特許第6388963号(P6388963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6388963無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号送信方法及びそのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6388963
(24)【登録日】2018年8月24日
(45)【発行日】2018年9月12日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号送信方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20180903BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20180903BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20180903BHJP
【FI】
   H04W72/12
   H04W92/18
   H04W56/00 130
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-567240(P2016-567240)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2017-520966(P2017-520966A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】KR2015004961
(87)【国際公開番号】WO2015178642
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/994,984
(32)【優先日】2014年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100170380
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】リ ソンミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
(72)【発明者】
【氏名】リ チヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ハクソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヒョクチン
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 Ericsson,Frame Structure for D2D-Enabled LTE Carriers[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142408,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-142408.zip>,2014年 5月 9日,Pages 1-4
【文献】 LG Electronics,Multiplexing issues of WAN and D2D[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142152,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-142152.zip>,2014年 5月10日,Pages 1-3
【文献】 Ericsson,D2D Physical Channels Design[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯77 R1-142398,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-142398.zip>,2014年 5月 9日,Pages 1-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて第1端末のD2D(Device−to−Device)信号を送信する方法であって、
D2D同期化信号(D2DSS)及びD2Dチャネル(D2DCH)のためのD2D送信スケジューリングを行うステップと、
前記D2DSSの送信が前記第1端末または第2端末に対して可能な複数のサブフレームの1つである第1のD2Dサブフレームにおいて前記D2DCHをドロップするステップと、を含み、
前記第1のD2Dサブフレームは、前記D2DSSの送信が前記第1端末または前記第2端末に対して可能な前記複数のサブフレームのうち、前記第端末のD2DSSの送信に対してのみ設定されたD2Dサブフレームであ、D2D信号送信方法。
【請求項2】
前記第のD2Dサブフレームにおいて、前記D2DSSの送信のためのリソース領域と前記D2DCHの送信のためのリソース領域とが少なくとも一部重なり、前記D2DSSと前記D2DCHとが同時にスケジュールされた場合、前記D2DCHが、前記D2D信号からドロップされる、請求項に記載のD2D信号送信方法。
【請求項3】
前記D2DSSの送信のためのリソース領域は、D2DSS送信周波数領域及び前記D2DSS送信のためのガード領域を含む、請求項に記載のD2D信号送信方法。
【請求項4】
前記D2DCHの送信のためのリソース伝送領域が、前記D2DSS送信周波数領域と重ならずに前記ガード領域と重なる場合、前記D2DCHのみが、前記D2D信号からドロップされる、請求項に記載のD2D信号送信方法。
【請求項5】
無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号を送信する第1端末であって、
無線周波数ユニットと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、D2D同期化信号(D2DSS)及びD2Dチャネル(D2DCH)のためのD2D送信スケジューリングを行い、
前記D2DSSの送信が前記第1端末または第2端末に対して可能な複数のサブフレームの1つである第1のD2Dサブフレームにおいて前記D2DCHをドロップするように構成され、
前記第1のD2Dサブフレームは、前記D2DSSの送信が前記第1端末または前記第2端末に対して可能な前記複数のサブフレームのうち、前記第端末のD2DSSの送信に対してのみ設定されたD2Dサブフレームであ、第1端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号送信方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPPLTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、「LTE」という。)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は、無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に示す図である。E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進展したシステムであり、現在3GPPで基礎的な標準化作業が進行中である。一般に、E−UMTSをLTE(Long Term Evolution)システムと呼ぶこともできる。UMTS及びE−UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容はそれぞれ、「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network」のRelease7及びRelease8を参照することができる。
【0004】
図1を参照すると、E−UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNodeB;eNB)、及びネットワーク(E−UTRAN)の終端に位置して外部ネットワークに接続するアクセスゲートウェイ(Access Gateway;AG)を含んでいる。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。
【0005】
一つの基地局には一つ以上のセルが存在する。セルは、1.44、3、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。異なったセルは、互いに異なった帯域幅を提供するように設定することができる。基地局は、複数の端末に関するデータ送受信を制御する。下りリンク(Downlink;DL)データについて、基地局は、下りリンクスケジューリング情報を送信し、該当の端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、上りリンク(Uplink;UL)データについて、基地局は、上りリンクスケジューリング情報を該当の端末に送信し、該当の端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。基地局同士の間には、ユーザトラフィック又は制御トラフィックの送信のためのインターフェースを用いることができる。コアネットワーク(Core Network;CN)は、AG、及び端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成することができる。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位に端末の移動性を管理する。
【0006】
無線通信技術は、WCDMA(登録商標)に基づいてLTEまで開発されているが、ユーザと事業者の要求と期待は増す一方である。その上、他の無線接続技術の開発が続いており、将来、競争力を有するためには新しい技術進化が要求される。ビット当たりのコストの削減、サービス可用性の増大、柔軟な周波数バンドの使用、単純構造と開放型インターフェース、端末の適度な電力消耗などが要求される。
【0007】
端末は、基地局の無線通信システムの効率的な運用を補助するために、現在チャネルの状態情報を基地局に周期的及び/又は非周期的に報告する。このように報告されるチャネルの状態情報は様々な状況を考慮して計算された結果を含み得るため、より効率的な報告方法が要求されている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような議論に基づき、以下では無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号送信方法及びそのための装置を提案する。
【0009】
本発明で遂げようとする技術的課題は上記の技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明白に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した問題点を解決するための本発明の一態様である、無線通信システムにおいて第1端末のD2D(Device−to−Device)信号を送信する方法は、D2D同期化信号(Device−to−Device Synchronization Signal;D2DSS)及びD2Dチャネル(Device−to Device CHannel;D2DCH)のためのD2D送信スケジューリングを行うステップと、複数のD2Dサブフレームのうち第1のD2Dサブフレーム上でD2D信号を送信するステップとを含み、前記第1のD2Dサブフレームは、前記D2D同期化信号送信が可能なように設定されたD2Dサブフレームのうち、前記第1端末のD2D同期化信号送信が設定されたD2Dサブフレームであり、前記D2D信号は、前記第1のD2Dサブフレーム上で、前記D2D同期化信号と前記D2Dチャネルとが同時にスケジュールされた場合、前記D2Dチャネルがドロップ(Drop)されることを特徴とする。
【0011】
なお、上記方法は、複数のD2Dサブフレームのうち第2のD2Dサブフレーム上でD2D信号を送信するステップを含み、前記第2のD2Dサブフレームは、前記D2D同期化信号送信が可能なように設定されたD2Dサブフレームのうち、第2端末のD2D同期化信号送信が設定されたD2Dサブフレームであることを特徴とする。
【0012】
なお、前記D2D信号は、前記第2のD2Dサブフレーム上で、前記D2D同期化信号と前記D2Dチャネルとが同時にスケジュールされた場合、前記D2Dチャネルがドロップ(Drop)されることを特徴とする。
【0013】
なお、前記D2D信号は、前記第2のD2Dサブフレーム上で、前記D2D同期化信号送信のためのリソース領域と前記D2Dチャネル伝送のためのリソース領域とが少なくとも一部重なり、前記D2D同期化信号と前記D2Dチャネルとが同時にスケジュールされた場合、前記D2Dチャネルがドロップされることを特徴とする。
【0014】
なお、前記D2D同期化信号送信のためのリソース領域は、前記D2D同期化信号送信周波数領域及び前記D2D同期化信号送信のためのガード(Guard)領域を含むことを特徴とする。好ましくは、前記D2Dチャネルは、スケジューリング割り当て(Scheduling Assignment)及びデータを含み、前記D2Dチャネルのためのリソース伝送領域が、前記D2D同期化信号送信周波数領域と重ならずに前記ガード領域と重なる場合、前記データだけがドロップされることを特徴とする。
【0015】
上述した問題点を解決するための本発明の他の態様である、無線通信システムにおいて第1端末のD2D(Device−to−Device)信号を受信する方法は、D2D同期化信号(Device−to−Device Synchronization Signal;D2DSS)及びD2Dチャネル(Device−to Device CHannel;D2DCH)のためのD2D送信スケジューリングを行うステップと、複数のD2Dサブフレームのうち第1のD2Dサブフレーム及び第2のD2Dサブフレーム上でD2D信号を送信するステップとを含み、前記第1のD2Dサブフレームは、前記D2D同期化信号送信が可能なように設定されたD2Dサブフレームのうち、前記第1端末と干渉グループに属する第2端末とのD2D同期化信号送信が設定されたD2Dサブフレームであり、前記第2のD2Dサブフレームは、前記D2D同期化信号送信が可能なように設定されたD2Dサブフレームのうち、前記第1端末と非干渉グループに属する第3端末とのD2D同期化信号送信が設定されたD2Dサブフレームであり、前記D2D信号は、前記D2D同期化信号と前記D2Dチャネルとが同時にスケジュールされた場合、前記第1のD2Dサブフレーム上で前記D2Dチャネルがドロップ(Drop)されることを特徴とする。
【0016】
なお、前記第3端末は、前記第1端末のネットワークカバレッジ外に位置することを特徴とする。
【0017】
なお、前記第2のD2Dサブフレームは、D2D同期化信号モニタリングのために所定の確率によって、D2Dチャネル伝送又はD2D同期化信号受信のために用いられることを特徴とする。
【0018】
上述した問題点を解決するための本発明の更に他の態様である、無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号を送信する第1端末は、無線周波数ユニットと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、D2D同期化信号(Device−to−Device Synchronization Signal;D2DSS)及びD2Dチャネル(Device−to Device CHannel;D2DCH)のためのD2D送信スケジューリングを行い、複数のD2Dサブフレームのうち第1のD2Dサブフレーム上でD2D信号を送信するように構成され、前記第1のD2Dサブフレームは、前記D2D同期化信号送信が可能なように設定されたD2Dサブフレームのうち、前記第1端末のD2D同期化信号送信が設定されたD2Dサブフレームであり、前記D2D信号は、前記第1のD2Dサブフレーム上で、前記D2D同期化信号と前記D2Dチャネルとが同時にスケジュールされた場合、前記D2Dチャネルがドロップ(Drop)されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例によれば、無線通信システムにおいて効率的なD2D(Device−to−Device)信号送信が可能になる。
【0020】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明白に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に関する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
図1】無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に例示する。
図2】3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく端末とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)の構造を例示する。
図3】3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般的な信号伝送方法を例示する。
図4】LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する。
図5】下りリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)を例示する。
図6】LTEシステムで用いられる下りリンク無線フレームの構造を例示する。
図7】LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を例示する。
図8】D2D通信を説明するための参考図である。
図9】D2DSS伝送を行う際、複数のUE間に伝送リソースが重なる場合を説明するための参考図である。
図10】D2DSS伝送を行う際、複数のUE間の干渉の有無によるシナリオを説明するための参考図である。
図11】本発明の一実施例に適用可能な基地局及び端末を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進化したバージョンである。
【0023】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE−Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるわけではない。また、以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更することもできる。
【0024】
図2は、3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく端末とE−UTRAN間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)の構造を示す図である。コントロールプレーンは、端末(User Equipment;UE)とネットワークが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザプレーンは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0025】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。この伝送チャネルを介して媒体接続制御層と物理層間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層間は、物理チャネルを介してデータが移動する。この物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして用いる。具体的に、物理チャネルは、下りリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクでSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0026】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性あるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとして具現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを效率的に送信するために不要の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0027】
第3層の最下部に位置している無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンでのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。そのために、端末とネットワークのRRC層は互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合、端末はRRC接続状態(Connected Mode)であり、そうでない場合、RRC休止状態(Idle Mode)である。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0028】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.4、3、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下り又は上り送信サービスを提供する。異なったセルは異なった帯域幅を提供するように設定することができる。
【0029】
ネットワークから端末にデータを送信する下り伝送チャネルは、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りSCHを介して送信されてもよく、又は別の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り伝送チャネルには、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。伝送チャネルの上位に位置しており、伝送チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)には、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0030】
図3は、3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びそれらを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
【0031】
電源が消えた状態で電源がついたり、新しくセルに進入したりしたユーザ機器は、段階S301で、基地局と同期を取るなどの初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、ユーザ機器は基地局から1次同期チャネル(Primary Synchronization Channel、P−SCH)及び2次同期チャネル(Secondary Synchronization Channel、S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。その後、ユーザ機器は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信してセル内放送情報を取得することができる。一方、ユーザ機器は、初期セル探索段階で下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal、DL RS)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0032】
初期セル探索を終えたユーザ機器は、段階S302で、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)、及び物理下りリンク制御チャネル情報に基づく物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDSCH)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
【0033】
その後、ユーザ機器は、基地局への接続を完了するために、段階S303乃至段階S306のようなランダムアクセス手順(Random Access Procedure)を行うことができる。そのために、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を介してプリアンブル(preamble)を送信し(S303)、物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304)。競合ベースランダムアクセスの場合、更なる物理ランダムアクセスチャネルの送信(S305)、及び物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルの受信(S306)のような衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0034】
上述したような手順を行ったユーザ機器は、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、物理下りリンク制御チャネル/物理下りリンク共有チャネルの受信(S307)及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)の送信(S308)を行うことができる。ユーザ機器が基地局に送信する制御情報を総称して上りリンク制御情報(Uplink Control Information、UCI)という。UCIは、HARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CSI(Channel State Information)などを含む。本明細書で、HARQ ACK/NACKは簡単に、HARQ−ACK或いはACK/NACK(A/N)と呼ぶ。HARQ−ACKは、ポジティブACK(簡単に、ACK)、ネガティブACK(NACK)、DTX及びNACK/DTXのうち少なくとも一つを含む。CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indication)などを含む。UCIは、一般にはPUCCHを介して送信されるが、制御情報とトラフィックデータとが同時に送信されるべき場合にはPUSCHを介して送信されてもよい。また、ネットワークの要求/指示に応じて、PUSCHを介してUCIを非周期的に送信することもできる。
【0035】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0036】
図4を参照すると、セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上りリンク/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位になされ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造、及びTDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造を支援する。
【0037】
図4の(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する。下りリンク無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1サブフレームは、時間領域(time domain)で2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さを1ms、1スロットの長さを0.5msとすることができる。1スロットは時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは下りリンクでOFDMAが用いられるため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソース割り当て単位としてのリソースブロック(RB)は、1スロットで複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0038】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって可変することができる。CPには、拡張されたCP(extended CP)と標準CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが標準CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張されたCPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加することから、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、標準CPの場合に比べて少ない。拡張されたCPの場合、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。ユーザ機器が速い速度で移動するなどしてチャネル状態が不安定な場合、シンボル間干渉をより減らすために、拡張されたCPを用いることができる。
【0039】
標準CPが用いられる場合、1スロットは7 OFDMシンボルを含むため、1サブフレームは14 OFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームの先頭における最大3個のOFDMシンボルは、PDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルは、PDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0040】
図4の(b)は、タイプ2無線フレームの構造を例示する。タイプ2無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、2個のスロットを含む4個の一般サブフレームと、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period、GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む特別サブフレーム(special subframe)とで構成される。
【0041】
特別サブフレームにおいて、DwPTSは、ユーザ機器における初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局におけるチャネル推定とユーザ機器の上りリンク送信同期の獲得に用いられる。すなわち、DwPTSは下りリンク送信に、UpPTSは上りリンク送信に用いられ、特に、UpPTSはPRACHプリアンブルやSRS送信のために用いられる。また、保護区間は、上りリンクと下りリンクの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0042】
上記の特別サブフレームに関して現在3GPP標準文書では下記の表1のように設定を定義している。表1で、Ts=1/(15000×2048)の場合に、DwPTSとUpPTSを示しており、残りの領域が保護区間として設定される。
【表1】
【0043】
一方、タイプ2無線フレームの構造、すなわち、TDDシステムにおいて上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL configuration)は、下記の表2のとおりである。
【0044】
【表2】
【0045】
上記の表2で、Dは下りリンクサブフレーム、Uは上りリンクサブフレームを表し、Sは特別サブフレームを意味する。また、上記の表2では、それぞれの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において下りリンク−上りリンクスイッチング周期も表している。
【0046】
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0047】
図5は、下りリンクスロットのリソースグリッド(resource grid)を例示する。
【0048】
【数1】
【0049】
【数2】
【0050】
図6は、下りリンクサブフレームの構造を例示する。
【0051】
図6を参照すると、サブフレームの第1スロットにおいて先頭における最大3(4)個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に対応する。残りのOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられるデータ領域に該当する。LTEで用いられる下りリンク制御チャネルの例は、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PHICH(Physical hybrid ARQ indicator Channel)などを含む。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内で制御チャネルの送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を搬送する。PHICHは、上りリンク送信に対する応答としてHARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat request acknowledgment/negative−acknowledgment)信号を搬送する。
【0052】
PDCCHを介して送信される制御情報をDCI(Downlink Control Information)と称する。DCIは、ユーザ機器又はユーザ機器グループのためのリソース割り当て情報及び他の制御情報を含む。例えば、DCIは、上りリンク/下りリンクスケジューリング情報、上りリンク送信(Tx)電力制御命令などを含む。
【0053】
PDCCHは、下りリンク共有チャネル(downlink shared channel;DL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割り当て情報、上りリンク共有チャネル(uplink shared channel;UL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割り当て情報、ページングチャネル(paging channel;PCH)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答のような上位層制御メッセージのリソース割り当て情報、ユーザ機器グループ内の個別ユーザ機器に対する送信電力制御命令セット、送信電力制御命令、VoIP(Voice over IP)の活性化指示情報などを搬送する。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、ユーザ機器は、複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは、1つ又は複数の連続した制御チャネル要素(control channel element;CCE)の集合(aggregation)上で送信される。CCEは、PDCCHに無線チャネル状態に基づくコーディングレートを提供するために用いられる論理的割り当てユニットである。CCEは、複数のリソース要素グループ(resource element group;REG)に対応する。PDCCHのフォーマット及びPDCCHビットの個数はCCEの個数によって決定される。基地局は、ユーザ機器に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(cyclic redundancy check)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は使用目的によって識別子(例、RNTI(radio network temporary identifier))でマスクする。例えば、PDCCHが特定ユーザ機器のためのものであれば、該当のユーザ機器の識別子(例、cell−RNTI(C−RNTI))をCRCにマスクすることができる。PDCCHがページングメッセージのためのものであれば、ページング識別子(例、paging−RNTI(P−RNTI))をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(system Information block;SIB))のためのものであれば、SI−RNTI(system Information RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがランダムアクセス応答のためのものであれば、RA−RNTI(random access−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0054】
図7は、LTEで用いられる上りリンクサブフレームの構造を例示する。
【0055】
図7を参照すると、上りリンクサブフレームは、複数(例、2個)のスロットを含む。スロットは、CP長によって異なる数のSC−FDMAシンボルを含むことができる。上りリンクサブフレームは、周波数領域でデータ領域と制御領域とに区別される。データ領域は、PUSCHを含み、音声などのデータ信号を送信するために用いられる。制御領域は、PUCCHを含み、上りリンク制御情報(Uplink Control Information;UCI)を送信するために用いられる。PUCCHは、周波数軸においてデータ領域の両端部に位置したRB対(RB pair)を含み、スロットを境界にホップする。
【0056】
PUCCHは、次の制御情報を送信するために用いることができる。
【0057】
− SR(Scheduling Request):上りリンクUL−SCHリソースを要求するために用いられる情報である。OOK(On−Off Keying)方式で送信される。
【0058】
− HARQ ACK/NACK:PDSCH上の下りリンクデータパケットに対する応答信号である。下りリンクデータパケットが成功的に受信されたか否かを示す。単一の下りリンクコードワードに対する応答として1ビットのACK/NACKが送信され、2つの下りリンクコードワードに対する応答として2ビットのACK/NACKが送信される。
【0059】
− CSI(Channel State Information):下りリンクチャネルに対するフィードバック情報である。CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)を含み、MIMO(Multiple Input Multiple Output)関連フィードバック情報は、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)などを含む。サブフレーム当たり20ビットが用いられる。
【0060】
ユーザ機器がサブフレームで送信可能な制御情報(UCI)の量は、制御情報の送信に可用なSC−FDMAの個数に依存する。制御情報の送信に可用なSC−FDMAは、サブフレームにおいて参照信号の送信のためのSC−FDMAシンボルを除いた残りのSC−FDMAシンボルを意味し、SRS(Sounding Reference Signal)が設定されたサブフレームではサブフレームの最後のSC−FDMAシンボルも除く。参照信号はPUCCHのコヒーレント検出に用いられる。
【0061】
以下ではD2D(UE−to−UE Communication)通信について説明する。
【0062】
D2D通信方式は、ネットワーク/コーディネーションステーション(例えば、基地局)のアシストを受ける方式と、そうでない場合とに大別される。
【0063】
図8を参照すると、図8(a)には、制御信号(例えば、グラントメッセージ(grant message))、HARQ、チャネル状態情報(Channel State Information)などの送受信にはネットワーク/コーディネーションステーションが介入し、D2D通信を行う端末間にはデータ送受信だけを行う方式が示されている。また、図8(b)には、ネットワークは最小限の情報(例えば、該当のセルで使用可能なD2D接続(connection)情報など)だけを提供するが、D2D通信を行う端末がリンクを形成してデータ送受信を行う方式が示されている。
【0064】
以下、本発明は、D2D通信のためのD2DSS(Device−to−Device Synchronization Signal)伝送とD2DCH(Device−to−Device CHannel)伝送が周波数ドメイン(Frequency domain)で多重化される方案に関し、具体的に、D2DSSとD2DCH伝送が同一時点(SF)でスケジュールされた場合のUE動作に関する。
【0065】
本発明において、D2DSS(D2D Synchronization Signal)は、D2D探索(D2D Discovery)或いはD2D通信(D2D communication)のための同期信号を意味する。D2DCH(D2D Channel)は、D2D探索或いはD2D通信のデータ或いは制御情報が送信されるチャネルを意味する。
【0066】
UEは特定の周期(例えば40ms)でD2DSS伝送を行うことができるが、D2DSSが送信されるサブフレーム(以下、SF)はシステム帯域幅の中央の6RB(Resource Block)のように特定の周波数領域に制限されてもよい。したがって、それ以外の周波数領域に該当するRBはD2DCH伝送及び受信に用いられるようにすることができる。ここで、D2DSSの伝送リソースは、i)eNBによって周期的に割り当てられてもよく、ii)特定のUEから起因したタイミング(timing)を用いてあらかじめ定められたパターンを有するように割り当てられてもよく、或いはiii )(特定のUEから起因したタイミング(timing)を用いて)特定のUEによって設定されたパターンを有するように割り当てられてもよい。また、D2DCHの伝送リソースは、i)eNBによって周期的或いは非周期的に割り当てられてもよく、ii)あらかじめ定められたパターンで周期的に割り当てられてもよく、又はiii )SA(Scheduling Assignment)によって周期的或いは非周期的にスケジュールされてもよい。
【0067】
まず、UEは自身のD2DSS伝送サブフレームで、自身のD2DCH伝送がスケジュールされると、D2DSSに優先順位を置き、D2DCH伝送をドロップ(drop)することができる。
【0068】
また、UEは、D2DSS伝送可能サブフレームのうち、自身のD2DSS伝送サブフレーム以外のサブフレームで、自身のD2DCH伝送がスケジュールされると、以下、第1方案乃至第3方案の少なくとも一つによって動作することができる。
【0069】
第1方案
UEは、D2DSS伝送可能サブフレームのうち、自身のD2DSS伝送サブフレーム以外のサブフレームで、自身のD2DCH伝送がスケジュールされると、D2DCH伝送をドロップすることができる。これは、他のD2DSSへの干渉防止などのためであり、当該サブフレームではD2DSSの受信/検出などを行うことができる。
【0070】
第2方案
UEは、D2DSS伝送可能サブフレームのうち、自身のD2DSS伝送サブフレーム以外のサブフレームで、自身のD2DCH伝送がスケジュールされると、D2DCHの伝送RBがD2DSSの伝送RBと全く重ならない場合に、D2DCHを送信する。仮に、重なるRBがある場合にはD2DCH伝送をドロップすることができる。これは、上述した第1方案と同様に、他のD2DSSへの干渉防止などのためであり、UEは第1方案と同様に、当該区間ではD2DSSの受信や検出などを行うことができる。
【0071】
さらに、帯域内放射(In−band emission)からD2DSS伝送を保護するためにD2DSS伝送周波数領域に対してガード帯域(guard band)を設定することができる。この場合、UEは、D2DSS伝送RB近隣のガードRB(guard RB)まで含めてD2DCHと重なる領域があるか否か判断する必要がある。すなわち、D2DCH伝送領域がD2DSS伝送領域とは重なる部分がなくても、ガード(guard)と指定された周波数領域の一部或いは全部と重なる場合にはD2DCH伝送をドロップしなければならない。言い換えると、ガード(guard)領域及びD2DSS伝送領域の一部或いは全部と重なる領域が一切ない場合にのみD2DCH伝送を行う。
【0072】
又は、D2DSSと衝突するD2DCH伝送がSA伝送である場合とデータ伝送である場合に対して異なる動作が設定されてもよい。例えば、SAとデータに対して第2方案を適用するものの、データの場合には、ガード(guard)領域及びD2DSS伝送領域と重なる部分がある場合にデータ伝送をドロップするようにし、SAの場合には、D2DSSと重なる部分がある場合にのみ、すなわち、D2DSSとは重なる部分がないが、ガード(guard)領域と重なる部分がある場合にのみ伝送を行うように例外的に動作することができる。
【0073】
又は、D2DSSと衝突するD2DCH伝送がSA伝送である場合には第2方案を適用し、データ伝送である場合には第1方案を適用してもよい。
【0074】
さらに、本発明は、ネットワークカバレッジ内にあるUEに対してD2DSS伝送リソースとWAN UL伝送リソースとが重なってスケジュールされる場合にも同一の適用が可能である。
【0075】
さらに、特定のUEのD2DSS伝送時点と他のUEのD2DSS伝送時点とが一致しない場合は、各UEのD2DSS伝送がTDM(Time Division Multiplexing)可能な場合であり、以下のような場合には本発明を適用することができる。
【0076】
・複数個のD2DSS伝送可能リソースが一つの周期(period)内に現れる場合であり、UEは複数個のD2DSS伝送可能サブフレームの中から一部(例えば、一つ)を選択してD2DSSを送信することができる。この場合、選択されていないサブフレームに対してはD2DSS伝送をしないため、第1方案或いは第2方案を行うことができる。
【0077】
・UE間のD2DSS伝送周期が互いに異なる場合であって、例えば、特定のUEは40msの周期でD2DSSを送信するが、他のUEは80msの周期でD2DSSを送信してもよい。この場合、80msの周期を有するUEは、D2DSS伝送可能サブフレームの50%のみを使用する(例えば、80msの周期(或いはタイムウィンドウ)内のD2DSS伝送可能サブフレームのうち、D2D伝送可能サブフレーム50%のみを使用する)。したがって、残りのサブフレーム(例えば、D2DSSを送信しない50%)に対してはD2DSS伝送をしないため、第1方案或いは第2方案のように動作することができる。
【0078】
図9は、本発明によって、UE #1とUE #2が互いに異なるリソース領域でD2DSS伝送を行う際、UE #2のD2DCHがUE #1のD2DSS伝送リソースと重なる(overlap)場合を説明するための参考図である。図9のように、各UEのネットワークカバレッジが重なる場合には、例えば、上述したように、i)D2DSS伝送のために選択されていないサブフレーム、或いはii)互いに異なる周期であることからD2DSS伝送に用いられないサブフレームで、第1方案或いは第2方案を行うことができる。
【0079】
一方、各UEによるD2DSS伝送が互いに干渉を与えない場合には、上述した第1方案或いは第2方案と異なるUE動作を定義してもよい。
【0080】
図10は、各UEによるD2DSS伝送が互いに干渉を与えない場合を説明するための参照図である。図10のように、D2DSS伝送が階層構造を有する場合には、UE間干渉グループと非干渉グループの区別ができるため、UEは自身と非干渉グループに属するUEのD2DSS伝送サブフレームに対しては第2方案ではなく第3方案を行ってもよい。
【0081】
第3方案
第3方案によれば、(例えば、UEは、D2DSS伝送可能サブフレームのうち、自身のD2DSS伝送サブフレーム以外のサブフレームで、自身のD2DCH伝送がスケジュールされると、)D2DCHの伝送領域がD2DSSの伝送領域と少なくとも一つ(すなわち、一部或いは全体)重なるか否かによらず、D2DCHを送信することができる。或いは、当該サブフレームで(新しい)D2DSSモニタリングを行うために特定の確率でD2DCH伝送とD2DSS受信を任意に決定してもよい。ここで、例えば、特定の確率は、上位層シグナリングで指示されてもよく、あらかじめ設定されてもよい。
【0082】
例えば、図10の場合、ホップ(hop)4を有するUEとホップ(hop)1を有するUEは互いに非干渉グループと定義される。したがって、UE #4は自身が同期を取っているUE #3のD2DSS伝送リソースに対しては上記の第1方案或いは上記の第2方案を適用するが、自身の領域(coverage)外にあるUE #1のD2DSS伝送リソースに対してはこの第3方案を適用することができる。すなわち、第3方案によって、UE#2の受信サブフレームである、UE #2のD2DSS伝送サブフレームではUE #2のD2DSS受信のためにD2DCH伝送をしなくてもよい。
【0083】
また、上記の第3方案で、D2DCH伝送がスケジュールされていない場合にもD2DSS受信を行わずD2DCH受信動作を行うようにしてもよい。これは、上記の第2方案に対しても同一に定義されてもよい。すなわち、UEはD2DSS伝送サブフレームのうち自身のD2DSS伝送サブフレーム以外のサブフレームで自身のD2DCH伝送がスケジュールされていない場合にもD2DSSを受信せず、D2DCH受信動作を行うことができる。
【0084】
また、UEは、自身がD2DSSを送信するサブフレームでもモニタリング(monitoring)のために特定の確率でD2D(例えば、D2DSS、D2DCH)伝送を行うか否かを任意に選択することもできる。ここで、このような方法が適用される場合に、当該UEは、自身がD2DSSを送信するリソース領域でも他のUEから送信される(新しい)D2DSSに対する検出動作を行うことができるという長所がある。
【0085】
図11には、本発明の一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する。
【0086】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクでは通信が基地局とリレー間に行われ、アクセスリンクでは通信がリレーと端末間に行われる。したがって、図面に例示された基地局又は端末は状況によってリレーに代替されてもよい。
【0087】
図11を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波数(Radio Frequency;RF)ユニット116を備える。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ114は、プロセッサ112と接続され、プロセッサ112の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及びRFユニット126を備える。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ124は、プロセッサ122と接続され、プロセッサ122の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110及び/又は端末120は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0088】
以上に説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わってもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりできることは明らかである。
【0089】
本文書で基地局によって行われると説明された特定の動作は場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network node)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作を基地局又は基地局以外のネットワークノードで行うことができることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に置き換えてもよい。
【0090】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0091】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されてもよい。
【0092】
メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0093】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化されてもよいことは当業者には自明である。このため、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的な解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的な範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
上述したような無線通信システムにおいてD2D(Device−to−Device)信号送信方法及びそのための装置は、3GPP LTEシステムに適用される例を中心に説明したが、3GPP LTEシステムの他、様々な無線通信システムにも適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11