の総質量(100%)に対するものである。
【0060】
本発明のレーザー加工は、上述の本発明のフラックス材料を用いてよい、または市販のフラックス(多くの場合、研削等によって改質されている)を用いてよい、または上述のフラックス材料と市販のフラックスとの混合物を用いてよい。
【0061】
図2の実施態様におけるエネルギービーム42は、一般に矩形の断面形状を有するダイオードレーザービームであるが、他の公知の種類のエネルギービーム、例えば電子ビーム、プラズマビーム、1つまたはそれより多くの円形のレーザービーム、走査レーザービーム(1次元、2次元または三次元的に走査)、集積レーザービーム等も使用できる。例えばガスタービンのエンジンブレードの先端を補修するために、比較的大きな面積がクラッドされる実施態様のためには、矩形の形状が特に有利であり得る。
【0062】
公知のレーザー溶融または焼結方法を上回るこの方法の利点は以下を含む: 各々の加工層における堆積速度が高く且つ堆積物が厚いこと; 不活性ガスを必要とせずに熱い堆積金属上にわたってシールドが改善されること; フラックスが、凝固割れをもたらす構成要素の堆積物の浄化を強化すること; フラックスがレーザービームの吸収を強化し、且つ加工装置に戻る反射を最小化すること; スラグの形成が堆積物を成形し且つ支持し、熱を保持し且つ冷却速度を遅くし、そのことにより、溶接後熱処理の間にひずみ時効(再加熱)割れに寄与する残留応力が低減されること; フラックスが元素の損失を補償するかまたは合金元素を添加できること; および、堆積物の厚さが、全体の部分の構成に必要とされる時間を大々的に減少させるので、粉末およびフラックスの予めの配置または供給を選択的に効率的に行うことができること。
【0063】
図2の実施態様は、ベース合金供給材料44(代替的にフィラー材料と称する)の使用も説明する。供給材料44は、ワイヤまたはストリップの形態であってよく、前記は基材32に向かって供給されるまたは往復し且つエネルギーボーム42によって溶融されて溶融池に寄与する。適宜、供給材料を(例えば電気的に)予熱してレーザービームから必要とされる全体的なエネルギーを低減できる。
【0064】
図3は、エネルギービーム、例えばレーザービーム64を使用してフィラー材料66を溶融し、超合金材料60の層が超合金基材62上に堆積される実施態様を説明する。フィラー材料66は金属シース68を含み、前記金属シースは適切に中空形状に形成され得る材料、例えばニッケルまたはニッケル・クロムまたはニッケル・クロム・コバルト、およびフィラー材料66がレーザービーム64によって溶融される際に所望の超合金組成物が形成されるように選択された粉末化材料70で構成される。粉末化された材料70は粉末化されたフラックス並びに合金化元素を含むことができる。レーザービーム64の熱がフィラー材料66を溶融し、且つスラグ72の層で被覆された所望の超合金材料60の層を形成する。前と同様に、フィラー材料を例えば電流を用いて予熱してレーザービームから必要とされる加工のエネルギーを低減できる。この実施態様において、フラックスは前記の
図1および2に関して記載されたものと同じ機能を発揮する。
【0065】
超合金基材と共に粉末化されたフラックス材料を使用することの利点は、追加的なクラッド材料が堆積されるか否かで実現されることが理解される。超合金基材における表面割れは、粉末化されたフラックス材料で表面を被覆し、次に表面およびフラックス材料を加熱して、浮遊スラグ層を有する溶融池を形成することによって補修できる。スラグ層の保護下で溶融池が凝固すると、割れのない清浄な表面が形成される。
【0066】
超合金材料のための補修工程は、補修されるべき超合金材料表面を研削して望み通りに欠陥を除去することにより準備すること、表面を洗浄すること、次いで、フラックス材料を含有する粉末化された材料の層を基材上に予め配置するかまたは供給すること、次いで、エネルギービームを、表面を横切って移動させて粉末および表面の上の方の層を溶融して、浮かんだスラグ層を有する溶融池にすること、次いで、前記溶融池およびスラグを凝固させることを含むことができる。基材表面での任意の欠陥を直すための溶融機能、スラグを除去して復活した表面を残すことは、典型的には公知の機械的および/または化学的方法によって実施される。粉末化された材料はフラックス材料のみであってよいか、または超合金のクラッド材料の層が望ましい実施態様については、溶融物がクラッド材料の層を表面上に形成するように、粉末化された材料は金属粉末を、粉末化されたフラックス材料の層の下の別途の層として、あるいは粉末化されたフラックス材料と混合して、あるいはフラックス材料と組み合わせた複合粒子として含有してよい。任意に、供給材料をストリップまたはワイヤの形態で溶融池に導入できる。粉末化された金属および供給材料(もしあるなら)、並びにフラックス材料からの任意の金属寄与物(中性または追加的であってよい)を、溶融池中で組み合わせて、所望の超合金材料の組成を有するクラッド層を製造する。
【0067】
1つの例示的な工程において、混合されたサブマージアーク溶接フラックスおよび合金247粉末を2.5〜5.5mmの深さに予め配置して、最終的な溶接後熱処理後に割れのないレーザークラッドの堆積が達成されることが実証された。0.6から2キロワットまでのイッテルビウムファイバーレーザー粉末の水準が使用され、その際、ガルバノメータ走査光学系を用いて、125mm/分のオーダーの移動速度で、3から10mmの幅で堆積を行った。割れの不在は、染料浸透試験および堆積物断面の金属組織学的検査によって確認された。合金247は、
図4に示されるとおり、非溶接性のゾーンの最も困難な領域内に該当することが理解される。
【0068】
さらには、本願内に記載される技術革新は、
図4に示されるガンマプライムおよびガンマダブルプライム強化超合金に限定されない。酸化物分散強化(ODS)超合金粉末を、本発明の実施態様に従い、レーザーエネルギーおよびフラックス粉末を使用して堆積することができる。特に、ベース金属組成物およびODS合金の特性に合わせるように、溶融物中で特定の水準の酸化物の形成を可能にすることが理解できる。前述の堆積を例えば、炭酸塩によってもたらされるシールドの水準を用いずに実施してもよいし、または前述の堆積を追加的な意図的な酸化物の添加と共に実施してもよい。さらには、他の実施態様において、セラミック、チタンアルミナイド、およびセメント材料を堆積できる。前述の用途は、上述の手法から、凝固割れ添加剤を考慮することなく、且つ金属元素の補償または合金化について考慮することなく、拡張されることが予測される。
【0069】
本願内に開示される全ての範囲は、そこに組み込まれる任意且つ全てのサブレンジを包含すると理解されるべきである。例えば、「0〜30%」の範囲は、最小値0%と最大値30%との間の(およびそれを含む)任意且つ全てのサブレンジを含むことができる、即ち、任意且つ全てのサブレンジは、ゼロ以上の最小値を有し且つ30%以下の最大値、例えば1〜5%を有する。
【0070】
本発明の上記の記載は、当業者が本発明を行い且つ使用することを可能にするように製造および使用する方式および方法を提供し、この実施可能性は特に、元の明細書の一部を構成する添付の特許請求の範囲の主題のために提供される。本願内で使用される場合、「からなる群から選択される」、「から選択される」およびその種の句は、特定された材料の混合物を含む。本願内で使用される場合、「a」および「an」およびその種の文言は、「1つまたはそれより多くの」という意味を有する。例えば、「・・・化合物(a compound)を含む」という句は、単独の化合物または化合物の混合物の存在を意味する。
【0071】
本願内で本発明の様々な実施態様が示され且つ記載された一方で、かかる実施態様が例としてのみ提供されていることが明らかである。本願内の発明から逸脱することなく、多くの変種、変更および置換を行うことができる。
[実施態様1]
フラックス組成物であって、組成物の総質量に対して
5〜85質量%の金属酸化物、金属ケイ酸塩またはその両方、
10〜70質量%の金属フッ化物、および
1〜30質量%の金属炭酸塩
を含み、
前記フラックス組成物は0.5質量%未満の鉄しか含有せず、且つ
前記フラックス組成物は0.5質量%未満のLi2O、Na2OまたはK2Oしか含有しない、
前記フラックス組成物。
[実施態様2]
組成物の総質量に対して15〜30質量%の、CaO、CaF2、MgO、MnO、MnO2、NbO、NbO2、Nb2O5、ZrO2およびTiO2からなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様3]
組成物の総質量に対して5質量%以下の、チタン、チタン合金、酸化チタン、チタン石、アルミニウム、アルミニウム合金、炭酸アルミニウム、ドウソナイト、ニッケルチタン合金、ジルコニウムおよびジルコニウム合金からなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様4]
少なくとも2つの金属炭酸塩を含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様5]
CaCO3、MgCO3およびMnCO3を含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様6]
組成物の総質量に対して7.5質量%を上回るジルコニアを含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様7]
さらに金属炭化物を含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様8]
組成物の総質量に対して
5〜30質量%のAl2O3、
10〜50質量%のCaF2、
5〜30質量%のSiO2、
1〜30質量%の、CaCO3、Al2(CO3)3、NaAl(CO3)(OH)2、MgCO3、MnCO3、CoCO3、NiCO3およびLa2(CO3)3からなる群から選択される少なくとも1つ、および
15〜30質量%の、CaO、MgO、MnO、ZrO2およびTiO2からなる群から選択される少なくとも1つ
を含む、実施態様1に記載の組成物。
[実施態様9]
金属ケイ酸塩、金属フッ化物、金属炭酸塩およびジルコニア以外の金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つ、および
組成物の総質量に対して7.5質量%を上回るジルコニア
を含む、フラックス組成物。
[実施態様10]
25質量%未満のジルコニアを含む、実施態様9に記載のフラックス組成物。
[実施態様11]
フラックス組成物が0.5質量%未満の鉄しか含有しない、実施態様9に記載のフラックス組成物。
[実施態様12]
金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属フッ化物および金属炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1つ、および
金属炭化物
を含む、フラックス組成物。
[実施態様13]
10質量%未満の金属炭化物を含む、実施態様12に記載のフラックス組成物。
[実施態様14]
炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化カルシウム、炭化チタン、炭化バナジウム、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ニッケル、炭化ハフニウムおよび炭化タングステンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施態様12に記載のフラックス組成物。
[実施態様15]
金属酸化物、金属ケイ酸塩および金属フッ化物からなる群から選択される少なくとも1つ、および
少なくとも2つの金属炭酸塩
を含む、フラックス組成物。
[実施態様16]
CaCO3と、MgCO3およびMnCO3からなる群から選択される少なくとも1つとを含む、実施態様15に記載のフラックス組成物。
[実施態様17]
CaCO3、MgCO3およびMnCO3を含む、実施態様15に記載のフラックス組成物。
[実施態様18]
実施態様1に記載の組成物を含むフラックス材料の存在下で金属材料を溶融し、溶融スラグの層で被覆された溶融池を形成すること、および
前記溶融池および前記溶融スラグを冷却および凝固させ、固体のスラグの層によって被覆された金属層を形成することを含む方法。
[実施態様19]
フラックス材料の粉末層によって被覆された合金材料の粉末層を含む、粉末化された材料を、超合金基材の表面上に予め配置するまたは供給すること、
前記粉末化された材料をレーザービームで溶融し、溶融スラグの層によって被覆された溶融池を形成すること、および
前記溶融池および前記溶融スラグを冷却および凝固させ、超合金基材上に所望の超合金材料クラッドの層を形成すること
を含む、実施態様18に記載の方法。
[実施態様20]
以下:
フラックス材料の粉末層の厚さが5mm〜15mmの範囲であること、および
フラックス材料の量が固体のスラグの層の厚さが0.5mm〜5mmの範囲であるように選択されること
の少なくとも1つが満たされる、実施態様19に記載の方法。