特許第6388949号(P6388949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6388949バインダー組成物及びそれを用いたバインディング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388949
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】バインダー組成物及びそれを用いたバインディング方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 3/00 20060101AFI20180903BHJP
   C08L 5/00 20060101ALI20180903BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20180903BHJP
   C08K 5/16 20060101ALI20180903BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20180903BHJP
   C08K 5/3445 20060101ALI20180903BHJP
   D06M 15/564 20060101ALI20180903BHJP
【FI】
   C08L3/00
   C08L5/00
   C08K5/00
   C08K5/16
   C08K5/09
   C08K5/3445
   D06M15/564
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-541587(P2016-541587)
(86)(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公表番号】特表2017-500416(P2017-500416A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】KR2014012661
(87)【国際公開番号】WO2015093916
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2016年8月17日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0160550
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507310879
【氏名又は名称】ケーシーシー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100075409
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久一
(74)【代理人】
【識別番号】100129757
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久彦
(74)【代理人】
【識別番号】100115082
【弁理士】
【氏名又は名称】菅河 忠志
(74)【代理人】
【識別番号】100125243
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩彰
(74)【代理人】
【識別番号】100125173
【弁理士】
【氏名又は名称】竹岡 明美
(72)【発明者】
【氏名】ホン,スンミン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ソンイ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンジュ
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−505677(JP,A)
【文献】 米国特許第04255485(US,A)
【文献】 米国特許第04992519(US,A)
【文献】 特開2002−129038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08K 5/00−5/59
D06M 15/00−15/715
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のアミノ化合物;
炭水化物(但し、酸性化されたスターチ加水分解物を含まない);及び
酸触媒;を含み(但し、フェノール樹脂を含まない)且つ、
前記アミノ化合物は、下記式(1)〜式(4)
【化1】


【化2】

【化3】


【化4】


(式中、
1〜R4は、それぞれ独立して、水素、メチロール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基及びアミノ基よりなる群から選択されると共に、R1〜R4の少なくとも二つはメチロール基であり、
5〜R8は、それぞれ独立して、水素、メチロール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基及びアミノ基よりなる群から選択されると共に、R5〜R8の少なくとも二つはメチロール基であり、
9及びR10はメチロール基であり、
11及びR12はメチロール基であり、
nは1〜5の整数である。)
のいずれか一つで示される化合物を1種以上含むバインダー組成物。
【請求項2】
熱硬化温度が150℃〜250℃である請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項3】
バインダー組成物全体100重量部を基準に、
1種以上のアミノ化合物10〜90重量部;
炭水化物5〜80重量部;及び
酸触媒0.1〜10重量部;
を含む請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項4】
前記1種以上のアミノ化合物は、窒素原子に結合したメチロール基をつ以上有するウレア、窒素原子に結合したメチロール基をつ以上有するエチレンウレア、及び窒素原子に結合したメチロール基をつ以上有する水酸化エチレンウレアよりなる群から選択される化合物のうちの1種以上を含む請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項5】
前記1種以上のアミノ化合物は
1,1−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、
1,1,3−トリ(ヒドロキシメチル)ウレア
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)エチレンウレア
ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシエチレンウレア、及び
ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシエチレンウレア
よりなる群から選択される化合物のうちの1種以上を含む請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項6】
前記炭水化物は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類のうちの1種以上を含む請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項7】
前記酸触媒は、カルボン酸、スルホン酸及びリン酸のうちの1種以上を含んでいる有機又は無機化合物である請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項8】
更に、撥水剤、防錆剤、防塵油、緩衝剤及びカップリング剤のうちの1種以上を含む請求項1に記載のバインダー組成物。
【請求項9】
アミノ化合物、炭水化物及び酸触媒を含む溶液を噴霧する工程;及び
噴霧された溶液を熱硬化する工程;を含み且つ、
前記アミノ化合物は、下記式(1)〜式(4)
【化5】


【化6】


【化7】


【化8】


(式中、
1〜R4は、それぞれ独立して、水素、メチロール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基及びアミノ基よりなる群から選択されると共に、R1〜R4の少なくとも二つはメチロール基であり、
5〜R8は、それぞれ独立して、水素、メチロール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基及びアミノ基よりなる群から選択されると共に、R5〜R8の少なくとも二つはメチロール基であり、
9及びR10はメチロール基であり、
11及びR12はメチロール基であり、
nは1〜5の整数である。)
のいずれか一つで示される化合物を1種以上含むバインダー組成物を用いた繊維状材料のバインディング方法。
【請求項10】
請求項1に記載のバインダー組成物を用いてバインディングされる繊維状材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バインダー組成物及びそれを用いたバインディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不燃断熱材として使用されるガラス綿は、高温から低温へ流れる熱流を抑制させるために用いられる材料であり、室温での熱伝導率が略0.1Kcal/mh℃以下の断熱材である。これは、珪砂の他6種のガラス原料を高温で溶融し、高速回転力を利用して繊維化し、一定の形態に成形した人工鉱物繊維(MMMF)であり、微細な繊維が連続気孔を形成している。熱硬化性樹脂を噴射して繊維化した製品は、マット又はボードの形態に成形されて保温、断熱、吸音材として使用される。
【0003】
不燃断熱材に適用されるバインダーは、ガラス繊維などの反り性やたわみ性などを防ぐ役割を果たしており、製品の引張強度も増加させる役割を果たす。また、殆どのガラス繊維は、高温でマット又はボードの形態に製造されることから、用いられるバインダーも熱に強い特性を有しなければならない。
【0004】
従来より、ガラス綿などの不燃断熱材の集綿及びマット化時に用いられるバインダーとして、通常、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が使用されてきた。しかし、このようなメラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、ガラス綿にスプレー時、空気中にホルムアルデヒドを流出させ、作業環境を悪化させており、乾燥硬化時、相当量のホルムアルデヒドが発生され、蒸気形態で大気中に排出されるという短所がある。また、硬化時に発生されるホルムアルデヒドがガラス綿の内部に残り、施工後、経時的にゆっくり放出されて室内空気中に流出された場合、人が吸入すれば、シックハウス症候群を引き起こす主な原因になることもあり、好ましくない。
【0005】
現代人の場合、人工的環境である建築物の室内で生活する時間が全体の80%以上である。ホルムアルデヒドが除去又は希釈されずに、室内に徐々に累積される場合、在室者の健康に直接大きな影響を及ぼし得るにもかかわらず、最近まで、室内空気環境の重要性が低く評価され、それに対する対策が特になされていないのが実状である。
【0006】
ホルムアルデヒドから発生する匂いは、一般に1ppmで感じるようになるが、0.05ppmの濃度から感知する人もいる。1980年12月に、米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)と労働衛生局(OSHA)は、ホルムアルデヒドは労働衛生上の発ガン物質として取り扱うべきであると勧告した。通常、ホルムアルデヒドの濃度が1ppm以下のときには、目、鼻又は喉の刺激や、上部気道などで異常症状が見られ、5ppm以下では喘息患者に激しい喘息発作を引き起こす。また、20ppm以下では咳、肺の圧迫、頭重感又は心臓拍動が速くなる等の症状が見られ、100ppm以下の高濃度では肺体液の集積や肺炎症の症状が見られ、重篤な場合には死亡に至る恐れがある。
【0007】
そこで、主要先進国の室内空気の質に対する管理は、政府内関連部処及び民間団体による法の規制及び管理が強化される傾向にあり、これを踏まえて世界的にホルムアルデヒド対応製品開発が活発になっている。
【0008】
従って、現在、多糖類と多官能のカルボン酸官能基を有した化合物を用いたエステル反応で硬化させることを特徴とする特許文献1のような方法が研究されている。しかし、カルボン酸と多糖類の水酸基とのエステル縮合反応は、反応速度が速くないため、十分な高温条件と硬化時間を与えなければならないという問題がある。また、特許文献2は、同じ目的の接着剤について記載されたものであり、中和された多官能酸化合物と還元糖を縮合反応させることを特徴としている。しかし、中和剤としてアンモニアや揮発性アミンを用いる場合、硬化時に揮発して原料の損失及び大気汚染を誘発し得るという問題があり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第1998−0043144号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2008−0049012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、バインダー組成物及びそれを用いたバインディング方法に関し、その目的は、当該バインダー組成物を用いた繊維状材料のバインディング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、バインダー組成物及びそれを用いたバインディング方法に関する。
上記バインダー組成物の一つの例として、
1種以上のアミノ化合物;
炭水化物;及び
酸触媒;を含み、
前記アミノ化合物は、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上含むバインダー組成物を提供する。
また、前記バインダー組成物を用いたバインディング方法の一つの例として、
アミノ化合物、炭水化物及び酸触媒を含む溶液を噴霧する工程;及び
前記噴霧された溶液を熱硬化する工程;を含み、
前記アミノ化合物は、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上含むバインダー組成物を用いたバインディング方法を提供する。
また、本発明は、前記バインダー組成物を用いてバインディングされる繊維状材料を提供する。
さらに、本発明は、前記バインディング方法を用いた繊維状材料のバインディング方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るバインダー組成物は、ホルムアルデヒドのような危険物質を殆ど含んでおらず、経済的な硬化条件を有するので、上記バインダー組成物を用いたバインディング方法で加工された製品は、高い耐水性及び表面硬度などの物性を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、バインダー組成物及びそれを用いたバインディング方法に関し、前記バインダー組成物の一つの例として、
1種以上のアミノ化合物;
炭水化物;及び
酸触媒;を含み、
前記アミノ化合物は窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上含むバインダー組成物を提供する。
【0014】
具体的には、上記バインダー組成物は、従来問題とされてきた毒性物質であるホルムアルデヒドを殆ど放出せず、低温硬化が可能な水分散性バインダー組成物であってもよい。
【0015】
上記アミノ化合物は、下記式(1)〜式(5)のいずれか一つで示される化合物を1種以上含んでもよい。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
(式中、R1〜R18は、それぞれ独立して、水素、メチロール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基及びアミノ基よりなる群から選択され、
1〜R18のいずれか一つ以上はメチロール基であり、
nは1〜5の整数である。)
【0022】
例えば、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上含む上記アミノ化合物は、アミノ化合物の活性水素をホルムアルデヒドと反応させる方法を使用することができる。
【0023】
このとき、上記ホルムアルデヒドと反応した活性水素の含有量は、アミノ化合物に含有された活性水素全体100モル%に対して15〜90モル%である。例えば、上記活性水素の含有量は、15〜80モル%、20〜60モル%又は30〜50モル%である。上記活性水素の含有量の範囲内で、ホルムアルデヒドの放出量を低減し、硬化後に高い硬度を実現することができる。
【0024】
具体的には上記式(1)〜(5)において、窒素と結合したメチロール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基及び/又はアルデヒド等と低温で硬化され得る。これにより、バインダー組成物の低温硬化が可能になる。
【0025】
上記バインダー組成物は、熱硬化温度が150℃〜250℃である。例えば、上記熱硬化温度は、150℃〜220℃、160℃〜200℃又は160℃〜180℃である。上記範囲内でバインダー組成物は低温硬化され得るため、従来の高温を利用して硬化される組成物に比べて、高い経済性を有する。
【0026】
本発明は、上記バインダー組成物全体100重量部を基準に、
上記1種以上のアミノ化合物10〜90重量部;
上記炭水化物5〜80重量部;及び
上記酸触媒0.1〜10重量部;を含む。
【0027】
上記アミノ化合物の種類は特に制限されず、例えば、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上有するウレア、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上有するエチレンウレア、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上有する水酸化エチレンウレア、及び窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上有するメラミンよりなる群から選択される化合物のうちの1種以上を含む。具体的に、上記アミノ化合物は、1−ヒドロキシメチルウレア、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、1,1,3−トリ(ヒドロキシメチル)ウレア、1−(ヒドロキシメチル)エチレンウレア、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)エチレンウレア、1−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシエチレンウレア、1−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシエチレンウレア、1−ヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシエチレンウレア、ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシエチレンウレア、ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシエチレンウレア、メチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、及びヘキサメチロールメラミンよりなる群から選択される化合物のうちの1種以上を含む。
【0028】
例えば、上記アミノ化合物の含有量は、バインダー組成物全体100重量部を基準に、25〜70重量部又は30〜50重量部であり、上記範囲内で、ホルムアルデヒドの放出量を低減し、硬化後に高い硬度を実現することができる。
【0029】
上記炭水化物の種類は特に制限されず、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類のうちの1種以上を含む水溶性又は水分散性炭水化物であってもよい。例えば、上記炭水化物は、アルデヒド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基及びアミノ基のうちの一つ以上を含む。これにより、バインダー組成物であるアミノ化合物、炭水化物及び酸触媒との縮合硬化反応を促進することができる。例えば、上記炭水化物の含有量は、バインダー組成物全体100重量部を基準に、15〜60重量部又は25〜50重量部であり、上記範囲内で、バインダー組成物の高い安定性を実現することができ、硬化時の硬化度及び塗膜硬度低下を防止することができる。
【0030】
上記酸触媒の種類は特に制限されず、例えば、カルボン酸、スルホン酸及びリン酸のうちの1種以上を含む有機又は無機化合物である。上記酸触媒は、選択的にアルカリを利用して中和することができる。例えば、上記酸触媒の含有量は、バインダー組成物全体100重量部を基準に、0.5〜7重量部又は1〜5重量部であり、上記範囲内で、バインダー組成物の安定性を阻害することなく、硬化を促進することができる。
【0031】
また、上記バインダー組成物は、その他に添加剤を更に含んでいてもよく、上記その他の添加剤は、撥水剤、防錆剤、防塵油、緩衝剤及びカップリング剤のうちの1種以上を含む。上記撥水剤、防錆剤、防塵油、緩衝剤及びカップリング剤の種類は特に制限されず、防錆剤は設備の腐食を防止するために添加され、防塵油はバインダー組成物の製造工程中に発生する粒子の飛散を防止するために添加される。また、緩衝剤はバインダー組成物のpHを調整するために添加され、カップリング剤は繊維状の基材とバインダー組成物の付着力を向上させるために添加される。
【0032】
また、本発明は、上記バインダー組成物を用いたバインディング方法を提供する。一つの例として、
アミノ化合物、炭水化物及び酸触媒を含む溶液を噴霧する工程;及び
前記噴霧された溶液を熱硬化する工程;を通じてバインダー組成物をバインディングすることができ、
前記アミノ化合物は、窒素原子に結合したメタノール基を一つ以上含むことができる。
【0033】
例えば、アミノ化合物、炭水化物及び酸触媒を含む水分状のバインダー組成物を繊維状材料に噴霧することができ、これを熱硬化して繊維状材料とバインダー組成物とをバインディングすることができる。
【0034】
このとき、上記アミノ化合物、炭水化物及び酸触媒の種類と熱硬化温度は、前述したものと同じであってもよい。
【0035】
また、本発明は、上記バインダー組成物を利用してバインディングされる繊維状材料を提供する。上記繊維状材料は、例えば、ガラス綿及び岩綿などの単繊維からなる集合体を含む。上記繊維状材料にバインダー組成物をバインディングすることによって、表面硬度及び耐水性に優れた繊維状材料を製造することができ、これは、断熱材などの資材として用いられ、物性を向上させることができる。
【0036】
また、本発明は、上記バインダー組成物を用いたバインディング方法を用いた繊維状材料のバインディング方法を提供する。バインディング方法は、前述したものと同じであってもよく、例えば、繊維状材料にバインダー組成物を噴霧し、低温で熱硬化させるバインディング方法であってもよい。
【実施例】
【0037】
以下、実施例などを参照して本発明を詳細に説明する。本発明の実施例などは、発明の詳細な説明のためだけのものであり、これにより、権利範囲を何ら制限するものではない。
【0038】
製造例1:ウレア−ホルムアルデヒド樹脂1の製造
温度計、撹拌装置付き合成用4口−フラスコに、ホルムアルデヒド(ホルマリン37%)340g、尿素126gを入れ、窒素ガスを吹き込みながら室温で撹拌した。液相がきれいであることを確認してから、苛性ソーダ(20%水溶液)0.8gを投入した。pH値が8〜9水準に達したことを確認した後、温度を80℃までゆっくり上昇させた。この温度で2時間保持した後、温度を室温まで冷却し、蒸留水232gで希釈した。その結果、固形分36%、pH8.26のウレア−ホルムアルデヒド樹脂を得た。ここで、上記ウレアに対するホルムアルデヒドの総モル当量比率は2:1であることを確認した。
【0039】
製造例2:ウレア−ホルムアルデヒド樹脂2の製造
温度計、撹拌装置付き合成用4口−フラスコに、ホルムアルデヒド(ホルマリン37%)511g、尿素126gを入れ、窒素ガスを呼び込みながら室温で撹拌した。液相がきれいであることを確認してから、苛性ソーダ(20%水溶液)1.0gを投入した。pH値が8〜9水準に達したことを確認した後、温度を80℃までゆっくり上昇させた。この温度で2時間保持した後、温度を室温まで冷却し、蒸留水238gで希釈した。その結果、固形分36%、pH8.31のウレア−ホルムアルデヒド樹脂を得た。ここで、上記ウレアに対するホルムアルデヒドの総モル当量比率は3:1であることを確認した。
【0040】
実施例1
製造例1で得られたウレア−ホルムアルデヒド樹脂組成物350kg、糖蜜(Molasses80%)310kg、クエン酸(クエン酸98%)30kg、蒸留水3800kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Govi Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0041】
実施例2
製造例1で得られたウレア−ホルムアルデヒド樹脂組成物350kg、麦芽糖(Maltose83%)310kg、クエン酸(クエン酸98%)30kg、蒸留水3800kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Govi Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0042】
実施例3
製造例2で得られたウレア−ホルムアルデヒド樹脂組成物350kg、グルコース(D−グルコース91%)274kg、クエン酸(98%)30kg、蒸留水3800kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Govi Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0043】
実施例4
ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシエチレン(DMDHEU)161kg、マルトデキストリン(99%)214kg、硫酸ジアンモニウム(99%)30kg、蒸留水3800kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0044】
実施例5
ヘキサメチロールメラミン(Cymel303)88kg、デキストリン266kg、クエン酸(98%)50kg、蒸留水3800kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0045】
実施例6
製造例2で得られたウレア−ホルムアルデヒド組成物151kg、グルコース(D−グルコース91%)292kg、アクリル酸樹脂(KCC HW7002A、固形分40%)211kg、蒸留水3800kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0046】
比較例1
フェノール/ホルムアルデヒド樹脂(KCC社製、CAC00112、固形分42%、ホルムアルデヒド/フェノールモル比=4)404kg、蒸留水1,500kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0047】
比較例2
韓国公開特許第2008−0049012号の実施例1に開示された物質からバインダー組成物を製造した。
【0048】
具体的には、グルコース(D−グルコース91%)158kg、クエン酸(98%)44kg、蒸留水2000kg、アンモニア水(25%)50kg、シリコン系撥水剤(SI1420Z−KCC)2kg及び防塵油(Dust Oil−Govi Garo 217S)3kgを入れ、撹拌器で30分間撹拌してバインダー組成物を製造した。製造されたバインダーの固形分は約9%であることを確認した。
【0049】
実験例
上記実施例1〜6及び比較例1〜2で製造されたバインダー組成物について、耐水性、ホルムアルデヒド放出量、粉塵率、引張強度、復元率、及びかび抵抗性を測定した。これらの測定結果を下記表1に示す。
【0050】
実験条件は下記の通りである。
1)試験片の作製
高温のガラス物を紡績機(spinner)に通過させ、時間当り2100kg/hrの速度で繊維化しながら、集綿室に降下するガラス繊維に、上記実施例1〜6及び比較例1〜2で製造されたバインダーを47L/分の量で噴射した後、乾燥工程を経てガラス綿断熱材を得た。上記製造されたガラス綿は、100mm(横)×100mm(縦)×50mm(厚さ)にサンプル化した。
【0051】
2)耐水性の測定条件
耐水性は、基本的に48時間試験を行っており、清水を入れたビーカーに浮かべた後、完全に沈むまでにかかる時間を測定した。耐水性の等級は0に近いほど不良であり、5に近いほど優れていることを示す。
【0052】
3)ホルムアルデヒド放出量の測定条件
ホルムアルデヒド放出量は、小型チャンバー法によって試験片を小型チャンバーに放置した後、7日目にチャンバー内の空気を捕集し、捕集した空気をHPLC(液体クロマトグラフィー)で分析した。具体的な試験方法は、空気清浄協会(韓国)から設定した方法で試験を行っており、結果判定は7日目に行った。
【0053】
4)粉塵率の測定条件
粉塵率測定のために、幅1.5cm、幅10cmの大きさの測定試料を各4個ずつ作製した。測定前の重量を計量した後、上記の試料を粉塵率測定器に設置し、測定試料を1m/分の速度で前後左右に振って測定した。総測定時間は試料当たり10分を基準とし、試験機が自動で止まった後、重量を計量した。粉塵率は、[(測定前の計量重量/測定後の計量重量)−1]×100の計算式で求め、%で表記した。
【0054】
5)引張強度測定条件
引張強度測定のために、幅4cmの大きさの測定試料を各3個ずつ作製した。引張棒を試料の長さより短くなるように設置し、この引張棒に試料が水平になるように固定した後、支持棒を用いて試料を垂直になるように引き締めた。引張強度試験機の速度を15mm/分とし、ロッドディスプレイ零点を通過後、作動させた。試験機が自動で止まった後、ディスプレイされる最大荷重を測定し、その平均値を測定した。
【0055】
6)復元率の測定条件
復元率は、10m(横)×1m(縦)×0.05m(厚さ)のガラス綿サンプルを用意し、これをロール状に巻き、室温で8週間保管した後、元の状態に解して、厚さの変化を確認した。
【0056】
7)かび抵抗性の測定条件
かび抵抗性は、ASTM G21−09試験方法に従って試験片でのかび成長率を1月間観察し、測定した。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1を参照すれば、本発明に係るバインダー組成物を含むガラス綿断熱材は、ホルムアルデヒド放出量がフェノール/ホルムアルデヒドバインダー(比較例1)に比べて殆ど0に近い水準であり、粉塵率、耐水性、引張強度及び復元率等の機械的物性もフェノールバインダー水準に匹敵した。特に、ホルムアルデヒドを含まないバインダー(比較例2)に比べて、耐水性及び機械的物性が全般的に優れており、特に粉塵率が低いことを確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係るバインダー組成物は、繊維状材料として利用することができる。