(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1筐体に対して回転不能に連結された第1ヒンジ軸と、第2筐体に対して回転不能に連結された第2ヒンジ軸と、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸を回転可能に支持するヒンジ筐体とを有するヒンジ装置を備え、該ヒンジ装置によって前記第1筐体と前記第2筐体との間を開閉可能に連結した携帯用情報機器であって、
前記ヒンジ装置は、前記第1ヒンジ軸が前記ヒンジ筐体の一側部から突出して前記第1筐体に連結されると共に、前記第2ヒンジ軸が前記ヒンジ筐体の前記一側部から前記第1ヒンジ軸と並んで突出して前記第2筐体に連結され、
前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸の少なくとも一方と同軸上に設けられ、前記ヒンジ筐体の前記一側部とは反対側の他側部を、前記第1筐体及び前記第2筐体の少なくとも一方に対して回転可能に支持する支持軸を備えることを特徴とする携帯用情報機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、一対のヒンジ軸はヒンジ筐体の一側面から並んで突出している。つまりヒンジ筐体は片持ち状態で本体筐体及びディスプレイ筐体と相対回転可能に連結されている。従ってヒンジ装置が小型化されると共に、これと連結される本体筐体及びディスプレイ筐体の構造が簡素化されている。
【0005】
ところで、例えば本体筐体やディスプレイ筐体として大型なものや重量のあるものを用いた場合、片持ち状態のヒンジ装置では開閉時にヒンジ筐体ががたつきを生じる可能性がある。特に、ヒンジ筐体の内部に所定の機構や電子部品等を搭載してヒンジ筐体の幅寸法が長尺化させた構造等では、そのがたつきが一層大きなものとなる。このがたつきを生じると、ディスプレイ筐体の開閉動作が不安定になるだけでなく、製品全体の品質も低下させる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、筐体間の開閉動作を安定化させ、製品品質も確保することができる携帯用情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯用情報機器は、第1筐体に対して回転不能に連結された第1ヒンジ軸と、第2筐体に対して回転不能に連結された第2ヒンジ軸と、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸を回転可能に支持するヒンジ筐体とを有するヒンジ装置を備え、該ヒンジ装置によって前記第1筐体と前記第2筐体との間を開閉可能に連結した携帯用情報機器であって、前記ヒンジ装置は、前記第1ヒンジ軸が前記ヒンジ筐体の一側部から突出して前記第1筐体に連結されると共に、前記第2ヒンジ軸が前記ヒンジ筐体の前記一側部から前記第1ヒンジ軸と並んで突出して前記第2筐体に連結され、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸の少なくとも一方と同軸上に設けられ、前記ヒンジ筐体の前記一側部とは反対側の他側部を、前記第1筐体及び前記第2筐体の少なくとも一方に対して回転可能に支持する支持軸を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、ヒンジ筐体の一側部から並んで突出した各ヒンジ軸とは反対側の他側部と少なくとも一方の筐体との間を回転可能に支持する支持軸を備える。これにより、筐体間の開閉動作時にヒンジ筐体の各ヒンジ軸側とは反対側の他側部側が上下にがたつきを生じることを防止できる。その結果、筐体間の開閉動作が安定化し、製品品質も確保できる。
【0009】
前記支持軸は、前記ヒンジ筐体の前記他側部から突出して、前記第1筐体及び前記第2筐体の少なくとも一方に設けられた軸受部に軸支されており、前記第1筐体又は前記第2筐体の外壁部の内壁面を前記軸受部として用いた構成であってもよい。そうすると、外壁部を軸受部に利用しているため、軸受部の構成を簡素化できる。しかも、例えば各筐体の最後部にある外壁部の内壁面を軸受部とすることで、支持軸及びこれと同軸のヒンジ軸の配置を筐体の最後部に配置できる。このため、ヒンジ装置が筐体の前側にオフセット配置されて筐体の内部空間に大きく進入すること、或いは携帯用情報機器の外観品質を低下させることを回避できる。
【0010】
前記軸受部は、前記外壁部の内壁面と、該内壁面に対向配置された軸受部品との間で前記支持軸を回転可能に支持した構成であってもよい。そうすると、支持軸の反対側は軸受部品で支持できるため、外壁部はその内壁面に円弧状の軸受形状を形成するだけでよい。このため、外壁部のみで軸受部を構成しようとする場合に比べて外壁部の構造が複雑化することを防止できる。
【0011】
前記ヒンジ筐体の内部には、電子部品を保持するためのホルダ部品が収容固定され、前記支持軸は、前記ホルダ部品に設けられた構成であってもよい。そうすると、ヒンジ装置に収容される電子部品のホルダ部品を支持軸に利用できるため、ヒンジ筐体に支持軸を成形したり、支持軸を設けるためだけの別部品をヒンジ筐体に組み付ける必要がなく、構成を簡素化できる。
【0012】
前記支持軸は、中空部を有する円筒形状であり、前記第1筐体と前記第2筐体との間を電気的に接続する配線が、前記中空部を挿通した構成であってもよい。そうすると、支持軸の中空部を配線挿通用の経路の一部として利用でき、配線の保護効果と配線経路の簡素化とが可能となる。
【0013】
前記支持軸は、前記第1ヒンジ軸の同軸上にのみ設けられ、前記ヒンジ筐体の他側部と前記第1筐体との間を支持した構成であってもよい。すなわち、支持軸を各ヒンジ軸のそれぞれと同軸に一対設けた場合、各筐体の反り変形を吸収することができなくなる可能性がある。この点、支持軸は一方のヒンジ軸のみと同軸に設けられることで、筐体の開閉動作をより安定に且つ円滑に構成できる。
【0014】
前記第1筐体は、キーボード装置を有し、前記第2筐体は、ディスプレイ装置を有する構成であってもよい。すなわち、キーボード装置側の第1筐体に支持軸を支持させることにより、薄型化が要望されるディスプレイ装置側の第2筐体に支持軸を軸支するための軸受部等を設ける必要がない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、筐体間の開閉動作時にヒンジ筐体の各ヒンジ軸側とは反対側の他側部側が上下にがたつきを生じることを防止できる。その結果、筐体間の開閉動作が安定化し、製品品質も確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る携帯用情報機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯用情報機器10の斜視図である。
図1は、ヒンジ装置12によってディスプレイ筐体14を本体筐体16から開いて携帯用情報機器10をノート型PCの使用形態とした状態を示している。
図2Aは、
図1に示す状態からディスプレイ筐体14を閉じた状態を模式的に示す要部拡大側面図である。
図2Bは、
図1に示す状態からディスプレイ筐体14をさらに開いて反転させた状態を模式的に示す要部拡大側面図である。
【0019】
本実施形態の携帯用情報機器10は、ディスプレイ筐体14を本体筐体16に対して90度前後の角度位置に回動させた状態(ノートモード)ではノート型PCとして好適に使用でき(
図1参照)、ディスプレイ筐体14を本体筐体16に対して360度位置まで回動させて反転させた状態(タブレットモード)ではタブレット型PCとして好適に使用できる(
図2B参照)、いわゆるコンバーチブル型PCである。本発明はこのようなコンバーチブル型PC以外、例えばディスプレイ筐体14が180度位置程度までしか回動しない一般的なノート型PC、携帯電話、スマートフォン又は電子手帳等、2つの筐体を開閉可能に連結した構成の電子機器であれば好適に適用できる。
【0020】
以下、
図2Aに示すようにディスプレイ筐体14を本体筐体16に対して閉じた状態(0度位置)での形態を基準とし、ディスプレイ筐体14及び本体筐体16のヒンジ装置12側を後側(後端)、その反対側を前側(前端)、幅方向をそれぞれ左側及び右側、厚み方向を上下方向と呼んで説明する。
【0021】
また説明の便宜上、ヒンジ装置12による本体筐体16とディスプレイ筐体14の角度位置について、ディスプレイ筐体14を本体筐体16に対して完全に閉じた状態とし、ディスプレイ筐体14の内面14aが本体筐体16の内面16aに対面した姿勢を0度位置(
図2A参照)と呼び、この0度位置を基準として、ディスプレイ筐体14を回動させながら開く方向で角度を刻みながら説明する。例えばディスプレイ筐体14と本体筐体16とが略直交した姿勢を90度位置(
図1参照)と呼ぶ。ディスプレイ筐体14の内面14aと本体筐体16の内面16aが同一方向(上方)を向いて互いに平行した姿勢を180度位置(
図2A中に2点鎖線で示すディスプレイ筐体14参照)と呼ぶ。さらにディスプレイ筐体14の外面14bと本体筐体16の外面16bとが対面した姿勢を360度位置(
図2B参照)と呼ぶ。なお、0度位置、90度位置、180度位置及び360度位置等については、本体筐体16、ディスプレイ筐体14又はヒンジ装置12の構造により、角度数字の示す正確な角度位置から多少ずれた角度位置となることも当然生じるものであり、これらのずれた角度位置も含めて、本実施形態では0度位置等と呼んで説明している。
【0022】
図1に示すように、携帯用情報機器10は、ディスプレイ筐体14の後端部と本体筐体16の後端部とを左右一対のヒンジ装置12,12によって回動可能に連結したものである。
【0023】
ディスプレイ筐体14は、本体筐体16よりも薄い平板形状に構成され、その内面14aにディスプレイ装置18が設けられている。ディスプレイ筐体14は、ヒンジ装置12を通過したケーブル(配線)20(
図4参照)により本体筐体16と電気的に接続されている。ディスプレイ装置18は、例えばタッチパネル式の液晶表示装置によって構成される。
【0024】
本体筐体16は、平板形状に構成された箱体であり、その内面16aにキーボード装置22やタッチパッド24が設けられている。本体筐体16は、その内部に図示しない基板、演算装置及びメモリ等の各種電子部品が収納されている。
【0025】
図3は、0度位置にある携帯用情報機器10のヒンジ装置12付近の構成を模式的に示す平面図である。
図4は、
図3に示す携帯用情報機器10のヒンジ装置12付近の構成を模式的に示す一部断面背面図である。
【0026】
図2A〜
図3に示すように、ヒンジ装置12は、2軸構造によってディスプレイ筐体14と本体筐体16とを0度位置から360度位置まで回動可能に連結している。ヒンジ装置12は、第1ヒンジ軸26と、第2ヒンジ軸27と、ヒンジ筐体28とを備える。なお、左右のヒンジ装置12,12同士は左右対称構造である以外は同一構造となっている。
【0027】
図4に示すように、第1ヒンジ軸26は、左右方向に延びた回転軸であり、本体筐体16に対して回転不能に連結されている。
【0028】
第1ヒンジ軸26の一端部(
図4中の左端部)は、ヒンジ筐体28の一側部28a(
図4中の左側部)から突出して本体筐体16に連結固定されている。具体的には、第1ヒンジ軸26の一端部は本体筐体16内で支持ブラケット30と連結固定されている。支持ブラケット30は、本体筐体16内で該本体筐体16に対してねじ止め固定される。これにより、第1ヒンジ軸26は本体筐体16と一体的に回転する。第1ヒンジ軸26の他端部(
図4中の右端部)は、ヒンジ筐体28内に左右方向に並んで設けられた支持板32,33によって回転可能に保持されている。支持板32,33は、中央に設けられた取付棒34と一体構造とされ、取付棒34を介してヒンジ筐体28と固定されている。支持板32,33は、ヒンジ筐体28の内部空間(矩形の上下両端を円弧形状とした形状)と略一致した外形を有する薄板である。
【0029】
従って、本体筐体16は第1ヒンジ軸26と共にヒンジ筐体28に対して回転可能に支持されている。換言すれば、ヒンジ筐体28は第1ヒンジ軸26を介して本体筐体16に対して回転可能に支持されている。
【0030】
図4に示すように、第2ヒンジ軸27は、左右方向に延びた回転軸であり、ディスプレイ筐体14に対して回転不能に連結されている。
【0031】
第2ヒンジ軸27の一端部(
図4中の左端部)は、ヒンジ筐体28の一側部28a(
図4中の左側部)から第1ヒンジ軸26と上下に並んで突出してディスプレイ筐体14に連結固定されている。具体的には、第2ヒンジ軸27の一端部はディスプレイ筐体14内で支持ブラケット36と連結固定されている。支持ブラケット36は、ディスプレイ筐体14内で該ディスプレイ筐体14に対してねじ止め固定される。これにより、第2ヒンジ軸27はディスプレイ筐体14と一体的に回転する。第2ヒンジ軸27の他端部(
図4中の右端部)は、ヒンジ筐体28内で支持板32,33によって回転可能に保持されている。
【0032】
従って、ディスプレイ筐体14は第2ヒンジ軸27と共にヒンジ筐体28に対して回転可能に支持されている。換言すれば、ヒンジ筐体28は第2ヒンジ軸27を介してディスプレイ筐体14に対して回転可能に支持されている。
【0033】
図2A〜
図4に示すように、ヒンジ筐体(ヒンジブロック)28は、各ヒンジ軸26,27を回転可能に支持する筒状部材である。ヒンジ筐体28は、矩形の上下両端を円弧形状とした断面形状を有する。ヒンジ筐体28は、ディスプレイ筐体14及び本体筐体16の後端部に設けられた凹状部14c,16cの内側で回転可能に配設される(
図3参照)。ヒンジ筐体28は、その内部の中空部に各ヒンジ軸26,27を回転可能に支持する支持板32,33が圧入されると共に、取付棒34がねじ止め固定される。ヒンジ筐体28は、各ヒンジ軸26,27を介して各筐体16,14と相対回転可能である。
【0034】
図4に示すように、ヒンジ装置12は、第1ヒンジ軸26に外嵌固定された第1円板38と、第2ヒンジ軸27に外嵌固定された第2円板39とを有する。各円板38,39は、支持板32,33間に配置されている。第1円板38と第2円板39の外周面間となる位置には、フロートピン40が設けられている。フロートピン40は、第1円板38と第2円板39の間を往復移動可能且つ回転可能である。
【0035】
フロートピン40は、ディスプレイ筐体14の本体筐体16に対する開き角度位置に応じて第1円板38の外周面に形成された図示しない溝部又は第2円板39の外周面に形成された図示しない溝部に選択的に嵌合する。これにより、フロートピン40が嵌合している軸(第1ヒンジ軸26又は第2ヒンジ軸27)の回転が規制され、各ヒンジ軸26,27はディスプレイ筐体14の開き角度位置に応じていずれかが選択的に回転可能となる。本実施形態の場合、0度位置から180度位置までの間は第2ヒンジ軸27のみが回転し、180度位置から360度位置までの間は第1ヒンジ軸26のみが回転することで、ディスプレイ筐体14の円滑な開閉動作を可能としている(
図2A及び
図2B参照)。フロートピン40による回転軸選択機能は省略してもよい。また例えば第1ヒンジ軸26と第2ヒンジ軸27との間に図示しない歯車列を介在させ、両ヒンジ軸26,27が同期回転するように構成してもよい。
【0036】
図4に示すように、ヒンジ筐体28内には、第1トルク発生機構42と、第2トルク発生機構43とが設けられている。第1トルク発生機構42は、第1ヒンジ軸26に外挿され、第1ヒンジ軸26に所定の回転トルクを発生させる。第2トルク発生機構43は、第2ヒンジ軸27に外挿され、第2ヒンジ軸27に所定の回転トルクを発生させる。これにより、ディスプレイ筐体14と本体筐体16との間の開閉動作がある程度の回転トルクを持った安定且つ円滑なものとなっている。
【0037】
図4に示すように、ヒンジ筐体28内には、ホルダ(ホルダ部品)44が収容固定されている。
図5は、ホルダ44の斜視図である。
【0038】
図4及び
図5に示すように、ホルダ44は、ヒンジ筐体28の長手方向に延びたブロック状の部品であり、ヒンジ筐体28の内部に圧入固定されている。ホルダ44は、アンテナ45をヒンジ筐体28内に配設するための部品である。
図4に示す右側のヒンジ装置12の場合、各ヒンジ軸26,27がヒンジ筐体28の右側(
図4中で左側)の一側部28aから突出している。そこでホルダ44は、ヒンジ筐体28内で各ヒンジ軸26,27の左側(
図4中で右側)に並んで配置されている。なお、左側のヒンジ装置12ではこの右側のヒンジ装置12の場合と左右対称構造となっている。
【0039】
ホルダ44は、部品支持部46と、ホルダベース48とを有する。
【0040】
部品支持部46は、アンテナ45を取付支持する部分である。部品支持部46は、ヒンジ筐体28の内部空間で上部に隙間を設けて配置されるブロック形状部である。アンテナ45は、例えば当該携帯用情報機器10の無線LAN(Local Area Network)等の各種無線通信用のアンテナである。本実施形態では、例えばアンテナ45として小型のフィルム状アンテナである板状逆F型アンテナ(PIFA)を用いている。
【0041】
部品支持部46は、一部を屈曲させたアンテナ45を貼着可能な第1支持面46a及び第2支持面46bを有する。第1支持面46aは、ヒンジ筐体28の内部空間で前側から後側に向かって次第に下方に傾斜した傾斜面である。第2支持面46bは、第1支持面46aの後下端から連続して下方に延びた鉛直面である。例えば第1支持面46aには、アンテナ45の通信部であるアンテナエレメントが配置され、第2支持面46bには、アンテナ45のグランドが配置される。
【0042】
ホルダベース48は、ホルダ44のヒンジ筐体28への取付部である。ホルダベース48は、ヒンジ筐体28の内部空間(矩形の上下両端を円弧形状とした形状)と略一致したブロック形状部である。ホルダベース48は、部品支持部46のヒンジ軸26,27側とは反対側に位置しており、ヒンジ筐体28の一側部28aとは反対側の他側部28b(
図4中の右側部)に配置されている。つまりホルダベース48は、部品支持部46側とは反対側の外側面48aがヒンジ筐体28の他側部28bの開口に臨んでいる。
【0043】
ホルダベース48には、支持軸50と、ケーブル経路52とが設けられている。
【0044】
支持軸50は、ホルダベース48の外側面48aに突設され、ヒンジ筐体28の他側部28bから突出している。支持軸50は、第1ヒンジ軸26と同軸上に設けられている。支持軸50の先端部は、本体筐体16内に挿入され、本体筐体16内の軸受部54で軸支されている。支持軸50は、ホルダ44を介して一体化されたヒンジ筐体28の他側部28bを、第1ヒンジ軸26と同軸で本体筐体16に対して回転可能に支持する回転軸である。
【0045】
ケーブル経路52は、ホルダベース48の内部に形成された略U字状の中空経路である。ホルダベース48の内部を中空で形成し、この中空の内部空間をケーブル経路52として利用してもよい。ケーブル経路52の一端はディスプレイ筐体14の凹状部14cに対面して開口し、他端は支持軸50に形成された中空部50aに連通している。ケーブル経路52の他端は、この中空部50aを介して本体筐体16内に開口している。ケーブル経路52には、ディスプレイ筐体14と本体筐体16との間を電気的に接続するケーブル20が挿通される。ケーブル経路52には、さらにアンテナ45のアンテナケーブル45aも挿通される。
【0046】
図6は、0度位置にある携帯用情報機器10のヒンジ装置12付近の内部構造を示す斜視図であり、本体筐体16の外面16bを形成する外カバー部材61を取り外した状態である。
図7は、0度位置にある携帯用情報機器10のヒンジ装置12付近の構成を示す一部断面拡大図である。
【0047】
図6及び
図7に示すように、支持軸50を軸支する軸受部54は、本体筐体16の外壁部56の内壁面56aと、本体筐体16内に固定された軸受部品58とで構成されている。
【0048】
本体筐体16は、内面16aを形成する内カバー部材60と、外面16bを形成する外カバー部材61とを連結した箱状の構造である。本実施形態では、本体筐体16の後端部の外壁部56を内カバー部材60で形成している。この外壁部56の内壁面56aは、支持軸50が摺動回転可能な円弧状に形成され、軸受部54の一部として機能する。内カバー部材60に代えて外カバー部材61で軸受部54を構成してもよい。
【0049】
軸受部品58は、支持軸50を摺動回転可能に支持する円弧状の軸受面58aを有し、内カバー部材60に対してねじ止め固定されている。軸受面58aは、支持軸50を間に挟んで外壁部56の内壁面56aと対向配置される。つまり、軸受部品58の軸受面58aと外壁部56の内壁面56aとは、互いに間隔を介して対向配置されることで、その間に支持軸50を回転可能に保持する略円筒形状の軸受部54を構成している。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る携帯用情報機器10は、本体筐体16に対して回転不能に連結された第1ヒンジ軸26と、ディスプレイ筐体14に対して回転不能に連結された第2ヒンジ軸27と、各ヒンジ軸26,27を回転可能に支持するヒンジ筐体28とを有するヒンジ装置12を備える。このヒンジ装置12は、第1ヒンジ軸26がヒンジ筐体28の一側部28aから突出して本体筐体16に連結されると共に、第2ヒンジ軸27がヒンジ筐体28の一側部28aから第1ヒンジ軸26と並んで突出してディスプレイ筐体14に連結される。そして携帯用情報機器10は、第1ヒンジ軸26と同軸上に設けられ、ヒンジ筐体28の一側部28aとは反対側の他側部28bを、本体筐体16に対して回転可能に支持する支持軸50を備える。
【0051】
このように当該携帯用情報機器10は、ヒンジ筐体28の一側部28aから並んで突出した各ヒンジ軸26,27とは反対側の他側部28bと本体筐体16との間を回転可能に支持する支持軸50を備える。これにより、ディスプレイ筐体14の開閉動作時にヒンジ筐体28の各ヒンジ軸26,27側とは反対側の他側部28b側が上下にがたつきを生じることを防止できる。すなわち、ヒンジ装置12では、各ヒンジ軸26,27を回転可能に支持する支持板32,33とヒンジ筐体28との間の連結固定部(取付棒34のねじ止め部)を支点とし、ヒンジ筐体28の各側部28a,28bが上下にがたつきを生じる可能性がある。この点、当該携帯用情報機器10では、ヒンジ筐体28の一側部28a側のがたつきは各ヒンジ軸26,27で防止でき、他側部28b側のがたつきは支持軸50で防止できる。その結果、筐体14,16間の開閉動作が安定化し、製品品質も確保できる。また、支持軸50は、ヒンジ軸26,27と異なり、単に本体筐体16内で軸支されていればよいため、ヒンジ装置12や本体筐体16の大型化や構造の複雑化は最小限で済む。
【0052】
なお、支持軸50は、第2ヒンジ軸27と同軸上に配置されてヒンジ筐体28とディスプレイ筐体14との間を支持するものであってもよい。但し、この構成では、一般的に本体筐体16よりも薄型化が図られているディスプレイ筐体14に軸受部54を配設する必要がある。このため、支持軸50は、第1ヒンジ軸26と同軸に設けられていることが好ましい。
【0053】
また、支持軸50は、第1ヒンジ軸26及び第2ヒンジ軸27のそれぞれと同軸に一対設けられてもよい。但し、この構造では、ヒンジ筐体28は、その一側部28aが各ヒンジ軸26,27を介して各筐体16,14と連結され、その他側部28bが各支持軸50を介して各筐体16,14と連結される。このため、例えばディスプレイ筐体14の開閉時にディスプレイ筐体14又は本体筐体16が左右幅方向の中央付近を中心として円弧状に反り変形を生じた場合、この反り変形の力が全て各ヒンジ軸26,27及び各支持軸50からヒンジ筐体28に付与されて各軸部分にきしみや負荷がかかる。その結果、ディスプレイ筐体14の開閉動作がかえって円滑ではなくなる懸念があるため、支持軸50は一方のヒンジ軸26,27のみと同軸に設けられていることが好ましい。但し、各筐体14,16の反り変形等が小さい仕様等では支持軸50を一対設けても勿論よい。
【0054】
当該携帯用情報機器10では、支持軸50は、ヒンジ筐体28の他側部28bから突出して、本体筐体16(又はディスプレイ筐体14)に設けられた軸受部54に軸支されており、本体筐体16(又はディスプレイ筐体14)の外壁部56の内壁面56aを軸受部54として用いている。このように外壁部56を軸受部54に利用することで、軸受部54の構成を簡素化できる。しかも、本体筐体16の最後部にある外壁部56の内壁面56aを軸受部54とすることで、支持軸50及びこれと同軸の第1ヒンジ軸26(及び第2ヒンジ軸27)の配置を本体筐体16の最後部に配置できる。このため、ヒンジ装置12が本体筐体16の前側にオフセット配置されて各筐体14,16の内部空間に大きく進入すること、或いは携帯用情報機器10の外観品質を低下させることを回避できる。
【0055】
当該携帯用情報機器10では、軸受部54は、外壁部56の内壁面56aと、内壁面56aに対向配置された軸受部品58との間で支持軸50を回転可能に支持している。これにより、支持軸50の反対側は軸受部品58で支持できるため、外壁部56はその内壁面56aに円弧状の軸受形状を形成するだけでよい。このため、外壁部56のみで軸受部54を構成しようとする場合に比べて外壁部56の構造が複雑化することを防止できる。勿論、軸受部品58を省略して外壁部56のみで軸受部54を構成して部品点数を低減してもよく、反対に軸受部品58のみで軸受部54を構成して外壁部56に対する加工や形状構造を省略してもよい。
【0056】
当該携帯用情報機器10では、ヒンジ筐体28の内部には、電子部品であるアンテナ45を保持するためのホルダ44が収容固定され、支持軸50はホルダ44に設けられている。このように、ヒンジ装置12にアンテナ45を一体的に組み込むためのホルダ44に支持軸50を設けることで、ヒンジ筐体28に支持軸50を成形したり、支持軸50を設けるためだけの別部品をヒンジ筐体28に組み付ける必要がなく、構成を簡素化できる。勿論、ヒンジ筐体28に支持軸50を形成し、或いは支持軸50を設けるためだけの別部品、例えばホルダベース48と同様な形状で支持軸50のみを設けたものを用いてもよい。なお、ホルダ44は、アンテナ45以外の電子部品、例えばカメラ等を支持するためのものであってもよい。
【0057】
当該携帯用情報機器10では、支持軸50は中空部50aを有する円筒形状であり、本体筐体16とディスプレイ筐体14との間を電気的に接続するケーブル20が中空部50aを挿通している。すなわち、各筐体16,14と相対回転するヒンジ筐体28を経由するケーブル20は、筐体16,14間の開閉動作時等の回転やねじれを考慮すると各ヒンジ軸26,27と同軸に配設されることが好ましい。そこで、支持軸50の中空部50aをケーブル20の挿通用のケーブル経路52の一部として利用することで、ケーブル20の保護効果とケーブル経路52の経路の簡素化とが可能となる。
【0058】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0059】
上記実施形態では、支持軸50をヒンジ装置12側から突出させた構成を例示したが、支持軸50を本体筐体16側(又はディスプレイ筐体14側)から突出させ、ヒンジ筐体28内に軸受部54を設けた構成としてもよい。